2026年4月7日火曜日

E-3の喪失でE-7ウェッジテイルの存在が改めて注目を集めるものの、DoDは同機調達中止の方針にしがみついている

サウジアラビアでの米空軍E-3 AWACS損失でE-7ウェッジテイルが注目を浴びる

The Aviationist

公開日時:2026年4月1日 午後10時35分

ステファノ・ドゥルソ

E-3 AWACS loss Saudi Arabia米空軍塗装のE-7Aウェッジテイルのレンダリング。(画像提供:ボーイング)

サウジアラビアにおける米空軍E-3GセントリーAWACSの喪失により、E-7Aウェッジテイル調達をめぐる議論が再燃してきた

2026年3月27日、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地へのドローン・ミサイル攻撃により、米空軍のE-3GセントリーAWACS(空中早期警戒管制機)が失われたことを受け、老朽化する同機フリートをめぐる議論が再燃し、後継機へ注目が高まっている。度々報じられている通り、E-3は老朽化が進み、維持・運用がますます困難になっている一方で、E-7Aウェッジテイルの配備実現は程遠い状況にあるままだ。

ウェッジテイルは空軍や国防総省から懐疑的な見方をされている。ピート・ヘグセス国防長官はE-7を「高価で『金メッキ』されている」と評し、宇宙ベースのISR能力を構築しつつ、E-2Dホークアイをベースとした代替機を暫定的に採用する方針を打ち出し、E-7プログラムを中止した。

E-7調達中止は、16名の退役空軍高官を含む批判に直面し、後に国防授権法(NDAA)によって議会から差し止められた。一方、2機の試作機に関する作業は継続中で、今月、最初の機体が改造のため英国に到着した。

E-7Aラピッド・プロトタイプの始まり

空軍省は2022年、E-3セントリーの後継機としてE-7ウェッジテイルを選定した。1年後、同省はE-7Aラピッド・プロトタイプ開発を開始するため、ボーイングに上限12億ドルの契約を交付した。

その目的は迅速プロトタイプ調達プロセスを活用して、最初の2機を調達することにあった。「E-7Aは、あらゆる航空活動を検知、識別、追跡し、統合部隊司令官に報告するための、空軍の主要な空中センサーとなるだろう」と、当時空軍調達・技術・兵站担当次官補を務めていたアンドルー・ハンターは述べた。

2021年4月21日、ハワイ州オアフ島近海で、オーストラリア空軍ウィリアムタウン基地の第2飛行隊が運用するE-7Aウェッジテイルが、ハワイ州空軍国民警備隊のF-22ラプターと編隊飛行を行っている。(画像提供:米国空軍国民警備隊、撮影:ジョン・リンツマイヤー上級曹長)

当時、開発作業は2024年8月までに完了する見込みで、2025会計年度に生産を開始し、2027会計年度までに最初のE-7Aを配備する計画であった。計画上の機体数は26機と設定され、2032会計年度までに調達される予定であった。

2024年8月、米空軍はボーイングに対し、2機の迅速試作機となるE-7Aウェッジテイル製造に関する25億6,000万ドルの契約を交付し、1年前に開始されていた取り組みを継続した。価格と交渉には、空軍が要求した多数の変更点が影響しており、それにより予想以上に多くの設計作業が必要となった。

当時、同機の最初の運用者オーストラリア空軍(RAAF)ですでに運用されているウェッジテイルの改良型を調達する可能性も検討していたと報じられた。このラピッド・プロトタイプ契約に関して、ボーイングは後に、E-7の2つのバリエーションが開発されると述べていた。

生産開始

2025年1月、ボーイングは米空軍向けE-7Aの初号機の機体がワシントン州レントンのボーイング工場に搬入されたと発表した。E-7の生産はボーイング737-700 NGをベースとし、特殊装備を搭載するため改造される予定だ。

その3ヶ月後の2025年4月、ボーイングは胴体と主翼の接合の様子を収めた動画と共に、生産の進捗状況を報告した。機首、テールコーン、水平尾翼の根元などの部品も取り付けられ、ボーイングは次に垂直尾翼と水平尾翼の取り付けを行うと述べた。

一方、空軍は同プラットフォームの潜在的なアップグレードを検討していた。同プラットフォームは、当初の設計から20年が経過していた。電子戦、通信、データリンク能力の更新に加え、空軍は赤外線センサーの統合や、ノースロップ・グラマン製多用途電子走査アレイ(MESA)レーダーの代替についても調査を進めていた。

これらのアップグレード案に関する情報提供要請(RFI)では、2027会計年度に設計・製造開発(EMD)契約が締結される見込みであると述べられていた。空軍が検討していた選択肢には、既存のE-7機体に新技術を後付けする方式、新規製造機体にのみ統合する方式、あるいはこれら2つの組み合わせが含まれていた。

最初の脅威

2025年5月、米国防総省がAWACSプラットフォームの後継として航空機から衛星への移行を支持しているとの報道が浮上した。米宇宙軍が2030年代に衛星ベースの地上移動目標探知(GMTI)システムの配備を計画していることから、同省は航空機搭載型移動目標探知(AMTI)レーダー能力を統合する可能性も調査していた。

批判勢力は、E-3やE-7のような航空機上でオペレーターがリアルタイムにデータを解析する能力は、指揮統制において唯一無二であり、現時点では代替不可能な能力だと直ちに主張した。当時の米空軍参謀総長デビッド・オールビンも同様に、衛星能力は将来的な解決策となる可能性が高いものの、現在の要件を満たすには成熟度が不十分であると述べた。

2025年7月の下院歳出委員会公聴会において、ヘグセス長官は同プログラムの将来性にさらなる疑念を招いた。彼はその理由としてウクライナ戦争の教訓を挙げ、E-2Dホークアイが一時的な措置として検討されていると付け加えた。

「『現代の戦場では生存できない』システムやプラットフォーム、あるいは将来の戦闘で優位性をもたらさないのであれば、今すぐ厳しい決断を下さなければならない」とヘグセス長官は述べた。「E-7はその好例だ。」

三カ国共同試験キャンペーン中に南カリフォーニア上空を飛行するオーストラリア空軍(RAAF)のE-7Aウェッジテイル。(画像提供:リチャード・ゴンザレス撮影/米空軍)

一方、米空軍の元参謀総長やNATO最高司令官を含む退役米空軍高官グループは書簡で、E-7の削減決定は「将来の紛争において、我々の軍人が抑止力を発揮し、必要であれば勝利を収める能力を、深刻かつ不必要に損なう」と主張した。さらに彼らは、提案されているE-2Dホークアイを基にした代替機では、戦域全体の指揮統制の要件を適切に満たすことができないと述べた。

改造作業が英国に移管

2025年9月、ボーイングは2機のE-7プロトタイプが英国で改造されることを明らかにした。これは、米空軍の機材関連作業が英国国内で行われるという稀な事例となる。この作業では、バーミンガムにあるSTSエイビエーションの既存の改修ライン(現在、E-7改修用に整備された世界唯一の施設)を使用し、ボーイング737-700の民間機機体をウェッジテイルに改造する。

STSはすでに1機の737-700を英国空軍(RAF)向けにE-7仕様に改修しており、さらに2機が組み立て段階にあるため、米軍向け試作機を支援するための即戦力となる産業基盤を提供している。米空軍の機体2機のうち、ウェッジテイル仕様に改修される最初の1機が2026年3月に英国に到着した。

2026年度NDAAが延期を決定

2026年度米国国防授権法(NDAA)には、空軍の空中早期警戒管制(AEW&C)任務の継続性を確保する規定が含まれている。その目的は、E-3フリートの老朽化が進み、維持・運用がますます困難になる中で、能力の空白が生じるのを防ぐことにある。

同法案は、E-3の現役機数を16機未満に減少させる退役または保管措置を空軍に禁じている。ただし、例外2点も明記されており、それは「即応態勢および任務継続計画」の提出、あるいは必要な任務要件をカバーするのに十分な数のE-7機を調達することである。

グロスター州フェアフォードで開催されたロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー(RIAT)での飛行展示中の、英国空軍のE-7ウェッジテイル早期警戒機。(画像提供:David Parody)

同立法の意図は、代替能力が確保されるまで、最低限の空中早期警戒能力を維持することにある。議会はこれまで、移行期間中の能力維持のために、機体退役に関する制限を設けてきた。

同時に、NDAAは、E-7Aの中間段階取得迅速試作契約およびE-7Aの生産ラインの運用を終了するために2026会計年度予算を使用することも禁じている。これは、空軍がE-3の代替に向けた勢いを維持し、E-7プログラムの作業を継続すべきであるという議会の意図をさらに裏付けるものである。

2026年の動向

2026年3月、米空軍はE-7開発を続けるため、ボーイングに契約を交付した。Breaking Defense引用した空軍広報によると、同契約は2026会計年度NDAAの結果である。

「2026会計年度統合歳出法に基づき、空軍省(DAF)はE-7Aウェッジテイル計画の更新された調達戦略を承認した。この戦略は、開発を継続し、エンジニアリング・製造開発(EMD)段階へ移行するという議会の指示を実行するものである」と広報担当者は述べた。

「この戦略は、ボーイングとの2件の単独調達契約の締結を通じて、試作および開発活動を継続するものだ。これには、事前価格設定済みのオプションの行使と、新たな契約変更の授与が含まれる」と声明は付け加えた。「EMDフェーズのため調達される機材により、空軍は議会の意図に沿い、システム設計の成熟化、リスク低減、および包括的な試験・検証活動を実施することが可能となります。」

2021年4月21日、ハワイ州オアフ島近海で、オーストラリア空軍ウィリアムタウン基地の第2飛行隊が運用するE-7Aウェッジテイルが、ハワイ州空軍国民警備隊のF-22ラプターと共に飛行している。(画像提供:米国空軍国民警備隊、撮影:ジョン・リンツマイヤー曹長)

また3月、E-7Aプログラム事務局は、E-7Aに関する包括的な製品支援ビジネスケース分析(BCA)を求める情報提供要請(RFI)を公表した。添付文書によると、依然として「少なくとも2機、最大で26機」の調達を検討しているとしつつ、「E-7A機はE-3セントリー空中早期警戒管制機(AWACS)部隊の一部を置き換えるもの」とも述べている。

一方、改造対象となる最初の機体が英国に到着した。FlightGlobalによると、無塗装のボーイング737-700(登録番号N471DS、コールサインBOE151)は、メイン州のバンゴー国際空港に立ち寄っれから、バーミンガムにあるSTS Aviation Servicesの施設に到着した。

執筆:ステファノ・ドゥルソ ステファノ・ドゥルソは、イタリアのレッチェを拠点とする『The Aviationist』の副編集長です。工業工学の学士号を取得しており、現在は航空宇宙工学の修士号取得を目指しています。専門分野は、新興の航空宇宙・防衛技術、電子戦、無人・自律システム、ロータリング弾薬、および軍事作戦や現代の紛争分析へのOSINT(オープンソース情報)技術の応用などです。


USAF E-3 AWACS Loss in Saudi Arabia Puts Spotlight on E-7 Wedgetail Procurement

Published on: April 1, 2026 at 10:35 PM

Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2026/04/01/e-3-awacs-loss-saudi-arabia-e-7-wedgetail/



2026年4月6日月曜日

ISWによるイラン戦争の最新状況 現地時間4月5日現在

 

イラン情勢最新情報 特別レポート、2026年4月5日

2026年4月5日

主なポイント

  1. ドナルド・トランプ米大統領は、イラン当局との協議の中で、ホルムズ海峡を通過する船舶への攻撃を停止するようイランに求めた期限を、4月7日午後8時(米国東部時間)まで延長した模様だ。しかし、イランの最高指導者モジャタバ・ハメネイは4月5日、イランはホルムズ海峡を通過する船舶への攻撃を継続すると述べた。

  2. 米中央軍(CENTCOM)は、4月2日の戦闘任務中にイランによって撃墜されたF-15Eの乗員2名について、米軍が4月4日に救出を完了したと確認した。

  3. 米軍はイラン主要都市の至近距離に仮設滑走路の設置に成功し、救出作戦中に全要員を無事に撤収させた。また、合同部隊は引き続きイラン国内の標的への攻撃を行っている。

  4. 連合軍は、エンジン、誘導システム、その他の部品の生産施設や、最大射程1,400kmとされるハジ・カセムミサイルの発射台を含む研究開発施設を標的とすると同時に、同プログラムの運用部隊にも攻撃を継続している。

  5. イスラエル国防軍(IDF)は、イラン軍がトンネルを利用してミサイル基地を隠蔽することを防ぐため、イランのトンネル入口への攻撃を続けている。

  6. イランは湾岸諸国を標的とする攻撃パッケージを若干変更し、巡航ミサイルを増やしているが、これが新たな戦術の実験なのか、残存するミサイル備蓄の管理のための措置なのか、あるいはその他の理由によるものなのかは不明である。

  7. ヒズボラは4月4日と5日、3月25日にレバノン南部でイスラエルの車両1台とメルカバ戦車2両に対して行われた、ファーストパーソンビュー(FPV)ドローン攻撃の様子を捉えたと主張する映像を公開した。

  8. ヒズボラは、4月5日にレバノン沿岸から68海里沖に位置するイスラエル軍艦に初めて対艦巡航ミサイルを発射したと主張した。

  9. イスラエル国防軍(IDF)の推計によると、ヒズボラは今後5ヶ月間、イスラエルに対して1日あたり200発のロケット弾およびドローンの発射を維持できるとされる。しかし、ヒズボラのロケット弾およびドローン攻撃は、イランに対する空爆の実施に関するイスラエルの意思決定を変化させるという意図した効果を上げていないようだ。

  10. イランが支援するイラク民兵組織は、イラクの石油インフラに対する攻撃の責任をクウェートに転嫁しようとしている。これは、イラク国内の世論に対して、これらの攻撃の責任を曖昧にするためと思われる。

  11. 4月7日、イラン当局者との協議の中でイランの最高指導者モジャタバ・ハメネイは4月5日、イランは引き続き同海峡を通る船舶への攻撃を続けると述べた。

  12. ヒズボラは4月4日と5日、3月25日にレバノン南部でイスラエルの車両1台とメルカバ戦車2両に対して行われたと主張する、一人称視点(FPV)ドローン攻撃の映像を公開した。

  13. ヒズボラは4月5日、レバノン沿岸から68海里沖に位置するイスラエル軍艦に対し、戦争開始以来初めて対艦巡航ミサイルを発射したと主張した。


Iran Update Special Report, April 5, 2026

April 5, 2026

Key Takeaways

https://understandingwar.org/research/middle-east/iran-update-special-report-april-5-2026/


お楽しみ企画 F-15E乗員救出作戦をネタに信用できるメディアはどこか。航空ファンの視点がメディアチェックした結果、安心して眺められるメディアがわかった

 

USAF



久しぶりにメディアチェックをしましょう。

お題は成功に終わったF-15EのWSO救出作戦です

もちろん機種名称はF-15ですよね。F15ではありません。

さあ。どのメディアが正確に伝えていたでしょうか。


以下順不同です


  1. X CNN 米軍の戦闘機F15E「ストライク・イーグル 

  2. X Reuters 米軍F15E

  3. X 読売新聞オンライン イランに撃墜された米軍のF15戦闘機

  4. X 時事ドットコム イランで撃墜されたF15戦闘機め

  5. X 産経 イラン上空を飛行していた米軍のF15E戦闘機

  6.  朝鮮日報 イランで行方不明となった米F-15E戦闘機

  7. X テレ朝NEWS イランで撃墜されたアメリカ軍のF15E戦闘機

  8. ◯ Forbes Japan イラン軍に撃墜されたF-15E戦闘機

  9. X 熊本朝日放送 さらに、F15戦闘機とみられる残骸も公開

  10. X Wall Street Journal 米軍のF15E

  11. ◯ VietnamNews F-15E戦闘機が撃墜され

  12. X Smart News イラン領内で行方不明のF15パイロット

  13. X Rakuen News 米軍のF15戦闘機

  14. X TBS News アメリカのF15戦闘機

  15. X 琉球朝日放送 F15墜落 パイロットは脱出・救助

  16. ◯ top war.ru イラン上空で撃墜されたF-15戦闘機

  17. X 日本経済新聞 F15乗員救出

  18. ◯ BBC 同国南西部上空を飛行していたF-15

  19. X 朝日新聞 2人乗りのF15戦闘機

  20. X 東京新聞 米軍のF15E戦闘機

  21.  Carview F-15E「ストライクイーグル」

  22. ◯ BENZING JAPAN F-15搭乗員救出

  23. ◯ Arab News F-15Eストライク・イーグル

  24. X 毎日新聞 F15E戦闘機


今回は日本語版のある外国系通信社もリストに加えましたが、結果として3分の2が不正確な標記でした。以前の自衛隊機の例よりはマシな気がしますが、

CNNやReutersなど外国報道ではちゃんと書いているのに日本語版になるとなぜ不正確になるんでしょう。まさかデスクが日本での書き方はこれでいいんだとハイフンを取ってしまった?毎日新聞のように自社で報道せず、外信を引用している情けないメディアも日本語にする際に堂々とハイフンをとっていますね。なんとも思わないんでしょうか。


F15とF-15では全く意味が違うんですよ。日本のメディアの皆さんは鈍感なんですね。どうでもいいと思っているんです。


さらにF-15Eとしてもらわないと搭乗員が二名いたという事実関係がうかびあがってこないんですよ。わかっているこのブログの読者なら頷いてもらえると想うんですが、絶えず「自分が正しい」と裸の王様担っているメデイアの内部のひとにはわかってもらえそうもないですね。


これに対し、朝鮮日報やForbesなどちゃんと表記してるメディアもあり、安心しました。アラブ系のサイトも今回あらためて注目した次第です。


日本のメディア特にオールドメディアには縦書き活字時代の旧弊を早く脱し、情報を正しく伝える習慣を身につけてもらいたいものです。