2026年10月23日金曜日

長距離新型ミサイルAIM-174BとAIM-260を同時搭載したF/A-18スーパーホーネットが登場したことに注目―長距離交戦がこれからのトレンドだ

 

新型AIM-174BとAIM-260長距離ミサイルを同時搭載したF/A-18スーパーホーネットが目撃された

Navy F/A-18 Super Hornet Spotted Carrying New AIM-174B And AIM-260 Long-Range Missiles Together

VX-31所属のスーパーホーネットの画像からは、まもなく艦隊に導入される装備の様子がうかがえる。これらのミサイル2種類に加え、AIM-424「マリス」も配備される予定だ


A U.S. Navy F/A-18F Super Hornet assigned to Air Test and Evaluation Squadron 31 (VX-31) has been spotted carrying both the AIM-174B and AIM-260A Joint Advanced Tactical Missile (JATM) during a flight over Ridgecrest, California. The configuration could represent the first publicly documented instance of these two advanced air-to-air weapons appearing on the same aircraft.

@photosxlyss2_

米海軍の F/A-18F スーパーホーネット(航空試験評価飛行隊第31中隊(VX-31)所属)が、カリフォルニア州リッジクレスト上空を飛行中にAIM-174BとAIM-260 ジョイント・アドバンスト・タクティカル・ミサイル(JATM)両方を搭載している姿が確認された。先進的な空対空兵器2種類のが同じ機体に搭載された姿が公に記録されたのは、これが初めてとみられる。

同機は10月14日、航空写真家の@photosxlyss2が撮影し、その写真は本誌に提供された。このスーパーホーネットは、センターラインステーションにIRST21赤外線探知・追尾ポッドも搭載していた。

カリフォーニア州リッジクレスト上空を飛行中の、第31航空試験評価飛行隊(VX-31)に所属するF/A-18Fスーパーホーネットの下部に搭載されたAIM-174B、AIM-260共同先進戦術ミサイル、およびIRST21赤外線探索・追跡ポッドのクローズアップ。@photosxlyss2_ RY

米軍の空対空ミサイル兵器体系の近代化で重要な要素であるAIM-174BとAIM-260は、相互に補完し合う能力を提供し、海軍の空中戦闘の進化でさまざまな側面に対応している。

SM-6ミサイル・ファミリーを原型とするAIM-174Bは、長射程の空対空兵器を提供する。そのサイズと射程により、空中給油機や空中早期警戒管制機を含む、高価値の航空資産への交戦において特に有用である。

翼下に4発のAIM-174Bミサイルを装備した米海軍のF/A-18Fスーパーホーネット試験機。point_mugu_skies

支援プラットフォームを長距離から脅かすことは、敵が戦闘機の作戦を継続し、空中監視を維持し、領域を跨いだ交戦を調整する能力を困難にする。こうした標的は、距離が広大で、戦闘機が争奪地域に到達し、その上空に留まるために給油機の支援に大きく依存せざるを得ないインド太平洋地域において、特に重要である。

同ミサイルの射程は機密扱いだが、 AIM-120D AMRAAMの射程をはるかに上回るはずであり、おそらく数百マイルに達すると、以下の動画で論じられている。

How The Navy's New Very Long-Range AIM-174 Will Pierce China’s Anti-Access Bubble thumbnail海軍の新型超長距離ミサイル「AIM-174」が、いかにして中国の「アクセス拒否(A2/AD)」圏を突破するか

AIM-174Bはすでに、 RIMPAC 2024や「ノーザン・エッジ2025」を含む 主要な演習に登場している。RIMPACでの開発試験を経て、この兵器は2025年に実弾射撃試験および評価段階に入った。その後、同ミサイルの一部が、日本に前線展開している海軍飛行隊に配備された。

一方でAIM-260は、次世代の視程外空対空能力を提供するため開発が進められている。これは、ますます高度化する空中脅威に対処し、広く使用されているAIM-120 先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)ファミリーの能力を向上させることを目的としている。

今年5月、フロリダ州のエグリン空軍基地を離陸した際、AIM-260が初めて公に確認されたのは、VX-31所属の別のF/A-18Fであった。その後、同型の兵器がオーストラリア空軍のF/A-18Fにも搭載されていることが確認されており、その詳細についてはこちらで読むことができる。

AIM-260を搭載したVX-31所属のF/A-18F。ジョナサン・トゥイーディ/@flightline_visuals

AIM-260の正確な仕様は機密扱いのままだが、AIM-120AMRAAMと概ね同様の形状を維持しつつ、飛距離を大幅に伸ばすように設計されている。このミサイルは、F-22ラプターやF-35などの航空機において、外部搭載と内部搭載の両方を想定しているため、そのコンパクトな設計は重要である。

AIM-260は、中国の PL-15やその他の 先進ミサイルがもたらす、増大する長距離空対空の脅威に対抗するために開発された。公式な射程数値は公表されていないが、これまでの報道によれば、目標射程は少なくとも120マイルであり、さらにかなり遠くまで到達する可能性がある。

中国製J-20戦闘機の兵器ベイに収められた不発のPL-15。中国インターネット経由

実戦配備可能なAIM-260がいつ米軍装備に導入され始めるかは不明である。しかし、これら2つの兵器を組み合わせることで、スーパーホーネットは、標的の射程だけでなく、交戦の性質や全体的な戦術状況に応じ、幅広い交戦オプションを利用できるようになる。

IRST21ポッドの搭載も注目に値する。この赤外線探索・追跡システム(IRST)は、レーダー波の放出のみに依存するのではなく、受動的に空中目標を検知・追跡する。

受動型センシングは、電磁波の放出を慎重に管理しなければならない環境において特に有用だ。IRSTシステムは、長距離ミサイル交戦を支援するために必要なすべての情報を自動的に提供するわけではないが、広範なセンサー状況の把握に寄与し、レーダー波を放出することで自らの位置を即座に露呈することなく、目標を検知するのに役立つ可能性がある。

長期にわたり紆余曲折を経た開発の末、昨年この時期に、米海軍および米空軍州兵の戦闘機用ポッドに搭載されるブロックII型IRST21センサーの量産契約が締結された。

初期試験中のスーパーホーネットのセンターラインタンクに組み込まれたIRST21。米海軍

VX-31所属のスーパーホーネットに両ミサイルが搭載されたことは、海軍が進めている先進的な空中戦闘能力の試験で注目すべき進展である。カリフォーニア州の広大なチャイナレイク海軍航空兵器基地を拠点とするVX-31は、海軍航空兵器およびシステムに関する試験・評価活動を行っている。

今回、同機はキャプティブ・キャリー方式で不活性ミサイル(青いバンドで識別)を搭載している。この飛行は、現在進行中の兵器統合試験、取り扱いおよび互換性評価、あるいはその他の試験活動の一環であった可能性がある。

少なくとも、この構成は、将来のハイエンドな空中戦シナリオにおいて、海軍のスーパーホーネットがどのように戦闘に臨むかについて、興味深い一端を垣間見せてくれる。射程延長型のAIM-174Bと次世代のAIM-260を組み合わせれば、強力な組み合わせとなるだろう。

これら2種類以外に今年8月に存在が初めて明らかになった、全く新しい超長距離空対空ミサイルAIM-424マリスも加わる予定だ。報道によると、同ミサイルは2段式となっており、250海里を超えるとされる極めて長い射程と、非常に高い速度を実現すると見られる。「マリス」がAIM-174Bとどのような位置づけになるかは不明だが、この新型ミサイルは、スタンダードミサイルを基にした兵器と異なり、空中発射専用に設計されている。


U.S. Navy File Photo - Four AIM-424 Long Range Air-to-Air Missiles (LRAAM) are loaded on an F/A-18E Super Hornet for a test event. The AIM-424 LRAAM is the Department of the Navy's next-generation, long-range air-to-air missile, built to give Marine and Naval aviators the capability they need to defeat advanced threats and defend the force.

試験飛行のため、F/A-18Eスーパーホーネットに4発のAIM-424長距離空対空ミサイル(LRAAM)が搭載されている。米海軍 米海軍

インド太平洋地域における過酷なシナリオに備える中、新しい写真は、より遠距離からより広範囲の標的を脅かす能力が、海軍の空母搭載戦闘機部隊の進化における重要な考慮事項の一つであることを浮き彫りにしている。

提供: @photosxlyss2_;彼女のその他の作品は Facebookの「PhotosxLyss」でチェックできる。

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点に、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、特にヨーロッパに関する深い専門知識に基づいており、欧州全域およびそれ以外の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てています。


コメント46件

  • OT - TWZの皆さん、次のラウンドに向けてしっかり休んでおいてくださいね。

  • https://www.yahoo.com/news/us/articles/exclusive-us-preparing-issue-ordered-185956446.html

  • フーシ派の攻撃を受け、米国がサウジアラビアからの外交官退去を命じる

  • yahoo.com

  • 3層構成かな?

  • 260mm砲は、通常なら120mm砲で攻撃する標的を撃つため。

  • 「マリス」は、爆撃機や戦闘機といった、長距離で機動性の高い標的を撃つため。

  • 174は、タンカーやAWACS機に対する極長距離射撃用に温存されている。

  • 本題から外れているが、極めて関連性が高い。バンカーの最後に放り投げるのは避けたかった。中東全域の米国大使館が避難中だ。

  • ようやく我々の「牙」が伸びてきたようで嬉しい。長年にわたり120シリーズに安住していたが、今回は意思決定者たちの判断が正しかったようだ――これまでこれ以上のものは必要なかったが、ミサイルは開発が進み、近いうちに生産開始できることを願っている。明らかに……

  • 余談だが――偶然にも、これを読んだ直後に「無装甲」のグラウラーが頭上を飛んだ。

    • 滑らかな機体なら、本当にグラウラーと言えるのか?

  • 質問があります。PAC-3 MSEの前部にあるようなACSセクションをAIM-174Bに追加し、長距離で戦闘機を撃墜するのに十分な機動性を与えることは可能でしょうか?

  • 140ポンドの弾頭を搭載しているため、そのスペースを確保するために弾頭を小型化することは可能です。こうすることで、SM-6を基にしたAIM-174Bは……

    • 推力偏向は、揚力面を使用する場合と比べて本当に非効率的です。短めのミサイルの翼でさえ、おそらく揚力対抗力比が約5:1であるのに対し、推力偏向は本質的に1:1です。

    • おそらくそれが、非常に高高度を飛行しなければならないBMD(弾道ミサイル防衛)向けのミサイルにのみ推力偏向が見られる理由だと思います…

  • うわっ、あの外側に傾いた兵装搭載位置を見ると、今でも頭が痛くなる。なぜそうになっているかは分かっているけど、追加される抗力は、比較的航続距離の短いスーパーホーネットには本当に不要なものだ。

    • TWZの新しい飲みゲーム――誰かが傾いたパイロンについて文句を言うたびにショットを飲むんだ。

  • 昔よく通った場所の写真を見られるのは嬉しいな。こんな素晴らしい写真を撮るために、彼はどこにいたんだろう。

  • ミサイルはかっこいいけど、機体の形には頭が痛くなる。きっと飛ぶには問題ないんだろうけど。

  • 海軍のための素敵な玩具ばかりだ

  • トランプ大統領なら、これをプーチンに売りつけたいに違いない。

  • もう少し。 https://www.navalnews.com/naval-news/2026/10/aim-174b-aim-260a-super-hornet/

  • スーパーホーネットにAIM-174BとAIM-260Aが同時に搭載されるのが初めて確認される - Naval News

米空軍が目指す戦闘機機数は1,509機になったが、実現への道は険しいのでCCAと爆撃機にも期待セざるを得ない厳しい実情―機体老朽化が進めばさらに維持管理が大変になりますね

 

米空軍が戦闘機機数の新目標を提示、爆撃機やCCAの活用も視野に

USAF Outlines New Fighter Goals, May Eye Bombers, CCAs For Help


米空軍は戦闘機の定数増強という困難な課題に直面しており、目標達成には安定した資金調達と健全な産業基盤が必要と議会に伝えている。

一方で、空対空戦闘の要件を満たすため、爆撃機の活用を検討中の可能性がある。

空軍は、戦闘機の実戦配備目標を概説した議会への報告書の中で、2035年までに「中程度のリスク」を前提として、実戦配備機を計1,509機とする計画を明らかにした。これは、従来の目標1,271機から上方修正されたものである。これを達成するには、着実な投資の増加と、円滑な生産が不可欠である。これは新たな発想を要する課題であると、同空軍は本誌が入手した文書の中で認めている。

「したがって、米空軍は、新型戦闘機の導入、CCA(共同戦闘機)への依存度向上、および爆撃機への空対空能力の搭載など、追加的な再資本化の選択肢についても評価を行っている」と報告書は述べている。

同報告書において、空軍は爆撃機の空対空役割投入について、現在の評価状況や、ノースロップ・グラマンの新型B-21など、どの爆撃機が検討対象となっているかは詳述していない。また、CCAへの「依存度の高まり」が、CCAを計1,000機配備する計画を上回る規模の増強を意味するかどうかについても不明確である。「新型能力戦闘機」とは、ロッキード・マーティンが空軍に提案している改良型F-16Gを指すと思われるが、この件に関する決定は当面見込まれていない。

総数1,509機を達成するには、F-15EXおよびF-35Aの生産を最大限に引き上げる必要があるが、これはこれまで困難であった。例えば、同報告書では、生産ペースに影響を及ぼしているボーイングの人員問題や、F-35Aの待望のブロック4機能に関する長引く問題に焦点を当てている。長期的には、空軍は機体の20%を制空権確保用戦闘機(F-22およびF-47)、40%をF-35A、20%をF-15E/EX、そして20%をF-16とすることを目指している。報告書によると、現在の内訳はF-22が10%、F-35Aが30%、F-15E/EXが14%、F-16が38%となっている。

総目標機数は、依然として期待されていた水準を下回っている。報告書では、戦闘任務に割り当てられる航空機の需要は1,723機と予測されている。計画・プログラム担当副参謀長のデビッド・テイバー中将によると、これらの目標は、昨年の空軍が示した戦闘機1,271機から上方修正されたものであり、前回の報告書作成時点ですでに古くなっていたデータの新たな分析に基づいて調整が行われたという。

同空軍の戦闘機部隊構成における課題は2つある。1つは新型機の生産であり、もう1つは現行の機体の維持管理である。現在の航空機運用可能率(AA)は53.9%まで低下しており、基準値である70%を大幅に下回っている。同空軍は2026会計年度において、兵器システムの維持管理予算を必要額の87%分、および110万飛行時間に充てたが、2027会計年度の要求では維持管理予算を93%に引き上げている。

この増額により、整備要員が現行機材から部品を流用し(現役のジェット機から部品を取り外し、他の機体を飛行可能な状態に保つこと)する必要性は減っているが、稼働率を基準値まで回復させることはできないと報告書は述べている。

「米空軍の戦術戦闘機部隊全体におけるAA率の持続的な低下は、平均機齢が31年を超える機体を運用していることによる直接的な算術的な帰結」と報告書は指摘している。「F-16C/D、F-15E、A-10Cといった旧式プラットフォームは、本来の設計耐用年数を大幅に超えて運用されているため、構造的な疲労の累積、広範囲にわたる腐食、サブシステムの劣化に見舞われている。」

長期デポ整備の拡充を含む維持管理費の増額は、新造戦闘機と比較して機体が依然として経年劣化に関連する問題に直面することから、効果は限定的となっている。整備基地のインフラへの投資が運用率の向上につながるまでには10年以上を要するが、それによって平均機齢30年を超える機体群への依存が永続することになる。

「対等な敵との紛争シナリオに必要な法定の航空機運用率(AA率)を達成するには、F-35AやF-15EXのような高可用性を備えた近代化されたプラットフォームの調達資金を確保するため、最も古い機体の積極的な退役が必要である」と報告書は述べている。

議会に提出された報告書は、CCAおよびF-47の計画に関する具体的な内容にはあまり触れていない。後者については、開発は予定通り進んでいると述べられている。

CCAについては、空軍は同プログラムが計画スケジュールをすべて上回って進んでいるとしている。少なくとも第1段階においては、この航空機が1機対1機の置き換えになるとは予想されていないものの、それでも空軍の戦術航空機の構図を「大幅に変化させる」ことになるだろう。これは特に、中国の製造能力に対抗するために必要とされている。

「J-20やJ-16のような戦闘機の配備における[中国の]産業能力と数的優位に対抗するため、米空軍は有人システムと無人システムを組み合わせたハイブリッド部隊を採用しなければならない。この戦略は、『手頃な価格での大量配備』という概念に基づいており、自律的な忠実なウィングマンとして機能するCCAを活用するものである」と報告書は述べている。■

ブライアン・エバースタイン

ブライアン・エバースタインは、ワシントンD.C.を拠点とする『アビエーション・ウィーク』誌のペンタゴン担当編集者である。

2026年10月22日木曜日

なぜフィンランドは条約を脱退してまで地雷100万個の取得に走るのか ― ロシアは自ら周辺国の防衛体制強化を招いてしまった

 

フィンランドが地雷100万個を製造―そこまでロシアの脅威は深刻だ

Finland To Build A Million Landmines As Russian Threat Looms


NATOの北側戦線沿いでロシアが軍事態勢を再構築しており、ヘルシンキは禁止されていた対人地雷の国内生産を再開する動きを見せている

Finnish conscripts wearing winter camouflage uniforms install anti personnel mines on a tree in a snow covered forest during a media day event at the Kainuu Brigade, a Finnish Army unit in Kajaani, Finland, on February 3, 2026.

写真:アレッサンドロ・ランパッツォ/AFP via Getty Images

NATO加盟国フィンランドは対人地雷を再導入する準備を進めており、これらの兵器の廃絶を目指すオタワ条約からの脱退を受けて、約100万個分の契約がまもなく締結される。この動きは、長年にわたるロシアの脅威や、今後数年間で東部国境沿いに ロシア軍のプレゼンスが拡大する見通しに対し、ヘルシンキが領土防衛を強化しようとしていることを受けたものである。

対人地雷の使用、備蓄、生産、移転を禁止する同条約からのフィンランドの脱退は、今年1月10日に発効した。ロシアの軍事的姿勢に対するNATO東部加盟国間の懸念の高まりや、ウクライナ戦争の教訓を反映して、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアも同条約からの脱退に踏み切っている。

Two Finnish conscripts wearing winter camouflage uniforms, armed with machine guns walk through the snow covered forest while installing anti personnel mines during a media day event at the Kainuu Brigade, a Finnish Army unit in Kajaani, Finland on February 3, 2026. (Photo by Alessandro RAMPAZZO / AFP via Getty Images)

2026年2月3日、フィンランドのカヤニにあるフィンランド陸軍部隊「カイヌー旅団」で行われたメディア向けイベントで、冬用迷彩服を着た2人のフィンランド人徴兵が、雪に覆われた森の中を歩きながら対人地雷を設置している。写真:アレッサンドロ・ランパッツォ/AFP

地雷は攻撃側の移動を困難にし、作戦の進行を遅らせ、障害物の除去に時間と資源を費やすよう敵軍に強いるため何世紀にもわたり使用されてきた。特に対人地雷が防衛作戦において長らく用いられてきたが、重大な人道的リスクを伴う。敵対行為が終了してからずっと後になっても民間人を殺害したり、重傷を負わせたりする可能性があるため、多くの国々で国際人道法に違反していると見なされてきた――少なくとも、それらの国々が侵略の現実的なリスクを認識していない場合には。

対人地雷が再び議題に上ってきたのは、欧州の安全保障環境がいかに深刻に悪化しているかを物語っている。

フィンランド国防軍は国内の防衛産業との協議および軍人の訓練準備を今年初めに開始すると述べていた。今回、軍の発表によると、このプロジェクトではフィンランド製の2種類の対人地雷を調達する。

2種類の兵器は、トリップワイヤー式トリガーで作動する最新型のチューブ型地雷と、圧力で作動するステップ型地雷で構成される。将来的には、ロシアがウクライナで展開しているようなクラスター型地雷を含め、より技術的に高度な地雷も調達される可能性がある。一般的に、この紛争では双方によって対人地雷が極めて広範囲に使用されており、特にキーウは米国の航空支援パッケージの一環として対人地雷を受け取っている。なお米国もロシアも、オタワ条約の署名国ではない。

BRUSSELS, BELGIUM - MARCH 7: An anti-personnel mine MON-50 is presented to the public during an exhibition "Evidence of Crimes" in 'Gare Europe', in front of the European Parliament on March 7, 2024 in Brussels, Belgium.The exhibition presents a collection of destroyed and captured weapons and military equipment of the Russian army, which is presented by the Research Center for Trophy and Prospective Weapons and Military Equipment of the General Staff of the Armed Forces of Ukraine. The exhibition includes about 100 items related to the history of the defence of Ukraine after the full-scale invasion of the Russian federation on February 24, 2022. (Photo by Thierry Monasse/Getty Images)

ウクライナ軍が鹵獲したロシア製のMON-50対人地雷。写真:Thierry Monasse/Getty Images

「目標は、2028年にフィンランドで新型対人地雷の生産を開始することです」と、フィンランド陸軍司令部の工兵監察官リク・ミッコネン大佐は述べた。

「資材調達が進行中であり、現在は準備および市場調査の段階にあります。同時に、地雷の技術仕様書の作成も進めている」とミッコネン大佐は付け加えた。「まもなく入札要請書を発行する段階に移行し、最終的には競争入札プロセスを経て契約を締結する予定だ。」

Colonel Riku Mikkonen looks on during a media day event at the Kainuu Brigade in Kajaani, Finland on February 3, 2026. (Photo by Alessandro RAMPAZZO / AFP via Getty Images)

2026年2月3日、フィンランドのカヤニにあるカイヌー旅団で行われたメディア向けイベントで、リク・ミッコネン大佐が見守る様子。写真:アレッサンドロ・ランパッツォ/AFP

現時点では、いかなる契約も締結されていない。しかし、調達作業が開始されれば、フィンランド国防軍は対人地雷の備蓄量を、2012年にオタワ条約に加盟する前の水準に戻す予定だ。

最初の新型地雷および関連する訓練用装備は、2027年中に配備される見込みだ。最終的には、徴兵対象者全員が対人地雷の使用訓練を受けることになる。プロジェクトの総費用は約1億1000万ドルで、地雷の最終納入は2030年代の予定だ。

ヘルシンキ当局は、平時に対人地雷を敷設する意図はないと強調している。ミッコネン大佐は、この兵器は緊急事態においてのみ使用されると述べた。

Finnish soldiers at Vuosanka near Kajaani as British soldiers train during a major exercise on NATO's border with Russia. A company of 3 Rifles, based in Edinburgh, has spent six weeks training in the north of Finland, during where they honed their survival skills in temperatures as low as minus 28C. Picture date: Wednesday December 3, 2025. (Photo by Owen Humphreys/PA Images via Getty Images)

2025年12月3日、NATOとロシアの国境付近のカヤニ近郊ヴオサンカで行われた大規模演習に参加するフィンランド兵。写真:オーウェン・ハンフリーズ/PA Images via Getty Images

このフィンランドによる決定は、ソ連による侵略という直接的な経験によって長年にわたり形作られてきた国防哲学を反映している。ソ連は1939年にフィンランドに侵攻して「冬戦争」を開始し、1941年から1944年にかけて同国と再び戦った。フィンランドは領土を失ったものの独立を守り抜き、その後も徴兵制、大規模な訓練を受けた予備役、そしていかなる侵略にも多大な代償を強いることを軸とした防衛戦略を維持してきた。

2022年にロシアがウクライナに対して行った全面侵攻は、欧州における大規模な通常戦が依然として現実的な可能性として残っているというフィンランドの懸念を強めた。フィンランドは2023年4月にNATOに加盟し、ロシアとは800マイル強の国境を接している。

フィンランドの防衛戦略は伝統的に、自国の領土を守るため迅速な動員と、増援が到着するまでに大規模な敵攻撃部隊の進軍を遅らせることを重視している。そのようなシナリオにおける対人地雷の役割は明確であり、歩兵の移動を遅らせ、脆弱な地域を通じた進軍を妨げるために敷設される。その(少なくとも理論上は)不均衡な効果は、国境の長さに比べて人口が比較的少ない国にとって特に重要である。

同時に、対人地雷は、砲兵、空爆、工兵による障害物、要塞、予備部隊などを組み込んだ、はるかに広範な防衛システムの一部に過ぎない。なお、フィンランドは対戦車地雷や対車両地雷も相当数保有しており、その大部分は国内で製造されたものである。

Virginia Army National Guard Soldiers assigned to the West Point-based 237th Engineer Company, 276th Engineer Battalion, 329th Regional Support Group train on multiple techniques for both the hasty and deliberate emplacement of anti-tank mines with trainers from the Finnish Army’s Karelia Brigade during Exercise Arctic Forge 25, Feb. 22, 2025, near Kouvola, Finland. Arctic Forge 25 is a U.S. Army multilateral exercise in Finland and Norway, focused on enhancing arctic military capabilities and cooperation with a focus on honing U.S. troops skills to survive, fight, and win in the Arctic’s austere conditions. The Virginia National Guard’s participation strengthens its partnership with the Finnish Defense Force, formalized in May 2024 through the Department of Defense’s State Partnership Program. (U.S. Army National Guard photos by Staff Sgt. Marc Heaton)

2025年2月22日、フィンランドのコウヴォラ近郊で行われた演習「アークティック・フォージ25」において、ヴァージニア州陸軍州兵の兵士たちが、フィンランド陸軍カレリア旅団の教官と共に、対戦車地雷の急造および計画的な埋設に関する様々な技術を訓練している。米陸軍州兵、マーク・ヒートン曹長撮影

これに対しモスクワは軍事指揮体制の再編を進め、北欧全域における通常戦力の大規模な展開に向けた基盤の構築を始めている。

2024年、ロシアはレニングラード軍管区を再設置したが、これはフィンランドとスウェーデンの相次ぐNATO加盟に対する明らかな対応である。

レニングラード軍管区は、サンクトペテルブルクへの進入路、フィンランドとの国境地域、そして北極圏へと広がる地域を含む、戦略的に重要な地域を管轄している。その再設置により、ロシアはこの北部セクター全体でNATOと対峙する部隊を管理するための専用の指揮体制を手に入れた。

軍事管区の創設には重要な意味があるものの、戦闘力の増強に必ずしもつながるわけではない。

ウクライナ戦争は、人員、装備、兵站などの面で、ロシアの資源を依然として消耗させ続けている。

とはいえ、モスクワの長期的な計画は、フィンランドおよびNATO同盟全体と対峙する地域における陸上部隊と軍事インフラの大幅な拡大を指向している。

ロシア再編の中心的な要素は、フィンランドの東部国境に近いカレリア共和国における第44軍団の編成である。同軍団は、北西部におけるロシアの軍事的存在感を強化する広範な取り組みの一環として、2024年に設立された。

ロシアの広範な軍事開発には、コラ半島や北極圏への進入路も含まれており、これらの地域に北方艦隊および戦略核潜水艦部隊を支援する施設が整備されている。

昨年の衛星画像によると、カンダラクシャ近郊のルプチェ=サヴィノ駐屯地で建設工事が確認されており、砲兵旅団および工兵旅団の少なくとも一部を収容する施設が含まれていた。この場所はフィンランド国境から東へ約70マイルの位置にある。

今年初め、フィンランドのYleメディアによる報道では、ロシア軍がノヴァヤ・ヴィルガの町にある基地を拡張し、最大6,000人のロシア兵を収容できるようにしていることが明らかになった。同基地はフィンランド国境から約100マイルの地点に位置している。

フィンランドにとって、ウクライナ戦争が沈静化し、ロシア軍が国境に近い場所でより大規模な戦力を集結させれば、状況は劇的に変化する可能性がある。

フィンランドの 『軍事情報レビュー2026』は、ロシアの軍事改革によって、その近隣地域における戦力がまだ大幅に増強されていないと評価している。しかし、状況が許せばロシアの軍事力は大幅に増強されると予測しており、戦後の将来的な軍備増強においてフィンランドが主要な標的となることを指摘している。

ウクライナでの停戦や和平が成立したからといって、ロシアが自動的にフィンランドに対して大規模な攻勢を仕掛けられるわけではない。停戦は、ロシアに対する当面の軍事的圧力を和らげる一方で、クレムリンにとっては依然として深刻な経済的・政治的課題をもたらすだろう。ロシアの戦時支出は防衛部門の生産と雇用を支えてきたが、その支出を縮小すれば、構造的な弱点が露呈するリスクがある。

停戦や和平が成立しても、モスクワは依然として部隊の再建、装備の更新、人員の補充、そして大規模作戦を維持するため兵站能力の確立を必要とするだろう。しかし、こうした動きがすでに始まっていることを示す兆候がある。

例えば、最近の画像分析によると、フィンランド国境から約450マイル離れた第22中央戦車予備基地において、新型T-90M戦車を含む、新たに納入されたロシア製装甲車両が大幅に集結していることが示されている。

フィンランドが対人地雷の導入を計画しているのは、将来起こりうる紛争に備えるという、より広範な取り組みの一環である。フィンランドやその他の北欧諸国の防衛計画担当者たちが強く意識しているのは、ウクライナでの戦争によって当面の能力が制限されているとはいえ、ロシアがNATO北部国境付近におけるより大規模な軍事展開を支えるため必要な指揮系統やインフラを再構築している事実である。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍用航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点に、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、特にヨーロッパにおける現代および歴史的な空軍力に関する深い専門知識に基づいており、大陸全域およびそれ以外の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てている。

コメント60件

  • いつもの「人道主義」を口実にした嘆きではなく、常識が勝っているのを見て嬉しく思います。

  • 地雷禁止の動きは、主に第三世界で、あまり考えも記録もなしに埋設され、その後長年にわたり無差別に民間人を殺害し続けたことから生まれたものです。しかし、その禁止措置は……

    • 戦争の初期、ウクライナに地雷が提供されたり送られたりしていた頃、ブリンケンがそうした懸念を提起していたのを覚えている。それはまさに………。

  • クラスター爆弾や地雷の禁止に同意するのは、ロシアと国境を接していなければ、良いアイデアのように思えるかもしれない。

  • 条約は少々時代遅れだ。今では、自動的に無効化する地雷を安価に製造できるからだ。条約が締結された当時、地雷のほとんどは無差別殺傷兵器であり、紛争終了後も数十年にわたり民間人を殺害・負傷させていた。

    • 問題は、100万個の地雷を作った場合、そのうち90万個を自動無力化させるのは簡単だということだ。95万個を自動無力化させることも可能だ。99万個を自動無力化させるのは難しい。100万個すべてを自動無効化するようにするのは、おそらく不可能だろう。その数は……

  • フィンランドがロシアとの国境沿いに地雷を敷設する準備をしているのは間違いだと思う。

  • むしろ、ロシア国内のフィンランド国境沿いに地雷を敷設すべきだ。

    • それより、モスクワ環状道路のすぐ外側に敷設したほうがいい。

  • ロシア人たちは決して学ばない。何世紀にもわたって、「盲人が盲人を導く」ような存在に育てられてきたのだ。彼らのせいで他の誰もが苦しむ羽目になるなんて、本当に恥ずべきことだ。

    • 彼らの問題はすべて、自らの行動に対して一切の責任を取れないことに尽きる。彼らに起こるすべての出来事――自らの行動が招いた避けられない結果でさえも――は他人のせいであり、決して自分たちが誰かを攻撃したと決めたからではないのだ。

    • インフラへの攻撃……

  • サンクトペテルブルクを再び飢えさせろ。

    • たった12件の投稿か。うわっ。しかもレニングラード包囲戦を冗談のネタにするなんて。第二次世界大戦における最大の残虐行為の一つであり、史上最大の残虐行為であるホロコーストのような残虐行為が山ほどあった戦争だ。

    • Jerome、君がここに居るのはごく短期間で済むことを願うよ。それに、君に何らかの因果応報が降りかかることも、ちょっとだけ願っている。

    • https://en.wikipedia.org/wiki/...

    • レニングラード包囲戦 - ウィキペディア

    • en.wikipedia.org

  • フィンランド人は、現実的で解決志向の人々として知られている。そして、凄腕の狙撃手としてもね。

  • 概して、モスクワは軍事指揮体制の再編を進めており、北ヨーロッパ全域におけるより大規模な通常戦力の展開に向けた基盤の構築を始めている。

  • 「始めている」のは確かだが、実際にそれができるのか? つまり、ウクライナで150万人の兵士を失い、さらに数十...

  • もし俺がフィンランドなら、俺もそうするだろうな。

  • この決定については複雑な気持ちだ。理解はできるが、それでも世界の国境や武器庫から、こうした恐ろしい兵器の数が大幅に減少したことを心から喜ぶべきだろう。

  • サミュエル・モインの『Humane』を読んだ人はいますか?彼がこの決定についてどう言うか気になります。

  • たぶん、ドローンの製造や操縦の講座をオンラインで提供し始める必要があるんじゃないかな。ウクライナに行ってドローン製造ライセンスをいくつか購入し、数十社の小規模企業を設立してドローンを製造し、それらを備蓄し始めるんだ。ウクライナではうまくいったんだから!!

  • 第二次世界大戦中に存在した都市の名をロシアが軍管区に冠しただけで、西側諸国は恐れるべきなのでしょうか?

  • フィンランド、背後に気をつけろ。

  • ヨーロッパは大規模な戦争の瀬戸際にあるんじゃないか?

    • プーチンがもたらす脅威を真剣に受け止め、それに備える対策を講じれば講じるほど、戦争が起こる可能性は低くなる。

  • これで、あの馬鹿げたクラスター爆弾の話は完全に無関係になっただろう。

  • クラスター爆弾を再び偉大にしよう。

  • フィンランドは、脅威が予想される軸線上に恒久的な地雷原を設けるべきだ。

  • ドローンだ。彼らは独自の対ドローン能力を開発する必要がある。至急だ。

  • フィンランド・ソ連戦争中、道しるべとして使われた凍りついたロシア兵。彼にとってこれほど役に立ったことはなかっただろう。

  • ラダ・ボーイズはズボンに装甲を付けたほうがいいぞ…

    • 新しい迷彩パターン

  • 頭にドローンを載せた狙撃手が必要だ。