X-47Bが順調にテストをこなしている間にUCLASSのコンセプトが決まらないのは歯がゆいですね。一方、いつの間にかドローンという言葉が一班に使われるようになりましたが、もとをただすとunmannedというコバに抵抗を感じた女性が出発点です。その女性は今週大統領選挙出馬を表明したヒラリーであり、このブログ管理者がどうしても支持したくないタイプの政治家です。
X-47B Drone Set For Refueling Test Tomorrow
NATIONAL HARBOR, MD: 「明日の天気はよさそうだ」とボー・デュアーテ大佐(米海軍で空母運用無人機事業を統括)は言う。慎重に「今のところはね」と付け加えた。
- 天候が良ければ米海軍の実験機X-47Bは空中給油を行う。無人機の空中給油は初の試みだ。これまでのテストでX-47Bは飛行中の給油機に30フィートまで接近し、ドローグ(燃料ホース)の背後についたまま飛行している。これまでは高精度GPSで空母着艦含む飛行を制御してきた。明日は新型光学センサーで燃料管をドローグに挿入する。
- 空中給油はパイロットにとっても神経をすり減らす仕事だが、アメリカが世界規模で空の優位を維持するためにはどうしても必要だ。無人機で空中給油が可能となれば可能性は増える。有人機の場合は燃料以外に搭乗員の人的限界で制約を受けるからだ。
- そこで海軍はX-47B後継機に超人的な耐久性を期待しており、UCLASSは24時間一週間連続の警戒飛行を航空母艦の周囲で行う。ただしUCLASSを巡り内部で苦い論争がまだ続いており、偵察・攻撃のどちらを優先すべきかで結論が出ていない。もともと防空体制の整備された空域に奥深く侵攻する構想だったが、長時間パトロール飛行しつつ、必要に応じ爆弾を投下する設定へと大きく変化している。.
- UCLASSは偵察・攻撃ミッションを均等に実施できない。海軍は偵察ミッションを重視し、最低でも飛行時間は14時間としている。国防長官官房(OSD)はこれに疑問を感じ高レベルで戦略性能検討会Strategic Portfolio Review (SPR, improbably pronounced “spear”)を開催し、何ヶ月も意見を戦わせているが問題は一向に解決のめどがついていない。
- デュアーテ大佐は海軍連盟主催の会議の席上で報道陣に対し検討作業は「夏のどこか」までに終わるとの見方を報道陣に示した。OSDがUCLASSの要求性能をめぐり議論を進める間に、大佐はUCLASSで求められる性能の実現を図っている。これは共用操作ステーションCommon Control Station と呼ばれ艦上で無人機と空母の間の通信を司る装備を含み、デュアーテは「今年度はCVN-70カール・ヴィンソンとCVN-77ジョージ・ブッシュの二隻を改造し」UCLASS運用の準備をする。
- ペンタゴンが戦略レベルでUCLASSの主任務を決めれば、海軍による要求性能に「修正が必要か判断できる」とデュアーテはいい、いよいよ待望の提案要求に移る。「産業界は息を殺して待っている」という。予算案では契約成立を2017年、作戦投入は2023年を想定する。
- その時点でX-47Bは確実に博物館入りしているだろう。同機はあくまで実証が目的で空中給油(AAR)に成功すれば十分な働きをしたといえるとデュアーテは言う。また給油テストで予算を使い果たしてしまう。
- 「目標項目はすべて達成し、得られた成果はUCLASSの性能諸元に反映させる」とデュアーテは言うが、UCLASSはX-47Bと相当違う機体になるはずで、制御系、降着装置など機構が異なる。そこでX-47Bをこれ以上テストに投入しても次期機種の開発に参考にならないということだ。現会計年度が終わる10月1日に海軍はX-47B2機を処分し、博物館に運ぶかデイビス・モンタン空軍基地(機体廃棄場)に移動させるかだという。そうなると同機は歴史を作る立場から歴史の一部になる。■
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