2019年3月9日土曜日

ウィルソン空軍長官が突然の辞任

トランプ政権では閣僚が次々に辞任していきますね。国防体制に混乱がなければいいのですが。

追記 ウィルソン氏は5月に異動のようです。

Air Force Secretary Wilson Heading to University of Texas

ヘザー・ウィルソン空軍長官がテキサス大へ

Insiders were blindsided by her departure. So who fills her seat in the Pentagon?

インサイダーも今回の退任を見抜けず。後任はだれか


By COLIN CLARKon March 08, 2019 at 11:54 AM


Air Force photo
Heather Wilson


週ヘザー・ウィルソンへ次期国防長官に就任するのか尋ねたところナゾの微笑を返された。いまその理由がわかった。テキサス大学総長就任を考えていたのだ。
「この二年間空軍の諸君とともに仕事する特権に恵まれ、その間におこなった国防体制立て直しが成果を生んでいることを誇りに思う」とウィルソン長官は公式声明を発表した。「即応体制を改善し、調達予定を前倒しし、競争効果で価格を下げ、無駄な規則を廃止し宇宙空間における抑止力・優位を強化した」
University of Texas graphic
テキサス大学の声明文では「3月8日に評議会がウィルソン氏を全員一致で選任し、氏は35年にわたり軍、政府、民間企業で素晴らしい功績を残している」
総長就任には三週間の「猶予期間」があるのでウィルソンは長官職にしばらく残りそうだ。
そこで重大な疑問は次の長官は誰かという点だ。噂はまだない。長官代行はマシュー・ドノヴァン次官でほぼ確実だ。トランプ大統領と近い位置にあり議会での騒動を避けられればドノヴァンがしばらく残る可能性もある。ウィルソンを次期国防長官に推す声も依然残っていることから、インサイダーといえども今回は油断していたとしかいいようがない。

「ヘザー・ウィルソンは親友でかつての同僚だ」と下院戦略軍小委員会の大物共和党議員マイク・ターナーは声明を発表。「離職は惜しまれる。望むらくはいつの日か初の女性国防長官に就任してもらいたい」■

DARPAが指定した研究重点10分野と中小企業の技術力への期待


Lasers, AI, Hypersonics Top DARPA’s Small-Biz Wishlist

DARPAの掲げる中小企業向け研究開発重点分野にレーザー、AI、極超音速など

10:30 AM ET
国防総省の研究部門が重点研究分野を発表し、構想の実現化を加速する。

国防総省が重点研究対象の10分野を発表し各企業の研究の実現を早めたいとする。

国防高等研究計画局DARPAが小規模企業革新敵研究分野SBIRの次年度重点分野を発表した。DARPAは今後参加企業を募り最新の国防関連技術の開発を実現するとし、人工知能、超小型衛星、強力レーザーや核兵器の性能向上を図りたいとする。

「国家安全保障では小規模企業による技術開発が重要要素だ」とDARPAは述べ、「科学技術での発見のペースは世界各地で加速化しており新たな研究分野が生まれており、小規模企業がSBIRやSTTRで活躍する余地が増えている」。

事業は二段階に別れ、各企業はまずそれぞれの発想の実現可能性を模索し、その後に製品化を狙う。

実証済み技術を有する企業は一気に第二段階に参加できる。

第一段階で上限 $251,250を支給し、第二段階では$1.65百万ドルまでを受け取れる。昨年は$101百万ドルを民間企業に支払っている。

今年ははじめての試みとしてペンタゴンのが支援する形の新規事業他立ち上げインキュベータ事業に参加を許される企業が選定されている。

このDARPA研究開発加速化事業では有望企業に業界や政府の補佐役がつき、同時にDARPAの投資機関ネットワークの利用が許され製品化を早める。また$250,000までの追加資金の申請も可能だという。

SBIRとSTTR申請は2020年2月29日が締め切りだ。SBIRとSTTRでねらう重点10分野は以下のとおりだ。

人工知能
例 アルゴリズム改良、データ内容の高度化、人マシンインターフェースの最適化、敵陣営の妨害

自律運用
例 自律装備のチーム化、機会認知能力の向上、理解力情報勢力の改善、ヒトと自律装備間のチーム化

通信
例 高性能だが低消費型組込式処理能力の実現、リソース割り当て用アルゴリズムの開発、自己探知修復型ネットワークの実現

サイバー
例 運用注文台の解決、自己保全型ネットワークの開発、サイバー効果の評価に向けた戦略立案

指向性エネルギー (レーザー)
例 出力拡大問題の解決、不安定な挙動の減少、装置のサイズ重量、適応型光学装置、ビーム伝播、目標追尾

極超音速
.例 高温に耐える素材、極超音速機材の製造、大気吸い込み式推進、極超音速誘導制御技術

マイクロエレクトロニクス
例 経済的に運営可能な国内製造能力、放射線防護機能の強化、特殊装備用無線周波数技術で核、宇宙空間、電子戦を想定したもの

量子科学
例 量子時計、センサーの開発、量子通信技術、量子コンピュータの低温環境での運用、光子探知

宇宙
例 低地球軌道周回極小衛星によるミサイル警戒機能、情報収集偵察監視機能、航法機能、通信機能の実現

核兵器近代化
例 核の三本柱(爆撃機、ICBM、ミサイル潜水艦)の近代化、支援施設の近代化として核攻撃指揮命令通信ネットワーク。■


コメント さすがにDARPAはいろいろ先のことを考えていますね。上記の各分野の例の内全部ご理解されている方はどのくらいいるのでしょうか。自己修復型技術はやはり攻撃を受けるのは必至と見ているからでしょうか。量子分野の話がわかりにくいです。みなさんはいかがですか。日本も調達でケチを付けて民間企業にそっぽを向かれていますが、研究開発には思い切った資金投入をしてはいかがでしょうか。民生部門では日本のNEDOがDARPAに似ているとは思いますがいろいろな制約がNEDOにもありそうですね。こうした技術は成功すれば大きな効果を生む装備になったり民生部門への波及効果も期待できますが、成功の保証がない「バクチ」の要素もありますので政府の役割が重要です。米国の中小企業とは起業家精神が豊富なのでしょうか。その存在を無視できないようです。日本でも数は少なくとも革新的なアイディアを持つ企業には思い切った投資をしていいのではないでしょうか。

2019年3月8日金曜日

3月8日EA-6Bが米軍供用を終了、半世紀近く活躍した同機の豆知識

5 fun facts about the EA-6B to say goodbye to the Marine Corps' Prowlers 米海兵隊で退役するEA-6Bの豆知識5点

Blake Stilwell,


US Marine Corps electronic warfare EA-6B Prowler Al Udeid Air Base Qatar

カタールのアルユデイド航空基地に展開したEA-6Bプラウラー。 September 12, 2018. US Air Force/Tech. Sgt. Ted Nichols


2019年3月を持って海兵隊はEA-6Bプラウラー最後の飛行隊を解隊する。
これによりプラウラーの米軍供用に幕が下りる。戦術電子妨害機として1971年に供用開始し、現役機材では最長期間を飛んだが2019年3月8日がいよいよ最後となる。
後継機種はF-35共用打撃戦闘機でF/A-18ホーネットやAV-8Bハリヤーと同じ構図だ。

1. ホーチミンからISISまで相手に戦った
It fought everyone from Ho Chi Minh to ISIS
海兵隊のEA-6Bが空中給油を終え離脱していくイラク上空June 28, 2018. US Air Force/Staff Sgt. Keith James
最初に投入されたのは1972年の東南アジアでプラウラーは空軍、海軍、海兵隊の各機材と70回に渡る事態で260千時間を飛んだ。

2. 欠点のない勝利の実績

Its victories were flawless
海兵戦術電子戦飛行隊2の9機がカタールのアルウデイド基地に揃ったAugust 16, 2018. US Army/Spc. Jose Diaz
一機も敵の手で喪失していない。北ヴィエトナム、リビア、イラク、イラン、タリバン、パナマと敵は数多かったがアメリカを守った170機のプラウラーを落とせなかった。
ただし事故等で50機を喪失しているのは残念だ。

3. 敵レーダー妨害が仕事

敵レーダーをどう妨害するのか。無線信号を使えなくし、標的照準を不可能にする。

プラウラーはテロ掃討世界戦争で完璧な装備となり携帯電話通話を妨害し、車庫扉の開閉装置を作動不能にし、地上部隊を敵の遠隔操作即席爆発物から安全に守ってきた。

4. 戦術機で最長の供用期間

It's the longest serving tactical jet

EA-6BプラウラーがISIS標的攻撃ミッションを終えUSSジョージ・H・W. ・ブッシュに着艦する Thomson Reuters

F-16もかなわない。プラウラーの供用期間はF-16を上回り米軍戦術ジェット機で最長だ。いまのところ。

5. ビン・ラディン殺害を支援

The Prowler helped ice Bin Laden
米海軍所属のEA-6Bプラウラー、イラク上空で空中給油を受けたところ。October 4, 2014. USAF

パキスタンでSEAL部隊が特殊極秘ヘリコプターで忍び込んだのは事実だが、実はEA-6Bブラウラーがオサマ・ビン・ラディン住居周辺でレーダーや電子信号の作動がないことを確認したため、作戦が実行できた。■
Read the original article on We Are The Mighty. Copyright 2019. Follow We Are The Mighty on Twitter.

新型機登場 XQ-58Aは空軍の戦闘様式を一変する可能性を秘めたステルスUCAV

無人機分野での進展が早く、新型機がどんどん登場しつつ作戦運用構想も技術の発展に合わせ進化しています。F-35に20年も費やす間にそれだけ進展しているわけで、追いつくのが大変なくらいですね。


Air Force's Secretive XQ-58A Valkyrie Experimental Combat Drone Emerges After First Flight 米空軍の極秘XQ-58Aヴァルキリー試験戦闘無人機が初飛行に成功

The XQ-58 may lead to a whole new class of highly-flexible and affordable unmanned combat air vehicles that could revolutionize how the USAF fights.

XQ-58は高度な柔軟性と低価格戦闘無人機につながりUSAFの戦闘方式を一変する可能性を秘める

BY TYLER ROGOWAYMARCH 6, 2019


USAF

ーイングが輸出を意識した「忠実なるウィングマン」構想の戦闘無人機を発表した翌週に空軍研究開発本部(AFRL)がよく似た構想のXQ-58Aヴァルキリーが初飛行したと発表した。同機は長らく秘密のベールに隠されていたが二年半たってその実態が初めて明らかにされた。
USAFは公式発表を以下伝えている。
XQ-58Aヴァルキリー実証機は長距離飛行可能の亜音速無人機で2019年3月5日にアリゾナ州ユマ試験場で初飛行に成功した。空軍研究開発本部がクレイトス無人航空機システムズと共同開発した。
同機開発は空軍研究開発本部が目指す低価格消耗航空機技術Low Cost Attritable Aircraft Technology (LCAAT) の一環で戦術用途機材で上昇する一方の価格傾向を打破する目的がある。LCAAT構想ではUASの設計製造を早めるため設計ツールを改良し民生製造技術を流用して製造期間コスト共に下げる。
同機は滑走路がなくても運行でき76分間飛行可能。契約交付から2.5年で完成した。XQ-58Aはテスト飛行5回でシステム機能、空力特性・発進回収システムをすべて評価する。.
「XQ-58Aは低調達コスト低運航コストをめざす初のUAVでありながら戦闘能力を革新する存在、とAFRLのXQ-58A主幹Doug Szczublewskiが語る。
USAFの「消耗品扱い」無人戦闘航空機構想としてついに姿を表したXQ-58Aは話だけ先行していた空軍の新型UCAVで、空軍にはこれ以外にも秘密のUCAVがあるはずだが同機はローエンド機材の代表なのだろう。

KRATOS DEFENSE

XQ-58Aはクレイトス社のXQ-222案と酷似しており、同機から発展したとわかる。
XQ-58Aは低価格ステルス無人機として偵察攻撃・電子戦支援能力を発揮し単機であるいは多数を同時運用する、または「忠実なるウィングマン」役のQ-58として有人機の指揮統制下で飛ぶのだろう。同機の飛行距離は2千マイルで小型口径爆弾二発あるいは電子戦装備や偵察装備を搭載し、滑走路がなくてもロケット発進方式で飛行する。

同機を製造したクラトス・ディフェンスは標的無人機の製造で知られ、AFRLはXQ-58をコスト面では従来の流れを断ち切る存在として求めた。以前にもこの構想を以下のようにお伝えしている。
LCASDの狙いは再利用も任意に可能ながら高度に適応力のあるローエンド無人戦闘航空機を年間調達99機未満の場合単価3百万ドルで実現し、年間100機生産なら2百万ドルにすることだ。LCASD構想は戦略構想、調達規模双方で「大量」を狙う
USAF


以上の記事の単価が高性能巡航ミサイル単価とほぼ同額なのに留意願いたい。また高性能ステルス無人機で何度も再利用する狙いがないことも重要だ。試験機段階から作戦機材に変身すれば、Q-58には空軍の攻撃力や柔軟対応力を比較的廉価で実現する潜在力がある。.
整備された滑走路がない場所からでも運用できることはペンタゴンがめざす大国との戦闘でインフラがない環境でも運用できることを意味する。また航続距離を見れば抵コストでも敵の接近阻止領域拒否バブルの突破が常識を破る形で実現でき、戦闘機が脆弱な給油機に依存しているためこの任務が容易でないことを考えると対照的だ。
そう、XQ-58AはXプレーンであり、近い将来における空軍の戦闘方法を一変させる可能性を秘める。敵味方とわず外国も急速にそれぞれ長距離ステルス戦闘航空機の実用化を進める中でXQ-58が姿を表したのは絶妙のタイミングと言える。
くりかえすが同機USAFのローエンドUCAV構想の一部であり、頂上となる存在は見えていない。いつの日かその姿を拝みたいものだ。■

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イスラエルに米陸軍THAADが初の完全展開した意味


U.S. Sends THAAD To Israel For First Time As Both Countries Slam Iran's Missile Programs 米軍THAADがイスラエルに初の完全展開し、米イのイランへの決意を示す


The United States and Israel have been laying the ground work for this type of deployment for years.米国とイスラエルはこれまで数年かけて今回の展開の基盤を構築してきた


BY JOSEPH TREVITHICKMARCH 4, 2019

US ARMY

軍がTHAAD高高度迎撃ミサイル防衛装備をイスラエルに演習用だが初めて送付した。今回の配備は両国がイランの弾道ミサイル開発に神経質になる中での実施となったが同時にここ10年にわたり実施中の緊急展開案もにらんだものだ。
米欧州司令部によれば今回の展開は3月4日に発表されたが、米陸軍が公表した写真を見るとイスラエル中央部ネヴァティム航空基地に搬入された第一陣は3月1日に到着している。演習は国防長官代行パトリック・シャナハンが命じ、ペンタゴンのめざす「動的部隊展開構想」の実証の意味があるという。これは米国の敵対勢力に知られないうちに部隊を展開するジェイムズ・マティス前長官提唱の構想だ。
「展開の目的には迅速展開を世界各地に向けて実施する訓練以外に、イスラエル空軍の防空装備との協力体制を進める意味もある」とイスラエル空軍はツイッターで説明している。「防御目的の展開であり現状のいかなる出来事とも無関係だ」
· 14h
The purpose of the deployment is to practice rapid deployment across the globe of complex systems, and to enhance cooperation with the IAF’s Air Defense Systems.

The IDF is working in cooperation with US forces in order to enhance coordination between the two militaries and...
This is a defensive deployment that is not related to any specific current event

米陸軍がイスラエルにTHAADを持ち込むのは今回が初めてだ。THAAD装備には輸送起立発射車両が最大9台あり、各8本の迎撃ミサイルを発射できる。これにあわせXバンドレーダーAN/TPY-2、移動式射撃管制指揮命令所、その他支援装備で構成する。迎撃ミサイルは補充可能だ

MDA
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今回展開したのはテキサス州フォートブリスの第11防空砲兵旅団隷下の第二対空砲兵連隊B中隊とオハイオ州軍174対空砲兵旅団の一部で、11旅団は陸軍のTHAADの大部分を管理しており、二個中隊がグアムと韓国に前方配備中で北朝鮮脅威に対応している。
今回の動的部隊展開演習は装備の搬送、輸送、展開、設置の他イスラエル国防軍と接続し防空網の一部とする作業の評価にうってつけの機会となった。実際の緊急対応ではイスラエルが整備下弾道ミサイル防衛能力を補完するねらいがある。演習は米軍のミサイル防衛体制見直しの最新版とも歩調を合わせ地域なの同盟国との協力を強調する形となった。
「米国は強力なミサイル防衛協力関係をイスラエルと維持し、このたびの米イスラエル合意事項を尊重する」とミサイル防衛体制見直し報告書は説明している。「二国間演習の機会を利用し...米イ両国は今後も作戦協力関係の強化を通じて地域内のミサイル脅威に対応していく」
US ARMY
米陸軍隊員がTHAADの輸送起立発射車両を空軍のC-17AグローブマスターIII輸送機に搬入している テキサス州フォートブリスにて

イスラエルはミサイル以外に非誘導式ロケット弾の脅威にも直面しており、シリア独裁者のバシャ-アルアサド政権、イラン、イランが支持するシリア内勢力がこれを発射しており、レバノンにはヒズボラもあるが一番大きな懸念がイランが弾道ミサイル整備を進めていることだ。「イランが行使する手段としてミサイルがまず考えられ、本数が増えるとともに精度、飛翔距離、威力が向上している」とミサイル防衛体制評価が警句を鳴らしている。
そのため米イ双方はTHAAD配備は実際の情勢と無関係と主張するものの、イランへ何らかのメッセージを送っていることは当然だろう。2019年1月にイラン当局は衛星打ち上げに失敗したが米イ両国は弾道ミサイル開発を隠す意図があったと非難している。2月にニューヨークタイムズ記事が米政府がイランミサイル開発の妨害をひそかに再開したと伝えた。
米国はイランの核兵器開発をめぐる多国間取り決めから2018年に脱退しているが、トランプ政権はこれまでになく厳しい姿勢をイランに示しており、経済制裁再開を主張している。トランプ政権にとって核以外の問題に何も手を付けていないことが不満の種だ。
イランもシリア国内の複数地点に弾道ミサイルを撃ち込んでいる。この発射でイラン政府は周辺の敵対勢力にメッセージを送っているのだ。
さらにイランは弾道ミサイル技術を周辺地域の味方陣営に拡散している。ヒズボラもその例でイエメンのフーシ反乱勢力など中東で一層の脅威になっている。イスラエル政府はイランがヒズボラにGPS誘導装置を手渡しミサイルに搭載させたと非難しているが証拠は一切示していない。ヒズボラはイスラエルがミサイル工場だと指摘した建物が公表されるとすぐに証拠抹消を図った

IDF released video about Iranian and Hezbollah Missile Accurate Project (MAP) facilities near Beirut Airport /Israel /Lebanon
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初のイスラエルへのTHAAD完全展開となったが陸軍ではジュニパーコブラの名称でイスラエルへの装備迅速展開を訓練しており、3月の実施が多い。米軍は今回のTHAAD展開が今年度のジュニパーコブラの一部なのか明言していない。
毎年の演習ではペイトリオットをイスラエル各地に展開する。ただし2007年以降の演習シナリオではTHAADとアーレイ・バーク級駆逐艦が搭載臼るイージス弾道ミサイル防衛装備をシミュレートしてきた。ジュニパーコプラではイスラエルのペイトリオットとアロー系の弾道ミサイル防衛装備も展開する。

US ARMY
2018年のジュニパーコブラ演習でイスラエルに搬入された米陸軍のペイトリオット関連レーダー装備。

2012年以降は米国はAN/TPY-2前方配備レーダーをイスラエルのネゲブ砂漠にあるハーケレン山(サイト512)頂上に設置しているが、今回の展開の様子を示す写真ではB中隊は自前でAN/TPY-2を持ち込んでいるようだ。
2017年に陸軍はイスラエル防空学校のあるビスラチ航空基地内にサイト883を開設した。これもネゲヴ砂漠だ。これは米軍対空対ミサイル装備のイスラエル前方配備の増加への対応だ。これに伴い米陸軍は第13ミサイル防衛中隊を稼働させている。

US ARMY


THAAD装備一式を全部持ち込むことはシミュレーションとは意味が違い、周辺国へメッセージを明確に送ることになる。イランはその対象の一つで米国とイスラエルが有事に際してどう行動するかを実際に見せる意味もある。

トランプ政権がミサイル防衛を継続拡張する意向を示す中でイスラエルとの防衛協力はイランの弾道ミサイルへの強硬な態度とともにイスラエルへのTHAAD展開が今後は当たり前になると示しているようだ。■

Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2019年3月7日木曜日

海自あさひ級二号艦しらぬい が就役


Japan commissions second Asahi-class guided-missile destroyer

日本のあさひ級誘導ミサイル駆逐艦二号艦が就役

Kosuke Takahashi, Tokyo - Jane's Defence Weekly
05 March 2019

JMSDFはあさひ級二号艦を2月27日に自衛艦として就役させた。 Source: MHI

上自衛隊(JMSDF)のあさひ級誘導ミサイル駆逐艦二号艦の引渡式が2月27日に長崎県で行われた。

JSしらぬい(艦番号120)と命名された同艦は青森県大湊基地の第三護衛隊群第七護衛隊に配備される。

しなぬいにはJMSDF初の潜望鏡探知レーダーが搭載されており、2017年10月進水し、2018年7月から海上公試に入っていた。一番艦のJSあさひ(艦番号119)は2018年3月に就役した。

JMSDF広報官は同級では以降の建造予定はないとJane'sに3月4日に伝えている。かわりに3,900トン級多任務フリゲート艦計8隻を2021年度までに建造すると言う。

Jane's Fighting Shipsによればあさひ級は全長151メートル基準排水量5,100トンでジェネラル・エレクトリックLM2500ガスタービンエンジン2基でコンバインガスタービン発電とガスタービンを複合したCOGLAG方式を採用した。

最高速度は30ノット、乗員定数220名とJMSDFは発表。飛行甲板、格納庫にそれぞれ三菱重工(シコースキー)SH-60Kヘリコプターを搭載する。

あさひ級は127 mm海軍砲を主砲とし、ファランクス20mm近接防御兵装を搭載する。その他90式対艦ミサイル、RIM-162発展型シースパローミサイル(ESSM)を運用する。

対潜装備には324mm魚雷発射管6本とOQQ-24艦首ソナー、OQR-4戦術曳航式アレイを装備している。■


本ブログでは護衛艦という国内向けの珍妙な名称は使っていません。あしからずご了承ください。海自DDの建造は当面予定されていませんので当面は同艦が最新のDDとなるわけです。フリゲート艦は米海軍でも計画が進んでおり、日米の建艦思想の違いがどこまで現れるか注目されますね