ISIS internal docs show struggle to retain fighters, cut costs
Updated 1340 GMT (2040 HKT) April 27, 2016
ISISは資金、人員両面で不足に直面中と有志連合軍副司令官が26日明らかにした。
その裏付けが新たに入手したISIS内部文書だ。資金面では一部を性奴隷に使い、戦闘員には電力消費を節約し、公用車を私的に使わないよう求めている。人員面では士気が低下して、医師診断書で第一線勤務を回避する動きがある。
ピーター・E・ガーステン中将は記者会見でISISの財政と人員を狙う作戦で外国人戦闘員の数は一年前の毎月1,500名から2,000名入隊が今は毎月200名に低下したと明らかにした。
「戦闘員の消耗率が上がる一方、士気が低下しているのがわかります。給与支払いが難しくなっています。デーシュを抜ける動きが見られます」とISISの別名を口にした。
昨年10月から米国主導の有志連合軍はISISの石油施設や現金保管場所を集中的に攻撃し、ISISの財務力を低下させ3億ドルから8億ドルが消え、今後もさらにISISの財務力を標的にするとガーステン中将は述べた。
アイメン・アルタミミはワシントンに本部を置く中東フォーラムでジハード情報戦の研究員でISIS内部文書をこのたび入手した。「内部資料から圧力がじわじわと効いてきて内部の軍事、財政、行政機能が影響を受けていることがわかる」と記している。
アルタタミは各種文書をイスラム国の占拠地にいた元住民や活動家、ジャーナリストから入手した。文書の一部はISISから奪回した場所で発見された。
ISISの公式記録はテロ集団の組織面での最新状況を見せてくれる。
キャッシュフロー問題
ISIS戦闘員への給与支給方法が詳しくわかる。戦闘員に配偶者、子供、性奴隷がいる場合は別途手当が支給されている。
平均すると戦闘員は「毎月50ドルに加え、妻一人あたり50ドル、子供一人35ドル、性奴隷一人50ドルが支払われている。さらに配偶者の両親は50ドルずつ、その他親族には35ドルが支給されている」と文書からわかる。
アルタミミによればこの金額はシリアでISISとつながる戦闘員から確認を受けたという。
内部通達でISIS戦闘員は電力消費を抑え、公用車を私的に使わないよう求めているのは組織が資金難に直面している表れだとアルタミミは見ている。
別の文書ではISISの首都とされるシリアのラッカに駐留する関係者は最高50%の手当減額を受けたとしている。
人員不足
だがISISに深刻なのは最前線に戦闘員を十分に確保することだ。
アルタミミによれば内部資料でシリア北東部アルシャダディでの敗戦後に戦闘員の追加投入に失敗したことがわかるという。またISISは昨10月に「脱走者への恩赦を発表」した。
人員不足の背景には偽の診断書で戦闘から抜けるISIS戦闘員が後を絶たないためだと一部文書が示している。
ただ診断書入手は困難になっているとアルタミミは指摘する。イスラム国の占領下で医師の処遇がひどく、多数の医師が逃走しているためだ。
それでもISISへの反乱が発生するとはアルタミミはじめ専門家は見ていない。「イスラム国の統治下で住民は劣悪な生活環境にならされて、長年の内戦状態が深刻でさらに生活水準低下を覚悟せざるを得ず、反乱を起こして無情に弾圧されるよりましと見ている」とアルタミミは分析している。
ガーステン中将は「有志連合軍はこのがん細胞と毎日戦っているが、この戦いには忍耐と時間が必要だと理解してほしい」と述べた。
なお、ISISの収入源は以下の通り。
- 銀行差押え 5億ドルから10億ドル
- 石油 年間4.8億ドル
- 文化財転売 1億ドル
- 税徴収 毎月48百万ドル
- セメント 不明
- 身代金 年間2千万ドル
出典:米財務省、RAND研究所、CNN取材
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