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米大統領選挙候補の国防観を見る①

来年の大統領選挙まで一年ちょっとになりました。二大政党では指名争いをめぐり、はげしい争いのようですが、国防分野ではどんな主張が出ているのかのぞいてみましょう。両極端な主張の反面、不思議に一致している点もあるようです。これまでの選挙なら大風呂敷を広げていても大丈夫だったのでしょうが、財源が実現の決め手であり、今の段階では各候補は好き勝手に主張しているようっです。その中でまともな内容がカーリー・フィオリーナ候補(元ヒューレット・パッカード会長兼CEO)から出ているようです。 Fiorina’s Plans Require DoD Spending Boost Of $100B By MARK CANCIAN on October 02, 2015 at 2:53 PM http://breakingdefense.com/2015/10/fiorinas-plans-require-dod-spending-boost-of-100b/feed/ Carly Fiorina, 2016 presidential candidate. 大統領予備選が近づいてきた。政治日程で一番馬鹿げた行事だといえる。各候補とも支持基盤拡大に公約の大盤振る舞いだが、国防関係でもドナルド・トランプ含む各候補が国家安全保障を都合よく現実から遊離した形で口にしているのが実態だ。 にもかかわらず候補者ごとに方法論の違いが浮き彫りになりつつある。では各候補の言い分から将来の国防予算や装備計画にどんな影響が出るだろうか。 まず各候補で立場が相当異なっており、共和党は大幅予算増を主張するが、上院でただ一人社会主義を主張するバーニー・サンダースはその逆で大幅予算削減を唱えている。 共和党は全員が国防予算増額で強力な国防基盤の構築を主張。国防体制再構築のため予算削減を逆に変え「地球最強の軍事力」の実現を求める。だが具体論はほとんどない。たとえば前フロリダ州知事のブッシュはISIS対決策を詳細に説明するが、予算上の裏付けや具体策は殆ど無い状態である。前オハイオ州知事ジョン・ケイシックは自らを「安上がりのタカ派」と呼び、自らが支持した1986年のゴールドウォーター=ニコルス法案でペンタゴンを合理化したと自慢する。その反面、海軍の空母は現行の10隻を15隻体制に増強する主

★ロッキード>ファイバーレーザー生産ライン稼働へ レーザー兵器で大きな進展

最近レーザー関連の話題が多いのですが、やはり大きな進展があったのですね。技術優位性をてこに国防力の維持を図る第三相殺戦略でもレーザー兵器は大きな意味を持ってきます。当然神経をいらだたせるのは数で勝負の中国ですから技術習得に必死になっているでしょう。あるいはレーザー兵器そのものを利用不可能にする国際的運動を起こしかねませんね。戦争法案などと大衆を惑わす言葉のテクニックもありますので気を許すことはできません。 Lockheed Launches Laser Production Line; Bets On Fiber Tech By SYDNEY J. FREEDBERG JR. on October 05, 2015 at 5:11 PM http://breakingdefense.com/2015/10/lockheed-launches-laser-production-line-bets-on-fiber-tech/feed/ ロッキードのATHENAレーザー実験の標的にされたピックアップトラック CRYSTAL CITY: 世界最大の防衛企業が実戦用レーザー兵器の実用化に向けて大きく前進する。 ロッキード・マーティン は光ファイバーモジュールの生産を数週間で開始する。モジュールの組み合わせで各種兵器が完成する。生産は米陸軍向け60キロワット級ロケット弾迎撃用システム試作品から始まる。だが規模・出力の拡大は容易で同社は将来は沿岸戦闘艦、AC-130ガンシップ、F-15さらにF-35への搭載を想定している。 「生産施設をテストし、拡張に備えます」とロッキードで業務開発にあたるレイン・マキニーは記者に語っている。「これはテスト生産施設で、最適化の試験設備で、効率化の追求であり、迅速な対応を試す場所です。もし、緊急需要が生まれた場合を想定してですね」「投資規模は申し上げられませんが、社内でも非常に大きな存在であることは確かですね」 狙いは生産量よりも出力増だ。ファイバーレーザーとは小型モジュール多数を使い低出力レーザー多数を生み出す技術だ。レーザーを光ファイバーケーブルを通過させ「スペクトラム光線集合」ユニットに導き数十数百の低出力レザー光線を一本の強力なレーザーに集約する。出力を上げるにはモジュール数を増やせば良い。ただ

シリア>米ロで「衝突回避」の話し合い ただし結論出ず

ロシアの軍事行動に米側はイライラしているようですが、さらにロシアからロシア作戦空域からの米軍撤退を求めてきており米側が呆れているのが現時点の状況のようです。情報の伝え方が違うので米側、ロシア側の発表をよく吟味して聞かないと実態が見えてきませんね。 Russia, US Open Deconfliction Talks By Aaron Mehta 4:29 p.m. EDT October 1, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/warfare/2015/10/01/russia-us-open-deconfliction-talks/73160726/ WASHINGTON — ロシア軍用機がシリア空爆を開始した翌日に米軍はロシア軍と航空作戦での衝突回避策で協議を始めたが、解決策がいつできあがるのか、そもそも結論が出るのか不明だ。. ペンタゴン報道官ピーター・クックは10月1日に両軍代表が一時間ほど事故防止策を協議したと発表したが、米主導の対ISIS作戦で空域が混み合う中でロシアが作戦のピッチを上げている。 国防次官補代理(国際安全保障問題担当)エリッサ・スロトキンがロシア側と安全な飛行の確保策で意見を交換している。 クック報道官はロシアからの提案の詳細を話していないが、米側としては国際的な飛行安全規則を乗員が順守すること、プロらしく交信を打倒な範囲かつ積極的に使い、不必要な対立を招くような行為は回避することを期待しているという。 「その一つの手段が緊急時には国際周波数を使うことだが、どの言語を使うべきか」が検討課題のひとつとクックは紹介。 ジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ)(上院軍事委員会委員長)は話し合い自体をロシアの行動を受けて行い「惨めな弁解で弱々しく反応したもの」とこけおろしている。 「このことから疑念が生まれる。われわれはロシアの航空作戦との『衝突回避』を求めているのだろうか。ロシアは米国が訓練した反乱勢力を狙い撃ちしているのだ。われわれが『衝突回避』しようというのはロシアの航空作戦で罪のない民間人、女こどもの命が奪われることなのだろうか。ロシアの航空作戦と『衝突回避』することでアサド政権を温存させて、内

★F-35>航空優勢を今後30年確保できる優秀な機体だと太鼓判を押すペンタゴン

すごい、ここまでの自信があるとは。しかしソフトウェア改修だけでトップクラスの性能を確保できるのでしょうかね。機体構造など物理的な条件から30年間もトップを維持できるのか疑問です。またその機体構造の特徴から搭載できる火力が制限されてしまうので、今後も重装備の攻撃用機体として今一番使い勝手の良いF-15EやF/A-18E/Fは重要な存在では。そうなるとF-35は切り込み部隊というところなのではないでしょうか。   Pentagon Sees F-35 Having Air Superiority For 30 Years Sep 23, 2015  Amy Butler | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/pentagon-sees-f-35-having-air-superiority-30-years F-35: Lockheed Martin FORT WORTH —ロッキード・マーティンのF-35共用打撃戦闘機は中国、ロシアはじめ各国も新技術を導入してきても、航空優勢を今後20年ないし30年にわたり維持できると開発関係者が主張している。、 7月にはF-16との模擬空中戦に敗れたとリークがあったが、今回のクリストファー・ボグデン中将発言ははかつてない大胆なものだ。「比較対象が存在しない。この機は世界中のいかなる機体に勝てる。今日明日どころか20年、30年先でも変わらない」 F-35が想定する敵機としてロシアの第五世代機スホイT-50( PAK FA)と対戦したらどうなるかとの質問にボグデン中将はJSFが「ドッグファイトに優れている。9Gで機体を引き、旋回できる。だがもともとドッグファイト用の設計ではない。2機が有視界範囲で交戦すればF-35は交戦地点に到達する前からいろいろ優れた特徴を発揮できる。敵機の素性はずっと前から把握できるはずで、敵がこちらを認識するより前になる。ドッグファイトはすぐ終わるだろう。もしドッグファイトになればの話だが」 ボグデン発言と平行してペンタゴンの調達トップ、フランク・ケンドールが初のノルウェー向けF-35Aの除幕式で発言している。古典的なドッグファイトは「もう時代遅れ」だという。「現在開

防衛省>そうりゅう級潜水艦のオーストラリア国内建造を認める提案書を作成中

Japan prepares 'Australia-build' programme for Future Submarines Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly 30 September 2015   http://www.janes.com/article/54952/japan-prepares-australia-build-programme-for-future-submarines 防衛省(MoD)はオーストラリア政府向け潜水艦建造案を準備中で、オーストラリア海軍(RAN)から選定されればそうりゅう級潜水艦のオーストラリア国内建造を認めるとMoD広報がIHS Jane’sに10月1日に確認している。 同広報官によればオーストラリア国内建造案はMoDが準備中の3案の一つで、2016年に契約先をオーストラリア政府が絞り込むという。 10月1日にMoD広報官は「オーストラリア政府は①オーストラリア国内建造、②日本国内建造 ③オーストラリアと日本で建造分担 の三案を検討するよう求めている」と語った。■

F-15は新型EW装備で2040年代以降も運用可能へ

F-15も息の長い機体になりそうです。機齢50年を超える機体になった場合、構造的に大丈夫なのでしょうか。電子戦装備は防御性を重視した内容のようですが、ステルス性に関心を奪われるあまり攻撃能力が減少してしまうF-35を補完する機体として運用する構想のようですね。 Boeing, BAE Will Develop EW Suite For F-15 By Lara Seligman 2:54 p.m. EDT October 1, 2015 WASHINGTON — 米空軍はボーイングを主契約企業に選定し、新型完全デジタル方式の電子戦装備をF-15に搭載する。BAEシステムズが開発にあたる。 ボーイングが10月1日発表した声明文ではEPAWSS(イーグル・パッシブ・アクティブ警戒残存システム)により脅威対象に対応してF-15乗員を守ることをめざす。空軍保有のF-15CおよびF-15E合計400機に搭載し、旧式化した戦術電子戦装備(1980年代より使用)を置き換える。 EPAWSS事業は40億ドル規模。 「今日そして明日の戦闘には最新のジャミング、目標捕捉、赤外線探知、高性能のおとり能力が必要」とマイク・ギボンズ(グローバルストライクF-15担当副社長)は声明文で語る。「EPAWSSでF-15は2040年代の先まで有効性を維持できる」 ボーイングはBAEシステムズをEPAWSS開発担当企業に選定した。BAEシステムズが10月1日に発表した声明文ではEPAWSSを高性能電子戦能力を実現し、F-15の「拡大成長可能性」を開くものと表現。同システムにより機体の防御能力が格段に向上し、高性能電子対抗手段、レーダー警報、チャフとフレアの能力アップで実現する。 「完全デジタル化で空軍は次世代電子戦能力をF-15CおよびF-15Eに搭載し、現在および将来の脅威対象に有効に対応できる」とブライアン・ウォルターズ(BAEシステムズの電子戦ソリューションズ部長)■

中国>大連で建造中なのは空母なのか

Satellite Images May Show China’s First Domestic Aircraft Carrier by BRENDAN MCGARRY on OCTOBER 1, 2015 http://defensetech.org/2015/10/01/satellite-images-may-show-chinas-first-domestic-aircraft-carrier/ (上 エアバスディフェンスアンドスペースイミジェリが発表した大連で建造中の正体不明の船体の様子) 民間衛星写真で中国初の国産空母の建造状況が判明した。 エアバスディフェンスが9月22日に撮影し、IHSジェーンズが10月1日に発表したもので、建造場所は大連だという。 同じ造船所の乾ドックが遼寧(CV-16)の改修作業にも使われている。遼寧はソ連時代のクズネツォフ級空母で中国がウクライナから購入している。 船体の存在は3月10日撮影の衛星写真で初めて明らかになっていたが、「建造が相当進んでいる」とIHSジェーンズは説明している。 「上部構造の完成度が低いため、大連で建造中の艦が『001A』と呼ばれる初の空母なのか断言できないが、仮に001Aでないとすれば、新型揚陸強襲艦あるいはヘリコプター空母の可能性も出てくる。建造の進捗が比較的遅いことから商船ではなく軍艦であることがわかる」 中国海軍艦艇数隻がアラスカ沖に初めて出没している。これは北京で大規模軍事パレードを実施したのと同じ州のことで、抗日戦争勝利70周年を祝いながら中国が世界規模での軍事大国になろうと目論んでいることをあらためて明らかにした。 ペンタゴンは中国戦闘機が「危険な」接近飛行を米軍情報収集機に対してアジア太平洋地区で行った事を認めている。これはJH-7戦闘爆撃機(NATOコードはフラウンダー)の2機編隊でRC-135から500フィート以内を黄海上空で飛行している。■