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2026年6月3日水曜日

バルト海のゴットランド島がNATO防衛の拠点になってきた ― 欧州はそれだけロシア侵攻を現実のものと受け止めているのです。それにしてもプーチンはロシアを誤った方向に導いていますね

 


写真:ビクター・ジャック

NATOはバルト海の防備を整備しプーチンに対抗

NATO prepares a Baltic fortress to head off Putin


米国との安全保障関係が疎遠になる中、ゴットランド島はロシアの攻撃に備えている

  • POLITICO

  • ヴィクター・ジャック

  • スウェーデン・ゴットランド島発

https://www.politico.eu/article/nato-prepares-a-baltic-fortress-to-head-off-putin/


NATOは、風雨にさらされるバルト海の島を急速に要塞化している。軍事立案部門は、この島をロシアに対する同盟の最前線として、戦略的に極めて重要な拠点の一つと見なすようになってきている。

バルト海の真ん中に位置するゴットランド島は、ロシアの重武装された飛び地であるカリーニングラードからわずか300キロメートルの距離にある。ロシアの侵略、ハイブリッド攻撃、そして欧州の安全保障に対する米国のコミットメントの揺らぎに懸念が高まる中、スウェーデンとNATO同盟国は、ゴットランド島を再び軍事要塞へ変えるべく急ピッチで動いている。

先週、スウェーデンは2024年のNATO加盟以来、同島で初めてとなるNATO主導の演習を終了した。13カ国から約1万8000人の兵士が、ロシアによる攻撃に備え、ゴットランド島の埃っぽい平原で訓練を行った。

島の西側で兵士たちが装甲車の間を縫うように移動する中、スウェーデンのマイケル・クレッソン国防参謀総長は本誌に対し、ロシアの攻撃は「いつ起こってもおかしくない」と語った。

演習は、スウェーデンが直面する困難を浮き彫りにした。米国は参加規模を縮小した(ドナルド・トランプがNATOから距離を置くという大きな流れの一環である)上、訓練に参加したウクライナ軍は、スウェーデンの装甲部隊を瞬く間に撃破することで、ドローン戦術での熟練ぶりを披露した。

全面戦争には至らないものの、ロシアによる目立たないハイブリッド攻撃への対応を調整する必要もある。

「ロシアの活動が著しく活発化している……ケーブル切断、ドローンの上空飛行、スパイ活動事例多数が見られる」と、シンクタンク「アトランティック・カウンシル」の北欧担当ディレクター、アンナ・ヴィースランダーは述べた。「米国の関与について不確実性が大きい状況下では……ロシアがこれを好機と捉えるリスクが高まる」

不沈空母

デンマーク、スウェーデン、そして一時的にロシアとの間で支配権が移り変わってきたゴットランド島は、極めて重要な戦略的資産である。

スウェーデン国防参謀総長ミカエル・クレッソン。 | ビクター・ジャック/POLITICO

「現代の(兵器)システムの射程と配置を考えれば、ゴットランド島を掌握すれば、バルト海の多くを掌握できる」と、政府系機関スウェーデン国防研究庁の副所長、ニクラス・グランホルムは述べた。

同島は、この地域全域における航空作戦の重要な発進拠点としての役割から、「沈まない空母」という異名を持つ。同氏によれば、そこから離陸した戦闘機は、バルト海のどの首都にも「数分以内」に到達できるという。

ロシアが同島を占領し、防空システムを配備すれば、バルト三国やフィンランドへ物資を輸送する船舶や航空機を遮断し、同盟国の増援部隊の流入を断つことができると彼は主張した。逆にNATOがゴットランド島を保持すれば、モスクワのバルト海へのアクセスを遮断し、長距離ミサイルを用いて地域を防衛し、ロシア国内の深部まで弾薬を発射することが可能になる。

ロシアの脅威に対応し、ストックホルムは人口6万人の同島の再軍事化を急速に進めている。これは、冷戦後にゴットランド島にわずかな兵力しか残さなかった兵力削減の流れを逆転させるものだ。スウェーデンはインフラ整備に2億ユーロ以上を投資し、防空システムを再稼働させ、CV90装甲車とレオパルト2戦車を装備した連隊を再編成した。

ゴットランド連隊の司令官アンドレアス・グスタフソンは本誌に対し、「1年以内に」4,500名の現在の駐留部隊に「少なくともさらに1,000名」の輪番部隊が加わると語った。同氏はまた、長距離砲兵部隊が「早ければ」合流することを期待していると付け加えた。同島には2028年から、新しい中距離防空システム「IRIS-T」が配備される見込みだ。

ヴィースランダーによると、想定されるシナリオの一つに、ロシアが民間船を利用して島へ部隊上陸を密かに試み、その際、無線信号を妨害し、ドローンで防空システムを無力化するというものがあるという。

ゴットランド連隊司令官のアンドレアス・グスタフソン。 | ヴィクター・ジャック/POLITICO

こうした懸念はあるものの、特に2024年にスウェーデンがNATOに加盟して以来、ゴットランド島の安全保障は現在「良好な状態」にあると彼女は付け加えた。

演習は多国籍協力を検証することを目的としており、カナダとデンマークの兵士、フィンランドのF-18戦闘機、英国の狙撃兵、米国とノルウェーの海兵隊、そしてオランダのアパッチヘリコプターが結集した。

スウェーデンの同盟加盟は「我々が計画を再設計したことを意味する」と、ヴァージニア州にあるNATO統合司令部の計画担当副参謀長フランスのフレデリック・ド・ルピリー海軍少将は述べた。

ゴットランド・ギャップ

ロシアによる正面からの攻撃に備えるだけでなく、ゴットランド島はモスクワからのハイブリッド脅威の増大にも直面している。

過去18ヶ月間で同島では重要なポンプが破壊され突然の水漏れが発生し、海底光ファイバーケーブルの切断に見舞われ、航空機から救急車に至るまであらゆるものに影響を及ぼす電波妨害が頻繁に発生している。

クレッソン陸軍参謀総長は、こうしたハイブリッド攻撃について「かなり懸念している」と述べた。「明らかにロシアの戦略は……弱点や脆弱性を特定し、それらを最大限に利用しようとすることにある」と彼は付け加えた。

スウェーデン軍の訓練を支援している、ウクライナ中部出身のドローン操縦士、タリク(24歳)。| ビクター・ジャック/POLITICO

その他NATO加盟国と同様、スウェーデンも米国の支援が減少、あるいは全くない状況下で戦わなければならないという差し迫った見通しに直面している。この1ヶ月だけでも、トランプはドイツとポーランドからの突然の部隊撤退を発表し欧州を不意打ちにし、さらなる長期的な戦力削減を示唆し、同盟の信頼性を損ない、ワシントンの信頼性についてさらなる疑問を投げかけている。

その揺らぎを示す兆候として、事情に詳しい人物によると、米国はゴットランド演習への派遣兵力を大幅に削減した。米陸軍欧州・アフリカ軍(USAREAF)の広報担当者は本誌に対し、「各国からの参加規模は計画段階で変更されることがよくある」と述べ、それでも300人の米兵が参加したと指摘した。当初の計画人数については明らかにしなかった。

一方で演習に参加した米軍兵士らは、軍同士の絆は依然として強固であると主張した。「我々の部隊は極めて良好に連携している」と、ゴットランド島に派遣された米海兵隊大隊の指揮官、トラヴィス・チェンバレン中佐は述べた。「我々は高いレベルの統合を目の当たりにしてきた……部隊をどのように保護し、島全体で兵站支援を提供するかについて、非常に詳細な統合安全保障計画に取り組んできた」と、彼は兵士たちが芝生の囲いの中でスウェーデン軍兵士と交流する中、語った

GDPの2.5%を防衛費に充てるNATO加盟国の中でもトップクラスの防衛費支出国であり、強力な国内兵器産業を有するスウェーデンは、「ゴットランド島の防衛において米国に依存していない」とヴィースランダーは述べた。しかし、ペイトリオットPAC-3ミサイルや装備の整備といった後方支援など、特定の兵器システムに関してはワシントンの協力が必要だと彼女は述べた。

今回の演習は、ドローンによる大規模攻撃という新時代の到来も浮き彫りにした。この分野において、ウクライナとロシアは革新性と生産能力の面で同盟国を大きくリードしている。

ゴットランド島に派遣された米海兵隊大隊の指揮官、トラヴィス・チェンバレン中佐。 | ビクター・ジャック/POLITICO

コールサイン「タリク」というウクライナ中部出身の24歳のドローン操縦士によると、ウクライナ兵17名がドローンを展開してスウェーデン軍部隊を殲滅したため、スウェーデン軍は演習の一部を3回にわたりやり直すことを余儀なくされたという。

「最大20両の戦車が機械化攻撃を仕掛けるというシナリオの任務があった」と彼は本誌に語った。その背後では、継ぎ接ぎされた片道攻撃用ドローンが田園地帯の空を飛び交っていた。「ただドローンを飛ばしただけだ。敵は全部見えたから、格好の標的だったよ」と彼は言った。

さらなる事態への備え

スウェーデン、NATOは、これらの問題に対処するため懸命に取り組んでいると主張している。

最近のハイブリッド攻撃を受けて、地域政府の責任者メイト・フォーリンは、沿岸警備隊、警察、消防、軍、病院、水道・エナジー事業者らと「毎週」会合を持ち、エナジー不足から物資の封鎖、地元の港への武力攻撃に至るまで、あらゆる想定されるシナリオへの対応策を策定していると述べた。

「あらゆる事態を把握しておかなければならない」と、島の中世からの首都ヴィスビーにあるオフィスから彼女は語り、現在、島内の全92の教区と連携し、あらゆる危機シナリオへの対応方法を指導していると付け加えた。

ゴットランド連隊長のグスタフソンは、ウクライナのドローン部隊から即座に教訓を得ていると語った。「彼らが実際に使用し、日々直面しているドローンの数には驚かされた」と彼は述べた。「私が得た最大の教訓は、我々もドローンを用いた訓練を増やさなければならないということだ」

ゴットランド島の事実上の市長メイト・フォーリン。 | ヴィクター・ジャック/POLITICO

しかし、同盟にとってゴットランド島が重要であることを踏まえると、一部の首都では依然として、NATOはさらに多くができるはずだと指摘している。匿名を条件に自由に発言した2人のNATO外交官は、ロシアを牽制するため、同盟はゴットランド島に長距離防空システムを恒久配備することを検討すべきだと述べた。

「鍵は、モスクワに主導権を握らせないことだ」とクレッソン氏は語った。「我々は手をこまねいて、ロシア軍の再編がどの程度進むかを待っているべきではない」とスウェーデンの国防相は述べ、「その代わりに、常に警戒を怠らず、準備を整えておくべきだ」と続けた。

2025年6月7日土曜日

技術移転の約束により、タイはスウェーデンのグリペン戦闘機採用に舵を切った(Defense News)



イがグリペンE/F戦闘機12機を3段階に分け購入する決定をしたのは、スウェーデン政府によるオフセット・パッケージが決め手だった。

 この経済的・技術的支援により、サーブのグリペンはアメリカのF-16ブロック70/72の競合機を打ち負かした。

 6月4日、タイ空軍(RTAF)は記者会見を開き、グリペンの追加購入を発表した。

 昨年8月に最終オファーが提出された際、サーブは「スウェーデンの提案は、タイにとって重要な技術や国家能力の主要分野をカバーする体系的で長期的な計画を通じて、契約額を上回る最高の投資対効果をタイに保証する」と宣言していた。

 サーブのオフセット・パッケージ(プロジェクト金額の約155%に相当)は、航空宇宙産業と自給率向上に熱心なタイにとって特に魅力的であることが証明された。

 「オフセット委員会は、利益を最大化し、政府および国防相の政策に従うことを目的として、防衛オフセット提案に関してサーブと交渉を行った」とタイ航空局は声明で述べた:

 スウェーデン提案での重要な要素は、サーブが開発したタイ独自のLink-Tデータリンクである。現在、これを装備しているのは一握りのタイの航空機と数隻の軍艦だけである。

 バンコクは現在、Link-Tの無制限使用と拡張のため知的財産権を獲得している。「サーブはLink-Tの開発能力をRTAFと地元の防衛産業に移転する予定である。

 Link-Tはタイのマルチドメイン作戦能力を強化する。米国がデータリンクを厳重に管理しているため、ロッキード・マーチンのF-16はこの点で対抗できない。

 タイの2機のサーブ340空中早期警戒機もアップグレードされる。 さらに、現地にグリペンの整備、修理、オーバーホールのハブが設置される。

2024年3月4日、NATOノルディック・レスポンス24軍事演習中にスウェーデンのルレア・カラックス空港を離陸するJAS39グリペンC/D戦闘機。 (Anders Wiklund/TT News Agency/AFP via Getty Images)


 さらに、タイ企業はグリペンのサプライチェーンに参加し、タイヤ、ベアリング、クランプ、機体部品などの部品を製造する機会を得る。

 訓練支援は、パイロット6人、整備士18人、サポートスタッフ2人の計26人が対象。2025年から29年にかけて、サーブはネットワーク中心の飛行計画と訓練のためのミッション・サポート・システムに加え、ロジスティクス管理とメンテナンスのためのメンテナンス・グラウンド・サポート・システムを提供する。

 サーブはこの選定を歓迎し、次のように述べている: 「グリペンE/F戦闘機と関連機器に加え、サーブ提案には長期的なオフセット・パッケージが含まれている。これは、タイの国家安全保障と戦略的独立性に利益をもたらすと同時に、タイのさまざまな社会部門に新たな雇用と投資をもたらすものです」。

 タイのグリペンE/Fには、Raven ES-05レーダー、SkyWard赤外線サーチ&トラック、Arexis電子戦スイート、照準ポッドとスタンドオフ武器機能、Link-T、Meteor、IRIS-Tミサイル、Targoヘルメットマウントディスプレイが搭載される。

 初期バッチは、3機の単座型グリペンEと双座型Fで構成され、2025~2029年度に195億バーツ(約6億米ドル)で調達される。

 さらに8機のグリペンE/Fが2034年度までに納入され、102飛行隊の老朽化したF-16A/B戦闘機と入れ替わる。

 タイの航空機選定は、2024年8月27日に公表されたグリペンが指名されたことを受けて行われた。今回、選定が承認されたことで、空軍は8月中に調達契約に調印するとしている。■




Tech transfer pledge steers Thailand to pick Sweden’s Gripen warplane

By Gordon Arthur

 Jun 6, 2025, 01:52 AM

https://www.defensenews.com/global/asia-pacific/2025/06/05/tech-transfer-pledge-steers-thailand-to-pick-swedens-gripen-warplane/


ゴードン・アーサーについて

ゴードン・アーサーはディフェンス・ニュースのアジア特派員。 20年間の香港勤務を経て、現在はニュージーランド在住。 アジア太平洋地域の約20カ国で軍事演習や防衛展示会に参加。

2024年11月29日金曜日

スウェーデン、海底光ファイバーケーブル損傷の調査継続のため、中国貨物船にスウェーデン海域での滞留を要請中(USNI News)―そもそも錨をおろしたまま航行する行為がありうるのでしょうか。金銭のためなら何でもするのが中国の規範?

 

Sweden Requests Chinese Bulk Carrier To Stay in Swedish Water as Investigation Into Undersea Fiber-Optic Cables Continues

John Grady

November 27, 2024 3:02 PM

https://newsinterpretation.com/yi-peng-3-sabotage-investigation-international-tensions-rise/#google_vignette



ウェーデン首相は、バルト海で海底光ファイバーケーブル2本を切断した疑いのある中国のばら積み貨物船に対し、調査が続く中、滞留するよう求めている。

 「非難しているわけではないが、何が起こったのかを明確にすることを求めている」とウルフ・クリスターソン首相は記者会見で述べた。 

 また、スウェーデン当局は、11月15日にロシアのウスト・ルーガ港を出港したイペン3号と連絡を取っており、その行き先はエジプトのポートサイドである可能性が高いと付け加えた。

 スウェーデンの捜査当局は、今回のケーブル切断が偶発的なのか故意によるものかは明らかにしていない。

 月曜日、中国外務省は、デンマーク、リトアニア、ドイツを含むすべての関係者と「円滑なコミュニケーション」が維持されていると述べた。

 ドイツとスウェーデン両政府は、ケーブル切断が発覚した直後の共同声明で「意図的な損傷の疑いが直ちに浮上する事態」を調査していると述べた。欧州の安全保障は、ロシアのウクライナ戦争と「悪意ある行為者によるハイブリッド戦争」によって脅かされていると、共同声明は行為者を名指しすることなく述べた。

 ドイツのボリス・ピストリウス国防相は先週、ドイツとフィンランドを結ぶ730マイルのケーブルの断線が検出された後、「これらのケーブルが偶然切断されたとは誰も考えていない」と述べていた。

 「具体的にどこから来たのかわからないが、"ハイブリッド "な行動だと言わざるを得ない。そして、まだわからないが、妨害行為であるとも考えなければならない」。

 ピストリウスが発言した直後、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は定例記者会見で、「理由もなく何でもかんでもロシアのせいにし続けるのは極めて馬鹿げている」と述べた。

 報道によれば、中国船は現在移動しておらず、デンマークの排他的経済水域にいるという。 デンマークの軍当局はこの船を注意深く監視している。

 フィンランドとドイツ、スウェーデンとリトアニアを結ぶケーブルが破断したのは、11月17日から18日にかけてのことだった。

 ノルウェーの北極大学の海洋法の専門家であるアレクサンダー・ロットは、火曜日のWest Pointの "Articles of War "シリーズに寄稿した。 彼は、この船にはロシア人の船長がいると付け加えた。

 イーペン3号はデンマーク海軍の軍艦に伴われ、デンマークのグレートベルトを経由してバルト海を出たとロットは書いている。その後、デンマークとスウェーデンが設定したEEZコリドーを含むカテガット海峡に停泊した。

 月曜日現在、中国船はカテガットのデンマーク領内に留まっている。  デンマーク海軍、ロシア、ドイツの軍艦、スウェーデンの沿岸警備隊もこの海域で目撃されている、とロットは書いている。

 中国船に乗り込もうという動きは報告されていない。 また、このばら積み船と海難事故を結びつける直接的な証拠もない。

 スウェーデンの首相は火曜の記者会見で、「比較的短期間に深刻な物理的ケーブル破断があったのは、これが2度目だ」と付け加えた。 首相は、中国がこの要請に前向きに応えてくれることを期待していると述べた。

 8月に中国は別の中国商船が錨を引きずったまま、フィンランドとエストニアの間のバルト海でガスパイプラインと通信ケーブルを誤って切断したことを認めた。

 欧州の調査当局は、2023年の事故が偶発的なものであったと考えているかどうかについては明らかにしていない。

 この2つのケーブル切断事故と、2022年に起きたノルドスチーム1号とノルドストリーム2号の謎の爆発事故は、重要インフラがテロリストや紛争の「グレーゾーン」で活動する政府による攻撃に対していかに脆弱であるかを浮き彫りにしている。

 これらの爆発事故は現在もドイツの司法当局によって調査中である。■


https://news.usni.org/2024/11/27/sweden-requests-chinese-bulk-carrier-to-stay-in-swedish-water-as-investigation-into-undersea-fiber-optic-cables-continues


2024年1月2日火曜日

2024年の展望⑥ スウェーデンがNATO加盟へ

  • ロシアにどんどん不利になる欧州方面の環境ですが、スウェーデンのNATO加盟が決定打になるのではないでしょうか。一方、日本もロシアと国境をはさみ、千島四島という未解決の領土問題を抱えていることを忘れてはなりません。その意味でNATOと日本が接近するのは当然のことなのですが、東京事務所開設に反対したマクロンの世界観がなんともうらめしいですね。




加盟が承認されれば、ストックホルムは特に空と海の領域で、NATOへの多大な軍事的貢献が広く期待される



国フィンランドが2023年4月にNATO加盟したのを見届けた後、スウェーデンが32番目の加盟国としてNATOに名を連ねることになりそうだ。

 北欧の安全保障を不安定にしたロシアのウクライナ侵攻の直後、スカンジナビアの2カ国は同時に加盟を申請した。フィンランドは無事通過したが、トルコの反対でスウェーデンのNATO加盟は遅れている。

 トルコは、テロ関連法の強化や、PKK過激派やグレン運動への対応についてストックホルムに譲歩を求めた。グレン運動は、2016年のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対するクーデターの責任があるとアンカラに非難されている。スウェーデンとフィンランドはまた、トルコによるNATO加盟への協力の見返りとして、アンカラに対する武器禁輸を解除した。

 すべての政治的論争が決着し、NATOが最も新しい加盟国を迎える前に、スウェーデンの加盟の批准にはトルコとハンガリーの議会投票だけが残っている。

 NATOでは同盟国に対するいかなる攻撃もすべての報復行動の根拠とみなす第5条がある。スウェーデンはまた、同盟の核戦力と、その核戦力が敵の戦略的意思決定に与える抑止効果の恩恵も受けることになる。

 スウェーデンは、2023年から2024年にかけて国防費を270億クローネ(24億米ドル)増加させると発表した。ストックホルムは2022年から軍事費を倍増させ、2024年には総額1200億クローネ(108億米ドル)弱を用意している。

 1994年以来NATOのパートナー国であるスウェーデンは、NATO主導の演習に参加し、アフガニスタンにおける同盟の支援ミッションに貢献し、招待国としての地位を得て以来、同盟の各種会合に出席している。

 しかし、NATOに加盟していないため、スウェーデン軍によれば、集団防衛義務や「共通作戦計画」から除外されている。

 加盟が承認されれば、ストックホルムは特に空と海の領域で、NATOに多大な軍事的貢献をすることが広く期待されている。

 スウェーデンのカール・ビルト元首相は、スウェーデンとフィンランドの艦隊が同盟に参加するようになれば、バルト海地域は250機以上の戦闘機でパトロールされるようになり、ゴットランド島はNATOの前方作戦基地になると見ている。ゴットランド島は、スウェーデンとロシアのカリーニングラード州間のバルト海で中心に位置する戦略的に重要な島だ。

 ドナルド・トランプが政権に返り咲き、キーウへの支援を削減または縮小するという脅しを実行に移した場合、ヨーロッパはアメリカの莫大な資金なしに戦費を賄うという見通しに直面することになる。■


Sweden to finally enter NATO: Europe's 2024 preview - Breaking Defense

By   TIM MARTIN

on December 29, 2023 at 1:30 PM


 

2023年12月11日月曜日

スウェーデンが国内基地を米軍に開放。北欧の安全保障地図は大きく変貌しそうだ。ただし、スウェーデンのNATO加盟は未決のまま。

 ロシアの無謀な行為が本来ロシアが避けるべき、国境近隣でのNATOのプレゼンスを増大させているという皮肉な進展の一つです。Aviation Week記事からのご紹介です。

US Air Force aircraft in lulea SwedenA U.S. Air Force Rockwell B-1B Lancer at the Swedish Air Force base in Lulea, Sweden.Credit: TT News Agency/Alamy Stock Photo

米軍がスウェーデンの空軍基地を利用できるようになる。

防協力協定(DCA)は12月6日署名され、スウェーデン議会の承認を待つ。協定により、米軍は北欧諸国での演習や活動が可能になる一方、米軍の法的地位、基地エリアへのアクセス、スウェーデンでの物資の事前保管などの規制が変わる。

スウェーデンのNATO加盟は、ハンガリーとトルコ両政府が加盟を批准していないため、遅れたままだ。

協定により、米軍はスウェーデンの基地に防衛装備品を配備・保管できるようになる。また、米軍機の上空飛行、空中給油、スウェーデンの飛行場からの離着陸も許可される。

協定によると、米軍機には航空航行料金や、上空飛行料金、経路料金、ターミナル・ナビゲーション料金などの料金が課されす、スウェーデン政府が所有・運営する飛行場での着陸料や駐機料も課されない。

米国は、ハルムスタッド、ルレア、ロンネビー、サテナス、ウプサラのスウェーデン空軍基地やヴィドセル空軍基地、試験飛行場で航空機を運用することができる。

スウェーデン国防当局は、この協定を「スウェーデンとアメリカの長期的な安全保障・防衛協力の自然な発展」と説明している。DCAは、スウェーデン政府がロシアのウクライナ侵攻による「ヨーロッパの安全保障状況の悪化」と呼ぶ状況の中で生まれた。

DCAに先立ち、両国はすでに2016年に合意した二国間防衛協力の強化に関する意向表明と、2018年に遡るフィンランド、米国との三国間意向表明を実施していた。

スウェーデン政府関係者は、「協定は、米国が欧州と近隣の安全保障に関与し続けている明確なシグナルである」と述べ、他にも同様の協定がノルウェーと結ばれており、デンマーク、フィンランドとも結ばれる予定と述べている。■

Swedish Bases To Be Opened To U.S. Forces | Aviation Week Network

Tony Osborne December 07, 2023


Tony Osborne

Based in London, Tony covers European defense programs. Prior to joining Aviation Week in November 2012, Tony was at Shephard Media Group where he was deputy editor for Rotorhub and Defence Helicopter magazines.


2022年1月18日火曜日

気になるニュース スウェーデンの原発はじめ重要施設上空に正体不明の無人機目撃談が相次ぐ。他方、バルト海のロシア軍の動向に地政学的関心が高まっている。

 

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VATTENFALL

 

原発以外にも機微施設上空で無人機の飛行目撃が続いており、スウェーデン警察当局が調査をはじめている。

 

ウェーデン警察は、フォルスマルク原子力発電所Forsmark Nuclear Power Plant付近で新たな無人機目撃があったと確認した。前日にスウェーデン当局が、同原発付近と国内のその他原子力施設2カ所付近で多数のドローン侵入事案があり調査中と発表していた。

 

 

一連の事件は「国家的特別事件」に分類され、スウェーデン当局がドローン操縦者の意図に懸念を抱いていることを浮き彫りにしている。スウェーデンでは、政府機関や空港など機密性の高い場所で相次いで無人機が目撃されている。

 

スウェーデン市民が、同国最大の発電施設フォルスマルクの上空で新たな物体を本日未明、発見し、警察に通報してきた。警察の広報担当者Jonas Eronenによると、現場に派遣された係官は自ら物体を観察し、無人機であると評価したという。目撃情報を受け、警察ヘリコプターと原子力発電所の現場警備隊が出動したが、無人機は捕捉されず、逮捕者は出ていないとスウェーデン国営公共テレビ放送SVTが報じた。

 

スウェーデン語の頭文字をとってSäpo(セポ)とも呼ばれるスウェーデン保安局は、今回の目撃情報について、「現在の捜査対象に含まれていない」とコメントを控えている。警察のエローネン報道官は、さらに事件が彼らの仕事に加えられることは十分に予想されると述べた。Säpoは国家レベルの法執行・情報機関で、スパイ対策とテロ対策任務を一部担う点で米国の連邦捜査局(FBI)に類似している。

 

Säpo社はフォルスマルク上空での無人機目撃事件と、南部リンハルスRinghals原子力発電所とオスカルスハムンOskarshamn原子力発電所に関する調査を引き継いだと発表した。この調査が、最近報告されたバルセベックBarsebäck原子力発電所(2005年に廃炉となり、2028年までに取り壊される予定)付近の目撃情報も含むかは不明。

 

地元紙Aftonbladetによると、首都ストックホルム、およびキルナKiruna空港とルレオLuleå空港付近の政府機関上空を無人機が飛行したとの別々の報告について、地元当局は調査を続けるという。ストックホルムでは、国会議事堂(Riksdag)と、隣接する君主カール16世グスタフ国王の公邸であるストックホルム宮殿上空で無人航空機が目撃されたと報じられている。キルナはスウェーデン最北端の空港で、ルレオはスウェーデンの北東、ボスニア湾沿いに位置する空港。

 

各事件の無人機については、詳細は得られていない。Aftonbladet紙は匿名情報源を引用し、「小型のプロペラ機ではなく、少なくとも2メートル(~6.5フィート)の翼を持つ大型ドローンだ」と報じたが、これらの主張を立証する証拠は提供されていない。国内テレビ局TV2の以前の報道では、少なくとも1機は 「風に耐えられるほど大きな機体」だったと説明していた。

 

無人機目撃情報からは、一転除けば他にはほとんど何もわからないままだ。明らかに懸念されるのは、無人機操縦者が誰であれ、何らかの邪悪な意図を持っている可能性があると懸念される。潜在的な脅威としては、スウェーデンの原子力発電インフラや電力網等をスパイすることから、関連する無線ネットワークのサイバーセキュリティ上の脆弱性などの潜在的弱点を調べることまで、さまざまな可能性がある。物理的に限らず脆弱性を発見しておけば、将来の情報収集活動や攻撃に役立つ可能性がある。

 

市販改造型を含む無人機が、商用電力インフラをはじめ、民間の機密施設や、軍事目標にもたらす非常に現実的な脅威がすでに十分立証されている。The War Zoneは、2019年にアリゾナ州のパロベルデPalo Verde原子力発電所付近で発生した、同様に気になる、まだ説明のつかない一連のドローン目撃情報を最初に報告していた。現在公開されている米原子力規制委員会(NRC)資料によると、2015年から2019年の間に、パロベルデだけでなく、米国の原子力発電施設24か所で60件の無人機目撃事案があったことが判明している。

 

昨年末には、米国当局がペンシルベニア州の変電所付近に墜落した無人機が、未遂に終わった同州内電力網への攻撃に関与した可能性が高いと判断したことが明らかになっていた。

 

スウェーデンが隣接するロシアの活動へ地政学的な懸念を高める中で、こうした事件が発生した。スウェーデン軍は先週、ロシアの北方艦隊から3隻が到着したことを受け、バルト海の戦略的地点であるゴットランドGotland 島に装甲車、追加部隊数百人を配備した。スウェーデンはロシア海軍艦艇が同地域を離れたため、再び警戒態勢を敷いた。スウェーデン当局は、ロシアの動きが不規則であると感じており、海軍艦艇の配備とあわせヨーロッパの他の場所、特にウクライナとロシアの緊張の高まりとの関連性が議論の的となっている。

 

ストックホルムでの事件の調査結果と同様に、原子力発電所付近を飛ぶ無人機について、Säpoの調査から何が判明するかまだ不明だ。はっきりしているのは、スウェーデン政府が事態を非常に深刻に受け止めているということだ。■

 

Swedish Security Agency Declares A National Event As Drone Incursions Over Nuclear Sites Grow

 

BY JOSEPH TREVITHICK JANUARY 17, 2022