2026年8月24日月曜日

2040年を想定した宇宙空間での作戦概念を宇宙コマンドと宇宙軍がそれぞれ検討中。イラン戦争の教訓、中共の宇宙進出を意識している

 

「スペース・ウォーファイティング 2040」:SPACECOMが地上セグメントへの攻撃に警戒、月周回作戦に注目

Space war 2040: SPACECOM preps for attacks on ground segments, eyes cislunar ops


SPACECOMの統合部隊開発・訓練チームは「『Spce Warfighting Environment  2040』がユニークなのは、『技術第一』ではなく『戦士第一』の観点から意図的に作成された点にある」と本誌に語った。

ワシントン発 — 米宇宙コマンド(SPACECOM)による基礎評価によると、2040年頃の宇宙空間における戦闘は、今日よりはるかに複雑かつ危険なものとなり、米統合軍は、その環境下で成功を収めるための能力と作戦概念の両方を、今から開発し始める必要があるという。

『2040年の宇宙戦闘環境(Space Warfighting Environment 2040)』と題されたこの報告書は、「SPACECOMとして初の試みとなる文書」であると、SPACECOMの関係者が本誌に語った。これは3部作の第一弾で、これらを総合することで、宇宙に特化した唯一の軍事司令部が、将来の宇宙安全保障情勢の基礎をどのように捉えているかについて、包括的な見通しを提供することが期待されている。

同文書は、「将来の宇宙戦闘環境に関する共通認識を確立し、その後の概念開発、戦力開発、実験、および計画策定の基盤を提供することを目的としている」と、SPACECOMの統合戦力開発・訓練チームに所属する同当局者は、8月11日付の電子メールで本誌に語った。

SPACECOMのファクトシートによると、同文書は将来の宇宙戦を形作る主要な新たな課題4点を特定している。

  • 地上に固定された宇宙活動支援インフラの脆弱性;

  • 攻撃を受けても吸収・再生する、軍民両用(商用/軍事)宇宙機;

  • 軌道を動的なネットワークに変える宇宙空間での整備および機動;

  • 信頼、タイミング、安全な通信を再構築する量子技術の進展。」

匿名を条件に本誌に語ったSPACECOMの当局者は、『Space Warfighting Environment 2040』が連合作戦に焦点を当てている点が、国防総省や宇宙軍がこれまでに発表した他の種類の将来構想文書と一線を画していると強調した。

この37ページに及ぶ文書の作成を支援したのは、統合軍開発・訓練チームで、7月27日に退任予定のSPACECOM司令官スティーブン・ホワイティング大将に承認された。

同当局者は、この文書は「予測」を目的としたものではなく、現在の米国の戦略や戦闘アプローチでは対応しきれないほど「宇宙環境が急速に変化している現実」に端を発したものだと述べた。

同時に、これは「統合軍全体の上級指導者たち――多くは宇宙分野の専門家ではない――」に情報を提供する取り組みでもあったと、同当局者は述べた。SPACECOM当局者によると、これらの指導者たちは、SPACECOMに対し、「将来の宇宙戦がどのようなものになるか、また将来の計画、概念、能力、および部隊開発の基盤となるべき前提条件を明確に提示すること」を求めてきたという。

SPACECOMにとって、この文書の最終的な目標は、「統合戦力担当者の視点から、将来の宇宙戦環境を定義する永続的な枠組みを提供すること」であると、同当局者は述べた。

文書は、敵の脅威、新技術、進化する能力を含め、2040年にSPACECOM部隊が直面する戦場状況を特徴づけることを目的としている。

「2040年までに、宇宙はより混雑し、争奪の対象となり、軍事作戦の中心となるだろう。かつて数十年を要したイノベーションのサイクルが、現在では民間企業、同盟国、パートナー、競合他社に牽引され、単一の作戦サイクルの中で発生している」と文書は述べている。「優位性を得るのは、プレッシャー下でも適応し、機動し、信頼できる戦果を持続可能な部隊である。技術は進化するが、戦闘員のニーズは変わらない。すなわち、信頼とテンポを持って『見極め、連携し、判断し、行動する』ことだ。」

4つの新たな課題に加え、SPACECOMは「2040年以降、戦闘員の現実を定義する」「要因」を9つ特定しており、これらはリスクと機会の両面をもたらす:

  • 信頼、タイミング、安全な通信を再構築する量子技術の発展。

  • 攻撃を受けても吸収・再生する、普及した軍民両用宇宙機。

  • ステルス性と欺瞞を再定義する先進材料技術。

  • 戦術的優位性を維持する、デバイスへの直接接続。

  • データを静かにかつ安全に伝送する光およびレーザーリンク。

  • 敵が妨害するより速く経路変更や自己修復を行う、人工知能(AI)を活用したネットワーク。

  • 単一障害点を排除し、分散型で機動性が高く、連合軍との連携が可能な地上ノード。

  • 軌道を動的なネットワークへ変える、宇宙空間内での整備および機動。

  • 行動の自由を形作る、宇宙ゴミ、交通管理、規範といった管理上の課題。

装備ではなく、将来の統合戦術に焦点を当てる

文書の序文で、ホワイティング大将は、『2040年の宇宙戦環境(The Space Warfighting Environment 2040)』が、「統合部隊のための宇宙作戦の未来」を枠組み化するべく計画されたSPACECOM文書「三部作」の第一弾であると説明した。第二の文書である「宇宙の未来シリーズ(The Space Futures Series)」は、「新たな課題や問題群」に対する「課題主導型の分析」を提供するものである。最終文書である『宇宙戦闘概念(The Space Warfighting Concept)』は、統合軍とSPACECOMが「宇宙で戦い、勝利する」ための指針となる。

したがって、『2040年の宇宙戦闘環境』は、三部作の他の2つの文書が、宇宙戦に関する現在の考え方のギャップを埋めるために構築する基盤であり、「何」ではなく「どうやって」へ焦点を当てるものである。

「国防総省全体における既存の取り組みの多くは、技術的能力、システム、調達、あるいは各軍固有の要件に焦点を当てている。『宇宙戦環境2040』は、技術優先ではなく、戦闘員優先となるよう意図的に作成された」と、SPACECOM担当官は述べた。「その区別は重要だ」と、同担当官は強調した。

カナダの「プロジェクト・プラウシェアーズ」で長年宇宙政策アナリストを務めてきたジェシカ・ウェストも、この文書が、こうした評価報告書に典型的な、将来の国家安全保障上の課題や機会に関する広範な評価を行うのではなく、宇宙戦に主眼を置いている点に同意した。

「これは、未来予測文書という装いをした戦闘概念である。この文書は、2040年の宇宙がどのような姿になるかというよりも、米宇宙軍が今日の世界を、商業サービス、民間インフラ、月周回空間を包含する、ますます統合された戦場としてどのように捉えているかを示している」と、彼女は本誌への電子メールで語った。

同文書は、「機能が低下し、争奪戦が繰り広げられる宇宙環境において、米国がどのように行動し、優位に立つことができるか」について明確に述べていると延べつつ、同氏は懸念も表明し、米国が軍事宇宙力をどのように活用して紛争を阻止したり、宇宙に依存する民間人、産業界、あるいはより広範な国際社会のために明日の環境をより良い方向へと形成したりできるかについて明確ではないと指摘した。

「これは、その力が果たすべき目的について驚くほどほとんど考慮されていない、力そのものへのビジョンだ」とウェストは述べた。

宇宙軍の未来像との(わずかな)相違

この文書が戦場での作戦に焦点を当てていることは、SPACECOMが将来の脅威やニーズについて、4月に発表した「将来の作戦環境(Future Operating Environment)」という同様の2040年を視野に入れた文書で示した見解と若干異なる見解をとっている理由の一つでもある。(SPACECOMは、高度100km(62マイル)以上の領域における統合部隊の作戦を統括する米国の統合戦域司令部であり、すべての軍種からなる戦闘要員で構成されている。宇宙軍は、SPACECOMおよび他の10の戦域司令部の指揮下で任務を遂行する「ガーディアン」の編成、訓練、装備を担当する軍種である。)

例えば、SPACECOMの将来構想文書は、地上セグメントの脆弱性を重要課題として強調しているが、宇宙軍の先の文書ではこれについてほとんど言及されていない。

さらに、SPACECOMは月周回空間を、新たな軍事宇宙競争の領域として注目しているのに対し、宇宙軍は、地球と月の間の広大な宇宙空間における敵対勢力の活動を監視する必要性を指摘するにとどまり、それ以上の強い関心を表明していない。

焦点を異にする点を除けば、これら2つの将来構想文書は「相互に補完的であり、異なるが互いに支え合う視点から将来の環境を捉えている」と、SPACECOMの担当官は述べた。「宇宙軍の『2040年の将来の作戦環境(Future Operating Environment 2040)』は、戦争の性質の変化と、それが宇宙軍に何を求めるかを検証しているのに対し、宇宙軍の『2040年の宇宙戦闘環境(Space Warfighting Environment 2040)』は、戦闘司令部および統合戦力という観点からその未来にアプローチしている。」

SPACECOMと宇宙軍双方の将来構想文書に共通する点の一つは、あらゆる紛争における「行動・反応のサイクル」の速度を加速させる人工知能(AI)の台頭を指摘している点である。

また、SPACECOMと宇宙軍双方の文書は、攻撃を回避し敵の宇宙機を追跡するため、さらには宇宙作戦の遂行方法においても、軌道上の衛星に「機動性」と「俊敏性」が必要であると明記している。

アトランティック・カウンシルの非常勤フェローであるジョン・「パッツィ」・クラインは、SPACECOM文書について、「AIをメッシュネットワーク(キル・ウェブ)の一部として論じ、レジリエンス(回復力)を向上させるため持続的な機動能力の必要性を指摘している点で、斬新な貢献をしている」と、特に興味深いと述べた。

セキュア・ワールド財団の宇宙安全保障・安定担当チーフ・ディレクター、ビクトリア・サムソンは、この文書が宇宙空間だけでなく地上や電磁スペクトルでも機動性に広く焦点を当てている点が特に注目に値すると述べた。

「特に印象に残ったのは、機動性/敏捷性に焦点が当てられている点であり、単に[軌道上ランデブーおよび近接作戦]に関してだけでなく」、将来のSPACECOM作戦全般にわたって強調されている点だと彼女は語った。

さらに、SPACECOMによると、「戦略レベル」における両文書は、宇宙戦領域における米国の成功を確実にするために今から準備を進める必要性で「強く整合している」という。

その目的のため、ホワイティング司令官のスタッフは、「宇宙戦環境2040」について、SPACECOMに配属されている宇宙軍の構成司令部を通じて宇宙軍当局者と、また他のすべての軍種の構成司令部とも「意図的に」調整を行った。

「したがって、その意図は2040年に向けた競合するビジョンを作り出すことではなく、各軍種の将来の戦力整備と、戦闘司令部の将来の戦闘要件との連携を維持することにある」と、SPACECOMの当局者は付け加えた。

地上インフラの脆弱性

ホワイティング大将は8月12日、アラバマ州ハンツビルで開催された年次「陸軍宇宙・ミサイル防衛シンポジウム」でSPACECOMの将来構想文書は「多くの重要な側面や傾向について言及している」ため、何が「最も重要」であるかを特定するのは難しいと記者団に述べた。

しかし同大将は、「最も重要なものの一つ」として、固定式の受信機や処理センターに依存する米国の衛星地上インフラの脆弱性に対処する必要性を挙げた。これは、数基の大型衛星で構成される従来の小規模ネットワークに接続されている場合でも、低軌道(LEO)上の新たなメガコンステレーション(pLEOコンステレーションとも呼ばれる)に接続されている場合でも同様である。

「中東で今まさに目撃されているように、リスクにさらされているのは衛星だけにとどまらず、重要な地上インフラも同様だ」とホワイティング大将は語った。「したがって、集中型固定ノードに依存している場所であればどこでも、従来のコンステレーションと比較してpLEOコンステレーションが持つ強靭性を、いかにして実現するか真剣に検討する必要がある。」


2026年2月28日、ドーハで、イランによる攻撃の報道を受けて、カタール・エミール空軍や米国を含む外国軍が駐留するアル・ウデイド空軍基地の方向にある地域から煙が立ち上っている。(写真:MAHMUD HAMS / AFP via Getty Images)

『2040年文書』は次のように詳述している。「かつて当たり前だった静的な地上ノードは、将来はリスク要因となるだろう。これらは単一障害点であり、敵対勢力はサイバー侵入、指向性エナジー、精密火力、あるいは破壊工作を通じて攻撃できる。先制攻撃を乗り越え宇宙効果を維持しなければならない未来において、固定インフラは早期かつ頻繁に標的とされるだろう。」

SPACECOMの懸念は、木曜日、ドナルド・トランプ大統領が宇宙輸送に関する新たな大統領令に署名したことで、ホワイトハウスから後押しを受けた。米国の打ち上げ施設を保護する必要性を挙げ、大統領令は国防総省と国土安全保障省に対し、カリフォーニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地やフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地といった連邦政府の打ち上げ施設における米国のインフラを「確保」するための計画を、今後180日以内に策定するよう命じている。

同時に、ホワイティング大将は8月12日のプレゼンテーションで、優位性を宇宙で確保するためには、紛争時に敵の低軌道(pLEO)衛星群を無力化する兵器システムを開発する必要があると強調した。これは同氏が2029~2033会計年度の「統合優先順位リスト」で第2位に位置づけた要件である。そして、敵の地上システムを攻撃することは、そのための手段の一つである。

クラインは、戦略議論の多くが宇宙セグメントのみに焦点を当てがちである中、SPACECOMが宇宙システムの「地上セグメントおよびリンクセグメントの重要性」を認識していることを称賛した。また、同氏は、この将来構想文書が敵対勢力の「グレーゾーン作戦」への対抗を強調している点についても評価した。

月周回領域:前提への挑戦、視野の拡大

SPACECOMは、「宇宙戦闘環境2040(Space Warfighting Environment 2040)」を推進する重要な側面の一つとして、同文書が「すべての答えを提供したり、2040年の環境におけるあらゆる側面で統合軍がどのように作戦を行うかを正確に規定したりすることを意図したものではない」と述べた。代わりに、その意図は「前提に疑問を投げかけ、将来の戦闘に対する考え方を広げ、統合軍がまだ十分に検討していない可能性のある問題を浮き彫りにすること」にある。

月周回空間での作戦に関する議論は「その一つ」であると、同当局者は述べた。「月周回空間への重点が置かれているからといって、関連するすべての作戦概念がすでに解決済みであると解釈すべきではない。むしろ、将来の戦闘環境が拡大しつつあること、そして問題が完全に現実のものとなるまで待つのではなく、今からその影響について慎重に考え始める必要があることを認めているのだ。」

この将来構想文書は、中国の月探査・利用計画に起因する潜在的な紛争について、国防総省がかねてから表明してきた懸念を改めて強調している。しかし、米軍が現在月周回空間に関心を寄せているのは、月上やその周辺での戦争に備えるためではなく、むしろ同地域での作戦展開がもたらす可能性のある利点を見据えていることを示唆している。

「現在、月周回空間が重要視される理由は、将来の紛争に関する憶測ではなく、その地形そのものにある。地球、月、およびラグランジュ点の間の空間には、重力の安定した領域、機動経路、そしてそこに存在することで位置的優位性をもたらす要所が含まれている」と、同文書は主張している。

また、米国が他国に先んじて月周回領域を占拠し、その利用を支配することで、「先駆者優位」を獲得できるとも示唆している。

同宇宙軍(SPACECOM)当局者は、宇宙空間での戦争がどのように展開されるかを理解する上で、各軍種や同司令部が「対処を求められる」課題を把握するにあたり、月周回領域が「一層重要」になっていると強調した。

「2040年までに統合部隊がその環境でどのように活動するかについて、あらゆる側面がまだ完全に把握されているわけではないが、米宇宙軍は現在、それらの問題について検討を進めている」と同当局者は述べた。

そして、その先を見据えた検討プロセスは、統合部隊、米国の同盟国やパートナー、産業界、学界において、「『宇宙戦環境2040(Space Warfighting Environment 2040)』がまさに生み出そうとしている行動」そのものであると、同SPACECOM当局者は付け加えた。これは、「より難しい問いを投げかけて、既存の前提に疑問を呈して、将来どのような戦闘要件が浮上し、統合部隊が成功するため何が必要となるかを探求するための共通の枠組み」を提供している。■


2026年8月23日日曜日

AIを対潜戦に応用―RIMPAC 2026でAI搭載Aソナーシステムの実証が行われていた

 SensorMax demonstration at RIMPAC (Lockheed Martin picture)

ロッキード・マーティンと米海軍がAI搭載の対潜戦システムをRIMPAC 2026で実証していた

Lockheed Martin and U.S. Navy Demonstrate AI-Powered Submarine Hunter at RIMPAC 2026


RIMPAC 26において、ロッキード・マーティンは米海軍と協力し、対潜戦(ASW)向けの、迅速な再学習が可能なAI/MLソナーシステム「SensorMAX™」の実証に成功した。SensorMAX™と呼ばれる同システムは、水中音響データを含むスペクトルエナジーを監視し、乗組員による脅威の検知を支援する。無線(OTA)によるモデル更新機能を備えたSensorMAXは、米海軍の水中探知能力を劇的に向上させるのがねらいだ。

ロッキード・マーティン社プレスリリースより

SensorMAXは、AI/ML技術を用いて海中の音を解析する。センサーネットワークから水中音響データを取り込み、SensorMAXは航空乗組員に継続的なデータストリームを提供するとともに、地上局へ情報を送信する。新たな標的が特定されると、システムオペレーターは特定された騒音シグネチャにラベルを付け、新しいデータを用いてモデルを再学習させ、小さな更新パケットを乗組員にプッシュする。

「取得、ラベル付け、再学習、展開」という閉ループのワークフローにより、乗組員は任務全体を通じて絶えず向上し続ける状況認識能力を得られる。モデルの再学習には、1回の反復あたり5分未満しかかからない。

海上におけるAIの優位性

RIMPACの期間中、ハワイ沖において、ロッキード・マーティンのAI/MLシステムを搭載した2機のMH-60Rヘリコプターが、水中脅威に対する対潜戦(ASW)任務を実施した:

  • MH-60Rヘリコプターは、水中マイクとしてソノブイを展開し、水中の環境を監視して、その音響データをSensorMAXに送信した

  • SensorMAXは、海軍のAI搭載ポータブルソナー専門家として機能し、ソノブイからのデータを継続的に監視し、乗組員が標的を特定するのを支援する。このシステムのインターフェースにより、乗組員は最大8つのソノブイ監視フィードを同時に管理でき、従来の能力の2倍の処理能力を実現している。

  • 地上のオペレーターは、SensorMAXのモデルを新しい音響データに基づいて数分で再学習させ、その後、暗号化データリンクを介して、AIで強化された水中情報をOTA(Over-the-Air)でヘリコプターおよび艦隊に直接送信した。

ASW任務への影響

今回の演習での成功は、MH-60RヘリコプターとAIを活用した音響専門家が統合された部隊が、従来の方法よりも迅速かつ効果的に水中脅威を検知・追跡できることを証明し、艦隊全体での有人・無人チーム編成の導入という海軍のビジョンを加速させた。

「今日の戦場では、能力の提供を加速し、民生技術をシームレスに統合することが防衛産業に求められています。RIMPAC 2026において、当社のミッション重視のエンジニアたちは、当社がその課題にどのように取り組んでいるかを明確に実証しました」と、水中ミッションシステム担当副社長兼ゼネラルマネージャーのデヴォン・ロジャースは述べる。「ロッキード・マーティンは、AI能力を成熟させるため自社リソースを投入し、民生技術の革新と当社のエンジニアリングの専門知識を融合させて、明日の戦いに必要な技術を海軍が手に入れられるようにしています。」

中核となる機能

  • センサー横断型AIトレーニング。「SensorMAX」は、民生および防衛用途の作戦を支援する多種多様なセンサーからのデータを処理できる。

  • あらゆる場所で稼働。 SensorMAXは軽量かつ携帯性に優れているため、空、海、陸のいずれにおいても、同じ「脳」を用いてデータ処理を行うことができる。

  • 飛行中のAI分類器の迅速な更新。 飛行中にAI分類器を更新できる機能により、新脅威が検出された際の「検知から交戦までの時間」が短縮され、ヘリコプター乗組員は敵潜水艦に対し決定的な優位性を得ることができる。

  • モデルのOTA更新。 モデルの更新は無線(OTA)で配信される。ロッキード・マーティンとFUSE Inc.との提携により、配備済みの航空機への安全かつ堅牢なソフトウェア配信が可能となり、運用を中断せず、SensorMAXの学習済みAIモデルやミッションソフトウェアを迅速に更新できる。

プラットフォームに依存しないAIインテリジェンスと分類機能を実証することで、将来の艦隊はあらゆる音響センサーを活用し、高価値資産を取り巻く防護圏を拡大するとともに、対潜戦(ASW)のキルチェーンを加速させることが可能となる。■


トランプは北朝鮮となにを達成すべきなのか―米本土の安全が第一となれば韓国や日本が不安に感じる結果になりかねない―とは言え、破綻したヤクザ国家にわれわれがなぜふりまわされなけれならないのでしょうか

 

ドナルド・トランプがめざすべき北朝鮮との合意とは

The North Korea Deal Donald Trump Should Actually Want

金正恩が見返りに合意する前から、トランプは「ウルチ・フリーダム・シールド」演習を11日間から5日間に短縮するよう命じた。金与正はこの措置を「見せかけに過ぎない」と一蹴し、北朝鮮は短距離弾道ミサイルを発射した。これは、明確な交渉姿勢を持たない首脳会談が大きなリスクを伴う状況下でどのような結果をもたらすかを予見させる前兆である

ナルド・トランプは金正恩との再会談を望んでおり、11月のアジア訪問がその機会となる可能性が出てきた。会談が実現すると仮定しよう。問うべき問題は、首脳会談が可能かどうかではない。なぜなら、それは明らかに可能だからだ。

真に問うべきは、ワシントンがそれをどう活用するかだ。完全な非核化はもはや現実的な短期目標ではなく、そうでないふりをすれば、会談が生み出すあらゆる影響力を無駄にしてしまう。

しかし、すべてを要求することの代案は、単なる実務的な関係に甘んじ、それを政策と呼ぶことではない。

それは、米国がどの北朝鮮の能力なら容認でき、どの能力を抑制しなければならないかを意図的に決定し、そのために何を犠牲にする用意があるかを突き止めることである。

その譲歩は、それに続く譲歩よりも受け入れやすい。金委員長は長年にわたり、自政権が恒久的と見なす兵器庫を築き上げてきた。米国の情報機関の評価もこれを裏付けている。

米国の都市に対する脅威に焦点を当てた合意では、北朝鮮軍の戦力を強化しているロシアとの関係を見過ごしたまま、韓国と日本をより危険な状態にさらすことになるかもしれない。それでは北朝鮮の問題を封じ込めることにつながらない。リスクの一部を別の場所に移し、別の部分が拡大し続けることを許すことになるのだ。

身振り手振りのような象徴的な行動を優先して、さらに困難な取り組みがいかに簡単に省略されてしまうかという一例が今週示された。

トランプ大統領は、キムが何らかの見返りに合意する前に、ウルチ・フリーダム・シールド演習を11日間から5日間に短縮するよう命じた。キム・ヨジョンはこの措置を一蹴し、「見せかけの措置」と呼んだ。そして北朝鮮は東シナ海に向けて短距離弾道ミサイル約10発を発射した。

トランプ大統領がこの演習短縮によって得ようとした善意が何であれ、平壌はそれに見合う見返りをほとんど示さなかった。これは、明確な交渉姿勢を持たない首脳会談が、はるかに高いリスクを伴う状況下で生み出しうる結果を、小規模かつリスクの低い形で示したに過ぎない。

最も売り込みやすい合意とは

トランプにとって政治的に最も売り込みやすい合意は、米国に到達可能なシステムを軸にしている。公の場でその取引を提案した者は誰もいない。

しかし、その魅力は明らかだ。

ICBMの上限設定により、トランプは米国の都市に対する核の脅威を軽減したと主張できる。また、金正恩にとっては非核化よりもはるかにコストが低い可能性がある。つまり、彼は最長射程のシステムに対する制限を受け入れつつ、ソウルや東京に対し強圧的な影響力を行使できるはるかに大規模な地域的な核戦力を維持し、ワシントンが「核保有国」と認めることなく制裁の緩和を得られる。

議会調査局(CRS)の評価によれば、韓国、日本、および同地域の米軍にとって、差し迫った脅威となっているのはICBMより、北朝鮮の短・中距離ミサイルである。今週の発射は、まさにそのカテゴリーの兵器によるものだった。

読者が同盟関係に関する見解以上に懸念すべき点はここにある。

拡大抑止における古典的な「切り離し」の論点は、ワシントンがソウルを守るために、ロサンゼルスを危険にさらす覚悟があるかどうかという点だ。

ICBMのみが対象の合意では米国の都市への脅威を目に見えて軽減する一方で、韓国に対する脅威を放置することになり、この論点を一層鮮明にするだろう。

アサン研究所の年次世論調査によると、独自の核抑止力構築に対する韓国の支持率は、この春、過去最高の80%に達した。ワシントンが自国の安全保障を優先しているように見える合意は、ソウル側の「核保有賛成」論をさらに強めるだけである。

別の場所で増強される兵器庫

2つ目の失敗は、リスクがどこに分散されるかとは無関係だ。それは兵器の増強に関するものであり、ワシントンの関心がICBMの数量に釘付けになっている間に進行している。

ウクライナ軍情報筋によると、北朝鮮のミサイル部隊がロシアのヴォロネジ州へ展開を開始しており、ロシアのミサイル旅団に編入されている。2023年後半以降に北朝鮮がロシアへ送った約150発のKN-23およびKN-24ミサイルに加え、来月に配置に関する協議がまとまれば、最大120発の弾道ミサイルと6基の発射台が配備される予定だ。

ウクライナ報道によると、初期の射撃では誤差が1キロメートル以上あったという。38 Northのアナリストたちは、その後の50~100メートルの精度に関する報告を妥当と見なし、衛星誘導に対するウクライナの妨害をロシアが克服したことがその理由である可能性が高いと判断している。

その重要性は抽象的なものではない。ゼレンスキー大統領は、8月11日のザポリージャ製鉄所への攻撃で、労働者7人が死亡した際、ロシア軍が北朝鮮製の弾道ミサイルを使用したと述べた。

個々の攻撃よりも重要なのは、アナリストたちの広範な判断だ。北朝鮮の道路機動型戦域射程ミサイル部隊は、正確な向上幅を現時点で特定できなくとも、破壊能力と生存性の両面で、ウクライナ戦争に参戦する前より高い水準で戦力を高めて終戦を迎える可能性が高い。

ICBMの上限設定は、紙面上で数値を固定するだけに終わり、合意の対象外となっている地域級ミサイル部隊の能力を高めるロシアとの関係に影響を与えない。

ワシントンが実際に求めるべきこと

ワシントンが本気で自制を求めるのであれば、その範囲は「米国に到達するミサイル」と「同盟国に到達するミサイル」との境界線にとどまることはできない。

また、それは今日の金正恩の兵器庫の「スナップショット」であってはならない。

平壌との実務的な関係が重要な理由は一つだ。それによって、このような自制措置が「今」から交渉可能となり、「将来」が持続可能になるからだ。

このことから、特定の運搬手段のカテゴリーではなく、核戦力全体の発展を抑制する核分裂性物質の制限や、地域的な核搭載可能なシステムの上限設定が求められる。なぜなら、拡大抑止は米国にとって国益であり、ワシントンが同盟国に施す「好意」ではないからだ。

また、ロシアとの関係においても双方向の制限が必要である。すなわち、北朝鮮からモスクワへの軍事移転の制限と、その関係を通じて平壌が受けるロシアの技術支援に対する制限を併せて行うべきだ。

これらは、プーチン大統領の遵守を必要とする約束とは異なり、金正恩自身が引き受けることができる義務である。

また、ワシントンは、何を獲得できるか把握する前に交渉上の切り札を使い果たすべきではない。すでに、金正恩からの見返りとなる確約もないまま演習日程について譲歩してしまったが、首脳会談の実現を目的に、これ以上譲歩すべきではない。

これらはいずれも無償で得られるものではない。

ロシアに対する制限は、たとえそれが交渉の中で最も難しい部分であることが判明したとしても、試してみる価値がある。

ワシントンは、モスクワが現在キムに提示しているすべての条件に匹敵するものを提供することはできないものの、モスクワにはできないものを提供することはできる。すなわち、米国の制裁からの解放と、米国との国交正常化への道筋である。

トランプとキムによる新たな首脳会談は、十分にあり得る。しかし、合意に至るかは別問題であり、今週の展開を見る限り、両政府が合意に近づいていると考える根拠は著しく乏しい。

いずれにせよ、ワシントンが犯しやすい過ちに注意が必要だ。それは、どのような条件を引き出したかではなく、首脳会談が実現したかどうかや、握手の写真がどう写るかといった点だけで会談を評価してしまうことだ。

米国にはもはや、非核化された北朝鮮への現実的な道筋はない。

それでもなお、米国の側としては、金正恩の有する能力のうち、どの程度まで容認できるかを判断することはできる。

未解決の課題は、ワシントンが合意文書に署名する前にそうした制約について交渉を行うのか、それとも署名後に初めて、交渉のテーブルから何が外されていたかに気づくことになるのか、という点だ。■

著者について:アンドルー・レイサム博士

アンドルー・レイサムは、ミネソタ州セントポールにあるマカレスター・カレッジの国際関係学および政治理論の教授である。Xで彼をフォローするには: @aakatham


米海軍の兵站がペルシア湾で破綻した理由とは―空母リンカンで一時的にせよ糧食不足に陥った事態が発生。乗組員のメンタルヘルスも今日のひ弱な兵員には必須となっているようです

 Aircraft carrier supplies

ペルシャ湾に展開する空母への海軍のサプライチェーンは、イランによるミサイル攻撃で同地域の主要港湾が閉鎖されたことで混乱を来している。海軍写真:マス・コミュニケーション・スペシャリスト1等兵ライアン・ライリー撮影。

海軍空母は戦闘地帯でなぜ食料不足に陥ったのか

How a Navy aircraft carrier ended up short on food in a war zone

ペルシャ湾に展開する艦艇に物資を供給してきた物流拠点がイランに攻撃されたため、海軍は数千マイルも離れた場所から物資を調達せざるを得なくなった

海軍の空母で食料他の深刻な不足が発生しているとの報道は、国防総省が「USSエイブラハム・リンカンの乗組員には十分な物資が供給されている」と急いで強調しているにもかかわらず、一般市民に衝撃を与えた。

しかし海軍にとって、リンカンの艦内状況は単なる一隻の問題にとどまらず、サプライチェーンが遮断された際に、物流拠点への攻撃が艦隊に与える負担の大きさを浮き彫りにしている。

バーレーンにある米国の主要基地やアラブ首長国連邦(UAE)の港湾に対するイランのミサイルおよびドローン攻撃により、海軍は「リンカン」含む艦艇への物資をディエゴ・ガルシアやシンガポールなどから調達せざるを得なくなっている。こうした輸送では、補給艦が4,000マイル以上航行することが余儀なくされる。

国防当局者は、バーレーンとUAEの閉鎖がイラン戦に従事する海軍艦艇に与える影響について、概ね言及を避けてきたが、複数の海軍専門家は本誌に対し、海上での食料や物資の不足は、港の閉鎖に起因する可能性が高いと語った。

補給ルートの延長、配送の遅延

RANDコーポレーションの上級政策研究員ブラッドリー・マーティン退役海軍大佐によると、長年にわたり、米軍はペルシャ湾内の港や備蓄拠点から、中東で活動する艦艇への補給を行ってきたという。

「ペルシャ湾内のこれらの港や航路が脆弱となる可能性は以前からもちろん認識していたが、それは容認することを選んだ脆弱性だった」と、マーティンは本誌に語った。

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イラン戦はこれら拠点に脅威を与え、ホルムズ海峡を通じた米軍の補給船の移動能力を著しく制限してきたと、マーティンは述べた。ニューヨーク・タイムズは、イランのドローンおよびミサイル攻撃によるバーレーン基地への甚大な被害が引き起こした補給問題について、最初に報じた。

「そのため、補給はペルシャ湾外の港――ディエゴ・ガルシアや、さらにはシンガポール、あるいはスエズ運河を経由して――から行わざるを得なかった。当然、これにより物資配送は遅れることにならざるを得なかった」とマーティンは述べた。「距離の問題は、戦闘後方支援部隊の艦船数が不十分であったことや、作戦を支援する戦闘艦が移動・再配置を余儀なくされたことによって、さらに悪化していた可能性が高い。」

艦船は港湾でも補給を受けることができるが、「リンカン」は240日以上連続して航海を続けており、配備期間中に新記録を樹立した

艦船への食料の積み込み

ヴァージニア州アーリントンにある非営利シンクタンク兼研究機関「海事戦略センター」の海軍専門家スティーブン・ウィルズによると、通常、海上を航行中の空母は作戦のペースにもよるが、3日から6日ごとに補給を受ける必要があるという。

イラン情勢により補給ルートが長くなったことは、中東の米軍艦艇への生鮮食品の配送に影響を与える可能性があると、ウィルズは本誌に語った。

「一般的に、空母には、マカロニとチーズ、マッシュポテト、各種冷凍食品やその他のタンパク質源といった、私が『乾物』と呼ぶものがかなり十分に積み込まれています」とウィルズは述べた。「つまり食料は確保されているのですが、問題となるのは、果物や野菜など通常期待される新鮮な食品の供給が途絶えることがあるという点です」

USS Abraham Lincoln

2026年8月16日、空母「エイブラハム・リンカン」が、艦隊補給油槽艦「USNSヘンリー・J・カイザー」と海上補給を行っている様子。海軍写真。

空母への補給は航空機によっても行われるが、1機あたりの積載量に限界があると、ワシントンD.C.のシンクタンク「ヘリテージ財団」に所属する退役海軍大佐ブレント・サドラーは述べた。

サドラーは本誌に対し、もう一つの課題として空母が沿岸からどれほど離れているかという点を挙げた。陸地から遠ければ遠いほど、1日あたりに補給に赴ける航空機の数は減る。しかし、戦闘地域で沿岸に近づけば、米軍部隊は敵の武器の射程圏内に入ってしまい、危険にさらされることになる。

リンカンの場合、艦内の食料問題は約2週間で安定したとサドラーは、見ている。これは、日本やシンガポールから中東へ物資を輸送するのにかかる期間に相当する。同氏はさらに、海軍が補給路の調整に尽力している様子は、太平洋地域で紛争が発生した場合の状況を予見させると付け加えた。

「東アジアで戦争が起きるとすれば、それはまさにイランで起きたような形で起こるだろう」とサドラーは述べた。「事態は急展開する。適応せざるを得ない。頼れる供給網をあらかじめ整備しておかなければならない。」

状況は「誇張されていない」

リンカン艦内での食糧不足の報道について専門家が指摘した問題について尋ねられた際、海軍は本誌に対し、ハング・カオ海軍長官代行の8月14日の声明を参照するよう指示した。声明には、「新鮮な補給が得られない場合には食事計画が調整されたが、食事が欠けることは一度もなかった」と記されている。

しかし、現在リンカンに勤務する水兵の母親は、乗組員の家族の数人が、愛する人たちが直面している問題について声を上げ始めていると語った。

「これほど多くの家族がまったく同じことを言っているのなら、おそらく家族の話に耳を傾け始めるべきでしょう」と、匿名を条件に本誌取材に応じたその母親は語った。

彼女によると、息子は3月に、乗組員に配給される食糧が限られていたと伝えてきたが、それ以降は状況が改善されたという。

「つまり、食糧問題が全国的なニュースになって解決したのだと思います」と彼女は述べた。

それでも、彼女は息子を心配していると語った。息子によると、リンカンの長期展開により、乗組員の士気が低下しているという。また、ある乗組員が海へ飛び込もうとしたが制止され、別の乗組員は海に飛び込んで救助されたとも話していた。

また、彼女は、リンカンの乗組員が直面している困難を過小評価する米政府当局者の発言にも異議を唱えている。

「不満を口にするのは水兵たちではない」と彼女は言った。「彼らは依然として職務を全うしている。彼らは今も、祖国に奉仕することを誇りに思っている。私の息子もそうだ。彼は今も誇り高きアメリカ人だ。祖国を愛している。任務に必要なことは何でもこなしているが、それは決して大げさな話ではない」■

ジェフ・ショゴール

ペンタゴン担当シニア記者

ジェフ・ショゴールは、『Task & Purpose』のペンタゴン担当シニア記者である。20年近くにわたり軍事関連の取材に携わっている。メールは schogol@taskandpurpose.com まで、Twitterでは @JSchogol73030 へダイレクトメッセージを送ってほしい