2019年2月28日木曜日

F-35で北朝鮮ICBM迎撃は可能?

興味深いのですが本日(2月28日)、NHKがハノイからの中継でトランプ金会談を鳴り物入りで報道しているのに対しCNNやBBCでは米国内でのトランプ追求の議会公聴会がトップでした。トランプの命運も尽きるかも知れません。そんな米国内事情には日本人が関心を示さないとNHKは判断しているんでしょう。日本人の多くは会談にいくばくかの期待をしているのでしょうね。とくに平和愛好家の皆さんはうまくいけばこれで「軍備不要」とまで言いかねない勢いになりそうです。しかし、現実はそんなお花畑ではなくこんな検討も進んでいるわけです。それに自衛隊始め不測の事態に備える人たちが入るから平和が維持できているのですよね


The F-35s Next Mission: Killing North Korea's Nuclear-Tipped ICBMs? F-35の追加ミッションとして北朝鮮の核ICBM撃破は可能なのか

Is that possible?
February 27, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35MilitaryTechnologyWorldStealth



防総省がF-35戦闘機を北朝鮮国外の空域に待機させ北朝鮮の大陸間弾道ミサイルを発射直後に破壊する構想を検討中とロイターが伝えている。
構想は北朝鮮ICBMの迎撃方法として中短期的に可能と考えられていると記事にあり、ドナルド・トランプ大統領が金正恩とベトナムで会談する一方で北朝鮮の核兵器ミサイルの関連で真剣な検討が続いていることを示す。
ペンタゴンはミサイル防衛戦略を前から検討しており、1月に出たDoDのミサイル防衛検討案で興味深い選択肢の説明がある。Defense Oneが無人機にレーザーを搭載する案やF-35を改装しミサイル防衛にあてる構想を紹介している。
検討案では「弾道ミサイルを打ち上げ加速段階で迎撃する手段のテスト開発を求めている」とDefense Newsも伝えている。「またF-35の搭載センサーで移動式ミサイル装備の追尾探知をさせる案もあり、北朝鮮が目指す戦略の中核への対応をめざす」とある。
ただし現時点では構想はまったくの空理空論だ。F-35をICBMキラーにするためには「高速飛翔可能な迎撃ミサイルが必要だがそれだけの速度だとミサイル自体が溶融してしまい、現行の装備品技術でミサイルに対応するには敵領空内を飛行せざるを得ない」と専門家がロイターに語っている。
ただし可能性はあり、それは報告書でも触れているふたつの要因を実現することだという。無人機搭載レーザー構想をF-35に搭載することだ。
構想自体は前からあり、ミサイル防衛庁はボーイング747搭載の空中発射レーザーによるICBM迎撃をテスト中止している。「あまりにも高額でありながら取扱が困難」なためだった。指向性エネルギー兵器は機構が複雑になりがちで開発予算も不足しているのは空軍特殊作戦軍団用のAC-130Jゴーストライダーガンシップ事業で明らかだ。
だが2017年にF-35のメーカーロッキード・マーティンに指向性エネルギー兵器の搭載可能性を研究する契約が交付された。これは空軍研究本部が進める防御用高エネルギーレーザー実証の一環だ。26百万ドルで戦闘機搭載レーザーの試験装置を2021年までに完成させる。
「音速飛行中の機体から光速で発射しますが、標的も超音速で飛翔しているはずです」とロッキードでレーザー兵器開発の主任研究員ロブ・アフザルがWiredに語っている。「装置の強靭化が不可欠ですね」
ただしレーザー装備のF-35Bが北朝鮮領空付近を飛び、発射直後のミサイルを破壊する絵は構想段階のままだ。たしかにF-35は実戦能力は予定の姿に近づいているが、技術問題、信頼性問題が浮上しておりF-35への指向性エネルギー兵器搭載の実現は遠のいているのが実情だ。■

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パキスタンがインドMiG-21を撃墜、心配なインド-パキスタン軍事衝突の最新状況


Indian Air Force MiG-21 Bison Shot Down By Pakistan Air Force Jet パキスタン空軍機がインド空軍MiG-21バイソンを撃墜


インド空軍のMiG-21バイソン (Image credit: Jyotirmoy Moulick)

ンド空軍IAFがMiG-21一機の喪失を認めた。カシミールの休戦ライン上空で発生した交戦でパキスタン空軍PAFに撃墜された。MiG-21パイロットは身柄拘束されている。
今回の交戦はIAFのミラージュ2000編隊が休戦ラインLOCを超えてテロリスト拠点があるバラコートにイスラエル製SPICE2000 EO/GPS誘導スタンドオフ方式の2000ポンド精密誘導爆弾を投下した翌日に発生した。
交戦の実態は不明だ。
IAFのMIG-21はPAFが同日午前に空爆したことに呼応して出撃した。パキスタンによればIAF戦闘機2機がLOCを超えて侵入しPAF戦闘機がパキスタン領空内で迎撃しすべて撃墜したという。
In response to PAF strikes this morning as released by MoFA, IAF crossed LOC. PAF shot down two Indian aircrafts inside Pakistani airspace. One of the aircraft fell inside AJ&K while other fell inside IOK. One Indian pilot arrested by troops on ground while two in the area.

インドは戦闘機一機の喪失を認めた。さらにインドによればMiG-21がパキスタン戦闘機を撃墜したという。ただし裏付ける証拠はまだない。
· 16h
Govt confirms 1 PAF fighter shot down by MiG-21 Bison. In this engagement, 1 MiG-21 lost, one pilot missing in action. Govt takes no questions.
Here’s the full statement from the @MEAIndia just now: pic.twitter.com/6Un3cwg0T5
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インド空軍の輸送ヘリコプターMi-17V-5の墜落現場の写真がソーシャルメディアに出ているが、現時点で同機が撃墜されたのかは未確認だ。
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2 pilots dead in Mi-17 crash near Srinagar airport; flight ops suspended



またこれも未確認だがバイソンを撃墜したのはF-16との説とJF-17サンダーとの主張もある。
JF-17は軽量単発の多任務戦闘機でパキスタン航空工業と成都航空機の共同開発。第四世代機とされるが、事実ならJF-17初の撃墜事例となる
パキスタン空軍のJF-17サンダー (Photo: PAC/CAC)

一方で今回のMiG-21バイソンは性能改修型だ。設計は旧式だが低レーダー探知性、旋回性能、加速性能が優れ、ヘルメット搭載視認装置で視程外対応R-73対空ミサイルを運用し、相当の戦力となっており新鋭機にとっても強敵だ。

いずれにせよ、現時点ではソーシャルメディアで激しい宣伝戦となっており、映像も加工され、未確認の発表等にあふれている。インドとパキスタン間の緊張は現地で小競り合いが発生しており統制がとれなくなりつつあり、エスカレーションの危険をはらんでいる。■

2060年代まで第一線戦闘機として使いたいUSAFの期待にF-22は応えられるか

米国の国防戦略構想で中国、ロシア相手のハイエンド戦が前面に出てきましたが、現時点のF-22が第四世代機より見劣りする面があり、しかも機数があまりにも少ないのは痛いところでしょうね。生産ラインを早期閉鎖してしまった決定を悔やむことになるのか、F-35/F-15Xの組み合わせで今後踏ん張るのか、苦しい状況になりそうです。


The F-22 Raptor: The World's Most Dangerous Fighter Jet Until 2060?

F-22ラプターは世界最強戦闘機として2060年まで活躍できるのか
February 23, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-22 RaptorF-35U.S. Air ForceStealth Fighter
こに来てF-35とF-15Xに関心が集中しており、米空軍の主力航空優勢戦闘機であるF-22ラプターの存在が霞んでいる観がある。
ラプターは2000年代初頭の就役時には世界最高の戦闘機と言われていたが、センサー、レーダー、データリンク各技術はその後も改良されてきた。
ただしラプターが受けてきた改修はF-15やF-16より小規模で今や時代遅れの部分もある。たとえばF-16、F-15、F/A-18にはJHMCSミサイル誘導技術が搭載されており、パイロットは敵機の方向を見ればロックされる。だがF-22には同技術は導入されていない。
USAFはソフトウェアでF-22性能改修を目指し、同機は搭載センサーの活用度を引き上げているが、ハードウェア改修は小幅だ。センサーやレーダーの性能向上と小型化が進む中でこの方針でいいのか。
答えは複雑だ。F-22の機体はUSAF機材中で最も高性能の「シャーシ」であるが、偏向推力とスーパークルーズ性能、ステルス性のためセンサーの追加装備はポッドも含めステルスを犠牲にしない限り困難であり、性能改修の可能性を狭めている。また2011年に生産ラインが閉鎖されたことも性能改修で制約条件になっている。
そこで米空軍はこの解決をどう目指すのか。F-22での最新の性能改修は二段階で、ベイスライン3.2Bと性能改修6のふたつだ。目標は最新の空対空ミサイル搭載とネットワーク戦能力の向上にある。
AIM-9XおよびAIM-120D空対空ミサイルをF-22搭載のエイビオニクスで運用可能とする。AIM-9Xは2014年から運用を目指してきたが改修作業は先送りされてきた。
ミサイルは2017年に搭載可能になったが本来一緒に運用するはずのJHMCSが搭載されていない。最新改修でJHMCSに似たヘルメットがF-22で利用できるようになる。逆にUSAF、米海軍ではAIM-9XとJHMCSの組み合わせを2010年代初頭から使っている。
F-22改修に暗号化技術が加わる。これは敵の電子戦環境でも問題なく作動するものでLink-16「送信」モジュールでF-22も他機種のレーダー等標的情報を共有しながら送信できるようになる。これまではLink-16「受信」モジュールのみ搭載されていた。
F-35が優れたセンサー性能で戦場の様相を伝える標的機の役目に成功をおさめたことでUSAFもF-22のデータリンク改修に踏み切ったのだろう。
新型データリンクとミサイルの組み合わせでF-22は性能改修型の第4世代機と兵装・ネットワーク機能で互角になる。F-35はセンサー性能で先を進むことに変わりはない。
F-22センサー改修の予算確保は2020年代に実現の見込みで電子光学モジュールとしてF-35のEOTSやDAS装備に近いものが搭載され、高度のジャミング環境でも支障なく運用できるようになる。これはF-15Xの性能を意識したものだ。
イラク、アフガニスタン両戦線でF-22はF-35の前に精細を欠いていたが今や超大国間対決が再び脚光を浴び性能改修が必要との意識だ。
実は性能改修は2013年から企画されていたが、最近になり予算化され、2019年度予算で高い優先順位がついた。すべて順調ならF-22は2060年代まで航空優勢の実現の尖兵となり、現在計画中の第六世代戦闘機と交替することになる。■
Charlie Gao studied Political and Computer Science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national security issues.

Image: Wikimedia

2019年2月27日水曜日

インド、パキスタン武力衝突の影響が民間航空に早くも出ています 該当地区への旅行は要注意

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に

キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に


27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キイスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に


27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねて

27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。
インド民間航空局はNOTAMでアムリスタAmritsar、ジャンムJammu、カングラKangra、クルマナリKullu Manali、クショク・バクラKushok Bakula、パタンコートPathankot、リムポチーRimpochee、シムラShimla、スリナジャールSrinajaの8空港は現地時間11:30をもって「運用上の理由により」すべての出発到着便の取扱を中止すると通達した。
IndiGo,Vistra,SpiceJetの各社は上記空港への便を停止したと確認している。IndiGoではチャンディガChandigarhとデラドゥンDehradunでの運航も中止している。
インド当局のNOATAMはインド空軍機がパキスタンが実効支配するカシミール地方に侵入しテロ集団の訓練キャンプを空爆した2月26日の事件を受けて発信された。
パキスタン政府はインド軍用機2機をパキスタン領空内で撃墜したと本日発表した。■

速報 2月26日インド空軍のパキスタン領内テロ集団本拠地空爆について


Everything We Know About The Indian Air Force Mirage 2000 Air Strike In Pakistan


インド空軍ミラージュ2000によるパキスタン空爆で判明していること


インド空軍のミラージュ2000の2機編隊がパキスタン領内を空爆した。
(Image credit: Indian Air Force) 2機は境界線を超えパキスタン国内のテロリストキャンプを空爆した。


2019年2月26日早朝、インド空軍はインド-パキスタン国境の境界線を超えテロ集団の本拠地を空爆すべく出撃した。空爆は12日前に発生したCPRF(インド武装警察)隊員40名を殺害した自爆攻撃への報復だった。

India Todayによればミラージュ2000はグワイロール航空基地を離陸し2,000ポンド爆弾とライテニング照準ポッドを搭載。E145早期警戒機が指揮統制任務に、Il-78ミダス空中給油機も支援にあたった。またヘロン無人機も投入され、空爆前の情報収集と空爆後の戦闘損害評価(BDA)に用いられたようだ。

空爆は21分に及び、ミラージュ2000編隊は境界線を低空で通過し、現地時間 3:30AMごろパキスタンのバラコット付近の目標に到達し、イスラエル製SPICE 2000 EO/GPS誘導2,000ポンド爆弾を投下した。

SPICEは最大射程は200 kmのPGM(精密誘導弾)で座標情報が事前に把握されていた標的を相手に投入したのは興味深い。さらに当日の現場天候は曇天と伝えられており、これがLGB(レーザー誘導爆弾)ではなくGPS誘導爆弾を選択した理由なのだろう。

ツイッター上には以下の投稿が出ており、今回のミッションと兵器投入に関し興味深い詳細面が見える

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It’s the Israeli SPICE 2000 that the IAF’s Mirage 2000s launched in numbers at the Jaish-e-Muhammad facility in Balakot, Pakistan this morning, as reported first by @VishnuNDTV. Great thread here by @zone5aviation on why this was a perfect weapon choice: https://twitter.com/zone5aviation/status/1100380613050335232?s=21 … パキスタンのバラコットにあるジャイシュ-エ-ムハマド施設にIAFのミラージュ2000が投下したイスラエル製SPICE2000.


The Pakistan Air Force scrambled its F-16s following the intrusion.
Indian Air Force violated Line of Control. Pakistan Air Force immediately scrambled. Indian aircrafts gone back. Details to follow. インド空軍機が境界線を侵入したため直ちにスクランブル出撃したがインド機は引き返していた。
Later another Indian Air Force E145 AEW could be tracked online as it probably provided airspace surveillance in the aftermath of the raid: その後インド空軍所属のE145AEWの飛行経路がウェブで確認でき、おそらく空爆後の監視情報収集にあたったのだろう。
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Airborne Early Warning eyes in the sky up over New Delhi

🇮🇳 Indian Air Force
A Pakistani drone was shot down later on Feb. 26, as it conducted a reconnaissance mission near the border. 2月26日にはその後パキスタン無人機一機を撃墜した。同機は国境付近の偵察行動をしていたと思われる。
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A Pakistani drone on a reconnaissance mission was shot down early this morning in Kutch area of Gujarat by the Indian Army using Israeli Spyder air defence missile system, sources said. パキスタン無人機はグジャラート州でインド陸軍がイスラエル製スパイダー対空ミサイルで撃墜したと言われる。

Needless to say, according to the Indians, the airstrike was a success whereas to the Pakistan Armed Forces spokesperson, the Mirage 2000 did not hit their targets. インド側は今回の空爆を成功ととら得ているがパキスタン軍報道官は攻撃は標的を外したと発表。
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Payload of hastily escaping Indian aircrafts fell in open. インド機が慌てて発射したペイロードは関係ない場所に命中した


本件について詳細が判明次第またお伝えしたい。■