2018年7月29日日曜日

★イスラエルがボーイングから大量機材購入へ。F-15新型含む

Israel looks at massive military aircraft purchase from US firm Boeing イスラエルが大規模軍用機調達をボーイングから画策

$11 billion deal, to be paid from US military aid, would replace outdated transport helicopters and refueling planes, add a squadron of stealthier F-15s to Air Force arsenal 

110億ドルを米軍事援助制度で利用し、旧式輸送ヘリ、給油機の更改をめざしさらにステルス型F-15一個飛行隊の導入を目指す

By TOI STAFF26 July 2018, 3:48 pm  5


An Israeli Air Force F-15 takes off during the Blue Flag air exercise at the Ovda air force base, north of the Israeli city of Eilat, on November 8, 2017. (Jack Guez/AFP)
イスラエル空軍のF-15がエイラートのオブダ空軍基地を離陸しブルーフラッグ演習に参加する。November 8, 2017. (Jack Guez/AFP)


イスラエル空軍がこれまでで最大規模の110億ドル相当の調達交渉をボーイングと進めている。
内容は性能向上型F-15一個飛行隊分、輸送ヘリコプター一個飛行隊、給油機を含むとイスラエル現地紙ハヨムが伝えている。
調達には米軍事援助予算を使い、2020年代に新型機導入を目指す。
軍関係者によればイスラエルのヤスール輸送ヘリコプター(シコースキーCH-53シースタリオン)および空中給油機は老朽化が進んでおり、機材更新に高優先順位がついている。
空軍はボーイング機材の導入を希望していると記事は紹介。ボーイングには767旅客機を改装した給油機があり、信頼性は証明済みで納入も迅速に可能だ。ボーイングのヘリコプター製品にはCH-47チヌーク、V-22オスプレイがあり幅広い性能をヘリコプター部隊で実現できる。
実現すればイスラエルはF-15調達を20年ぶりに再会することになる。
検討中のF-15はIAすなわち「イスラエル向け高性能版」と呼称されレーダー波吸着剤や機内内部への兵装搭載などステルス性能がある程度まで実現する。
案件は未成立だがイスラエル空軍の最終提言内容が参謀総長ガディ・エイセンコット中将、国防省に届けば安全保障関連内閣会議で最終決定が下るはずだ。■
F-15はここにきて急に息を吹き返してきましたね。やはりコストパフォーマンスが高い、それだけ第五世代戦闘機が魅力がないということでしょうか。ここでいうイスラエル用機材は以前話題に出たF-15SEサイレントイーグルの焼き直しのように聞こえますね。KC-767はここでまた受注成功すればボーイングはKC-46と並行して二機種を新造することになりますが大丈夫なのでしょうか。日本はKC-46導入を早々に決めていましたね。

2018年7月26日木曜日

(すこしだけ)判明したF-15Xの内容を見るとこれはお買い得な機体になるのでは

New Details About the F-15X That Boeing is Pitching the US Air Force ボーイングが米空軍に売り込みを図るF-15Xで新たに判明した内容



The single-seat jet is being built to shoot down enemy aircraft, pound targets on the air, and even hit ships at sea. 単座機は空対空、空対地に加え対艦攻撃も可能となる


The proposed F-15X will have a one-person cockpit, not the pilot-and-weaponeer team in these F-15E Strike Eagles.
  • BY MARCUS WEISGERBERGLOBAL BUSINESS EDITORREAD BIO
JULY 25, 2018
ーイングが米空軍に売込み中の新型F-15は単座戦闘機で対艦ミサイル含む新兵器多数を搭載する。


空軍が採用すればF-15Xは2002年以降ペンタゴンが久しぶりに調達するイーグルとなる。同年に対地攻撃対応のF-15Eストライクイーグルが導入された。一方で同盟国多数がその後も新型イーグルを導入しており、昨年も機材納入があったばかりだ。X型はそのカタールの導入機材に酷似しつつ最新技術を導入し超大国間の対決を想定するペンタゴンの国家防衛戦略構想に適応するものと内部事情に詳しい筋が説明している。ボーイングはコメントを避けている。


空軍はボーイングと新型F-15X導入が現行F-15より安上がりになるか検討中だ。協議は一年以上にわたっていると内部筋が明かした。


X型には各国導入のF-15機での改修内容が盛り込まれている。サウジアラビア、カタール、シンガポール、韓国は合わせて50億ドルを投じ性能改修を行ってきたという。米空軍のF-15との比較では新機材は飛行制御性能が向上し、ディスプレイやレーダーの改良さらに強力なエンジンでペイロードが増えている。


空対空用のF-15Cやストライクイーグルと違い、新型F-15Xは単座で大型デジタルディスプレイを採用し旧型アナログ計器に交代する。現行機が搭載する装備はそのまま使える。F-15Xではさらに対艦兵器が運用可能となり、合計29千ポンドの兵装が使える。


F-15の飛行距離、速度、ペイロードはその他の米軍機材と一線を画すものだ。「本当にこれに匹敵する機材はない」とリチャード・アブラフィア(Teal Group副社長)は評す。


搭載兵装追加で新規ミッションも可能となる。一時間当たり運用経費はF-15Xが27千ドルの予測でF-15Eより5千ドル低くなる。


現在は州軍航空隊が米本土防空用にF-15Cを運用しているが、その他のC運用飛行隊が英国、日本に駐留しており、F-15Eは主にサウスカロライナ、アイダホ、英国に展開している。


空軍は機材構成の見直しを図っており、今日の空軍の規模は歴史上最小かつ機齢が最高水準だと空軍上層部が指摘している。


F-15XはF-22ラプターやF-35共用打撃戦闘機を補完しつつ各種ミッションを実施可能という売込み文句で地対空ミサイルによる撃墜のリスクはごく少ないという。


議会内にはF-15の支持勢力が強い。出来立てほやほやの2019年国防予算認可法には配備中F-15の改修に約10憶ドルが盛り込まれている。

詳しい筋によれば改修でC型に導入される装備はX型にそのまま搭載される。今後を展望するとF-15Xは極超音速兵器搭載に最適だという。■

ボーイングは商売上手ですから内容をそのまま信じてはいけない気もしますが、その通りならかなり魅力的な機体でコストパフォーマンスも優れているようです。F-15ではSE(サイレントイーグル)が掛け声だけで終わっており、今回はいよいよ最後の提案になるのでしょうか、いきなりXというのがすごいですね。

2018年7月24日火曜日

テンペストをきっかけに動き始めた次世代戦闘機の国際開発


テンペストをめぐり動きが出てきました。やはり次世代機開発は国際共同事業の形になるのでしょうか。では、日本はどういう形で関与できるのでしょうか。あるいは蚊帳の外扱いになるのでしょうか。(これは困りますが)その意味ではF-3開発の基調が国際開発にかじを切っていますので今後は動きやすくなるのでは。


ShowNews

U.S Air Force Reps Meet to Discuss Britain’s Future Fighter With UK 米空軍代表が英国と次世代戦闘機で協議に動く

Jul 18, 2018Lee Hudson | ShowNews

Tempest, Britain’s proposal for the FCAS, the future combat air system.

ンペストと呼ばれる英国の将来型航空戦闘システム(FCAS)の発表を受け米空軍関係者が今週にも英国側と同事業を協議する。
テンペストはフォーンボロ航空ショー初日に発表され、双発の低視認性戦闘機とされる。
空軍次官マシュー・ドノヴァンが報道陣に同盟関係の中で整備する装備では相互運用性が最重要要素だと語っている。
「新技術開発に向かう国の努力を激励したい。だがあくまでも共同作戦対応の装備である必要があると強調したい。その前提で了承すべきだ
ウィル・ローパー空軍次官補(調達、技術、兵站)は報道陣に米国は英国はじめ同盟国と次世代の航空優勢実現に努力すべきと語った。
「どの分野で脅威が顕著になるかで将来は変わってくる。軍事脅威にとどまらず民生技術にも注目している」「今我々が暮らす世界でセンサー技術が普及しているのは民間投資が原動力になっているからであり、その是非を見極める必要がある」
ローパーは英国の迅速戦力整備室を訪問するが同室はペンタゴンにある同名組織の英国版だ。協議では両国でどんな共同作業が可能か検討するという。
「国家防衛戦略の実現は自国単独では不可能だ。同盟国と共同で戦うだけでは不十分であり、同盟国と共同で装備を実現する能力が必要だ」(ローパー)■

2018年7月22日日曜日

マラバール2019は日本近海で実施?

インド国内紙報道ですがお伝えしておきます。インド、オーストラリアを巻き込んで日米同盟はこれまで以上に中国を意識した作戦運用に進みます。これに対し中国がどんな反応を示すか、さらに同調する国内勢力がどんなピンぼけな主張を展開するか、いまからたのしみです。


Malabar exercise may take place in Japan next year来年のマラバール演習は日本近海で実施か



By: Huma Siddiqui | New Delhi | Updated: July 17, 2018 12:48 AM


回マラバール三カ国間海軍演習は日本近海での開催になりそうで、中国の東シナ海でのプレゼンスを抑止しつつ航行の自由を推進する狙いがあるのは明らかだ。
2016年にインドと米国は日本を同演習の通常参加国に認めたばかりだが、演習自体は1990年以来実施されてきた

インド政府消息筋によれば「来年の演習を日本近海で行う協議が三か国で続いている。日本代表団がインド入りし詳細を詰めることになっており9月の印日サミットで正式承認の運びだ」という。


マラバール演習に日本が加わったのは米国が目指す有志国連合をインド太平洋に形成し中国の軍事的台頭を抑え込む戦略上で望ましいことだ。

第二十二回マラバール三か国演習はグアム沖合フィリピン海で先月始まっており、空母作戦運用、防空作戦、対潜戦、水上戦、臨検・捜索・拿捕(VBSS)、共同戦術運用手順等が内容だ。

2017年のインド日本サミットの共同声明では両国が「防衛安全保障上の協力と対話を今後も進め、マラバール等共同演習の他、防衛装備技術面で協力を進め、監視偵察や無人機技術含む防衛産業も対象とする」とあった。

米インド太平洋軍司令部ホームページには「本演習により各国人員の理解度と相互運用体制が上がる」との記述がある。■

2018年7月21日土曜日

英テンペスト構想に早速ボーイングが関心を示す

ヨーロッパがアメリカとは別の方向を目指し機材開発を狙うと発表すると、英国はしたたかにもアメリカと組み、その他国も巻き込んで対抗馬の実現に向かいそうです。ただし、そもそも西側で新型機を同時に開発することが合理的なのか。大陸の事業と合流するのか。(これは可能性が低いのでは)要はロシア、中国とこれから30年にわたりリードをとるための新型機ですが、日本にも重要な選択の時が迫っているようですね。

 

Boeing wants in on the UK's 'Tempest' next-generation fighter jet英次世代戦闘機「テンペスト」開発にボーイングが参画したい模様

Andrea Shalal,

Tempest next-generation fighter UK英国が公表した新型戦闘機テンペストのモックアップ Reuters
  • 世界最大の機体メーカー、ボーイングの防衛事業トップが英国の戦闘機開発事業へ加われれば「興奮する」と発言
  • 英国はステルス新型ジェット戦闘機テンペスト開発を公表し仏独共同の戦闘機開発に対抗するとする
  • 英国の欧州連合離脱で事業がどうなるか不明だし、英国がスウェーデンのSaabと新たな連合を組む可能性もある


界最大の機材メーカー、ボーイングは新型英戦闘機の開発に参画できれば「興奮」すると同社防衛部門トップ、リアン・キャレットLeanne Caretがファーンボロ航空ショーでロイターに語った。同社は当面は動向を見守るが決定的な発言は時期尚早という。
「英国側も国防体制見直しをかけており将来の姿を検討中」とリアンは述べ、「ボーイングが加われれば名誉あることでその先の進展を共有できると思うと興奮してくる」とも発言。
英国はステルス戦闘機テンペストの開発構想を発表し、フランス-ドイツ両国が共同で開発する新型戦闘機構想に対抗する動きを示した。
Britain's defence minister, Gavin Wiliamson, unveils a model of a new jet fighter, called 'Tempest' at the Farnborough Airshow, in Farnborough, Britain July 16, 2018.ギャビン・ウィリアムソン英国防相が新型戦闘機テンペストをファーンボロ航空ショーで7月16日に公開した Reuters

ダッソーアヴィアシヨンエアバスが仏独共同開発の先頭に立つが、英国ではBAEシステムズレオナルド(イタリア)、ロールズロイス(エンジン)、MBDA(ミサイル)が中心だ。
ただし英国のEU離脱後に事業がどうなるのか不透明だし、別の提携先を加えるかも不明だ。その場合はグリペンを製造するスウェーデンのSaabが候補だろう。
ボーイングはブラジルのエンブラエルと提携を始めたばかりであり、もともとSaabとも親しい、とTeal Group副社長のリチャード・アブラフィアが指摘する。
BAEにSaab、さらにエンブラエルが加わり新型戦闘機開発が始まれば仏独共同開発の有力な対抗馬となるが、エアバス、ダッソーも初期研究契約さえ未交付の状態だ。

ボーイングにとっては実現すればロッキード・マーティンのF-35に2001年敗れて以来途絶えていた戦闘機新規開発の機会が生まれる。■

2018年7月19日木曜日

★★ボーイング発表の新規生産F-15X構想に注目すべきか

以前の「ミサイルトラック」16発でも多いと思いましたが、今回は24発ですか。数で攻め入る中国を劣勢な機数でも食い止める発想なのでしょうか。新型戦闘機開発が行き詰まる中でF-15やF-16と言った既存機材の性能向上版がコストパフォーマンスで優れ、食指を伸ばす国も現れそうですが、日本はどうしますか。また静観するだけでしょうか。

Boeing Is Pitching the US a New F-15, Using Its Super Hornet Game Plan ボーイングが新規生産F-15をスーパーホーネットの営業戦略の応用での米空軍向け営業中

F-15E Strike Eagles with the 4th Fighter Wing at Seymour Johnson Air Force Base, N.C., form up behind a KC-135 Stratotanker with the 121st Air Refueling Wing, Ohio Air National Guard, June 15, 2018.
U.S. AIR NATIONAL GUARD / AIRMAN 1ST CLASS TIFFANY A. EMERY
  • BY MARCUS WEISGERBERGLOBAL BUSINESS EDITORREAD BIO
FARNBOROUGH, UK — ボーイングが米空軍に新型F-15戦闘機をトランプ政権に成功した米海軍向けスーパーホーネット追加発注と同じビジネス戦略で売り込もうとしている。


F-15Xと名付けられた新型機は飛行制御系、コックピット画像表示、レーダーを更新する。武装も強化され空対空ミサイル24発以上と米空軍のいかなる機材より多い。


ボーイング関係者はF-15X営業活動の確認を拒んでおり、遠回しに以下述べている。


「国際市場が拡大して逆に米空軍に今後の機材性能向上のほか新規F-15調達についてお話しさせてもらっている」と同社防衛宇宙安全保障事業の海外販売担当副社長ジーン・カニンガムがロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー会場で述べている。


米空軍のF-15調達の最終は2001年でF-15Eストライクイーグル5機だった。F-15原型は1972年初飛行で空軍が供用中の機材は1980年代に導入されており、操縦パイロットより機齢が高い。


昨年はトランプ政権向けにスーパーホーネット売込みで成功したが、F-15ではホワイトハウス向け営業はまだない。


空軍首脳部は各種機材の組み合わせ運用について検討が進んでいるとしている。


「新国家防衛戦略構想が生れ、空軍はその内容実現のため装備を検討中」とジェイムズ・「マイク」・ホームズ大将(航空戦闘軍団司令官)が6月28日にワシントンの国防記者朝食会で述べていた。


検討内容にはF-15、F-16の新型版の調達も含むと空軍の観測筋が伝えている。


米国の同盟国に当たる、イスラエル、サウジアラビア、シンガポール、韓国が改修型F-15を運用中だ。イーグルクラブの最新会員がカタールで同国は昨年36機を発注し、さらにオプションで36機発注が可能。ボーイングはドイツへもF-15を売り込み中で、トーネード後継機として同機にドイツも関心を示している。


前出カニンガムはボーイングが同盟国機材が搭載する技術を既存のF-15へ導入する改修案を提示中という。


F-15は第四世代機といわれ、ステルス性能はない。かれこれ10年以上にわたり空軍首脳部はステルス機しか導入しないと公言してきた。新規生産のF-15を調達すればこの動きに逆行する。


F-15は当初はステルスのF-22ラプターと交代するはずだった。F-22は世界最強の空対空戦闘機と言われる。国防長官(当時)のロバート・ゲイツがF-22生産終了を命じたのは2009年のことだった。最終号機がジョージア州マリエッタのロッキード・マーティン工場で完成したのは2009年。空軍は750機調達を想定していたが、実際に調達されたのは187機にすぎない。


ゲイツはF-35への資金投入を優先させた。同機が多用途戦闘機で敵機を撃墜しながら地上目標も攻撃できる高性能センサー、レーダーを搭載しているためだ。


海外向けF-15は米軍機調達時に利用できなかった新型技術を搭載している。米空軍のF-15もレーダーやコックピットで改修を受けているがここにきて旧型F-15Cへの電子妨害装置追加は空軍が取り消した。一部観測筋には空軍は同型を予定より早く退役させるのではとの見方がある。


ボーイングはこれまでストライク・イーグル新型版を米空軍はじめ各国に売り込もうとしてきた。2010年には特殊塗布と斜め取り付けの尾翼が特徴のサイレント・イーグルを営業していた。2015年にはF-15Cの戦闘能力強化で空対空ミサイル16発搭載案を売り込もうとした。


毎回ボーイングは改修機材はF-35のステルス性能、センサー、電子戦機能に近い内容を数分の一の価格で実現できると売り込もうとしていた。


空軍向けF-35機体価格が毎年下がる中で価格格差は減っており、ペンタゴンからF-35の次期パッチ141機分で合意ができたとの発表が7月15日にあったばかりだ。

空軍筋からは新型F-15調達はF-35と比較対象とならない、なぜなら共用打撃戦闘機はそもそもF-15の代替機材ではないからとの観測がある。

2018年7月18日水曜日

☆中国海軍J-15の重大欠陥から見える中国技術の限界とは

技術は金で買えばよい、という中国の考え方は大変早く結果を生むのですが如何せん技術知見が背後にないため見かけだけのスカスカの装備になり、文字通り張子の虎なのでしょう。技術がないため原因がわかっても手が出せない。そうなるとコツコツと技術を整備する(こういう根気のいる仕事は中国人が苦手)か、手っとり早く他国から入手するしかありません。こうしてみると中国技術の虚像ぶりが見えてきますが気を許すことは許されません。



China’s Flawed Naval Fighter 中国艦載戦闘機の欠陥

Engines and flight control systems bedevil Beijing's Flanker 

中国版フランカーがエンジンと飛行制御系のトラブルに直面





WIB AIR July 9, 2018 Dave Majumdar


国は瀋陽J-15フライングシャーク艦載戦闘機の後継機種を開発中


J-15はロシアのSu-33フランカーDの試作機T-10K-3を原型としライセンスを無視して国産化したものだが、人民解放軍海軍で失望を生んでいる。エンジンや飛行制御系が原因の大事故で機体喪失が続いている。


J-15問題は相当深刻で中国も後継機となる新型艦載機開発に乗り出さざるを得なくなっている。


「J-15後継機」の開発が進んでいるとPLA空軍副司令官张洪贺Zhang Honghe中将がサウスチャイナモーニングスター紙に語っている。


J-15後継機の姿は不明で現行001型、001A型空母のスキージャンプ式発艦に対応するのか、今後登場する002型空母の電磁式発艦システムにも対応するのかわからない。


中国の海軍関係のアナリスト陣からは中国がFC-31Gyrfalconの海軍版を開発中との指摘がある。同機は瀋陽航空機が「自社資金」で開発したといわれる。


しかし中国筋からJ-15後継機で公式発表はない。


Above and at top — Chinese J-15 fighter planes. Photos via Chinese Internet

J-15運用を断念することになったのは深刻な事故が連続発生したためだ。上記サウスチャイナモーニングポストによればJ-15墜落事故が少なくとも四回発生し、うち一回は死亡事故、別に重傷が発生したのは「弁解の余地のない機械系の故障」のせいだという。原因は国産開発のエンジンと飛行制御系のようだ。


「J-15は問題が多い機体で不安定な飛行制御系が二年前発生した死亡事故二件の主原因」と消息筋が同紙に語っている。J-15墜落事故二件で「飛行制御が故障」したのは地上滑走路へアプローチ中だった。このことからJ-15の飛行制御に問題があることがわかる。


さらにJ-15が搭載する瀋陽黎明発動機製造Shenyang Liming製WS-10Hエンジンの信頼性の程度や、墜落原因だったのか不明だ。J-15旧型はロシア製AL-31Fエンジンを搭載しており、信頼性はある程度まであった。


中国もJ-15の問題は把握しているようだが、機体配備を急ぎリスクに目をつぶっているのは米海軍とは異質の考え方が背景にあることを示す。米海軍の場合は配備後に問題が判明した機体に飛行制限するのが普通で、安全面で深刻な問題と判明すればペンタゴンは同機運航を認めない。


「もちろん訓練中に発生する事故の完全予防は不可能だ。だが西側諸国と違い中国の空軍パイロットは機械系の故障があっても操縦を命令される」とPLAN退役関係者が同紙に語っている。


またPLANはJ-15問題の本質について口を閉ざしているが、これも世界各国の軍組織でよく見られる傾向だ。


「航空専門家は当初J-15の設計に問題があること自体を認めようとしなかった」と内部筋は同紙に語っている。海軍パイロットCao Xianjianの墜落死亡事故が発生してやっと問題があると認めた始末だ」


J-15に深刻な設計不良があるのは前から知られている。


つまるところ中国は不完全な試作型のスホイSu-33をウクライナから入手しリバースエンジニアリングしたのだ。中国技術陣にはフランカーの内部構造を学ぶ機会になったが機体そのものを開発をしていないので理解は完全でなく、かつリバースエンジニアリングにつきものの制約に阻まれたのだ。

こうした知識面のギャップが中国がJ-15で問題に直面することにつながったのだろう。■

2018年7月17日火曜日

★英国がお披露目した次世代戦闘機テンペスト。本当に実現するのか。日本の参画の可能性は?



今年のファーンボロ航空ショーの目玉になりそうな機体です。ただし英国開発の機体には大成したものが少なく、早くも米国には同機を疑問視する声も出ていますが、次期戦闘機開発の方向性に悩む日本としても黙っていられないのではないでしょうか。本当に飛ぶ機体が作られるのかわかりませんが写真で見ると革新的なようですね。タイフーンの後なのでテンペストですか。かつてのRAFの栄光時代の機体名称復活ですね。ハリケーンはどこ?スピットファイヤは?

The UK just unveiled a next-generation fighter jet that could be unmanned and armed with lasers英国が次世代戦闘機を発表。無人運用可能でレーザーも装備。





Britain's defence minister, Gavin Wiliamson, unveils a model of a new jet fighter, called 'Tempest' at the Farnborough Airshow, in Farnborough, Britain July 16, 2018.ギャヴィン・ウィリアムソン英国防相がお披露目した新型戦闘機「テンペスト」、ファーンボロ航空ショー会場にて。July 16, 2018. Reuters
  • 英国が次世代ジェット戦闘機の実寸大モデルを月曜日にファーンボロ航空ショー会場で公表した。
  • 「テンペスト」の愛称がついた同機はBAEシステムズ、ロールズロイス、レオナルド、MBDAの各社共同開発でサイバー攻撃に耐える強さがある。
  • 製造と決まれば英国は26.5億ドルを2025年までに投じる。




国が次世代ジェット戦闘機の実寸大モデルをイングランド・ファーンボロ航空ショーでお披露目した。
「今や危険な戦闘の時代に入りつつあり、将来に目を向けている」と英国防相ぎギャヴィン・ウィリアムソンが会場で述べた。
愛称「テンペスト」はBAEシステムズ、ロールスロイス、レオナルド、MBDAの共同事業で任意に無人運用できレーザー兵装を搭載し、多数のUAVを運用し、サイバー攻撃に耐えるとの報道が出ている。
「一部には今後実現の目を見なくなるものもあるだろうが単一プロジェクトで全部実現できれば成功効果は限りなく高い」とストラトフォーの戦力アナリスト、シム・タックがBusiness Insiderに語っている。「構想はきわめて有望に聞こえるが、狙いが狙いだけに開発、製造ともに問題にぶちあたるだろう」
タックからは「英国はダッソーが独仏戦闘機共同開発に向かうのを見てこれを出してきたのだろう」とのコメントも出ている。
フランスとドイツは昨年7月に「ヨーロッパ製」戦闘機を共同開発しダッソー・ラファールとユーロファイター・タイフーン後継機にしたいとの発表している。ダッソーは次世代戦闘機のイメージの映像を公開したばかりだ。
ウィリアムソンは開発が決まれば英国は同機に26.5億ドルを2025年までに投入すると述べている。また順調にいけば同機は2035年までに運用開始できるとも述べた。■


以下テンペストの写真をご覧ください。

Here's a wide shot of the Tempest.Reuters
Here's a close-up of the cockpit. Reuters

Defense News記者アーロン・メータによる撮影写真はこちら。View image on TwitterView image on TwitterView image on Twitter



BAEシステムズ発表のテンペストの兵装搭載案

And here's a BAE Systems graphic on some of the Tempest's possible capabilities:BAE Systems