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雨に弱いF-22

久しぶりにF-22の話題です。購入の道をほぼ閉ざされた日本にはもはや未練はないのかもしれませんが、もし導入していたらと考えると次の報道には考えさせられてしまいます。今後何十年も使う機体ですからこれくらいのトラブルはトラブルとはとらえずひたすら熟成を図るのでしょうか。 Air Force Timesより F-22 problems linked to rain in Guam By Erik Holmes - Staff writer Posted : Monday Oct 5, 2009 11:53:34 EDT 雨とラプターは相性が悪い。アンダーセン空軍基地(グアム)の高温多湿環境でアラスカから移動してきたラプターがつぎつぎに故障を起こしている。グアムの雨季は7月から12月。同機の冷却システムに水分が入りショート、機能作動不良となっている。新型機の場合はメンテナンス上のトラブルはよくあるが、「この機体をいろいろな環境の中で使う際に避けて通れない習熟上の問題です」と太平洋空軍広報責任者のエドワード・トーマス大佐は語る。「F-15やF-16 の導入時にも小さなトラブルがあったものです」 基地の整備部隊がF-22の故障は解決しており、問題箇所に防水コーティングを施す対策を講じたという。 当地のF-22はエルメンドーフ空軍基地(アラスカ)の第525戦闘機部隊からの派遣で5月から4ヶ月の駐留。全機予定通り原隊に戻っている。アンダーセン基地へのラプターの配備はこれが三回目でいずれもエルメンドーフから移動している。 今回の事例はグアムの戦略的意義には「全然影響がない」もので、同地の防衛体制に支障は与えなかった。(同大佐)今後はグアム以外の場所にも配備される予定。

厳しい米軍各部隊のヘリ運用事情

Aging U.S. Rotary Fleet Gets Upgrades aviationweek. com 10 月8日 予算が厳しい中、アメリカの各軍は現有回転翼機の改修、改造で前線部隊の要望に応えようとしている。陸軍航空部隊の運用責任者ウィリアム・クロスビー准将は「これはヘリコプター戦争というべきものだ。予算制約の中、厳しい運用環境におかれている」という。新型機の導入のめどが立たない中、各軍は現有機材の保守点検に中心をおきつつある。クロスビー准将によれば、飛行時間の拡大、砂塵・高温・高地が組み合わさって磨耗損傷が機体に目立ってきたことを指摘する。陸軍の補給部門から航空ミサイル司令部へ今後の機材装備計画の検討が依頼された。今月は重整備計画の最初の報告書の締切があり、その後数ヶ月をかけて分析をし、装備計画を作っていく。 クロスビー准将は「機材は改修後は10年間の耐用年数を持たせたいところです。ではどうそれを実現するか。要は事前に行動をとることです。故障が発生してから’さあどうしよう’と考える事態にはなりたくありません」 【陸軍では①ブラックホーク】各軍の中で一番多くのヘリを運行するのが陸軍だとニール・サーグッド大佐(多用途ヘリ計画主査)は語り、現時点で350機のブラックホークが飛行している事実を指摘する。80年代製のUH-60A型が新型のL型、M型と一緒に飛んでいる。A型とL型はともに改修を受けており、M型の新造機を最初に配備するのはアフガニスタンになるとサーグッド大佐は語る。 陸軍の考えるUH-60の必要機数は合計1,931機。だが現有機数は1,750機。このためA型は全機L型仕様に改装を受けている。この作業に290日かかる。さらにM型への改修でフライバイワイヤー、完全デジタル管理のエンジン(Fadec)と共用エイビオニクス計器システム(CAAS)のコックピットに換装されるが、まだ改装工程の開発に2年間必要だ。性能向上を求める声は大きく、陸軍はM型の性能水準を既存機に取り入れていくことになる。サーグッド大佐は「まだ進行中ですが、性能向上内容の他型機への展開の検討をしているところです」という。 【陸軍②チヌーク】ボーイングは砂漠の嵐作戦以降のイラクでの教訓を取り入れていると、ジャック・ドハーティー(同社H-47チヌーク計画主査)は語る。その結果チヌークはアフガ

USAF: KC-135E退役でKC-Xへの期待が高まっています

今回は米空軍の広報資料からお送りします。http://www.af.mil/news/story As KC-135Es retire, Air Force officials' focus shifts to KC-X Posted 10/5/2009 by Tech. Sgt. Scott T. Sturkol Air Mobility Command Public Affairs スコット空軍基地(イリノイ州)(AFNS)--- KC-135Eストラトタンカーの最後の機体が9月28日の最終飛行をシェパード空軍基地(テキサス州)で行い退役し、50年以上の運用に終止符を打った。このKC-135E 56-1503機は同基地で航空機メンテナンスの教材として使用され、1956年製で同型機161機のひとつ。空軍はKC-135R合計415機の運用を今後新型機が導入されるまで継続する。KC-135Eの退役でKC-X次期空中給油機の必要性があらためて注目されると空軍機動軍団(AMC)は見る。9月24日、国防総省はKC-X提案仕様書案を公表。それによると新型空中給油機179機をKC-135の後継機とする。KC-Xは二次的に貨物、人員、患者を輸送する。 KC-135部隊の稼働率は80パーセントを維持していると、AMCの兵站本部は報告している。KC-135では飛行時間一時間あたり平均延べ7人時間から8人時間の保守点検が必要だ。KC-135の任務一回ごとに機付長と補佐2名が機体を点検している。一番多くの保守作業が必要なのは燃料タンク、補助動力装置、飛行制御、エンジン計器。その他にも毎年大体72機のKC-135が空軍資材軍団で経年変化への対応作業を受ける。KC-135のシステムおよび保守点検関係者によるとこの作業日数は増大の傾向にあるという。 AMCの予測では今後15年から30年でKC-135の保守点検は増大し、配線の更新、表皮処理、腐食対策他機体の維持ならびに飛行制御の総点検、アナログシステムの改修が含まれる。これらの合計で年間費用は20億ドルから60億ドル増加していくと見ている。退役後のKC-135Eには教材として使われる機体以外に部品取りのため「ボーンヤード」となるデイビス・モンタン基地(アリゾナ州)に保管される機体がある。 「必要な部品を取り外されるまで15年から20

イラク空軍は再建途中

Iraqi Air Force to Expand Capability aviationweek.com 10月5日 イラク空軍(IQAF)再建が米国主導で開始された際、米国側はゼロからのスタートであり、飛行運用の開始は2016年と見ていた。だが、米-イラク協定により米軍撤退期限の2011年12月が迫り、いまや26ヶ月しか残されていない。 「この現状の中で、短時間で多数の種類の能力を運用可能にしようとしています」(イラク軍事訓練顧問団団長米空軍少将ロバート・ケイン)だが、同少将も残る時間内で任務を完了するのは「とても高い課題」と認める。事態をややこしくするのは、最近の原油価格の低下だ。これまでもイラク空軍再建の努力は予算の不足で台無しになっている。 現在のIQAFの能力の水準は大きくばらついている。空輸は2005年から運行され合計3機のC-130Eが中心。ここでの顧問団の役割は若干の保守点検を除けば事実上終了している。イラクはさらにC-130J導入予定。 情報収集活動で同空軍が運用しているのはC-208キャラバン、ホーカー・ビーチクラフトのキングエア350とSAMA CH2000で、これも着実に進展した。その結果、顧問団はセンサーで得られる情報の活用に指導の中心を移している。 対地上攻撃はIQAFが対ゲリラ戦を展開するために必須と見られ、ここでも目立った効果が出てきた。これまでは少数のMi-17攻撃ヘリで非誘導型ロケット弾を発射するだけだったが、3機のコンバット・キャラバンがここに加わり、今月にはレーザー誘導ヘルファイアミサイルの発射が実現する。 短期的な解決方法としてMi-17ヘリの改修で2.75インチ口径のダガロケット弾にレーザー信号追尾装置を装着する。さらにウェストカムMX-15 FLIRを装着し、正確に目標を識別させる。また新造のMi-17を合計22機購入する。 装甲つきの偵察ヘリとしてベル407を2011年導入の予定。学習効果を高めるため、通常型のベル407を先行導入しパイロットの習熟を進めている。したがって、装甲偵察型が導入で、顧問団は任務遂行の訓練に中心を移す。 対地上攻撃能力を向上すべく、地上航空管制官(陸上部隊に派遣され航空作戦を調整する)の技能向上を検討中。目標捕捉能力の向上は今のところIQAFの空対地攻撃能力が不足していることから優先度は低く

USAF 代替燃料の開発最新状況

USAF Progresses On Alternative Fuels aviationweek.com 10月5日 米空軍はフィッシャー・トロプシュ法(F-T)による合成燃料の2011年使用開始に向けて準備中だが、同時並行で水素処理再生可能ジェット燃料(HRJ)用のバイオ燃料の型式証明の準備も開始した。また、セルロース系原料からの燃料にも関心を示している。「混合比50対50のHRJの型式証明の日程ができています」(ビル・ハリソン 空軍燃料部次長) 「F-T法を詳細に研究して迅速かつ円滑な型式証明を期待しています」 【有望な原料は】 ハリソンによると、航空用バイオ燃料の会議が9月上旬に開催され、米国の農業関係者に望ましい原料についてのガイダンスがあった。短期的には種子植物のカメリナが一番有望と見られるが、中長期的にはセルロース系原料(例 トウモロコシ茎葉)が期待されるという。「セルロースに大きな関心があり、事実大きな進展があります」とハリソンは語る。年間10億トンもの原料が利用できることを指摘している。 【各社の動き】 国防エネルギー支援センター(DESC)が各軍向けの燃料を調達しており、テストと型式証明用に合計600千ガロンの再生可能燃料の調達契約を発注した。DESCによるとこの発注量は前例がない規模だという。サステイナブル石油(Sustainable Oils)、ソラザイム(Solazyme)およびハネウェル子会社のUOPが空軍向けに400千ガロン、海軍向けに190千ガロンを供給する。このうち、サステイイナブル石油はカメリナ、ソラザイムは藻、UOPは動物脂肪をそれぞれ原料とする。各社とも処理方法にはUOPの技術を利用する。ジェネラルエレクトリックはアミリスバイオテクノジーズ(Amyris Biotechnologies)製のバイオ燃料(工業的に甘蔗糖を直接発酵させて酵母に工業的に炭水化物にする)のテストを実施中。同社はブラジルとカリフォルニアにバイオディーゼル燃料の試験工場を持ち、ジェット燃料への商業利用を早ければ2012年に開始する予定だ。 【合成燃料のグリーン化を目指す】 バイオ燃料への関心が高まる中、DESCは平行して石炭および天然ガスからF-T法により合成ジェット燃料JP-8の抽出の試験工程を実施中だ。一方、エネルギー省は予算700百万ドルでF-T法

USAF 先行きが心配な新型機開発計画

U.S. Air Force Programs Face Challenges aviationweek.com 10月 2日 QDR(四年ごとの国防力見直し)で空軍の各開発プロジェクトと空軍力全般をどう扱うかを巡り空軍関係者は不安感を隠せない。ゲイツ国防長官は空中給油機選定の権限を空軍に戻す譲歩を示した。一方、同長官は予算編成方針で不正規戦闘が重視されていることを認め無人航空機他の通常戦装備増強には不利となったことへの同情の意を示したが、「年間175百万ドルを不正規戦闘用予算に計上したところで軍全体の装備近代化には影響は全然ない」とも言及した。装備近代化で突出した規模の計画は二つある。空中給油機と共用打撃戦闘機(JSF)である。 【KC-X】 給油機については政治的に墨がついた前回の競争提案の繰り返しをいかに避けるかと言う点が関心の的だ。前回2008年にはノースロップ・グラマン/EADS連合の採用決定に対してボーイングが抗議している。そこで今回は提案協議仕様書(RFP)の作成で留意してボイコット、抗議のいずれも発生しないようにすることが最初の一歩だ。 ただし、RFPの作成部門は競合各社の提案内容がわかっている。仮にRFPが具体的になると、大型・中型・小型いずれかの機体に有利との誹謗中傷を招き、逆に具体性を欠くと、今後はあいまいすぎるとの非難をあびることになる。 【JSF】 JSFは空軍にとって重要だ。ゲイツ長官、シュワルツ参謀総長ともに同計画の進展に高い自信を示しており、ゲイツ長官は繰り返し、JSF計画により「中国が第五世代戦闘機の一号機を配備する時点で空軍はF-22とF-35合計1,000機を運用できる」としており、同戦闘機のテストに追加500百万ドルを2010年度予算に計上するとしている。このことからQDRはJSF開発の進展度合いを評価しているのではないかと思われる。 JSFの推進以外に空軍には代替計画がない。F-15C/DおよびF-16の近代化改装で機体寿命を延長する策もあるが、抜本的な改装がないと各機体の構造的な限界から戦闘部隊がかなり減少することにもなりかねない。 今後の退役機数を補うべく年間80機以上となるF-35の生産規模から考えるとJSF予算のわずかな変動が空軍予算全体への大きな影響を与えることがわかる。そのため、ペンタゴンによりJSF開発の進捗に

北朝鮮の軍事脅威度 在韓米軍司令官の見方

New Technology Threatens South Korea aviationweek.com 10月2日 北朝鮮の戦闘遂行能力はイラク、アフガニスタンの例を参考に技術、戦術両面で向上している。 【特殊作戦部隊】 韓国にとっての最大の脅威は特殊作戦の訓練を受けた北朝鮮部隊合計8万名の兵員だ。特に即席爆発装置(IED)の新型取り扱いの訓練を最近活発に行っている。この装置の改良は中東で進んできた。特殊作戦部隊の再訓練はイラク・アフガニスタンの教訓を基としていると国連軍・在韓米軍司令官ウォルター・シャープ大将は考えている。軍事休戦ラインの南側で活動を展開して韓国を混乱に貶めるのが大規模戦闘の初期段階で特殊部隊の果たす役割だ。特殊部隊は長期的な支援を受けられないと見られがちだが、米国情報機関関係者は本誌に対して特殊部隊の投入の目的は鋭利な一撃を首都ソウルの人口稠密地帯に加えることで、その後の連合軍による大規模反撃が加えられる前に和平交渉を北朝鮮が提案するのだという。「通常型攻撃を必ずしも中心にとらえていません。勝利を収めることは不可能と北は理解しています。」(シャープ大将)  【特殊兵器】 いびつな軍事装備開発が弾道ミサイル、サイバー攻撃、核兵器で見られ、これらが「北朝鮮が重点としているもの」(同大将)という。「資金を継続的に投入する対象はミサイル、核兵器、特殊部隊でしょう」(同大将) 大量破壊兵器搭載のミサイルが一発あるだけで大量の市民が逃げ場を失うというのである。「心配なのはサイバーです」とシャープ大将は言う。「北朝鮮はサイバー攻撃の利点を理解しており、我がほうの指揮命令系統がデジタルネットワークにどれだけ依存しているかも知っています。サイバー攻撃を挑発行為あるいは限定攻撃に使うでしょう。その他の軍事装備は旧式です。現在はミサイル防衛能力の確保をめざしているところです。また、イラク、アフガニスタンの事例からIED対抗の戦術を樹立するべく努力しています。そのほかにも北朝鮮は外部事例から学んでいるはずです。特殊作戦部隊がその成果を使うことは確実です。」 【通常兵力は脅威にあらず】規模は大きいが、装備が旧式で機動力が不足する北朝鮮陸上部隊は連合軍航空力の前に悲惨な目に会うだろうとシャープ大将は語る。そのため、陸上兵力は大きな脅威とは考えられていない。米軍情報筋によ