2016年8月30日火曜日

米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐


米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。

Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter Requirements

By: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)


WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。

  1. 2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。

  1. だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。

  1. 「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します

  1. 第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能力やスタンドオフ能力の手段としての戦闘機もあるが、同時に宇宙、サイバー、電子戦の各分野の装備も入ってくる。

  1. 将来の戦闘機はドッグファイター機というよりもセンサー母体の様相を示すとグリンケウィッチ准将は語る。空軍はAOA前作業としてライト・パターソン空軍基地(オハイオ)で今後登場する技術内容を睨みつつNGADの要求性能を定義づけようとしている。

  1. 「検討作業では各分野を全側面で比較検討しています」と准将は戦力、残存性、航続距離、ペイロードがそ上に上がっていると述べた。

  1. 検討チームは要求内容の迅速な実現方法も検討している。Air Superiority 2030のECCTは空軍が通常の調達手続きを取れば第六世代戦闘機の配備は2040年以降になると認識している。迅速調達方法とあわせ並列開発を採用して初期作戦能力獲得をそれより10年以上前倒しできるとグリンケウィッチ准将は期待している。

  1. 並行開発とは高性能エンジン、センサーや兵装の進歩を別個進めながらその後ジェット戦闘機に統合搭載していくことを意味し、中核的な要素だと准将は指摘する。技術が初期段階で成熟化を示せば、モデリング技術シミュレーション技術を駆使しシステムとして期待する効果が生まれるのかを吟味する。


  1. 各種システムを大型機材に統合するのが最も困難かつリスクが高い要素とはいえ、リスクは試作機の制作で最小化できるとグリンケウィッチ准将は考える。

  1. 「試作機とはいえ運用上は限りなく現実的で意味のある機体にします。そのまま運用可能なほどの水準の試作機という表現がいいでしょう。そこまでの内容にできるかは検討次第です」と准将は語り、「極力成熟化を目指し、試作機を飛ばし、試験も十分行います」

  1. 「これができれば途中での要求内容変更は必要ありませんし、応用をめざす技術の成熟化が時間通りに進むはずです」

侵攻制空戦闘機とは

  1. 空軍は「第六世代戦闘機」を用語集から消そうとしているとグリンケウィッチ准将は述べている。F-35後継機には当初次世代航空優勢機材の名称がついたが現在は「侵攻制空」機の名称の前で影が薄くなっている。

  1. 「『第六世代』の意味するでは議論があるでしょう。レーザー光線を搭載するのか。どんな形になるのか等々ですが、為になる話題にはなりません。もっと実のある会話は2030年に航空優勢を確立、維持するために必要な要素を考えることでしょう」

  1. 空軍は最先端技術要素として指向性エネルギー初期装備を侵攻制空機(PCA)またはその先の改修時に装備する検討に入った。だが最終的には求めるセンサーや兵装の成熟化が遅れるからといって機材を諦めるわけにはいかない。

  1. その結果で姿を表す機体は従来のジェット戦闘機とは似ても似つかぬ物になるかもしれないとグリンケウィッチ准将は言う。

  1. 「戦闘機パイロットとこの話になると大変なことになりますよ、なんといってもこちらが『戦闘機らしい形状にはならないかも』と言うものですから」とし、それでも戦闘機を意味するF呼称がつきそうだという。「典型的な戦闘機パイロットは制空任務には9G、双尾翼、機銃が必要で短距離でいいという。それが戦闘機というものだということです。ですが、いま頭の中にあるのはこれとは違う形で違う属性の機体です」
  2. 要求性能はまだ固まっておらずAOA過程で変更もありうるが、グリンケウィッチ准将はペイロードと航続距離が最重要な二大要素とする。NGADもその他ジェット戦闘機同様に敵空域に侵入し、防空網に飛び込む必要があるが、現行機材より長い距離で作戦行動を取る能力が必要になると准将は述べる。

  1. 「では操縦性はどうなるのか。加速は、最高速度はと聞かれるだろうが、確保したい機体容積の前に諦める要素も出てくる。どこまでどれを犠牲にするべきなのか、また古典的なドッグファイトができる機体がほんとうに必要なのか。個人としてはこの取捨選択で方向性が見えてくると思う」

  1. 空軍は幸先良い出発をしようとしているが性能内容で何を優先するかでまだ多くの作業が残っていると語るのがマーク・ガンジンガー(戦略予算評価センター主任研究員)だ。グリンケウィッチ准将同様にガンジンガーもペイロードと航続距離が二大重要性能だと述べる。

  1. 「将来の戦闘航空機材が運用される地理条件を考えると西太平洋のように距離が制約となるので機体の飛行距離は今より長くする必要がある」(ガンジンガー) ペイロードの大きさも同じシナリオで重要な要素となる。なぜなら機体は交戦地域で長時間滞空し十分な兵装を敵地へ投下する必要があるからだ。

  1. この2つの要素は機体価格と迅速な調達に対してはかりにかけられることになるだろう。

  1. 「完璧な解決方法でないと役に立たないでしょうが、機体は高価格となり多数調達できないはず」とガンジンガーは語る。「空軍は迅速に新型機を導入する必要があり、将来の侵攻制空機と言うか次期戦闘機は2030年代中頃にならないと運用が始まらないはずなので当面役に立たないわけです。だから2030年代までに納入できる、経済的な価格の機体にできるかが重要な要素になります」

試作による効果

  1. 今年5月にAir Superiority 2030の一貫で性能要求検討チームが公開・非公開の形で未来図を示し、求められる技術の詳細、必要な資金手当ての予測、考えられる作戦概念を明らかにした。ECCTは全空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将が5月に予算をうちきり解散したが、未来行動案の実施部門は引き続き空軍長官他上層部に進捗状況を説明しているとグリンケウィッチ准将は述べる。

  1. 研究内容から将来の実現に繋がりそうな実験的な試みが生まれている。その中に意思決定データData to Decisionがあり、今春スタートしこれから三年から五年結果次第で続くという。各種センサーや通信機器から取り入れるデータをどう評価して、どう処理し、分析し、共有しリアルタイムで作戦にどう役立てるかを希求する。

  1. 「データをクラウドのような機器構成に放り込みます。このアプリケーションレイヤーを最上層にもってきて、そこにアプリをつけます。これはiPhoneと同じですが、F-22では『標的情報が欲しい』といえばアプリがクラウドから関連情報を抜き出してきてくれます」

  1. 第一段階でモデリングとシミュレーションを実施するという。「実際にセンサーを空で動かし、データリンクを見て、通信リンクも見て、ネットワークが各機で共有できるかを確認することになるでしょう」

  1. 二番目の実験事業にディフィートアジャイルとインテリジェント標的Defeat Agile and Intelligent targetsがあり、数ヶ月以内に始まる見込みだ。この一環で空軍は高度な操縦特性があり威力の高い標的をどう撃破するかを追求する。

  1. 「難易度の高い標的を統合防空網の中で識別するため、モデリングとシムをするでしょう」とし、予算がつけば実機実験も可能だという。

  1. 仮に性能ギャップが実験事業で把握されれば、将来機の要求内容に反映され、Air Superiority 2030の将来像で掲げた技術内容にも反映されるとグリンケウィッチ准将は説明した。■

2016年8月29日月曜日

★北朝鮮ミサイルはレイルガンで一気に無力となる

レイルガン技術がどこまで進んでいるかはちっともわからないのですが、第三相殺戦略に怯えるのは北朝鮮だけではありません。これまでの投資がパーになるので必死にプロパガンダ攻勢をかけてくるのはTHAADの比ではありません。韓国国内でも当然同調する動きが出るでしょうが、レイルガンは艦艇に搭載できるので(電力に余裕があるズムワルト級がまず第一候補)国防部長官が6時間も住民により移動を封じられるような醜態は避けられるのではないでしょうか。ともかく技術の進歩に注意が必要で、北朝鮮の大言壮語が一晩にして無意味となればそれは愉快なことですね。


The National Interest



How the Third Offset (Think Railguns) Could Nullify North Korea's Missiles

August 26, 2016


  1. 金正恩が核弾頭つきミサイル配備を急いでいる。移動式ミサイルを陸上海中双方で実用化しようとしている。短距離ミサイルも入れればほぼ毎週発射している状況で、短距離スカッド、中距離ノドン、中間ムスダン、大陸間テポドンの各種がある。
  2. だが今週水曜日の潜水艦発射式弾道ミサイル(SLBM)は日本に向け300キロ飛翔し、あらためて金がミサイル各種の整備に尽力しているのを示した。SLBM発射を「最大の成功事例」と述べたのは誇張ではない。北朝鮮のミサイル技術の進展は想定以上の速さだ。
  3. だが成功は失敗への一歩かもしれない。金が危険な妄想でミサイル王になると悲惨な結末になる。一度上がったものは下がらざるをえない。外交態度を変えないと金は悪夢の未来2つにつきすすむ。
  4. まずミサイル多数配備に勇気づいた金が危険な一線を超え、挑発行為のつもりが誤算あるいは偶発で紛争に火をつけ自らの破滅を招く可能性がある。あるいは貧しい国家財政をすべてミサイルにつぎ込んだあげく、韓国と米国がさらに先に行っている事実に直面する可能性がある。
  5. 米韓同盟は技術面で先を進み、ミサイル防衛の多重構造をさらに強化しつつある。韓国には韓防空ミサイル防衛(KAMD)システムがあり、多国間で展開中の装備にはTHAAD終末高度広範囲防空システムがある。日本の潜水艦部隊は北朝鮮潜水艦が出港しミサイルを発射する前に全艦を追跡撃破する能力がある。
  6. だが将来に目を向ければ金がミサイルで世界を恫喝する可能性より北のミサイル装備が米韓の革新的技術で一気に陳腐化される可能性のほうが高い。金一族も一気に無力となる。
  7. ミサイルや物理的質量に立ちふさがるのがエネルギー兵器で電磁レイルガンはその一種だ。米国で研究で弾みがついており、最先端技術により米国の兵力投射能力は温存されそうだ。
  8. 国防副長官ロバート・ワークは技術優勢を模索する動きを「第三相殺」と名付けた。この名称は第二次大戦後の米国が技術力で脅威の高まりに対応したことの延長だ。ソ連通常兵力がヨーロッパで示した脅威に核兵器で対応したのが第一の相殺で、ソ連が核兵器で同等の兵力を装備すれば、米国は長距離精密誘導通常兵器でリードを維持したのが第二の相殺だ。
  9. ワークが以前理事長を務めた新アメリカ安全保障センター(CNAS)は著者がまとめた報告書を今秋発刊し、第三相殺に関与する米韓専門家の寄稿も含める。7月上旬に同じテーマで会合を開催し、北朝鮮外務省の関心を呼んだ。これまで北朝鮮のミサイル実験で失敗が続いた印象を打ち消そうと言うのか、北朝鮮は「米国の戦略を明らかな破綻に向かわせ、『第三戦略』などたわごとにすぎない』との声明を発表した。
  10. 北朝鮮は大言壮語そのものでプロパガンダ詩人を動員し、技術的な知識が不足し平壌がすすめる極秘事業を知らせないまま情報戦を国内外でしかけている。その結果、技術的に遅れているのを実感させられるのは北朝鮮の方だ。
  11. 著者の若き同僚Seongwon LeeがCNASでの六ヶ月研究員生活を韓国国際交流財団の支援でこのたび終了するが、電磁レイルガン研究をしてきた。この装備開発だけで北朝鮮のミサイル装備整備は破綻する。
  12. Leeの説明するようにレイルガンは弾頭を電磁反発力で発射するもので、化学爆発力は使わない。その速度により弾頭自体が通常ミサイル以上の威力を発揮する。弾頭に爆発物を装備する必要が無いためレイルガン技術は安全面、射程距離、費用面で大きな優位性を発揮する
  13. 長期的に見ればこの新技術により韓国の抑止力は北朝鮮核兵器に対して3つの側面で威力を発揮する。先制攻撃機能による抑止効果、迎撃効果および報復攻撃だ。
  14. まずレイルガン発射体の速度により誘導ミサイルが緊急発進したF-15から発射されるよりも迅速なタイミングを実現する。同時に高速攻撃手段が現状のキルチェーンに加わる。
  15. 二番目にミサイルとレイルガンの費用比較は逆転する。KAMDの一部となればレイルガンのコスト効果は現行ペイトリオットやTHAADより高くなる。そうなるとレイルガンはミサイルから王座を奪うだろう。
  16. 三番目に、レイルガンの有効射程は水上艦主砲の比ではなく、威力が増加し報復攻撃に新たな選択肢を加える。
  17. 単一技術で歴史が革命的変化することはそんなにあるものではないが、第三相殺には多くの技術が含まれレイルガンのように新技術開発で劇的な変化が生まれる。自動3DコピーやAIによる迅速な探知技術と並びレイルガンは予想外に早く出現するだろう。
  18. 一旦実用化されれば北朝鮮のミサイル装備の没落は明らかとなる。金は外交的解決の機会を棒に振ったことを後悔するだろうがすでに時遅しとなる。■
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著者パトリック・M・クローニン博士は新アメリカ安全保障センター(CNAS)(ワシントンDC)でアジア太平洋安全保障問題の上級顧問兼上級統括職を務める。

2016年8月28日日曜日

★★F-22によるシリア機迎撃の内情---ステルス機特性は発揮したものの....



なるほどステルス機の特性が発揮されたようですが、今後あえて存在を見せて事故を回避するのであればF-22を投入する意味はあるんでしょうか。微妙です。シリア上空の状況は日本にとって関心が低い事案のようですが、危機管理の意味からも目が離せません。


Exclusive: U.S. pilots provide first account of tense Syrian jet encounter

Jim Michaels, USA TODAY3:20 p.m. EDT August 26, 2016

AP F-22 RAPTOR I GUM(Photo: Airman First Class Courtney Witt, AP)
A MILITARY BASE IN SOUTHWEST ASIA — シリア戦闘機編隊を同国北部で先週迎撃した米空軍戦闘機パイロット二名によるとF-22はシリア機に気づかれることなく2,000フィートまで近て尾行したという
  1. シリア機がクルド人部隊に随行する米軍事顧問の付近に爆弾投下したことで緊迫度があがっていた。ペンタゴンはシリアに対し米軍は防衛行動を取る権限を与えられていると警告していた。シリアによる爆弾投下はなくなり、米軍も連続警戒態勢を解いていた。
  2. 「相手機は三回ループしましたが、毎回追尾していました」と38歳の米空軍少佐はUSA Todayに状況を初めて明かしてくれた。「こちらの存在はわかっていなかったようです」 保安上の理由で米軍パイロット二名の氏名は秘す。
  3. 「相手の行動は止まった」とチャールズ・コーカラン准将(第380派遣航空団司令)は語った、「こちらの狙い通りだ」 同航空団はイラク、シリアへの空爆を非公表拠点から行っている。
  4. 今回の事態はシリア国内での対イスラム国戦の複雑な状況を物語っており、誤爆による戦局拡大の危険を示している。
  5. 「誤解が大きな心配だ」とジェフリー・ハリガン中将(中東地区米航空作戦司令官)も認める。「双方で発生しかねない」
  6. 連合軍パイロットはシリア機、ロシア機から距離を取るのが通例だが、空域は混雑度を増している。
  7. 米主導の連合軍はシリア政府・ロシア側とは交戦せず、ペンタゴンはロシアと情報交換で空中事故を回避する合意を取り付けたものの双方は協力的ではない。
  8. 「わが方人員には注意を最高レベルで求めている。ロシア、シリアとは交戦状態になく、ロシア機シリア機の撃墜は想定外」(コーカラン准将)
  9. ロシアと米国は一部空域でロシア、シリアの機体は飛行禁止とする合意ができており、先週シリアが空爆したハサカはその対象。複雑な条件でパイロットはシリア上空の混雑した空域で飛行を迫られている。
  10. 「このシナリオでエスカレーションを避ける方策を考えており、作戦遂行中の安全確保がいつも頭にある」と二人目のパイロットも語っている。これは三十歳の大尉だ。
  11. 制限区域をシリアが空爆したことを受け米国は常時戦闘飛行をハサカ上空で実施し、シリアが米軍に攻撃を加えた際に対応する準備をパイロットに取らせた。
  12. 今回の事件は午后に入りシリア機がハサカ周辺の空域に侵入したと判明したのが出発点だ。哨戒中のF-22二機編隊が急行した。
  13. 大尉によれば共通無線周波数で接近するシリア機に識別と飛行意図を求めたが反応はなかった。
  14. 米司令部もロシア側に電話で情報開示を求めたが、ロシアはシリア側の行動を把握していなかった。
  15. 情報を得る唯一の手段は米機にSu-24フェンサーだと判別したシリア機まで接近させて武装・爆弾投下の有無を直接確認することだった。通常ならパイロットは事故防止の為ロシア機シリア機から一定の距離を取るよう求められる。
  16. 許可が下りた。F-22一機が監視する中、もう一機はシリア機後方から観察した。15秒ほど経過しシリア編隊は同地点を離れたが、尾行に気づいていないのは明白だった。
  17. 直後に別のリシア機が空域に入り米パイロット二名は同じ動作を繰り返す。シリア両機は兵装を搭載していなかったようだと両パイロットは述べた。
  18. 在カタールの司令部から中東の航空作戦を指揮するジェイ・シルヴェリア少将によればシリア機が連合軍に脅威を与える兆候を示せば撃墜命令を下す体制だったという。「地上部隊から攻撃を受けているとの一報があれば撃墜の必要があった」と同少将は述べた。「優秀な装備で命令遂行には最高の状態にあった」
  19. だが地上部隊報告や米軍パイロットからの連絡からシリア機の爆弾投下の事実はなく、空域を移動飛行中だと判明した。同地区にシリア航空基地があるが同地区上空では飛行させないのが普通だ。
  20. F-22はステルス機でパイロットは敵による視認を避ける訓練を受けている。今回の事件を受けてシリア側に意図を伝えるため今後は機体をあえて視認させる検討に入った。■


2016年8月26日金曜日

★統合参謀本部議長の見る世界の脅威状況、並びに米軍の対応



Visit Warrior

Joint Chiefs Details China, Russia & ISIS Threats

JIM GARAMONE
Yesterday at 12:37 AM
ペンタゴン統合参謀本部議長が見る中国、ロシア、北朝鮮、イラン、ISISの脅威状況

By Jim Garamone - DoD News, Defense Media Activity
FORT McNAIR, D.C., Aug. 23, 2016 —
国家安全保障分野の指導者たるものや、現在の脅威に立ち向かい、人財、戦略、装備を開発維持し一層不確かになってきた世界情勢に対応すべきだと統合参謀本部議長が国防大学校National Defense University (NDU)の新入生に訓示した。
Marine Corps Gen. Joe Dunford, chairman of the Joint Chiefs of Staff, addresses National Defense University students at Fort Lesley J. McNair, Washington, D.C., Aug. 23, 2016 NDU provides joint professional military education to prepare leaders to think and operate effectively at the highest international security levels. DoD photo by Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro
統合参謀本部議長ダンフォード大将が国防大学校で訓示。ワシントンD.C.のフォーと・レズリー・J・マクネアにて。2016年8月23日。NDUとは各軍共通で軍事教育を施し、将来の指揮官を養成し、最高水準の思考、行動を国際環境で可能とするのが使命。 DoD photo by Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro


ジョー・ダンフォード海兵大将は2017年度組に自身の考え、戦略的視野並びに統合運用部隊の意義を伝えた。

ダンフォード大将は世界は第二次大戦終結後で一番不確実な状況になっているとの認識を共有した。それでも米軍は「質の高い人材を勧誘し維持している」という。

「全体通じ米軍人員はしっかりした目標を持っている。義務感を有した高い質の人材集団だ」

一部兵科で疲労感の兆候があるとして、ダンフォード大将はパイロット不足と特殊部隊の展開がほぼ恒常的にになっていると指摘したが、最前線の士気は依然として高いままと述べた。


リスクの評価
「状況が複雑流動化し、課題が山積する今日、リスクをどう評価したらいいだろうか」とダンフォード大将は述べ、「統合運用部隊に必要な能力をどのように評価すべきだろうか」

ダンフォード大将は脅威対象は四種類プラスワンだと述べた。ロシア、中国、イラン、北朝鮮及び暴力過激主義だ。うち4つが国家で脅威内容はまちまちで、五番目のテロリズムが世界各地で火がつきかねない状態だ。

ISIS
ダンフォード大将はISISをまず取り上げ、イラク治安維持部隊がファルージャ、ラマディ両都市奪還に成功したことを特記した。次はモスル(イラク第二の都市)だとし、ISIS支配下で最大の都市が視野に入ってきた。


そこで同大将は「イラクで正否を握るのは軍事作戦ではなくなった。イラク統治機構、シーア派民兵部隊、北部ペシュメルガ勢力の間の相互関係を突き詰めていく段階に入った」と説明。

一方でシリア国内では14千名のアラブ戦闘部隊と30千名のクルド人部隊を米国は支援しており、ダンフォード大将はリシア国内での奪還領土はもっと多いと指摘した。

だがISISはイラク、シリア以外でも活動を展開しており、米国はリビア政府軍を支援している。同国に司令部をおいてアフリカ全土のみならずヨーロッパ攻撃にも利用しかねないためリビアからのISIS駆逐は必須だと述べた。

リビア国内での対ISIS作戦は成果を上げつつあると述べ、今年1月2月の情勢は懸念を呼んだが、現時点では活動は低下している」という。

ISISはアフガニスタン、西アフリカさらに東南アジアにも活動を展開している。米国はどの地点であれISISを逃さないと大将は述べた。

ロシア
議長は次にロシアと中国の戦力開発状況に触れた。「ロシアは核戦力近代化、潜水艦部隊の近代化、通常戦力の近代化に乗り出している」とし、ロシアは人口問題・経済問題がありながら戦力整備を進めていると指摘。米国の各分野での優位度は縮まりつつあると述べた。

ロシアの動きにはクリミア地方併合やウクライナ東部の他、ジョージアはモルドビアへの恐喝やシリア支援など懸念を感じざるを得ない状況があると指摘した。

しかもロシアはそれぞれの動きの裏に共通した意図があり、「歴史上最高傑作の同盟関係つまりNATOの結束を崩すのが目的」と解説。また「米国の視点から見れば国家としての重心は安全保障であり、同盟各国のネットワークであり、ロシアはこれを破壊しようとしている」

中国
ロシアと中国はそれぞれ接近拒否領域否定戦略を実現しようとしているがその結末は類似してくるという。

中国のほうが不明瞭だとしてき。中国は軍事力整備に巨額を投入し、核兵器分野も例外ではない。南シナ海での行動は米国の懸念の的だ。

イラン・北朝鮮
その一方でイランが中東各地で影響力を増やそうとしているのを注意深く観察する必要がるという。また北朝鮮は核兵器とミサイル開発を進めているが世界で最も予測困難な国だという。

統合運用部隊に必要なものは
こうしたリスク評価から統合運用部隊に重要な意味が生まれる。まず、米国は近郊の取れた戦力を維持する必要がある。「いいかえれば核兵器から通常兵器、さらに特殊作戦能力までだ」とし、「国として挑戦に直面するにあたり、ひとつとして不十分な能力のまま終わることは許されない」

もう一つは米国は政府各部門の役割を国家戦略に統合し、同時に同盟各国強力各国も構想に取り入れるべきだという。

そして最後に議長は地域をまたがった多面的な紛争になると意見の不一致が踏まれる可能性があると指摘。その例として北朝鮮を上げ、1990年代には休戦協定が破られれば紛争は朝鮮半島に限定されただろうが、弾道ミサイルやサイバー攻撃の脅威、通常兵力の脅威で北朝鮮との交戦範囲は広がる可能性があり、米太平洋軍、米北方軍、米戦略軍、サイバー軍が巻き込まれると指摘。

このため将来は広範囲な戦略的統合が必要となるとダンフォード大将は見ている。意思決定過程を合理化し、指導層は共通した作戦状況で把握すべきだ。そうなるとグローバル規模の作戦展開ができる戦略的仕組みが必要になると指摘した。


2016年8月24日水曜日

オスプレイのCOD導入を期待する米海軍航空部門---実証運用実験の成果に満足

CODは全く特殊な輸送機で他に潰しが効きませんから、C-2グレイハウンドはオスプレイと交代したらスクラップになるのでしょうか。意外に大きな機体で堂々としていたのですが残念ですね。消火任務に改装されるのかもしれませんね。

 V-22 Experiment On Carrier Shows Increased Flexibility Over C-2 In COD Mission

August 18, 2016 5:34 PM

MV-22B landing on the deck of USS Carl Vinson (CVN-70). Gidget Fuentes Photo Used with Permission
MV-22B landing on the deck of USS Carl Vinson (CVN-70). Gidget Fuentes Photo Used with Permission

  1. 米海軍が目指す次期空母運用輸送機(COD)へのMV-22オスプレイ投入の準備が進んでおり、運用上の柔軟性とともにu運用上で大幅省人化が実現すると海軍航空のトップが期待している。
  2. 海軍航空戦力の指揮官マイク・シューメーカー中将は固定翼機中心の空母航空部隊でV-22の運用実証をおこなったところ非常に良好な結果が得られたと語っている。
  3. 2015年1月に海軍は長年供用してきたC-2グレイハウンドに変わり、オスプレイをCMV-22Bとして海兵隊仕様をもとに採用した。燃料タンクを増設し、長距離通信制能とともに機内乗客むけのPAシステムを搭載する。この決定で一部からオスプレイの貨物搭載量、航続距離や飛行高度で懸念する声が出た他、固定翼機運用に慣れた運用が混乱しないかとの声が出ていた。
  4. シューメーカー中将は戦略国際問題研究所と米海軍協会共催の場でこうした懸念は的外れと断言している。
  5. 運用実験の終わりになり、USSカール・ヴィンソン(CVN-70)の乗員はオスプレイの着艦から貨物運び出しが20分で完了でき、貨物搬入送り出しは30分で済むと体感した。これなら多くの航空機を発艦着艦させる通常の空母運用に自然に受け入れできる。
  6. 貨物取り扱いが迅速なだけにとどまらず、V-22ではC-2と比べて大幅な省人化運用が可能だとシューメーカー中将は述べた。蒸気カタパルトは不要で、「オスプレイ離着艦には6名で十分対応できるのに対し、現行CODでは40名が必要で、運用上は大きな差が生まれる」
  7. さらにオスプレイは夜間着艦が可能だが、C-2は夜間運用はしていない。このためV-22は昼夜関係なく運用でき、しかもカタパルトや拘束ギアは不要だ。
  8. ただしV-22機内はC-2よりやや狭いことはシューメーカー中将も認め、貨物や人員輸送量がやや低くなるが、「オスプレイの機内座席・貨物用スペース変更は迅速に可能で、C-2とは違う」という。
  9. 「長距離性能型としてCMV-22が実現すれば、C-2の航続距離を上回る1,100マイル超の飛行距離が実現するでしょう」
  10. そうなると「貨物や人員輸送力を犠牲にしても、運用に柔軟性がつくオスプレイは望ましい選択」だという。■
Navy's Osprey Will Be Called CMV-22B; Procurement To Begin In FY 2018

Navy's Osprey Will Be Called CMV-22B; Procurement To Begin In FY 2018

In "Aviation"
Megan Eckstein

About Megan Eckstein

Megan Eckstein is a staff writer for USNI News. She previously covered Congress for Defense Daily and the U.S. surface navy and U.S. amphibious operations as an associate editor for Inside the Navy.

2016年8月23日火曜日

T-X ボーイング案は来月公表、各社候補が揃う



Aerospace Daily & Defense Report

Boeing Offers Sneak Peek Of Clean-Sheet T-X Design

Aug 22, 2016James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

Boeing


ボーイング・ディフェンス・スピース&セキュリティは米空軍が求めるT-X高等練習機候補として完全新設計機のロールアウト式典をセントルイスで来月行う。
  1. 同社はSaabと組み、導入以後55年が経過したノースロップT-38の後継機として採用され、戦闘機・爆撃機パイロット養成を狙う。
  2. ボーイングの発表でT-X採用を競う四組の機体の姿が空った。数日前にノースロップ・グラマンの新型機が高速地上走行テストをする姿がカリフォーニアのモハーヴェで目撃されたばかりだ。ボーイングは広報用に自社T-Xのティーザー広告含むウェブサイトを立ち上げた。http://www.boeing.com/defense/t-x
  3. 同ウェブサイト上の想像図から高翼形状で着陸装置が機体に収納される構造だとわかる。主翼、尾翼の形状はT-38に似ている。機首下部は平らで丸みがついているが、箱型の空気取り入れ口が機体左右についている。
  4. ノースロップのT-X案では機体前方に続く背骨状の構造が特徴だがボーイング案にはない。前面と空気取り入れ口と主翼の一体化はT-38/F-20タイガーシャークのノースロップ案より更に進んでいる。エンジンは一基だ。.
  5. ボーイングのT-X広報係レイチェル・ロックハードによれば同機はF/A-18やF-15を生産する同社セントルイス工場で9月13日に発表するとし、空軍協会の航空宇宙サイバー会議(9月19-21日)の直前となる。
  6. 会議ではボーイング案、ノースロップ案が話題の中心となるだろう。12月に最低350機の次世代練習機生産の提案要求が出る予定だ。両社は新型設計案で勝負するが、他者は既存機の改修案を提示する。ロッキード・マーティンKAIと組み、T-50AとしてT-50ゴールデン・イーグルの改修型を、レイセオン/ハネウェル/CAEチームはレオナルド・アレニア・アエルマッキM-346マスターをT-100として提案する。
  7. T-50は韓国でKAIが生産中でM-346もイタリアで生産中だ。T-Xとして最終組立は米国内で行うとロッキード、レセオンがそれぞれ表明している。ロッキードは早々とグリーンヴィル工場(サウスカロライナ)(C-130Jを生産中)に設置する計画を立てている。
  8. ボーイングはセントルイス工場でT-Xを組み立てる方針を決定していないが、F-15およびF/A-18生産が今後下火になる中、他場所で組み立てるとは思えない。「すべての選択肢を検討中です」(ロックハート)
  9. 案が揃ったがロックハートは完全新型設計のボーイング案こそ空軍が求めるT-X仕様を実現する正しい選択肢だと自信を示している。■

★F-15は性能改修策で2040年代まで供用し、支援戦闘機になる



ここまで手を加えて2040年代まで使えるほどF-15が頑丈にできているというのは驚くほどですが、ここまでするんならいっそ生産再開したほうがいいのではとも思えますね。ラインの再構築や治工具の再製をするより経済的という理屈でしょうが記事でも触れていないのがエンジンで、当然交換する前提なのでしょう。どちらにせよ60年間も供用できれば大変良いお買い物ですね。さて、航空自衛隊はどうするのでしょう。F-15J改改として同様に供用するのでしょうか。その時にはF-3が航空優勢、F-35が攻撃を受け持ち、初めてF-15が支援戦闘機となりますね。

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Air Force Begins Massive High-Tech F-15 Upgrade to Stay in Front of Chinese J-10

KRIS OSBORN
Friday at 1:44 AM



  1. 米空軍は1980年代製F-15戦闘機に新型兵装、センサーを与えて空対空優勢を中国製J-10に対し確保すべく改良を熱心に進めている。
  2. その内容に電子戦、超高速コンピューター、赤外線捜索追尾システム、ネットワーク能力の強化、火器管制能力の工場があると空軍とボーイングが述べている。
  3. 「空軍はF-15を2040年代中頃まで供用する考えです。F-15の搭載システム多くが1970年代製でシステム更新は避けられません。まず2021年にF-15CへAESAレーダー搭載が完了し、2032年にEW(電子戦)装備更新が終わります」と空軍広報官ロブ・リース少佐がScout Warriorに話してくれた。
  4. 米空軍はほぼ400機のF-15C、D、E各形を運用中。改修のきっかけは米中関係のからみで2014年に出た米議会報告だ。(US-China Economic and Security Review Commission --www.uscc.gov) 報告書では中国の技術進歩が急速で米優位性が1980年代と比べると急速にその幅を減らしていると指摘。
  5. 一例として報告書は1980年代にはF-15は中国機に大きく優位性を有していたが、中国の技術進歩でJ-10はF-15にほぼ匹敵する性能になったと述べている。


  1. 性能向上改修のひとつが世界最高速のジェット戦闘機用コンピューター処理能力で高性能画像コアプロセッサーADCPIIと呼ぶ。「毎秒870億の命令を処理でき、搭乗員に高速かつ信頼できるミッション処理能力を提供します」とボーイング広報ランディ・ジャクソンがScout Warriorに述べた。
  2. その他防御面で敵攻撃に有効なシステムとしてイーグル・パッシブ・アクティブ警告生存システムがある。「脅威を識別し能動的に脅威に対応し、回避、欺瞞、ジャミングの各技術を応用します」とマイク・ギボンズF-15担当副社長がScout Warrior取材で説明している。
  3. ギボンズは目標捕捉追尾技術も導入すると説明し、パッシブ方式長距離センサーの赤外線捜索追跡システムIRSTを搭載する。
  4. 海軍のF-18スーパーホーネットが同技術を搭載済みで、赤外線つまり敵機の熱源を探知する。
  5. 「同時に標的複数を追尾し、空対空戦で必要な目標捕捉を高度な水準で実現し、敵にレーダージャミング技術があっても対抗できます」と海軍関係者が述べている。
  6. IRSTも高度脅威空域では空対空標的捕捉の代替手段になるというのが海軍、空軍、業界の共通意見だ。
  7. F-15には速度、航続距離、火器管制で能力を追加する。兵装搭載ポイントは16基に倍増されAIM-9xあるいはAIM-120空対空ミサイルが搭載され、今後登場する新型兵装にも対応する。このためハードウェアとともにソフトウェアも「オープン・スタンダード」形式のIPプロトコールと構造で対応する。
  8. 機体には「フライバイワイヤー」自動化機体制御システムも導入される。その他ヘルメットはデジタル式になりレーダー反射も減らしステルス性を獲得する。
  9. ただしF-15はステルス機でなく、戦闘投入できる空域は「非激戦」環境で、航空優勢確保が条件となる。このためF-15にはネットワーク能力も増強し、第五世代戦闘機F-22やF-35と連携を強化すると空軍は説明している。
  10. 改修の狙いとしてF-15部隊にはF-15に与えられたミッションを効果的に実行させることがあり、F-22が航空優勢を確保しF-35が精密攻撃を行うのを支援するとリース少佐は述べる。
  11. 「改修しても第五世代戦闘機と同等になりません。F-15で第五世代機の支援を行い、F-15はそこまで厳しくない空域で活動させます」(リース少佐)
  12. ギボンズは改修でF-15は中国戦闘機へ優越性を確保できるという。「F-15は重要な機材であり、高高度で高速飛行し、大量の兵装を搭載できます。航空優勢確保のため生まれてきたマシーンですね」■