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2024年の展望⑥ スウェーデンがNATO加盟へ

ロシアにどんどん不利になる欧州方面の環境ですが、スウェーデンのNATO加盟が決定打になるのではないでしょうか。一方、日本もロシアと国境をはさみ、千島四島という未解決の領土問題を抱えていることを忘れてはなりません。その意味でNATOと日本が接近するのは当然のことなのですが、東京事務所開設に反対したマクロンの世界観がなんともうらめしいですね。 加盟が承認されれば、ストックホルムは特に空と海の領域で、NATOへの多大な軍事的貢献が広く期待される 隣 国フィンランドが2023年4月にNATO加盟したのを見届けた後、スウェーデンが32番目の加盟国としてNATOに名を連ねることになりそうだ。  北欧の安全保障を不安定にしたロシアのウクライナ侵攻の直後、スカンジナビアの2カ国は同時に加盟を申請した。フィンランドは無事通過したが、トルコの反対でスウェーデンのNATO加盟は遅れている。  トルコは、テロ関連法の強化や、PKK過激派やグレン運動への対応についてストックホルムに譲歩を求めた。グレン運動は、2016年のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対するクーデターの責任があるとアンカラに非難されている。スウェーデンとフィンランドはまた、トルコによるNATO加盟への協力の見返りとして、アンカラに対する武器禁輸を解除した。  すべての政治的論争が決着し、NATOが最も新しい加盟国を迎える前に、スウェーデンの加盟の批准にはトルコとハンガリーの議会投票だけが残っている。  NATOでは同盟国に対するいかなる攻撃もすべての報復行動の根拠とみなす第5条がある。スウェーデンはまた、同盟の核戦力と、その核戦力が敵の戦略的意思決定に与える抑止効果の恩恵も受けることになる。  スウェーデンは、2023年から2024年にかけて国防費を270億クローネ(24億米ドル)増加させると発表した。ストックホルムは2022年から軍事費を倍増させ、2024年には総額1200億クローネ(108億米ドル)弱を用意している。  1994年以来NATOのパートナー国であるスウェーデンは、NATO主導の演習に参加し、アフガニスタンにおける同盟の支援ミッションに貢献し、招待国としての地位を得て以来、同盟の各種会合に出席している。  しかし、NATOに加盟していないため、スウェーデン軍によれば、集団防衛義務や「共通作戦計画」か

スウェーデンが国内基地を米軍に開放。北欧の安全保障地図は大きく変貌しそうだ。ただし、スウェーデンのNATO加盟は未決のまま。

  ロシアの無謀な行為が本来ロシアが避けるべき、国境近隣でのNATOのプレゼンスを増大させているという皮肉な進展の一つです。Aviation Week記事からのご紹介です。 A U.S. Air Force Rockwell B-1B Lancer at the Swedish Air Force base in Lulea, Sweden. Credit: TT News Agency/Alamy Stock Photo 米軍がスウェーデンの空軍基地を利用できるようになる。 国 防協力協定(DCA)は12月6日署名され、スウェーデン議会の承認を待つ。協定により、米軍は北欧諸国での演習や活動が可能になる一方、米軍の法的地位、基地エリアへのアクセス、スウェーデンでの物資の事前保管などの規制が変わる。 スウェーデンのNATO加盟は、ハンガリーとトルコ両政府が加盟を批准していないため、遅れたままだ。 協定により、米軍はスウェーデンの基地に防衛装備品を配備・保管できるようになる。また、米軍機の上空飛行、空中給油、スウェーデンの飛行場からの離着陸も許可される。 協定によると、米軍機には航空航行料金や、上空飛行料金、経路料金、ターミナル・ナビゲーション料金などの料金が課されす、スウェーデン政府が所有・運営する飛行場での着陸料や駐機料も課されない。 米国は、ハルムスタッド、ルレア、ロンネビー、サテナス、ウプサラのスウェーデン空軍基地やヴィドセル空軍基地、試験飛行場で航空機を運用することができる。 スウェーデン国防当局は、この協定を「スウェーデンとアメリカの長期的な安全保障・防衛協力の自然な発展」と説明している。DCAは、スウェーデン政府がロシアのウクライナ侵攻による「ヨーロッパの安全保障状況の悪化」と呼ぶ状況の中で生まれた。 DCAに先立ち、両国はすでに2016年に合意した二国間防衛協力の強化に関する意向表明と、2018年に遡るフィンランド、米国との三国間意向表明を実施していた。 スウェーデン政府関係者は、「協定は、米国が欧州と近隣の安全保障に関与し続けている明確なシグナルである」と述べ、他にも同様の協定がノルウェーと結ばれており、デンマーク、フィンランドとも結ばれる予定と述べている。■ Swedish Bases To Be Opened To U.S. Forces | Av

気になるニュース スウェーデンの原発はじめ重要施設上空に正体不明の無人機目撃談が相次ぐ。他方、バルト海のロシア軍の動向に地政学的関心が高まっている。

    VATTENFALL   原発以外にも機微施設上空で無人機の飛行目撃が続いており、スウェーデン警察当局が調査をはじめている。   ス ウェーデン警察は、フォルスマルク原子力発電所 Forsmark Nuclear Power Plant 付近で新たな無人機目撃があったと確認した。前日にスウェーデン当局が、同原発付近と国内のその他原子力施設2カ所付近で多数のドローン侵入事案があり調査中と発表していた。     一連の事件は「国家的特別事件」に分類され、スウェーデン当局がドローン操縦者の意図に懸念を抱いていることを浮き彫りにしている。スウェーデンでは、政府機関や空港など機密性の高い場所で相次いで無人機が目撃されている。   スウェーデン市民が、同国最大の発電施設フォルスマルクの上空で新たな物体を本日未明、発見し、警察に通報してきた。警察の広報担当者Jonas Eronenによると、現場に派遣された係官は自ら物体を観察し、無人機であると評価したという。目撃情報を受け、警察ヘリコプターと原子力発電所の現場警備隊が出動したが、無人機は捕捉されず、逮捕者は出ていないとスウェーデン国営公共テレビ放送SVTが報じた。   スウェーデン語の頭文字をとってSäpo(セポ)とも呼ばれるスウェーデン保安局は、今回の目撃情報について、「現在の捜査対象に含まれていない」とコメントを控えている。警察のエローネン報道官は、さらに事件が彼らの仕事に加えられることは十分に予想されると述べた。Säpoは国家レベルの法執行・情報機関で、スパイ対策とテロ対策任務を一部担う点で米国の連邦捜査局(FBI)に類似している。   Säpo社はフォルスマルク上空での無人機目撃事件と、南部リンハルス Ringhals 原子力発電所とオスカルスハムン Oskarshamn 原子力発電所に関する調査を引き継いだと発表した。この調査が、最近報告されたバルセベックBarsebäck原子力発電所(2005年に廃炉となり、2028年までに取り壊される予定)付近の目撃情報も含むかは不明。   地元紙Aftonbladetによると、首都ストックホルム、およびキルナKiruna空港とルレオLuleå空港付近の政府機関上空を無人機が飛行したとの別々の報告について、地元当局は調査を続けるという。ストックホルムでは、国会議事堂(Rik

★スウェーデンが米国と防衛協力を強化する理由はロシアにあり

スウェーデンと言えば独自に開発した優秀な装備で中立を力をもって維持している国と理解していましたが、ロシアの動きに呼応して自らの政策を大胆に検討しなおしているようです。中国といいロシアといい自分勝手な行いが自らを孤立化させている現象が東西で見られるのは興味深いことですね。 Sweden, US Agree to Closer Defense Collaboration Aaron Mehta , Defense News 2:03 p.m. EDT June 8, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/policy/2016/06/08/sweden-us-russia-hultqvist-intent/85573150/ (Photo: Andreas Rentz/Getty Images) WASHINGTON — スウェーデンと米国が国防協力の推進をうたう意向書に署名した背景にはロシアの動きに神経をとがらせる北欧諸国の問題意識がある。 合意書は拘束力がなく各論での課題はほとんど出ていないが、Defense News TVの独占インタビューでスウェーデン国防相ペーター・ フルトクビスト Peter Hultqvistは文言よりも米国との防衛関係の現実の方が重要だとの認識を示した。 関連ニュース  フィンランド、スウェーデンが共同防衛体制を検討中 「スウェーデンにとって極めて重要な声明であり、大西洋を挟んだ連携がスウェーデンのみならずヨーロッパ全体で重要だと示すもの」と フルトクビスト国防相は述べている。「これまで米国とこのような仕組みはなかった。両国は多くの点で合意は見てきたがこのような総括的な傘はなかった」 フルトクビスト国防相は今回の声明文の背景にロシアとの安全保障関係であることを堂々と述べた。その事実が文書に反映され、8日に米国防長官アシュ・カーターとの署名に臨んだ。 「安全保障の課題はこれまでにまして深刻かつ複雑化している」と合意声明文の冒頭は述べている。「地域内勢力は隣国相手に公然と力を試しており、その他各国や国際機関ならびに我が国自体の安全はテロ活動や過激な暴力集団により影響をますます受けている」 今回の文書が取

オーストラリア潜水艦事業に絡みたいサーブ・コックムスとはどんな企業なのか

オーストラリア向け潜水艦建造の競合相手になりそうなサーブ傘下のコックムスの話題です。同社が提携したコリンズ級がオーストラリアにとっては不満の種なのですが、同社はオーストラリアにこれまでも実績のある会社で決して無視はできないと思います。だがはたして日本の2社に海上自衛隊向けとは別に輸出用船体を作る余裕があるのか、そこに米国も割り込んできて、ますます混迷しそうな状況ですね。同社を率いるフランソン女史の発言を見ると、とてもオーストラリアの想定する性能を実現できる実績のある会社と思えないのですが、いかにも自信満々ですよね。日本側もメディアを使って自社の立ち位置を説明してはいかがでしょうか。 Saab Confident in Its Kockums Submarine Builders Oct. 29, 2014 - 05:03PM   |   By CHRISTOPHER P. CAVAS   |    Comments http://www.defensenews.com/apps/pbcs.dll/article?AID=2014310290036 Saab Kockums Security and Defense Solutions unitを率いる グニラ・フランソンは世界の海軍市場で競合に勝ち残りたいと意欲満々だ。 (Christopher P. Cavas/Staff) PARIS — コックムス造船が再度スウェーデンの所有・統制に復帰した際は同国の国民、政府、産業界が全員承認する稀な事例となった。 「全員が好意的な反応を示すのはこの国で初めてでしょう」と言うのはサーブ・コックムスSaab Kockums Security and Defense Solutionsを率いるグニラ・フランソンGunilla Franssonである。 サーブはコックムスを傘下に収め潜水艦建造でスウェーデンらしさを出してきた。 「サーブ・コックムスとしてサーブの強みとコックムスの造船能力を提供します」 フランソンはサーブの海軍艦船建造実績を上げたうえで、「サーブは造船では有名とはいいがいですが、コックムスの名前はサーブが造船も手掛けていることを印象付けます」 サーブの名称はグリペンに代表されれる航空機製造、サーブ・

スウェーデン謎の潜水艇捜索はロシアとの緊張増大の最新事例

ロシア軍の活動が目立って活発になっています。これは北欧でのお話ですが、太平洋でも警戒が必要なことは言うまでもありません。日本の沿岸部に小型潜航艇が来るとしたら北朝鮮をまず疑うところですが、ロシアの新型ハードウェアは相当高性能になっているようです。他山の石と達観しているわけにいかないでしょう。 Sub Search Highlights Growing Unease With Russia Oct. 25, 2014 - 05:11PM   |   By GERARD O’DWYER   |    Comments 謎の潜水艦を追うスウェーデン海軍の海防艦ヴィスビュー、捜索5日目の10月21日ミシンゲン湾にて。スウェーデンは捜索を10月24日に打ち切った。 (FREDRIK SANDBERG/ / AFP/Getty Images) HELSINKI — クリミア半島を巡るロシアとヨーロッパの対立が6か月以上となる中、今回のスウェーデン事件はバルト海近隣諸国がロシアに神経をとがらす事態を改めて浮き彫りにした。 各国政府とロシアとの緊張が今月に入り高まるきっかけになったのはスウェーデン海軍がロシア海軍と思われる潜航中の船体をストックホルム近郊で捜索したことだ。 さらに10月23日には、デンマーク空軍所属F-16とスウェーデンのグリペン戦闘機がデンマーク、スウェーデン国境近くを飛行しエストニア領空に侵入したイリューシンIL-20情報収集機を追尾。同機は最終的にNATO空域からポルトガル空軍F-16にエスコートされて退去した。ポルトガルはリトアニアのNATO空軍基地を利用している。 スウェーデン海軍の捜索活動は冷戦終結後で最大規模になった。きっかけは10月18日に沿岸近くで異常な動きがあると民間から報告されたことだった。スウェーデンは10月24日に捜索を縮小した。 スウェーデン海軍は暗号電文がロシア軍の「救難信号」周波数で発信されるのを傍受したとの報道を否定した。 報道によればストックホルム近郊の島しょ部からカリニングラードに発信されているが、同地にはロシア海軍のバルト海艦隊の司令部がある。 ロシアはスウェーデンに自国の「潜水艦部隊は全隻その動向を把握」していると発表。スウェーデン領海に侵入したロシア海軍艦