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2009年を振り返る

今回は ターミナル1・2共通記事です。 今年もいよいよ大詰めです。Aviationweekはサイト記事へのアクセス数から以下のニュースを今年の重大ニュースとして選びました。若干当方のブログの読者諸兄のご関心方面とはずれがあるようです。ちなみにターミナル1で最大のアクセス数となったのは12月の787初飛行関連、ターミナル2ではF-22関連でした。また、今年はブログ3として日本からのニュース発信を英語出始めました。こちらはまだアクセス数が微小ですが、今後も続けて行きます。それでは月並みですが皆様良いお年を。 2009 YEAR IN REVIEW : aviationweek.comでは今年で航空宇宙・防衛産業でよく読まれた順に記事内容を再掲し、2009年の締めくくりとする。最も多く読まれた記事は以下のとおり。 プレデターC「アヴェンジャー」の初飛行  Predator C Avenger Makes First Flights 改良を加えステルス性を高めた無人航空機で、ながく噂に上っていた機体。20時間の飛行が可能でジェットエンジンを搭載したプレデターCアヴェンジャーが4月にジェネラルアトミック・エアロノーティカルシステムズから登場。 米空軍がステルスUAV運用の事実を認める   USAF Confirms Stealthy UAV Operations 米空軍が本誌に対し「カンダハールの野獣」といわれる無人機の存在を確認。ステルス性あると見られ沿革小銃されるジェット推進の同機はアフガニスタン上空を飛行しているのを2007年末から目撃されていた。 グラスコックピット  Glass Cockpits for Maintainers: Looking Behind the Screen 航空機は初期の時代からパイロットにとって計器をにらんで機体の状況を確認するのが普通であった。ライト兄弟はフライヤー号にストップウォッチ、風速計とタコメーターの三つの計器しか積んでいなかった。 ボーイング787が初飛行   Boeing 787 Takes Off 12月15日午前10時27分(太平洋標準時)、787が重く垂れ込める雲の下、ワシントン州エバレットから離陸し、ボーイングは期間8ヶ月の飛行テストを開始した。 さまよえるオスプレイ  The Odyssey of the

ロシア第五世代戦闘機の初飛行は近日中

Sukhoi Fighter Starting Flight Tests aviationweek.com Dec 28, 2009 スホーイの第五世代戦闘機プロトタイプがタクシーテストを開始した。初飛行は1月初旬を予定している。同機はPAK-FA あるいは T-50と呼称されている。テストを実施した場所は同社のコムソモールKomsomol-on-AmurのKnAAPO工場で、PAK-FA開発は機密事項扱いとなっており、同機の映像は初飛行実施後に公表されるものと予想される。今月はじめにイワノフ副首相がT-50の初飛行は1月初めと報道陣に確認している。

極秘新型爆撃・ISR機の開発が進行中か

Classified Bomber Under Consideration aviationweek.com Dec 22, 2009 1. 予算20億ドルの極秘新型機開発計画がノースロップ・グラマンが契約先で進行中と言われる。 2.もし、そうであれば以前から断片的に出ていた情報が意味を持ってくる。始まりは2005年でノースロップ・グラマンのスコット・ウィンシップ(X-47無人戦闘航空機(UCAS)開発主任)が当時進行中の共用無人戦闘航空機(J-UCAS)よりも大型の機体に米空軍が関心を示していると発言したこと。超長距離・搭載量1万ポンド級・全幅172フィートのB-2に匹敵する構想を同社はX-47Cとして提案した。「ディープマガジン」として知られる大型かつ各種兵装に対応した武器庫により複数目標に違う種類の兵器を投下する長距離機の構想であった。しかし2007年度予算でJ-UCASは終了された。一方、海軍はX-47B開発を継続し、2010年の初飛行予定までこぎつけたが、空軍予算が極秘開発に振り向けられたといわれる。空軍は次世代爆撃機(NGB)の予算項目を新設したが、同計画は2008年度から10年度の各予算では予算が計上されていない。 3.一方ノースロップ・グラマンが大規模機密計画を受注する見込みと2007年にほのめかしている。2008年の同社財務報告書では統合システム部門で受注残が20億ドル突然に増加と表現された。 4.それ以来、消息筋から同社が大型ステルス機の実証機製作を受注したと伝えられており、同開発計画は2009年4月の国防予算大幅削減の対象外だったとも伝えられている。 5.おそらくこれに関連して大型ハンガーがグルームレイク(ネヴァダ州)の米空軍フライトテストセンターに建設されている。このハンガーだけ土手により囲まれており、基地付近の立ち入り可能地区から遮断されている。 6. ステルス全翼機形状の実証機で重点は空力特性と飛行推進力の検証となりそうだ。B-2の設計は計算流体力学(CFD)の初期に行われ、立体気流モデルを正確にシミュレートすることができず、空力特性と信号特性を無難な形で妥協して行われている。それから30年が経過し、計算処理能力が飛躍的に増強された結果、より探知されにくい特性を持ちながら効率性を向上した設計が可能となっ

USAF: C-130改修は棚上げか

USAF Appears To Shelve C-130 Upgrade aviationweek.com Dec 23, 2009 1. 米空軍はC-130向けエイビオニクス近代化改装(AMP)の入札決定を凍結する模様で、2011年度概算要求にこれを盛り込まないものと見られる。 2. この事業は58億ドル規模となるはずだったがこれまでもトラブルに見舞われている。計画概要では13型式500機におよぶC-130のコックピットとエイビオニクスの標準化を狙ったが、コストおよび日程の超過で2005年に対象を222機に絞った。その後一機を喪失しているので現在の対象は221機。その他使用中の129機も何らかの改装が必要。 3. シュワルツ空軍参謀総長は今年の秋にAMPの実施ができなくなると発言していた。空軍関係者は今回の決定の理由について言及を拒否。 4. AMPについてボーイングがロッキード・マーティン、BAE、L-3の各社を破り競合に残っていた。しかし、契約成立がボーイングに不公正に与えられたとの内部情報があり、この結果に影をさした格好だ。 5. 同社は予算14億ドルで開発の継続が許され、現在完成している。しかし、生産は競争入札にまわされた。今、その戦略に疑問が投げかけられている。 6. ボーイングでAMP担当のマイク・ハリスはAMPキットの単価を7百万ドルに削減する作業が日程どおり進行中という。2007年に同社はこれを14百万ドルと見積もっていた。空軍関係者は13.3百万ドルとして想定していた。 7. 当初の計画では2008年11月に生産が開始の予定であったが、途中で複数の見直しがかかり都度遅れが生じた。 8. C-130への通信航法監視・航空管制(CNS/ATM)装備をどうするのかを空軍は決断する必要に迫られている。この装置で最適な航路の選択ができるがAMPは不要となる。 9. そこで2010年2月にペンタゴンが2011年度国防予算案を発表する際にC-130向けのAMP装備是非についての最終決断が下されるものと見られる。

C-17 UAEが導入

UAE C-17 Deal Advances aviationweek.com Dec 22, 2009 1. アラブ首長国連邦(UAE)によるボーイングC-17輸送機合計4機の調達が正式に海外軍事販売(FMS)の承認を議会で得ることになり一歩前進した。 2. FMSの対象となるのは同機の補給部品の調達で、機体自体は商業取引で購入される。補給品契約の金額は501百万ドルとなると見られる。 3. ペンタゴンはUAEの意向は同機を地域内輸送に使うものだが、「アフガニスタン駐留米軍・NATO軍の支援も考慮されている」としている。UAE軍はすでに目立たぬ形でアフガニスタン作戦を支援しており、ヘルマンドでは無人機を運用し情報収集・監視・偵察を駐留軍に提供している。 4. 中東でのC-17導入はカタールに次ぐ二例目となる。カタールは2機を受領済みでさらに2機を発注済み。サウジアラビが次の導入国になると見られる。ボーイングは中東地区での同機の導入は合計20機規模と見ている。 5. さらにインドとも同機導入が話題に上がっており、英国が追加導入の予定を公表したばかりだ。 コメント; C-X開発が遅れる日本ですが、アフガニスタン支援をこのまま続けるのであればC-17導入も当然検討されてしかるべきです。と言っても財政難では困難となりますね。また、C-Xの開発を進める中でC-17元鳴門【仕分け会議】が黙っていないでしょうね。しかし、グローバル空輸で日本の存在感を示す子とができれば安い買い物なのですが。

2011年度予算に登場する新型ISR機は攻撃機にもなる

New ISR Project Planned For 2011 aviationweek.com Dec 21, 2009 ISR(情報収集・監視・偵察機)は本ブログ主宰者の嗜好もあり、何回も登場するテーマです。以下は新しい動きについてです。前回からお知らせしているRQ-170が意外な形で今後の機体につながるようです。 1. 中止となった次世代爆撃機の後で新しい動きがあるようだ。その中に情報収集と爆撃任務を同時に行う構想があるようで、その場合の爆撃とは爆発以外の効果を想定している。 2. 「長距離ISR/打撃」航空機の兵装には指向性エナジーおよびネットワークへの攻撃手段が含まれるだろう」とデイブ・デプチュラ中将(ISR担当空軍参謀次長)は話す。開発中の指向性エナジー兵器にはレーザーおよび高出力マイクロウェーブパルス発生装置があり、そのほかの非運動性兵器として敵のセンサーに対する精密な非定型波でのジャミング、およびネットワーク侵入で敵防空網の連絡通信を遮断が想定されている。 3. 新型爆撃機の設計にはアフガニスタンに投入されているロッキード・マーティンRQ-170センティネル無人ステルス監視機の経験が反映される。 4. 「新型ISR/打撃機には低視認性が明らかに必要な要素だが、攻撃効果を全部運動性のあるものにする必要はない。技術進歩で従来の爆撃機の概念から抜け出して、また予算の制約から多用途機となる。将来の爆撃機の重要な任務は爆弾の運搬ではなく、情報を迅速に伝え意思決定に役立てることだ」 5. 政府内部では新型長距離攻撃機の性能水準をそこまではっきりと表現していないが、2011年度国防予算要求と5ヵ年国防計画の一環としては重要と認識している。 6. ゲイツ国防長官は従来型の爆撃機開発を2010年度で中止し、QDR(4年毎の国防力見直し)の一部として見直しを命じた。QDRでは有人・無人両方で、長距離飛行性能を持つことの重要性を主張すると見られる。 7. 「QDR他の検討結果から長距離攻撃能力が強調されるだろう」とゲイツ長官はイラク視察の道中で発言している。 8. ノートン・シュワルツ大将(空軍参謀総長)もこの考えを支持し、空軍が新規開発二案の予算を計上する可能性を示す。ひとつは次世代爆撃機(NGB)の後継機種、もうひ

ミサイル防衛に無人機を利用するMDA構想

MDA Refines UAS Concepts For Missile Defense aviationweek.com Dec 18, 2009 1. 米ミサイル防衛庁(MDA)が無人機(UAS)を利用した弾道ミサイル追跡方法を検討中。 2. 具体的にはUASをミサイルの初期弾道追跡用のセンサー群に取り入れる検討。8月にMDA長官オライリー中将が空軍のリーパー無人機を使い、ミサイル防衛の監視用に使えるかを検証すると発表した。海軍はステラダガーの名称で3月に実証実験を行っていたことが判明。 3. 同実験では巡航ミサイルをSM-2ブロックIIIAで、また短距離弾道ミサイルをSM-2ブロック4で迎撃に成功たがリーパー2機(空軍と海軍が一機ずつ運用)が搭載のMTS-B中波赤外線センサーで弾道ミサイルの上昇飛行を追跡した。2機必要なのは「ステレオ」追跡が必要なため。 MDAによるとリーパー各機は355キロメートルから422キロメートル離れた地点を飛行していたという。 4. このテストでセンサーの追跡機能には操作員による手動作業を不要とする一層の自動化が必要なことが判明した。 5. MDAは初期迎撃に必要な追跡機能を有する機体の情報提供を業界に要請する正式文書を発信した。同文書によると2012年までにシステム数合計4あるいは2015年に合計12システム確保してリスク分散を考えている。 6. MDA開発担当部長のリッチ・マトロックによるとMDAはリーパーにこだわらず、業界から広く提案を歓迎する。 7. UASの運用構想としてはまず上空の赤外線センサー搭載衛星(国防支援衛星あるいは宇宙配備赤外線衛星)から信号を得る、あるいは地上配備レーダーからの合図を得て、発進中のミサイルをUASに発見させる。MDAは既存UASの利用を可能な限り進めて費用を節約したい考えだ。 8. MDAは来年実施予定の地上配備中間軌道迎撃実験および空中配備レーザー迎撃実験の際にもUASを飛行させ追跡機能の実証を行う。 9. 議会はペンタゴン要望を受け、早期迎撃用に2010年度国防予算に総額80百万ドルを追加している。