2024年6月5日水曜日

初飛行から50年、進化を止めないF-15はどこに向かうのか。現状と展望をボーイング取材でまとめた記事をご覧ください

 



初飛行から50年となったF-15ですが、いまだに進化を続けているのは読者のみなさんもご存知でしょう。The War Zoneがセントルイスのボーイング社施設を訪れ、これまでの道のり、イーグルIIとなったEXの現状、各国向け各型、さらに今後の展望をまとめました。ご注意 この記事はボーイング社がスポンサーとなっています。(米国のジャーナリズムはこういうところが正直ですね)


A USAF Boeing F-15EX flies at low level in Nevada.Jamie Hunter

U.S. Homeland photo


50年にわたる運用経験がF-15を進化させた


イーグルの生産は50年にわたり続いており、最新のF-15が誕生している


F-15イーグルは50年にわたり生産され、100回以上の空中戦勝利を含む素晴らしい戦績を残している。現在、ミズーリ州セントルイスにあるボーイングの製造ラインから、まったく新しいバリエーションが生み出されている。


「当社が米空軍向けに製造中のF-15EXイーグルIIは、現在最も重要な航空機のひとつです。実績あるプラットフォーム、速度、積載量、航続距離」。元米空軍准将で、F-15パイロットのキャリアを持ち、現在はボーイングのファイターズ・ビジネス・ディベロプメント・ディレクターであるロブ・ノボトニーは言う。

 「高性能版F-15は、他機種にない能力を提供します。「機体の物理的な大きさは、計算能力を拡張できることを意味し、さらに新しいセンサー、新しいポッド、新しい武器を搭載することができますので、テクノロジーのペースが加速し、敵が進化し続ける中、F-15はアメリカ空軍にとって、そのペースに追いつくか、先んじることができるのです」。

 「F-15は)オープンミッションシステムと、コックピット、搭乗員、センサーとの統合に向けて、テストベッドの1つとして使用するつもりだ。F-15EXで下準備の多くは済んでおり、当社の先進的な製造能力もこの技術で証明されています。つまり、これはこの(ジェット機を)製造する労働力と同様に、重要な要素なのです」。


イーグルの50年


最初の量産型F-15Aが1974年11月にアリゾナ州ルーク空軍基地の第555戦術訓練飛行隊に引き渡されるべく、ミズーリ州セントルイスのマクドネル・ダグラスの製造ラインから出てから50年。オリジナルのF-15A型からD型イーグルは、空対空戦闘で恐るべき定評を得た。104対0のキルレシオを記録したことは有名で、F-15による最初の空中戦勝利は、1979年にイスラエル軍パイロットがシリアのMiGに対して記録したものである。


1991年の砂漠の嵐作戦では、アメリカ空軍とサウジアラビア空軍のイーグル・パイロットがAIM-7スパローを使用し、イラク空軍に壊滅的な打撃を与えた。この空対空ミッションの支配力は、1999年のアライド・フォース作戦含む主要な航空作戦でも証明されている。


イーグルの空対空能力は、2024年4月13日、弾道ミサイルと巡航ミサイルの連射、長距離神風ドローンの群れを含むイランのイスラエルへの報復攻撃で再び強調された。イギリスのレイケンヒース空軍基地とノースカロライナ州のシーモア・ジョンソン空軍基地を拠点とする部隊を前方に配備させたアメリカ空軍はF-15Eストライクイーグル(F-15のデュアルロール・バリアント)でイランの無人偵察機70機以上を撃墜した。この行動は、米空軍におけるF-15の重要性と、F-15EXの意義を改めて浮き彫りにし、強調した。


F-15A型からD型は米空軍だけでなく、イスラエル、日本(F-15J/DJ)、サウジアラビアでも調達された。空対空および空対地能力を持つF-15Eストライク・イーグルの開発により、F-111アードバークに取って代わる存在になった。また、その後イスラエル、サウジアラビア、韓国、シンガポール向けに特注バージョンのストライク・イーグルが製造された。


1997年にマクドネル・ダグラスを吸収したボーイングは、新たな顧客の関心を呼び起こし、就役ずみ機体をアップグレードするため、F-15を抜本的に強化する可能性に注目していた。F-15は、改良された新造バージョンの実現において、輸出顧客が重要な役割を果たすという計画を策定した。


2009年に発表された準ステルスのF-15SEサイレント・イーグルは、韓国をターゲットにし、イーグルのレーダー探知シグネチャーを低減するため、新しいコンフォーマル武器ベイ、傾斜した垂直安定板などの調整が施されていた。AIM-120AMRAAM(高性能中距離空対空ミサイル)の発射を含む新しいウェポンベイの飛行試験も実施したにもかかわらず、サイレント・イーグルは韓国に選ばれなかった。しかし、イーグルの進歩が損なわれたわけではない。

The seventh production Boeing F-15EX at the St. Louis, Missouri, manufacturing plant. <em>Jamie Hunter</em>

The seventh production Boeing F-15EX at the St. Louis, Missouri, manufacturing plant. Jamie Hunter



サウジアラビアが2011年に84機のF-15SA(サウジアラビア・アドバンスド)を発注したことは、大きな飛躍だった。SAは高性能版F-15の最初の機体であり、まったく新しいデジタル・フライ・バイ・ワイヤ飛行制御システムを搭載した。この変更は、新バージョンのイーグルの全飛行範囲を探索し、再認証する必要があった6年間の大規模な飛行試験プログラムの先駆けとなった。フライ・バイ・ワイヤ・フライト・コントロールは、他の改良点の中でも、2つの追加武器ステーションの開放を容易にするだけでなく、「気楽な操縦」を可能にした。


F-15QAプログラムではカタールからさらに高性能F-15の発注が続き、アメリカ空軍からは、これらの老朽化した戦闘機の高価なアップグレードの代わりに、航空州兵F-15C/D飛行隊の一部を再編成するめF-15EXを選択した非常に重要な発注があった。

An F-15SA of the Royal Saudi Air Force. <em>Jamie Hunter</em>

An F-15SA of the Royal Saudi Air Force. Jamie Hunter


当初F-15Xと呼ばれていたF-15CX単座の高性能版F-15を一時検討したアメリカ空軍は、複座型F-15EXに落ち着いた。この調達決定により、米空軍は、コストと時間のかかる高性能版F-15の単座構成への再パッケージ化ではなく、F-15QAをベースとしたイーグルを採用することができた。空戦が「大国間競争」の新時代に急速に進化する中、もうひとつ座席を維持することは、賢明な判断であることが証明されるだろう。


F-15EXイーグルII


米空軍のF-15EXは、コックピット内の2か所の大面積フラット・パネル・ディスプレイ、デジタル・ジョイント・ヘルメット・マウント・キューイング・システム(DJHMCS)ヘルメット・マウント・ディスプレイ(HMD)、薄型ヘッドアップ・ディスプレイ、改良型主翼内部構造、フライ・バイ・ワイヤ・コントロール、レイセオン製AN/APG-82 AESAレーダー、フライ・バイ・ワイヤ・システムによって容易になった外翼ステーション1と9の起動を特徴としている; 先進的なADCP IIミッション・コンピューター、最新の無線・衛星通信、高度なイーグル・パッシブ・アクティブ・ウォーニング・サバイバビリティ・システム(EPAWSS)電子戦・監視スイート、リージョン・ポッド搭載赤外線捜索・追跡システム(IRST)、ジェネラル・エレクトリック社製F110-GE-129エンジン。リストは続く。

This production line image was issued in July 2020 upon the award of a contract for the first lot of eight F-15EXs. <em>USAF</em>

This production line image was issued in July 2020 upon the award of a contract for the first lot of eight F-15EXs. USAF


「F-15EXは、まず、まったく新しい飛行機です」とロブ・ノボトニーはコメントする。「見た目はF-15が50年以上かけて作り上げてきたものに似ているが、見えないのは内部の製造上の改良点だ。1960年代と70年代にほぼ完成された設計、このプラットフォームに流れる遺伝的文化、オペレーター、戦闘機搭乗員、整備士、我々はこれらの教訓をすべて取り入れ、F-15EXの開発に注ぎ込みました。この機は、卓越した戦闘能力、整備性、低維持コストの基盤の上に構築されています」。


イーグルは、大ペイロードを速く遠くまで運ぶことができることが証明されており、F-15EXのビジネスケースの鍵でもある。


「F-15の最も強力なセールスポイントのひとつは、一貫して運搬能力だと思います。F-15の原型が実戦配備されたとき、長い間、最大の空対空積載量を積んでいた。ストライク・イーグルが登場すると、精密誘導兵器を含め、その能力は劇的に拡大した。F-15EXも同様で、より重い兵器を搭載できるようになり、さらに多くの兵器を搭載できるようになっています。


「空対空の観点からは、12種類の武器を搭載できる。空対地では、30,000ポンド近い兵器を搭載することになる。極超音速兵器や攻撃可能なドローンを搭載する道も開ける。そのため、迅速な警戒態勢による国土防衛から、紛争が激しい環境での長距離攻撃まで、あらゆる兵器のポートフォリオを国に提供することができるのです。このプラットフォームはそのすべてを搭載できる」。


イーグルの最も強力な特性のひとつは純粋な性能であり、特にその高速性は、極めて長距離のミサイル発射のために発射時に武器に慣性を付与する能力に多大な影響を与える。


「そう、F-15EXは "スーパークルーズ "ができます(マッハ1.0以上を、燃料消費と赤外線シグネチャーを生じるアフターバーナーなしで持続的に飛行できる)。私はプラット&ホイットニーF100-PW-100モーターを搭載したクリーンなF-15Cでスーパークルーズしたことがあります。イーグルでも-220搭載機で同じことをした。CFT(コンフォーマル・フューエル・タンク)を装着した-220エンジンのF-15Eでスーパークルーズした人も知っている。F-15EXでもスーパークルーズは可能だが、戦闘関連のアイテムを装着すると、その能力は低下します。


「本当にエキサイティングな動きは、EPAWSSシステムによる電子戦空間への進出でしょう。この認知システムは、つい数週間前に初期運用試験・評価(IOT&E)に合格したばかりです。電子戦では、より急速に進化する脅威と歩調を合わせる特別な方法が必要です。ステルスと対照的に、F-15はこのような道を歩んできました。ステルスと、LO(低観測性)および非LOプラットフォームを使用したステルスの補完的な性質が常に存在することになります。」


「ステルスとは生存性とキルチェーンを断ち切ることがすべてです」とボーイングF-15チーフパイロットのマット "ファット "ギーゼが付け加える。「EPAWSSによって、これらとまったく同じ効果を生み出すことができるでしょう。敵は対空技術を急速に進歩させ、あらゆる種類の赤外線技術を急速に進歩させています。助けを借りずにこの航空機を隠すのは難しく、その助けは電子戦システムからもたらされます。これによって、キル・チェーンを断ち切ることができるのです」。


イーグルIIの製造


三菱重工業が航空自衛隊向けにライセンス生産した199機のF-15J/DJを除き、すべてのF-15はセントルイスの同じ生産棟で製造されてきた。現在、生産ラインではF-15QAとF-15EXが月産1機半のペースで生産されている。ボーイングは、F-15ラインの製造精度を向上させながら、時間とコストを削減するプロジェクト多数を実施している。


「F-15EXでは、FSDAと呼ばれる最新の設計・製造手法を採用しました。これにより、品質と組立時間が改善され、機体への穴あけや組立に必要な工具の数が削減されます。こうした質的・効率的向上は、最新のF-15を『デジタル機』として構築することによってももたらされたものです。これには、3Dデジタル・モデリングとロボットを活用し、主要部品に必要な何千もの穴を開けることも含まれています。韓国で行われていた前部胴体の生産は、F-15EXプログラムの登場とともにセントルイスに戻りました。現在、ノーズバレル、前部胴体、主翼はすべてこの技術で製造されており、後部胴体と後部中央胴体でも採用します」。

An F-15EX forward fuselage in the Boeing St. Louis production line. <em>Jamie Hunter</em>

An F-15EX forward fuselage in the Boeing St. Louis production line. Jamie Hunter

Wings being mated to the F-15EX fuselage. <em>Jamie Hunter</em>

Wings being mated to the F-15EX fuselage. Jamie Hunter


「前部胴体部分をセントルイスに戻すにあたり、設計を更新しました」とF-15製造マネージャーのジェイク・ライヘンバーグは説明する。「継続的な改良を行っており、(前部胴体の)ハンドスプライスは2点だけになりました。あらかじめ組み立てられており、クリックするだけで組み立てできます。その他のアップグレードとしては、光ファイバーがあり、レーダーからのデータ受信などに役立つよう、さらに追加を続けています。


「最初の2機のEX前部胴体は韓国で製造されましたが、アメリカ空軍のEX3はここで製造された最初の機体です。祖父は1966年にここでF-4の製造を始め、その後、F-15のラインが立ち上がりました。私の役割は、前部胴体ラインを立ち上げ、EX3をラインで動かし、チームを立ち上げ、工程を整えることでした。ここでは、リーンで継続的な改善の文化と考え方を推進しています。


「F-15EXの経済的耐用期間は20,000時間です。これは、20,000時間を超えても良好な構造担っているかを証明するフルスケールの疲労試験を実施することで可能になったものであり、ボーイングが意図的に実施した構造再設計は、既知の疲労クリティカルな場所に対処しています」。



アメリカ空軍におけるF-15EX


米空軍のF-15EXの予想規模は大きく変動してきたが、同軍が抱く明確なイメージが着実に明らかになってきている。


米空軍の当初の意図は、144機を調達だった。2023会計年度の予算要求で、空軍はF-15EXの購入予想を80機に減らした。2024会計年度の予算案には、F-15EXを24機追加購入する資金要求が含まれ、計画機数は104機になる。だが最新の米空軍計画は、2025会計年度予算の一部として、F-15EXの購入計画総数を104機から98機に減らす。


米空軍はまた、F-35Aを以前予想されていたより少なく購入する案を検討しているが、同軍は、最終的に合計で何機の共用打撃戦闘機を取得する予定であるかに変更はないとしている。軍高官が定期的にF-15EXの能力を宣伝し、可能であればこの航空機をもっと保有したいと表明しているにもかかわらずF-15EXの調達数が今回修正された。


「顧客と話すと、F-35とF-15EXの両方でもっと多くの機体を望んでいるのがわかります」とロブ・ノボトニーは指摘する。彼の理解では、アメリカ空軍はF-15EXを6機、F-35を6機削減しなければならなかったが、それは彼らが望んだからではなく、財政責任法(FRA)によってもたらされた予算制限のためだという。「米空軍のF-15EX購入意欲は依然として強く、航空戦闘司令部が文書化した必要数は144機のままであり、NDAA(国防授権法)で議会で可決されたのは104機で、FY25の大統領予算要求は98機です。議会が年次予算編成過程でこの要求数量に何らかの変更を加えるかどうかは、この秋にわかるでしょう」。


ノボトニーは、「ボーイングは今後数週間でロット1で残る2機を納入し、ロット2は現在セントルイスで生産中で、ロット3と4で56機まで納入する契約です。現在、ロット5の24機とロット6の18機について交渉中です。FY25予算要求でロット6から削減された6機は、連邦議会が審査中の航空州兵の未経費優先リストに追加されました。ボーイングは、米空軍、州軍航空隊、そして議会とともに、ロット7以降の可能な選択肢について取り組んでいます」。


ノボトニーはまた、予算計画を上回る航空州兵からの強い要求を挙げている。米国空軍が新造イーグルを求めボーイングに戻ってきた重要な要因のひとつとして、航空州兵のF-15C/Dユニットを迅速かつ効率的に再資源化する能力があった。


「この機体なら、飛行隊が整備や飛行士を訓練するためにダウンタイムが発生することはない。「以前よりも規模が小さくなった空軍は、より多くの時間を飛行に費やし、我が国を守ることができます。ですから、このプラットフォームをすぐに代替できるようにすることが、本当に重要な機会となるのです」。




航空州兵はF-15EXを単座機として飛行させる予定だが、ポートランドの第142戦闘航空団が最近発表した、新兵器の訓練についてご覧になったかもしれない。同部隊は最近、空対空兵器と空対地兵器の両方をF-15EXに搭載するために整備士を訓練していると発表した。同航空団は以前、F-15C/Dを空対空でのみ運用していた。F-15EXのマルチロール使用への動きは、F-15Eストライク・イーグルに見られるように、より複雑なマルチロールミッションのために後部座席の武器システム士官(WSO)を使用する可能性を示す航空州兵からのシグナルかもしれない。


「ネリス(ネバダ州空軍基地)のウェポンスクールでは、F-15EXのシラバスを、WSOを後部座席に乗せた2人乗りで作成中だと思う。「いずれは州軍にもWSOが配備されることになるだろう。4機のF-15EXの編隊に1人か2人のWSOがいれば、任務が非常に強化されると思う」。


国際的な顧客


「当社の海外のパートナーは、F-15に次のレベルの性能をもたらした。デジタル・エンジニアリング、デジタル・フライト・コントロール、新しいコックピットなど、能力の世代的飛躍です」とロブ・ノボトニーは言う。サウジアラビア向けの84機のF-15SAは、現在進行中の試験作業のためセントルイスに保管されている2機を除き、すべて引き渡しずみだ。カタール向けF-15QAでは、48機の発注のうち33機が引き渡された。


「世界を見渡すと、現在F-15を使用中のオペレーターすべてが、新造機、あるいはEX-Liteのようなアップグレード機から、そのような能力を自分たちのプラットフォームに前倒しで導入することを望んでいます。韓国とはF-15Kの大規模な改造について素晴らしい会話をしています。韓国空軍はF-15KにAN/APG-82レーダー、EPAWSS(Eagle Passive Active Warning Survivability System)、大型ディスプレイ・コックピットの改修を検討しています。


「日本は現在、F-15Jスーパーインターセプターのアップグレードを契約しており、日本のF-15Jのアップグレードには、APG-82の追加も含まれています」。


「ユニークな武器システムに興味を持っている顧客が多数あります。ソフトウェア開発であれ、兵器統合であれ、当社が顧客と密接に協力していることが大きなセールスポイントのひとつです」。


「ポーランドはF-16やF-35を補完する重量級戦闘機として関心を示しており、2個戦闘機中隊分の32機を検討中です。インドネシアはエキサイティングな新市場であり、我々は24機の機会を探っています。インドネシアは2023年8月にF-15EXの覚書に調印した。イスラエルもF-15EXの潜在的な顧客で、50機もの要求がある。しかし、この契約は現在の政治的な微妙な状況に左右されます」。


サウジアラビアは、パナビア・トーネードとF-15C/Dの両フリートを再資本化することが急務であるため、高性能版F-15の顧客となる可能性がある。サウジアラビアは84機のF-15SAを発注したが、既存のF-15Sストライクイーグルを同基準にアップグレードしている。F-15EXをベースとした高性能版F-15の追加発注は、旧型F-15C/Dや攻撃型トーネードを置き換える解決策となる可能性がある。


将来の役割


協働型戦闘機(CCA)や人工知能パイロットをめぐる話題や予算配分が盛んに行われる中、有人戦闘機は今後数年間で、劇的に変化する作戦状況の中で採用される可能性が高い。将来の戦争では、戦闘機は、搭乗員と非搭乗員の両方のアセットからなる巨大なパッケージを調整し、通信しながら、長距離で危険な目標を捕捉することが求められるかもしれない。


「F-15EXが前方指揮統制プラットフォームとなり、有人または無人の戦闘機と連携し、ポートフォリオ全体で総合的な空軍部隊として連携する姿を予見しています」とノボトニーは言う。「非常に激しい戦闘環境の真っ只中で通信し、データを作成し、ノード間で情報を共有することができるでしょう。


「F-15EXの可能性を追求しています。後部コックピットを巨大なコンピューター・ラボにすることになるかもしれない。「F-15EXがあれば、自分のやり方で戦うことができるし、そ生き延びることができる。そして、データリンクを通じて、指揮統制能力のホットスポットを作り出すことができる。後部座席のWSOが、レーザー・デジグネーター・ポッドを使ってGBU-12爆弾を誘導するような従来の役割を今後も果たすとは思えない。これはむしろ、将来の長距離キルチェーンや、共同指揮統制エージェントに関するものだ。F-15EXでは2000マイル離れた標的を攻撃するのに必要な武器を持ち込んでいきます」。


ボーイングは、F-15EXが将来のアメリカ空軍の戦闘航空部隊においてユニークな役割を果たすと見ている。これには、より大型の長距離極超音速ミサイルの使用や、CCAの指揮統制ノード機能などが含まれる。二人乗りのF-15EXが前席だけで操作できることは、後席の搭乗員にとって、複雑で特殊な任務に集中できる効果を提供するように見える。さらに、高性能版F-15のEPAWSS電子戦システムは、将来の紛争で破壊的な能力を発揮する可能性がある。


ボーイングによれば、F-15EXは将来の戦場において、低視認性の乗員型プラットフォームや無人ウイングマンを効果的に補完する。また、米空軍に選択肢を与え、戦力構成のリスクを低減する。


「アメリカ人として、元航空兵として、国のために戦闘機ラインを複数の持つことは重要だと思います」とノボトニーは付け加える。


「それで競争が可能になり、その空間での開発を可能にする。そして、互いに誠実であり続けることができる。そうすることで、適切な能力を合理的な価格で戦闘員に提供することができるようになります」。■


How 50 Years Of Eagle Experience Has Shaped The Advanced F-15

Branded Content: Five decades of Eagle production has resulted in the newest F-15 incarnation, which is primed for manned-unmanned teaming.

BYJAMIE HUNTER|PUBLISHED JUN 4, 2024 3:34 PM EDT


米中の安全保障観がここまで食い違っていることを改めて世界に示した今年のシャングリラ対話:インド太平洋(米国)、アジア太平洋(中国)、集団安全保障と一国安全保障など

 


米中両国とも政治レトリックで生まれた国であり、指導層のことばも建前が基本線となっています。とはいえ、今回のシンガポールでのシャングリラ対話は世界の前にそれぞれの見解を述べる機会となりました。中共がまたとんでもないことを述べておりましたが、これはKnow Your Enemyブログで別途ご紹介することにしましょう。今回の記事はUSNI Newsによるまとめです。

Secretary of Defense Lloyd J. Austin listens to Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy address the International Institute for Strategic Studies (IISS) 21st Shangri-La Dialogue in Singapore, June 2, 2024. DoD Photo


Adm. Dong Jun in Sept. 2023. Singapore Ministry of Defense Photo


米中の太平洋安全保障ビジョンはここまで食い違っている---シャングリラ対話での発言であきらかに


イド・オースティン米国防長官と董俊Adm. Dong Jun中国国防相は週末、シンガポールで開催された国際戦略研究所(IISS)シャングリラ・ダイアログで、地域の安全保障について見解の相違を示すスピーチを行った。

 オースティン長官は、欧州や中東での出来事があっても、インド太平洋に対する米国のコミットメントは変わらないと強調するとともに、同地域における米国のパートナーシップと協力的な取り組みを強調した。一方で董国防相は、中国は台湾の独立を抑制するために断固とした行動を取るだろうと警告し、第二トーマス諸島や南シナ海での侵害や挑発行為に対する中国の自制には限界があると述べた。また、台湾を中国から切り離そうとする者は「粉々に打ち砕かれ、自ら破滅をもたらすに違いない」と述べ、米国が台湾に関する中国のレッドラインを試していると非難した。

 オースティンは南アジアを含む「インド太平洋」という言葉を使い、董は南アジアを除外した狭い定義の「アジア太平洋」を使った。

 インド太平洋における米国の戦略的パートナーシップ」と題された土曜日のオースティンの演説では、中国についての言及は限られていた。 長官は、紛争は対話により解決されるべきであり、強制や衝突によって解決されるべきではないと述べ、「また、いわゆる懲罰によっても解決されるべきではない」と、中国軍が台湾独立勢力に対する懲罰だと主張した、台湾周辺で行われた合同軍事演習「Joint Sword-2024A」を暗に言及した。オースティンは、フィリピンの第二トーマス諸島での補給活動に対する中国の行動を指摘し、「フィリピンが直面している嫌がらせが危険であることは単純明快だ」と述べた。

2023年9月、ドン・ジュン提督。シンガポール国防省撮影

 また、フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領による金曜夜の基調講演にも言及し、大統領が南シナ海での法の支配の遵守を訴えた点について、「マルコス大統領は昨夜、南シナ海における法の支配について雄弁に語った。そして、彼は正しい」とオースティンは言い、大小を問わず、すべての国は自国の海洋資源を享受し、国際法が許す範囲でどこでも自由に航行し、活動する権利があると付け加えた。

 董国防相は、「グローバルな安全保障に対する中国のアプローチ」と題した日曜日のスピーチで、中国軍が他国と協力する意思があること、中国が国際法を遵守する意向があることを強調した。同時に、彼はアジア太平洋諸国を代表して発言し、アジア太平洋諸国には地域の問題を解決する能力と自信があり、覇権国の命令を受けて自国を強化しようとする人々を軽蔑していると述べた。

 「我々は、アジア太平洋諸国の利益を損なう覇権主義やパワーポリティクスを許さない。この地域に地政学的な対立や戦争を持ち込むことは、誰にも許さない。われわれは、いかなる国やいかなる勢力も、われわれの地域に紛争や混乱を引き起こすことを許さない」と中国国防相は述べた。

 董国防相は、台湾は中国にとって核心的利益であり、中国の台湾への対応は内政問題であり、外国からの干渉は許されないと繰り返した。また、中国は平和的統一を約束しているが、この見通しが台湾独立を求める分離主義者や外国勢力によって損なわれていると述べた。「(人民解放軍は)台湾独立を阻止するため断固たる行動をとり、そのような企てを決して成功させない。台湾を中国から切り離そうとする者は、粉々に打ち砕かれ、自ら破滅をもたらすに違いない」。

 董はまた、この地域の国々の協調的な努力のおかげで南シナ海は全体的に安定していると述べた。しかし、フィリピンを間接的に指す "ある国"は、外部勢力に煽られ、二国間協定や自らの約束を破り、計画的な挑発行為を行い、国民を欺く虚偽のシナリオを作成しているとした。

 董は、この "ある国"は、地域の全体的な利益を無視し、外部の国に中距離ミサイルシステムの配備を許可することで、東南アジア諸国連合憲章に違反していると述べた。

 「中国はこのような侵害や挑発行為に対して大きな自制心を発揮してきたが、自制心にも限度がある」。

 彼はおそらく、ASEAN加盟国の主権、領土保全、政治的・経済的安定を脅かすいかなる政策や活動にも参加すべきではないという憲章の一節を指しているのだろう。米陸軍のミッドレンジ・キャパビリティ・ミサイル・システムが、4月にサラクニブ24演習のためフィリピンに配備されたが、どのASEAN諸国も公式に抗議していない。

2024年3月23日、補給艦ウナイザ・メー4を爆破する中国沿岸警備隊のカッター。フィリピン国軍画像

 これと対照的に、オースティンの先の演説では、インド太平洋に対する米国のコミットメントと、インド太平洋における安全保障の新たな収束と呼ばれるものを改めて強調することに重点が置かれていた。「米国は太平洋国家である。そして、この地域が、他のどの地域よりも、今世紀の進路を形成しているからだ。米国はインド太平洋に深くコミットしている。我々はすべて参加している。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの対立など、ヨーロッパや中東での歴史的な衝突にもかかわらず、インド太平洋は米国にとって最優先の作戦地域であることに変わりはありません。だからこそ、私たちは長い間この地域でのプレゼンスを維持してきた。そして、同盟国やパートナーとの約束を果たすために必要な投資を続けているのもそのためだ」と語った。

 オースティンは、インド太平洋における安全保障のほぼすべての側面をめぐる新たな収束と呼ばれるものを強調し、より強く、より弾力的で、より有能なパートナーシップのネットワークを生み出すと述べた。「新たな収束とは、単一の同盟や連合ではなく、共通のビジョンと相互義務感によって推進される、重複し補完し合う一連のイニシアティブや制度のことだ」とオースティン長官は述べ、その一例として日豪相互アクセス協定を挙げた。

 質疑応答の中で、オースティンは、もしフィリピンの第二トーマス諸島への補給作戦をめぐって中国がフィリピンと対立し、フィリピン人に死者が出た場合、米国はどう対応するのかと質問された。長官は、仮定のシナリオについてはコメントしないが、フィリピンとの相互防衛条約に対する米国のコミットメントは鉄壁であるとだけ答えた。


USNI News Photo 第二トーマスショール衛星画像のイラスト ©2023 Maxar Technologies used with permission

 米国防長官はまた、米国はインド太平洋地域にNATOのような同盟システムを構築しようとしているのか、NATOの拡大が現在の「ウクライナ危機」を招いたのではないか、という中国軍将校の質問に反論した。 オースティンは、NATOの拡大がウクライナ危機を引き起こしたという見解には同意できないと述べ、出席していた代表団から自然と拍手が起こった。「ウクライナ危機はプーチン氏が隣国を不法に侵略する決断をしたことによって引き起こされたのは明らかだ」とオースティンは述べ、インド太平洋で起きていることは、共通の価値観と自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを共有し、その共通のビジョンを達成するために協力している志を同じくする国々の収束であるとも述べた。「私たちは、今後もそのようなことを続けていく」。

 一方、董国防相は質疑応答で出された質問をほとんど聞き流し、代わりに台湾について語った。彼は、"ある大国"が一つの中国原則を空洞化させ続け、台湾との公式な関わりや台湾への武器売却を通じて中国のレッドラインを試していると述べた。「このような行動は台湾独立勢力に誤ったシグナルを送り、彼らをより攻撃的にさせる」と董は述べ、その目的は台湾を利用して中国を封じ込めることにあると主張した。

 董国防相は、航行の自由作戦の概念を非難し、南シナ海では本人の知る限り、民間船舶の航行の自由が損なわれた事件は一件もないと述べた。また、東南アジアのある国の元首が最近同様の見解を表明したことに触れ、ある「大国」が南シナ海での存在感を高め、軍事資産を配備し続けているとし、「その大国は平和のために南シナ海に来たのか、それとも問題を引き起こすために来たのか」と問いかけた。董はまた、「どこかの国」(間接的にアメリカを指している)が、国連海洋法条約(UNCLOS)に署名していないにもかかわらず、それを無断で利用して他国の主権を侵害する「航行の自由作戦」を行なっており、これは覇権主義的な行動だとも述べた。

 董国防相は、セカンド・トーマス・ショールでのフィリピンとの最近の遭遇について厳しい言葉を投げかけた。彼は、マニラの現政権が中国との事前の合意を反故にしたと述べた。

 「通行人と車のように、自分で車にぶつかっておきながら、車の運転手を恐喝するため被害者ぶっておる」。彼はフィリピンを恐喝とルールに基づく秩序の乗っ取りを呼びつつ、中国の行動は自制されており、自国の法律に従っていると述べた。

 「意図的な挑発行為への我々の寛容さにも限界がある」。■


U.S. SECDEF Austin, Chinese MoD Dong Present Divergent Visions of Pacific Security

DZIRHAN MAHADZIR

JUNE 2, 2024 11:21 AM





2024年6月4日火曜日

米空軍F-35へのJSM統合打撃巡航ミサイル搭載が正式に始まった。海上スタンドオフ攻撃の能力は海軍にも訴求力あり、JSMは日本も導入するノルウェー製だ

 


F-35AでJSM巡航ミサイルの運用を米空軍が開始する段階に入りました。同ミサイルのねらいは対艦スタンドオフ攻撃で、日本も導入を早々に決めています。The War Zone記事からのご紹介です。


A U.S. F-35A releases a Joint Strike Missile (JSM) during a test. <em>Norwegian Defense Material Agency</em>

A U.S. F-35A releases a Joint Strike Missile (JSM) during a test. Norwegian Defense Material Agency


空軍のF-35Aに海上スタンドオフ攻撃という選択肢が加わる

空軍は、統合打撃ミサイル(JSM)巡航ミサイルの最初の契約を結んだ。ノルウェー製の同ミサイルは、表向きには、F-35A戦闘機がより大型のAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)を手に入れるまで暫定的にスタンドオフ対艦能力を持たせるのが目的だ。しかし、JSMは陸上標的も攻撃することができ、F-35Aの機内に収めることができる。

国防総省は、ノルウェーのコングスバーグ・ディフェンスとの固定価格契約でJSM製造ロット1契約を空軍に授与したと発表した。

国防総省の毎日の契約発表によると、「契約は、統合打撃ミサイルのすべてのアップラウンド、コンテナ、およびテスト機器を提供する。「作業はノルウェーのコングスベルグで行われ、2026年8月31日までに完了する予定だ」とある。


The US Air Force has awarded its first contract for the purchase of production Joint Strike Missiles which are set to give its F-35A Joint Strike Fighters a new and capable stand-off strike option against targets on land and at sea.

Kongsberg

空軍が契約によって何発のミサイルを受け取るのかは不明だ。同軍は過去に、ロット1で48基のJSMを購入する予定であり、合計で最大268基を取得する可能性があると述べている。

JSMは、海上・地上発射型のネイバルストライク・ミサイル(NSM)を航空発射型に大型化したもので、米軍を含め着実に普及が進んでいる。コングスベルグが米国の防衛請負会社レイセオンと共同開発したJSMは最大射程が約350マイルと公表されている。これは、ミサイルが低高度貫通モードで使用される場合、およそ半分に短縮される。

A briefing slide from 2014 with various details about the Joint Strike Missile's (JSM) capabilities. <em>Kongsberg </em>

A briefing slide from 2014 with various details about the Joint Strike Missile's (JSM) capabilities. Kongsberg

A general size comparison between the NSM, at top, and the JSM, below. <em>Kongsberg </em>

A general size comparison between the NSM, at top, and the JSM, below. Kongsberg

260ポンド弾頭のJSMは、GPS、INS、または地形マッピングを使用して、指定のターゲットエリアへの経路をナビゲートできる。地形マッピング・コンポーネントは、GPSが使えない環境でもミサイルを目的地に到達する貴重な追加手段となる。

敏捷なJSMは、低シグネチャー(ステルス)機能を備えているが、画像化赤外線シーカーを搭載し、飛行の最終段階で非常に正確な照準能力を発揮する。シーカーはパッシブに動作するため、電波妨害や探知を受けない。双方向データリンクにより、JSMは飛行中盤に追加の照準情報を受信し、タスクを変更できる。

すでに述べたように、JSMはF-35A統合打撃戦闘機の機内兵装庫に収まるサイズである。その結果、米海軍と海兵隊が運用する、より大型の空母搭載型F-35Cにも搭載できる。海兵隊も運用するF-35Bの内部ベイは、A型C型よりも小さいため、JSMを搭載できない。

コングスバーグはまた、F-16バイパー、F/A-18E/Fスーパーホーネット、F-15Eストライクイーグル、F-35A、B、CがJSMを外付けできることを実証するフィットチェックを行った。F-35の場合、これはステルス性に悪影響を及ぼす。

空軍にとってJSMの最大のメリットは、ミサイル自体が開発済みであり、ノルウェー空軍がF-35Aへの統合に資金提供していることだろう。空軍はすでに、ノルウェーのパートナーのサポートとして、開発と統合作業を支援している。

「空軍のJSM(プログラム)は、ノルウェー空軍のテストと統合の取り組みを活用する」と、空軍の2025会計年度予算要求には記されている。「さらに、JSMはアメリカ空軍特有の試験と統合、回帰、資格認定活動を行う。

ノルウェーに加えて日本とフィンランドがF-35Aにこのミサイルを搭載する計画を発表しており、米空軍はJSMパーティーにやや遅れている。

空軍がF-35AにJSMを搭載して初期運用能力を達成するのはいつになるのか、現時点では明らかではない。この武器の完全な統合が、大幅に遅れている共用打撃戦闘機のブロック4アップグレードパッケージとまったく関係がないのかも不明だ。ブロック4の改良は、F-35に各種新兵器を追加することを可能にする鍵であると過去に説明されてきた。

空軍はまた、JSMの購入は、将来計画されている大型のAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)のF-35Aへの統合への「橋渡し」であるとも以前述べていた。しかし、LRASMはF-35のどの機種にも搭載できるわけでなく、JSMは大型ミサイルに欠けている陸上攻撃能力も提供する。LRASMの派生型であるAGM-158統合空対地スタンドオフ・ミサイル(JASSM)陸上攻撃巡航ミサイルのバージョンも、将来的に米国のF-35に搭載されることになっている。既存の、そして現在計画されているJASSMの亜種もF-35の内部兵装庫に収まらず、艦船と交戦することはできない。


A rendering of an F-35 variant with a pair of AGM-158C LRASM missiles under its wings. <em>Lockheed Martin</em>

A rendering of an F-35 variant with a pair of AGM-158C LRASM missiles under its wings. Lockheed Martin

空軍にはF-35A以外の航空機にJSMを統合する可能性もあるかもしれない。JSMのF-16への搭載テストは実施済み、ミサイルが比較的小型であることから、他の統合の可能性が広がるかもしれない。ジェネラル・アトミックスは独自に、MQ-9リーパー・シリーズの武装オプションの可能性としてJSMを提示しており、将来のハイエンドな紛争において、ステルス性を持たないドローンの関連性を確保するのに役立つ方法を提供する可能性がある。

現在、米軍内では空軍のみの取り組みだが、JSMは海軍や海兵隊にとっても魅力的であり、F-35やF/A-18E/Fにも採用される可能性がある。

JSMの将来がどうなるにせよ、米空軍は現在、F-35Aでの使用を想定してこの兵器の購入を開始した。■


USAF F-35s Are Officially Getting Joint Strike Cruise Missiles That Fit In Their Bays

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAY 31, 2024 8:29 PM EDT

AIRSEA



米政府の承認を受け、早速ウクライナがロシア領内のSAM基地をHIMARSで攻撃し、効果が出ている模様。(ウクライナ戦の最新状況)

 

ホワイトハウスがなぜもっと早くウクライナにロシア国内攻撃を承認しなかったのか疑問であり、一応ハリコフ等の攻撃に関与した施設の攻撃に限定しているものの、その効果は大きく、ロシアがこれまで警告を発していたのはそれだけ自国が脆弱だとわかっているからでしょう。バイデン政権の優柔不断でこの戦争は長引いていると言ってよいのではないでしょうか。The War Zoneの速報からです。

RA smoldering Russian SAM launcher. <em>Via Telegram</em>

A smoldering Russian SAM launcher. Via Telegram

Damaged and destroyed Russian SAM components. <em>Via Telegram</em>

Damaged and destroyed Russian SAM components. Via Telegram


ウクライナがロシア国内の長距離SAMシステムを米国製武器で攻撃

ロシア国内数十マイルのS-300/S-400 SAMシステムへの攻撃はウクライナの防空破壊作戦の新たな段階を意味する


シア国内ベルゴロドにあるS-400またはS-300地対空(SAM)システムが、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)により破壊されたことを示すビデオと画像がソーシャルメディアに登場した。国境から約30マイル北のSAMへの攻撃は、バイデン政権がハリコフに向かって進行中の攻勢を妨害するために、HIMARS含む米国が供与した兵器をロシア国内で使用することを承認した数日後に行われた。


ビデオと画像は、月曜日にロシアのスパイ・ドシエ・テレグラム・チャンネルに最初に投稿された。ロシアの防空輸送車の横で撮影された10秒間のビデオには、遠くで炎と煙が上がる様子が映っている。映像からは何が燃えているのか不明だが、近くの物体はS-300/S-400システムで使用される輸送機-起重機-発射機と並んでいる。追加画像では、何が被弾したのかの詳細がわかる。


投稿された画像には、損傷したS-400やS-300の部品が写っており、一部はまだ燃えている。


スパイ文書によると、攻撃は日曜日に行われた。


本誌は、HIMARSが発射したGMLRSがこの攻撃に関与していることを独自に確認することはできなかった。また、長距離兵器システムを含むウクライナへの直接的な脅威に対して、ハリコフ地方付近のロシア国内を攻撃するために米国の兵器の使用を承認したホワイトハウスの新しい方針にも合致する。


照会に対し国防総省はウクライナ軍がすべきとかわし、ウクライナ軍は声明を発表していない。しかし、スパイ・ドシエやロシアのテレグラム・チャンネル、さらにウクライナのメディアは、今回の攻撃はGMLRSで実行したと報じている。ロシアの外務副大臣は、特定のシステムの名前は挙げなかったが、ロシア国内での米国の兵器使用に警告を発した。


ロシアのクレムリン秘密テレグラム・チャンネルが月曜日に報じた。「敵の一撃があった。S-400防空システム2機が深刻な被害を受けた。攻撃は西側兵器で行われた。予備的にはHIMARSだ。「我々の情報によると、これらの設備はハリコフと国境地帯の他の人口密集地域を攻撃するために使用された」とクレムリン秘密テレグラム・チャンネルは付け加えた。「また、残念ながら、レーダーと補助装置多数が失われた。我々はこの事件に関する情報を詳細にチェックした。防空システムに対する攻撃の後、徴兵一名が行方不明になっている。2人の将校が死亡した」。


クレムリン秘密テレグラム・チャンネルによれば、SAMシステムはロシア人徴兵兵によって運用されていた。同チャンネルによると、ベルゴロド州知事ヴャチェスラフ・グラドコフの側近は、「ベルゴロドは以前も攻撃を受けている。ウクライナ軍が西側の武器で攻撃する許可を得た今、彼らはより頻繁にやってくるだろう」。


今回の攻撃でモスクワの怒りがかきたてられた。ロイター通信によると、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は月曜日、「我々はアメリカの政治家たちに、致命的な結果をもたらすかもしれない彼らの誤算を警告する」。


これまでたびたび指摘してきたように、ウクライナがこれらのSAMシステムの攻撃を優先した理由は主に2つある。まず、ロシアの防空能力を低下させ、標的を攻撃しやすくするためだ。これらの長距離防空システムは、ウクライナの航空機やスタンドオフ兵器の作戦を、機種にもよるが半径250マイルまで脅かす。加えて、このシステムが設置されている国境を挟んで戦闘が非常に白熱しているため、国境を越えて滑空爆弾やその他の攻撃を仕掛けるウクライナの航空機を脅かすことになる。


もうひとつは、ロシアがこのシステムから発射されるミサイルを、ハリコフを含む長距離攻撃兵器として使用していることだ。この特定のシステムは、国境に非常に近く、ウクライナの領土と、モスクワから遠く離れたロシアに常に攻撃している長距離一方向攻撃ドローンの重要な空中パイプラインの間に位置している。SAMが攻撃されたベルゴロド州は、すでにウクライナの無人偵察機の最重要標的となっている。このシステムを破壊することは、ドローンの生存率を高めることにつながる。西側の兵器がロシアのこの地域の標的に対して使用されることが許されるようになった今、投入されそうな巡航ミサイルもこのSAMシステムによって脅かされることになる。


F-16が間もなくウクライナに到着するが、各機が紛争で可能な限り効果を発揮できるよう、敵の防空をさらに激しく制圧・破壊する作戦が展開される可能性が高い。


ともあれ、アメリカから供与された弾薬を使ったロシア国内での最初の攻撃が土曜日にベルゴロド州で行われたのは確実なようだ。


「ウクライナ軍はベルゴロド地方を砲撃するために初めてアメリカのヒマースMLRSを使用した」とロシアのベルゴロドNo.1テレグラム・チャンネルは日曜日に報じた。「国防省の報告によると、過去24時間に23発のHIMARS砲弾がロシア連邦上空で撃ち落とされた。正確な数は不明だが、そのうちの1発がシェベキノで発見された」。


しかし、同チャンネルからはGMLRSによる攻撃の証拠は得られなかった。本誌は、GMLRSによる空爆を独自に確認できなかったし、GMLRSの弾薬が迎撃されたかどうかも不明である。


ベルゴロド・テレグラム・チャンネルNo.1によると、ロシア・ベルゴロド州シェベキノの倉庫が誘導多連装ロケット弾で攻撃された。ベルゴロドにおけるGMLRSの残骸の最初の画像は、バイデンがロシアでの使用を許可したわずか数時間後、前日に発射されたとされる攻撃で6月1日に現れた。


日曜日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ハリコフ近郊のロシア国内でHIMARSを使用できることに感謝しつつも、長射程兵器で侵略国の奥深くの軍事飛行場を攻撃することを許可されるべきだと述べた。


これまでのところ、米国から供与された武器の使用許可が拡大されたことは、ウクライナにとってハリコフの激烈な状況にすでに良い影響を与えているようだ。



月曜日、ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、本紙含む記者団に対し、米国から供与された弾薬の今後の使用方法に関しては何も決まっていないと語った。ウクライナが[陸軍戦術ミサイルシステム]ATACMSを使用したり、ロシア国内を長距離攻撃することを米国が禁止していることは、今のところ「変わっていない」としながらも、カービー報道官は、この政策が調整される含みを残した。


「ご承知のように、この戦争のあらゆる段階において、戦争が進展し、戦況が変化するにつれて、われわれは進化し、ウクライナ支援のありかたを変更してきた。「一般的なアプローチが変わることはないだろう。今後数週間、数カ月で、ウクライナに送られるものが増えるだろう」。


ウクライナがロシア国内でどのような供与された米国製兵器を使用できるか、またロシア国内にどの程度まで持ち込めるかについての今後の決定は、ウクライナにおけるロシアの攻勢がどのように進展するかなど、多くの要因に左右されるだろう。モスクワからは怒りに満ちたレトリックが飛び出しているが、これまでのところ、米国やNATOに対する実際の政策や武力態勢に目に見える変化は見られない。■


Ukraine Strikes Long-Range SAM System Inside Russia With U.S. Weapon


The S-300/S-400 SAM system located dozens of miles inside Russia was hit, signally a new phase in Ukraine’s air defense destruction campaign.

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JUN 3, 2024 3:17 PM EDT