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日本はどこまでASEANからの防衛装備提供要請に答えられるか

なかなか思ったように新規防衛装備品の海外販売が進展しない中で、こうした地道が努力がいつか結果を生むかもしれませんし、気前の良い日本のお財布だけが尊重されることになるかもしれません。国有財産処分の実施解釈が変わったことでTC-90も当初の「リース」が供与に変わりましたが、関係者が相当苦労されたのでしょうね。当方も似たような仕事をして戒能で想像に難くありません。 Japan mulls over requests for defence equipment from Southeast Asia 日本が東南アジア向け防衛装備提供の要請を熟考中 Ridzwan Rahmat, Tokyo - IHS Jane's Defence Weekly 09 March 2018 http://www.janes.com/article/78472/japan-mulls-over-requests-for-defence-equipment-from-southeast-asia    マレーシア向けにP-3Cを供与するとの報道は日本政府が認めていない。 Source: JMSDF ポイント 日本は東南アジア複数政府からの防衛装備供与の要請を検討中 ただし海外政府向け援助より日本での運用を優先したいと自衛隊幹部がJane'sに語った 海 上自衛隊 (JMSDF) は東南アジア複数政府よりの要請で余剰装備供与を検討中。 防衛装備品と別にASEAN東南アジア諸国連合加盟国から技術知識の提供でも要請を受けており、今後の二国間防衛協力拡大の話もある。 JMSDF教育隊が運用していたキングエアTC-90を5機フィリピン政府に供与し、日本は東南アジア各国の海洋哨戒能力整備に協力している。 TC-902機がフィリピン海軍に引き渡し済みで残る3機も2018年中に移管される。JMSDFは同機運用の訓練もフィリピン海軍要員向けに提供中。 東南アジア各国との防衛関係強化をめざし、日本政府は海洋哨戒能力整備に力を入れており、その筆頭がフィリピンだ。 TC-90以外に日本政府はフィリピン沿岸警備隊 (PCG)用に多用途対応艇10隻をジャパンマリタイムユナイテッド造船で建造させている。PCGは7隻受領しており残りも2

米海軍で相次ぐUFO目撃事例、だが解明を阻む要素とはなにか

空を飛ぶパイロットの間ではUFO遭遇は結構多いといわれますが、白眼視されることを恐れわざわざ報告することは少ないようです。今回も米海軍の事例が突出してますが米空軍はどうなのでしょう。もっと飛行頻度が高いのは民間定期便なのですがこちらはどうでしょうか。「常識」では理解できない現象を目の前にして試されますね。皆さんはどう思いますか。 The Navy keeps encountering mysterious UFOs — and no one can figure out what they are  米海軍で相次ぐUFO遭遇、だが誰も解明できないのはなぜか Ben Brimelow http://www.businessinsider.com/us-navy-ufo-sightings-what-are-they-2018-3 Stars Academy of Arts & Scienceが公開した映像のスクリーンショットでは米海軍ジェット戦闘機が追尾したUFOがはっきりと見える。To The Stars Academy of Arts & Science/YouTube 米海軍他でUFO遭遇報告が数十年続いている 軍はUFO事例の解明に真剣に対応していない UFOを地球外のものと信じると芳しくない評判がつくためだ 「こ の世のものと思えなかった」と米海軍退役パイロットのデイヴィッド・フレイヴァー中佐が ABC News の2017年12月取材で述べた。 「自分は頭がおかしいわけでもないし、酔っ払ってもいなかった。あれは、飛行歴18年で見たどれとも違っていた」 フレイヴァーが話していたのは2004年11月14日にカリフォーニア沖訓練飛行中に遭遇した未確認飛行物体のことで通常は不可能な飛行をしていたという。「左右前後さらにでたらめに」とフレイヴァーは述べ、突如加速して姿を消したという。 「今まで見たことのない物体で、見たことがない加速で、確か翼は付いていなかった」という。 その際の映像を他の類似例とともに昨年12月にニューヨークタイムズが記事にした。二つ目の映像では米海軍パイロットが多数のUFOのうち一機を追跡しているがどこにも推進手段が見当たらない。 Department o

★21世紀に必要なのは戦艦だ...といっても大鑑巨砲主義ではなく中国の攻撃を跳ね返す新発想の戦闘艦です

記事でいう戦艦とはノスタルジックな大型戦艦ではなく、中国の猛攻撃に耐えられる十分な装甲を持つ水上艦で、著者の主張は最前線に投入すべきる全損製高い艦として、巨艦である必要はないでしょう。ズムワルト級の理論的延長かも知れません。それだけ中国の軍事力を評価していることであり、主敵を中国に想定していることがよくわかります。ところでBattleship を戦艦と訳すのであればBattle plane (小型戦闘機では不可能な攻撃能力、フルステルス性能を盛り込んだ大型機構想)は戦機?悩むところです。   The Case for a 21st-Century Battleship 21世紀型戦艦を想定する Salvatore Babones March 8, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-case-21st-century-battleship-24804?page=show 第二次大戦 中の日本の超大型戦艦大和と武蔵はともに海軍史上最大の18.1インチ主砲9門を搭載したもののアメリカ海軍戦艦を一隻も沈めていない。海戦の勝敗は航空戦力が決定し、大和・武蔵は旗艦でありながら輸送任務にも投入された。これだけ重武装をしながら両艦は過去の歴史をひきづったいわば鋼鉄の恐竜になってしまったのだ。 だが鋼鉄の恐竜をどうやって沈めたのか。容易ではなかった。大和には魚雷11本爆弾6発を命中させた。武蔵は魚雷19本爆弾17発が必要だった。しかも沈没時点で両艦は先に受けた損害を応急措置していた。戦略的には無用の存在だったが、大和・武蔵は不沈艦に近かった。 海軍艦艇建造には長期の事前準備が必要なため計画部門は直近戦役のイメージから自由になれないリスクがある。第二次大戦後の米海軍は空母中心の体制になった。だが世界規模の戦役は発生せず別の形のミッションが多数発生中だ。中国の台頭に対抗して頻度が増えているのがFONOPsすなわち航行の自由作戦だがここで戦闘は全く必要ない。 ここ数年にわたり中国の法的根拠のない南シナ海領有の主張の声は大きくなるばかりである。対抗して米国は定期的にFONOPsを実施し駆逐艦を中国が作った人工島から12カイリ以内を航行させ、北京の主権主張に挑戦している

あなたの知らない戦史シリーズ②米軍機撃墜で米朝あわや開戦寸前へ(1969年)

あなたの知らない戦史シリーズが意外に公表なのでさっそく第二弾です。厳密には相互に撃ち合っていないのですが、北朝鮮の横暴な攻撃に力で対決したという事例ですね。この事案はリアルタイムで見ていた方もいるのでは。この当時の北朝鮮にはミサイルも核兵器もなかったのですが、今日同じ状況になればどんな対応が可能でしょうか。在韓米軍にも核兵器は今ありませんね。National Interest記事の紹介です。しかしスーパーコンステレーションは格好いいですね。   In 1969, North Korea Almost Started a War with America 1969年、北朝鮮は米国と戦闘一歩手前まで踏み込んだ   Kyle Mizokami March 11, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/1969-north-korea-almost-started-war-america-24852?page=show 1969年 4月15日は米国にとって戦後アジアで最も危険な日になった。米軍偵察機が北朝鮮沖合で撃墜され搭乗員31名全員が死亡したた。議会から毅然たる行動を求められたリチャード・M・ニクソン大統領は報復しない決定を下し、第二次朝鮮戦争を回避した。実際には行使しなかったが、ニクソンには軍事オプションが各種あり、選択の幅は広かった。 4月15日午前のこと、E-3セントリーAWACSの前身というべき米海軍WV-2(EC-121M「ウォーニングスター」の海軍版)が厚木基地を離陸し北朝鮮沿岸を目指した。同機のコールサインは「ディープシー129」で日本海上空を楕円状に飛び北朝鮮の通信情報を後日の分析用に収集した。北朝鮮軍は韓国や米軍に越境攻撃をしばしば仕掛けており、米軍は北朝鮮が奇襲攻撃を仕掛ける兆候を先に把握しておく必要があった。 任務について5時間半後に在韓米軍レーダーが北朝鮮人民空軍MiG-17「フレスコ」戦闘機二機が基地を離陸するのをとらえ、レーダーはディープシー129を迎撃する進路にとると判明した。同機には31名の海軍・海兵隊要員が搭乗し、間もなくレーダーから消失した。ソ連と米艦船が向かい捜索救難活動を展開し遺体二名分と機体の破片を発見した。 米議会の

2040年目標で新ISR機開発を始めた米空軍(2040年目標でいいのでしょうか)はJSTARSの更新も狙う

将来の戦闘統制監視機はどうあるべきか。これまではA2ADなど無防備な支援機材はことごとく無力なので戦闘最前線には投入できないと見られてきましたが、米空軍は考え方を少し変えてきたようです。ただしそれでも中国ロシアが米国と同様の実力を有する国相手では不安が残るので無人機との組み合わせが安全なようですが。技術の進歩のペースが速く、JSTARSやAWACSと言えば大型機なのですが次期機材は小型化も可能になりそうです。任務ごとに機種を整備するのではなく、共用化コンポーネント化も進むでしょうね。派手な戦闘機だけではなくこうしたISR機材にも注目したいものです。 Air Force Launches New ISR Program for 2040 2040年目標で新型ISR機能開発を打ち出した米空軍 by Warrior Maven https://www.themaven.net/warriormaven/air/air-force-launches-new-isr-program-for-2040-9hgy-RCBskSYnHw-Zf58uw By Kris Osborn - Managing Editor - Warrior Maven 米 空軍が新規ISR機整備計画の検討に入った。 地上、空中、宇宙を次世代の監視偵察および指揮統制技術で単一シームレスネットワーク化の実現をめざしている。 この技術は高度戦闘統制監視技術 Advanced Battle Management and Surveillance ( ABMS)と呼ばれ2040年代の実現を目指す。その概要が空軍の2019年度予算書で紹介されている。 「予算案は戦場指揮統制のマルチドメイン環境下での実施方法を一変させる提案だ」と空軍関係者が Warrior Maven に語っている。 提案では各種技術革新を短期長期で取り入れる構想で空軍内部で相当議論されているJSTARS共用監視目標攻撃レーダーシステム機の後継機の実現に向かう。大型かつ「ステルス性劣る」有人JSTARSが今後の高度脅威空域でも有効性を維持できるのかがポイントとなる。 ABMSが目指すのは最新ISR技術で既存並びに今後登場する装備に大きな能力向上を実現することで、衛星、無人機、地上センサー、有人

期待にこたえられなかった装備①米空軍初のジェット戦闘機P-80

  新シリーズ 「 期待にこたえられなかった装備」  世の中には想像図の域を超えられなかった装備は山ほどありますが、鳴り物入りで投入したのに想定した性能を超えられなかった装備は何が問題だったのか。どんな運用をされたのかをお伝えします。第一回はロッキードF-80シューティングスターです。   America's First Fighter Jet (Built to Fight Hitler) Was Sent to North Korea. It Ended Badly. 米国初のジェット戦闘機(対ヒトラー戦用)が北朝鮮上空に投入されたが散々な結果だった Sebastien Roblin March 8, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/americas-first-fighter-jet-built-fight-hitler-was-sent-north-24802?page=show 1950年 11月8日、4機の直線翼機が中国国境近くの北朝鮮新義州の航空基地に降下を開始した。F-80シューティングスターが基地を機首の.50口径機関銃6門で襲撃するとたちまち黒煙が空に舞い上がった。 シューティングスター各機は数か月前に現地に到着し北朝鮮による全面侵攻に対応する手段とされていた。緒戦こそ大変だったが国連軍の反攻で情勢は逆転した。第51戦闘航空団のF-80は米軍占領下の平壌から発進し北朝鮮軍の生き残りを攻撃し、中国国境に迫っていた。 三回目の通過飛行をした後エヴァンス・スティーブンス少佐はウィングマンのラッセル・ブラウン中尉と高度20千フィートに上昇し残り二機の援護を務めた。突如としてブラウンが高高度に銀色に光る10機ほどのジェット戦闘機が中国国境からこちらに向かい飛ぶのを視認。無線で僚機に攻撃中止を伝えた。MiG編隊がこっちにやってくる! 直後に史上初のジェット戦闘機同士の空中戦が生まれた。だが米軍機は相手より低速機だった。 ナチ新鋭ジェット機の対抗策として急きょ開発  米国はじめてのジェット機ベルP-59エアラコメットは1942年10月初飛行で60機生産されたが実戦配備されなかったのは初期ターボジェットが信頼性乏しく最高速