2017年2月22日水曜日

中国空母二号艦の建造状況、上海で建造中の三号艦が要注意


中国が建造中の初の国産空母の進捗状況をChina Defense Blogが中国報道を引用する形で紹介しています。一体中国の軍拡はどこまで続くのでしょうか。ハードウェアはできても運用要員等のソフト面がついていけるのでしょうか。なんでもコピーすれば良い、自分で作らなくても買ってこれば良いと言うのが中国流ですが、いつか馬脚を表すでしょう。



2nd carrier almost complete

http://english.chinamil.com.cn/view/2017-02/21/content_7494952.htm




中国空母二号艦が完成に近づいており、2020年就役の見込みと関係者が述べている。

  1. 中国中央テレビ(CCTV)報道では001A型航空母艦の足ぐみが外され、赤色下塗りが艦喫水線下ではじまったという。建造は大連で行われており、進水式がまもなくだという。
  2. 「遼寧(001型)との違いは001Aが国産建造で設計、戦闘能力、技術のいずれも進んでいることです」と中国軍事専門家 Song Zhongping が環球時報に述べている。「艦設計は一層『人間に優しい』点も大きく違い、乗組員は快適に仕事ができます」
  3. ただし「進水から就航までは時間がかかる。通常でも2年だ」と人民解放軍海軍装備研究センターの Yin Zhuo がCCTVに語った。
  4. 武装や装備すべてを艦に取り付けたあと、空母は搭載航空機とともに公試に臨みやっと就役準備が終わる。
  5. 「艦体建造は日程通り。建造設計は大部分完了している。レーダーその他装備の取り付けが今後ある」と国防部報道官 Wu Qian が2016年10月の時点で語っていた。
  6. 進水後に艤装工事が控える。進水は今年中と海軍専門家 Li Jie は述べている。「各装備の機能を調整しながら公試は2019年はじめだろう」
  7. 中国国防部が001A型の建造を公式を公式発表したのは2015年12月31日のことで、「排水量5万トンでJ-15戦闘機等を搭載する」とし、二号艦の設計、建造には遼寧の経験が生かされていると述べている。
  8. 国防部発表内容から001Aはスキージャンプ方式で航空機を運用する点で遼寧と同様だとわかる。
  9. 中国もカタパルト方式の採用を狙っており、002艦で採用される予想だ。同艦は上海で建造中だ。「002は遼寧(001)、001Aと全く違う艦になり、米空母に似た艦容になろう」(Li)
  10. 最新型空母では電磁カタパルトシステムを採用するが中国はまだ蒸気カタパルトの試験中だ。「電磁カタパルトは柔軟度が増え、スピードも調整可能となりますので、各種機体を一緒に運用できます」(Li)
  11. 「中国領土と海外権益を守るべく、中国には空母打撃群が二個西太平洋で必要、インド洋にも2つ必要なので空母は少なくとも5隻ないし6隻必要だ」(Yin)■

2017年2月21日火曜日

北朝鮮ミサイルに有効な迎撃手段はすでに複数存在している


4 other ways the US could shoot down a North Korean ballistic missile

Feb 20, 2017 3:18:20 pm

北朝鮮の核ミサイルが色々話題になっているが、直近のテストから北朝鮮が米本土を攻撃する日が来るのではと関係者は真剣に心配している。
だが米国にはICBMが米大陸部に向かってきても迎撃する手段が複数ある。現在の対ミサイルの中心は高高度広域防衛システムTHAADだ。一個射撃隊には発射装置6個を配備し、各6発のミサイルを装填し、韓国に配備が予定されている。
だがTHAAD以外にも米国にはミサイル防衛手段がある。
ペイトリオット対空隊ミサイル防衛発射機から迎撃ミサイルがホワイトサンズミサイル射爆場(ニューメキシコ)から打ち上げられている。最新のPDB-8仕様は4回の試射を行い、米陸軍が最終評価を行っている。 | Raytheon

1. MIM-104 ペイトリオット – 含む Patriot PAC-3


砂漠の嵐作戦以降、ミサイル迎撃に使われている。
サウジアラビアおよびイスラエルの各部隊はサダム・フセイン政権が発射したSS-1スカッド・ミサイル多数を迎撃した。国防総省の公式発表ではサウジアラビアの命中率80パーセント、イスラエルは50パーセントだったとし、MIM-104Cを使用した実績としている。MIM-104Eが2002年から供用されており、PAC-3の供用開始は2003年だ。
Japan/U.S. Missile Defense Flight Test Successful-standard-missile-3-SM-3
日本による飛翔テストミッション1(JFTM-1)は同盟国海軍艦艇による初の弾道ミサイル迎撃成功事例となった。イージス弾道ミサイル防衛の一環。JFTM-1は駆逐艦こんごう(DDG-173)の改修イージスBMDの交戦能力を実証した。

2. RIM-161 スタンダードミサイルSM-3

米海軍のSM-3はおそらく信頼性がいちばん高いミサイルキラーだろう。ミサイル防衛庁の公式発表によればSM-3は試射34回で27回成功つまり79.4パーセントの命中率だ。
さらにTHAAD、ペイトリオット両システムに対する優位性がある。艦上配備のため理想的な発射地点に移動可能だ。また有効射程も270カイリと高性能で現在はRIM-161Dがテストに入っている。
また「イージスアショア」の中核となる。
ミサイル防衛庁によれば、イージスアショアはルーマニア、ポーランドに展開中だ。イージスシステムの実証済み性能をもとにもっと多くのイージスアショア施設が建設されても不思議ではない。

3. RIM-66 SM-2・ RIM-174 SM-6 スタンダードミサイル

ともにもともとは航空機を標的に開発したミサイルだが6回試射で6回命中のミサイル迎撃実績があるとミサイル防衛庁はまとめている。SM-3の性能には及ばないが飛来するミサイルには十分対応できる。

両ミサイルはイージスアショアでも運用可能で強力な防空網を形成でき、北朝鮮の弾道ミサイル防衛にも有効だ。
地上配備迎撃ミサイルがサイロに運搬されている。Missile Defense Agency photo

4. 地上配備迎撃ミサイル

この装備も飛来するミサイル対応の一部となる。ミサイル防衛庁によれば現在30基がアラスカのフォートグリーリーおよびカリフォーニア州ヴァンデンバーグ空軍基地に配備されており、命中率は試射17回で命中率52.97%だという。
ただしGBIには2つの問題がある。まず配備数30基しかないことと東海岸にはないことだ。
ミサイル防衛庁のウェブサイトではさらに新技術を検討しているとあり、早期迎撃手段と呼んでいる。


WATM contributor Harold Hutchison was consulting senior editor at Soldier of Fortune magazine and is the author of the novel Strike Group Reagan. He has also written for the Daily Caller, National Review, Patriot Post, Strategypage.com, and other national web sites.

限定核戦争は実施可能なのか再び問われています



これもシンクタンクの頭の良い人達によるエッセイですが、核兵器が結局使えない兵器だとしたらなぜ新政権は核兵器近代化を課題としているのか、他国も相変わらず核兵器の保有を続けているのか、議論を呼びそうですね。条件さえ合えば、北朝鮮やイランへの核攻撃は実施可能と見ています。もちろん通常兵器でも恐ろしい威力は可能ですが。

The National Interest

Could America Really Win a "Limited" Nuclear War?


February 18, 2017


  1. ドナルド・トランプ大統領の就任から三週間だが、批判派は選挙運動中のスローガン「アメリカを再び偉大な国へ」はアメリカ社会を1950年代に引き戻すと指摘している。気づいた向きは少ないだろうが、トランプが目指す時間の逆回転は米国の核兵器にもあてはまる
  2. 先週ペンタゴン審議会がトランプ政権に「限定核戦争」体制の整備を提言したとCQ Roll Calが伝えている。
  3. 記事によると「国防科学委員会は大統領に現在の戦力整備方針を変更し低威力兵器多数の整備をめざし『限定使用前提で状況に応じ核兵器を投入する選択肢』を可能とすべき求めた」
  4. 核兵器の限定投入の裏にある戦略は一見単純に聞こえるが、紛争終了にはエスカレーションが必要となる。
  5. 理論上では敵通常部隊に低威力核兵器で対応すればこちらが全面核攻撃を真剣に覚悟していると見せてしまう。敵はそのまま地球大熱核戦争に移行したり通常戦を続けるかわりに引き下がるはずとする。
  6. 軍事用語の「限定原子戦争」が婉曲的に聞こえたらそれは正しい。核を相手に落とせば小規模兵器といえども核攻撃に変わりない。また中国やロシアを相手に「限定核戦争」を行えば、報復が核攻撃になるのは確実だ。
  7. 現実世界では核兵器を「限定的に」使う構想は危険な幻想だ。ニクソン政権でさえ、ソ連相手の限定核攻撃は「狂人の理論」と称していた。
  8. だが今回のCQ Roll Call記事では「提言は革命的というより発展形」だという。
  9. 限定核戦争は新概念ではなく、かなり前からある。
  10. 米国が原子爆弾を世界で初めて広島・長崎に1945年投下して核のパンドラの箱が開いた。核兵器の開発、製造、貯蔵を各国が始め、より長距離を攻撃できる威力の高い兵器をめざした。
  11. こうした超兵器は数分で文明を破壊可能で、その結果生まれたのが相互破滅保証の概念で、現在まで続く危っかしい核抑止体制が生まれた。
  12. だが冷戦初期の核兵器は戦略抑止手段ではなく大規模戦の手段として認識されていた。シャーマン戦車やAK-47銃と同様50年代の核兵器は製造された。
  13. 核兵器は1990年代までに漸次削減されたものの、米国は今でも欧州に戦術核兵器180発を保持中で、対ロシア戦が発生すればNATO戦闘機が運用する想定だ。
  14. 実戦に使用されず幸運だったと歴代政権が実施した図上演習結果から判る。限定核戦争は幻想にすぎない。
  15. 1955年のカートブランシュ演習では戦術核兵器300発以上をドイツ国内で使いソ連侵攻を食い止める想定だった。
  16. ドイツ国民推定170万人死亡、負傷者350万名の判定と放射能の影響で計算不能な被害が生じた。演習内容が報道機関に漏れると、西ドイツで米軍の核戦略への「広範囲な不安と怒り」が生まれた。
  17. 「小型」核兵器に戦略的意義が再び与えられるか不明だ。低威力兵器を一発使用しただけで相当の死傷者とともに長期にわたる放射能の影響が発生する。
  18. CQ Roll Call報道は「低威力核兵器貯蔵量を増やせば敵の反応を招き、核戦争の可能性が増え、...危機状況で核兵器投入の選択肢を米軍が大統領に示せば食指を動かす案に写り、...大統領は全面核戦争を起こさず小型兵器が使えると考えるかもしれない」と伝えていた。
  19. この想像も幻想だ。今回の提言中の真の問題点は核兵器投入は限定の有無と無関係にエスカレーションを招く点だ。
  20. レーガン政権は1983年の図上演習で狂人理論の実効性を試した。誇り高き預言者 Proud Prophet のコード名で同演習はNATOがソ連の通常戦力に対抗すべく限定核攻撃をソ連に行う想定だったが、ソ連を演じたチームは引き下がるどころか大量の核反撃を米本土に加え、米国も応酬し演習は終了した。
  21. 死亡判定は10億人となり、NATOは消滅。レーガン大統領は大きく衝撃を受け、同日の日程は取り消しになった。反応は素早かった。
  22. 国防総省顧問ポール・ブラッケンによれば「ソ連対抗用の戦略構想案ほとんどが実際の米戦力と無関係ないし実行不可能と判り即座に廃棄された」。
  23. 数カ月後レーガンは「核戦争で勝利は不可能。絶対に実施してはだめだ」との有名な文句を米国民に伝えている。
  24. 戦術核兵器に戦略的な優位性が生まれると考える向きもあろう。ヨーロッパに貯蔵中のB61核爆弾180発が証明ではないか。実施主体は米軍通常部隊であり、強力なJASM-ER巡航ミサイルのように全面核戦争へのエスカレーションを招かず投入できるのではないか。
  25. ダイアン・ファインステイン上院議員の言葉を借りれば「核兵器の役目はひとつだけ。抑止だ。実際の使用を容認できないし、すべきでない。限定核戦争はありえない概念であり、ペンタゴン審議会提言に憂慮せざるを得ない。」
  26. このゲームは実施済みで、結果は良好でなかった。1950年代同様の核兵器貯蔵は2017年には不要だ。白黒テレビを今さら購入する人は皆無だ。「使用可能な」核兵器も歴史のゴミ箱に捨てよう。■
Geoff Wilson is a Policy Associate at Ploughshares Fund, where he focuses on U.S. nuclear and military strategy. Will Saetren is the author of Ghosts of the Cold War: Rethinking the Need for a New Cruise Missile, and is an alumnus of the Roger L. Hale Fellowship at Ploughshares Fund.
This first appeared in WarIsBoring here.


北朝鮮対策を中国に頼むために米国の譲歩はやむを得ないのか 


この論文を書いた方はひどく頭の良い方のようで論調はきわめて冷徹で日本には考えたくない可能性にも触れていますので、普段から主張が日本第一の方は以下お読みになっても当方は責任を負いかねます。ただ、読んでいてあまり地政学がわかっていない方だな、中国に宥和的だなと感じ一方、取引の材料があれば中国が動くと見るところは甘いなと感じたことはご報告しておきます。こうしてみると本当に北朝鮮が厄介な存在だとわかります。韓国も米国から見れば価値観を共有できない国なのでしょうか。

The National Interest

How the U.S. Can Win Over China and Silence North Korea


February 17, 2017

北朝鮮が弾道ミサイルテスト実施に踏み切ったことで米国には改めて中国に平壌に圧力をかけさせ挑発行為を防止する期待が高まっている。米政界・政策立案部門には経済制裁他各国が一致すべき措置に中国がおよび腰なのに不満と怒りが高まっている。
その裏には中国が北朝鮮に多大な影響力を有しており、同国こそ平壌に言うことを聞かせられる唯一の国との考えがある。ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トム・フリードマンは中国が北朝鮮に断固たる意向を一回示せば同国の望ましくない行動はただちに止まるはずだと述べている。
中国が北朝鮮に最も影響力を有するのは疑う余地はないし、北朝鮮向け食料エネルギー供給の大部分は中国が提供している。供給ストップや減産すれば北朝鮮はただちに混乱する。
ただし米側は中国の影響力を過大評価しがちで、中国が抜本的対策を取らないと実現しない。また実施すれば中国にもリスクが増える。北朝鮮が不安定となれば、大量の難民が中国との国境に向かい、韓国へも殺到するだろう。もっと悪い可能性は自暴自棄になった北朝鮮指導部が軍事冒険主義に出ることで、これは各国が防ぎたいと考えるシナリオだ。
北京にもハイリスク戦略の選択は魅力あるものと映るだろうが、米政府関係者や有力指導者は中国に断固たる措置を期待している。だが米関係派には外交政策とは慈善行為と程遠い存在であると理解する必要があり、中国の外交政策が慈善行為だったことは一度もない事実を理解する必要がある。
では中国にもっと強硬策を選択させ北朝鮮による受け入れがたい行動を事前にやめさせるべくワシントンが譲歩しても良いものはなんだろうか。4つの選択肢がある。
台湾
中国が事実上独立国となっている台湾に民進党大統領が2016年に生まれて以来、一層不満を感じているのは明らかだ。ドナルド・トランプも大統領就任前に中国の懸念を高めた。前例のない電話会談を蔡英文総統としたためだ。トランプはその後報道機関取材で米国は「一つの中国」政策に束縛されないと語っている。その後、発言内容を修正しており、習近平主席には既存政策の変更はしないと述べている。
ただし北朝鮮に対する中国の具体的行動を引き出すためなら米国は現状維持にとらわれないだろう。出発点はリチャード・ニクソンが署名した1972年の上海合意で、米国は台湾を中国の一部だと認めている。政策変更を実施すれば大きな譲歩となる。米国は台湾向け武器輸出を漸減させると甘言を持ち出せばよい。北京はこれに抵抗できないはずだ。
実際にはこの実施は困難だ。台湾は強い民主国家であり、ワシントンが今後も西太平洋に海軍力を投射していくのであれば同国の地理条件は戦略上重要だ。台湾支持派の議員は多く、米政界全体も同様なので台湾政策の変更には相当の抵抗が出る。譲歩なら難易度の少ない選択肢を選ぶはずだ。
南シナ海
ここ数年中国が進めている南シナ海での広大な野望に関し米中間の対立が深まっている。中国は歴史に根付いた主張とし、およそ8割の海域を自国領土だとする。この二三年で事態を悪化させてたのは中国が人工島を建設し軍事装備を搬入していることで、滑走路まで建設した。
周辺各国も領有権を主張している中でこの動きは緊張を招くばかりだが、米国も関与せざるを得なくなっている。米政府は国際海域を中国領海に変更させようという中国を懸念している。中国がこの動きを続ければ南シナ海の航行を中国が支配してしまうと米国は考え、世界で最重要の通商航行路の保全を懸念する。
米海軍はいわゆる航行の自由作戦を数回実施し、中国の野望をワシントンが傍観出来ないと示してきた。オバマ政権は公式には中立をうたいながら事実上「中国は除く」姿勢で領有権主張を見ている。
では米国が南シナ海でどんな譲歩ができるか。まず、ワシントンはあくまでも中立の姿勢を示すことだ。これは言葉の上だけにとどまらず、次に航行の自由作戦を縮小または中止する。その後中国へ中国が航行の自由を脅かさないかぎり、米海軍は南シナ海でのプレゼンスを維持しないと伝える。この政策方針の変更には中国の意図を正しく理解するのが前提だ。が、中国は輸出大国として海上交通路の妨害で得るものはないので危惧されるようなリスクはないと主張している。ただし南シナ海での譲歩がどうなるかは見えてこない。譲歩しても北京が北朝鮮に強い態度に出ることはないだろう。
東シナ海
三番目の可能性は米国が東シナ海を巡る日本支持を自ら撤回する譲歩だ。中国が同地で求めてきた目標は2つだ。一つは防空識別圏の設定で通過飛行する航空機は総て中国へ報告を求めているものの、米国はじめ同盟各国は公然と中国が実力で防空圏を運用することに反対の姿勢を示している。
もう一つの目標は論争になりそうだ。中国は尖閣諸島の領有権を主張している。同地は無人の岩だらけの島にすぎないが、周囲の海域は豊富な漁業資源がある。また石油他鉱物資源の存在の兆候もある。日中間の緊張は何度となく高まってきた。
どちらの側が歴史的に同地を歴史的に領有主張できるのか明白ではないが、日本が現在は支配している。ワシントンも日本の立場を尊重し日米安全保障条約の適用範囲に尖閣諸島も含まれるとの立場だ。ジェイムズ・マティス国防長官も直近の訪日でこの点を明確にした。
だがワシントンは簡単にともに譲歩してしまうかもしれない。中国の防空識別圏設定で死活的に失うものはなく、むしろ空の安全が実現するならそれで良いと判斷するかもしれない。国籍不明機が飛んできて中国が警戒するのはとくに軍用機が近隣基地から飛来する際の警戒心は理解できる。そこでこの点で譲歩があれば北京の北朝鮮政策にも大きな変化が期待できる。
そうなると尖閣諸島問題でも米国の立ち位置は大きく変わってしまうかもしれない。ワシントンが同諸島のために自国の安全を危険にするのは愚かなことだ。一旦米関係者から今後は日米安保条約は同島に適用しないと声明し、今後は厳密な中立的立場をとると発表すれば北京は北朝鮮関係も見直しに動くのではないか。
韓国
最後だがもっとも重要な政策変更可能性がある。ワシントンが韓国との関係を見直すことだ。中国は圧力をかけすぎれば北朝鮮が不安定になるのを恐れるだけでなく、読めない戦略構図が生まれることも懸念している。中国にとって北朝鮮は頭にくる、かつ危険なほど不安定な同盟国だが、領土上はその他米国の影響下にある地域との干渉地として重要だ。
仮に北朝鮮が内部崩壊した場合、北京は南北が軍事統一を米国の後ろ盾で実現する可能性に向かわざるを得ない。その場合は現在は北朝鮮となっている国内にも米軍基地ができる可能性に中国は直面するだろう。ワシントンが言葉の上でそのような行動は取らないと述べても中国には懐疑的になってしかるべき理由がある。ソ連崩壊で一方的に利益を得たのは米国であり、その後のロシアの弱体化につけこんでNATOはロシア国境近くまで拡大しているではないか。今やワシントンがそのような国に部隊や装備を配置している。
口約束では不十分で少なくとも米指導層は書面による保証を出す必要があるはずで、統一朝鮮が出現した場合にはそのような行動は取らないと示すことだ。それがあれば北京は平壌に強硬態度に出てもリスクを甘受できよう。だがワシントンが魅力的な提案をするとすれば、韓国から全米軍部隊を撤退すると中国と合意することだ。具体的な撤退期日を示すことだ。米韓同盟関係の基礎は北朝鮮の存在が唯一の理由であり、脅威が消滅すれば同盟の存続理由もなくなり、米軍のプレゼンスを維持する意味がなくなる。また仮に北朝鮮が存続できる場合でいまよりものわかりのよい脅威度の少ない国家体制になった場合、ソウルは自国のみで脅威を抑止する効果を十分持つことになる。
無論のこと、以上の選択を米国がとれば、大きな物議を引き起こすのは必至だ。だがワシントンが北朝鮮の核兵器開発、弾道ミサイル装備導入を防げなかったのは大失策だ。米国は東アジア内の同盟各国と厳しい選択に直面している。核武装した北朝鮮と共存を迫られても、このまま行けば北朝鮮は米本土の攻撃手段も手に入れるだろう。あるいはワシントンは北朝鮮の脅威を減らすことが可能な唯一の国の気を引いてついに意味のある行動を引き出すことができるかもしれない。だが北京を各国協調行動に引き出すには相当の条件が必要となる。もし米指導層が必要な犠牲を甘受するつもりがないのであれば、中国の不作為を非難するのはやめるべきだ。
Ted Galen Carpenter, a senior fellow at the Cato Institute and a contributing editor at the National Interest, is the author of ten books on international affairs, including (with Doug Bandow) The Korean Conundrum: America’s Troubled Relations with North and South Korea (Palgrave Macmillan).

2017年2月20日月曜日

ヘッドラインニュース 2月20日(月)


2月20日のヘッドラインニュース:T2

注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください

カール・ヴィンソン空母打撃群が南シナ海へ展開
USSカール・ヴィンソンCVN-70含む第一空母打撃群CSG-1が2月18日より南シナ海で作戦を開始している。CSG-1は第三艦隊の指揮下に入る。搭載する航空部隊CVW-2で戦闘機隊はVFA-2バウンティハンターズ、VFA-34ブルーバスターズ、VFA-137ケストレルズ、VFA-192ゴールデンドラゴンズ、VAQ-136電子攻撃隊ガントレッツを含む。

日本人初のMV-22教官パイロットが生まれる
陸上自衛隊佐藤一尉がオスプレイ転換訓練VMMT-204を米海兵隊で受講中。修了すれば初の日本人教官パイロットになり、来年にの同機の導入に備える。

F-22の12機編隊がオーストラリア移動完了
米空軍第90戦闘機隊のF-22計12機はアラスカからオーストラリアのティンダル空軍基地への移駐を2月14に日に完了した。米豪協定にもとづき米太平洋軍がオーストラリアに派遣し、共同演習に参加する。3月初めまで同地にとどまる予定。

インドネシアがSu-35導入か
インドネシアがSu-35調達の契約にあと数ヶ月で調印する。ロシア航空機販売公社ROSTEC関係者がTASS通信に語った。ロシアはSu-35の10機販売を期待している。インドネシア空軍ではSu-27 Su-30を運用中。Su-35は老朽化した米F-5の代替用に導入する。
コメント: では日本がインドネシアからアグレッサー用にロシア製機材を購入したらどうでしょう。


2017年2月19日日曜日

武器輸出の実績がない日本、今後も道が険しいのか



The National Interest

Japan: The World's Next Big Arms Dealer?


February 17, 2017


武器輸出禁止を自ら課してきた日本だが安倍政権が2014年に国内メーカーの武器軍用装備輸出を解禁した。ただし日本が武器輸出主要国になるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
  1. 2014年の措置は1967年にはじまった武器輸出三原則にかわるもので、積極的平和主義で日本の国益を確保する政策の一環として武器輸出も位置づけられているが、新しい措置でも国連禁輸措置の対象国や軍事紛争中の国には輸出できないとされる。また販売に関しては透明性を確保し、日本の知らない間に第三国への転売ができない。
  2. ただし新方針の前から日本は防衛協力・軍事技術の移転で小さい変更を加え、米国とは弾道ミサイル防衛を共同研究できるようになった。当時の民主党政権野田佳彦総理は日本国内企業に海外メーカーと共同開発研究ができる道も開き、防衛関連装備を人道を理由とした場合は輸出可能としていた。
  3. 狭義の軍事装備ではないが、日本はフィリピン、ヴィエトナムへ巡視艇を寄贈するにあたり海外援助予算を使った。またTC-90訓練機をフィリピンにリースで提供し、フィリピン海軍パイロット向け訓練も行った。
  4. 2014年の改訂で日本の武器メーカーはこれまでの足かせから自由になり、海外需要を取り込めるようになった。だが日本の武器輸出がこれで急拡大するのではなく、道は長くなるだろう。大口防衛装備の商談は一件も成立していない。インド太平洋には武器需要が大きい国がひしめく。
  5. オーストリア向け潜水艦商談は昨年失望のうちに終わったが、当初は採用は確実と見られていた。初の商談成約を期待していただけに大きな敗北とされる。だが商談の不成立で日豪関係が損なわれなかったとはいえ、日本側の政策立案部門には深いキズが残った。
  6. またインドには相当前からUS-2水陸両用飛行艇の販売交渉が続いており、2014年には成約の見通しが非常に高かった。だが現在でもコストと技術移転をめぐり、堂々巡りの状態に留まっている。商談は一時的に中断しているとの説明に一部メディアには「死に体」とまで評するものがある。
  7. 直近ではニュージーランドと哨戒機、輸送機の販売につながる商談を介している。商談は初期段階のままで、ニュージーランドは欧米メーカーもいれた競争評価方式を取るだろう。2015年にイギリスで同様の商機があったが、結局米国製装備に負けている。次のならいはタイ国で、P-1哨戒機とUS-2水陸両用機が対象になっている。
  8. そうなるとフィリピン、ヴィエトナム向けに巡視艇を寄贈したことを除けば、東南アジアでは成約案件がないままだ。その理由に価格があり、日本もこの分野では経験不足が否めない。また買い手からすれば実戦実績がない日本製装備には手を出しにくい。
  9. 武器輸出を調整すべく昨年末に大型政府機関が立ち上がっている。防衛装備庁がそれで、自衛隊隊員1,800名の他防衛省からも人員が移動した。国内最大の防錆装備調達機関として武器輸出の推進も目的となっており、国内最大の経済団体経団連も支援を惜しまないとしている。だが、日本は困難に直面したままだ。
  10. 国内の防衛装備メーカーにとって防衛需要は本業ではない。トップの川崎重工業、三菱重工業でも比重はそれぞれ15パーセント、11%にすぎない。その他企業に至っては1パーセントを割る状況だ。
  11. 戦後憲法で戦争を放棄した日本だが比較的裾野が広い防衛産業が生まれ、高性能の主要装備等を供給しているが、自衛隊用の国内需要だけを相手にしてきた。その結果、各企業は無競争状態で事業を進められた。日本企業が居心地よい環境を飛び出し、経験値が高い世界の大手企業に真っ向勝負するのは確かに楽ではない。企業の中には政府方針で競争入札の形にするため嫌々参加を付き合うものもある。また「死の商人」といわれたくないという企業もある。
  12. オーストラリアでの敗退、インドとの商談停滞から日本政府に経験が足りずしっかりした商談に向けた延暦方針が欠落していることが露呈した。この分野では十分魅力ある価格提示とともにしたたかな交渉力が必要だ。
  13. 日本にとって道はまだ長いようだ。
Purnendra Jain is Professor in the Department of Asian Studies, University of Adelaide, and a former president of the Asian Studies Association of Australia.
This first appeared in East Asia Forum here

2017年2月18日土曜日

★米中武力衝突は不可避なのか、でも尖閣諸島が理由ではたまらないというのが米国の考え方



日米安全保障の適用対象だと尖閣諸島問題を楽観視する向きがありますが、意味のない戦いにわざわざ米国が参入するとは考えにくいですね。尖閣さらに沖縄への中国の関心が気になりますが、西側陣営は中国の力が変な方向に行かないようにソフトな封じ込めが必要です。米側がすでに対中戦シナリオを検討しているのは明らかですが、結局そのような事態が発生しないよう祈るばかりです。ただし、自由と独立が侵される事態には黙っていられませんので、結局軍事衝突が発生するのでしょうか。考えられない事態にも備えておくべきですね。

The National Interest

Are the Senkaku Islands Worth War Between China, Japan and America?

More like World War III.
Japanese F-15DJ. Wikimedia Commons/Creative Commons/@Cp9asngf

February 12, 2017


  1. 大規模戦闘は時として小さな事件から始まる。第一次大戦ではドイツの「鉄血宰相」オットー・フォン・ビスマルクが欧州大戦は「バルカンでの馬鹿げた出来事」から勃発すると正確に予見していた。そのとおり王族の暗殺事件をきっかけに欧州で大戦が始まり、世界規模に拡大した。
  2. 発足したばかりの米共和政がカナダ国境をめぐる主張で英国を脅かしメキシコ派兵で領土権を主張した。成熟度を増した米国はその後フィリピン独立勢力と長い戦闘を繰り広げ、米西戦争で獲得した新領土を守ろうとした。
  3. 同盟関係から戦争への道が早まることもある。ロシア、ドイツの支援を当て込んだセルビアとオーストリア・ハンガリー帝国は無謀にも1914年夏に妥協の余地を見せなかった。柔軟性を示したところで開戦は避けられなかったが、同盟を後ろ盾に柔軟性をなくせば開戦は確実だ。
  4. 歴史を見ればアジア太平洋地区の領土争いに危険がひそんでいることがわかるが領土主張の対象地点で開戦に値するものは皆無だ。それでも一世紀前のサラエボのような発火点になる可能性はある。ジム・マティス国防長官は日本訪問で米政府が日本の主張をしっかりと賛同していると示し危険度を引き上げた。
  5. 尖閣諸島を中国(PRC)は釣魚諸島と呼ぶが無人の岩だらけで無価値の場所だ。だがその位置から漁業、航海、資源上での効果が期待できる。国民感情も増大している。日本政府が実効支配中だが中国も権利を主張している。北京の言い分は南シナ海の場合よりは理にかなっていると見るが、日本は領土問題そのものが存在しないという立場だ。
  6. このためPRCが自らの「権利」を主張すると対立につながる戦術しか道が残されていない。日本政府の2012年尖閣の直接管理で国家主義者の抗議に先回りした格好だが、当時でも緊張が高まっていた。翌年に中国が防空識別圏に同島を入れたものの、今までのところADIZは象徴的に留まっている。PRCは近隣で漁業・石油掘削もおこなっており、沿岸警備部隊を現地に送り中国の活動を守っている。
  7. 日本もオバマ政権時に安保条約で同地が含まれるとの言質をとり一安心し、譲歩の余地なしとの姿勢だ。マティス長官も同様に明確な発言をした。長官は日本防衛への米国政府の支援にとどまらず、以下発言している。「両国の長期政策のうえで尖閣諸島の位置づけを明確にした。米国は今後も日本による同島の統治を認め、日米安全保障第五条の適用対象であるとも認識する。」言い換えれば、日本の主張を米国が擁護するということだ。
  8. PRCは鋭い反応を示した。米国は「問題を複雑化し域内情勢を不安定化することは避ける」べきだと中国外務省報道官Lu Kang陸慷が発言した。同報道官は日米安全保障条約は「冷戦時の産物であり中国の主権および正当な権利を侵害してはならない」と述べた。
  9. ただでさえギスギスする空気にさらに火を注いでいるのは両陣営に開戦は避けられないとの見方があることだ。たとえば、一年未満前にトランプ陣営の戦略専門家スティーブ・バノンは「疑いなく」「南シナ海で今後5年から10年で戦争になる」と述べていた。バノンは中国側が「しゅんせつ工事で不動空母を作り、ミサイルを運び込んでいる」と不満を述べている。尖閣諸島は南シナ海の一部ではないが同じ原則が適用されるだろう。
  10. さらにレックス・ティラーソン国務長官は資格確認公聴会で開戦一歩前に聞こえる発言をした。長官は「中国には明確な意思を示す必要がある。まず人工島造成をやめさせ、次に各人工島へのアクセスもできなくさせる」と述べ、これを武力で行えば戦争行為となるのは明らかで米国も例外ではない。
  11. このような見解に政治上層部は態度を明確に示していない。中南海にいる中国最上層部は気軽に所見を放送で示さない。ただし、ユーラシア・グループのイアン・ブレマーの意見では「中国政府はトランプ政権との直接対立の危険に憂慮している」とし、習近平主席は容赦無い圧政をしても理屈が通る実際主義者のようだが中国の「中核」的権益を放棄するつもりはない。さらに国家主義者や古い考えのままの左翼勢力が経済政策では意見を異にしつつ米国への不信では共通している。
  12. 双方に見られる開戦が不可避とする考えが現実のものになる可能性はある。第一次大戦の勃発前にはヨーロッパの高官は戦争が近づいているとの実感があった。そのような層には1914年8月の開戦を受け入れることに抵抗はなく、勝利はすぐに手に入ると思っていた。
  13. 米中戦の場合は、そのような感情から軍事支出の増加にはずみがつきそうだ。トランプ政権は米国の重要権益に脅威がないにも関わらず軍事支出増を狙っている。むしろ軍の増強は中国を筆頭に他国への干渉を行う実力を増やすだけだ。
  14. そうなるとPRCもさらに反応を強める口実が生まれる。米国が自国の中核的権益を脅かしていると(立場が反対なら米国も同じことを言うだろう)主張する。米国が近隣に軍部隊を増強すればPRCも対応する。マティス長官の訪日のあとで中国は尖閣諸島に軍艦三隻を派遣している。危険な衝突の可能性もそれだけ増える。
  15. ワシントンにはもっと強い対応を主張する向きがあり、PRCは弱く米国は一層有利だとし、同盟国多数が強力な軍部隊を展開できるというのだ。このとおりなら軍事衝突は早期にでも発生するのが避けられなくなる。
  16. 武力対決が数年間に続くことになるかもしれない。米国は自国領土、国民、憲政、経済の仕組みを守ることが大きな関心事だが、中国はいまのところそのいずれでも脅威となっていない。米国は各同盟国の独立を守ることにも大きな権益を有しており、アジア太平洋の航行の自由でも同様だ。今のところPRCはいずれにも挑戦していない。
  17. ワシントンが東アジアでは中国国境までの支配を維持することを有利と考えるのは当然だろう。だがそれとアメリカ自身の権益を守ることは別だ。航行の自由と同盟各国との安全保障の維持にはそのような支配は絶対条件ではない。さらに重要なのは米国政策は中国の「中核的」国家権益ともろに衝突することだ。もし中国が米東海岸で同じような立場を表明し、カリブ海までを支配すると述べたら米国はどんな反応をするだろう。また中国を敗戦に追い込めるとの想定があっても助けにはならない。その代償が高すぎるのだ。中国は米国より急速にミサイルや潜水艦を建造できる。中国国民は本土防衛となれば一致団結するだろう。アメリカから見れば遠隔地での戦争に巻き込まれることを忌避したくなるのは当然で米政府の思い通りに展開しないかもしれない。
  18. さらに米国は直接影響のない地域の同盟国からの支援を頼りにする。日本は米国の「航行の自由作戦」には参加しないと明言している。稲田朋美防衛大臣は「マティス長官には日本は米国による航行の自由作戦を支援すると申しあげたが自衛隊の派遣はない」と述べている。
  19. 最後に米国が「勝利」しても同地には敵対感情が長期にわたり残るのは必至で将来再び衝突が発生するのは確実だ。大戦二回でドイツは世界秩序に組み入れられた。これを「わずか」二回と見るべきか、ただし二回目の終了でドイツは東西に分断されている。PRCが国家として崩壊する可能性はあるが、実際にはそうなりそうもない。軍事で敗北すると国民感情に火がついて結局中央集権体制が強化されることがある。
  20. 共産党支配の体制は崩れるだろう。だがその反動でもっと強圧的な政府が生まれるのであり、民主政は期待薄だ。また民主国家といっても国家主義や国民に媚びを売る政策に走る可能性の方が高い。不可避と言われる「第二次中米戦争」がワシントンに有利な形になるのかわからない。第三回目もありうる。戦闘とは犠牲多数で得る物は少ないことに米国は気づくだろう。それが戦争だ。こんな体験はアメリカとしても回避したいところだ。
  21. 米政府として開戦したら発生する犠牲を中国に自覚させ、領土問題に端を発する問題は平和的に解決すべきと伝えるべきだ。同時にトランプ政権は同盟諸国に自らの対処や場合によっては交渉そのものも不要にしかねない空小切手を切るべきではない。小切手を現金化すると大変な結果が生まれることがある。帝政ドイツがオーストリア・ハンガリー帝国を支援したことで欧州は第一次大戦の深みに入ったのだ。
  22. 尖閣諸島に日中両国にとって大きな重要性はないし、米国にとっても同様だ。だが地政学ゲームの度胸試しという危険な遊びの中心として日中戦争が再び始まる可能性はあり、その結果も悲惨になるはずだ。またもし事態が米中戦争に発展すれば、その結果は予め想定することもかなわない。ドナルド・トランプ大統領は中国の野望と力が増える中でこうした危険を忘れてはならない。■
Doug Bandow is a senior fellow at the Cato Institute and a former special assistant to President Ronald Reagan.
Image: Japanese F-15DJ. Wikimedia Commons/Creative Commons/@Cp9asngf