2017年12月31日日曜日

★米空軍プレデター用途廃止へ 

New in 2018: Air Force will officially retire MQ-1 Predator drone

2018年の動向:空軍がMQ-1プレデター無人機を用途廃止する

(Tech. Sgt. Sabrina Johnson/Air Force)

By: Charlsy Panzino
空軍が21年間飛ばしてきたMQ-1プレデター遠隔操縦機(RPAs)のMQ-9リーパーへの機種転換を開始し、プレデターは2018年夏までに用途廃止される。


これまでのRPAはもっぱら情報収集偵察任務に投入されてきたが現在の脅威対象はより正確な近接航空支援を必要としている。プレデターはもともと武装搭載を想定していなかたったが200ポンドのペイロード運用がその後始まった。リーパーは4,000ポンド近い搭載量がある。
リーパーは共用直接攻撃弾からヘルファイヤミサイルまで運用できる。
リーパー最新型ブロック5は2017年6月に戦闘任務に投入されている。16時間硫黄も飛行し不朽の決意作戦を支援したと空軍が発表している。
MQ-9リーパーも供用開始から10年以上になるが最新型では電気系統と通信機能が向上している。

プレデター引退で空軍は訓練、保守管理費用を節減できる。リーパーは専用のシステムになっているためだ。■

UFO目撃証言の多くは軍の極秘試作機だった(と片付けたい勢力がある)

これはどうなのでしょうか。地球の大気圏内に人類とは別の何かが航空機(?)を運航しているのではないでしょうか。UFOが宇宙から来たとは限りません。中世の住民が今日の高性能航空機を見たらやはり理解不能となるのでは。また、ロシアや中国での目撃例がすべて試作機とは思えませんし、日本でも次第に目撃例が増えてきているのはなぜでしょう。2018年に急展開があるとは思えませんが、ペンタゴンから年末にこのニュースが出てきてやや違和感があるのも事実です。皆さんはどう思いますか。

Sorry, Believers — Many UFOs Are Just Military Aircraft

UFO信者に申し訳ないが目撃事例の多くは軍用機だ
Sorry, Believers — Many UFOs Are Just Military Aircraft
 FEATUREDWIB AIR December 27, 2017 David Axe


2007年から2012年にかけペンタゴンが未確認飛行物体、そうUFOである、の目撃情報を精査していた。高度航空宇宙脅威識別事業Advanced Aerospace Threat Identification Programと銘打たれ外部委託で軍パイロットと謎の飛行物体の接近遭遇事例を分析した。
一部は軍パイロットも知らない極秘軍用試作機であった可能性が高い。そのほかは説明がつかず、人類文明に革命的変化をもたらす可能性がある。
「説明がつかないから即地球外の存在にはつながりませんが、可能性が皆無とも言えません」と語るニック・ポープ Nick Popeは英国防省でUFO調査を1990年代初頭に行っていた。「地球外からの訪問はあり得ないと言っても一件でも真実だと分かれば全体が一変します」
2004年の出来事が懐疑派を困惑させる。米海軍の戦闘機二機編隊がカリフォーニア南部沿岸を飛行中に旅客機大の葉巻型物体を追跡し、空中停止など通常の航空技術では不可能な操縦を目撃した。パイロットの一人は「正体はまったくわからない」とニューヨークタイムズに語っている。
高度航空宇宙脅威識別事業を率いたルイス・エリゾンド Luis Elizondoは「説明がつかない目撃例が残っており、戦闘機パイロットや民間乗務員のように高度に訓練された人でも識別できず奇妙な飛行は説明がつかない」と電子メールで伝えてきた。
「情報部門の人たちにはUFO目撃事例を極秘試作機や無人機で別の国が開発したり政府の別機関が開発したものと信じさせようとする傾向があるが、情報が区分けされており普通の人が近寄れません」(ポープ)
「目撃事例の一部は大気圏内の放電で科学も未解明の現象と説明がつく」ともポープが大気の帯電現象を使って述べている。
「米国南西部での1980年代のUFO目撃事例の多くは極秘高性能軍用機のロッキードF-117やノースロップ・グラマンのB-2のような機体だった」(エリゾンド)
UFOと間違われるような高性能軍用試作機の噂や目撃事例は数多い。米空軍はRQ-170ステルス・スパイ無人機を2000年初頭に秘密裡に開発し、2007年にアフガニスタンで実機が目撃されるとあわてて存在を認めた例もある。ただRQ-170で最近のUFO報告が説明できるか不明だ。
空軍は大型かつ高ステルス性のスパイ無人機RQ-180を新型B-21爆撃機と並行開発している。くさび状の謎の機体がカンザス州上空を飛行する様子が2014年に撮影されたが(上写真)、おそらくB-21の初期型技術実証機だったのだろう。
軍と国防産業は「極超音速」の機体と宇宙機の開発に取り組んでおり、マッハ5を超えた飛行が狙いだ。その一部は公表されている。その他にロッキード・マーティンが自社開発したSR-72極超音速スパイ機があるが完全に秘密のベールに隠されている。
アメリカの空を秘密試作機が多数飛ぶことから政府機関や外部調査が宇宙生命体の証拠と言い始めないようにカバーストーリーが必要で「このため政府部内ではAATIPに関係するものも含め考えられないことも考えるように常日頃から準備しており、どう見ても一部は地球外の産物だと言っている」(ポープ)

2004年の映像記録はまだ説明がつかない。だが覚えておいてほしいのは謎に満ちたUFO目撃が実は軍用試作機だった例が多いことだ。まごつくパイロットの目の前に現れたのはペンタゴンの秘密試作機である可能性の方が高い。■

米国の北朝鮮戦略は見直しが必要だ

この主張のとおりなら悪の存在と共存しなければならないのでしょうか。北朝鮮に核兵力維持を認めることが耐えられないというメンタリティでは生きていけなくなります。幸いトランプには米外交政策の特徴の宣教師的な価値観の一環性がないので状況に応じうまく対応していくかもしれません。ただし北朝鮮核兵器の流出は困るので同国は実質上封じ込められたままになると思いますが、いつ我慢できずに暴れだすかもしれません。その場合、都度攻撃を受けるのであれば、準戦争状態が長く続くことになりますね。国連による飛行禁止区域措置や海上通行禁止措置も可能でしょうが、必ず抜け道を見つけるでしょう。日本としては鬱陶しい状況ではありますが、ソ連の核兵器脅威を受け止めざるを得なかった米国の60年代のように冷戦のメンタリティが必要となりそうですね。


Explained: Why America’s North Korea Strategy Is Failing

米国の対北朝鮮戦略が失速している理由
December 26, 2017

国の北朝鮮戦略は失速しかけている。
トランプ政権のいう「最大限の圧力」となる強硬な経済措置と軍事姿勢をもってしても北朝鮮のミサイル、核戦力整備に減速の兆しがない。トランプが大統領就任した2017年1月以降に平壌はICBM二種類、中距離弾道ミサイルでは一種類、固体燃料式の潜水艦搭載用ミサイル一種類の発射テストに成功したのに加え最大規模の核装置の爆発にも成功した。トランプ政権は一貫して北朝鮮には圧力で対抗するとしながら圧力の結果で北の行動に変化があるかは検証していない。
米国の対北朝鮮戦略での問題点は非現実的な目的が設定されていることだ。ワシントンが求めるのは完全かつ実証可能で不可逆的な核戦力解体であり、平壌がその目的に近づいて初めて交渉に応じるとする。
現時点の米戦略では非現実的目標を追い求めつつ攻撃姿勢を隠さないことを政策の前提にしているのでワシントンは金正恩を屈服させ核保有がとてつもなく高負担で割が合わなくさセル必要がある。ただし金正恩が核兵器を自らの権力基盤存続に必要ととらえているため、核兵器保有コストがいかに高くても甘受するつもりなのは明白だ。戦争一歩手前のまま、北朝鮮にこれ以上の負担をさせ金正恩に核放棄を迫るのは実質的に不可能になっている。核兵器保有は金正恩の頭の中では生死がかかった問題になっているからだ。
トランプ政権の新制裁措置で新兵器開発は減速をせまられるし、現行兵器の製造も同様に減速するが、この方向性では非核化目標に近づかない。圧力を増やすことは金正恩に核放棄を求めるためだが逆に核兵器への執着を強める結果になる。さらに北朝鮮の核兵力はまだ小規模で早期警戒体制や指揮命令系統が貧弱なため、金正恩は武力衝突の初期段階で核兵器投入をためらわず攻撃的な姿勢を示しそうだ。第二次攻撃能力がない北朝鮮にとって米攻撃を食い止める最善策は核兵器投入をちらつかせることで米国による政権崩壊が現実にならないようにすることである。
ワシントンは非核化という達成不可能な目標は脇に置いて、かわりに北朝鮮を核先制攻撃に踏み込ませない抑止を中心とすべきだ。こちらの目標の方が実施上は容易だが戦略上はいくつかの理由で賢明だ。
まず、無理強いと違い、抑止効果の方は防衛的性格が強く現状体制の維持に中心をおくため無理やり変化を求めるより実施は楽だ。
二番目に、米国の大目的が北朝鮮の核兵器投入を食い止めることなら、米国は北朝鮮核戦力への予防的軍事行動を強調すべきではない。北朝鮮を無理やり武装解体させるとの脅しは危機の不安定度を助長しかねず、金正恩に「今使わなければ敗ける」と思わせる状況が生まれるため抑止効果で非生産的でとなる。
三番目に非核化目標を放棄すれば米国に柔軟に北朝鮮へ対応できる可能性が特に外交面で生まれる。つまるところ、米国に非核化しか受け入れられないなら平壌にはワシントンとの交渉ができない。

「最大限の圧力」で北朝鮮を非核化するねらいは成功しない。かわりに米国は北朝鮮に核兵器を使わせないことに注力すべきだ。制裁と軍事力は抑止効果をねらう戦略でも有効だが、平壌に非核化を無理強いする政策から離れたほうが賢明な選択だ。■

2017年12月30日土曜日

ロシアも北朝鮮へ石油密輸していた:抜け道をどう埋めて制裁措置の効果を実現できるか


これだけ抜け道があることがわかると国連制裁の実効性確保には海上臨検を行うしかないですね。また衛星画像で悪いことをしてもバレルことが世界に示され中国、ロシアはバツが悪いでしょうね。中国の言い分は香港船籍だからということでしょうか。都合の良い一国二制度ですね。





Russian tankers are reportedly smuggling fuel to North Korea with ship-to-ship transfers
ロシアのタンカーが北朝鮮に公海上で船舶間移送で石油製品を密輸していた


  • ロシアのタンカーが北朝鮮に少なくとも三回にわたり燃料を供給した
  • 北朝鮮への密輸が海上での荷物受け渡しになったのは北朝鮮船舶がロシア港へ直行し貨物を運ぶ形からの変化だ
  • ロシア外務省、ロシア税関当局はコメントを拒否




North Korea

米財務省発表の画像で船舶間の移送がわかる。US Treasury



  • Guy Faulconbridge, Jonathan Saul, Polina Nikolskaya, Reuters



LONDON/MOSCOW - ロシア船籍のタンカーが北朝鮮へ数か月で少なくとも三回にわたり海上で原油を供給したと西欧安全保障筋が明らかにした。
原油あるいは石油製品をロシアが販売するのは国連制裁措置の違反と同筋は指摘。ロシアは世界第二位の石油輸出国と同時に安全保障理事会の常任理事国である。
10月、11月に発生した海上移送はロシアから北朝鮮への密輸が海上での受け渡しに変化していることを示している。ロイターは9月に北朝鮮船舶がロシアに直行していると伝えていた。
別の取材源はロシアと北朝鮮の海上燃料取引を確認し、ロシアの国家関与は認められないとも述べた。
ともに海軍情報部発の情報と衛星画像でロシア極東部を出港した船舶を確認しているがこれ以上の詳細内容は極秘事項として明らかにしてくれなかった。
本件についてロシア外務省、ロシア税関当局に照会したがコメントを拒んでいる。該当船舶の船主の一社は事実を否定している。
この報道は中国が12月29日に米大統領ドナルド・トランプの批判に対して北朝鮮への石油製品の不法な供給を否定したのと並行して出てきた。
北朝鮮は国内経済運営で輸入燃料に依存せざるを得す、ICBMや核開発の推進でも石油は必要だ。
「問題の船舶数隻はロシア極東部から北朝鮮へ石油を密輸した」と最初の取材源が語っている。
ロイターは独自に対象船舶が北朝鮮に本当に燃料を移送したのか、ロシアが国家として関与したのか、何隻のロシア船舶が関係したのかを調べられなかった。また燃料密輸の規模も不明だ。
船舶衛星位置情報を調べると取材源が指摘した船名のロシア船舶で異常な動きがあるとReuters Eikonで判明した。トランスポンダーを切り位置探知を逃れている。
安全保障筋によればロシア船籍のタンカー、ヴィチャーズ Vityaz が北朝鮮船舶に洋上で燃料を移送している船舶のひとつだという。
ヴィチャーズはウラジオストック近くのスラヴヤンカ港を10月15日に石油1,600トンを搭載して出港したのがロシア港湾局の書類で確認できた。
同船の代理店からロシア国家港湾管理局への提出書類では目的地は日本海で操業中の漁船団とある。航行情報から同船がトランスポンダーを数日間切って航行したことがわかる。
欧州の安全保障筋によれば同船は北朝鮮船籍の油槽船Sam Ma2に公海上で積み荷移送を10月に行ったという。
Sam Ma2もトランスポンダーを出港時の8月から切ったままのためロイターはこの裏付けが取れなかった。
ロシア船主は北朝鮮船との接触を否定しているが同時に漁船への燃料補給も承知していないと語っている。同船はウラジオストックのAlisa Ltd.の所有で、同社役員のヤロスラブ・ギュックYaroslav Gukは同船と北朝鮮船の接触はないと述べている。
「絶対にない。そんなことをすればとても危険だ」と電話でロイターに伝えてきた。ただし次回取材を試みるとギュックは同船は北朝鮮船と接触した事実はないとだけ述べそれ以上の質問に答えなかった。代理店のEast Coast Ltd.もコメントを拒否している。
別のロシア船籍二隻も同様の航海を10月11月にスラヴヤンカ、ナホトカ両港から出発し途中でトランスポンダーを切っているのが確認できた。
ロイターは9月に少なくとも8隻の北朝鮮船がロシアから燃料を積み自国に向かったと報じており、申告上は別の目的地だったのは米関係者に言わせれば制裁逃れの常套手段だ。
極東でのロシア海運に詳しい筋は北朝鮮船舶はロシア極東港湾部での石油積み出しを中止しているが海上での船舶間移送により石油を輸送していると述べ、漁船も利用しているという。
中国は12月29日に北朝鮮への不法石油販売の報道を否定した。トランプが中国へ不快感をあらわにしていた。
米国から国連安全保障理事会に禁制品を北朝鮮へ運んだ船舶10隻のブラックリスト化提案があったことがロイタ―が確認している。
該当船舶は「不正な船舶間移送で精製済み石油製品を北朝鮮船舶へ渡した、あるいは不正に北朝鮮産石炭を別の国に輸送した」と米国が同提案内で述べている。■

★104対0 F-15の無敵実績に挑戦する東側主張に真実があるのか



104 to 0: The F-15 Eagle Is The Fighter No Air Force Can Beat

104対0 F-15イーグルにはどの国の空軍もかなわない (前編)
December 29, 2017

ボーイングおよび米空軍の公式発表ではF-15イーグルの空戦実績は104対0で一機も喪失していない。だが敵側勢力から同機を撃墜したとの主張が数例出ている。
だがその内容には撃墜の証拠がないことが共通している。
最初の事例は1978年でイラク第39戦闘機隊所属のMiG-23MSがイスラエルのF-15をイラク西部で撃墜したとするがいまだに何の物証が示されていない。
次のF-15撃墜とされる1981年春の事例はよく知られている。話は多少異なるがすべてロシア側報道機関が伝えている。
一番広く流れている内容では1981年2月13日にイスラエルF-15編隊がシリアのMiG-25P編隊を待ち伏せし一機を撃墜したが、シリアが今度は待ち伏せをかけ同年1月29日にMiG-25PがR-40/AA-6エイクリッド空対空ミサイルを25マイル先から発射しF-15一機を撃墜したことになっている。
ただこの話には難がある。シリアもロシアも共にレーダー記録や残骸の物証を示していない。またシリア空軍はMiG-25Pは受領していない。シリアが入手したのはMiG-25PDS迎撃型二機だけでMiG-25Pではない。
MiG-25PDSは輸出用劣化型フォックスバットと評されることが多いが、実は初期型より装備が充実していた。スメルチ2AレーダーがMiG-25Pに搭載されていたが、PDSでは赤外線探知追尾装備、レーダー警告受信機、チャフ・フレアディスペンサーも搭載していた。
そこで「シリアのMiG-25P」との表記そのものに記事の信ぴょう性を疑わせるものがある。
さらにイスラエルが1981年2月にフォックスバットを撃墜したがMiG-25R偵察型でレバノン上空を単機飛行中だった。この撃墜が重要なのはロシア側の説明と対照的にシリアがMiG-25PDSが単機飛行中にF-15を返り討ちにしたと発表していることだ。
シリア側の発表ではMiG-25PDSがMiG-25Rのふりをしてベイルート方向へ航空高速飛行をしていた。イスラエルF-15の8機編隊が迎撃に向かうとシリア機はR-40ミサイル二発を編隊長に向け発射した。それぞれ37マイル、31マイル離れた地点からとAIM-7Fスパローミサイルの射程外で、イスラエル装備でこれが当時最大射程の空対空ミサイルだった。
シリア軍によればミサイルが命中したF-15は海中に墜落。パイロットは射出したようだ。この同じ出来事をイスラエルはF-15がスパローミサイルでMiG-25を撃墜したとしている。
1982年6月9日午後の事例はよく知られれている。シリアのMiG-21がF-15DにR-60/AA-8ミサイル一発を命中させた。イスラエルパイロットは損傷を受けた機体を基地に緊急着陸した。機体はその後修復された。
当時流布された事例には再考の余地がある。1982年7月3日、シリアMiG-21の8機編隊がイスラエルF-15、ミラージュIIICJあるいはクフィール各4機とベイルート上空で対決した。シリア側は自軍4機喪失を認めつつ、イーグル一機の撃墜を主
張した。
イスラエル側に当日の空戦を伝えるものがないのだが、この交戦には地上で目撃者十数名がレバノン報道も広く伝えていた。
ロシア文献ではイスラエルF-15撃墜事例が少なくとも3例ありすべて1983年発生とある。シリアのMiG-23MLが10月4日に二機のF-15を、12月4日にも1機を撃墜したと主張している。ロシア側の説明にシリア側パイロットの名前はおろか、三事例をうらづける証拠は示されていない。
(後半に続く)

This first appeared in WarIsBoring here.

ロシア潜水艦作戦が冷戦時の水準に復帰、狙うのは.....

Russia's undersea naval activity is at record levels, and NATO is worried about a crucial lifeline to the world 

ロシア潜水艦活動が記録的レベルになり、NATOは世界経済に必要なライフラインの安全を懸念


  • Russia navy submarine

  • ロシア原子力潜水艦ドミトリ・ドンスコフがデンマークのGreat Belt Bridge の下を通りサンクトペテルブルグへ向かった。2017年7月21日。Scanpix Denmark/Sarah Christine Noergaard via ReutersChristopher Woody

  •  Dec. 24, 2017, 11:04 AM


  • 米国とNATOはロシア海軍が活発にヨーロッパ周辺で展開している
  • 潜水艦の動向から世界経済の要である海底ケーブルの脆弱性への懸念が高まる
  • NATO、米側も対応として対潜能力の増強と指揮系統の変更を実施中

海底ケーブルを狙うロシア潜水艦の動きに注意
シア海軍の北大西洋での水中活動が今までにない規模になりNATOは海底ケーブルへの攻撃を懸念する。北米、ヨーロッパその他世界各地がケーブルで結ばれている。
「ロシア海軍の水中活動は海底ケーブル付近でこれまで見たこともない規模になっている」と米海軍アンドリュー・レノン少将 Rear Adm. Andrew Lennon(NATO潜水艦部隊司令官)がワシントンポストに語っている。「ロシアは明らかにNATO加盟国の海底インフラを狙っている」
ロシア潜水艦が関心を示している民間企業所有の光ケーブル通信線網は世界各地の海底に敷設され、通信量の95%、毎日10兆ドルの商取引がここを通じて成立している。
情報の流れを遮断すればインターネットも使えなくなり、他方でケーブルを盗聴すれば膨大なデータフローが把握できる。ケーブルは脆弱であり、これまでも船舶の錨で損傷を受けたこともあるが、通常は修復が比較的容易な海域に敷設されている。
英国防司令官スチュアート・ピーチ大将 Air Chief Marshal Stuart Peach もロシアの海底ケーブルへの狙いを警句する。「生活の在り方への新しいリスクです。海底あちこちに敷設されたケーブルは脆弱です」と述べていた。
Russia SubmarineAP/FRANCK PREVEL
レノン、ピーチ両名の発言は重要海中インフラ付近でロシア潜水艦活動が高まりへの警告の一例に過ぎない。
ニューヨークタイムズによれば2015年末にロシア海軍の活動が通信ケーブル近くで活発となり米海軍関係者は軍事衝突の際はロシアが海底ケーブルをまず急襲すると恐れた。米側は北海、北東アジア、さらに米本土近くの海域でロシア潜水艦活動が活発になる様子を探知していた。
海底ケーブルの位置はほとんどが知られているが、米軍用のケーブルの位置は極秘だ。米関係者は2015年にロシア潜水艦はこのケーブルを探知しようとしていると述べていた。
ケーブルが切断された兆候はまだないがレノン少将はポスト紙にロシアが実際に海底ケーブル線に手を触れたと防衛関係者が見ているかについて言及を避けた。
だがロシア海軍潜水艦の活動が活発になっているのと並行してNATO加盟国やその他ヨーロッパ諸国は地上、空でもロシア軍の活動増加に懸念を抱いている。
ロシア機は数回にわたりNATO軍に対してバルト海でニアミスをしており、ロシアの大規模ザパダ2017軍事演習がロシア、ベラルーシで9月に展開されNATOが神経を逆立てた。

潜水艦は戦力増強の手段だ

ロシアは海軍力整備を進めており、潜水艦部隊に主力を置く。2011年に始まった近代化では潜水艦予算を増額しより静粛で威力のある艦を建造中だ。2014年以降に就役した潜水艦は13隻に上るとポスト紙は伝えている。
その一隻がクラスノダールでロシアは西側で最高性能のセンサーでも探知不可能と自慢している。米海軍とNATO軍の艦船がロシアから黒海まで移動する同艦を今年夏に追尾したが、同艦は途中で停船しシリアにミサイルを発射した。より高性能潜水艦が建造中と言われる。
Russia submarine Krasnodar navyロシア攻撃型潜水艦クラスノダールが2017年5月に北海で視認された。. Adm. Rob Kramer/Twitter
ロシアは潜水艦を戦力増強手段と見ており、敵側が一隻の潜水艦にさえ相当の戦力を投入しないといけなくなる。潜水艦は見られることなく作戦し報復攻撃を実行し、補給ルートを脅かし、単艦以上の規模の影響を与える。
ロシアは60隻を保有中で米海軍には66隻あるとポストはまとめた。さらにロシアに深海調査艦があり、弾道ミサイル潜水艦を改造し小型潜水艇を発進させる母艦もある。
「こうした補助潜水艦は海底での作戦用で母艦で運び海底でマニピュレーターを使うのではないか」とレノンはポストに述べている。
ロシア関係者からも自国潜水艦部隊の活動強化を認める発言がある。2017年3月にウラジミール・コロレフ大将 Adm. Vladimir Korolev(ロシア海軍司令官)が2016年のロシア海軍は「ソ連崩壊前の水準に復帰している、運用時間累計で」と述べている。「ロシア潜水艦の出動日数は累計3千日になった。「優秀さの証拠だ」
西側諸国もそれぞれ戦力増強を図る。
米海軍はコロンビア級ミサイル潜水艦の建造が始まる2020年代はじめにヴァージニア級攻撃潜水艦の建造を減らす予定だが、新たな分析でヴァージニア級2隻とコロンビア級1隻の同時建造は可能との結論がでた。これで懸念されていた2020年代中頃の潜水艦不足を回避できながら、ロシア中国と互角の隻数を確保できる。
米国はセンサー、ソナー、兵装運用、静粛化技術、海中無人機、通信機能で自国潜水艦の優位性を維持する目論見だ。
NATOのその他加盟国ではノルウェーとドイツがそれぞれ二隻の建造で合意しているが、後者では現時点で作戦投入可能な潜水艦がない。
さらに戦術面も強化中だ。米・NATOはこれまで以上に対潜戦訓練と作戦に時間を費やしている。トランスポンダーデータによれば米海軍はロシア海軍潜水艦の作戦水域上空で飛行を繰り返している。
「これまで15年間軽視してきた技術が再び重要になるのは世界の動向が大きく変わってきたことの反映だろう」とジム・マッコール大佐 Capt. Jim McCall(空母USSジョージ・H・W・ブッシュ航空隊司令)がウオールストリートジャーナルに今年秋に語っている。
フランス、ドイツ、ギリシア、イタリア、スペイン、トルコは新型対潜哨戒機開発の合意書に今夏署名した。
対潜用フリゲートの隻数はNATO全体で1990年代初頭の100隻から今日は50隻に減っており、米国にこの分野での努力が求められている。
北大西洋の急所として関心を再び集めているのはグリーンランド、アイスランド、UKを結ぶGIUKギャップで冷戦時は重要な海軍作戦海域で、米対潜哨戒機がアイスランドに2006年まで駐留していた。
米海軍はアイスランド施設に手を入れ新型P-8ポセイドン哨戒機の配備を狙うが、ペンタゴンによれば米国とアイスランドの間で米機材の巡回配備頻度を増やす合意が形成された。
ロシア海軍が縮小傾向を逆転しているが、NATOもソ連解体後に縮小した指揮命令系統の拡張を狙っている。
最近出たNATO内部検討は迅速対応能力が「冷戦後萎縮している」とし新規司令部二個の創設で補給活動を円滑にすることを提言している。
一つは欧州大陸に配置し人員物資の流れを監督し、もう一つは米国内に置き大西洋横断の補給活動を統括しつつシーレーン防衛にあたる。
「大量の物資を輸送するためには海上輸送によるしかありません。このため各艦は潜水艦による攻撃に脆弱になります」(レノン)
新司令部創設案は11月に承認された。現状の案ではNATO北大西洋司令部機能を米艦隊総司令部のあるノーフォーク(ヴァージニア州)に組み込む。

「大西洋同盟ですから兵員や装備を大西洋を越えて運ぶ必要があるのです」とNATO事務総長ジェンス・ストレンベルグ Jens Stoltenberg が語っている。「そのため安全で開かれた海上交通路が必要です」■

2017年12月29日金曜日

★F-35で北朝鮮ミサイルの迎撃は可能だが....

With a minor tweak, F-35s could shoot down North Korean missiles — but there's a catch

小規模改良すればF-35は北朝鮮ミサイルの撃破能力を手に入れる---ただし落とし穴がある

F 35
F-35 ライトニングII。 ラングレー=ユースティス共用基地上空で。April 24, 2016. U.S. Air Force photo/Senior Airman R. Alex Durbin
  • F-35は小改造で弾道ミサイル迎撃に転用できるが落とし穴もある。
  • F-35は打ち上げ中のミサイルのすぐ隣を飛ぶ必要があり、これは危険な行為となる。
  • かわりにF-35は米海軍の水上艦発射ミサイルの誘導システムを利用できる。
  • 報道によれば北朝鮮が人工衛星打ち上げを企画しており、米国は金正恩に「ガツンと一発」くらわせ、おそらく衛星打ち上げを中止させようとしている。

空戦闘に革命をもたらすとまでいわれるF-35を米軍が投入しはじめているが、弾道ミサイル防衛装備にも転用できそうだ。
米ジェット戦闘機部隊は空対空での必勝方法をマスターしようとしてきた、「トップガン」の時代にはF-14トムキャットがありドッグファイトを機銃とミサイルで戦い敵パイロットを出し抜こうとした。
だが今日の脅威は米国を標的としており、危険度は戦闘機パイロットの比ではない。
北朝鮮はミサイル技術を磨き米本土を狙える核兵器を整備しようとしており、F-35が狙うのはミサイルであり戦闘機ではなくなるかもしれない。
航空戦に詳しいジャスティン・ブロンク Justin Bronk(王立合同軍事研究所)によればF-35搭載のミサイルに手を入れればミサイルを標的対象にできるという。「ファームウェアの変更で理論的には」弾道ミサイルとの交戦が可能となるとブロンクはBusiness Insiderに語っている。
ペンタゴンでミサイル防衛にあたる筋はブロンク発言を認めている。F-35が搭載するAIM-120空対空ミサイルはあと一歩で北朝鮮の次回ミサイル発射を止めることができるのだが、落とし穴もある。
F-35で弾道ミサイル撃破ができないままなのは兵站活動の悪夢になるからだ。
北朝鮮は予想外の場所から奇妙な時間帯にミサイル発射することが多いく移動発射台も使っている。これらを合わせると次回発射を予測するのが困難になるし、F-35が現場に留まれる時間にも限界がある。
「発射地点で相当近い位置につける必要がある」とブロンクは言い、問題はむしろミサイル自体だという。
「AIM-120は7秒から9秒しか燃焼しないが弾道ミサイルはずっと上昇を続ける」とブロンクはいい、F-35は相当接近しないと交戦できないことになる。
弾道ミサイルは上昇で急速に加速しAIM-120の燃焼時間が極端に短いことから標的をとらえる時間は貴重になる。その間にも弾道ミサイルは加速を続ける。
もっと可能性が高いシナリオはF-35を先頭に米軍がお得意のネットワークを多用したシステム群やリンクされた装備の支援を投入することだ。
AIM-120の全長はわずか12フィートでこの役目には小さすぎる。だが米海軍のアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦は21フィート長の迎撃ミサイルが搭載されている。
F-35はもともと海軍の標的照準システムも簡単に統合できる設計になっており、水上艦のミサイルへ必要な標的情報を与えたり、自機のミサイル発射に使うことが可能だ。
「F-35が対象地点になるべく近い場所で待機中でセンサー装備を作動させ弾道ミサイルの赤外線特徴を捉えたら」同機は「警戒網の最前線」の役目を担うことになる。
このやりかたではF-35を北朝鮮領空に侵入させるる必要がなくなり、戦争行為と受け止められることもない。逆にF-35は弾道ミサイル追尾にあたらせ、米海軍駆逐艦に撃墜させればよい。
F-35が日本に配備されている中で弾道ミサイル防衛の話題が出ているのは北朝鮮との緊張が高まっているためだ。しかも両陣営がエスカレーションの意向を隠そうともしていない。
先週もトランプ政権筋が「ガツンと一発食らわせる」攻撃で北朝鮮のミサイル開発を破壊する計画があると述べたと伝えられる。
韓国メディアからは12月27日に、北朝鮮が準備しているのは衛星打ち上げだがミサイル発射と紛らわしいと伝えている。

朝鮮でミサイル発射は一大宣伝イベントで、軍の研究開発活動には欠かせない。だが米国のF-35は史上最高に高額な兵器システムだが空戦の姿を一変させるといううたい文句はまだ実行に移されていない。■