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KC-46A ボーイングがKC-Xの勝者へ

Boeing The Clear Winner Of KC-X: Pentagon aviationweek.com Feb 25, 2011 米空軍はKC-X次期空中給油機の ボーイング 案を採択し、767を基本とする同社提案機体は KC-46A の呼称になった。 1. EADS 案の大型のA330派生型のKC-45Aは以前の入札で選定されていたものの、今回は選に漏れた。空軍がボーイング案採択を発表したのは24日午後5時(東部標準時)。 2. 価格差が1%以内の場合は仕様で求められていない追加性能を評価する手はずであったが、価格差がこれを上回っていたため追加性能は選定の基準にならなかったとドンレー空軍長官が説明している。 3. 選定過程では各社提示の価格を生涯運用コストで再計算しており、小型の767が消費する燃料合計が少ないことが決定的になっている。 4. ボーイングに交付される契約は2017年までに第一期分18機を総額35億ドル固定価格で納入するもの。ノースロップ・グラマン/EADSコンソーシアムが2008年に一旦落札した際の同様の契約では総額15億ドルだった。 5. 空軍はKC-Xの再度やり直しを2010年7月から始め、仕様書は選定基準を明確にし、入札社の財務負担を軽減する内容に改定された。これは初回の入札で敗者から出た抗議を配慮しこの再現を回避する意図で行われた。 6. これに対しボーイングは当初の競争に敗れた後にアプローチを終始し、767各型の要素を組み合わせた機体の開発案を取り下げ、767-200にKC-10の改良型給油ブームと787コックピットを組み合わせた「NewGen」(新世代)給油機案を提案した。同社によれば当初案よりも価格は下げたという。 7. 一方EADSノースアメリカは一度は採用となったKC-45案のまま、ノースロップが脱退したあと単体で競合に臨み、空軍の仕様書が「明らかに小型機に有利」と批判しながら、今回の入札では提示価格を引き下げている。 8. 前回の入札では敗者からの抗議に遭遇し、しかも空軍の選定過程に批判も集まったことを意識し、ドンレー長官は合計7ヶ月に及ぶ選定作業で作業過程記録を更新したと強調する。入札各社は評価過程をよく理

KC-X選定結果の発表が迫る

USAF KC-X Winner to Be Named Soon aviationweek.com Feb 18, 2011 米空軍は次期空中給油機KC-Xの選定結果を来週にも発表する、と複数の業界、空軍関係者の情報から判明した。 2. 空軍は選にもれた提案者からの抗議が出ることは予想済みで、対応準備も進んでいると思われる。かれこれ10年近くになる空中給油機選定にはスキャンダル、抗議、選定結果の逆転、データ取り扱いの間違いにより競合他社の提案内容が相手にそれぞれ漏れるという直近の事態が発生している。 3. 「抗議が上がるのは織り込み済み。その対策に時間をかけ、選定過程を説明する文書も作成しています」(ドンレー空軍長官) 議会の会計検査院が連邦政府による入札関連の紛争発生時にはレフリーの役をする。 4. ボーイングが767、EADAがエアバスA330をそれぞれ基本とする案を提出済みだ。選定で大きな比重を占めるのは価格で、179機までの調達が始まると老朽化著しいKC-135と置き換わる。 5. ノースロップ・グラマン/EADS共同事業体が前回2008年の選定で勝ち抜いたが、ボーイングの抗議によりペンタゴンが契約締結を凍結し、再度選考を行うことになった経緯がある。ノースロップはEADSとの提携を昨年中止し、EADSは単独入札している。 6. ボーイングはEADSより価格で不利と判断しており、すでに落札失敗に備えているようだ。EADSが落札すると米国国防市場に大きな足場を築くことになる。なお、ヘリコプターでは同社すでに受注に成功している。 7. 選定結果は2月25日金曜日に最終決定される可能性がある。

F-X選定は次世代機国産開発の序章となる

Japan's Roadmap To An Indigenous Fighter aviatonweek.com Feb 11, 2011 日本国内の航空宇宙産業界はFX選定を予定通り完了し、2028年まで生産を継続することを政府に求めており、海外3メーカーがこの需要をめぐって争うことになる。 1. さらに後継機種となる国産機の全面開発は2015年ないし2017年に開始するべきと日本航空宇宙産業工業会は提言している。ということは産業界は生産と開発の二つを長期プロジェクトとして同時並行で進める意向があることになり、これにより同国の戦闘機製造の産業基盤を維持する目的がうかがえる。三菱重工業はF-2最終機を今年引き渡す予定だ。 2. 業界にはロッキード・マーティンF-35をF-Xとして発注することを期待する動きがあるが、同機関連技術は米側がしっかりと管理している。その他候補にはユーロファイター・タイフーンとボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットがある。 3. F- Xの相当部分は国内生産となる見込みで、最終選考結果がどうなっても政府が工業会の提言を採択した場合、2014年生産開始し、2028年まで継続すれば、F-2の例で年間8機の生産数をそのままあてはめれば120機の生産規模になる。F-4改ファントムの代替としてのF-Xの発注数はこれまで50機程度とされてきた。 4. となると、次期F-X選定機は現有200機のF-15の一部も代替することになるのではないかと毎日新聞は見ている。 5. ファントムの退役は2015年に完了する見込みだが、F-X選定が決着しないとこの実現は困難になる。そこで航空宇宙工業会は退役を2018年に先送りになると見ている。その年までに一定数のF-X機が配備可能になるというのが根拠だ。タイフーンやスーパーほーネットならその年までにF-35よりも多くの機数を配備できる。 6. 同工業会はF-XはF-2生産終了から完全国産機の本格生産開始予想の2026年までの15年ギャップを埋める存在と見ており、国産機でも海外機でも構わないと見ている。政府がF-2追加発注をしな

SM-3ミサイル共同生産で決断を迫られる日本

MDA Pushes Japan On SM-3 IIA Production aviationweek.com Feb 9, 2011 米ミサイル防衛庁( MDA )はSM-3ブロックIIA対弾道弾ミサイルの実戦配備目標2018年実現に向けて日米共同生産の計画の実現を日本に求めている。 1. オライリーMDA長官は仮に日本側と生産計画で合意が得られない場合は米側での生産を実現する準備が必要と発言。 2. 同長官は1月3日付け書簡で防衛省に対し て同ミサイル生産の計画で決断すべき重大局面に来ており、日本政府による合意がない場合は米国として レイセオン による生産に踏み切ることになると伝えている。MDA関係者が同書簡が実際に日本に発信されたことを認めた。 3. SM-3ブロックIIAは射程距離画像化しており、SM-3ブロックIAとの比較では操作性が増しており、実戦配備が予定されているSM-3ブロックIBよりも優れている。この二つは直径14インチのブースターを使うのに対し、ブロックIIAは21インチである。 4. 日米両政府は共同開発で合意しているが、実戦配備を2018年に予定している関係から生産計画をまず決着させるのが急務だ。IIA開発の予算規模は20億ドルと見積もられ両国で負担する。 5. 三菱重工業 は第二段、第三段、先頭部分の開発を担当している。レイセオンはペイロードと誘導装置を開発するというのが両国合意内容だ。 6. 両国でそれぞれの開発した範囲の部品製造をするのが理想で、日本が共同開発、資金負担をする際にこの原則が鍵となっている。 7. ブロックIIAの飛行試験は2014年度の予定とMDAは発表している。 8. 仮に米国内での生産が実現しても、両国は必要な部品供給を行い、それぞれの生産に必要な支援を行う。日本が設計した部品を米国に供給することが想定されている。 9. また、他国へのミサイル販売も検討されているとオライリー長官は明かす。「第三国への販売あるいは提供が保証されていないと、コスト上昇や生産能力の過小評価のリスクが増える」 10. SM-3ブロックIIAは海軍のMK41艦載垂直発射装置からの使用が想定されている。同装置を採

X-47B初飛行に成功 空母航空戦力の未来

Northrop UCAS-D Completes First Flight aviationweek.com Feb 4, 2011 ノースロップ・グラマンのX-47B無人戦闘航空機システム(UCAS-D)実証機が2月4日エドワーズ空軍基地で初飛行に成功した。 1. 初飛行は離陸後29分に着陸して完了した。飛行高度は5,000フィート。機体制御システムのデータ収集が目標で同時に今回の初飛行が合計50回予定で年内にかけて実施される性能限界拡大テストの開始となる。当面は一週間一回のフライトで開始し、今年後半には週二回となる。 2. ノースロップと米海軍は昨年11月にタキシー試験と飛行開始前点検で合格判定を出している。 3. 飛行一号機AV-1は2008年12月に完成しているが、飛行開始が大幅に遅れていたのはエンジン関連の音響問題に加えソフトウェアで問題があらたに見つかったため。ジェネラルダイナミクス/マクダネルダグラスのA-12の開発が取り消しとなって以来海軍には同機が初のステルス機となる。X-47Bの初飛行は当初2009年11月の予定だった。 4. 今後は修正作業を空母運用に向けて行い、2013年に空母着艦を目指す。(当初目標は2011年)  5. 空母着艦により無人機の空母運用の実証を行うのが最大の課題だ。ノースロップは当初A-12に期待されていたステルス攻撃ミッションをUCAS機体で実現させるのが目標としており、無人機のため航続距離、飛行時間ともにA-12性能を上回る期待がある。 6. AV-1は今年後半にパタクセント海軍航空基地(メリーランド州)に移送されたあと、空母にクレーンで搭載され.空母着艦が試される予定。 7. 二号機AV-2は機体構造の耐久性確認として8週間にわたる荷重試験を受ける。これは空母運用の状況を再現し、カタパルト発信、着陸に機体構造が耐えられるかを見るもの。AV-2には搭載する単発プラットアンドホイットニーF-100-220Uエンジンの音響問題解決のためノズル形状の変更が加えられている。 8. AV-2のエドワーズ基地での飛行テストは今年末の予定。 (写真 ノースロップ・グラマンのウェブサイトより)

軍用輸送機市場の見込み:A400M、C-2、KC-390他

A400M, KC-390 Will Reshape Transport Market aviationweek.com Feb 4, 2011 軍用貨物機市場は今後十年間でおよそ900機の製造規模だが、その様相は大きく変わることになりそうだ。戦略輸送機市場ではボーイング C-17 の生産は終了し、エアバスミリタリー A400M のみが残り、ロッキード・マーティンC-130JはエンブラエルKC-390という新しいライバルに直面する。 1. C- 17生産は米議会の予算承認が期待できない中で、これまで低率生産で採算を確保してきたが、輸出市場だけのために生産ラインを維持するのが困難。現状では受注済みの海外販売用のC-17最終機の引渡しは2016年で、そのあとはA400Mが唯一の大型輸送機になる。A400Mは遅延により、存続が危ぶまれていたが、主要発注国があらたに支持を表明したことで継続が決まった。 2. A400MはC-17より小型で速度も遅いがC-130よりも搭載量は大きく長距離飛行が可能だ。欧州各国およびその他国にとってA400Mは戦略輸送能力をC-17ほどの費用をかけずに確保するものとして映っている。 3. A400MはC-17より安価とはいえ、各国の空軍でも資金に余裕のあるところしか手が届かないというのがエアバスミリタリーにとって困った点だ。各国が国防支出を削減している中で戦略輸送能力も聖域ではない。 4. 輸送機市場で魅力ある部分は中小型機で、これまではロッキード・マーテインC-130Jが大部分を占めてきた。旧型C-130の代替需要が今後増えると期待される中で数社がC-130とアントノフAn-12の後釜を狙う機体の開発を進めている。 5. そのうち、ブラジルのエンブラエルが KC-390 を開発中でブラジル空軍より28機の受注ずみ。同機の貨物室寸法はC-130-Jよりも小さいもののジェットエンジン搭載で高高度かつ高速巡航が可能だ。エンブラエルはブラジル政府と共に13.7億ドル規模の7ヵ年計画で試作機開発を2009年に開始した。一方で世界市場を狙いブラジルはアルゼンチン、チリ、コロンビア、ポルトガル、チェコ各国と共同開発・生産の協議と売

縮小に向かう新型機開発業務 今後の防衛体制維持は大丈夫か

Industry Looks To New Bomber For Design Work aviationweek.com Jan 28, 2011 国内、海外の発注により欧米の軍用機生産ラインは2010年代中頃までは高い可動状態を保つだろうが、開発業務は縮小しており、新型機開発の要求と産業界の現実の差が拡大に向かうだろう。 1. 米空軍及び海軍は「第六世代」戦闘機の技術開発と要求性能の定義付けを開始した。2025年から30年の第一線配備を目指すものと概念定義される。しかしロシアに続き中国がF-22クラスのステルス戦闘機を開発する中、米国の予算制約から2015年以前に十分な予算の確保は困難。 2. スホイT-50の飛行テスト開始は2009年12月で実戦配備の目標は2015年ごろ。成都J-20も初飛行は1月11日で2017年から19年が第一線配備の目標としているので、このままだと2020年までに米国のステルス機は同等の性能を持つ対抗機に直面することになる。 3. そこで米国が第六世代戦闘機を2015年に開発開始しても、F-22やF-35の例で開発から初期作戦能力獲得に15年間の差があることから、2030年の第一線配備もかなり怪しくなる。 4. 一方、F-22生産はまもなく終了し、F-15E、F/A-18E/FまたおそらくF-16の生産ラインは2015年まで維持される見込みで、かつF-35 共用打撃戦闘機の生産は2030年以降も継続する見込みの中、航空産業では設計開発業務量の不足が大きな問題になっている。現時点で視野に入っている大型案件は米空軍の次世代爆撃機だけで、これも2009年に一度棚上げになっていたものだ。 5. 次世代爆撃機の予算は2012会計年度国防予算要求に盛り込まれる見込みで2月に公表される。設計開発には既存技術を使って予定通りでの投入と配備数が可能となるはずだ。 6. 当初の次世代爆撃機開発案が中止となったため、長距離攻撃計画は大幅な予算削減の対象となった。同じように海軍のSSBN(X)次世代弾道ミサイルも当初見積もりから35%の削減をされている。 7. その結果、機体設計は極度に低視認性で有人飛行はオプションとなるが、F-35はじめ既存機の技術を応用し予算の節減につとめる。航空産業にはこれは設計開発の規模縮小を意味する。 8.

P-8Aの初期生産開始へ

Boeing Clinches P-8A LRIP Contract aviationweek.com Jan 27, 2011 1. ボーイングはP-8A低レート初期生産(LRIP)分6機のうち一号機の組み立てを今年中ごろまでに開始する。これは総額16億ドルの米海軍契約が交付されたことによるもの。 2. 契約内容には機体の他に予備部品、ロジスティクス、取扱訓練が含まれる。ボーイングはP-8Aシステム開発実証(SDD)契約(2004年)により同機の地上テスト・飛行テストを順調に進展させていた。 3. SDD機材合計6機のうち3機は現在パタクセント海軍航空基地に配備され飛行テストを実施中で、残り一機はボーイングフィールドでシステムの組み込み中。5号機はボーイングフィールドに1月22日に到着したばかりで、6号機が現在最終組み立て中だ。 4. 海軍は計117機のP-8Aを2025年までに受領し、ロッキード・マーティンP-3Cオライオンと交代させる。P-8Aの第一線配備は2013年から開始の見込み。あわせてボーイングはインド海軍向けP-8Iの一号機の組み立てを開始している。インドの発注合計は8機。また、オーストラリア海軍とは追加発注の商談中。

J-20初飛行を冷静に考える: 技術的課題はまだ多い

Stealthy Chinese J-20 Vulnerable aviationweek.com Jan 14, 2011 1. 中国のJ-20には相当の開発努力が必要で、ステルス対策技術の進歩へ対応するのは一筋縄ではいかない。 2. ステルス対策技術によりステルス機の設計そのものが問い直されている。防空体制に強力なAESA(アクティブ電子スキャンアレイ)レーダーが導入されているのに対してどれだけの脆弱性となるのか。AESAは開発当初から極めて小さな飛行物体も捕捉することを目標としており、巡航ミサイルなら相当の距離で識別し、撃墜が可能となる。戦闘機はこれよりも大きい。 3. ステルス機を空中で探知することはすでに作戦上可能。エドワーズ空軍基地での2009年テストでロッキード・マーティンは自社のCATバード試験機(ボーイング737にF-35共用打撃戦闘機のエイビオニクス全部を搭載)にF-22とF-15混成部隊と交戦させたところ、各機の探 知に成功し、F-22レーダーの妨害も行っている。レイセオンのXバンド搭載AESAレーダーは沖縄駐留のF-15C改装型に搭載されており、小型で本来探知されにくいとされる巡航ミサイルを捕捉可能だ。 さらにノースロップ・グラマンの低周波LバンドのAESAレーダーはすでにオーストラリアのウエッジテイル空中早期警戒指揮統制機に搭載されており、ステルス機も相当の距離から探知する能力がある。 4. ロッキード・マーティンはJSFについて2009年に海外の高性能機との交戦能力を暗示的に説明している。「F-35のエイビオニクスには搭載センサーでパイロットが全天候、昼夜問わず、高度の防空体制の下で移動目標、固定目標を攻撃する事が可能で、同時に空中の目標も捕捉攻撃が可能です」(同社F-35開発責任者(当時)クローリー執行副社長) 5. 中国から入手したJ-20のより鮮明な写真を見ると同機にはステルス技術が応用されているものの、未解決の問題点が多くあることも明らかだ。 6. 機体の全般的形状はF-35やF-22に類似しており、「蝶ネクタイ」のレーダー断面積として最小の捕捉特徴を機首にとどめるものの、側面からは捕捉の可能性は最大となる。同機の

USAF 極超音速機開発計画が明らかに

USAF Revives Blackswift Hypersonic-Like Plan aviationweek.com Jan 12, 2011 1. 米空軍は極超音速機開発ロードマップの一環として高速度兵器体系および高速度再利用可能飛行実験機(HSRFRV)の開発を検討中。後者はDarpaが開発を主導して2008年に開発中止となったブラックスイフト(マッハ6級実証機)よりわずかに大きい機体となる。 2. この背景にはX-51Aウェイブライダー、X-37B軌道実験機、HTV-2極超音速テストから得られた極超音速飛行の結果を今後活用する優先順位付けを検討している政府・民間合同の動きがある。 3. 今回の企画案はスティーブ・ウォーカー空軍次官(科学技術担当)がフロリダ州オーランドでのAIAA航空宇宙学会で発表しており、極超音速兵器と再利用可能テスト機の同時開発を提唱している。 4. それによると実証機および兵器体系開発は5年間で完成し、初飛行あh2016年10月になるという。実証機には三つのオプションがあり、まずX-51に類似した機体をB-52から空中発進する案。二番目はB-2の内部にあるいは、F-35に外部装着するオプションだ。三番目はもB-2とF-35で運用する構想だが、機体構成は全て新しいものになる。 5. 今回のロードマップではさらに再利用可能実証機にタービン利用コンバインドサイクル(TBCC)ならびに滑走路からの離着陸能力を実現するものとしている。ブラックスイフト計画と同じくHSRFRVのTBCCでは高マッハのターボジェットにラムジェット・スクラムジェットを組み合わせ空気取り入れ口とノズルは共用するものとしている。ただし、ブラックスイフトのTBCCと異なるのはさらに高い目標を設定していることだ。ちなみにブラックスイフトは離陸後5分後にマッハ6を達成する設計だった。 6. ウォーカーによると構想機にはマッハ4超の飛行を15分まで持続する性能を持たせるという。さらに高速飛行をする場合は持続時間は短くなる。X-30はじめこれまでの極超音速機の失敗の経験を認識した上で、今回は2021年の初飛行を想定したゆっくりした開発

中国の技術力向上に注視すべし

Editorial: Remain Watchful of China's Ascent aviationweek.com Jan 14, 2011 中国がステルス機をロールアウトさせたことで西側情報機関はその意味するものを把握するべく多忙となっている。米情報機関はJ-20の存在そのものは把握していたが、1地上走行テストを開始する事までは予測していなかった。 1. 同機はおどろくほどF-22に類似しているが、機体は大型で、長距離性能と兵装量が大きいことを伺わせる。現時点では同機が試作機なのか技術実証機なのかは不明。 2. 判明しているのは中国が科学技術を重視し、西側の総合計よりも大量の技術者、科学者を養成していること、国防予算が巨額になっていることだ。これにより中国がこれまで前例のない技術力、軍事力の成熟化に向かっているのはまちがいない。 3. 初回の開発では通常は試作機または実証機を製作し、機体の試験をするものだ。今回のその点J-20は多用途ステルス機としての設計が相当成熟度を上げているのを示し、この例があてはまらない。F-22あるいはF-35の水準に到達するまでには高性能センサー類と発達型エンジンが必要だ。また、真の意味でステルス性能を実現するのはそう簡単なことではない。現時点の推測はJ-20の量産開始は8ないし10年後と見ている。 4. また中国経済の規模は世界第二位であり、現行の成長率が続くとそのうちに米国経済の規模を追い越すのも容易に想像できる。中国がグローバル大国になり、その影響力を行使すると世界各国は中国の軍事拡張を当然予想する。現在の中国の軍事力拡大はこれまで20年間の努力の成果でもある。 5. 合わせて中国指導部は北朝鮮とは異なり無謀かつ自己破滅型の行動は取る傾向は少ないことに注視すべきだ。中国はすでに核戦力を数十年間にわたり保有しているが、その行使は抑制しており、この点でも北朝鮮とは異なる。そこで米国の課題は未来の超大国の力を建設的目的に使わせることである。これは実現可能な目標だ。 6. これは中国の軍事力を無視することではない。海軍情報部のトップが言うように「中国の軍事システムの開発、配備状況をこれまで過小評価してきた」のが現実だ。実質的に予算制約がない状況でDF-21D対艦

米海軍 P-3C性能向上

U.S. Navy Upgrades P-3C Orion Aircraft aviationweek.com Jan 14, 2011 1. 米海軍は1月に合計10機の改装P-3Cオライオンを受領した。各機には音響受信技術向上策(ARTR)としてソノブイ信号の受信・解析能力を10倍に増加させている。 2. 今回の性能改良でオライオンと次期対潜作戦(ASW)主力機P-8Aポセイドンとの間の技術ギャップを解消し、両機種の共用性を確保することが期待される。あわせて信号処理コードとハードウェアの共用化も実現されつつある。 3. 音響技術の向上は海軍には重要だ。現在の海軍はASWの作戦形態を高高度飛行に切り替えようとしており、作戦の実施を一層効率化しより多くの目標を捕捉できると期待している。 4. ARTRを装備したオライオンは2012年までに74機を導入する。 5. 今後二年間で海軍はさらにP-3の音響性能を向上しソノブイのデジタル処理し、インプット情報の処理能力向上をめざす。合わせて海軍はオライオン向けの指揮管制通信コンピュータのC4システムを開発し、ASWネットワーク能力を向上した。 6. 改良型オライオンはリンク16の利用が可能。リンク16は状況把握で改良があり、米海軍水上艦艇と共通運用がが可能な他、NATOや米国の各軍とも共用性があり、インマルサット国際海洋衛星を利用して暗号化ずみブロードバンドサービスを海軍に提供する。 7. P-8Aの開発は順調で計画通りと関係者は評価している。2013年を初期作戦能力獲得の目標としている。P-8Aの調達合計機数は117機で変化なく、現在の予想単価は150百万ドル。

J-20、DF-21D....中国の新装備開発をどう見るべきか

What China's Stealth Fighter Means aviationweek.com Jan 10, 2011 1. 中国のJ-20がロールアウトし、地上走行テストを開始したが、米海軍情報部門トップは中国の技術開発の進展の推測でペンタゴンが誤っていたと認めている。 2. 同機の存在そのものは情報部門には何ら驚きではなかったが、中国の兵器開発と初期運用能力獲得のスピードを過小評価していた、とドーセット海軍中将(海軍情報部長兼情報優勢作戦副部長)は語る。分析に誤った例がJ-20とDF-21D対艦弾道ミサイル。さらに中国の技術開発が高性能エンジンやミサイルで進んでいる証拠が見つかっている。 3. 「J-20ステルス機がいつ運用開始となるのかはっきりしない。評価を精査すべきか。私はそう思う」とドーセット中将は語る。 4. それ以外のワシントンの情報関係者も一様にJ-20のテスト進展を注視している。「高速地上走行で前脚が地面を離れています。初飛行の前に問題点をつぶしているのでしょう」(あるベテランアナリスト) 5. 同機には不明の点が多い。 6. 「運用可能性は今の段階では決めかねますね。仮に飛行に成功しても同機は完全な意味の第五世代戦闘機にはならないでしょう。つまり同機には次世代技術をまず確立してその後の量産につなげる意味があるのでは。量産になれば我が方のミッション計画立案にも影響が出ます。これから先には開発が加速されるか、逆に遅くなるか、どちらも起こりえます」(上記アナリスト) 7. 「レーダー断面積はF-22には匹敵せず、十分小さいとは言えません。ただしこれは中国にとって初めての経験であり、一号機であることを十分理解しないといけません。最終型になるまでに相当の調整をおこなうのでしょう。同機に対してあまりにも多くの表面的な評価が出されていますが、これがいつも誤った結論につながってきたのです」(上記アナリスト) 8. エンジンがアキレス腱というのが中国の高性能戦闘機の通例だった。世界の第一線級に匹敵する性能を引き出すエンジンの国産化にまだ成功していない。これまでは量を重視し、高度技術に重きをおいてこなかった人民解放軍空軍は50年代のソ連設計に旧式エンジンを搭載した機体を運用して

中国 J-20初飛行に成功

Chinese J-20 Logs First Flight aviationweek.com Jan 11, 2011 1. 本日J-20が初飛行に成功した。 2. J-20は12月に成都で地上滑走試験が始まってからその初飛行が待たれていた。 3. 中国紙の報道によると同機は本日現地時間午後12時50分08秒にに移動を開始し、その直後に加速し、12時50分16秒に飛行状態に入ったという。着陸はその18分後だった。 4. 一連の出来事はJ-20(あるいは正式名称が未公表のためJ-XXの可能性あり)は中国式に11.1.11となる日付にだいたい午後1時に飛行を完了したことになる。これは中国でいうところの “yi fei chong tian” で頭に来る一が「大空にまっすぐ飛翔する」意味をもつという。 5. 初飛行はちょうどゲイツ国防長官の訪中と時を同じくして実施された。長官は胡錦濤主席が会話中に同機初飛行を確認したという。 6. 同機の初飛行に先立ち旅客機二機が成都に到着している。おそらく高官を運んできたのだろう。 7. 現時点ではJ-20が試作機か実証機七日は明らかではない。 8. 同機の存在は中国の高性能戦闘機開発の一端を示す以上の意味がある。中国空軍副司令官He Weirongは2009年11月に「第四世代戦闘機」を2017年から2019年までに実戦配備すると発言している。第四世代戦闘機とは中国ではF- 22級の技術による機体を示す。ただし、同副司令官はJ-20を指しているのではなく、J-10の改良型を念頭においていた。 9. J-10改良型にスーパークルーズ性能が付与される可能性は高い。中国海軍がその要求を表明している。 10. J-20を生産した成都の施設は中国航空工業集団公司(Avic)の傘下のAvic Defenseの所有である。

ゲイツ長官:F-35Bに黄信号、新型爆撃機は開発へ

F-35B Put On Probation; New Bomber To Go Forward aviationweek. com Jan 7, 2011 1. ロバート・ゲイツ国防長官は開発が難航している海兵隊向けF-35B短距離離陸垂直着陸(Stovl)型共用打撃戦闘機を「要観察」扱いとする一方、空軍の新型爆撃機開発を承認。 2. F-35B型は「テスト中に大きな問題に直面している」と長官は1月6日に発言した。 3. JSF開発計画は全般的見直しとなり、A型C型がB型よりも先行してテストを継続することになるだろう。仮にB型の「改修ができないあるいは計画通りに進展がない」状態が今後2年以内に実現すると「同型の開発は中止になるだろう」(同長官) 4. ゲイツ長官のコメントは記者会見の席上で総額1500億ドル以上の予算削減、流用を今後5年間に行う国防総省の案を説明する際に出たもの。 5. F-35Bのテストは大幅に遅れており、昨年3月以降の垂直着陸回数は数回にとどまっており、公式には補助エンジンインレットドアの問題が原因とされるが、個別には冷却ファンなど小さな問題がある。 6. さらにシステムズ開発実証(SDD)が2016年まで遅れることが判明した。昨年の開発計画見直しではSDD完了は2015年中頃となっていた。SDD完了は開発試験の終了を意味し、初期運用試験評価に先立つものなので、同機の初期作戦能力獲得は2017年になる可能性が出てきた。これで46億ドルの追加支出となる見込み。 7. 2012年度のJSF調達数は低率初期生産(LRIP)のロットVとして32機に抑えられるのは「フォートワース工場の最終組立ラインがまだ調整が必要なため」(同長官)という。現時点での引渡し実績は計画より数ヶ月の遅れになっている。 8. 2013年度以降の引渡し数は増加してLRIPロットIX(2016年契約分で引渡しは2018年)までで325機になる見込み。(当初計画では449機だった) 9. 契約が成立したばかりのLRIPロットIVにはStovl3機を削除した。結局Stovlの購入は今後のLRIPロット毎にわずか6機となり、メーカーの調達ベースと特殊技術の維持のため最小限に

F-35飛行テストの現況 今年の目標

F-35 Begins Year With Test Objectives Unmet aviationweek.com Jan 4, 2011 1. F-35共用打撃戦闘機の飛行テストは2011年になりペースがあがるものの、2010年の当初の目標の多くは未達成のまま年を越しており、このままでは開発計画に大幅な変更が加わりそうだ。 2. 飛行回数こそ目標の394回を上回ったものの、通常型離着陸(CTOL)型ではパイロット訓練開始、短距離離陸垂直着陸(Stovl)型の訓練、初の艦船運用の目標はいずれも昨年中に実現出来ていない。. 3. CTOL型F-35Aの「訓練開始状態」(RFT)飛行許可習得に必要な飛行テストは1月中に完了する予定とされ、RFTがあれば生産型のF-35の飛行が可能となる。 4. F- 35の低レート初期生産(LRIP)バッチ機体であるAF-6およびAF-7のエドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)への搬入は5月の予定で開発テストを加速するだろう。一方、LRIP2バッチ機体のAF-8以降はエグリン空軍基地(フロリダ州)の訓練センターに引き渡される。 5. LRIP1および2のRFT許可では飛行速度は350ノット、マッハ0.8,4Gに制限されるが、2011年中にこれがLRIP3の機体で550ノット、マッハ0.95、7Gまで許可される。各機はこれまで580ノット、マッハ1.3、7Gまでの飛行を実施している。 6. Stovl タイプのF-35BではRFT許可は通常飛行および推力つき離陸の各モードに関連する。さらに艦船運用の許可も加わるが、これが2011年までずれこんだのは機構上の信頼性の問題がテスト機体で見つかったため。これを克服して、月間の飛行回数は昨年下半期から増加しているという。 7. エドワーズ基地のF-35Aは6月以降は月間平均10回のフライトをこなしているが、パタクセント海軍航空基地(メリーランド州)のF-35Bの飛行回数はなかなか上がっていない。サンキの月の平均飛行回数は9回だった。 8. 問題原の冷却ファンを交換し、信頼性の低い上部リフトファンのドアの作動機構の設計変更を行ったところ、問題はなくなったとする。 9.

中国 J-20ステルス戦闘機の登場の背景にあるもの

China's J-20 Stealth Fighter In Taxi Tests aviationweek.com Dec 30, 2010 1. 中国初のステルス機が先週末に高速地上走行試験を成都飛機工業集団の飛行場内で実施した。J-20の呼称といわれ、予想よりも大型の機体であることから、長距離と大規模な搭載能力を持っていると考えられる。 2. これによりゲイツ国防長官が2009年に予測していた中国にはステルス機の運用能力は2020年までには不可能とする内容、これがロッキード・マーティンF-22生産中止につながっている、そのものに疑念をいだかせることになる。 3. そもそもJ-20の存在は2009年に任人民解放軍空軍副司令官がテレビ取材で発言している。当時同副司令官は「第四世代戦闘機」(ステルス機の中国名称)は2010年ないし11年に初飛行し、2017年から19年に実戦配備となる、と語っていた。 4. J- 20は単座双発機でスホイT-50やF-22と比較しても大型の機体だ。地上車両と比較しても全長は75フィート、翼巾45フィート以上あるとみられることから離陸重量は75千ポンドないし80千ポンド級(外部搭載なしの状態で)あると考えられる。これは内部燃料搭載量が相当あることを示唆し、比較例では 60年代のジェネラルダイナミクスF-111が34千ポンドの燃料を搭載していた。 5. J- 20には同じ成都J-10と同様のカナード翼があり、T-50と同様に垂直尾翼は可動式である他、前部安定版には傾斜がついている。ステルス性機体の形状はF-22と類似している。機体表面は平滑で尾翼とそろえられており、主翼と機体の接合部はきれいに処理されている。傾斜角はF-35より大きく、キャノピーにはフレームがない点でF-22に似ている。 6. 搭載エンジンはロシア製サターンAL-31Fの系列である可能性が高い。生産型には今後実用化飲み込みの国産エンジンが搭載されるだろう。空気取り入れ口には分流無しで超音速を可能とするDSI技術が採用されており、F-35が最初に実用化して中国もJ-10Bとパキスタン共同開発のJF-17でも実用化している技術だ。 7. 着陸装置は機体側部に格納される構造で

F-35JSF開発の遅延を容認するペンタゴン

Carter: Healthy JSF Worth Slip In Production aviationweek.com Dec 22, 2010 1. ペンタゴンはF-35共用打撃戦闘機の生産をあえて減速させてでも開発中に浮上した問題点解決に注力する構え、と調達を統括する国防次官アシュトン・カーターが発言している。 2. 「システム設計・開発がうまく行けば生産コストは最終的には下がる。その意味で本格生産が若干遅れてでもその価値は出てくる」と本誌取材に答えた。 3. 同機開発では今年2月の段階で13ヶ月の遅れが発生しているが、ペンタゴンはさらに遅延を容認する検討をしている。その方針は最も早くて2月に発表されるだろう。2012年度予算原案を議会に提出するタイミング。 4. カーターは遅延が拡大しても海外発注者には大きな影響がないだろうと見る。「生産ピッチは拡大して受注分の生産予定を実現できるだろうし、日程も期待に答える事ができるはずと見ている」 同機の海外向け引渡しの開始は2014年とみられているが、ペンタゴンが同機開発体制を再構築し、追加開発業務をするとこれも先送りの可能性がある。共同開発に八カ国が調印している他に、シンガポールと日本がイスラエルの例にならいロッキード・マーティンより直接調達を希望している。 5. ペンタゴンの見方とは逆に初期生産を圧縮して実施する計画はロッキード・マーティンには国際商戦でボーイング F/A-18E/F 、サーブグリペン、ユーロファイターとしのぎ合う中で大きな意味が出てくる。同社関係者も開発と同時並行で生産をして相当数の生産規模を実現し一機あたり費用を迅速に低下させる効果があると強調する。これに対し、ペンタゴンの立場は生産後の追加改修作業の防止を重視するもの。 6. 同機開発体制でハインツ海兵隊少将がゲイツ国防長官により更迭されヴェンレット海軍中将が後任となり開発責任者の階級は昇格している。同中将は総額3,820億ドルの同機開発の全体点検をしている。 7. 点検のうち、技術基本報告は完了しているものの、公表はされていない。この部分がゲイツ長官による今後のF-35開発方針の決定に大きな

X-37B地球帰還 少しずつ分かってきた同機の背景

X-37B Prepared For Expanded Orbital Test aviationweek.com Dec 7, 2010 米空軍によると二回目のX-37B軌道飛行試験機(OTV)のミッションで同自律宇宙機の「運用限界」を広げる。その意味するところはおそらく軌道上での接近操作および逆風下での着陸の実施だろう。 1. 宇宙分野担当空軍次官補リチャード・マキンレイによると試験用X-37B二号機OVT-2は現在ボーイングのカリフォルニア宇宙施設で準備中で、まもなくケープカナベラル空軍基地に移送される。打ち上げは2011年3月から4月の間を予定。 2. トロイ・ギース中佐(X-37B担当空軍迅速戦力準備室(Afrco))によると二号機のミッションは着陸条件を厳しくし、軌道飛行も変更し、回収操作の試験を行う。 3. 次官補と中佐のコメントはOTV-1が12月3日にヴァンデンバーグ空軍基地に244日の飛行を終えて無事着陸した際のもの。 4. 同機の着陸は自律宇宙機の着陸としては1988年旧ソ連のブラン無人宇宙シャトルの着陸成功に次ぐものだが、完全に問題がなかったわけではない。マキンレイによると左主脚が着地後に発火している。ただし関係者によると同機は滑走路中央線を外れることなく着陸に成功したという。 5. タイヤ破片により機体下部に破損が生じ、機体には未確認の宇宙デブリによる凹みも数箇所見られた。 6. OTVはあくまでも試験用の機体であるとし、マキンレイはX37-Bを再利用可能な宇宙運搬機として使用する可能性はないとする。ただし、軌道から帰還する能力により国家安全保障上の意義、今後の開発の基礎になる意義はあるとする。 7. OTV- 1は機体の各システム、設計上の特徴の点検が主目的だった。二次的に高性能センサーの実証もあり、これが今後のミッションで強調されていくだろう。その他 OTV-1で検証された技術的な側面に高性能誘導航法制御、耐熱保護、エイビオニクス、一体型再利用可能絶縁構造、軽量な電気機械飛行制御があり、ギース中佐は飛行中にペイロード格納扉を開き、太陽電池アレイを展開してミッション中の機内電源を確保したという。 8. 地上からの指令で電池アレイを自動的に格納し、格納庫を閉め、再突入の

スカンクワークスのトップ交代

Lockheed Skunk Works To Get New Chief aviationweek.com Dec 3, 2010 革新的な技術で有名なロッキード:マーティンのスカンクワークスのトップが交代する。 1. フランク・カプッチオが6月に退任する。1月にサンディア国立研究所副所長アル・ロミグがスカンクワークスに加わる。ロミグはエネルギー省と強いパイプを持つ。両名は一月から6月の間はロッキード・マーティン航空宇宙部門のラルフ・ヒースの下で働くことになる。ヒースの担当しているのがC-130J、C- 5M、F-16、F-22、F-35である。 2. JSFはロッキード・マーティンの売上の大きな部分となっており、ペンタゴンは総額3800億ドルを同機に支出することが予測される。 3. JSF 以外にカプッチオは無人機部門の開拓に大きく貢献した。同社の非公開無人機事業は規模は小さいものの、大きく進展していることが推察される。RQ-170 センチネルの存在を米空軍が2009年に明らかにしているが、同機の任務内容は依然として非公開情報のままで、アフガニスタンはじめとする海外での情報収集にあたっているとされる。 4. あわせてカプッチオは長期戦略でヒースに助言している。ロミグもこの役割を引き継ぐのだろうが、全体戦略の策定では限定的な立場になると同社関係者は見る。 5. その他スカンクワークスが手がけるプロジェクトには高速ミサイルや長距離攻撃機の構想がある。 6. カプッチオによる長距離攻撃機構想により米空軍向け次世代爆撃機計画で同社の立場は強くなるだろう。これが次の大規模調達となり、おそらく今後同規模の調達案件は出てこないと思われる。