2026年7月13日月曜日

英国への急な訪問でトランプはブリッジ機VC-25Bから従来型のVC-25Aに乗り換えた―公式訪問は予備機もペアで運行するのが通例。ここに来てイランがトランプを暗殺リストの最上段に置いたとの情報が出てきました

 President Donald Trump has left Turkey on an older VC-25A Air Force One jet. The U.S. Air Force’s new VC-25B Bridge aircraft had brought Trump to that country yesterday for the NATO Summit, but left without him on board earlier today.

SAUL LOEB / AFP via Getty Images

英国基地への予定外の訪問で、トランプはなぜ新型エアフォースワン機から旧型機へ乗り換えたのか

Trump Unexpectedly Swaps New Air Force One Jet For Old In Sudden Trip To British Base


変更理由は不明だが、新型VC-25Bブリッジ機の防衛能力やその他性能に大きな懸念が寄せられていたのは事実だ

https://www.twz.com/air/trump-unexpectedly-swaps-new-air-force-one-jet-for-old-in-sudden-trip-to-british-base


ナルド・トランプ大統領は、旧型VC-25A「エアフォース・ワン」ジェット機でトルコを離れた。米空軍の新型VC-25Bブリッジ機は、昨日、NATOサミット出席のためトランプ大統領を同国へ運んだが、本日早朝、大統領を乗せずに離陸していた。トランプ大統領はこれに先立ち、「昔を懐かしんで」ブリッジ機ではなくVC-25Aでトルコから英国のRAFミルデンホールへ向かうことを確認していた。「ブリッジ」機(カタールから寄贈され、改造されたボーイング747-8i)は、先にミルデンホールへ向かった。こうした事態は極めて異例であり、他の要因、具体的には作戦上のセキュリティ上の変更などが影響しているのではないかとの疑問を招いている。

VC-25Aは昨日、予備機として「ブリッジ」機に続きトルコの首都アンカラに向かっていた。この機体の変更は、昨日行われた米国によるイランへの新たな空爆を受けてのものであり、トランプ大統領はサミット会場から直接この空爆を命じたと報じられている。「ブリッジ」機が備える通信、防衛、その他の能力の全容についても、疑問が投げかけられ続けている。

「勇敢な軍人たちに敬意を表し、真に壮観な真新しいエアフォース・ワン[VC-25Bブリッジ機]を英国のミルデンホール空軍基地へ派遣し、彼らに機内を見学する機会を与えることにした。皆が大変興奮しており、彼らに真っ先に体験してもらうべきだと考えた」と、トランプは本日早朝、自身の「Truth Social」サイトに投稿した。「昔を懐かしんで、旧エアフォース・ワンをトルコからミルデンホールへ運ぶことにした。短い旅だが、わが偉大な軍の英雄たちに、空軍機群に新たに加わった美しい機体を鑑賞する機会を与える価値がある!」

トランプは「Truth Social」の投稿でVC-25Aを「元」エアフォース・ワン機と呼んだが、空軍はTWZに対し、ブリッジ機の納入後もこれらの機体が引き続き運用され、ローテーションに組み込まれていることを明確に確認している。また、大統領を搭乗させる空軍機はすべて「エアフォース・ワン」のコールサインを使用することになる点も忘れてはならない。

RAFミルデンホールは米軍の航空作戦における主要拠点であり、今年初め、イラン空爆を支援するため多用された。大統領はまた、ブリッジ機が帰国する前に欧州の他の場所に立ち寄る可能性もあるとほのめかしている。

本日、RAFミルデンホールに到着したVC-25Bブリッジ機。アンドルー・マッケルヴェイ

「この機はヨーロッパの主要基地のうち2、3カ所へ向かう。そこで人々に機体を見てもらうつもりだ」と、トランプ大統領は本日開催されたNATOサミットでの記者会見で、自身の旅行計画に関する質問に答えて述べた。「帰国は通常の手段で行う予定だ。」

「古くて大きな機に乗り込む。大統領への視線は一切なし/機体下での記者団の群れもなし。」

トランプ大統領の同行報道陣の一員Politicoのメーガン・メッサーリーも、VC-25Aがアンカラを出発する前に次のように投稿した。「報道陣用キャビンの窓のシェードを閉めておくよう指示を受けた。向こうで会おう。」

前述の通り、トランプ大統領はNATOサミットへ、VC-25B「ブリッジ」機に乗機し、空軍が保有する2機のVC-25Aのうち1機を引き連れて向かった。トランプ大統領が海外出張でブリッジ機を使用したのはこれが初めてだった。大統領は先週、米国建国250周年を記念する行事に出席するためノースダコタ州を訪問して、この機体に初めて搭乗した。その際も、予備機としてVC-25Aが使用されていた。

また前述の通り、米軍は昨日、イランに対して新たな空爆を実施した。ニューヨーク・タイムズの報道によると、匿名の米当局者の話として、「トランプ大統領は、アンカラでダン・ケイン統合参謀本部議長、ピート・ヘグセス国防長官、マルコ・ルビオ国務長官を含む米政府高官らと会談し、NATOサミット会場からイランへの空爆を承認・命令した」という。

今回の米国の空爆は、ホルムズ海峡内およびその周辺でイランが商船に対して行った新たな一連の攻撃に対する報復措置である。本日早朝、トランプ大統領は今夜、イランに対してさらなる措置を講じる可能性に言及した。これにより、両国間の大規模な紛争が再燃する可能性について新たな懸念が生じている。詳細については、TWZの別記事こちらを参照されたい。

「エアフォース・ワン」の役割を担う航空機で重要な要件の一つは、大統領が米軍の最高指揮官やその他の高官と確実に連絡を取り合える状態を維持することであり、これにより、いかなる深刻な不測の事態にも即座に対応できる。中東情勢が流動的で、ごく近い将来にイランに対するさらなる軍事行動が行われる可能性があることを踏まえれば、これは特に重要である。現在は重要な計画策定作業やその他の会議が進められている可能性が高い。

2026年7月4日、ワシントンD.C.上空を飛行する前にアンドリュース空軍基地で撮影された、新しいVC-25Bブリッジ機(左)と旧型のVC-25Aの1機(右)。USAF

昨日イランを攻撃する決定、および本日再び攻撃を行う可能性は、トランプを取り巻く全体的な部隊防護態勢にも影響を及ぼした可能性が高い。テヘラン政権は過去に何度も直接トランプを脅迫してきた

余談だが、現在ソーシャルメディア上で拡散されている写真には、航空機観察者が定期的に集まる基地外周の地点からミルデンホール基地を視認できないよう、少なくとも遮蔽を試みていると思われるトレーラーや防水シートも写っている。それでも、観察者たちはブリッジ機の姿をちらりと捉えることに成功している。

本誌含む各メディアは、カタールから贈呈された747-8iに施された改造の妥当性について、一貫して深刻な疑問を提起してきたL3Harrisが改造作業を主導し、わずか10ヶ月の短期間で「ブリッジ」機を空軍に引き渡した。

特に防御用対抗措置は、どの機体でも統合には時間と入念な作業を要するものであり、既存の手順が存在しない可能性のある新型機であればなおさらである。統合後は、それらのシステムが意図した通りに機能し、物理的にも無線周波数帯域においても他の機能と干渉しないことを確認するために、厳格な試験が行われなければならない。現時点では、VC-25Aに搭載されている防御システムのいずれもが、VC-25Bブリッジ機に装備されているという目立った兆候は見られない。

米国当局者L3Harris社は、空軍の要人輸送機隊に新たに加わったこの機体を巡る作戦上の機密性やその他の懸念を軽視してきたが、疑問は残ったままだ。これは、この機を巡る批判や論争の一面に過ぎない。米国政府への寄贈を取り巻く状況そのものが極めて異例であり、そもそもこの機体が必要だという正当性についても、依然として議論の的となっている。

つい昨日、Breaking Defenseが報じたところによると、コネチカット州選出のクリス・マーフィー上院議員を筆頭とする民主党上院議員13名が、トロイ・メインク空軍長官およびL3Harrisのクリス・クバシックCEOに対し、継続的な懸念に対処するための追加情報の提供を求める書簡を送付した。記事によると、議員らは、トランプ政権が彼らの要請を無視し続けていると主張している。

本日、RAFミルデンホールに着陸するVC-25Bブリッジ機の別の写真。アンドルー・マッケルヴェイ

一方、ボーイングは他の2機の747-8iを、完全装備のVC-25Bエアフォースワン機へ改造する作業を進めてきた。同プログラムは遅延とコスト増に悩まされており、これら2機の最初の1機が引き渡されるのは2029年になる見込みだ。また、空軍は現在、ルフトハンザから引き継いだ別の747-8iを保有しており、これを、拡大されたVC-25機群の支援に割り当てられた乗員および地上要員の訓練機として使用している。もう1機の元ルフトハンザの747は、予備部品取りとして解体される予定だ。

少なくともトランプ大統領は、新型のVC-25Bブリッジ機で海外へ飛行したことになるが、本日の彼の訪問は、旧型VC-25Aが依然として十分に利用可能であることを浮き彫りにしている。■

ミルデンホールに到着したVC-25Bブリッジ機の写真を共有してくれた、地元航空写真家アンドルー・マッケルヴェイ氏に特別に感謝します。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関する記事を執筆している。彼はその中心地であるワシントンD.C.エリアに在住している。


2026年7月12日日曜日

なぜインドネシアは韓国とのKF-21で及び腰になったのか―両国の対立があってかジャカルタは同戦闘機の現地生産を断念、戦闘機の共同開発はなかなか難しいようです

 Indonesia will not co-produce the KF-21

KF-21複座型の試作機。(画像提供:ROKAF)

インドネシアがKF-21の現地生産を見送り

Indonesia Won’t Produce the KF-21 Locally

  • The Aviationist

  • 2026年6月30日 午後10時30分(CEST)

  • Parth Satam

https://theaviationist.com/2026/06/30/indonesia-wont-produce-the-kf-21-locally/


当初の計画と異なり、インドネシアはKF-21「ボラメ」の現地共同生産を行わず、韓国からの直接調達を選択した。

KF-21「ボラメ」戦闘機をめぐる韓国とインドネシアの間の長年の対立が、ある程度解決に至ったようだ。ジャカルタは2026年6月29日、同機を現地で共同生産しないことを確認した。当初、KF-21は韓国航空宇宙産業(KAI)のジュニアパートナーとして、ディルガンタラ・インドネシアによって製造される予定だったが、資金拠出、技術共有、作業分担、知的財産権の盗用疑惑をめぐる意見の相違が両国間で摩擦を引き起こした。

2025年、韓国がインドネシアの拠出額を6000億ウォン(約3億8900万ドル)に引き下げると発表し、こうした問題の結末の兆しが見えていた。これは、当初インドネシアが合意していた1兆6000億ウォン(約10億ドル)からは大幅減額であり、現在、同プロジェクトの総額は8兆1000億ウォン(約53億ドル)と報じられている。

しかし、ソウルは6機のKF-21試作機の1機のジャカルタへの移管を承認する見通しだ。これは、2月にインドネシアと合意した「価値移転」計画に基づくものであり、国防調達庁(DAPA)が4月に国会の国防委員会で明らかにした。

韓国中央日報によると、5号機の譲渡総額は、インドネシア側の最終分担金である6000億ウォン(3億8900万ドル)に見合うものとなっている。KF-21の5号機は2023年5月に初飛行を行い、その後、AESAレーダーの試験や空中給油試験に参加してきた。

KF-21はここ数年、開発が着実に進んでおり、2025年12月には各種空対地兵器のピットドロップ試験を実施し、2026年1月までに飛行試験計画を予定より前倒しで完了させた。KAIは2026年3月に量産機40機の1号機をロールアウトし、2週間前には、DAPAも同機が耐空性カテゴリー745項目の検査要件をすべて満たしたことを受け、KF-21に初期型式証明を交付した。これには機体構造、兵器統合、電子システムなどが含まれていた。

インドネシアでの製造は見送り

インドネシア国防省の広報官リコ・リカルド・シライトは、この動きを最初に報じたジャカルタ・グローブに対し、その事実を認めた。「政府はKF-21ボラメ計画を調整している。今後、同機の共同生産は行わず、直接調達方式とする」と、シライトは同紙に語った。

シライトによると、政府は「プログラムの有効性、技術移転、経済的価値、および国内の防衛ニーズ」を考慮し、KF-21プログラムについて「包括的評価」を行ったという。『ジャカルタ・グローブ』はさらに、同広報官が「インドネシアがKF-21戦闘機を何機購入するかは未決定」と認めたと付け加えた。

第5号機プロトタイプのインドネシアへの引き渡し

KJADによると、単座の第5号機プロトタイプの引き渡し額は約3,500億ウォンで、これはインドネシアによる最終的な6,000億ウォンの拠出金の一部である。パッケージ総額には、1,742億ウォン相当の技術移転と、開発・試験データに対する758億ウォンが含まれる。

2023年5月の初飛行以来、第5号機は、AESAレーダーを含む主要なエイビオニクスの性能検証や、空中給油試験に使用されてきた。

インドネシアは当初、KF-21の開発費の約20%を負担する条件で本プログラムに参加した。その金額は約1.6兆ウォンに上ったが、一連の予算制約や国内経済情勢により支払いが遅延し、ジャカルタ側が条件の再交渉を求めているとの報道もあった。

これを受け、韓国政府はインドネシアの負担額を6000億ウォンに引き下げ、見直しを経て「試作機をゼロから譲渡するかどうか」についても検討したとKJADは付け加えた。最終的に、総額6000億ウォンのうち、インドネシアは5360億ウォンを送金し、報道によれば、残りの640億ウォンを6月までに支払う予定だった。

KJADは当時、「DAPAは全額支払いが確認され次第、試作機および開発データの引き渡し時期を最終決定する予定だ。資金の引き渡しプロセスとは別に、韓国はKF-21戦闘機16機の輸出についてインドネシアと協議を続けている」と述べていた。また、インドネシアはその後、残る640億ウォンを振り込み、6,000億ウォンの全額を支払ったと報じられている

KF-21とインドネシア

2025年6月、インドネシア空軍(TNI-AU)のフェレル・リゴナルド大佐とポーランド空軍司令官のイエレヌシュ・ノヴァク少将が、KF-21「ボラメ」を初めて操縦した。この第4.5世代戦闘機は、2014年にソウルとジャカルタが締結した7.5兆ウォン(63億ドル)規模の協力事業の一環で、インドネシア側は開発費の20%を負担すると約束していた。

しかし、この共同プログラムでは、両国間で資金面、産業分担、技術移転に関する意見の相違が生じてきた。2018年、インドネシアは費用分担の見直しを求め、2022年に分担金の支払いを再開した。

その後、2024年には、インドネシア人技術者2名が、フラッシュドライブに航空機の技術データを盗み出そうとしたとして告発された。その後、韓国の国防科学技術庁(DAPA)、国家情報院、国防防諜司令部による調査の結果、機密データの窃取はなかったと結論付けられ、事実上、インドネシア人技術者たちの嫌疑は晴れたと、ヘラルド・コーポレーションが報じた。

同メディアはさらに、ジャカルタ側が技術移転の範囲、技術的な「ノウハウ」、および知的財産権(IP)に懸念を抱いていたと付け加えた。これらの問題は、外交レベルで非公式に協議されてきたと報じられている。

こうした中、KEDGlobalは2025年6月13日、DAPAがインドネシアの拠出額を「3分の2」削減し、6000億ウォンとすることで合意したと報じた。同紙は当時、DAPAおよび国防省(MND)の当局者の話として、この削減はジャカルタへの「当初合意されていたよりも少ない技術移転」を条件としていると伝えた。

合意書は、ジャカルタで開催された「インド・ディフェンス・エキスポ&フォーラム」の期間中に署名された。結果として、分担額削減により、産業面での協力範囲は完全に消滅した。

それでも、インドネシア空軍は実質的な第4.5世代および第5世代の戦闘機部隊を保有することになる。同軍はまもなくダッソー・ラファール42機を運用する予定であり、先ごろ初号機が引き渡されたほか、トルコ航空宇宙産業(TAI)とKAAN戦闘機48機の契約を締結している。

このトルコ製戦闘機については、現地での組立および製造権が大幅に認められる見込みだ。また、インドネシアはF-15EXの購入計画を断念し、中国のJ-10Cに90億ドルを予算計上したが、この調達はまだ実現していない。■

執筆:パース・サタム

パース・サタムのキャリアは、2つの日刊紙と2つの防衛専門誌での15年に及ぶ活動に及ぶ。彼は、人間の活動としての戦争には、どのミサイルやジェット機が最も速く飛ぶかという問題をはるかに超えた原因と結果があると信じている。そのため、外交政策、経済、技術、社会、歴史と交差する点から軍事問題を分析することを好んでいる。彼の執筆活動は、防衛・航空宇宙、戦術、軍事ドクトリンと理論、人事問題、西アジア・ユーラシア情勢、エナジー部門、宇宙分野に至るまで、幅広い分野を網羅している。



アゼルバイジャンがJF-17を受領―パキスタン製の同機は中国成都航空機との共同開発で、安価無ことで途上国に以外な需要がありそうです

 Azerbaijani JF-17

出典:アゼルバイジャン国防省

ゼルバイジャン国防省が公開した動画により、同国が待望の新型戦闘機JF-17の納入を受け始めたことが明らかになった。

7月6日公開されたこの動画には、単座型ブロック3仕様のJF-17「サンダー」2機が登場しており、訓練飛行を行うアゼルバイジャン空軍の「アエロ・ヴォドチョディ」L-39練習機やスホーイSu-25対地攻撃機と飛行する様子が映し出されている。この動画は、同戦闘機の納入が確認された初めての事例である。

バクーはJF-17を40機発注しており、パキスタン政府は2024年9月にこれを確認した。これにより、アゼルバイジャンは、パキスタン航空複合体(PAC)と中国の成都航空機公司が共同開発した単発軽量戦闘機の最大の輸出先となった。その他の輸出先にはミャンマーやナイジェリアが含まれる。

この映像が公開される前までは、同機の受注状況について不透明な部分があった。軍事専門紙『アゼルバイジャン・オルドゥス』は昨年11月、パキスタンがアゼルバイジャンへの航空機の引き渡しを開始したと報じ、同機種を「新たに採用された」と表現していた。これらの報道と時期を同じくして、バクー上空で一連の飛行展示が行われたが、機体に識別マークのないそれらの航空機は、おそらくパキスタン空軍の機体がアゼルバイジャン空軍の機体になりすましたものだった。

バクーが運用するJF-17は、パキスタンの機体と同様の灰色を基調としているが、尾翼にはアゼルバイジャンの国旗と、ソ連崩壊後に同国の第3代大統領を務めたヘイダル・アリエフ氏の署名が描かれている。

パキスタン製戦闘機の導入というアゼルバイジャンの決定は、欧州、イスラエル、ロシア、米国からの装備を含む同国で、すでに多種多様な軍事装備をさらに多様化させるものだ。同国の第一線戦闘機部隊は、ソ連から引き継いだ老朽化したミコヤンMiG-29やSu-25が大部分を占めてきた。

トルコはSu-25の近代化改修を実施している。しかし、バクーは、整備中だったウクライナのリヴィウにある施設がロシアの空爆により破壊され、MiG-29数機が失われたと報じられたことを受け、MiG-29不足に直面している。

JF-17は、防空任務でMiG-29に取って代わる可能性が高い。■

トニー・オズボーン

ロンドンを拠点とするトニーは、欧州の防衛プログラムを担当している。2012年11月に『エイビエーション・ウィーク』に入社する前は、シェパード・メディア・グループに所属し、『Rotorhub』誌および『Defence Helicopter』誌の副編集長を務めていた。


7月11日、CENTCOMはイランへ第三波空爆を実行。イラン革命防衛隊が海峡通過中の貨物船を攻撃したため―IRGCは各国がイランの通達を真剣に守ってくれないため焦っている

 

イランが海峡で攻撃を実施し、米国が第3波の空爆を実施


US launches third round of strikes after Iran announces strait closure


https://thehill.com/policy/defense/5964263-iran-closes-strait-hormuz/

中央軍(CENTCOM)によると、米軍は土曜日、ホルムズ海峡でイランがコンテナ船を攻撃したのを受け、イランに対する第3弾の空爆を実施した。

イスラム革命防衛隊(IRGC)が、同海峡を「無許可の航路」で通過したとしてキプロス船籍のコンテナ船「GFSギャラクシー」を攻撃した後、この重要な石油貿易の要衝を閉鎖するとイランが発表した。

CENTCOMソーシャルメディアで公開した声明の中で、乗員1名が行方不明となっており、同船の機関室は「甚大な」損傷を受けたと述べた。

「イランは、商船への以前の攻撃について責任を問われ、了解覚書(MOU)の順守を示す機会を与えられていたが、再びこれを果たせなかった」と、同司令部は述べた。

「米国はこれに対し、、海峡を自由に航行する民間船員や商船を攻撃するイランの能力を引き続き弱体化させることで、イランに多大な代償を課す」と声明は続けた。「攻撃は、最高司令官の指示の下で実行されている。」

ピート・ヘグセス国防長官は、CENTCOMの声明に対し、厳しい警告を伴う反応を示した。「イランは誤った選択をした。その代償を払うことになる」と、ヘグセスはソーシャルメディアの投稿で述べた。

英国海事貿易作戦センター(UKMTO)は、土曜日の夕方の最新情報で、GFSギャラクシーの乗組員が救命ボートで避難したと発表した。

「当局は引き続き調査中。各船舶には、航行に際して注意を払い、不審な活動があればUKMTOに報告するよう勧告する」と、同海事当局は述べた。

アラブ首長国連邦(UAE)の国家緊急事態・危機・災害管理庁は土曜日夕方、同国の防空システムが「ミサイルの脅威に対処中」と発表した。「安全な場所に留まり、警告や最新情報については公式の情報を参照してください」と同庁は、ソーシャルメディアを通じた警報の中で述べた。

これらの新たな攻撃は、数ヶ月に及ぶ紛争を終結させるための米国とイラン間の交渉の見通しに暗い影を落としている。今週初め、停戦合意の違反疑惑をめぐり、双方は交戦した。

水曜日に予定されていた第2弾の空爆に先立ち、トランプ大統領はイランへの「大規模攻撃」をほのめかし、両国間の枠組み合意は「終わった」と述べた。

「もう彼らとは関わりたくない。彼らはクズscumだ」と、トランプ大統領は今週初め、記者団に語った。■

この記事は2026年7月11日午後10時53分に更新されました。



NATOサミットでウクライナにペイトリオットのライセンス生産の道が開けたが、実現までまだ数年かかる―現在のウクライナにはロシアの飛翔制御ミサイルの有効な迎撃手段がないままだ

 


中距離拡張防空システム(MEADS)発射機からのPAC-3迎撃ミサイル発射。(ジョン・ハミルトン/米陸軍)

ウクライナに「ペイトリオット」のライセンス製造が可能となるが実現に数年かかりそうだ

Ukraine can soon build its own Patriots – but it could take years


https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/10/ukraine-can-soon-build-its-own-patriot-but-it-could-take-years/

ウクライナ・キーウ発――ドナルド・トランプ米大統領が、ウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンスを付eると約束したことは、現在米国がごく少数の同盟国にのみ認めている製造権をウクライナに与えることになる。これは戦争が始まって以来、キーウが期待してきたことだが、国産モデルがウクライナの都市を防衛できるようになるまでには、数年を要する可能性がある。

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今週初めトルコで開催されたNATO首脳会議でトランプ大統領と会談し、木曜日に合意の詳細を説明し、両者が「指導者として」これを解決したと述べ、ウクライナが同システムの製造に「準備が整った国として米国から認められた」と語った。

ペイトリオットの生産ライセンスに関する前向きな決定に感謝する」とゼレンスキー大統領は述べ、トランプが「現在、世界でペイトリオットを生産できる国は2、3カ国しかなく、他の国々は技術的に準備が整っていない」と繰り返し強調していたことを指摘した。

ロシアがウクライナ都市に向けて発射する弾道ミサイルがますます増えている中、ゼレンスキーは長年にわたり、ワシントンに同迎撃ミサイルの提供を強く求めてきた。キーウにペイトリオットミサイル生産を認めるというトランプ提案は、戦場での優位性だけでなく、同盟国や敵対国を問わず国際社会におけるウクライナの地位向上にもつながるが、実現には数年を要し、数十億ドルの費用がかかる見込みだ。

「我々のチーム、外交官、外務省、国防省が、その他の技術的な事項すべてについて合意に達する必要がある」と、ゼレンスキー大統領は木曜日に記者団に語った。「合意が早ければ早いほど、ペイトリオット生産開始も早まるだろう」

この約束により、ウクライナは、西側の武器に依存して参戦した戦争から、この紛争で最も求められている防空兵器を国内製造する段階へと移行することになる。これはキーウにとっての画期的な出来事であり、ワシントンの姿勢がどれほど変化したかを示す指標でもある。また、送付量を制限してきた同盟国に依存することなく、自国を防衛する方向へ、キーウをさらに一歩近づけることになる。

現時点では、この合意の具体的な詳細については、政府当局者や産業界の指導者の双方からほとんど明らかにされておらず、契約もまだ締結されていない。製造業者についても、完全には説明されていない。

「まだそのことを同社には伝えていない」と、トランプ大統領は合意を発表する際、迎撃ミサイルを製造するロッキード・マーティン社について述べた。

2026年7月8日、トルコのアンカラで、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。(ジョナサン・アーンスト/ロイター)

ペイトリオットミサイルのPAC-3迎撃弾は、命中時に標的を破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式を採用しており、弾道ミサイルを阻止できる数少ない兵器の一つであるため、米国が輸出する技術の中でも最も厳重に守られているものの一つとなっている。

ペイトリオット迎撃ミサイルは、レーダー、指揮所、発射機、そして迎撃ミサイル本体といった、武器のエコシステム全体を統合している。ウクライナは、最新型であり製造が最も困難なPAC-3 MSEの製造許可取得を目指している。

米国のライセンスの下でペイトリオットを製造している国は日本だけである。ドイツ、オランダ、スペインは共同で欧州の生産ラインを立ち上げ中であり、ベルリンは別途、独自のライセンス取得について交渉を進めている。

ワシントンは、この技術が敵の手に渡ることを懸念し、ライセンス供与に慎重だが、警戒感はさらに強まっている。

米国は今年のイランとの戦争で、1,060~1,430発のペイトリオットを発射したが、1発あたりのコストは約390万ドルに上り、これはウクライナが4年間にわたり西側同盟国全体から受け取った数百発をはるかに上回る数である。

フォーリン・ポリシー・リサーチ・インスティテュートの分析によると、各迎撃ミサイルの製造には24ヶ月、固体ロケットモーターの製造には30ヶ月を要し、各ミサイルのシーカーはアラバマ州ハンツビルにあるボーイング工場のみで製造されている。

この唯一の工場は昨年、650~700個のシーカーを生産したに過ぎず、これが生産ライン全体のボトルネックとなっている。

国防総省は4月、この重要部品の生産量を3倍に増やすため別途の契約を締結したが、今年、48億ドルの契約に基づき発注された迎撃ミサイルでさえ、2030年まで納入されない見込みだ。

「世界中で毎月生産されるこうしたミサイルは、同じ期間に敵がウクライナに向けて発射する数よりも少ない」と、ミハイロ・フェドロフ国防相は述べた。

ロッキード・マーティンはPAC-3を620基を昨年納入した。フォーリン・ポリシー研究所によると、1月に国防総省と締結された枠組み合意では2030年までに年間2,000基へと増産することを目指している。

そしてウクライナには、自国の弾道ミサイル防衛システムがまだない。

ゼレンスキー大統領は今週、ウクライナが国産開発に資源を注ぎ込んでいると発表した。これはフレイヤ「FREYA」と呼ばれる、ペイトリオットに相当する安価で大量生産可能なシステムで、ウクライナ製のミサイルと欧州製のレーダー、発射機、指揮統制システムを中核としている。

ゼレンスキー大統領は木曜日、数日中にフランスなどパートナー諸国にこのシステムを提示する予定だと述べた。

ロシアの弾道ミサイルは、ウクライナ都市に対する最も致命的な兵器で、日曜日夜の大規模な攻撃では、キーウだけで少なくとも22人が死亡したが、ウクライナ空軍によると、ロシアが発射した弾道ミサイル29発は全弾防空網をすり抜けたという。

2022年のロシアによる侵攻以来、ウクライナ民間人1万6,000人以上が死亡したことが、国連人権高等弁務官事務所によって確認されている。

ゼレンスキー大統領は、こうした攻撃をロシアに残された「唯一の優位性」と呼び、ペイトリオットミサイルの生産を「最優先事項」と位置づけている。

ウクライナは「さまざまな方向から」同時に取り組んでいると彼は述べ、米国からのライセンス取得、欧州からの資金調達、そしてフランス製システムの導入を並行して進めていると語った。

ゼレンスキー大統領が「ペイトリオット類似品」と呼ぶ高価なフランス・イタリア共同開発のSAMP/Tは、エマニュエル・マクロン仏大統領との間で結ばれた合意に基づき、すでにウクライナへ搬入され始めている。これは、弾道ミサイルを阻止するために特別設計された、ウクライナの兵器庫にある唯一の他の兵器である。

「生産量はごくわずかで、待ち行列は非常に長く、複数国が関わっている」と、ゼレンスキー大統領はペイトリオットとフランス製システムについて述べた。

大統領は、これらの解決策のいずれでも、ロシアによるウクライナ都市への猛攻を一夜にして終わらせられないことを認め、最優先課題は国内防衛システムの開発だとしている。

「そうすれば、我々だけの能力でウクライナの空を封鎖できる」と彼は述べた。■

ケイティ・リビングストンについて

ケイティ・リビングストンは、『ディフェンス・ニュース』および『ミリタリー・タイムズ』のウクライナ特派員である。キーウを拠点とし、ロシアによる全面侵攻の初期段階から取材を続けてきた。元フルブライト奨学生であり、受賞歴のある記事は欧米の各メディアに掲載されている。


ホームズ教授の視点:B-2へ対艦ミサイルLRSM16発搭載可能となり台湾海峡での中共の想定は大きく変わる

 B-2

B-2。画像:クリエイティブ・コモンズ。

対艦ミサイル最大16発搭載可能になったB-2で台湾海峡の勢力図は一変する

The B-2 Spirit Stealth Bomber Can Now Carry 16 Anti-Ship Missiles. That Changes the Math in the Taiwan Strait


米空軍は、B-2スピリットに長距離対艦ミサイルを搭載する改修を行い最大16発まで搭載可能になったといわれる。これは重大な意味を持つ。中国が台湾に軍事行動を起こすには、台湾海峡を制圧しなければならない。中国の防衛網をすり抜け、海上交通を脅かせるステルス爆撃機がその支配を阻む手段となるからだ。

クセス拒否。この夏、人々の心を温めたニュースの一つに、由緒あるB-2スピリット・ステルス爆撃機に関するものがある。Sandboxx Newsでは、アレックス・ホリングスが、米空軍がB-2に長距離対艦ミサイル(LRASM)の発射能力を装備したというこのニュースをくわしく報じている。LRASMは、台湾海峡のような戦域で敵船舶を攻撃するために特別に開発された最新鋭兵器だ。この発表は驚きだった。空軍はこの取り組みを密かに進めていたのだ。そして、それは歓迎すべき驚きである。中国が台湾に侵攻したり、島民を飢えさせるため効果的な封鎖を敷いたりするには、台湾海峡の制海権を掌握しなければならない。制海権を奪われれば、台湾に対する中国の戦略は失敗に終わる。島は持ちこたえることになる。

米空軍がこの課題に取り組んだ。B-2は最大16発のLRASMを搭載できる。これは、海上アクセス拒否任務にとって、非常に強力な火力になる。したがって、このミサイルと爆撃機の組み合わせは極めて重要だ。さらに言えば、両者の連携は戦術の域を超えている。それは作戦上、戦略上、さらには政治上においても重要な意味を持つ。

考えてみてほしい。時間、射程、そして組織文化こそが、台湾海峡および中国海域における米国の海上戦略にとっての主要な課題である。第一に、時間だ。中国人民解放軍(PLA)は、「アクセス拒否・領域拒否(A2/AD)」兵器体系を、米国を拠点とする統合部隊――米太平洋艦隊およびそれに所属する空軍・陸軍の遠征部隊――を、PLAの指揮官が台湾海峡、南シナ海、あるいは戦場となるいかなる場所においても北京の目標を達成するのに十分な時間、足止めさせるように設計している。彼らには時間稼ぎが必要なのだ。

成功すれば、アクセス拒否・領域拒否は、時間を中国の味方につけることになるだろう。

アクセス拒否の考え方は、米国西海岸やハワイから来る部隊が、西太平洋(主に日本)に駐留中の部隊と合流するのを遅らせることにある。米軍の統合部隊であれば、中国の戦略を阻止する可能性はある。しかし、ミサイル、航空、水上、水中からの攻撃によって個々の部隊を弱体化させつつ、米軍部隊を分散させたままにできれば、優位は人民解放軍の防衛側に転じるだろう。人民解放軍の戦略家たちは、この地域へのアクセスを完全遮断できるとの幻想を抱いていない。しかし、彼らは「アクセス拒否」によって米軍の行動の自由を制限し、増援の到着を十分に遅らせ、米軍が戦闘の時点と場所で優勢な戦力を結集することを阻止できると確信している。

したがって、ここでも時間が極めて重要な戦略的要素となる。中国人民解放軍は、事態を加速させるため一旦その流れを遅らせる必要がある。中国人民解放軍は、現地の敵対勢力に対し勝利を迅速に収めるため、米軍の動きを十分に遅らせる必要があるのだ。したがって中国にとって、アクセス拒否/領域拒否(A2/AD)とは、西太平洋における米国の介入を遅らせ――あるいは理想的には阻止する――ための戦略である。「遅くして、速くする」。

そうである以上、米軍は時間を引き延ばさなければならない――これができなければ敗北する。米軍も時間を味方につける必要がある。人民解放軍と異なり、米軍は事態の進行を遅らせる必要がある。これが肝心だ。動きの遅い在米部隊が、戦況に決定的な影響を与えるべく間に合うよう、中国の動きを遅らせなければならない。

重要な点はここにある。我々は「アクセス拒否」を中国特有のものと考えがちだが、その論理は双方向で成り立つ。中国がアクセスを拒否しようとするのと同様に、他国も中国へアクセスを拒否できる。だからこそ、空軍の貢献は喜ばしいのだ。LRASMを搭載したステルスB-2爆撃機は、中国人民解放軍のアクセス拒否圏内に侵入し、中国の船舶を攻撃できる。例えば、台湾海峡で不測の事態が発生し、空軍の爆撃機が中国の侵攻艦隊の相当部分を無力化または撃沈できれば、中国に不可欠な台湾へのアクセスを、少なくとも一時的に阻止したことになる。空襲で時間を稼ぐことができるのだ。

アクセス拒否に成功すれば、重装備部隊は戦場に集結する余裕を得られ、中国人民解放軍を個別撃破する合理的な可能性が生まれる。

第二に、これと密接に関連するのが兵器の射程である。米空軍は、各軍司令官が「対海作戦」と呼ぶ作戦の遂行方法を説明する教義を策定しており、空軍の航空機は近年、こうした任務を熱心に訓練してきた。(ちなみに、海軍の役割も積極的に受け入れている米陸軍にも称賛を送りたい。)ミサイルを搭載した空軍がより遠くまで攻撃できれば、中国軍の戦場への進入を阻止できる可能性が高まり、強力な中国人民解放軍の防衛網との交戦で生き残る可能性も高まる。射程が伸びれば威力が向上し、リスクも軽減される。

これが具体的にどのように展開するかは依然として不明である。LRASMの公表射程は200海里以上とされているが、国防総省は——当然の理由から——実際の技術仕様の開示については曖昧な態度をとっている。LRASMは、米空軍の「長射程合同空対地攻撃ミサイル(JASSM-ER)」から派生したもので、JASSM-ERは最大575海里と推定される射程を誇る。LRASMは、JASSM-ERとは異なり、公表されている200海里の攻撃射程のほぼ3倍に達することはないだろう。何しろ、移動目標に対して機動を強いられることになるからだ。機動には燃料を消費する。

とはいえ、このミサイルは公表されている技術的パラメータを十分に上回る可能性があり、それによって米爆撃機が中国人民解放軍の「アクセス拒否」の壁を突破し、中国の意図を挫く可能性が高まる。

射程は重要だ。

そして第三に、文化だ。「拒否防衛」――2026年米国国防戦略で定められたこの戦略は、戦力的に劣る側の戦略である。これは単純な現実だ。西太平洋での紛争初日において、米国および同盟軍がさらに強力な戦闘勢力となる可能性はほぼ皆無である。東アジアに駐留する米軍のわずかな兵力が、中国人民解放軍の地盤で、人民解放軍全体の総力を相手に戦わなければならない。したがって、同地域に優勢な戦力が集結するまで、防御に徹することが不可欠となる。

したがって、「拒否戦略」は、迅速な勝利を求める米軍の志向に反する。何十年もの間、米軍は強力な戦闘勢力であることに慣れ親しんできた。実際、こうした志向は米軍の軍事ドクトリンに深く刻み込まれており、ひいては米国の海軍、空軍、陸軍の将兵が軍人という職業をいかに捉えるかにも影響を与えている。前述の通り、「拒否戦略」とは、弱者が強者に形勢を逆転させ、勝利を収めるまでの時間を稼ぐことを意味する。しかし、劣勢な立場から戦いを始めるというのは、1942年――大日本帝国海軍が猛威を振るっていた時代――に遡る米国の伝統と相容れない戦法である。その年の6月にミッドウェー海戦で圧勝していから、米軍は常に優位な立場から作戦を展開してきた。(朝鮮半島での短期間ながらも恐ろしい一幕は別だが。)

要するに、米軍は、争われている地理的空間から敵対勢力を一掃し、敵に自らの意志を押し付けることに慣れているのだ。「海の支配」という断固として攻撃的な世界観は、兵力の上回る敵に支配権を認めないという防御的な世界観とは根本的に異なる。この区別は重要だ。軍隊のような官僚組織は、周囲の世界が変化しても、その運用様式を変えることに極めて抵抗を示すことで悪名高い。それらは一種の機械であり、機械は稼働中に容易に自らを再設計することはない――たとえ運用環境が変化したとしても。米軍の「機械」が、攻撃的な思考様式から防御的な思考様式へと円滑に移行できるかどうかは、決して当然のことではない。しかし、そうしなければならない。

JASSM Missile

JASSMミサイル。画像提供:19FortyFive

要するに、LRASMとB-2を組み合わせることは極めて理にかなっている。戦術的、作戦的、戦略的な可能性を示している。これは、米空軍が戦術的攻撃を通じて戦略的防衛を行う方法を体現しており、これほど魅力的な組み合わせがあるだろうか?しかし、米国の成功を阻むハードルは依然として残ったままだ。■

著者について:ジェームズ・ホームズ博士(米国海軍戦争大学)

ジェームズ・ホームズは、海軍戦争大学のJ. C. ワイリー海洋戦略講座教授であり、ジョージア大学公共・国際問題学部のファカルティ・フェローを務めている。本記事で述べられている見解は、あくまで著者個人のものである。