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★★中国は超大型機An-225を入手して何をするのか

中国には技術を自国で物にするためには時間と労力が必要だとの認識が近代化開始からずっと欠けたままです。今回も金の力で苦境にあるウクライナから技術を獲得する良い取り引きができたと思っているのでしょうが、長い目で見ればどうなのでしょう。戦略では長期的な視点が目立つ中国が技術戦略ではどうして同じことができないのか。それは科学技術の意義が理解されていないためとズバリ指摘しておきます。An-225は確かに巨大ですが、あまり意味のない機体でしょう。 We go to war so you don’t have to Antonov Airlines’ An-225. Karlis Dambrans photo via Flickr China to Build the World’s Largest Plane — With Ukraine’s Help The An-225 could assist Beijing’s space program, or something else by ROBERT BECKHUSEN https://warisboring.com/china-to-build-the-worlds-largest-plane-with-ukraine-s-help-8f5fd7375463 ウクライナの航空機メーカー、アントノフはソ連時代の伝説的企業でロシアのクリミア侵攻で存続が危うくななった。同社の主要顧客であるロシア政府が一夜にして望ましくない顧客に変身したためだ。 以前にも苦い経験はあった。ソ連時代の1980年代にアントノフは世界最大の輸送機An-225ムリヤ(「夢」)を企画し現在一機だけ飛行可能な状態にある。 今日ではこの唯一の機体が民生貨物輸送機として超重量級発電機、タービンブレイド、石油掘削装置まで運んでいる。興味深いことにアントノフはもともと同機をスペースシャトル搬送用に使おうとしていた。 さこで中国が同型機をまず一機生産させようとしており、追加もありうる。 両国は協力取り決めに8月30日に調印し、未完成のままのAn-225二号機を完成させ中国航空工業集団に納入する。「第二段階でAn-225のライセンス生産を中国国内で認める」とアントノフは報道資料で説明。

★歴史に残る機体10 Tu-95ベアはロシアのB-52,旧式化したとはいえ威力は十分

The Tu-95 Bear: Russia Has Its Very Own B-52 Bomber She might be old but she packs a big punch. Sebastien Roblin September 3, 2016 http://nationalinterest.org/feature/the-tu-95-bear-russia-has-its-very-own-b-52-bomber-17571 ツボレフTu-95「ベア」ほど特徴的な機体は珍しい。四発の戦略爆撃機で哨戒機でもあり、一角獣のような空中給油管がついた形状はまるで前世紀から蘇った怪獣のようだが実際に第2次大戦直後に生まれて今日も運用されている。 ただし外見にだまされないように。60年に渡りTu-95が軍務についてこられたのは大ペイロードで長距離飛行できるからである。つまりTu-95はロシア版のB-52であり、洋上飛行を得意とし欧州、アジア、北米の防空体制に挑戦してきた。 冷戦時の核爆撃機として ベアは第二次大戦時の米国航空兵力に匹敵する戦略爆撃機を熱望した戦後のソ連で生まれた機体だ。ソ連立案部門は1950年に四発爆撃機で数千マイルを飛行して米国を爆弾12トンで攻撃できる機体を求めた。 ただし当時のジェットエンジンは燃料消費が多すぎた。そのためアンドレイ・ツボレフ設計局はNK-12ターボプロップ4発に反転プロペラを選択した。 NK-12にはプロペラ二基がつき、二番目のプロペラを逆回転させ第一プロペラが生むトルクを打ち消し、速力を確保する。反転プロペラは効率が高い反面、製作コスト維持コストが高くなるだけでなく信じられない程の高騒音を生むため、広く普及しなかった。Tu-95飛行中の騒音は潜水艦やジェットパイロットからわかるほどだといわれる。 ただしTu-95ではこの選択が効果を上げた。巨大なTu-95は最速のプロペラ機であり、500マイル時巡航が可能だ。プロペラ直径は18フィートもあり、先端では音速をやや上回る速度になる。後退翼を採用したプロペラ機としても希少な存在だ。 Tu-95は巨大な燃料搭載量があり、9,000マイルを機内燃料だけで飛べる。後期モデルでは特徴的な空中給油管を搭

もし戦わば③ ヒトラーがロシア侵攻をしていなかったら第二次大戦の行方はどうなっていたか

What If Hitler Never Invaded Russia During World War II? This might be just the ultimate “what-if.” Michael Peck August 27, 2016 http://nationalinterest.org/feature/what-if-hitler-never-invaded-russia-during-world-war-ii-17492 歴史上で最も大きな出来事の一つがアドルフ・ヒトラーによるソ連侵攻)1941年6月22日)であった。 バルバロッサ作戦によりナチスドイツの戦争は弱体化していた英国相手の一方向戦から双戦線戦に変わった。東部戦線にドイツ陸軍部隊のほぼ四分の三が投入され、ドイツ軍死傷者の三分の二が発生している。 そこでヒトラーがロシア侵攻を実施していなかったらどうなるだろうか。第三帝国とヒトラーの考え方はドイツが敵の攻撃を受けるのうを待つわけに行かないというものだった。事実、ナチドイツとソ連が交戦を避ける事態は想像しずらいが、ロシア侵攻が発生しなかった場合を考えてみたい。 一つの可能性は1941年に英本土を侵攻することで、欧州戦は早期終結し、第三帝国の軍事力は東部戦線に集中投入されていただろう。英本土侵攻が1940年にイングランド南部での強襲上陸作戦で提案されていたが単に先送りになっていたはずだ。問題はドイツ海軍が英海軍と圧倒的に数的に劣勢のままであったことだ。一年の猶予の間に英国は英空軍を補強し、フランス陥落で混乱した陸軍師団も再編しただろう。英国はレンドアンドリース方式で米国から装備を受け取っていただろう。米国は1941年9月までに船団護衛を北大西洋で行っていた。その数カ月後に米国は正式に参戦している。日本が太平洋で勢力圏を拡大していたが、米国は英国の占領を回避すべく兵力を集中していたはずだ。 もっと可能性が高いのはヒトラーが東部ではなく南方へ軍を進めた可能性だ。西ヨーロッパの大部分が1940年夏には支配下に入り、東欧がドイツと同盟を結ぶか、無力化となる中で、ヒトラーは1941年中頃までに決断していたはずだ。本能の命じるままあるいはイデオロギーに従ってソ連に向かうか、ドイツ支配圏に真空

★中国の国産新型爆撃機開発が成功する可能性は

エンジンの裏付けがないままの新型機開発、ここにも中国の技術体系のいびつさ、ものづくりへの熱意の不足が見えてきますね。 China Is Building a New Long-Range Bomber Dave Majumdar September 3, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/china-building-new-long-range-bomber-17586 中国人民解放軍空軍(PLAAF)が新型長距離戦略爆撃機を開発中だが、詳細はほとんど不明だ。現行主力爆撃機は巡航ミサイルを搭載する西安H-6Kで1950年代のソ連Tu-16バジャーを大幅改造している。だが、同機には敵防空網侵入も米本土攻撃の航続距離もない。 「新世代長距離爆撃機を開発中で将来その姿をあらわす」とPLAAF参謀総長 Ma Xiaotian 馬騎天が9月1日にPLAAF航空大学(吉林省長春)で述べたと環球時報が伝えた。ただし馬上将は新型爆撃機の詳細に触れていない。 中国による新型爆撃機の開発自体は驚くべき話ではない。太平洋の広大さを考えれば大ペイロードを搭載し長距離飛行する能力は有益だ。中国本土を離れれば航空兵力投射用に使えるのは人工島上の脆弱な施設しかない。大型長距離爆撃機があれば米軍を長距離攻撃可能となる。 新型爆撃機編隊が巡航ミサイルを搭載すれば、米空母打撃群を洋上攻撃する能力がH-6Kより向上する。これは冷戦時にソ連がツボレフTu-22M3バックファイヤーで狙っていた攻撃に類似する。また米軍活動に不可欠なハワイのような拠点を遠距離攻撃できる。 また、十分な航続距離、ペイロード運用能力、対地攻撃巡航ミサイルの組み合わせで米大陸部も次世代中国爆撃機の攻撃範囲に入る。その反面、開戦となれば米国には中国本土攻撃をためらう理由はない。 中国の新型長距離爆撃機がボーイングB-52やTu-95のような巡航ミサイル母機、あるいは超音速機としてツボレフTu-160ブラックジャックに似た機体になるのか、それともステルス機ノースロップ・グラマンB-2スピリット同様になるのか不明だ。ステルス機の成都J-20、瀋陽J-31の開発で実力を示していることから、低視認性機体になる可能性は充

★★★F-35が演習で110機を「撃墜」

F-35を含めた統合運用の演習ですか。電子戦機材は海軍に頼る必要があるので、日頃から共同訓練をしているのでしょうね。演習とはいえ14機のF-35Aで110機を撃墜できれば文句はでないでしょう。広報担当も張り切ってたくさん写真をとって記事も全部一人でまとめています。羨ましい仕事ですね。 F-35A completes largest deployment to date By Senior Airman Stormy Archer , 33rd Fighter Wing Public Affairs / Published September 01, 2016 http://www.aetc.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/5115/Article/933621/f-35a-completes-largest-deployment-to-date.aspx F-16ファイティングファルコン、E-3セントリー、F-35AライトニングII、F/A-18スーパーホーネット、EA-18グラウラーの各機がノーザンライトニング演習で集まり、フォークフィールド(ウィスコンシン)で地上展示されている。2016年8月29日撮影。ノーザンライトニング演習では合計5機種を統合運用し、航空優勢が確保されていない空域を想定し各種ミッションを実施した。 (U.S. Air Force photo by Senior Airman Stormy Archer) 米空軍のF-35AライトニングII、F-16Cファイティングファルコン、米海軍F/A-18Fスーパーホーネットがノーザンライトニング演習で編隊飛行中。演習では第四世代機材を航空優勢が確立できていない環境でどう活用するかが主眼だった。(U.S. Air Force photo/Staff Sgt. DeAndre Curtiss) ノーザンライトニング演習で第33航空団所属のF-35AライトニングIIが第126空中給油隊所属のKC-135ストラトタンカーに接近している。Aug. 31, 2016. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. DeAndre Curtiss) An F-35A and an FA-18 Super

★米空軍QF-4が最後のフライトから無事帰還 撃墜に忍びなかったのか ミサイルはF-35が発射

米軍では第二次大戦から無人機に改装した戦闘機を使っており、標的機として各種老朽機材を投入しています。F-4もアメリカの空から消える日が来たのですね。日本ではまだまだ現役ですが。国土の違いなのか、財務省の国有財産処分方針の違いなのか日本では無人標的機というものは知りませんが、ここらに無人機への認識の違いがあるのかもしれません。 ちなみにドローンという言葉をマスメディアで根付かせたのはヒラリーでその理由はmanという単語が一部に入っているからです。嫌な女です。 USAF QF-4 Phantom is shot at by an F-35 with two AIM-120s during last unmanned mission (and survives) Aug 31 2016 - By David Cenciotti https://theaviationist.com/2016/08/31/usaf-qf-4-phantom-is-shot-at-by-an-f-35-with-two-aim-120s-during-last-unmanned-mission-and-survives/feed/ 最終フライトで無人ファントムはF-35の標的となりAIM-120ミサイル二発が発射されたが、無事帰還してきた。 米空軍からQF-4無人機の最終飛行状況の映像画像が公開された。興味深いことに無人標的機の最後のご奉公は8月17日のF-35ミッション支援だった。 第八十二空中標的飛行隊のロナルド・キング中佐によれば同機へF-35ライトニングIIがAIM-120AMRAAM二発を発射したしたという。兵器テストの詳細な条件やシナリオはわからないが、不調でミサイル発射が失敗したのか、中止になったのか、あるいは命中しなかったのか(命中精度100%のミサイルは存在しない)不明だが、無人ファントムはホローマン空軍基地に無傷で帰還している。 QF-4が撃墜されなかったことからテストがAIM-120ミサイルの命中精度を確かめる内容ではなく、F-35の標的追尾能力とAMRAAM誘導を試したのではないか。ミサイルの命中範囲まで入れば自動誘導で無人機に向かったはずで、わざわざ高価な無人標的機を破壊する必要はない。AIM-120は命中直前に