2019年1月5日土曜日

中国の台湾侵攻作戦準備はどこまでできているのか 


キーポイント
  • 正式海上輸送能力に加え民間輸送船を徴用すれば中国は12個師団を運べる
  • 空輸でもY-20多数が就役すれば大幅に増えるが、同時に台湾空港内の旅客機を徴用して大量空輸が可能
  • 台湾は警戒を怠れず、新型装備の配備も始まっている
  • 中国軍が橋頭堡を築かれれば台湾にとっての「悪夢」の国内戦がはじまる
  • 中国指導部は台湾武力侵攻をためらわない姿勢を示しており、2020年を一つの目安にしている
    The Next China Threat: An Invasion of Taiwan?
    Could Beijing really do it?


by Wendell Minnick
January 2, 2019  Topic: Security Region: Asia  Blog Brand: The Buzz Tags: TaiwanChinaMilitaryTechnologyXi JinpingWarTaiwan Strait

23百万人が暮らす台湾への侵攻準備がどこまで中国で進んでいるかがシンクタンクが開いた会議で中心話題だった。
ワシントンに本拠を置くプロジェクト2049研究所が主催したのが「悪夢のシナリオ:PLA侵攻の脅威と台湾の対応」と名付けられた会議でDデイマイナス45-30日から進行実施後までの状況を点検した。
プロジェクト2049会長リチャード・アーミテージ(元国務副長官)からは台湾の防衛計画部門は中国の脅威を全周囲で警戒すべきで、台湾海峡の西側だけ警戒するのでは足りないと述べた。
中国には揚陸舟艇が不足と言われるがロールオン/オフ型船舶を活用すれば台湾への上陸作戦は不可能ではないと指摘。
「台北港に電撃攻撃をかけ橋頭堡を確保する状況が考えられます。ぞっとする、不快かつ悪夢的なシナリオですが想定すべきであり対応を考えておく必要があります」(アーミテージ)
台湾海軍退役大将リチャード・チェンからは台湾が「対岸からとてつもない圧力を受けている」と述べた。

チェンは以前国防副大臣も務め、軍部は中国の侵攻の45-30日間前から警戒を始めると紹介。台湾の早期警戒が想定どおりに機能し各センサーがミサイル、機体、艦船をすべて追尾刷るのが条件だ。「三軍で総合状況が共有できるので誤算や誤解が減ります」

誤って判断すれば台湾は沿海部での侵攻部隊撃破に失敗し、「中国軍を海岸で掃討する悪夢のシナリオ」(チェン)に突入する。
退役海兵隊大将ウォーレス・「チップ」・グレグソンからは「地理条件と海峡の幅110マイルの要素」が台湾に有利とながらも「台湾に不利な状況が増えつつある」とした。

ただ台湾に有利なのは費用対効果が優れた方法で巡航ミサイル弾道ミサイルを撃破できることで、「防衛側の手段のほうが標的よりずっと安価」だとグレグソンは指摘。台湾が新型PAC-3ペイトリオット対弾道ミサイル防衛装備、同様の能力を持つ天弓 Tien Kung 装備の配備を理由に上げた。
「最高の条件で空陸海の防衛をしてもPRC(中国)は何らかの足場を台湾島のどこかに確保するだろう」(グレグソン)
そこから「悪夢」が始まる。「台湾の陸上兵力が海軍空軍の完全支援を受けて機動力を発揮し火力、近接戦で敵を撃破するのが必須です」(同上)

国際評価戦略センターのアジア軍事問題主任研究員リチャード・フィッシャーからは中国の軍事装備近代化の現況が報告された。習近平始め中国指導部は2020年を一つの区切りとして台湾侵攻を発言している。
海上輸送能力は4個師団4万名規模で戦車800両を運べるまで拡充されており、強襲揚陸艦の建造では7万トンの071型ドック型揚陸艦7隻、2-4万トンの071型ドック型ヘリコプター揚陸艦が6隻あるという。
こうした正規の輸送艦以外の船舶を徴用すれば12個師団つまり8万から12万を輸送可能だ。また自力航行可能なはしけ104千隻があり、多くがロールオン/オフ型で港湾の確保後に動員される可能性がある。
空輸能力では100トン輸送可能なY-20大型貨物機を400機生産する方針があり、ヘリコプターは1千機超で地上兵力を運べるという。
桃園国際空港を中国が確保すれば、同空港内のボーイング、エアバス旅客機を接収し中国軍の人員装備を輸送できるとフィッシャーは指摘。すべて動員すれば一日で台湾へ160万名を運び込める。
投入可能な戦闘機は2020年には1,500機を超えるはずで、成都J-10、瀋陽J-11(Su-27)やJ-16が先陣を切るだろう。
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フィッシャーは台湾国内の「第五列」親中勢力が侵攻を支援するとも警句を鳴らしている。
台湾は侵攻を黙ってみているわけではない。侵攻を遅らす効果がある新装備配備が続いている。超音速対艦ミサイル雄風三型 Hsiung Feng 3 や空対地ミサイル萬劍 Wan Chien だ。またF-16及び国産防空戦闘機の性能改修を行いながら新型訓練戦闘機の開発を進めている。■



Wendell Minnick is an author, commentator, journalist and speaker who has spent two decades covering military and security issues in Asia, including one book on intelligence and over 1,200 articles. From 2006-2016, Minnick served as the Asia Bureau Chief for Defense News, a Washington-based defence weekly newspaper.

Image: Reuters.

2019年1月4日金曜日

新型機登場 ロシア ベリエフA-50U早期警戒管制機


Introducing Russia's New Au-50 Reconnaissance Aircraft: Here's What It Can Do
ロシアの新型A-50U偵察機は何ができるのか


by Mark Episkopos
December 29, 2018  Topic: Security Region: Europe  Blog Brand: The Buzz Tags: Russian MilitaryReconSurveillanceAircraftRadar


.シアのA-50Uは量産への移行が加速化している偵察機であると製造元のベリエフ航空機が述べている。

「12月6日にベリエフはA-50U量産機仕様の長距離レーダー監視機をさらに一機ロシア航空宇宙軍に納入した。同機は航空宇宙軍乗員が引き継ぎ運行基地へ移動した」(同社発表)

A-50Uはソ連時代の空中早期警戒指揮統制機(AEW&C)A-50の発展形で、Il-76を原型の派生型のひとつだ。A-50にはリアーナ監視レーダーが搭載され、最大10機追尾が可能だ。
A-50Uでの主要改良点はシュメル-Mレーダーの搭載だ。「A-50Uではヴェガ企業体がシュメルレーダーをソフトウェア、ハードウェア両面で性能向上させた」(同社発表)



シュメル-Mは回転式ドーム状レーダーで外観上もA-50Uの特徴となっており、「マッシュルーム機」とロシア軍内部で呼ばれる。
A-50Uの基本設計はIl-76のままでA-50とも大差ないが、メーカーはレーダードームの素材変更で軽量化し、シュメル-Mは最大650キロ先の標的追尾が可能、地上目標は300キロ先で捕捉可能と述べている。地上目標なら300個、航空機は40機を同時追尾できる。
A-50Uではデジタル化が進み、操作が簡単かつ迅速になった。その他改良点に機内レイアウト変更があり、洗面所と休憩コーナーが追加された。
最近のロシア軍用機の例に漏れず、A-50Uもシリアに2018年に姿を現した。運用テストに利用する形で北シリアの「エスカレーション回避地帯」における活動では有効活用されたのではないか。シリアには2015年に旧型A-50が投入されており、ロシア空軍は両機種の違いをリアルタイムで把握できたはずだ。
A-50Uは米空軍のボーイングE-3セントリーと機能面、設計面で類似する。輸出仕様A-50Iはイスラエル製EL/W-2090ファルコンレーダーを搭載しインドが買い上げた。中国と輸出商談が2000年代初期にあったが決裂し中国は国産のKJ-2000を完成させた。
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ロシアが積極的な軍事装備輸出戦略を展開してきたことを考えると、A-50Uが量産段階に入る中、インドが同機の販売先として注目される可能性が大だ。

Mark Episkopos is a frequent contributor to The National Interest and serves as a research assistant at the Center for the National Interest. Mark is also a Ph.D. student in History at American University

2019年1月3日木曜日

☆新戦術、新装備>海兵隊はこうして中国の島しょ部侵攻を阻止する


M142


The U.S. Marine Corps Might Have a New Way to Sink Chinese Warships (And the F-35 Could Help)
中国艦への新攻撃方法を米海兵隊は確立できる(F-35も一助となる)

「中国水上部隊が日本やフィリピンの島しょ部に向かい進行中だとする。海兵隊ロケット砲部隊がすばやくそんな島のひとつに移動し、中国艦に発射する。その間、運んできた輸送機は近くで待機する」


by David Axe Follow @daxe on TwitterL
January 1, 2019  Topic: Security Blog Brand: The Buzz  Tags: MarinesArmyF-35MilitaryTechnologyWorldHIMARS
https://nationalinterest.org/blog/buzz/us-marine-corps-might-have-new-way-sink-chinese-warships-and-f-35-could-help-40302

海兵隊の新戦術は紛争地帯での火力の迅速展開を目ざし、西太平洋での米軍戦略に大きな意味が生まれそうだ。
2018年12月7日、海兵隊航空燃料補給飛行隊352がM142高機動ロケット砲装備 High Mobility Artillery Rocket System(HIMARS)2基をキャンプペンドルトン(カリフォーニア州)からダグウェイ射爆場(ユタ州)に移動し演習に加えさせた。
HIMARSは12トンの車両で各種ロケット砲弾を発射する。そのうち一基はKC-130J輸送機で運ばれ演習用ロケット砲弾を発射後、ふたたびKC-130Jで帰還した。
このロケット発射装置の航空機による展開はそもそも米陸軍が開発し、「HIMARS迅速展開」(HIRAIN)の名称がある。
その他新戦術や新型ロケット装備を組み合わせればHIRAINにより米軍は長距離火力を迅速展開し、敵の動きを混乱させられる。この方法を使えば米軍は西太平洋で中国を食い止めることも可能だ。
中国は日本南部からフィリピンに伸びる島しょを「第一列島線」と呼び、中国の歴史的な影響圏と主張している。中国共産党は貿易、外交さらに軍事力を使いこの地方で影響力強化を図っており、有事には各地を実力占拠する可能性がある。
そこでペンタゴンはその動きを困難にさせようとしているわけだ。空と海の戦力が米戦略の中心だが、地上兵力にも役割が期待される。トランプ政権で短期間のみ国家安全保障担当補佐官を務めたH・R・マクマスター退役陸軍大将は陸軍に「陸地中心から離れた兵力投射機能」を検討させたいと述べていた。

オバマ政権で海軍次官だったジェイニン・デイヴィッドソンは「陸軍に艦船撃沈」させようとしたと述べている。海兵隊には陸軍と同様の装備品があり同様に海上目標を攻撃できるはずだ。
中国の水上部隊が日本やフィリピン近くの遠隔島しょ部に向かっているとする。近未来の武力衝突の想定だ。海兵ロケット部隊が遠隔島しょ部に空軍や海兵隊の輸送機で迅速展開し、中国艦にロケット砲を発射する。その間、輸送機は待機中だ。「発射後すぐにミサイル部隊は別の場所に移動し次の発射命令を待てばよい」とRANDコーポレーションが2017年発表の研究報告書で述べていた。
「外縁部島しょ部分の要塞化をしながら海軍艦艇を近隣海域に展開すれば安価で強力な戦略的意味が生まれる」と海軍大学校のジェイムズ・ホームズ教授が2014年に述べている。
米陸軍はこの構想を現実的な環境で試した。2018年7月のRIMPAC演習で陸軍のHIMARS部隊は用途廃止した米海軍揚陸艦ラシーンにロケット弾5発を発射した。無人機が弾着を調整したが、発射地点は50マイル離れていた。

ただし無誘導の227ミリロケット砲弾(200ポンド弾頭)は対艦兵器として理想的ではない。
HIMARSは誘導式610ミリ陸軍戦術ミサイル装備(ATACMS)(500ポンド弾頭)一発を運用でき、射程は190マイルだ。2016年に陸軍はシーカーを装着し艦艇攻撃の精度を上げる改修を始めた。

海兵隊もHIMARS発射機で運用できる対艦専用ミサイルの導入を検討中だ。アリゾナ州での018年秋の演習ではF-35が標的データをロケット部隊に送り、命中精度を上げる効果を実証した。この際にはF-35Bが地上の金属製コンテナーを探知し、GPS座標をデータリンクでHIMARS部隊に送った。
HIMARSに新型ミサイルを導入すれば海兵隊に意味のある対艦攻撃能力が実現する。F-35を投入すれば命中精度があがることがわかった。また空中搬送で迅速展開すれば反撃を逃れる可能性が高くなり敵は所在地を突き止めるのに苦労するだろう。

David Axe edits  War Is Boring . He is the author of the new graphic novels MACHETE SQUAD and THE STAN.

M142はロッキード・マーティンの製品です。ずっと陸上自衛隊がどうしてロケット砲兵部隊をあれだけ熱心に整備するのか不思議でしたが、今や米海兵隊や陸軍が同じ着想になっているのですね。ただし、米軍は高機動かつ命中精度を上げるためのデータリンクなどシステムが大掛かりです。しかしC-130で展開できる島しょ部ってそんなにありますかね。南西諸島では石垣くらい?今後国土交通省が空港整備するとしたらこの地方でしょうね

2019年1月2日水曜日

☆インド太平洋構想 これを読めばなぜ中国韓国に安倍晋三が憎々しい存在かがわかります

Can Japan Lead Asia? 
日本はアジアを指導できる
There is a feasible way for Tokyo to resume rhetorical leadership in formulating the Indo-Pacific strategy. 
日本政府はインド太平洋戦略構築で指導性を発揮できる。
by Christina Lai
January 1, 2019  Topic: Security Region: Asia  Tags: JapanChinaSouth China SeaThe QuadBelt And Road



ナルド・トランプ大統領が「自由で開かれたインド・太平洋」free and open Indo-Pacific (FOIP) こそ米国のアジア政策の根幹と述べた。日本含む東アジアとインド含む南アジアをつないで法の支配に基づく国際秩序を構築する構想だ。FOIPは中国が南シナ海で発言力を増す中での対応であり、中国の一帯一路構想に対抗する狙いもある。
FOIPは急に生まれた構想ではない。安倍晋三首相が2006年に提唱していた。インド地域と太平洋地域を統合し戦略的に有志連合の民主主義国家で維持するとし、日本、インド、米国、オーストラリア等を想定した。その時点で米国は安倍構想を後押ししなかったがトランプ政権は支援し中国の経済軍事面での台頭に対抗しようとする。
インド太平洋構想は日本、米国他アジア各国に希望と機会を生みそうだ。ただし現時点で構想と現実の間に深刻なギャップがある。インド太平洋構想を現実に移せばアジアで学術面政策面で深刻な意見対立が生まれるだろう。とくにアジア主要国にとってやっかいな問題はインド太平洋構想の成功はひとえに共通概念の構築にかかっているからであり、インド、日本、インドネシアともに自国利益を超越して共通理解に到達できるかが問われる。このため日本の外交政策ではロードマップを示した上でインド太平洋戦略を希求する必要があり、その場合に焦点は各国連携、多様性の許容とともに協力関係の構築に当てるべきだろう。


日本国内では米国やオーストラリアがFOIPに加わると日本の役割が弱まるとの疑念がある。だがインド太平洋戦略の構築で主導権を握る方法が日本政府に残されている。「大東亜共栄圏」の残滓で西側諸国による支配を排除し多様性を認めながらの独立の獲得をめざしたことから今日の日本による政策で認められる、認められない内容がわかる。個別具体的には日本が汎太平洋を唱えれば安倍政権にとって日本国内のみならず海外でも同調する向きが生まれるはずだ。米中の力争いを目の当たりにして日本政府は海外拡張を目指す勢力とみられないようにしつつ途上国から有益な相手国と見られる肯定的なイメージをめざすはずだ。

第二次大戦勃発前の教訓とは
1930年代40年代の日本は「大東亜共栄圏」を提唱し、東アジアから東南アジアを介しインド、オセアニアまで広がる地域構想を想定した。日本主導でアジア各国を欧米植民地勢力から解放するとした近衛文麿首相は「英米の価値観をもとにした平和観を排斥」すると強く主張していた。だがこの構想は領土拡大を正当化するものと日本国内の軍部により解釈された。日本敗戦で共栄圏は未完の夢に化しその後の経済成長を持ってしてもその結果は変わらなかった。日本が過去から学べるのは「世界秩序の変更を求めないこと」であり「自由体制に積極的に加わること」だ。
共栄圏構想には別の意味もある。多様性の中の開発もそのひとつで日本による今後FOIP戦略の構築で注目される要素となる。日本のアジア外交政策が過去の共栄圏の共存共栄構想、つまり統合しつつ独自性をアジア各国に認めればアジア各国から広い支持を期待できる。安倍首相はインド太平洋戦略を希求しながら上記成果を期待できるのだ。

連携と多様性
安倍首相が共栄圏構想から学ぶとすれば各国がおしなべて広く開発の恩恵を享受できる仕組みを作ることだ。当時の構想ではアジア各国を西洋支配から開放し、独立させるのが主眼だったが、現在のアジア各国でも共感を得る余地がある。米中両国の競合を目の当たりにしているからだ。この点で日本は途上国と主要国との間にで双方から信頼される存在になるべきだ。
例として日本はアジア・アフリカ回廊(AAGC)構想にインドを巻き込み経済協力と持続的発展をアフリカで実現する役割を積極的に果たせる。エネルギーとインフラが中心の一帯一路と別に、日本とインドは「独立および多様性」を共栄圏で重視しながらAAGC開発を進められる。事前によく練った開発構想なら経済発展段階が異なるアフリカ各国のニーズに合うはずだ。
さらにインドも多様性と連携をうたう構想から得るものは多いはずだ。インドが外交政策で独自性を長年維持しているためだ。日印両国は米中間の対立にとらわれずに政策を自由に希求できる余裕を望むはずだ。
だが日本人でFOIPを大東亜共栄圏と同じ文脈で話す向きは皆無に近い。両構想が真っ向から対立するとみる向きが多いためだ。この根源に共栄圏の目的が西側勢力による国際秩序に対抗することにあり、文化的多様性や地域内連携、さらに経済開発といったもっと重要な要素に関心を払っていなかったとする見方がある。

インド太平洋戦略の将来では拡張主義を回避すべき
大東亜共栄圏の文言から日本の戦時体制が国家主義の影響で「日本の国益」から自由でなかった、あるいは主張がアジア各国には単なる美辞麗句で終わっていた史実が浮かび上がる。したがってインド太平洋戦略構想では中国を挑発せずアジア各国には戦時中の占領体制への警戒心を巻き起こすべきではない。
重要なのは日本は中国を狙った公式発言を避けるべきという点だ。例として日本が以前提唱していた「自由と繁栄の孤」は中国を意識し、中国の台頭がアジアの脅威と暗示していた観があった。では現在のFOIPではどうか。西側の自由思想として民主体制、人権、法の支配をアジアに、さらにその外に広げるとする。これならFOIP陣営各国と中国に緊張を産まないだろう。日本はFOIP政策の整備に関与可能だし、すべきだ。というのは「連携と多様性」の目標を希求しても中国を排除することにならずむしろ同国の協力を引き出す効果があるからだ。
安倍総理が最近のアジアアフリカ会議で述べたようにアジアとアフリカは発展の余地が大いにある地域だ。日本とインドは信頼を集める共同国として両地域の発展に寄与できる。共栄圏構想から2つの点が日本に参考になるはずだ。日本はインド太平洋構想の構築でもっと重要な役割を演じる事が可能だし、歴史から学ぶこともできるはずだ。■


Christina Lai is a lecturer in Global Security Studies at Johns Hopkins University. She is interested in U.S.-China Relations, Chinese Foreign Policy, East Asian politics, and Qualitative Research Methods. Her works have appeared in the Pacific Review, International Relations of the Asia-Pacific, Journal of Asian Security and International Affairs, Asia Time, China’s World and Asian Security.

政治とは言葉であり、理念ですが、政局つまり自己の得点、相手の失点の計算ばかりしている人たちには理解できないのでしょうね。政治屋や職業政治家は必要ありません。未来をデザインできる視野を持った政治家が必要です。今や主要国で一番老獪なリーダーとなった安倍さんを抱える日本はどれだけ幸運なのかほとんど誰も理解していないのは実に不思議です。ましては韓国の非常識な行為さえ安倍さんの責任と決めつける人たちは一体どういう頭の構造なのでしょうか。国内でそれに同調する人たち、森友問題その他を利用して政権転覆を狙った人たちとは一体誰の利益を代表しているのでしょうか。それにしてもオバマ政権とは一体何だったんでしょうか。

今年も宜しくおねがいします まず元旦の空を飛ぶB-2の姿から今年はスタート

あけましておめでとうございます。新年の迎え方も土地それぞれですね。カリフォーニアでは恒例のパレードの開幕を告げるのが米空軍の上空飛行で今年もB-2が飛びました。こういうとき、その場にいられたら良かったのにと思いますよね。

Here Are The Aerial Shots Of The B-2 Spirit Stealth Bomber Doing The Rose Parade Flyover Earlier Today 元旦のパサデナ上空を通過飛行したB-2スピリットステルス爆撃機の姿を御覧ください。

January 1, 2019 David Cenciotti Military Aviation 0 Comments


2019年1月1日、パサデナのローズパレード上空を飛行する「スピリット11」(Image credit: Mark Holtzman)


パサデナ上空の「スピリット11」
2019年1月1日、コールアイン「スピリット11」のB-2スピリット一機が509爆撃団(ミズーリ州ホワイトマン空軍基地)から恒例のローズ・パレード上空飛行を敢行した。.
我々の友人マーク・ホルツマンは写真家兼パイロットで自身で空中撮影専門の会社を経営し、今回もパサデナ上空に飛び、ステルス爆撃機がコロラドブールバード上空を通過飛行し第130回ローズ・パレードの開始を祝った状況を撮影してくれた。
真下を飛ぶ同機撮影のためマークは自機(セスナ206)からカメラを向けた。言うまでもないが撮影に際しては副パイロットが操縦した。.
撮影チャンスは数秒しかないがマークはいつも決定的な瞬間を逃さない。昨年も同様にスピリットがF-35の2機と飛んだ写真を撮影している。


ほぼ垂直で撮影したローズ・パレード上空飛行をするB-2. (Image credit: Mark Holtzman)


グッドイヤー飛行船も同時にパサデナ上空を飛んでいた。



(Image credit: Mark Holtzman)


2019年1月1日火曜日

☆能登半島沖合での韓国海軍駆逐艦射撃管制レーダー照射事件の背景を考える

さあ今回の事案をどう収束するのか、日韓両国の知恵が試されますが、事実を頑なに認めない韓国当局の態度は日本人の思考方式では理解できないものがあり、有事の際にこんなことでは心配になりますね。メディアにはP1ではなくP-1、できれば川崎重工の名前もちゃんと報道してもらいたいものです。新年早々芳しくないニュースでの幕開けになりましたが、当方が目を通している海外安全保障関連ウェブサイトでは今回がはじめての正面からの本件の報道になりました。


Tokyo accuses South Korean destroyer of directing fire-control radar at Japanese MPA



日本のP-1MPAが12月20日に日本海で発見したKCG巡視船(手前)と韓国海軍駆逐艦(後方)の映像からのスクリーンキャプチャ。日本は韓国海軍駆逐艦が火器管制レーダーをP-1に数回に渡り照射したと非難している。Source: Japanese MoD


国海軍駆逐艦が12月20日に海上自衛隊(JMSDF)所属の川崎P-1海上哨戒機(MPA)が日本海上空飛行中に火器管制レーダーを照射したと日本が非難している。

防衛省(MoD)が12月28日に13分間にわたる当日の映像を公開し、P-1がKDX-I級駆逐艦Gwang Gae To Daewang(艦番号971)、韓国沿岸警備隊(KCG)外洋警備艇Sambongho (5001)を能登半島沖合で見つけ上空を数回に渡り飛行する様子を見せた。MoDによれば漁船一隻、ゴムボート二艇が付近にあった。

防衛省からは事件は日本の排他的経済水域内で現地時間15時ごろに発生し、P-1が「複数回にわたり連続して[駆逐艦のシグナールSTIR 180]火器管制レーダーの照射を受けたと発表が出た。

さらにMoDはP-1から"Korea South Naval Ship Hull Number 971"と英語で数回に渡り呼びかけ、VHF (156.8MHz) 及び緊急周波数帯(121.5MHzと 243MHz)の3つを使い、レーダー照射の真意の確認を試みたと発表。

MoD公表の映像ではいずれも返答がないことがわかる。

さらに日本は「今回の事件発生はきわめて遺憾」とし「このような事態の再発防止を韓国サイドに厳に求めたい」とし「日韓防衛当局間の協力関係に害をとなる事態の発生は許されない」と発表。

韓国国防省(MND)は12月28日に声明文を発表しており、日本の非難を否定し、日本が映像を「両国間実務レベルビデオ会議で両国間の誤解をほどき、防衛分野での協力連携を求めようとした翌日」に映像を公開したことに「深い憂慮と遺憾の意」を感じると非難している。■

今回の報道は淡々と伝えていますが、防衛当局者同士では韓国の対応に大いなる疑問をいだいているでしょう。単なる推理ですが、韓国艦が能登半島沖合で何をしていたのか、いろいろ可能性があるでしょう。共通するのは北朝鮮と韓国の間の口外できない接触ですね。火器管制レーダーを照射すればどうなるかは艦長であれば十分承知しているはず。しかも複数回継続して照射したのは海自P-1を遠ざける強硬手段でしょう。トカゲのしっぽ切りで艦長を更迭し事態をうやむやにするのか、それとも日米により知られたくない秘密をばらされるのか、韓国の立場はきわめて弱くなっていると言わざるを得ません。