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米海軍の無人機計画で進展

U.S. Navy Seeks ISR, Strike UAVs aviationweek.com Mar 29, 2010 米海軍の求めに応じ、主要メーカーが5月までに空母搭 載型ステルス無人攻撃・偵察機として有人機と一体運用が出来かつ2018年までの空母配備が可能な機体の情報を提案することになっている。 こ の無人型空母運用空中偵察攻撃機(Uclass)に関する情報要求では無人運用が可能な機体を4から6機編成でCVN-68ニミッツ級あるいはCVN- 78ジェラルド・フォード級原子力空母から運用できるものと士、空母あるいは陸上から飛行管制を受けるものと想定している。また、空中給油を海軍式に加え て空軍の給油方式にも対応するものとしている。 空中給油なしで同機は11時間から14時間の飛行が可能で、その場合も「適正な」予備燃 料を残すものとする。搭載兵装には「高破壊力精密兵器により敵目標の制圧、破壊、欺瞞あるいは影響力行使が可能なもの」が想定されている。発表された構想 図ではノースロップ・グラマンのX-47B無人戦闘航空機システム(UCAS)との類似性が認められる。あるいはボーイングのファンタム・レイやジェネラ ルアトミックスのアヴェンジャーにも似ている。 今回の情報提供要求に先駆け海軍の無人航空機開発責任者ウィリアム・シャノン少将が本誌 開催の国防技術カンファレンスで2月17日に海軍新型無人機開発の次の段階には予算20億ドルを2013年から投入すると発言していた。 席 上でシャノン少将は今回の情報要求はノースロップ・グラマンX-47Bの開発延長を自動的に認めるものではないと強調しているが、同機はエドワーズ空軍基 地で高速タクシーテストを開始しようとしている。 X-47Bは無尾翼ステルス機の空母運用を実証するために製作された。一方、 Uclassは同機の構想をさらに進めて情報収集、偵察監視に加えて攻撃能力を与えるものだ。X-47Bの初飛行は今年夏の予定で、2011年には空母着 艦テストが予定されている。

KC-X EADSの考え方

EADS Takes Wait-And-See Approach On KC-X aviationweek.com Mar 19, 2010 米空軍向け次期空中給油機KC-Xをめぐり、EADSは契約受注にむけた活動をまだ断念しておらず、米政府の対応を待っている格好だ。 提案企画の締め切りが現状どおりとすると、また提案仕様書の表現ぶりがこのままであると、EADSは入札断念の可能性がある。ただし、条件に変更があれば同社は入札参加の道を排除しない。要は米政府が競争入札を実施するつもりがあるのかどうかだという。ペンタゴン はEADS-ノースロップ・グラマン連合はKC-X入札に関心を有していると認めている。 EADSのCEOルイ・ガロワは同社単独によ る入札参加あるいは他社と連携しての入札参加になるのかは言明を避けた。同社の戦略は米国防市場に参入をめざすことであり、そのためには同社の他部門の成 長を妨げることも辞さない構えだ。 KC-X以外に同社は米陸軍向け装甲空中偵察ヘリ構想にEC165およびUH-72ラコタ軽量多用途 ヘリの改造型を提案している。 あわせて米空軍の弾道ミサイル配備支援用にNH90ヘリおよびEC725ヘリを提案している。ただし、次 期大統領専用ヘリの選定には参画しない予定。機材の販売以外に同社としては支援業務を拡充する考えだ。■ ●なんとなく、KC-X仕様書がボーイング案に有利に鳴っていることから、しらけた雰囲気が感じられますが、KC-Xがだめならヘリコプターだ、となりふりかまわず商談を勧めようとするあたり、さすがたくましい会社ですね。逆に言えば、それだけボーイングが米国内で強力な立場にあるわけですが。

F-35は今世紀最大の失敗プロジェクトになるのではないか

Carter Confirms JSF Unit Price Nearly Doubled aviationweek.com Mar 12, 2010 ロッ キード・マーティン-35共用打撃戦闘機(JSF)の一機あたり価格が大幅に上昇し、50百万ドルから95百万ドルになっているとアシュトン・カーター国 防次官補(調達担当)が11日に議会で証言した。 この価格は現在のドル価格では112百万ドル相当となる。 最初の開 発費用見積は2001年に2002会計年度のドル価格で作成されており、ロッキードはこれにより契約を受けた。当時の契約総額は500億ドル相当。カー ル・レヴィン上院議員(民主 ミシガン州)は上院軍事委員会委員長としてロッキード・マーティンは非現実的な低価格を意図的に提示して開発計画に着手した のではないかと問いただし、ボーイングとの競作に勝利してから予算超過を繰り返していると指摘。これに対し、カーター次官補は「その繰り返しが存在してい る」と認めている。 平均単価の算定には開発計画全体予算が反映されており、開発、調達、配備の費用が含まれている。大幅な予算超過によ り米空軍には予算超過額の上限を超えた「重大な」契約逸脱の場合には「数日以内に」議会にその旨を通知する義務があることになる。 上記 単価は米空軍、海軍、海兵隊全体で2,443機を導入する計画を反映している。 あわせて、開発の遅れが延べ13ヶ月相当になっており、 米空軍は同機の初期作戦能力(IOC)獲得予定を変更しており、現在は2016年としている。先週はこれが2015年と発表していた。カーター次官補の JSF開発関連の覚書では運用テストの終了を2016年4月としており、空軍にさらに計画を再考するよう求めている。海軍もIOC獲得を2016年として いるが、海兵隊のみ依然として2012年に実現としている。 価格上昇の要因には2006年の海兵隊仕様の短距離離陸・垂直着陸型の重量 軽減策があり、これで開発が送れ、投入人員数を増加し、管理費も上昇させる一方、機体の共用性を損ない、生産機数を減らし、原材料特にチタンの価格上昇を 招き、主要部品メーカーにおいて費用上昇となったとカーターは分析している。 それでもペンタゴンは同機導入を積極的に進める姿勢だ。マ イケル・ドンレー空軍長官もF-

T-50(ロシア第五世代戦闘機)の開発状況

More Sukhoi T-50s To Fly In Next 12 Months aviationweek.com Mar 12, 2010 スホーイはT-50試作機 を新たに3機追加し、今後一年間かけて飛行テストを実施する。ロシアの第五世代戦闘機開発の計画が同国高官から漏れ伝わってきた。 プー チン首相がT-50の静止試験用機体とコックピットのシミュレーターを視察した。 プーチン首相とスホーイのトップ・ミハイル・ポゴシヤ ンの一致した見方はT-50の配備開始を2015年とするもの。一方、プーチン首相は同機の配備前には合計2,000時間の飛行テストが必要と見ている。 そ こでスホーイは急いでテスト用機材を増強しようとしている。 スホーイによると二号機のテスト合流は今年中、三号機四号機は2011年と なる。 スホーイ開発陣はT-50の開発期間の短縮を専用のシステム統合手段により実現しようとしている。従来の開発では操縦系統の チェック用、エイビオニクスの試験用にそれぞれ別の機体を使用していた。 これがT-50 ではT-50- KNS と呼称される地上確認 用の機材を準備しているようだ。 スホーイのコムソモルスク工場内で同機を使い、生産工程の新技術を実証している模様。飛行テスト用T- 50-1試作機ではこの恩恵を受け、飛行三回目で24度の迎え角飛行が実現できたという。 T-50担当主任技術者アレクサンダー・ダビ デンコによると同機の外表面のおよそ7割が複合材料で構成され手いるという。 操縦席ではスマート・デジタルシステムによりパイロットの 作業量が軽減されているという。 同機のデジタル飛行制御システムは Su -27よりも3割軽量化されており、故障あるいは戦闘時に損傷が あっても復旧が可能という。 4月には飛行テストはモスクワ近郊のグロモフ飛行テスト研究施設に移動する予定という。 ロ シア空軍が2008年からこれまでの放置から再拡張に入った中、同機の開発はスホーイが今後の空軍の要求水準に応える能力があることを証明するものとなる。 ロシア国 防計画によると2020年までに合計1,500機の作戦用航空機、ヘリコプターならびに200基の防空ミサイルの導入をめざすことになっている。このうち 航空機の8割が新型機となる。 ロシア航空宇宙産業の課

ボーイングのUAVファンタム・レイの開発状況

Boeing Bullish On Phantom Ray aviationweek.com Mar 2, 2010 ボーイングはファンタム・レイ実証機のタクシーテストを7 月に開始する。これは当初の計画よりわずかに遅れるものの同社は同機の初飛行は12月の目標のままだ。 ファンタム・レイとは計画中止と なった無人機X-45Cを継承・復活させたもの。同社ファンタム・ワークスが予算を全額負担し、ボーイング社内の無人戦闘航空機開発技術を強化し、今後予 定されるペンタゴンの調達に備えることが目的。同社が想定する将来のプロジェクトには空軍の無人機MQ-X、同じく空軍の長距離打撃機、海軍の将来型攻撃 機F/A-XXがある。 ファンタム・レイの当初の目標は耐空性能を実証した後、第二段階に入り飛行性能の限界を試すことで、さらに自動 空中給油実験も想定されている他、電子戦の試験も予定されている。 全翼機形状でステルス性の同機の動力はジェネラルエレクトリックF- 404-GE-102D一基でペイロード4,500ポンドで無給油で1,000海里飛行する設計だ。 排気システムのステルス性確保がタ クシーテスト開始が遅れた原因といわれるが、このデータはボーイングとジェネラルエレクトリックで共用されており、エンジンはセントルイスに持ち帰り、改 修の後、ファンタム・レイに再度搭載される。 ボーイングがファンタム・レイ開発を進めている間に、同社とロッキード・マーティ ンが2008年締結した共同開発合意は失速気味だ。両社はB-2とX-47を持つノースロップ・グラマンに対抗しようとした。 その時点 ではロッキード・マーティンとボーイングはノースロップ・グラマンやジェネラルアトミックスの無人機先行メーカーに大きく遅れていると思われていたが、 ロッキードは機密解除になったRQ-170の存在が明らかになったことで、同社も無人機開発の実力を涵養したことが判明した。そしてボーイングはファンタ ム・レイの飛行テストをめざしているわけだ。 ボーイングは次世代爆撃機開発の主契約社となることをめざしている。 ●日本ではphantomをファントムと表記することが多いのですが、当ブログでは原語発音に近づけてファンタムとしています。それはいいのですが、UAVは加速的に発達していきますね。日本の遅れがそれ

KC-Xに767案を再度提案するボーイング

Boeing Selects 767 for USAF KC-X Tanker Bid aviationweek.com Mar 4, 2010 ボーイングは次世代空中給油機として767を基にした案を米空軍KC-X競争提案に採用し、新型の給油 ブームと787の操縦席計器を応用する内容を提案する。 同社は本日767を基にする、と発表したものの、767のどの形式が基本となる のかは明らかにしなかった。同社発表の想像図は-200型のようだ。 これまでのKC-X提案とは離脱して、ボーイングはエアバス A330 よりも75%大きい新設計の操縦席ディスプレイを提案している。ノースロップ・グラマンーEADSはA330を原型とした案を提案している。 2008 年2月にいったん決定となったのはノースロップ・グラマン/EADSがオーストラリア用に開発したA330 案であったが、空軍の選定で決定が取り消しとなり、再度仕切りなおしとなって今日に至っている。 またボーイングの新設計空中給油ブーム はフライバイワイヤー操作で給油性能が向上していると、ボーイングは発表している。このブームはKC-10 のブームと形状が似ている。この変更はあきらかに毎分1,200ガロンの給油能力の要求にこたえるもので、KC-135のブームよりも伸縮性があるようだ が、正確な性能水準は同社から発表されていない。 主翼全長は767-200よりも大幅に延長されている模様で、主翼フラッター問題がイ タリア向けのKC-767 出発生したことへの回答と見られる。 これまでのボーイングの提案内容は一部から「フランケンタンカー」と称 されるほど既存民間機から各部品を持ち寄って構成されていたが、米空軍からはこの考え方はリスクが高いと懸念されていた。 ボーイングの 防衛宇宙安全保障製品部門のデニス・ムイレンバーグ社長はKC-X仕様書の合計327項目全部を満足できると発言している。 ノースロッ プ・グラマン/EADSの関係者はまだ発言していないが、同連合が競争提案に再度参加するのか、撤退するかが焦点となる。現在のKC-X仕様書では小型機材 に有利と見ている。 ●二転三転している内に時間が空費されたKC-X競作ですが、流れはボーイングに傾いてきました。ただし、ノースロップ連合が参加しないと競争にならなくなって

さらに遅れるF-35の実用化

USAF Slips JSF Operational Debut aviationweek.com Mar 1, 2010   空軍長官マイケル・ドンリーはロッキード・マーティンの共用打撃戦闘機(JSF)の初期作戦能力 (IOC)獲得は当初予定から遅れ2015年になる見通しと2月25日に発言した。 一方、海軍関係者は海軍用機体のIOC獲得予定 2014年にこだわっている様子はない。 ドンリー発言はラリー・キッセル下院議員(民主 ノースキャロライナ)からの議会公聴会の質問 に対するもの。同議員は空軍がいつになったら同機を「戦力化できるのか」と聞いていた。 ドンリー長官のスポークスマン、ジェフリー・グ レン中佐も長官発言でIOC時期が公式に変更になる点を確認した。 これでおよそ2年間の遅れとなる。わずか一週間前にはウィリアム・フ レイザー大将(空中戦闘軍団司令官)が同機のIOC予定を再評価すると発言しており、ブロックIIIのソフトウェア搭載の機体でIOC獲得を希望すると 言っていた。海兵隊は性能が劣るブロックIIソフトウェア機体で2012年に運用を開始する。 2011年予算案ではJSFの飛行テスト 終了は2014年秋となっており、テスト報告書は翌年にならないと出ない。 今回の予定変更は空軍側が機体と同機のソフトウェア双方のテ スト完了前には作戦能力を認めたくない姿勢の現われだ。機体生産は予定通り進展しているが、ソフトウェア開発が遅れているのが現状だ。 一 方、海軍は機体数が一定に達し、性能が確認されればIOC獲得とみなす方針。 総額471億ドルの同機開発予算に追加された28億ドルの うち5億ドル相当がソフトウェア用に確保されており、テスト用のプログラム作成等に使われる。 開発の強化策として新たにテスト用機材3 機が追加されるが、これが却って同機開発の芳しくない進捗を改めて明らかにしている。また、艦載型1機の追加も以前から承認されており、これで追加は合計 4機になる。飛行テストには合計19機が想定されている。   ●かねてからJSFには懐疑的なこのブ ログのエディターですが、この記事があらためて同機に対する見方を強化しています。開発には各国も係わっているので、進捗には多大の関心を持っているは ず。ここで日本がFXとして同機獲得に今から名乗りをあげれ

進化するプレデター無人機

Predator C Set For Testing At Edwards aviationweek.com Feb 19, 2010 ジェネラル・アトミックス-エアロノーティカルシステムズはFAAより同社開発のステルス・ターボファンエンジン搭載の無人機プレデターC アヴェンジャーの飛行テスト開始許可が出ることを機体している。飛行テストはエドワーズ空軍基地(カリフォルニア州)で実施の予定。 V字型尾翼と後退角付き主翼の同機は昨年4月に初飛行に成功しているが、同社は三ヶ月間の予定でテストを開始する意向。 今 までの同機の飛行テストは比較的制限された飛行区域に限定されており、同社のモハーベ砂漠試験施設付近のみとなっている。エドワーズ空軍基地に移動されれ ば飛行テストの高度も速度も制限がなくなる。アヴェンジャーの運用高度限界は6万フィートで、プラットアンドホイットニーカナダ製PW545Bエンジンに より最高速度は400ノットを僅かに上回る程度だという。二号機は今年後半に完成すると言う。 プレデターAを改修した米陸軍向けMQ-1C スカイウォリアーは今月初旬にヘルファイアP+ミサイルの実弾発射テストを完了している。このミサイルは無人機用にロッキード・マーティンが開発したもので360度で目標補足できる。 まもなくグレイイーグルと改称される予定のMQ-1Cは陸軍の長距離多用途無人機構想で開発されたもの。新編成の即応能力部隊(QRC)でイラクとアフガニスタンにおいて先行使用されている。 ガー ディアンUAVの税関国境警備隊(CBP)の洋上運用テストがカリフォルニア州ポイントマグー海軍航空基地で実施中であったが、2月11日に完璧な8時間 連続飛行の成功で完了している。機体下にAPS-134シーヴュー監視レーダーを搭載しているのが特徴の洋上飛行タイプは麻薬取引取締用に投入される。

センサーの性能向上で無人機の可能性は広がる

General Atomics Chief Forsees Advances In UAS aviationweek.com Feb 12, 2010 技術革新で無人航空機(UAS)の状況把握能力は5年のうちに大幅に向上すると無人機業界をリードするジェネラルアトミックスの会長兼CEOのニール・ブルーは考えている。 ブルーは通信リンクあるいは「帯域幅ダウン」が高解像度の広範囲状況把握機能の制約条件となっているという。これに加えて飛行中の複数の機体から送信されるデータの統合処理能力の機内搭載も必要だという。「キャッシュした情報からデータを統合すると非常に正確かつ高精度の目標所在地の情報が得られます」とブルーは本誌取材で語った。 もうひとつの課題は敵側による通信ネットワークへの侵入をどうやって防止するかである。「帯域幅ダウンを非常に高くすれば探知不能隣結果として暗号化も不要となります」という。「この技術はすでに利用可能で超広帯域の波形各種を使えます。その中のひとつが当社がチャイナレイクで実証していますし、これをオーストラリアが現在実験中で国防総省も関心を示すのではないでしょうか」 一方で国防高度研究プロジェクト庁(DARPA)は1.8ギガピクセル級のセンサーを試験中で、これによりジェネラル・アトミックス製の プレデターなら最高65機から同時にダウンリンクが可能で、単機で特定人物あるいは車両を都市規模の範囲の区内で追尾することも可能だ。自律型リアルタイ ム・ユビキタス地上監視画像システム(ARGUS-IS)の作動実証が昨年の6月から11月の間に実施されている。BAEシステムズはARGUS-ISの性能向上作業に取り掛かっており、今年内に実施予定のDARPAによる飛行実証の最終段階に間に合わせようとしている。 ●  漠とした話ですが、要は皆さんがお使いの携帯やデジカメの進化をはるかに超えた軍用のセンサー類の開発が進行中ということですね。無人機の発展性はま すます拡大するでしょう。先回お伝えしたような空中レーザーといい、戦闘のイメージを大幅に変える可能性がそこまで来ているということですね。それにつけ てもわが国が無人機開発、運用に大幅に遅れているのはどういうことでしょう。米海軍では海軍パイロット(Aviators)が無人機に反発している

ABLが飛行中ミサイルを連続破壊に成功

ABL Shoots Down Target, Engages Second aviationweek.com Feb 12, 2010 ミサイル防衛庁(MDA)の空中レーザー(ABL)が照射した化学レーザーが加速上昇中の弾道ミサイルを撃墜して高出力レーザーの有効性を証明した。 今回のテストは液体燃料弾道ミサイル一発およびテリア・ブラック・ブラント2発を対象としていた。このうちテリアは厳密には弾道ミサイルではないが、固体燃料弾道ミサイルの加速段階の想定として投入されている。この段階でABLが交戦する構想。また費用を節減できる。 実 験は2月11日実施され、747-400Fを改装したABL搭載機が単独で加速中のミサイルを追尾した。同ミサイルは移動海上艦艇から太平洋標準時午後8 時44分に発射後、数秒で捕捉している。システム内の低出力レーザーが大気中のゆがみを補正したあと、メガワット級の高出力レーザーを目標に照射した。 「上昇中の目標を加熱し構造上重大な故障を引き起こした」とMDA関係者が説明。交戦は全体で2分間で終了したという。 その一時間後にMDAは二番目の実験を実施。テリア・ブラック・ブラントミサイルへのレーザー照射は破壊前に停止された。MDAは今回の実証実験はすべての点で成功だったとしながらも、なぜ完全な破壊まで照射を続けなかったのかについては言及を避けている。 二回のレーザー照射の途中でABL機は着陸せず、化学物質の再充填は行われていない。 今回の実験は三回目の空中交戦試験で固体燃料目標の捕捉は二回目。一回目は2月3日で目標破壊に成功していたらしい。ただし、MDAがその事実を今になってはじめて明らかにした理由は不明。 ABLの作動原理はレーザーを目標ミサイルの外皮に照射して内部に不良を発生させ飛行中に破壊すること。 今 回の実験の実施場所はポイントマグー(カリフォルニア州)沖合の兵装試射場海域で、成功したことでABL計画が大きく前進した。ボーイングが主契約社とな り開発にはこれまで数多くの技術的な困難が立ちふさがり、予算も超過していたが、ペンタゴンの化学レーザー開発の中心的存在となっていた。昨年春の段階で 40億ドルが投入されている。MDAは2011年予算で990億ドルを要求して指向性エネルギー兵器体

B-2 英空軍も飛行訓練を受ける

British Pilots Train On Upgraded B-2s aviationweek.com Feb 8, 2010 ホ ワイトマン空軍基地(モンタナ州); 米空軍の装備の中でも最大級に貴重なもののひとつ、B-2スピリットステルス爆撃機は現在も性能改良がすすんでおり、同盟国にもその利用が許されている。 英空軍との間で長く続いている人員交換計画の一環としてB-2もその対象となったのは2004年のことであった。この決定は当時のブッシュ大統領がブレア 首相に当てて送った電子メールで下されたもの。英空軍の最初のパイロットが同機をオーストラリアに着陸させた。同計画による三番目の英空軍パイロットが訓 練を完了したところだ。 これ以外の米英交換計画と異なるのは、B-2では数ヶ月をホワイトマン空軍基地に滞在することだ。これにより同機の有資格パイロット合計80名の勢力が常時維持されることになる。 ホ ワイトマン空軍基地は米国中央部にあるが、実は最前線基地である。同機運用を常時即応体制に維持していることは昨年10月の核戦力運用即応体制査察 (NORI)でも確認された。同査察で不合格となった同基地内のB-2の機数は非公開情報だが、NORIの期間中に配備中のB-2の大部分が離陸できたと している。 B- 2部隊の全容を逐次理解することは困難がつきまとう。テールナンバー82-1068のB-2 は装備改良の試験機として利用されており、エドワーズ空軍基地(カリフォルニア州)に配備されている。常時二機はメーカーのノースロップ・グラマンのパー ムデール工場にあり、そのほかにも最低二機はホワイトマン基地でメンテナンス作業を受けている。同機をステルス母機に変えるレーダー・通信機器の改修が実 施されつつあり、ボーイングの30,000ポンド級大型貫通爆弾(MOP)の搭載作業も進行中だ。さらにボーイング、ロッキード・マーティン、セイセオン 共同開発の小口径爆弾II型も完成次第同機に搭載される予定。 将来の運用では各種兵装を同時に搭載し、たとえばバンカーバスターとともに小口径爆弾100発を搭載することが考えられ、同機は真の意味でハンターキラーとなるだろう。 同じ同盟国でも米英間のつながりははるかに密度の濃いものになっているようです。それにしてもB-2という高価なウェポンシステムは

DARPAプロジェクトの最新動向

Darpa Eyes SM-3 For Hypersonic Strike aviationweek.com Feb 4, 2010 国防高度研究プロジェクト庁(DARPA)は2011年度予算要求にアークライトArcLight 長距離高速攻撃兵器開発の飛行テストを盛り込もうとしている。アークライトはレイセオンのSM-3弾道弾迎撃ミサイルが原型。 SM-3ブロックIIのブースターと超音速滑空部分で構成するアークライトのペイロードは100から200ポンドで飛行距離は2,000海里を越える。性能ではマーク41垂直発進システムと同等規模。 2010年度予算では新素材の利用可能性について予算2百万ドルを投入している。2011年度予算では5百万ドルで中核技術開発と概念開発を開始する。 DARPA全体の予算は2011年度に31億ドルを要求しており、このうち3億ドルが高度航空宇宙システム関連となっている。 そのほかに67.6百万ドルで長距離対艦ミサイル(LRASM)開発があり、発射テストが開始される。主契約社はロッキード・マーティンで、ラムジェットを主動力とした高速ミサイルと低速低高度ステルスミサイルの双方を開発する。 60百万ドルがヴァルチャアVulture長期飛行可能太陽電池動力成層圏無人監視機の縮小規模実証機に、43.4百万ドルをアイシスIsisレーダー搭載無人成層圏飛行船の縮小規模実証機製作に投入する。 さらに35百万ドルをターボジェット・スクラムジェットのコンバインドサイクルエンジン地上テスト予算として計上し将来の極超音速機用に開発する。 2011年度からスタートする新規開発案件には7百万ドルで再利用可能宇宙機の概念開発があり、DARPAによれば民間企業による開発向け助成になるかもしれないという。 5.1百万ドルが無人機対抗措置に使われ、小型低速低高度飛行の敵無人機の発見技術を開発する。 DARPAの既存プロジェクトで次年度予算増額となるのは垂直離着陸変形陸上車両(12.1百万ドル)、多用途回転翼機実証機(11.8百万ドル)、編隊飛行中の空気効力低減対策用飛行テスト(1.3百万ドル)がある。 うーん、いつもDARPAのプ

ロシア第五世代戦闘機が初飛行に成功

Sukhoi's PAK FA fighter completes first flight  29/01/10,Flightglobal.com スホーイの第五世代戦闘機プロトタイプPAK FAが本日午前47分間の初飛行に成功した。 テスト飛行はコムソモリスクで行われ、テストパイロットはセルゲイ・ボグダンで、スホーイによると「大変良い結果」だったという。 「飛行中に同機の操作性、エンジン性能、主要システムの作動状況の初期評価を行いました。」(ボグダン) 飛行中に同機の降着装置の格納、引き下げが実施された。 PAK FAのエンジンはNPOサターン「117型」が二基でスホーイSu-35とSu-27Mに搭載の117Sエンジンの改良型だ。機内の統合飛行制御システムでエンジン他機内の主要システムを制御する。  スホーイによると同機には複合材料が使われている他、より進んだ空力学技術によりエンジンの排気特徴を減らしておリ、「前例のない小さな レーダー断面積を実現し」ているという。その他、より進んだフェイズドアレイレーダーを搭載している。昨年のモスクワMAKSエアショーにおいてティコミ ロフNIIPが同機用に開発したアクティブ電子スキャンアレイレーダーを展示していた。 PAK FAに第四世代戦闘機部隊を加え、ロシア空軍は次の10年間の対応力を備えることになる。 PAK FAの飛行試験は2012年まで続き、その後ロシア空軍は同プロジェクトの成否を決定する。同機の量産型はT-50と呼称される見込み。 あるいは同機の設計を元にロシア・インド共同開発の第五世代戦闘機に発展する可能性がある。

電子戦装備の開発が進展しています

  戦闘機の話題になると急にアクセスが増えていますが、地味ながら電子戦の話題です。無人機と電子戦は日本がこれから力を入れなければならない分野ですね。 Electronic Warfare Evolves aviationweek.com Jan 22, 2010 電子戦の重点は防御ではなく攻撃に移るだろう。電子パルス、相手方の情報を混乱させるデータ・ストリーム、アルゴリズムが次世代ジャマーNext-Generation Jammer (NGJ)に搭載されるだろう。 米海軍へのNGJの配備は2018年の予定。 EP-3Eの後継となるEP-X情報収集機の最終仕様案、設計案は未定だ。 EP-Xは敵の信号を探る目であり耳となってNGJで撹乱、操作を行う構想だ。敵の信号発信源を正確に捉えることが鍵となる。 EA-18GグラウラーがNGJ搭載の主力となる。次に海兵隊のF-35に装備されるだろう。空軍のF-35Aがこれに続き同時並行で大型高速の無人機への搭載が実現するはずだ。 JSFの開発当初から電子戦に応用する構想があるが、電子装備向けの補助電源の確保が課題だ。 海軍の視点は地対空ミサイルが高性能になるほど発信する波形が複雑になることから低出力ジャミングにより敵の防空システムに攻撃を加え対応能力を低下させることであり、要は敵のネットワークを使えなくさせることだ。 そこで海軍の優先事項は既存のALQ-99ジャマーポッドの性能を向上してNGJの能力をEA-18Gに搭載することであり、F-35Aに搭 載することだ。空軍はかねてからスタンドオフ能力を求めており、B-52を電子戦に応用する構想があったが現在は継続していない。そこで空軍もNGJに関 心を寄せており、空軍が求める周波数帯が微妙に違っていることもあるが、基本設計は空軍機にも搭載可能なものだ。 レイセオンによると空軍から2012年締切で情報の提供が求められてきたと言う。同社の通信・電子攻撃・偵察監視ポッドを発展させる構想のようだ。 要求されるジャミング有効距離は秘匿情報だが情報を総合すると水平線の湾曲を考慮するとざっと200マイルというところだろう。B-52利用 案はこれよりも大きな距離を想定していたが、現有のEA-6

JSF開発の遅れを深刻視しない米空軍

USAF Chief Downplays JSF Testing Delay aviationweek.com Jan 21, 2010 F-35のテストが遅れていることで同機の単価上昇が避けられなくなるが、空軍参謀長ノートン・シュワーツ大将は「影響はあくまでも短期間のもの」と見ている。 同大将は大幅な価格上昇があってもナン-マカーディ法の報告義務条項に違反することはないと語った。同条項によれば一定の価格上昇が発生すると ペンタゴンは代替選択枝の検討が必要となり、同時に議会に対し費用あるいは日程の大幅な変更が発生した原因について報告しなくてはならない。 また、同大将は遅れといっても「複数年」の規模ではなく、必要なものであったという。政府関係者の中には同機のテスト完了は最高で30ヶ月も予 定より遅れるとの見方がある。現在の見通しではテスト終了は2014年の予定。シュワーツ大将は具体的な遅延の規模の言及は拒んだが、本年2月1日に公表 されれう2011年度予算案で明らかにすると語った。 開発と生産を同時並行させる度合いを減らし、テスト期間を延長し、テスト機材を増強すると同大将は以前に発表している。この結果、量産への移行はより現実的になるというのが考え方だ。 F-35開発は「F-22の同時期と比較するとはるかに進んでいる」と同大将は表現する。両機種ともロッキード・マーティンが主契約社。 JSFの共同開発パートナー各国に加え購入希望各国も開発計画の進展に「関心を有している」ことを同大将は認める。同機以外の選択枝も検討している国もあり、開発が遅れるとそれだけF-35導入の可能性が減ることになる。 ただし、最初の訓練部隊の初期作戦能力獲得時期は予定通りだと同大将は語った。 全体の遅れにより空軍はF-16から運用の重複なく、旧式機からステルス機に完全な引継ぎができると同大将は発言。    コメント  F-35は時限爆弾だと当方は見ますが、いかがでしょうか。ましてやわが国が手を上げれ ば待ってましたとばかりに費用負担を押し付けられるのは明らかですね。そもそも開発がこれからまだ5年もかかるとは。同機には手を出さないのが賢明では。少数機導入の選択肢もあるはずですが、この機体に日の丸をつけたところを見るのは勘弁願いたいですね。

サイレントイーグルの初飛行に備え販路拡大を狙うボーイング

Boeing Looks To First Silent Eagle Flight aviationweek.com Jan 16, 2010 ボーイングの簡易ステルス機F-15サイレントイーグル試作機のレーダー断面積(RCS)試験が完了し、同社は最初の導入国は韓国になると期待している。 韓国のF-X3契約で60機の需要があり、韓国国会で完全ステルス機の導入に慎重な姿勢が出ていることを受けて同社は自信を強めている。同機の新型一体型燃料タンクは国際開発の予定だが、提携先は未定。 ボーイングが狙うのはF-15を運用中の各国。ロッキード・マーティンのF-35に関心をもつ各国にも有望な選択肢となる。サイレントイーグルのステルス性はJSFより劣るが、国防予算に制約のある各国には選択の巾が広がる。 航空作戦の初期段階においてサイレントイーグルの一体型燃料タンク内部に空対空あるいは空対地兵装を装備させれば、正面RCSを減少できる。敵の脅威を一層すれば数時間でより多くの兵装を搭載して制圧作戦を開始することができると言うのが同社の構想。 空 軍からボーイングに貸出されたテスト機F-15E1のRCSテストは同社セントルイスの無響室内で昨年8月から9月に行われた。各種の表面塗装材料から絞 り込んだ塗装が機体に施された。テストの結果は期待にそったものだったという。ただし、同社は塗装の種類およびRCS値を公表していない。 テスト機の尾翼は標準形の垂直取付であり、同社が昨年に発表した15度の角度つきの尾翼ではない。新型尾翼によるRCSへの影響は数値理論上求めると同社は言う。 初飛行は7月末としている。当初は2010年第一四半期が予定だったが、同機を購入する可能性のある各国からの事前設計作業への要望を反映すべく遅らせたという。 初飛行後は発達型中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を一体型タンク内に装着し、7月末から8月に高度2マンフィート速度マッハ0.6で初の試射をする。 一方でボーイングは輸出許可を申請中で裁定は今春に下ると見込む。 同社の販売見込みは合計190機規模だが、イスラエルがF-35 に熱心で、サイレントイーグル構想には乗り気でないのが気に

中国のJ-10戦闘機は海外に販路を広げるか

Chinese Chengdu J-10 Emerges aviationweek.com Jan 14, 2010 1998 年の初飛行以来秘密のベールに包まれていたChengdu 成都航空機のJ-10多任務戦闘機が世界市場に参入してくる。源をたどると60年代までさかのぼり人民解放軍空軍(PLAAF)に配属されて5年のJ- 10はおおよそロッキード・マーティンF-16ブロック60と同程度の性能で価格は半分なので急速にその存在を高めるだろう。 150機がPLAAFに配備されているとみられるが、この数は300機になるかもしれない。その根拠は中国がロシアから購入したといわれるサリュートAL-31FNエンジン(推力12.7トン)が300から400基であるため。パキスタンがJ-10の最初の導入国になる。 パ キスタン報道では合計36機を14億ドルで購入するという。単価は40百万ドルになり、UAEが購入したF-16ブロック 60(AN/APG-80アクティブフェイズドアレイレーダー装備)は約80百万ドルだった。ただし、パキスタンの購入価格に予備部品、支援、訓練が含ま れているかは不明。 パキスタンの購入機数は150機程度になる可能性がある。その他イラン、ミャンマー、フィリピンがJ-10に関心をもっていると の報道がある。 中国はJ-10 の性能諸元を公表していないが、同国国内の報道を総合すると以下のようである。全長16.43メートル 翼端長8.78あるいは9.75メートル 最大離 陸重量19,227キログラム 最大武器搭載量7,000キログラム 戦闘行動半径1,100キロメートル 最高速度マッハ2 機体限度9G 同機開発にはロシア、イスラエルの支援があったこと、さらにサリュートエンジンに依存しているにもかかわらず、中国はJ-10 を純国産戦闘機としている。昨秋のPLAAF設立60周年記念式典でJ-10が曲技飛行を展示し、同機の複座型の原型機および実寸大モックアップが国立航 空博物館で公開された。 価格以外の魅力は同機が搭載する新型の電子・兵装システム。J-10Bとしてインターネット上で写真 が流出した最新型では超音速空気取り入れ口がどことなく共用打撃戦闘機に類似している。機首には再設計され赤外線捜索・追尾システムが装備

イスラエル空軍 KC-707空中給油機を増強する理由

Israel Bolsters KC-707 Refueling Fleet aviationweek.com Jan 14, 2010 イスラエル空軍はイランとの戦闘行為の可能性が高まる中、KC-707給油機部隊に8号機を追加し、仮にイラン核施設を攻撃する事になった場合の攻撃能力を引き上げた。 イスラエル航空宇宙工業(IAI)が23百万ドルでボーイング707改装契約を2008年に受注したのは同国の長距離攻撃能力増強を目指す戦略的な決定だった。 「我が空軍のミッションは長距離化が進み燃料がもっと必要です」とイスラエル空軍第120「国際」飛行隊司令アミール中佐(イスラエルでは保安上の理由から本人の姓は公表しない)が本誌に語った。具体的な攻撃想定の論評を避けながら、同中佐は「これで命令が下り次第短時間でいかなる遠隔地でもすべての任務が実施できるようになりました」と加えた。 イスラエル空軍はイラン核施設攻撃を想定し、準備している。そのため空軍は空中給油訓練を常時行っているのだ。 イスラエルは長距離攻撃能力を備えるF-15I、F-16Iを導入しており、F-15飛行隊のふたつが地上攻撃ミッションを実行可能。アミール中佐は「空中給油でどの航空機にもより多くの弾薬を運ぶことができます」とする。 イラン核施設は広く分散した上で地下深くに設置されている。イスラエルはイラクのオシラク原子炉をF-16の8機編隊に各2基の爆弾を装 備してこれを破壊した実績がある。イラン攻撃ではバンカーバスターが必要でありより多くの機体を投入することになる。イランまでの距離を勘案するとミッ ション時間も大幅に伸びる。このため途中で空中給油が必要だ。 2008年6月にイスラエルは地中海上空で大規模演習を実施し、イラン攻撃のリハーサルと見られていた。その際にKC-707がF-15・F-16部隊に空中給油している。 予算制約によりイスラエルはボーイング707を使用しているが、一番新しい機体でも36年、古い機体では飛行年数50年が経過している。「現有機体を少なくともあと10年は使う必要があります」とアミール中佐は話す。 そこで2004年に飛行

インド空軍の給油機選定で一波乱

Indian Refuelers Cancellation Concerns Industry aviationweek.com Jan 12, 2010 インドが昨年12月30日に給油機A330の発注6機を唐突にキャンセルしたことで、国際的に波紋が広がり、インドの防衛調達に透明性が不足しているとの不満が出ている。 当初ロシアのIL-78は入札条件を満たさないとして対象外となり、EADSとの価格交渉が昨年来進行していた。インドがEADS提示価格が高い としてはねつけたが、価格は最終決定されつつあり、ロシアの入札が受理された。ロシアは入札価格を変更せず、かわりに予備エンジン5基と保守作業を無償提 供する条件を提示した。 インドの国防装備調達手順では最低価格(L1)の入札が不採択となった場合には二番目に低い価格(L2)が採択される。 2009年1月時点でのロシア提示価格は機体だけで10.05ユーロで前回インドが同機を購入した2004年水準より384%上昇していた。EADSは17.1億ユーロで交渉中とはいえ予備エンジンおよび30年の保守契約が含まれていた。 インド空軍は新技術を求めており、今回の決定には不満といわれる。IL-78には満足できないのは明らかで、入札手続きそのものを疑問視している。 A330はIL-78に比べて多くの点で優位だと見ている。IL-78では追加燃料タンクを貨物室内に取り付ける必要があり、A330より巡航速 度が劣り、A330が持つ民間機との部品共用性は保守作業を容易にする。また、A330の航続距離が15,000キロメートルあるのに対し、IL-78は 9,000キロしかない。 インドが西方に展開する場合にIL-78だと中東で一度着陸して給油する必要があるが、A330ならそのまま飛行できる。給油機として同時に292名を輸送できる点も同機の優位な点だ。

F-X: F-35以外の選択肢の可能性浮上か

Japanese Review Bolsters Non-F-35 Order Case aviationweek.com Jan 8, 2010 1. 日本の航空宇宙産業を検討した報告書では同国の戦闘機製造技術が急速に衰退する可能性を指摘するとともに戦闘機をまるごと輸入するのは避けるよう同国政府に勧告している。 2. ユーロファイター・タイフーンの発達型、ボーイングF-15あるいはボーイングF/A-18E/Fのいずれかを購入し、50機の要求を実現することが議論されてしかるべきだ。 3. 「戦闘機技術を将来も継承するには、産業基盤が一度消滅すれば、経験有る技術者等が離散してしまい再建がままならないことを想起すべきだ」と戦闘機生産技術基盤改革委員会報告書はまとめている。 4. F-2に従事していた三菱重工業の技術社員のおおよそ7割は別の業務に従事している、と同報告書は指摘している。現在日本で唯一の戦闘機生産である同機関連業務に従事している技術者は合計60名にすぎない。 5. それどころか、F-2生産は2011年9月に終了する予定。同時にIHIのジェネラルエレクトリックF110エンジン生産ラインも停止する。IHIが ATD-Xステルス戦闘機技術実証機に搭載すべくXF5-1エンジン開発をすすめることも「生産能力の減少を遅らせるだけ」と同委員会は見る。 6. 「我が国が運用する戦闘機のために完全な国内生産基盤を維持することが望ましい。これで必要なメンテナンス、技術支援、性能向上が可能となる」 7. このくだりはATD-Xについて言及している。つまり、仮に米国がF-22供給を拒否すれば日本は独自にステルス戦闘機を開発するぞ、ということだ。 8. 日本の戦闘機製造に従事する合計1,100社で軍用航空機開発関連に投入されている延べ時間は1.1百万時間。このうち三分の一がATD-X、別の三分の一が縮小進むF-2、C-X輸送機・XP-1洋上哨戒機関連だ。残りの三分の一は機体メンテナンスに当てられている。 9. F-2調達が終了すると軍用機関連業務量が4割減ることになり、2014年までに国内での戦闘機開発はごく僅かな業務量になると同委員会は予測する。エンジン開発も同じ傾向となるが、電子関連は装備改修により業務量を維持出来る見通しだ。 10. このことから、産業基