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米中の軍事緊張が高まる中で米海軍が台湾海峡通過航行を敢行した

日本ではあくまでも米中両国は「貿易戦争」をしているのであって、経済問題で対立しているとの報道にとどまっていますが、米国(おそらく中国でも)では軍事対立への道、すなわち新冷戦として現状を捉えているのですね。またもや日本は空気が読めない対応に終止してしまうのでしょうか。 US Navy warships just rocked the Taiwan Strait in rare move, turning up the pressure on China米海軍艦艇が台湾海峡で波を立て中国に圧力をかけた Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/two-us-navy-warships-sail-through-taiwan-strait-2018-10 US Navy guided-missile destroyers and guided-missile cruisers U.S. Navy photo by Lt.j.g. Caleb Swigart 米海軍が10月22日中国の玄関口で威力を誇示すべく艦艇二隻に台湾海峡を通過させた 海峡を通過した駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、巡洋艦USSアンティータムに中国艦船が追尾した あたかも両国で緊張が高まる中での事件のため、国際法の枠内とはいえ中国が怒りをおぼえることになりそうだ 米 海軍艦艇二隻が台湾海峡を通過したと台湾国防省が月曜日発表した。 アーレイ・バーク級駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、タイコンデロガ級巡洋艦USSアンティータムの二隻が台湾海峡を同日に航行したと米太平洋艦隊もBusiness Insiderに認めた。米海軍では7月にもUSSマスティン、USSベンフォールドの駆逐艦二隻を航行させていた。 今回は「国際法に準拠した通常の台湾海峡航行」と太平洋艦隊広報官レイチェル・マクマー少尉がBusiness Insiderに語り、ミッションの目的は「自由かつ開かれたインド太平洋」の維持が米国の国是と示す点にあるとし、「米海軍は国際法の許す範囲で今後もいかなる地点で飛行・航行・作戦を展開する」と述べた。 今回の背景に米中両国の軍が緊張を高めていることがあり、貿易から領土主張に至るまで両国の対立が強まってい

米海軍の次期攻撃型潜水艦はハンターキラー重視に復帰する

Navy’s New SSN(X) Attack Sub To Be Faster, More Lethal – And More Expenskaive 米海軍の時期攻撃型潜水艦SSN(X)は速力、威力が増し、価格も上昇 By: Ben Werner October 19, 2018 3:09 PM https://news.usni.org/2018/10/19/analysis-of-navy-shipbuilding-plan-hints-at-return-to-blue-sea-great-power-competition シーウルフ級高速攻撃型潜水艦USSコネチカット (SSN 22) が氷を破って浮上している。2018年極地演習(ICEX) にて。. US Navy photo. 米 海軍が目指す次期高速攻撃型潜水艦は大洋での超大国間競争に復帰し、敵潜水艦の掃討を重視する。これは海軍の30年建艦計画から議会予算局(CBO)が読み取った内容だ。 海軍は新型潜水艦調達を2034年に始める予定だ。これまでのSSN(X)構想は現行のヴァージニア級の後継艦の位置づけだった。ヴァージニア級の最終形はヴァージニアペイロードモジュールVPMで垂直発射管でトマホーク等のミサイル発射本数をこれまでの12本から40本に増やしている他、音響含む技術上の進歩を取り入れているとCBOはまとめている。 ただし新しいSSN(X)構想はブロック7のヴァージニア級に代わり、魚雷搭載本数を増やし、VPMは搭載されない。VPMを初搭載したブロック5のヴァージニア級との比較では魚雷・トマホークが25本増えるとCBOは分析。 「具体的には海軍は次世代攻撃型潜水艦は水中速度を上げ、ステルス性を高め、同時にヴァージニア級を上回る魚雷本数を搭載すべきと考えている。全体としてシーウルフ級に近くなる」(CBO報告書) 冷戦後の世界でSSNは潜水艦ハンターの役割を引き続き期待されてきたが、情報収集偵察監視(ISR)ミッションの必要が高まり特殊部隊を発進回収する能力が重視されてきたとの報告もある。 「冷戦後の世界から大国同士の対決が起こりやすい戦略環境へ状況がシフトする中で対潜戦(ASW)をロシア、中国の潜水艦を相手に展開することが

ハリケーン襲来でF-22の10%が運用不能になった。21世紀の気候変動と軍事作戦体制の関係を考えよう

The Two Things Air Force F-22 Raptors Can't Defeat 米空軍F-22ラプターが勝てないふたつのこと The weather and the fact that Washington does not have enough of them. 天候条件と配備機数が不足していることだ by Sebastien Roblin October 20, 2018   Topic: Security   Blog Brand: The Buzz   Tags: Military Technology Weapons War Jets F-22 https://nationalinterest.org/blog/buzz/two-things-air-force-f-22-raptors-cant-defeat-33947?page=0%2C1 F -22ラプターは史上最強の戦闘機かもしれない。レーダー断面積はガラス玉程度で、緊急時にマッハ2.5で窮地を脱出できる。その速度では大気との摩擦でレーダー波吸収材が溶解する。だが今月に入り空軍はラプターの問題を見つけた。 フロリダ半島沿岸に位置するティンダル空軍基地はラプターパイロット養成の中心で29,000エーカーに広がる広大な施設に10月初めにF-22ラプター55機が325戦闘機航空団所属として配備されていた。これはラプターの三分の一の規模だ。空中戦闘の標的としてQF-16無人機、T-38超音速練習機があり、 三菱重工 Mu-2双発多用途機をAWACS乗員の訓練用にも使う。 10月9日にハリケーン・マイケルがカテゴリー4に成長し、風速は海抜14フィート地点で毎時130マイルから150マイルになった。ティンダル基地は海抜12フィートしかない。空軍は機体退避の余裕が数日間しかなかった。 ラプターの33機はオハイオ州のライトパターソン空軍基地に移動できた。基地人員及び家族の40千名はハリケーン直撃の前に避難して基地には若干の基幹要員が残った。 だが22機がハンガー内に残った。基地整備陣が直撃前に若干の機体を飛行可能に戻したが、うち一機が離陸中に作動不良となった他、部品不足のため他の機体から部品をとって飛行可能となった機体もあった。

中国の水陸両用機AG600が初の離着水テストに成功

China-made large amphibious aircraft completes first water takeoff 中国開発の大型水陸両用機が初の水面離陸に成功 Source Xinhuanet Editor Li Jiayao Time 2018-10-20 http://english.chinamil.com.cn/view/2018-10/20/content_9318545.htm AG600,が湖北省荊門市の貯水池で滑走中。AG600は荊門市で初の水面テイクオフに10月20日に成功した。 (Xinhua/Cheng Min) 中 国の国産開発大型水陸両用機AG600が10月20日午前、中国内陸部の湖北省荊門市Jingmenで初の離着水に成功した。 恐竜のニックネームが付くAG600は世界最大の水陸両用機だ。初飛行は2017年12月だった。 同日午前8時51分、機体は荊門の貯水池を離水し、14分後になめらかに着水した。 AG600は大型特殊用途民生機で森林消火や海上救難の用途を想定しており、中国の「大型機ファミリー」として大型輸送機Y-20、大型旅客機C919に次ぐ三番目の機体となる。 中国航空工業が開発し、国産開発ターボプロップエンジン4基を搭載した同機の機体サイズはボーイング737にほぼ等しい。最大離陸重量は53.5トンだ。 同機は陸上、水上の双方で運用可能で、機体下部はV字形となっており、耐波性を向上している。 森林火災に投入した場合は水12トンを一度に運び火災箇所に繰り返し向かうことができる。 海上救難任務では波高2メートルまでの離着水に耐える。海上捜索救難任務では50名を運ぶ。中国の海洋監視安全パトロール任務の支援も可能だ。■ なんでも大きいのが好きなのは米国と似ていますね。森林火災用などとは誰も信じておらず、南シナ海の人工島支援に投入されるのは時間の問題でしょう。2メートルの波までなら対応可能とありますが、US-2は公称3メートルまで対応できるので、性能が必ずしも優れいているわけではないようです。ただ南シナ海やインド洋での荒天状況が太平洋より少ないことは想像に難くないのでむしろペイロードと航続距離が気になります。しかしそんなに大きな貯

難航するKC-46事業で納入を急ぎたいボーイングに立ちふさがる技術問題はこれだ

KC-46は老朽化進むKC-135後継機として一日も早く稼働させたい機体なのですがいろいろな問題に直面して納期が遅れに遅れています。軍用機で好調なボーイングの脚を引っ張りかねない存在ですが、調達は固定価格制度ですので空軍は納期を除けば負担がない格好です。ただし、追加技術解決で発生した費用は日本が負担することになるのでしょうか。現在のところKC-46発注している外国は日本だけですよね。   The Air Force's struggling tanker program just hit another major setback 米空軍の難航する給油機更新事業があらたな難関に直面 Valerie Insinna, Defense News https://www.businessinsider.com/air-force-kc-46-tanker-program-delivery-date-pushed-back-again-2018-10 ボーイングKC-46給油機がレシーバー互換性をC-17グローブマスターIIIと確認中。シアトルのルイス-マッコード共用基地上空。 Christopher Okula/ U.S. Air Force/Handout via REUTERS/File Photo K C-46一号機の初納入は今月中は無理になったと米空軍とメーカーのボーイングで共通認識していると空軍文民トップが認めた。 10月17日のブルームバーグとのインタビューで空軍長官ヘザー・ウィルソンが初納入という大きな出来事が再度延期になることを認めた。 空軍関係者とボーイング幹部が同日に未解決問題の解決方法を検討していた。問題が残るため空軍は同機の受領に踏み切れていない。 Defense Newsが新たに第一種不良事象二点がKC-46の問題一覧に加わり合計5点になったと伝えていた。第一種不良とは最も深刻な技術問題で解決方法がないものを指す。 シアトルのボーイング・フィールドを離陸するKC-46Aペガサス, June 4, 2018. US Air Force 航空機動軍団司令官のメアリーアン・ミラー大将が9月18日に空軍は10月27日の初納入を期待刷ると述べていた。ただし、10月もほとんどすぎようとして

歴史に残る機体18 コンベアB-36ピースメイカー

歴史に残る機体18はコンベアB-36です。恐竜のような存在ですが、この時代によくここまでの機体を作ったなという感じですね。大きいことが良いこと、との考えの典型ですが、時代の先陣を切ったとのか、それとも早すぎたのか、失敗作かと評価が分かれそうです。   Meet the B-36 Peacemaker: The massive bomber that could fly from the US to Russia but never dropped a bomb in anger これがB-36ピースメイカーだ。米本土からロシアへ飛行可能な巨大爆撃機は実戦で一発も投下していない Logan Nye, We Are The Mighty https://www.businessinsider.com/b-36-peacemaker-massive-air-force-bomber-2018-10 B-36 一機の運行にはこれだけの人員装備が必要だった. US Air Force 第 二次大戦中の設計で終戦直後に完成し13年間共用されつつ実戦に一回も投入されない機体があった。 見方次第だが抑止力の成功例という一方で、果たしてそのとおりなのかとの疑問も残る。 コンベア B-36ピースメイカーは巨大な機体で爆弾燃料を搭載しない状態で278千ポンド(126トン)、爆弾86千ポンド(4トン)と燃料満載で410千ポンド(186トン)になった。通常爆弾、核爆弾双方が使えた。 設計作業は1941年に始まり、当時の米国指導層は国内基地を発進しベルリンを爆撃後に本国へ戻れる機体を求めたのだ。 だがB-36試作機の完成は日本降伏の6日後で第二次大戦は終結していた。初飛行は1946年8月8日と終戦からほぼ一年後になった。 B-36ピースメイカー. US Air Force 最終設計で翼幅は230フィート(70メートル)でプロペラエンジン6発式になった。プロペラは主翼後方に装着され機体を推進した。当時としては史上最大の機体になった。 384機が生産され、戦略爆撃抑止力の新時代を開き、敵に全面破壊の睨みを利かし、こちらに戦争を仕掛けることを断念させた。B-36は平時の空に飛ぶ機体となった。 同機は一発も実弾を投下していな