2026年8月19日水曜日

在韓第7空軍は北朝鮮・中国の航空脅威を食い止める厳しい任務に直面中 ― 抑止効果が問われる中スーパー飛行隊構想を実施中

 


在韓第7空軍は中国・北朝鮮をめぐり厳しい任務に直面する

New 7th Air Force Chief Faces Tough China, North Korea Air Mission


7空軍の次期司令官は、北朝鮮や中国から迫り来る脅威を食い止めるため、第4世代戦闘機に依存しつつ、過酷な任務に直面する。

最近昇進したデビッド・G・シューメーカー中将 Lt. Gen. David G. Shoemakerは、第7空軍司令部が置かれている韓国・烏山(オサン)空軍基地で8月7日に行われた式典において、この要職の指揮を執った。

第7空軍司令官としてシューメーカー中将は、烏山にある第51戦闘航空団と、群山(クンサン)にある第8戦闘航空団を統括する。これらの部隊は、F-16に加え、同盟国である韓国のF-35も運用する。また、空軍は、F-16をクンサンからオサンへ集約し、大規模な飛行隊の方が戦闘機の出撃や維持管理をより効率的に行えるかどうか検証した、数年間にわたる一連の「スーパー飛行隊」実験から得られた教訓も取り入れている。

シューメーカー中将は空軍戦闘コマンドの作戦部長を務めていた。3,900飛行時間以上の経験を持つベテランF-16パイロットであり、「ブラック・ウィドウズ」の愛称で知られる第421戦闘飛行隊や、「ウルフ・パック」の愛称を持つ第8戦闘航空団などを指揮してきた。

同中将は1994年に空軍士官学校を卒業し、任官後、当初は航空監視将校として勤務した。

第7空軍は現在、F-35 ライトニングIIF-22 ラプターといった米国の第5世代戦闘機はローテーション配備に依存している。F-35は直近では2025年8月、「ウルチ・フリーダム・シールド」演習で朝鮮半島に展開しており、演習には10機が参加した。また、2024年には、第19遠征戦闘飛行隊および第199遠征戦闘飛行隊所属のF-22が大韓民国のF-35とドッグファイトの訓練を行った。

2025年11月19日、大韓民国のオサン空軍基地のフライトラインに、第35戦闘飛行隊に配属されたF-16ファイティング・ファルコンが駐機している。これらの航空機は、即応態勢と出撃能力を強化することを目的とした、より大規模な戦力態勢の転換の一環である。(米空軍写真:サラ・ウィリアムズ曹長)

韓国と中国

第5世代戦闘機不足とローテーションへの依存は、韓国だけでなく、米国の先進的な空軍力にとっての問題となっている。

トロイ・E・ミインク空軍長官は5月、日本の嘉手納空軍基地へのF-15EX(F-15の改良型)配備が予定より1年遅れており、2027年に到着する予定であると述べた。

三沢空軍基地は3月に初の常駐用F-35を4機受け入れたものの、任務遂行は依然としてF-16に依存している。

ミッチェル航空宇宙研究所の上級常駐研究員で、退役空軍大佐のジョン・「JV」・ベナブルは、北朝鮮、さらに広義には中国の軍事的野心を挫くためには、先進的な航空機による恒久的な展開が必要だと述べた。

「韓国は、第一列島線内に米国戦闘機を恒久的に配備できる2カ国のうちの1つだ」と、元F-16パイロット兼司令官であるベナブルは述べた。「韓国または日本に配備された戦闘機は、中国や北朝鮮による不意の行動が発生した直後に、これを阻止するために出撃できる。」

同氏は、その第一列島線の外側で次に近い拠点はハワイとアラスカであり、戦闘開始前にこれらの地域へ動員・展開するには少なくとも1日を要すると指摘した。

ミッチェル研究所の航空宇宙・中国研究担当上級研究員で退役海軍中佐のJ・マイケル・ダムは戦闘機が単に配備されていること自体に効果があることを指摘した。

「戦域に部隊が増えれば、たとえ朝鮮半島から戦闘を行わなくても、太平洋空軍(PACAF)司令官が短期間でそれらを動員できるようになる」とダムは述べ、空軍が太平洋地域で取り入れているより広範な「アジャイル・コンバット・エンプロイメント(Agile Combat Employment)」の概念に言及した。

「アジャイル・コンバット・エンプロイメント」とは、敵の攻撃を回避するために、航空機や要員を複数拠点に迅速に分散させる戦略である。

「もし韓国から撤退し、フィリピンや東南アジアの他の場所から飛行すれば、比較的短期間で現地に到達でき、それが抑止効果をもたらす可能性がある」とダムは続けた。「中国は、沖縄、横田、あるいはグアム以外の地域における米軍の存在も考慮せざるを得なくなる。」

2026年8月7日、大韓民国のオサン空軍基地で行われた第7空軍司令官交代式典で、次期第7空軍司令官に就任する米空軍のデビッド・シューメーカー中将が挨拶を行っている。(米空軍写真:サラ・ウィリアムズ上級曹長)

「スーパー飛行隊」

「スーパー飛行隊」実験は2段階で実施された。2024年の第1段階では、第8戦闘航空団およびその第80戦闘飛行隊と第35戦闘飛行隊が駐留するクンサン空軍基地から、第51戦闘航空団が駐留する北朝鮮国境から約50マイル離れたオサン空軍基地へ、F-16戦闘機9機と空軍兵士150名が移動した。

続いて、2025年10月から始まった第2段階では22機のF-16がクンサンからオサンへ移動し、オサンのF-16飛行隊に加え、クンサンからの戦闘機は計31機となった。

2025年7月の発表でブライス・ヒュー大尉は、この実験は「戦力最適化」試験と称され、より多くの戦闘力を生み出し、より効率的に運用することを目的としており、より大規模な部隊の方が戦闘機の運用と維持において効率的かどうかを検証するものだったと述べた。

「スーパー飛行隊」実験は当初10月まで実施される予定だったが、4月に太平洋空軍司令官ケビン・シュナイダー大将が早期に終了させた。空軍は、この試験から得られた教訓が「太平洋空軍(PACAF)および米空軍(USAF)のF-16運用体制全体における即応能力の向上に活かされている」と述べた。

F-16は、オサンおよびクンサンの両基地で従来の3飛行隊体制に戻った。

この「スーパー飛行隊」実験は、2025年6月に三沢空軍基地からオサンへ恒久的に移駐した2機のF-16とは別のものである。長期計画では、F-35が日本に配備されるに伴い、三沢のF-16全機が韓国へ移転することになっている。

オサン空軍基地の第51戦闘航空団に所属し、旧式のF-15C/DおよびA-10に代わって配備された三沢のF-16は、新型の能動電子走査アレイ(AESA)レーダーなどの性能向上が図られている。■


韓国はトランプ大統領によるちょっかいをこう見ている なぜトランプは北の独裁体制を容認しかねないのか ①軍事演習縮小による安全保障上の影響は小さい ②トランプは3500億ドル相当の韓国からの投資の実行を注視している

 

2026年7月27日、ソウルで開催された朝鮮戦争国連退役軍人の日記念式典で、国歌斉唱中に敬礼する韓国軍将校たち。| グレッグ・ベイカー/AFP via Getty Images

トランプによるソウルへの威嚇は、実態より過大に映っている

Trump’s threats to Seoul may be worse than their bite


米韓合同軍事演習を縮小する決定は、世界で最も軍事化が進んだ国境地帯での安全保障に影響を与える可能性は低い


ナルド・トランプ大統領はが朝鮮半島に政治的な爆弾を投下した。

しかし、安全保障当局者によると、韓国との大規模な合同軍事演習を縮小するという大統領の脅しは、ソウルとトランプ大統領との間の緊張緩和を損なうことはほとんどないという。トランプ大統領が日曜日、国防総省に対し年次演習を縮小するよう指示すると宣言したことで、ソウルの指導者たちは被害の修復に奔走することになった。しかし、大統領は北朝鮮の核の脅威に対する防衛体制を覆そうとするよりも、同国からの投資誘致に注力しているようだ。つまり、世界で最も軍事化が進んだ国境における安全保障状況に、大きな変化は生じていないということだ。

米国は朝鮮半島に2万8000人以上の兵力を駐留させ、多層的な防空体制を構築している。数十年にわたり韓国軍と密接に連携しており、あらゆるレベルで緊密に活動する強力な連合軍を形成している。核武装した北朝鮮と、その南に位置する米国の同盟国との国境は、「相互確証破壊」の典型例である。そして、ソウルとワシントンの最高司令官たちは緊密な連絡を取り合っている。

国防当局者は、トランプ大統領の発表が軍事演習の具体的な変更にどのような意味を持つかについて、口を閉ざしていた。国防総省は、「最高司令官の指示を実行するため積極的に取り組んでいる」と述べるにとどまった。

トランプ大統領の命令、および北朝鮮の独裁者である金正恩委員長の「威嚇的ではなく礼儀正しい」振る舞いに対する称賛は、秘密主義の同国が1週間で2度目となる弾道ミサイル実験を行った数日後に発せられた。ミサイルは430マイル以上飛行した後、日本の排他的経済水域のすぐ外側に着弾した。

米議員の一部には、この事態の印象が極めて悪いと指摘し、特にトランプが全体主義体制をなだめようと写る点を問題視する動きがある。

「金正恩は宣伝上の勝利を収め、我々の最も強力な同盟国の一つ韓国は、トランプのエゴ以外の何の理由もなく罰せられた」と、上院軍事委員会の民主党筆頭委員であるロードアイランド州選出ジャック・リード上院議員は述べた。「中国とロシアは、この大統領が簡単に米国の同盟国を見捨てる様子を注視しており、次に彼らが我々を試す際には、このことを思い出すだろう。」

この命令は、1976年に初めて実施されて以来、同盟の定番となっている大規模演習「ウルチ・フリーダム・シールド」に影響を及ぼす。今年の演習は月曜日に開始される予定で、11日間にわたり、サイバー戦争からドローン攻撃やGPS妨害への防衛に至るまで、14種類の演習が行われる予定だった。当局者は、北朝鮮がウクライナに対するロシアの戦争を支援するために数万人の兵士を派遣した後、電子妨害に関するロシアの技術やノウハウを入手したと特に懸念している。

「明らかに困難な局面だが、同盟はこれを乗り切っていくだろう」と、ジョージ・W・ブッシュ政権時代に国家安全保障会議(NSC)の職員を務め、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)の韓国担当主席研究員ビクター・チャは述べた。

トランプの韓国批判は、国防総省高官連の発言とは一線を画すものであり、驚きを禁じ得ない。高官たちは、韓国が防衛費を増額していることを繰り返し称賛してきたからだ。

国防総省政策担当副長官エルブリッジ・コルビーは、1月にソウルで行った演説で韓国を「模範的な同盟国」と呼び、同盟への献身を称賛した。ピート・ヘグセス国防長官も5月に韓国の国防相が国防総省を訪問した際を含め、数回にわたり両国の関係を称賛している。

韓国の李在明大統領は火曜日、両国間の亀裂に対する懸念を和らげようとした。閣議で「強固な同盟は安全保障の基盤を強固にし、自国の能力を強化することは同盟国としての価値と必要性を高める」と述べた。

多くの当局者は、50年間にわたり確実に実施されてきた年次演習を、なぜトランプが突然縮小しようとしているのか、首をかしげたままだ。前例はある。トランプは第1期政権の際、韓国での高額な演習を激しく非難し、国防総省も一部の大型合同作戦を縮小した。しかし、「ウルチ・フリーダム・シールド」は両国の軍関係の礎である。

机上演習、仮想演習、実地演習を組み合わせた同演習は、何らかの形で継続される見通しだ。しかし、米当局者によると、軍指導部は大統領の要求に応えるべく、演習形式を変更する方法を模索中という。そして今回の発表は、米国の支援が依然として予測不可能な大統領の気まぐれに左右されていることを浮き彫りにしている。

大統領の動機には、おそらく財政的があるのだろう。韓国は昨年、米国に3,500億ドルを投資すると約束したが、トランプ政権の当局者は、韓国政府がその公約の履行を遅らせていると見ている、と本誌が報じている

「トランプにとってすべてが取引なのだ」とチャ氏は述べた。「だから、もし彼らが投資の第1弾を発表すれば、彼は納得するだろう?」

しかし、アジアの同盟各国は太平洋地域からの重要な米軍資産の撤退の動きを注視している。空母「ジョージ・ワシントン」は今月、日本を出港し、西へ向かっている。おそらく中東へ向かい、長期展開の9ヶ月目に入り苦境に立たされている空母「エイブラハム・リンカン」と交代するものとみられる。

米国防総省は今年初め、中東への広範なシフトの一環として、THAADミサイル防衛システム一部を韓国から移転させた。

議会も警戒して見守っている。議会は昨年、国防総省が「国益にかなう」と認定し、かつ韓国や他の同盟国と協議した上で行われる場合を除き、朝鮮半島における米軍兵力を2万8500人未満に削減することは制限する法案を可決しており、2027年度国防授権法でこの制限を再延長する構えを見せている。

「訓練の削減は、米国の備えにも悪影響を及ぼす」とドン・ベーコン下院議員(共和党、ネブラスカ州選出)は述べた。「道義的な明確さが我が方にあるなら、韓国を同盟国として扱い、北朝鮮が独裁国家であり、強制労働が行われている国であることを認識すべきだ。……大統領の判断は間違っている。」■

コナー・オブライエンとレオ・シェーンが本記事の取材に協力した。


2026年8月17日月曜日

イランが示した対米軍戦略を中国が踏襲する日がやってくるのではないか―一体この戦争の勝者敗者はだれだったのでしょうか

 

イランが示した米空軍・海軍を打ち負かす軍事戦略を中国が参照する日がやってくる

Iran Has Created a Military Playbook for China to Copy and Beat the US Air Force and Navy In a War

  • 19fortyfive

  • ロバート・E・ケリー

  • https://www.19fortyfive.com/2026/08/iran-has-created-a-military-playbook-for-china-to-copy-and-beat-the-us-air-force-and-navy-in-a-war/

2026年に発生した、奇妙な「始まったり止まったり」を繰り返した米イラン戦争は、注目すべき地政学的結果となった。強大なハードパワーにもかかわらず、米国はイランに対して決定的な決着を強いることができず、ドナルド・トランプ米大統領が、自身が掲げた戦争目標のほぼすべてを排除した戦争終結合意を受け入れる可能性がますます高まってきた。

直接的な原因は、決定的な降伏を強いるための地上侵攻をトランプ大統領が望んでいないこと、そして数ヶ月にわたる決着のつかない空爆の末、ミサイルや迎撃ミサイルといった米国の航空戦力の限界により、選択肢が狭まってしまったことにある。これは米国とその同盟国にとって極めて重要な教訓である。なぜなら、米国は東アジアにおいて中国と戦う際にも同様の戦術を計画しているからだ。

イランが同地域における米海軍の機動の余地を制限するために「アクセス拒否・領域拒否(A2/AD)」技術を用いたのと同様に、中国も同様の行動をとると予想される。具体的には、安価なイランの航空・海上戦力(ドローン、機雷、ミサイル)により、米海軍がホルムズ海峡を開放し、イラン沿岸付近で作戦を行うことはリスクが高すぎた。はるかに豊富な資源と高度な技術を持つ中国なら、間違いなく、はるかに優れた形で同じことを成し遂げることができるだろう。

イランにそれだけの価値はない

言うまでもないことだが、米国はイランとの勝ち目もなく不必要な紛争で、貴重な兵器備蓄を浪費している。空軍力には強制力で限界があり、そのことは再三再三と研究されてきた。トランプは空軍力のみでイランに勝利を強いることはできない。

もしそれが可能なら、とっくに実現していたはずだ。トランプがイランに侵攻することもないだろう。領土を占領し、政府の機能を破壊することはイランを屈服させるだろうが、トランプはそれを行わない。そのような侵攻が「終わりのない戦争」へ発展する可能性は高い。それは、ベトナム戦争の泥沼がリンドン・ジョンソンの大統領職とレガシーを破壊したように、トランプの大統領職とレガシーを破壊することになるだろう。

トランプが躊躇している理由は明らかだ。イランにそれだけの価値がないのだ。米国にとっての利害関係は小さい。この戦争でイランが勝利したとしても、米国にとって深刻な損失にならない。イランが海峡を支配することで、一部の消費者物価、特にガソリン価格は上昇するだろうが、それだけの話だ。

確かに、米国の現地パートナー諸国にとっては、賭け金は大きい。イスラエル、サウジアラビア、クウェートなどは、この戦争の行方に深く利害関係を持っており、間違いなく米国の勝利を望んでいる。しかし、彼らはアメリカ人ではない。そして、アメリカ大統領であるトランプが、外国人のために(侵攻という)莫大なリスクを冒すことはない。

中国との対決にはそれだけの価値がある

しかし、中国との競争にはそれだけの価値がある。東アジアにおける中国の地域支配は、ペルシャ湾におけるイランの覇権よりも、米国にとってはるかに大きな脅威となる。ニコラス・スパイクマン以来、米国の大戦略は、ユーラシアの両端における覇権国の台頭を阻止することを目指してきた。

これら二つの工業化が進んだ富裕な地域のいずれかが支配的地位を占めれば、米国と同等の規模を持つ強力な競争相手が誕生する可能性がある。その規模は、おそらく海を越えて米国本土を脅かすことさえできるほどになるだろう。したがって、ファシスト国家や共産主義国家がユーラシアを支配することを阻止することは、第二次世界大戦および冷戦における米国の中心的な目標であった。

今日、ロシアは西側において覇権的な脅威ではない。欧州連合(EU)には、ロシアに対抗できる資源がある。しかし東側では、米国の同盟国は数が少なく、規模も小さく、結束も緩い。米国の力は、現地の決意を固め、連携を強化するのに役立つ。

しかしトランプ政権下でこれらの同盟国は米国の能力決意に確信を持てなくなっている。批准済みの貿易協定に違反する関税措置を含め、トランプによる同盟国への執拗な攻撃は、同盟国に対して、彼が信頼できない、さらには敵対的であるというメッセージを送っている。また、イラン戦争における米国の戦略的敗北は、たとえ決意を固めたとしても、米国には行動する能力がないかもしれないことを示唆している。

中国は、安価で自動化された大量の航空・海上戦力で米国の大型で機動性の低い水上艦隊を撃退または撃沈するという、イランの戦術をほぼそのまま模倣するだろう。中国がこの戦術を実行する能力は、イランを桁違いに上回るだろう。

ペルシャ湾における米国の精鋭戦力の過剰投入は、新形態の低コストなドローン戦争に対処する準備が、米国に欠如している姿を如実に示している。■

著者:ロバート・ケリー博士(釜山国立大学)

ロバート・E・ケリー博士は、韓国・釜山国立大学政治学・外交学科の国際関係学教授である。研究分野は、北東アジアの安全保障、米国の外交政策、国際金融機関に焦点を当てている。『Foreign Affairs』、『European Journal of International Relations』、『The Economist』などの媒体に寄稿しており、BBCやCCTVなどのテレビニュース番組にも出演している。


イランがF-5で在クウェートの米軍基地を奇襲攻撃していた―米軍拠点が空爆を受けたのは本当に久しぶりで改めて基地防御の必要性が浮上―米空軍と米陸軍の役割分担が今後議論の焦点となるのではないでしょうか―しかしイラン葉敵ながら天晴です

 Retired U.S. Air Force Gen. Glen VanHerck says a reported attack by Iranian F-5 combat jets on American forces in Kuwait earlier this year should be taken seriously.

A stock picture of an Iranian F-5 combat jet. EBRAHIM NOROUZI/AFP via Getty Images

クウェートの米軍を爆撃したイランF-5は基地防衛に警鐘を鳴らしている:元米空軍将軍

NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)の元司令官は、報じられているイランの爆撃作戦の信憑性を裏付け、この事例が防空体制に関して新たな考え方の確立が急務であることを示していると述べた。

「前線部隊と空軍基地の防衛についてお話ししたい。はっきり言っておきますが、我々はドローンやその他の航空機――いわば航空宇宙機――に完敗しました。その中には、イランから離陸し、低空飛行で空軍基地に爆弾を投下した3機のF-5も含まれます」と、米空軍のグレン・ヴァンハーク大将(退役)retired U.S. Air Force Gen. Glen VanHerckは本日、アラバマ州ハンツビルで開催の年次「宇宙・ミサイル防衛 (SMD)シンポジウムのパネルディスカッションで、このように述べた。2024年に退役する前、ヴァンハーク氏は米北方軍(NORTHCOM)および米・カナダ共同の北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令官を務めていた。

「そのような事態が起きたと述べるのは、空軍人として恥ずかしい限りだ」とヴァンハークは付け加え、米軍がこのような空襲を受けたのは数十年ぶりであることを指摘した。

一連の報道や、テヘランからの未確認の情報によると、イランのF-5戦闘機が、極めて危険な低空爆撃任務でクウェートのキャンプ・ビューリングを標的にしたという。報道によると、この攻撃は3月1日またはその前後に行われたもので、米軍とイスラエル軍がイランへの共同攻撃を開始してわずか3日後のことだった。

イランのF-5戦闘機2機を写したストック写真。イランの準国営メディア

本稿執筆時点で米国政府はキャンプ・ビューリングに対するイランのF-5による攻撃を公式に確認していない。本誌は、ヴァンハーク氏の本日の発言を受けて米中央軍(CENTCOM)に問い合わせたが、同軍はコメントを控えた。

NBCニュースは4月の報道で、匿名の米当局者の話としてこの攻撃を最初に報じていた。当時、同メディアはイランのF-5戦闘機1機がキャンプ・ビューリングを攻撃したとのみ伝えていた。米軍は2003年のイラク侵攻に向けた準備段階以来、同基地に駐留している。

6月、イランの国営メディアPressTVは、この作戦に関する追加の詳細とされる情報に加え、参加したとされるパイロットへのインタビューを放送した。その報道によると、大規模改修されたイランのF-5戦闘機3機(現地では「コウサル」として知られる)が、この任務に派遣されたという。イランは1970年代、シャー政権下で米国からF-5E/Fを166機調達した。今回の紛争が勃発した2月28日の時点で、そのうち何機が運用可能であったかは不明である。イラン空軍は、当初から米国およびイスラエル軍による激しい攻撃の標的となっていた。

PressTVによると、F-5はイランからクウェートへ向かう際、上空を飛行するE-3セントリー空中早期警戒管制機(AWACS)などによる探知を回避するため、極めて低い高度(時には50フィート未満)で高速飛行を行った。パイロットたちは飛行中、無線沈黙を貫いた。

PressTVの報道では、パイロットたちがキャンプ・ビューリングに配備されたペイトリオット地対空ミサイル部隊やその他の防空システムを回避するために特別に設定されたルートをたどったとも主張している。未確認情報ではあるが、ペイトリオットには交戦範囲で制限があることは注目に値する。現在、このシステムには、異なる方向から接近する標的や、すでに上空を通過した標的にも対応できるよう柔軟性を高める新機能が開発されている。何らかのルックダウン・センサー機能の助けがなければ、地上配備型防空システムは、より広義において、地平線や地形越しに目標を捉えることもできない。

さらに、PressTVの報道によれば、F-5による空襲が広範囲にわたる混乱と混乱を引き起こし、それがクウェートのF/A-18ホーネット戦闘機による米空軍F-15Eストライク・イーグル戦闘機3機の撃墜の一因となったとされている。米国およびクウェート当局は当時、味方誤射事故を認めたが、幸いにも死者は出なかったものの、その発生経緯について公式な説明はまだ行っていない。

イランのF-5が、無傷でクウェートに侵入・脱出を果たし、その過程でキャンプ・ビューリングに非誘導爆弾を投下することに成功した経緯については、多くの疑問が残る。戦闘機がどこから離陸したのかは不明であり、そもそもイランとの往復を行うため外部燃料タンクに相当量の追加燃料を積載する必要があった可能性が極めて高い。これは、最高速度や兵装搭載能力にも影響を及ぼしたはずである。

余談だが、3月2日にはイランのSu-24フェンサー(可変翼戦闘機)2機がカタールの標的への攻撃を試みたが、その場合はペルシャ湾を横断する距離がはるかに短かった。これらの機体も、目的地に到達する前にカタールのF-15に撃墜された。

地上に配備されたペイトリオットやその他の防空システム、および空中のE-3に搭載されたセンサーに加え、米軍は中東全域の同盟国やパートナー国と連携し、より統合された防空・ミサイル防衛ネットワークの構築に長年にわたり取り組んできた。注目すべきは、イランが紛争の初期段階で、この地域の防空・ミサイル防衛レーダーを積極的に標的にしていた点だ。これはそれ自体が別の「警鐘」であったと本誌は指摘している。これにより、イランがこの作戦を支援するために他にどのような手段を講じたのかという疑問が生じる。イラン軍は、道を開くために、センサーや指揮統制拠点、その他の施設に対して、追加のミサイル攻撃やドローン攻撃を仕掛けた可能性もある。電子戦、サイバー攻撃、および/または様々な種類の欺瞞作戦も用いられた可能性がある。

本日のパネルディスカッションで、ヴァンハークは、こうした事態はいずれも驚きではなかったと述べ、これは今日の米軍が直面している基地防衛をめぐる大きな問題を示唆していると指摘した。

「『なぜそんなことが起きたのか?不意を突かれた』と言われる。いいえ、我々は不意を突かれたわけではない」と彼は語った。「実際に起きたのは、2つの軍種が互いに責任をなすり合っていたことであり、率直に言って、それが誰の任務であり、誰の役割責任であるかについて、誰も決定を下さなかったということだ」

ここでヴァンハークが述べたコメントが、3月のキャンプ・ビューリング襲撃事件における具体的な状況に対する彼の理解を反映したものなのか、それとも一般的な話として語ったものなのかは不明である。彼がここで言及している2つの軍種とは、米空軍と米陸軍だ。1947年に空軍が陸軍から分離された後の公式な役割と責任の区分の一環として、陸軍には両軍種の基地を空襲から防衛するという主導的役割が与えられた。今日、陸軍は海外および国内を問わず、統合部隊全体にわたる地上ベースの防空・ミサイル防衛で広範な責任を負っている。

「国防総省は、今後、これがどの軍種の責任であるかを明確に示す必要があった」とヴァンハークは本日、続けた。「私はその件についてどちらかの立場を取るつもりはない。要するに、我々が決定を下したわけではなく、リスクを受け入れただけであり、率直に言えば、今、そのリスクの代償を払っているのだ。」

「空軍参謀総長が立ち上がり、 『よし、私がその任務を引き受ける』と述べた」とヴァンハークは付け加えた。「来年、絶対に避けなければならないのは、ペイトリオットやTHAAD[高高度終末段階防衛システム]がこちらで運用され、対ドローンシステムが……あちらで運用され、データの統合やC2[指揮統制]の共有、連携が行われない二分化された解決策だ。そのような事態は絶対に避けなければならず、我々は協力し合って、それが起きないよう確実にしなければならない。」

空軍は、地上からの航空脅威に対する施設防衛においてより多くの責任を担うプロセスでまだ非常に初期の段階にあり、まずは新しい対ドローンおよび対巡航ミサイル能力の取得と配備に注力している。海兵隊でも、弾道ミサイル防衛の分野において、同様の動きが現在進行中である可能性がある。海兵隊はすでに、新開発および改良された低層防空システムや対ドローンシステムを多数配備する過程にある。

一方、陸軍は近年、自軍の防空・ミサイル防衛能力および体制に重大なギャップがあることを認めており、特にドローン脅威への対処においてその傾向が顕著である。同軍は、世界的な危機への対応として数十年にわたり継続的な作戦要求にさらされてきた結果、上位クラスの「ペイトリオット」および「THAAD」部隊に大きな負担がかかっていることも十分に認識している。本誌は繰り返し注目を促してきたが、陸軍の「ペイトリオット」部隊が現在の作戦要求に適切に対応できるか、ましてや将来、中国のような敵との大規模な戦闘が発生した場合に対応できるかという懸念がある。


実戦投入中のペイトリオットミサイル

これらすべてに加え、イランとの数ヶ月にわたる戦闘を経て、ペイトリオットやTHAAD用の対空迎撃ミサイル、およびその他の重要弾薬の米国の備蓄が極めて懸念されるほど低水準にあるという一連の報告が相次いでいる。これは、近年他の紛争や危機の過程で、米国および同盟軍による地対空ミサイルやその他の兵器の大量消費に続くものである。これらの備蓄を補充する取り組みや、その他の防空・ミサイル防衛能力および体制の拡充は現在進行中だが、実際に成果が表れるまでにはまだ数年を要する

今年初めに報じられた、イランによるクウェートへのF-5攻撃に関しては、依然として不明な点や未確認の点が多い。しかし、ヴァンハーク退役大将の見解としては、この件を真剣に受け止めるべきであり、米国の航空・ミサイル防衛システムが抱える大きな問題に対処すべき緊急性があることは間違いない。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関するコンテンツを執筆している。彼はその渦中とも言えるワシントンD.C.エリアに在住している。

オリジナル版読書のコメント

  • 「いいえ、私たちは驚かなかった」と彼は言った。「実際に起きたのは、2つの軍種が互いに責任をなすり合っていたことであり、率直に言って、それが誰の任務であり、誰の役割責任であるかについて、誰も決定を下さなかったのだ。」

  • もしこれが本当に根本的な原因であるなら、これはハードウェアや戦術の失敗ではなかったことになる。ここで語られているのは…

    • 多くのことを説明できる仮説がここにある:

    • ある日、ドナルド・トランプが米軍に対し、米国はイランと戦争をするだろうと告げたが、ドナルド・トランプの戦争スケジュールでは、米軍が準備を整えるのに十分な時間が与えられていなかった。

    • もちろん、実際には「ヤフー」のスケジュールだった可能性もあるが、結局は同じことだ。

  • これこそ、人々がこの戦争について知るべき報道だ。

  • 「殲滅」だの、「海峡を守り抜く」だのといった空論はもういい

  • よくやった、TWZ

  • もし彼らが砂塵の中を低空飛行し、地形の陰を利用して飛んでいたのなら、どうやって突破できたかは容易に想像がつく。度胸のあるやり方だ。

  • 油断が命取りになるという事実の、また一つの例だ。相手が何かを「できない」と決して思い込んではいけない。相手には常に発言権があるのだ……

    • 称賛すべきところは称賛すべきだ。50年前の機体で砂丘の高さまで飛行し、任務を完遂して帰還するなんて、軽視できることではない。

  • うーん。戦域では、低高度の対空防衛(AD)がもう少し必要そうだ。どこで手に入るか知っている人はいるか?

    • 栄養失調の子供たちへのSNAP給付をさらに削減すれば、資金を捻出できるかもしれない。ヘグセスは、BBBからの800億ドルの未使用・未指定の予備資金が必要だと主張し、事態が爆発的に悪化しないよう、議会に新たな資金提供を求めている。

  • これで、なぜクウェートの戦闘機1機があのF-15を撃墜したのか、もう少し説明がつく。パイロットは、自国を攻撃してきた機体を撃墜しているのだと思ったのかもしれない……。

  • あるいは、地上の無線交信を耳にして、自分が英雄になれると思ったのかもしれない……。

  • クウェートだからね。あそこでは油断が当たり前なんだ。過去10年間、そこで働いていた時、基地の警備について大騒ぎしたけど、返ってくる答えはいつも「ここでは絶対に何も起こらない」だった。彼らは身だしなみの基準や基地内でのスピード違反の方を気にかけている。なぜこんなことが起きたのかという政治的な背景については、私は……

  • 「国防総省は、今後、これがどの部隊の責任であるかを明確にすべきだった。私はその点でどちらの立場にも立たない。要するに、我々が決定を下したわけではなく、リスクを受け入れただけであり、率直に言って、今、その受け入れたリスクの代償を払っているのだ。空軍参謀総長は立ち上がり……

  • 国防総省が「戦争の霧」を今日のようなレベルまで全開にしている状況では、詳細を本当に信じるのは難しい。

  • 私はまだほんの少しだけ懐疑的です。私たちが無敵で全知全能ではないと思っているからではなく、――記事にもある通り――F-5は大量の追加燃料を積まなければならなかったはずで、その結果、爆弾を搭載する余力がほとんどなかったはずだからです。

  • 「そのような事態が起きたと述べるのは、空軍兵として恥ずかしいことです」とヴァンハークは付け加え、米軍がこのような種類の空襲を受けたのは数十年ぶりであることを指摘した。

  • これは、3機が非誘導爆弾を投下した単発の空襲だった。米軍がこうした事態への対処に慣れていないことは承知しているが……

    • 確かに、だがそれでも陸軍と空軍が防空体制を統合できていないことが露呈している。

    • それは許されないことだ。

  • うわぁ…フィードバックの投稿で、TWZには米国政府と軍事産業複合体(MIC)に責任を追及してほしいと書いたんだけど、君たちはいくつか強烈なネタを準備していたんだな。

  • ノースロップの古参連中の中には、「まあ、別に驚くことじゃないな」と思っている連中もいるだろうね。

  • 第一の感想:イランには脱帽だ。これを実行するには、まず、おそらく離陸のチャンスなど全くないはずの全面的な爆撃をものともせず、航空機を離陸させなければならなかった。そして、最も集中した...

    • イラン側は、自分たちが被っている被害のほんの一部にすら及ばないことは分かっていても、どんな攻撃でも命中させれば、宣伝効果として桁違いの価値があることを理解していた。彼らにとっては、その命中を得るために極めて高いリスクを冒す価値があったのだ。ただし、今回のケースでは実際には……

  • 明らかに、新たな軍種が必要だ。「基地部隊(Base Force)」だ!

  • 当時、イランのF-5が海峡上空を低空飛行しているのを目撃したという艦船の報告があったことを忘れていた。それを味方による誤射と結びつけて考えなかった。

  • 当たり前だろ。

  • 防空(AD)に関しては、量こそが質そのものだ。我々はあまりにも長く攻撃に注力してきたせいで、防御のことを忘れてしまった。少数の洗練されたシステムによる解決策は、より基本的なシステムを大量に配備することに取って代わられる必要がある。「センチネル」や「NASAM」は、サイドラインで飛び跳ねながら叫んでいる……

  • イランなんてくたばっちまえ、とはいえ、この紛争は馬鹿げていると思う。とはいえ、中国人民解放軍空軍が全開で攻めてくるよりは、数機の古いイラン製戦闘機が非誘導弾を投下して、こうした問題に我々の目を覚まさせてくれるほうがましだ。我々は、基地が安泰であるという贅沢を当然のこととして…

  • 「ドゥーリットル・ネジャド」襲撃作戦!

  • もしイランがこの映画の『アイアン・イーグル』風パロディを作ったとして、Amazonがそれを買い取ったとしたら(ロシアや中国の修正主義的な歴史プロパガンダ戦争映画をたくさん買い取っているから)、君はそれを見るか?

  • 傲慢

  • カロライン・レビット、ホワイトハウス報道官を退任、現在は「トップ外部顧問」に:トランプ

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  • 念のため言っておくが、2月28日に始まった戦争の2日目は3月1日だ。2月を30日ある月として数えない限りはな!!!

  • F-5からペイトリオットへの展開が最高だね。みんな大丈夫、安心しろよ。アメリカには素晴らしい迎撃ミサイルがあるんだ。ここに写真をいくつか載せておくよ。偉大なるジョニ・ミッチェルの言葉を借りれば、「去る時は、彼らを笑わせてやれ」。でもジョニは同じ曲の中でこうも歌っている。「私は今、勝つことも負けることも、人生の両面を見てきた……」

  • 米軍の指導者たちの先見の明のなさは驚くべきものだ。まるでモー、ラリー、カーリーが陸軍、海軍、空軍を率いているようだ。2022年のロシアによるウクライナへの大規模侵攻や、2023年のアルメニアとアゼルバイジャンの戦争を経て、軍備面で警鐘が鳴らされたはずなのに……

  • 誰が操縦しているかについては意見が分かれるだろうが、戦闘仕様のF-5は実に素晴らしい機体だ。

  • F-5は最高だ、なんて素晴らしい機体なんだ。

  • 興味深いことに、イラン側はカタールへの攻撃には爆弾の投下に成功した他の2機の航空機(F-4)が関与していたと主張している。また、F-4とSu-24がサウジアラビアの基地を攻撃したとも主張している。これらの主張は、F-35CがイランのMiG-29を4~5機撃墜したという戦争初期の報道に上乗せされたものであり、米国はこれを…

  • これは、2010年代にE-3をE-7に置き換える作業を加速させる必要があったことを示している。世界で最も先進的な戦闘機を保有しているにもかかわらず、なぜ我々はAWACSをこれほどまでに衰退させてしまい、毎日訓練の相手としているF-5に領空への侵入を許し、爆撃を受けさせてしまったのか?これはABMや……とは全く異なる問題だ。