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イスラエルがF-15EX(イーグルII)導入へ。米国に正式要請を発出。

  F-15EXがイスラエル空軍で使用された場合のイメージ図。(写真:ボーイング) イ スラエル国防省は、イーグルIIを25機取得したいとする要請書(LoR)を米国政府に送ったと報じられている。  長年の遅延の後、イスラエルはついに最新型F-15EXイーグルIIを手に入れるかもしれない。業界関係者の話を引用したBreaking DefenseとThe Jerusalem Postによると、イスラエル国防省はアメリカ政府に公式要請書を送り、対外軍事売却(FMS)の承認に向けたプロセスを開始したとある。  イスラエル政府は、F-35とF-15の増強が最優先課題とされた2020年に、F-15EXに関心を示していた。しかし、政情不安と予算問題でF-15の契約は遅れ、F-35の増産契約だけ確定していた。LoRでは25機のF-15EXが記述されており、イスラエルではF-15IA(Israel Advanced)と呼ばれることになるが、最大50機がFMSで要求される可能性があるとされている。  イスラエルは新造機とともに、F-15Eストライクイーグルのイスラエル仕様機F-15Iラーム25機をF-15EXと同様のエイビオニクス構成に改修することも要求している。イスラエル空軍はF-15A/B/C/Dを50機保有しているが、アップグレードには含まれない。Breaking Defenseによると、F-15IAの最短納品は2028年、F-15Iのアップグレードのスケジュールは不明だ。  2020年以降、イスラエル空軍は、イランの核施設など強化目標の破壊のために、大量の兵装を運搬できるF-15で増強が急務だと表明していた。実際、F-35とF-15の必要性は、将来の戦闘シナリオと、目標が高度な防空システムに守られているイランを攻撃する潜在的な必要性に基づいたものだ。そのようなシナリオでは、防空システムを無力化するためF-35を何波も投入し、核施設攻撃にF-15を投入することになるだろう。  イランがロシアとの関係を強化し、イランがより新しく、より高度な装備を手に入れる可能性があるため、イスラエルは新型戦闘機の必要性を緊急に考慮するかもしれない。イランは近いうちに新型戦闘機Su-35SフランカーEをはじめ、未指定の防空システム、ミサイルシステム、ヘリコプターを受け取るかもしれない。地対空ミサイル

ボーイングのBWBコンセプトがステルス性を重視し進化。将来の対中戦を睨んだ輸送機、空中給油機になるのか。

  Boeing ボーイングの新型ステルス機コンセプトは、貨物輸送機やタンカーにも生存性向上を求める声の高まりの反映だ ボ ーイング は、ステルス性を備えた戦術的貨物機の新コンセプトを発表した。同社はこれまで社内プロジェクトとしてきたが、フランク・ケンドール空軍長官が、近い将来の中国とのハイエンド紛争では、生存性の高い輸送機と空中給油タンカーが重要だと述べた約2週間後に、今回の発表が出た。 ボーイングはワシントンD.C.郊外で開幕した2023年AIAAサイテック・フォーラムで新型BWBコンセプトの模型を展示した。 ボーイング社が今週、年次AIAAサイテック・フォーラム展示会で発表した新しいステルスBWB貨物機コンセプトの模型。 Joseph Trevithick The War Zoneがボーイングから入手した声明によると、同社はBWBの主な特徴を共有する良い時期だとし、「当社は、軍用輸送機設計の最先端を進むため、BWBコンセプトの研究活動を政府と続けています」とある。 ボーイングには、BWB設計に関連する長い歴史がある。2000年代後半から2010年代前半にかけNASAとの契約で、乗員なしのサブスケールX-48の開発と実際の飛行テストをした。 BWBは、全翼機のような機体形状で、B-2やB-21ステルス爆撃機の高ステルス性を連想させるが、BWBの利点は、空力的効率の向上と、燃費と全体的な航続距離の増大だ。また、内部容積が増えることもプラスに働く。 しかし、The War ZoneがAIAAサイテックイベント会場で話したボーイング担当者は、新しく発表された輸送機コンセプトは、同社のこれまでのBWB開発からの「実質的な逸脱」だと述べている。今回のコンセプトは、胴体の縁を一部削り、機首をくちばし形状にするなどのステルスデザインや、完全内蔵型ジェットエンジンが特徴で、尾翼形状も特徴的だ。 ボーイングの新型ステルス「BWB」コンセプトの小型モデルを正面から見た。 Boeing X-48を含む、ボーイングのこれまでのBWBデザインは、胴体と機首がより広く丸みを帯び、エンジンは後部胴体中央上部のポッドに搭載されているものが中心だった。しかし、同社は10年以上前にも、空軍主導の「スピード・アジャイル」プログラムの一環で、今回明らかになったコンセプトに近いものを製作していたが、

M1戦車をウクライナに簡単に送付できない事情が米陸軍にある

  US Army / Staff Sgt. Warren W. Wright Jr. / 21st TSC Public Affairs M1戦車をウクライナに送るとしても、米国内の在庫から引き抜くわけにはいかない事情がある 米 国政府は現在、ウクライナ軍にM1エイブラムス戦車数十台のを送る準備を進めており、その複雑な電子部品や特にガスタービン推進システムが、操作やメンテナンス困難にするという懸念に注目が集まっている。ウクライナ軍が受け取るエイブラムスの具体的な車種は明らかになっていないが、輸出仕様とする必要がある。米軍仕様車両には劣化ウラン含む極秘の装甲パッケージがあり、主要同盟国にも容易に輸出できないためだ。つまり、米国はウクライナにM1をそのまま送るわけにはいかないのだ。  ジョー・バイデン大統領は本日、ウクライナ軍にM1戦車31両を送る計画を正式発表した。米国政府は、ウクライナ安全保障支援構想(USAI)を通じエイブラムスを入手する。USAIは、ウクライナ軍の長期ニーズを支援するため、武器システムやその他の装備の購入、訓練やその他支援サービスの資金を提供するもの。正確な納入スケジュールはまだ不明だが、アメリカ政府関係者はプロセスが数カ月かかると明言している。最初の戦車が到着するのは今年末か来年初めになるかもしれない。  さらに、ウクライナ向けのM1が完全に新規生産された戦車なのか、それとも別の供給元から調達するのかは、すぐには明らかにならない。米陸軍には数千台の旧式エイブラムスが保管されており、請負業者に依頼して新品同様の状態に改修してもらう、あるいは新品と再生部品を混合した戦車の製造に利用することができる。 カリフォルニア州シエラ陸軍基地のM1エイブラムス戦車などの装甲車の列を示す衛星画像。 Google Earth いずれにせよ、ウクライナに向かう前に輸出可能な構成にする必要がある。作業の大部分は装甲パッケージの取り扱いが中心となるだろう。  1980年代後半からの米軍向けM1A1の新造車両には、高密度金属として知られる劣化ウラン(DU)など含む複合装甲パッケージが採用されている。その後のA2系でもDUを組み込んだ装甲パッケージが採用された。アメリカの旧式M1A1の多くは、後で新型装甲などに改良され、最終的に数百両がA2規格に引き上げられた。 M1A

台湾を巡る米中戦シミュレーションのCSIS報告書へのホームズ教授のコメント。木を見るのではなく森を見るべき。

  CSIS報告書については速報をお知らせ済みですが、ホームズ教授の見解が出てきたのでご紹介します。対艦ミサイルLRASM等の重要性に着目しつつ、「最初の戦い」という表題にもコメントが出ていますので御覧ください。 STRAIT OF MALACCA (June 18, 2021) The Navy’s only forward-deployed aircraft carrier USS Ronald Reagan (CVN 76) transits the South China Sea with the Arleigh Burke-class guided missile destroyer USS Halsey (DDG 97) and the Ticonderoga-class guided-missile cruiser USS Shiloh (CG 67). Reagan is part of Task Force 70/Carrier Strike Group 5, conducting underway operations in support of a free and open Indo-Pacific. (U.S. Navy Photo by Mass Communication Specialist 1st Class Rawad Madanat) 思い通りにならないと、北京は再挑戦してくるかもしれず、台湾島に巨大な重圧になる 用心せよ、中国。そして台湾、アジア、アメリカ。ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)のチームが「The First Battle of the Next War: Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan」と題した報告書を発表した。報告書には、多くの示唆が含まれている。制服組やその政治的主人、そして議会が熱心に読むことを願うばかりである。 報告書は、2026年の台湾海峡を舞台にした非機密扱いのウォーゲームの設計と結果を詳述している。ゲームは、政治的・戦略的決断、同盟政治、戦略・作戦、戦闘員が使用できる武器やセンサーなど、各種変数を変化させながら24回繰り返し行われ、横断的テーマを特定し、さまざまな状況に適用できる知見と提言をまとめ上げた。 CSISのゲームは、敗北を予言しがちな軍

いよいよM1エイブラムズのウクライナ供与か。米政府を巡る動きが急展開してきた。

戦車供与の話題はここに来て急展開しており、いよいよエイブラムズ戦車もウクライナヘ向かうことになりそうです。ロジスティクスなどの問題はありますが、大きな政治的な意味があるのでしょう。 US Army 米エイブラムス戦車がウクライナへ向かうとドイツなどのレオパード2も含む、大きな取引の一部となる 米 国政府がM1エイブラムス戦車数十台をウクライナ軍に送付する案が実現に近づいているとの報告が増えてきた。ポーランド当局がレオパルド2戦車をウクライナに再輸出する承認をドイツに正式要請したことを受けたものだ。ドイツの政府関係者は、アメリカがエイブラムスの譲渡を許可した場合のみ、このような取引にサインすると述べたという。 Politico記事によると、バイデン政権は、M1戦車30〜50両を含むウクライナへの新しい軍事支援パッケージを検討している。これは、ウォール・ストリート・ジャーナルなどが本日報じた、アメリカ政府関係者がM1エイブラムス譲渡の決定に向けて動き出しており、正式な発表が今週にも行われるかもしれない、という報道に続くものだ。 ウクライナ向けに検討中のM1エイブラムスの型式不明である。これまでの米国のウクライナ向け軍事援助からすると、旧型のM1A1またはM1A2の可能性が高い。いずれも120mm主砲を搭載しているが、装甲、センサー、通信システムなどの具体的な構成が異なる。米陸軍は旧世代のM1戦車数千台を保管している。米海兵隊は再編の一環で、エイブラムス戦車をすべて売却している。オーストラリア、エジプト、イラク、クウェート、モロッコ、サウジアラビアもM1型戦車を運用している。 アメリカ政府関係者は一貫して、エイブラムスは他の西側近代戦車と比べて複雑で燃料消費が激しく、ウクライナ軍に有用な能力を短期間で提供できないと懸念を表明してきた。後者は、M1のガスタービン推進システムを指している。また、エイブラムスには非常にデリケートな側面があり、同盟国協力国向けの輸出仕様には、省かれている機能がある。 ウォールストリート・ジャーナル記事によると、「(エイブラムスの)発表は、ベルリンが自国のレオパルド2戦車を少数送ることに同意し、ポーランドなどによるドイツ製戦車の納入を多く承認するというドイツとのより広い外交の一部となるであろう」という。 正確な状況はまだ不明だ。The War Zo