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9月, 2010の投稿を表示しています

5年間滞空するソーラーイーグルUAS

Boeing/Qinetiq Team Wins Darpa UAS Contract aviationweek.com  Sep 24, 2010     ボーイングは国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)より89百万ドルの契約でヴァルチャー5年間飛行可能無人機システムとして太陽電池を動力とする試作機の開発を開始することになったが、これが同社の無人機事業を大きく広げる原動力となるだろう。 DARPAはボーイングとキネティックQinetiq と共同で開発のソーラーイーグルを採択し、ロッキード・マーティン案は不採用となった。その前にオーロラサイエンシズ案がまず不採択となっている。 DARPAの目指す目標は5kw動力で5年間連続滞空しペイロード1,000ポンドの機体。「擬似衛星」と呼称される同機の性能諸元を2014年まで検討していく。 ソー ラーイーグルの動力は太陽電池以外にキネティック開発の燃料電池を利用する。キネティックは全巾400フィートのゼファー無人機開発の実績がある。ボーイ ングのファンタムワークス社長ダリル・デイヴィスは当初の目標は30日連続飛行の実現といい、2014年をその目標とする。 DARPAのめざすのは太陽光の効率的な収集方法、信頼性の高いエネルギー貯蔵および利用技術、航空機の信頼性確保、空中で弾性をもつ機体構造の制御技術だ。 「ヴァルチャーで開発する技術は革命的で従来の航空宇宙技術の常識を打ち破るものとなります」(DARPAのダニエル・ニューマン主査)「広範囲で応用が可能で、将来の可能性を拡大します」 最終的には通信機器あるいは情報収集装置を搭載して、現在は衛星が果たしている機能に取って代わるのが目標だ。

特報 日本がグローバルホーク導入

                 Japan To Decide This Year On Global Hawk aviationweek.com Sep 24, 2010     日本は年末までにノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク合計4機の導入を決定する見込みだ。同機は別途改装を受けて弾道ミサイル防衛網の補強にも利用される。 長年にわたり本件は同国で検討されていたものだが、防衛大綱の一部として初めて公になる。同国防衛関係者が明らかにした。 防衛幕僚監部が発注方法を検討中で、4機体制にすれば継続したパトロールが可能と判断した。 海上自衛隊は無人機の運用は時期尚早として導入の先送りを求めている。海上自衛隊はむしろグローバルホークの派生型MQ-4Cの導入の可能性が高まることを期待している。ただ、MQ-4Cは米海軍向けに開発が完了していないが、海上警備を特化した仕様になっている。 こ れに対し航空自衛隊は早期導入を主張し、ブロック30つまり現在米国で生産中の機体の導入を推している。日本製のセンサー類はまだ利用可能でなく、装備し ても機体との統合性の問題がある。仮に同機の導入を喫緊の課題として今発注すると、米国仕様の機体から機密性のある装備やソフトウェアが取り外される可能 性もある。 そのため、日本国内メーカーがセンサー類を開発して後日装備する可能性も出てくる。この方法が実利的と思われるのは、日本製センサーの開発導入に結構時間が掛かる可能性があるためだ。 この改良の一部に日本製エアボス赤外線ミサイル探知追跡装置が含まれるだろう。このセンサーはすでに2007年12月にUP-3C改造哨戒機に搭載されてその機能が十分に発揮されることを実証済みだ。 同 センサーは60センチメートル(24インチ)と大きな開口部があり、米国製の同等装備よりも重量が大きい。ただし、同装置を想定したRQ-4Bの構造特 性、電気系統容量を考慮すると主翼下部に二基のエアボスを搭載することができそうだ。三菱電機とNECがエアボス開発に関与している。 ミサイル防衛任務に日本のRQ-4部隊は空中センサーとして組み込まれる。そしてセンサーは空中の他の機体、例えばジェネラルアトミックスMQ-9プレデターあるいは海上ミサイル護衛艦とリンクされる。 RQ-4に武装のオプションはない。

グアムに配備されたグローバルホークの監視対象はどこか

USAF, Navy To Coordinate Guam Global Hawks aviationweek.com     Sep 21, 2010         アンダーセン空軍基地(グアム)にて 米空軍、海軍それぞれが保有するグローバルホークはアンダー船空軍基地で支援機能を共有するほか、それぞれのミッションを補完することが両軍が6月12日に調印した合意内容に基づき高高度偵察活動を実施することになりそうだ。 グアムにグローバルホーク部隊の第一陣が到着した際の式典で第13空軍司令官カーライル中将と太平洋空軍司令官ノース大将からグローバルホークは特定の国を対象とした運用のために配備されているのではないとの発言があった。 ただし「誰かに監視されていると、人はお行儀よくなるものだ」(カーライル中将)と付け加えている。 今回グアムに配備されたのはRQ-4グローバルホークのブロック30の機体だ。海軍は派生型のMQ-4を広範囲洋上監視機として導入を進めている。MQ-4の配備で一部のP-3Cはグアムでの運用を終える。 ノースロップ・グラマンはブロック40型のグローバルホークを製作中で空軍は同型の性能を確認する意味で同型の開発用の機体を運用することになろう。 ブロック40ではブロック30の機体を大型化し、MR-RTIPレーダーを搭載する。これはアクティブ電子スキャン・アレイ・ソナーでノースロップ・グラマンとレイセオンの共同開発。 グアムに配備されたのはRQ-4合計三機で空軍は長距離連続パトロールをグアムから実施することが可能となった。 グ ローバルホークはこれまでロッキード・マーティンU-2が実施してきたミッションを肩代わりしているが、両型式は実は補完関係にある。カーライルによる と、U-2の運航コストは大きく増加しているものの、グローバルホークでは実行不可能な機能をもっているとのことだが、詳細の言及はされなかった。 コメント  日本の南方でなにやら不穏が動きがありますが、合わせて中国内部でもこれから動きが出来るでしょう。そこで米国はISR能力をこの地域で機動的に運用できるように工夫しているのですね。日本の外交にも正確な情報を提供できるようにしてあげたいので、自衛隊のISR能力拡張がほしいところですね。

ABL空中発射レーザー実験は正念場を迎えるのか

ABL Shifts Back To Solid-Fuel Target aviationweek.com Sep 17, 2010                                                米ミサイル防衛庁は747-400F改修の空中レーザー発射機を固体燃料ミサイルを目標に撃墜実験を今月末を目標に実施する。 関 係者によると今後の飛行発射実験は当面は固体燃料を用いる目標に目標に戻す。今回使用される目標は非誘導のテリアブラックブラント・ロケットとなる可能性 が高い。実施となるとABLの目標補足は2月以来の実施で、短距離弾道ミサイル(SRBM)の発射後初期段階を想定するものになる。 さ らに10月予定のテストでは固体燃料目標を2月の実験時よりも3倍遠い距離から撃破を目指すという。一方、MDAは9月1日に失敗した液体燃料による SRBM撃墜後のシステム修正用にソフトウェアの手直しにとりかかっているという。ABLはその際は目標を捕捉、追跡したが、光線制御のソフトウェアに誤 りがあったため実験は終了してしまったという。高出力レーザー光線が目標の中心からわずかにそれたため。 この失敗がもともと目標補足が困難な液体燃料による飛翔体対応でシステムに問題があったのか、今回だけの問題だったのかは明らかではない。 コ メント  元からゲイツ国防長官始めペンタゴンから開発中止の烙印を渡されていたABLですが、9月1日の実験失敗で中止の日程が早められようとしているよ うです。そうとはさせじと失地回復のためのテストをするようですが、固体燃料ミサイルが液体燃料ミサイルよりも捕捉が容易とすれば、いかにもというテスト ですね。射程距離を長くするのは意味があるかもしれませんが。もともと化学レーザーはサイズが大きくなるので固体レーザーに変更する作業が進んでいるは ずですが、次期ABLにここは期待したいところです。

F-35開発の状況 型式で異なる進展

F-35's Unequal Progress Ares,  Defense Technology Blog, Aviationweek.com 9/12/2010 ロッキード・マーティンは生産型F-35エンジン作動テストを開始したが、共用打撃戦闘機の開発はあたかもジキルとハイドの様相を示している。通常離着陸型で低レート生産ロットの最初の二機のひとつAF-6 は9月8日に高出力エンジンテストを完了している。 F- 35Aの開発用機材によりJSFテスト計画は予定より早く今年になり進展しており、8月末までに233回のフライトが実施されている。計画では196回 だった。ただ、STOVL型のテストが大幅に遅れている。この原因がF-35Bテスト機の信頼性が低いことで、8月までの計画上の153回に対して122 回しかテストを実施していない。 また、F-35C空母搭載型の実施回数が同時期14回だったので、エドワーズ空軍基地F-35Aの二機が39回の予定に対して97回もフライトを実施していることになる。このように順調に推移しているA型がジキルで、機体を下回る形のB型がハイドというわけだ。 こ の対照が最悪を脱したのが8月でSTOVL型の稼働率が向上したためだ。エドワーズのA型2機が予定の9回に対して22回のフライトを実施し、パタクセン トリバーのB型4機は予定28回に対して26回のフライトだった。合計は最大だった。これでもSTOVL型の計画は年末まで予定を下回るペース。 問 題はF-35B一号機のBF-1が垂直着陸性能を発揮していないこと。これが実現するとその他テスト機もSTOVL運用が認められる。このためには垂直着 陸50回が必要で、これまでのところまだ10回しか実施していない。年末までに空母運用の資格取得が下りないと、海上STOVLテストを2011年5月に 予定しているが、この実施が危うくなる。 防衛専門誌 Inside Defense に よるとSTOVLテストには予定に追いつくのは問題があるという。その理由には運用条件から「定常風、滑走路が濡れている、近隣で雷が発生している等の天 候条件」がある場合は飛行を実施していないためだという。海軍航空システムズ軍団が非常に慎重に対応しすぎているのではないか。 その一方で、JSFのテスト機材ではAF-3が最終

サイバー軍団の役割とは

Cyber Command Defines Its Mission aviationweek.com Sep 3, 2010                                                米 サイバー軍団がフォート・ミード’メリーランド州)で戦略軍の傘下に発足したのが今年の5月で、司令官はアレクサンダー空軍大将である。同大将は国家安全 保障局の局長と中央安全保障機構の長も兼任。議会は同大将に「国防総省関連の情報ネットワークの運用及び防衛の指揮、体系的かつ状況に応じた計画立案、サ イバー活動の統合調整」の権限を与え、「全方位の軍事サイバー作戦により米国及び同盟国がサイバー空間で活動に制約が生じないように」することを求めてい る。 だ が、実際に同軍団函の役割をどう果たすのか。その答えの一部はIT関係者の取りまとめを各軍、戦闘部隊、情報収集機関、民間部門、公益事業、州法執行機関 からどうやって実施するかにある。外国政府や非国家組織も国防総省ネットワークに対するサイバー諜報活動や攻撃に関与している疑いがある。このすべてを勘 案してサイバー軍団は15,000におよぶペンタゴンのネットワーク、4,000ヶ所の軍事拠点、7百万台を超える国防総省管理下のコンピューター・通信 装置をつなぎ、強化する任務にあたる。これだけの対象があるので、問題の範囲は圧倒的な規模だ。 サイバー戦そのものの定義がまだない中で同軍団が発足し、課題に取り組無のは歴史の中で硬直してしまった米国の戦闘司令部の制約を外す意味もある。 国 防情報局、国家安全保障局、国家偵察局での経験をもつ安全保障コンサルタントのマイケル・タンジはサイバー軍団は「マトリックス構造の中で活動」して軍民 を問わず最適人材を配置し、軍の所属と関係なく問題を解決すべきだと言う。「ピラミッド型の組織図や、さらに小型のピラミッドがその下にあるような組織で はうまく動きません。サイバー軍団は防衛と攻撃を任務とすべきで、その最善な方法は全員を一緒に動かし、敵の考え方を理解し、敵の用いる手段をりかいさせ ることです」(タンジ) 同 軍団の運用では新しい方向性が必要だという見方は他の専門家にも共有されている。「空軍や海軍の創設時とは事情がちがう。サイバー分野では10年から15 年の遅れが生じており早く追いつか

次世代爆撃機構想の最新状況

Pentagon Bomber Evolution Underway aviationweek.com Sep 2, 2010                                       今後配備すべき長距離爆撃のニーズ分析の最新版がぎりぎりのタイミングで提言としてまとまられ2012年会計年度予算案に反映されることになった。 だ からといってこのニュースに期待を寄せる向きは第一線の爆撃機運用部門には皆無に近い。各軍の統合運用構想を取る政治上の動きでは地上軍が大きな影響力を 持っており、調達予算にも反映されがちだ。また共用打撃戦闘機の費用超過もあり、提言の内容は控えめなものになりそうだ。 提言に盛り込まれる可能性が高いのは長距離通常弾頭弾道ミサイルだが。開発日程・予算規模ともに不明だ。通常型迅速グローバル攻撃(CPGS)構想が海兵隊カートライト大将(統合参謀本部副議長)のお気に入り。 次 の二つの構想には指示はあるものの予算はほとんど期待できない。1)各軍共用の長距離巡航ミサイルでヴァージニア級潜水艦、B-52のどちらからも発射で きる 2)海軍の無人戦闘航空機(UCAV-N)構想で空母航空部隊の航続距離を拡大する この二つともに将来の空中、海上戦闘の定義に合致するもので中 国の西太平洋における軍拡に呼応するものになる。 そ こで米空軍の将来型爆撃機はカートライト大将やゲイツ国防長官にも受け入れられる構想としてこの10年間研究しつくされてきた研究成果を元にすることにな る。ブリードラブ空軍中将は空軍参謀副総長(業務、立案、予算要求担当)として「爆撃機」という名称はもはやペンタゴンでは使われていないし、機体サイズ は相当小さくなるという。カートライトはUCAV-Nの空軍版を好ましいと考えているという筋もある。 空軍参謀総長シュワルツ大将とドンリー空軍長官は新型爆撃機の案件をまだ真剣に考えていない。四つ星将官で新型爆撃機構想を支持しているのは戦略軍司令官チルトン大将だけだ。 こ うして軍上層部の支持がないまま、次世代爆撃機支持派は名称を「偵察・打撃」機に変更した。デプチュラ中将が退役前の記者会見で情報収集、監視偵察任務 (ISR)および攻撃任務は今や別々に取り扱えないとの自説を改めて披露している。敵地奥深くまで侵入できる偵察機が武装できない