2018年8月31日金曜日

速報 米海軍MQ-25Aにボーイング案採用決まる

8月30日に結果が発表された米海軍向け無人艦載給油機MQ-25Aとしてボーイング提案が採択されました。 詳細は別途お伝えします。■

2018年8月30日木曜日

★最強のF-16ブロック70は貧者のF-35になるのか---どこがすごいのか





F-22 'DNA': Why Lockheed Martin's New F-16 Block 70 Could Be Truly Deadly F-22のDNA:ロッキード・マーティンF-16ブロック70が強力な威力を誇る理由

August 27, 2018  by Dave Majumdar


ッキード・マーティンが11.2億ドルの大型契約を米政府から受注した。F-16ブロック70仕様ファイティング・ファルコン16機をバーレーン向けに製造する。
バーレーン王立空軍が史上最強版F-16で初の運用部隊となる。
これまでF-16はフォートワースで製造されてきたが今回の新型「ヴァイパー」はサウスカロライナ州グリーンヴィル生産となる。
ロッキード・マーティンではF-35共用打撃戦闘機で生産が佳境に入り、ファイティング・ファルコン生産は下火になったため、F-16生産ラインを小型工場に移転し少数生産に対応することとした。とはいえ移転はF-16が新局面に入ったことを意味し今後も売上が期待できる。
ロッキード・マーティンはサウスカロライナ工場に大規模投資し150名ないし200名の新規雇用を作れると見ている。
同社はF-16生産により米国内の同社技術陣、調達部門、営業顧客支援部門数百名分にあわせて米国内供給企業数千名分の雇用が確保できると見ている。全米42州450社でF-16のサプライチェーンを形成している。
ロッキード・マーティンがF-16販売に強気なのには理由がある。ブロック70はどの点から見ても強力な機材でF-35技術も流用しているからだ。F-16と比べればF-35のほうが高性能で威力も高いが、JSFを求める国あるいは購入を許される国はそれほど多くない。そのためこうした米側同盟国多数にはF-16ブロック70が最強の戦闘機になる可能性があるからだ。
F-16ブロック70の根本はノースロップ・グラマン製APG-83アクテイブ電子スキャンアレイレーダーだ。F-22ラプターおよびF-35から流用して20もの標的を同時探知可能の同レーダーは解像度1フィートで地上目標の合成開口レーダー地図を160カイリ先から作成してくれる。同機は新型高性能電子戦装備も搭載する。
ブロック70ではコックピットにも大幅に手を入れており、中央台座型ディスプレイCenter Pedestal Display (CPD)で6”x 8”画面に高精度戦術画像を写し、パイロットはブロック70搭載の新型センサー類の性能をフルに引き出すことができる。
コックピットでは共用ヘルメット搭載型指示システムII(JHMCS II) 対応のディスプレイもあり、パイロットはレイセオンAIM-9Xサイドワインダーミサイルの性能をフルに発揮できる。さらに新型自動地上衝突回避装置で墜落を回避できる。
.F-16Vの機体は12千飛行時間までの耐久性を確保しており、機体一体型燃料タンクを左右に備える。
ロッキード・マーティンはブロック70のエンジンは新型になったと述べているが型式を明かしていない。一番可能性が高いのがジェネラル・エレクトリックF110-GE-132で定格32,500 lbf (144 kN)のアフターバーナー付きエンジンだ。
F-16Vは各種兵装の搭載も可能だとロッキード・マーティンは宣伝している。
「当社はF-16への兵装搭載で36年の経験を有しております」とロッキードは述べている。「我が社をおいてこれだけの実績を有する機関は存在しません。米空軍および海外軍事販売制度を通じF-16を導入した各国とともにロッキード・マーティンは180種類超の兵装の搭載で認証を受けており、兵装統合面の知見によりF-16は最強の多用途戦闘機になったといえます」
F-16は今後数十年にわたり供用される。現時点で世界25カ国の空軍でF-16が3,000機活躍中。今後はブロック70改修が進むはずだ。F-16の将来は依然として明るい。■

Dave Majumdar is the defense editor of The National Interest. You can follow him on Twitter @DaveMajumdar.

2018年8月29日水曜日

露骨な中国の米国内工作(シンクタンク等)に警戒心をしめす米議会

Chinese Communist Party Funds Washington Think Tanks 中国共産党の資金を受ける米国内シンクタンク複数

United Front Work Department conducts aggressive influence operations in U.S. 合同戦線工作部が米国内で活発な活動を指揮統制している



China's President Xi Jinping
China's President Xi Jinping / Getty Images


August 24, 2018 4:55 pm


国共産党が米国内で秘密活動を強化しており、在ワシントンのシンクタンク複数に資金提供したり中国系米国民を迫害していることが米議会委員会報告書で明らかになった。
こうした影響力を拡大するための工作を取り仕切るのは合同戦線工作部United Front Work Departmentで中央委員会配下の機関で数万名の工作員が公然・非公然双方で共産党の政策の促進を狙っている。
共産党の合同戦線戦略の一部としてワシントンにあるシンクタンク複数に資金を提供し北京の進める政策を支援するよう影響力を行使している。
「(中国共産党)は中国関連の学術論文に介入し、一部事例では言論および結社の自由を侵害あるいは不法に抑圧し、米国民に保障されている内容ならびに米国法に違反している」と報告書にある。「CCPは合同戦線戦略を自慢げに語るが、この問題の深刻さは米国政治層に比較的知られていない」
報告書ではジョンズ・ホプキンズ大の高等国際研究所が中国人民政治諮問会議の副会長Tung Chee-hwaから資金提供を受けているとある。同会議は合同戦線工作部に指示する機関であり、常任政治委員が構成員、つまり中国統治のための集団独裁体制の下にあることになる。
ジョンズ・ホプキンスへの資金はTungの在香港非営利団体中米交流財団から出ており、同財団は中国の工作機関として登録済みだ。交流財団は中国政府の影響力拡大工作とつながり在米中国大使館と同様の広報活動を展開している。
ジョンズ・ホプキンス以外に中国とつながりを持ち米国の政策立案部門に影響を与えるシンクタンクにブルッキングス研究所、大西洋協議会、米国進歩センター、東西研究所、カーターセンター、カーネギー国際平和財団がある。
中国がシンクタンクへ資金提供をする狙いは中国関連の議論の方向性を中国自身が声を上げずに変えさせることにある。
中国委員会のメンバー、ラリー・ウォーツェルは元陸軍情報部士官で中国勤務の体験もあり、同報告書は合同戦線工作部や中国人民政治諮問会議の活動を暴く点で重要と強調する。
「米国民多数や議員の多くには中国共産党がひそかに展開したクモの巣の上で展開中の活動の広さを理解できていない」とウォーツェルは述べている。「共産党はレーニンの時代から同じ活動を展開している」
ウォーツェルによれば米議会も中国による影響力獲得工作に警戒の念を示しはじめ「議会は早急に法案を作り中国政治諮問会議または合同戦線工作部関連の人物を外国工作員として登録すべきだ」という。
テッド・クルーズ上院議員(共、テキサス)は米団体が合同戦線工作部要員と結託しているのは中国共産党が米国人を利用して『知らないうちにCCPのイデオロギーを宣伝する』ことになっており、中国関連の議論で『中国側の意見』を広めることにつながると発言。
「北京は自国主張を各国に広げるべく外国人は中国と無関係の筋からならプロパガンダを受け入れるはずと見ている」と報告書にある。
中国情報機関複数が合同戦線工作部と共謀して米国で勉強中の中国学生を引き入れ学内の中国関連議論を抑えようとしている。
特に狙われるのが全米に142ある中国学生研究者協会(CSSA)の各支部だ。
各支部は「常時中国政府と協力して自由な意見の発表を抑制し、中国留学生に対していじめや脅迫さらには監視をおこなっている」と報告書にあり、「中国情報部係官が外交団に混じり、CSSA会員との窓口になっている」。
合同戦線の活動は孔子学院Confucius Institutesでも活発で中国政府が資金拠出する各学院は同様に影響力拡大と情報活動の拠点だ。
孔子学院は全米数百の大学に点在し「北京にとって望ましい重要学術教義となる組織的独裁体制や学問の自由に関する見解を伝える役目を負っている」とある。
「孔子学院の資金はCCP宣伝部経由であり、合同戦線工作部との関係もかつてあったが、今は在米中国大使館、領事館内からの指示をで活動している」(報告書)
報告書では習近平主席が世界規模での共産主義教義の宣伝拡大をさせたと指摘。習は合同戦線の工作活動を「魔法の兵器」とし中国再興の手段とみなしている。
習は党総書記に就任した2012年の後で40千名超を合同戦線工作部に配置し組織を拡大させた。
在外中国活動の目標は民族文化経済あるいは政治上のつながりを利用して在外中国人共同体を動員しCCPの権益を促進しつつ敵対勢力を弱体化することにある、と報告書は指摘。
「中国情報部が在外中国人を脅かし工作員として働かせ在外中国人を狙っており、在外中国人むけ工作を中国と公式のつながりがないかのように隠している」(報告書)
中国の元外交官Chen Yonglinは2005年二オーストラリアに亡命し、中国が中国留学生を情報源として活用していると語る。
報告書では合同戦線工作部以外に中国軍組織である連絡部Liaison Departmentがプロパガンダ工作、イメージ工作活動ほか情報収集に当たっていると指摘。
「例として中国国際友好接触協会China Association for International Friendly Contact (CAIFC)は政治総局のフロント団体で、情報収集とプロパガンダ・イメージ工作の双方を実施しており、たとえば米中退役将官の対話の場となるSanya Initiativeもその一環だ」(報告書)
Sanya Initiativeを主催するビル・オーウェンス退役大将は元統合参謀本部副議長でメンバーを使い議会やペンタゴンが毎年刊行する中国の軍事力報告書をやめさせようとしてきた。
中国国際友好接触協会は中国軍の中央軍事委員会に所属する政治工作部の一部分だ。
報告書の巻末には合同戦線活動が米国に与える脅威は「相当のものがある」としながら「同組織の規模と影響力はまだ政策立案層に比較的知られていない」とある。
「CCPが進める影響力行使に対抗すべく、調査捜査を今後も継続し、合同戦線の活動を白日の下にさらし、CCPの関与、運営方法、ならびにCCPのその他重要機関とのつながりも明らかにすべきだ」とある。
米議会も外国政府の政治主張を伝える組織はすべて海外工作機関として登録を求める法案を検討中であり、各大学には外国からの贈与寄贈に関する情報を公開する方向で進んでいる。
米国内での中国の影響力促進活動に比べるとオーストラリアでの中国活動のほうが明白かつ政府による懸念を招くほど深刻だ。
報告書ではオーストラリア保安情報機構の試算でオーストラリア中央地方選候補者の少なくとも一割が中国情報機関とのつながりがあるとしている。
元外交官でオーストラリアに亡命したChen によれば今週にはいり北京の影響力拡大工作の制限法案が成立したが、本人に中国工作員からの脅迫があったという。
「中国としては私を黙らせておきたいのだろう。その手段として「事故」として証拠残さずに殺害する。拉致してから尋問し処刑する、あるいは毒殺か射殺する選択肢がある。殺害が明るみに出れば私の信用度を貶めるはずだ。偽の証拠まで示すかもしれない」とChenはツイッターで述べている。
.台湾に対し中国共産党は強力な影響力工作を展開している。
「CCPは台湾を狙った情報戦を展開しており独立運動を抑え、台湾政庁の統治力を低下させたり、台湾矢第三国政治家を抱き込み中国が望む海峡関係の促進、つまり台湾の大陸統合を狙っている」(報告書)
ホワイトハウスは今週に入り中国がエルサルバドルに介入し外交関係を台湾から北京に切り替えさせたと非難した。
「米国は今後も中国が進める海峡関係の不安定化の狙いに反対姿勢を示し、西半球における政治介入にも反対していく」とホワイ等ハウス報道官サラ・サンダースが発言。
委員会報告の主筆はアレクサンダー・ボウイで外交安全保障問題に詳しい政治アナリストだ。■


コメント:ここまでやられるとアメリカも黙っていないでしょう。自由な体制を逆手に取られた格好で自分たちは異教徒を迫害しながら米国内では信教の自由をたてに好き勝手するイスラム勢力に対する反発と同じ感情が今後中国に向けられるはずです。そのため貿易戦争はさらに拡大するのか、あるいはもっと強硬な手段、たとえば南シナ海の現状か回復として中国軍事基地の一掃といった強攻策に向かう可能性が皆無とはいえません。中間選挙が今年ありますからね。それに対して中国には打つ手がなく、こうした工作活動を進めたいのですが警戒の目が一気に向けられれば仕事はやりにくいですね。その点、韓国や日本は中国にとって草刈場なのでしょうか。日本もそろそろお人よしの役を降りてもいいのでは。

2018年8月28日火曜日

米空軍が企画中の改修でB-52はJ型となる

B-52Jとの名称が出てきたのははじめてです。H型までありましたがIは1と紛らわしいので飛ばしたのですね。とりいそぎ、Aviation Weekの速報をお伝えします。

Aerospace Daily & Defense Report

U.S. Air Force Mulls B-52 Upgrade Effort 米空軍がB-52改修事業を検討中

Aug 24, 2018Lee Hudson | Aerospace Daily & Defense Report

B-52: USAF

空軍はB-52J型改修案を正式決定するようだ。ティカーAFB(オクラホマ)で機体改修案を8月に業界へ事前説明した。Aerospace DAILYが説明会の概要を入手した。
ランス・レイノルズ大佐(B-1およびB-52システム事業主幹)は参加各社にB-52Jは「将来につながる事業」と説明したことが当日のプレゼン資料からわかる。これまでも改修案推進派はB-52Jの呼称を使っており、とくに「重武装機」構想が2016年に浮上していた。だがティンカー基地での配布資料が空軍発表文書でB-52Jの名称をはじめて使用した。
当日のプレゼンでは小規模な改修内容に焦点を当てており、防御装備、エイビオニクス近代化、衝撃に耐えるフライトデータレコーダー、ウェポンシステム訓練装置、高性能標的補足ポッド、射出座席に触れている。
空軍はこの新規事業について言葉を濁らせたままだ。空軍報道官カーラ・パンペは声明文で現時点でB-52Jの制式名称については何も知らないとAerospace DAILYに伝えてきた。

B-52J改修にエンジン換装が含まれるのか、すべてB-52Hからの改修となるのかは不明だ。■

★エドワーズAFBで目撃された謎の機体はB-21、それともRQ-180?

What’s this mysterious aircraft spotted at Edwards AFB? The secretive B-21 Raider, the RQ-180 drone or “just” a B-2? エドワーズAFBで目撃された謎の機体の正体は極秘B-21レイダー、RQ-180無人機、または「普通の」B-2なのか



Aug 24 2018 - 0 Comments


空軍は「標準型」B-2だというが、分析すると細部で違う機材の可能性がある。

上の写真は読者三名(Sammamishman, Zaphod58 and Fred )がパームデール=エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)を最近訪問した際に撮影したものだ。


三名は単なる航空マニアではない。航空業界や空軍基地周りで仕事をした経歴があり信用の高い人物である。それぞれ機材を詳しく観察しており高性能機材での撮影で知られる。そのひとりSammamishmanはトノバ試射場上空を飛ぶF-117の映像画像を送ってくれた人物だ。
.写真には未知の大型全翼機形状の機体が写り、地上電源と接続しエドワーズサウス基地のエプロンに2018年7月24日午後10時から翌25日午前1時の間駐機していた。
三名は空軍に撮影画像を送り極秘機材なのか尋ねDoDの検閲を受けた。数日たち空軍はB-2スピリットだと回答してきた。
「そういわれたがいくつかの点で納得できない」とSammamishmanはメールで伝えてきた。「当日夜の写真を見るとB-2のように見えるが精査すると機体の大きさと胴体構造はスピリットと異なるようだ」
三名は撮影した画像の解析を行い、それが正しければ、写っている機体はB-2ではない。




解析は画像合計40枚を元に、画像処理を行っているが10マイル超の場所から撮影したものだ。
ではなぜB-2ではないと考えるのか。
– 機体左右につくエンジンナセルの間隔、大きさ
– 機体上のコブがあるがB-2と一致しない
– 爆弾倉の左右扉が大きい。B-2では扉は小さくエンジンへのアクセスを考慮している
–.降着装置の形状が違う
– 主翼部が滑らかでカーブ形状が違う。B-2の主翼は厚みがあり角度によっては直線に見える
「地上電源車が隣にあり、それを尺度とすると(空軍はEssex B809B-1を使い、全長103’’である)、機体の全高を12.4′で主翼全幅は130’ぐらいとなる。B-2ではそれぞれ17’’、172’だ」とSammamishmanは説明。「B-2と翼端フラップが異なる。機体は夜間しか外に出ていない。翌朝にB-2と同じなのか検証しようとしたら機体はそこになかった。このことからB-2ではないと推定される。B-2の地上テストを夜間早朝限定で行うのは妙だ」


Essex BD電源車を測定基準に使うと機体の寸法がわかる


では推測してみよう。初見ではB-2に見えるが、遠距離撮影でぶれがあるものの解析すると別の機体だろう。機体寸法以外にも細かい点で標準型スピリットステルス爆撃機との相違点がわかる。たしかにエンジンナセル(ナセルだとして)の配置と寸法は違う。

なぞの機体はB-2に似ているが読者から相違点が指摘されている。

翼幅が130フィート(あくまでも推定)であればB-2ではない。では正体はなにか。
可能性はいくつかあるが機体寸法推定、活動場所、時間帯から確度が高いのがB-21レイダー爆撃機だ。次世代長距離ステルス爆撃機となる同機は試験用にエドワーズAFBに移動すると見られている。(そういえばB-21合同試験飛行隊のパッチが数ヶ月前からeBayに出品されていた)またB-21の概念図を見るとB-2と共通点が多々あり、エンジンナセルの位置もそのひとつだ。図ではB-2そっくりだが大きく違うのはレイダーの後縁部がW形状になっており、スピリットのノコギリ状形状から進歩している。


B-21レイダーの想像図 (Wiki/NG)

B-2の翼幅は172フィートでB-21の要求ペイロードはB-2の三分の二から半分程度とされる。このためレイダーは翼幅も小さくスピリットより軽量だろう。
こうした情報をあわせ寸法推定が正しければ、ノースロップ・グラマンB-21の実機を目にしていたことになる。

The location of the aircraft was: 34.903609, -117.873366
Our reader’s view spot was here: 34.761176, -117.800955


可能性が低いのはノースロップ・グラマンRQ-180だ。
Aviation Week & Space Technology誌2013年12月9日号でペンタゴン担当編集者エイミー・バトラーと上席国際防衛担当編集者ビル・スイートマンが連名でRQ-180の存在を明かした。極秘ステルス無人航空システム(UAS)として情報収集監視偵察(ISR)任務につく同機は米空軍で2015年から供用開始と見られていた。
ノースロップ・グラマンが2008年から開発したRQ-180は「敵優勢」あるいは「航空優勢が確立されていない」空域での運用を想定し、非ステルスのRQ-4グローバルホークが「優勢な」空域運用の想定であるのと対照的だ。
AWST誌でスイートマンとバトラーは「グローバルホークとほぼ同じ機体外寸と飛行時間の機体で、グローバルホークは32,250 lb.で基地から1,200 nm離れた地点で24時間滞空可能だが、小型のRQ-170では滞空時間が5-6時間しかない。ノースロップ・グラマンが得意とする「角型凧」の形状でX-47Bに似て強い後退角のついた主翼の間の機体本体は長く、主翼は細い。ノースロップ・グラマン技術陣は「角型凧」形状は拡大可能であると認めている。B-2では後縁部が異なる。RQ-180の機体部分の長さや容積は車両を上回る」と述べていた。




.Aviation WeekはRQ-180のコンセプト図(上)を掲載したが今回の読者による報告と異なる。
とはいえ、画像の質を見ると同機が新型ステルス無人機であった可能性を完全に排除できない。機体上のコブ数点はB-2と似ている。


2012年の特許申請で有名になったノースロップ・グラマンによる構造図は爆撃機にも輸送機にも発展できる形状となっており、B-2、X-47Bの両方に似ている。これがRQ-180ならエドワーズ基地で見つかった機体は別の新型のステルス無人機なのか。

ノースロップ・グラマンは2012年に爆撃機、輸送機に転用可能な機体の特許を交付されている。 (Credit: U.S. Patent Office via AW&ST)

.筆者としては画像を最初に見た際にはB-2だと思ったが、よくよく見るとさらにSammamishamの解説を読むと疑わしく思えてきた。皆さんはどう思うだろうか。B-2なのか別の機体なのか。ぜひコメントをお寄せいただきたい。■


Image credit: Sammamishman, Zaphod58 and Fred for The Aviationist

うーんこういう謎の機体トピックはたまりません。10マイル先からこんな写真が撮れるんですね。ビックリです。機材が進歩してきて機密保持が大変になってきましたね。では正体は? B-21がすでに完成しているのでしょうか。B-21自体が無人有人両用の設定なのでRQ-180がB-21である可能性もあるのでは。すぐにも正体が明らかになるとは思えませんが当面想像力がたくましくなりそうです。しかし米国の航空マニアの層は厚いですね

2018年8月27日月曜日

歴史のIF(5) B-52がなかったら米空軍はどうなっていたか

歴史のIF(5)----B-52が初飛行したときに生まれている人がこれから減っていきますが当の同機は2050年代まで稼動するとは恐れ入ります。米国としても投資効果が史上最高の機体になりますね。ではそのB-52が生まれなかった世界はどうなっていたでしょうか。


The Air Force Would Have Serious Problems if the B-52 Bomber Never Happened B-52がなければ米空軍は大変な状況だったはず

Image result for B-52H wikipedia

ーイングB-52ストラトフォートレスは1955年以来米国の国防最前線で飛び続けている。当初はソ連への戦略核兵器投下が役目だったが、ソ連崩壊後もミッションを実施している。

これまでミッションの範囲が広がり、ヴィエトナムでは通常爆弾で戦略爆撃を、ソ連海軍には対艦攻撃を、イラク軍には通常弾で阻止消耗攻撃を、その他テロ対策で破格主任務もこなしてきた。現時点ではB-52はB-1BやB-2退役後も供用され、また初飛行時に生まれていない人が大多数となっているが2050年を過ぎて最終的に退役する予定だ。

だがそのBUFFが米空軍とその他軍の間で繰り広げられた調達をめぐる争いに敗れていたらどうなっていただろうか。
米空軍さらに米軍全体としてB-52が生まれなかった場合の穴をどのように埋めていただろうか。

第二次大戦終結してほどない時期に爆撃機構想が多数生まれた。米陸軍航空軍(まもなくUSAFになった)は戦時中はB-29生産に集中するため新型爆撃機の開発を凍結していた。

ジェット推進方式や核兵器の登場で調達そのものに変化が生まれ、ピストンエンジン方式のコンベアB-36ピースメーカーが大陸間戦略爆撃機として唯一の存在だった。だがB-36の開発開始は1940年代初頭でドイツ攻撃を念頭においた機体でジェット時代についていけないのは明白だった。このためUSAFにはピースメーカーを整備しながら並行して新型機開発が必要だった。その後B-52になった機体の原型は1945年末に設計図としてあらわれた。

B-36, Wikipedia

B-52設計案はその後二年間で大幅変更を受け、直線翼のピストンエンジン爆撃機から後退翼ジェットエンジン爆撃機になった。だが1947年12月にキャンセルになるところだったのはコスト超過とともにエンジンで不安が生まれたためだ。その他数社も実用化はともかく代替提案を示し、ストラトフォートレスの生き残りは疑問視された。

B-52がキャンセルされていればUSAFは苦しい立場に追いやられていただろう。

B-36は初号機が工場を出た段階ですでに陳腐化しており、短距離しか飛べない戦闘機を爆弾倉に搭載するなど対策が必要となっていた。ソ連迎撃機はピースメーカーをやすやすと餌食にしたはずで、このためカーティス・ルメイ司令官は朝鮮戦線への同機投入をためらった。

USAFには中距離爆撃機としてボーイングB-47ストラトジェット、B-50(B-29改良型)があった。それぞれ航続距離やペイロードに制約があったが、海外基地の利用や空中給油によりソ連国内の目標への到達は可能だった。コンベアB-58は1960年に供用開始となったが、総合的に及第点しか取れない機体だった。つまりピースメーカー後の中距離爆撃機では戦力不足だったろう。
YB-60 Wikipedia


USAFはB-60に期待したかもしれない。コンベアがB-36をジェット推進式にした機体でB-36と機体に共通点が多々あった。機体の大きさや操縦性の不足などだ。B-60はB-52より爆弾搭載量が大きいものの速力が低かった。史実ではB-60は試作機一機が初飛行したが不採用となった。B-52がそれだけ期待にこたえる存在だったためだ。ただしB-60はB-36と部品多数を共用していたためストラトフォートレスより低価格になるはずだった。

だがB-60ではソ連がSA-2地対空ミサイルを稼動させた後の状況に適合するのが大変だったはずだ。機体の大きさのためB-52でその後実現した低空侵入飛行ミッションは苦手で、電子装備を搭載する余裕が機内にあったことは利点となっただろう。総合すると空軍がB-60を長期稼動させていたとは考えにくい。


空軍はB-70推進に傾いた。国防総省がB-70をキャンセルしたのはソ連の防空技術の進展が理由だったが、B-52が満足できる結果をだしていたためもある。戦略爆撃機で穴が開いていればB-70が実現した可能性は高かっただろうが、SAMや高速迎撃機の存在は大きかった。B-70にはB-52並の柔軟性が欠如していたため、BUFFと同じミッションの実施は容易でなかったろう。

USAFが外国機材調達に傾いた可能性がある。USAFはイングリッシュエレクトリック製キャンベラをマーティンにB-57としてライセンス生産させ1950年代の中型爆撃機不足を補ったが、米企業の設計案不足をそのまま英国機でカバーしたとは思えない。ただしアヴロ・ヴァルカン、ハンドレページ・ヴィクター、ヴィッカース・ヴァリアントにはそれぞれ米国中型爆撃機にはない長所があったし、ペイロードはB-52やB-60に匹敵するものがあった。

さらに空軍は核兵力整備では弾道ミサイル開発に努力を振り向けていた。有人爆撃機に対して弾道ミサイルには大きな利点があり、USAFの組織文化を変えていった。ソ連の統合防空体制が整備されたことでUSAFもミサイル依存を高めていき、当然その他装備の調達に影響が出た。

B-52はその他の爆撃機でできなかった仕事をこなしていった。ミサイル時代でも十分役割を果たしており、長距離低空侵攻戦略爆撃機として、大量通常爆弾の搭載機として、その他長距離軍用機として活躍した。B-52後継機の中で同様の働き振りを示した機材はない。
B-52が存在していなければヴィエトナム戦の余波で生まれた戦闘機出身将官の興隆で戦術機材重視の流れがいっそう強まっていただろう。B-60あるいはB-70(またはその双方)が第二次大戦同様の編隊飛行でハノイをラインバッカーII作戦で爆撃していたら当惑する結果になっていたはずで、爆撃機至上主義者でさえ勘弁してほしいと思う事態だっただろう。1970年代に入りネット評価が実用化されて戦略爆撃機部隊に新しい意義が生まれたとはいえ、爆撃機推進派は依然として強力でB-1Bを実現させている(あるいはその前身のB-1Aも供用されていたかも)が、B-52不在で生まれた穴の多くはミサイルや戦闘機が埋めていただろう。

米国がB-52調達に向かわなかった可能性を考えるのは困難なほどだ。ただしその場合は空軍全体や国防総省に波及効果が生まれいたはずだ。B-52が通常型核運用の双方で使えなかったら空軍の姿も変わっていたはずだ。B-70ヴァルキリーが今も供用中だったかもしれない。B-1Bランサーは生まれていなかったかもしれず、B-60が形を変えながら今も供用されていたかもしれない。■

Robert Farley , a frequent contributor to TNI, is author of   The Battleship Book .