2019年6月30日日曜日

6月30日ヘッドラインニュース

趣向を変えてヘッドライン型式にします。ここしばらく時間が取れなくて全文掲載ができなくなっているためです。ご了承ください


ロシアがイスラエルGPSをシリアから妨害
米研究者によればロシアがシリアのフメイミム航空基地から強力な妨害電波を出している。
Vladimir Putin in Khmeimim Air Base in Syria (2017-12-11) 11

信号はかなり強力で国際宇宙ステーションでからも探知できるほどだという。ベングリオン国際空港を離発着する民間航空機やキプロスのラマカ国際空港の業務への影響が懸念される


F-22部隊がカタールへ初の展開

米空軍はF-22をカタールのアルウデイド基地に展開していることw6月27日に認めた。.イラン対応を睨んだものであるのは一目瞭然ですね。
U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Nichelle Anderson

新型幾開発を加速化し、5年おきに登場させる
パリ航空ショーに異例の登場をしたローパー国防次官補が国防機材開発に参加kする企業数を増やし、新型機材をふやし、50年代60年代にXプレーンが毎年登場していたペースを再来させるとプレゼンテーションした。
NASA photo
A group shot of X-planes from 1953.




 

米海軍が議会に「バイアメリカン」条項の適用緩和を要求

米国製品優遇を進めるあまり必要な性能の実現と適正価格での購入ができなくなることを恐れている。背後には次期フリゲート艦FFG-Xで海外勢の建造提案が増えていることがあるのは明らかです




ロシアがAC-130並のガンシップ製造に動く

アントノフAn-12カブを改造し試験機とし57mm砲や小火器を搭載する。TASS通信が6月26日伝えた。ロシア軍では非誘導式装備への依存度が高く、いまさらガンシップを作っても一体どこで使うつもりなのか疑問でですね。



2019年6月25日火曜日

米軍の対イラン攻撃に投入される装備はこれだ

Here's What an Attack on Iran Might Look Like -- F-35, Tomahawk, B-2 イラン攻撃を想像する---F-35、トマホーク、B-2が投入されるのか

Which weapons would be best to attack Iran? Tomahawk, B-2 or F-35? イラン攻撃に最適の装備は何か

by

By Kris Osborn - Warrior Maven
Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute


ラン攻撃想定の詳細は当然ながら安全保障の観点から不明のままだが、計算された攻撃に装備が投入に適す装備がどれかで疑問が生じている。潜水艦あるいは水上艦からのトマホーク発射、それともステルスのB-2さらにF-35も出番があるのか。

広い意味で「第一撃」兵器とされるトマホーク巡航ミサイルにはユニークな長所が数々ある。まずなんといっても射程900マイル超もありながら攻撃側にリスクが皆無な点だ。実に精密かつ効果的な攻撃効果を固定式の敵ミサイル陣地や対空装備に与えることができる。GPS誘導や双方向データリンクで最新のブロックIVトマホークなら飛翔中に新たな情報が入ればコース変更も可能だ。無人機に似た空中センサー能力もあり目標周辺の状況把握も可能。ここ数年でリピア、シリア、イラクと第一撃攻撃に投入されている。海軍は巡洋艦、駆逐艦、攻撃型潜水艦から同ミサイルの発射が可能で、海軍はイラン小型舟艇の攻撃を排除できるもののトマホークの射程能力があれば敵の反抗ができない地点から攻撃を可能としてくれる。

冷戦時にソ連防空網を突破するべく開発されたトマホークは地上すれすれに飛翔し敵レーダー探知を逃れる。更に新型の海洋版トマホークでは移動目標も命中できるようになったがまだ実戦配備されていない。今回のシナリオではトマホークと飛翔制御可能な航空装備を併用し移動式防空装備などの動向を把握しながら攻撃すると思われる。

航空機では空軍、ペンタゴンはステルス爆撃機、新型「第5」世代機のF-35,F-22はハイエンド戦で「厳しい」環境で投入すべき機材としており、米側に航空優勢が得られない事態を想定している。そこでイランが移動式防空装備など攻撃の標的としては難易度が高い装備を稼働させれば米ステルス機が投入される可能性が高い。F-35が戦力化され、アフガニスタンで投入されているが、攻撃手段として効果を上げそうだ。イランにも高性能防空装備があるものの、ステルスのF-35などをトマホーク攻撃と併用してイラン防空体制の突破を図るだろう。

軍事行動は限定的攻撃でもまず防空体制や指揮命令系統の打破を図ることが多い。2003年のイラクの自由作戦でも航空対抗措置の排除を真っ先に狙った。空母からのF-18、地上基地を発進するF-15はこの任務を完璧にこなすだろうが、イランでは第4世代機の投入は少ないはずだ。イランの防空能力の実態がよくわからない。2015年にロシアのTASS通信の配信ではS-300をイランに売却したと確認しており、このうち何基稼働可能か不明だ。S-300に加えS-400も導入されていれば相当の驚異になる。最新の防空装備はネットワーク化されデジタル演算能力があり従来より広範囲のレーダー周波数を利用し有効射程も伸びている。
ロシアのS-300s - TASS

ステルス爆撃機B-2はアフガニスタン、イラクで投入の実績があり、高高度で精密兵器を安全な距離で投下する攻撃が可能だ。それにとどまらずステルス性能を生かして敵探知を逃れることも可能だ。ここにステルスF-35が加われば「センサー融合」機能を活用し標的情報、センサーデータや兵装運用がネットワークされパイロットは急速に変化する状況も把握できる。さらにF-35の電子光学標的捕捉システムEOTSと分散開口システムセンサーは第四世代機より長距離で有効な性能を誇る。F-35は敵標的の捕捉・破壊をめざして開発されており、敵に気づかれる前位破砕し、敵が手を出せない距離からの攻撃が可能だ。JDAM共用直接攻撃航空爆弾の性能は実証済みで空中投下爆弾として投入されるのではないか。

いかなる形の攻撃であれ情報の質が鍵を握る。高精度の映像が無人機経由で手に入れば標的識別が鮮明になる。トマホーク、B-2の双方で必要になろう。ただしSIGINT等のその他情報手段も戦況の変化や対象目標が移動する中で必要となるので低空飛行無人機や第5世代機がこうした情報の提供手段になるはずだ。■

Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute
Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has a Masters in Comparative Literature from Columbia University.

2019年6月24日月曜日

第六世代戦闘機に必須の技術要素はこの4点だ


America's 6th Generation Fighter Could Be Everything: 4 Things It Must Haveアメリカの第六世代戦闘機に必須の性能4点はこれだ

国が第5世代戦闘機F-35ライトニングの本格稼働に向かう中、フランス、ドイツ、日本、英国は一気に高性能の第六世代機開発を検討している。
第六世代機の姿がどうなるかまだ断言できないが第一線配備は2030年代後半から2040年代になるはずである。ただし、第六世代機には新技術が盛りだくさん搭載されるはずだ。
軍事装備開発の常として軍と産業界で次代の先導権争いがすでに始まっている。米海軍、空軍は別の第六世代後継機構想をFA-XX並びに侵攻制空戦闘機構想として業界に提示している。
F-35で海軍、空軍それぞれの要求内容の調整に苦労した挙げ句、部品数で共有化は2割にとどまった経験から両軍ではライトニング後継機を共通機種にする動きは皆無に近い。PCAは長距離援護機としてB-21レイダーとともに敵空域に侵入し敵戦闘機の脅威に対抗する構想だ。FA-XXは敵爆撃機やミサイルから空母の防御を期待される。
F-35では攻撃能力を空対空戦能力より優先したが。第六世代機では制空能力能力を再び重視する。このため操縦性が重要になるのか、またはスーパークルーズ(長時間超音速飛行)を維持するのかは今後の議論の的だろう。 
だが以下4つの技術内容は空軍海軍で共有されそうだ。
1. ステルスを実現するレーダー断面積だけでは不十分
ステルス機への批判派にはセンサー技術の技術革新と戦術の進化でステルス技術の陳腐化は避けられないとの意見がある。
だが実際にはステルスが絶対的な技術であったことはない。ステルス機が探知不可能であったこともないし、逆にセンサーでレーダー断面積や赤外線でのステルス効果が無効にできるものでもない。
それでも懐疑派はステルス機が今後普及しても技術・戦術の整備で対抗策が出現するはずと主張する。低帯域レーダー、協調型交戦技術のネットワーク型複合レーダー運用、長距離赤外線捜索探知装備が今後実用化されるというのだ。
こうした技術の出現でステルスが即無効になるわけではないものの先進国における学士号のように戦術シナリオではステルスは当たり前技術となりそれだけで成功が約束されることにはならない。
端的に言って航空機があらゆる戦闘環境で生存するため必須の性能となってもレーダー断面積を小さくしても生き残りが保証されることにはならない。

2. 航続距離
第4世代機第5世代機として供用中の米軍機材は機内搭載燃料では戦闘行動半径が極めて限られてしまう。非ステルス機は外部燃料タンクや空中給油で飛行距離を伸ばす。だがこの解決策ではステルス機はレーダー探知を招いてしまう。
高精度の巡航ミサイル、弾道ミサイル、極超音速ミサイルが急速普及しすると駐機中機材が地上で撃破されたり支援装備が狙われる脅威が現実のものになる。第六世代ステルスジェットが沖縄の基地や南シナ海洋上の空母にわずか数分の警告でミサイル攻撃が空から降ってくる事態が発生しそうだ。
このため機内燃料搭載量を拡大し、基地施設を広く選択して安全かつ柔軟な新型機の運用が必要だ。結果として機体は拡大され同時にペイロードも大きくなる。
ただし機内燃料槽の大型化だけが解決策ではない。ステルス給油機やステルス増槽の開発も考えられる。またスタンドオフ巡航ミサイル、極超音速ミサイルが実用化されれば攻撃機材は防衛側の「バブル」空域の攻撃も可能となる。

3.無人機との共同運用
ステルス機と言えどもセンサーの性能向上の前に姿を隠すのが困難になっていくが、解決策はある。いさぎよく敵に姿を見せるのが安価な対策で、しかし数百個もの囮を放出し敵に本物の標的を識別できなくさせることだ。
米海軍のスーパーホーネットでブヨほどの大きさのパーディックス無人機103個を放出実験を行った。一分間でレーダーにはイナゴの大群のように写るようになった。
もちろん無人機を囮として使うためにはレーダーで戦闘機のように写るようにする必要があり、あるいは空軍のMALD-X無人囮装置のように高額なものになる。オーストラリア空軍は「忠実なるウィングマン」コンセプトで無人機を開発しセンサーや兵装と搭載しようとしており、必要ならミサイル迎撃にもあたらせる。
ただし将来の忠実なるウィングマンで性能をフルに発揮するには技術統合を進める必要があり、人工知能により有人機パイロットの負担を減らし、強靭なネットワークで妨害を受けない通信リンクを敵の電子戦環境でも確実にすることがその一例だ。
当然ながら将来のジェット機では電子戦技術に人工知能を応用して敵の妨害も図ることになるだろう。

4. 発電容量
ジェット戦闘機ではエイビオニクスが高度化するため機内発電容量の増強が必要となり、F-35の最新アップデートでも発電系統の効率向上がひとつのねらいとなっている。
エンジンメーカーも次世代エンジン開発では従来を上回る高出力発電にターボの活用で対応する必要が生まれる。
発電力の増強分はエナジー兵器のレーザーや高周波装備に使う。空軍はレーザー砲実験をF-15で2021年に予定しており、対空ミサイルの誘導機能を妨害する。ただしもっと強力なレーザーなら有効距離が伸び、高熱による破壊効果が生まれ事実上弾薬数の制限なく攻撃兵器に転用できる。
敵の実力が向上してステルスが切り札にならなくなっても、レーザーや運動エナジーで撃破が難しいアクティブ防御を実用化し、機材の防御策を追加すれば長距離センサーや対空兵装の進歩に対抗できるはずだ。■

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Borin

2019年6月23日日曜日

RQ-4Nはこうしてイランに撃墜された

A War Begins? How Iran Shot Down a U.S. RQ-4N Surveillance Drone イランは米RQ-4N偵察無人機をどう撃墜したのか。

June 21, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: IranU.S. MilitaryUAVsWarPersian Gulf

2019年6月20日早朝、イラン海沿いの街ゲロウクGerouk近くで移動起立発射トラックがミサイル3発を搭載するフェイズドアレイレーダーが捕捉した標的に角度調整していた。同地はホルムズ海峡で最も狭くなっている部分を見下ろし、眼前を巨大タンカーがペルシア湾からインド洋に出入りしていく。
標的機は大型米海軍無人機RQ-4N広域海洋監視無人機(BAMS-D)で翼幅35メートルとボーイング737に匹敵する。空軍でかつて供用したRQ-4Aを改装したBAMS-DはMQ-4Cトライトンの試作機だった。
RQ-4Nは海軍のVX-20試験評価飛行隊に所属し、アラブ首長国のアルダフラ航空基地を真夜中に発進したと言われる。離陸は専用パイロットが遠隔操縦し、ペルシア湾上空を時速350マイルと通常の航空機より低速で高度100千フィートの成層圏で飛行していた。
大型UAVの同期は南東に上昇し狭いホルムズ海峡を下図のように周航した。
同機の操作員は飛行高度を下げる調整を強いられた。赤外線センサーで船舶を探査、あるいは電磁ESMセンサーで近隣のレーダー信号を探知していたはずだ。
4:30 AMに北西に戻るとサヤード-2Cミサイル一本が発射され、マッハ4に加速された。
RQ-4にはAN/ALR-89防御装置一式が搭載され、レーダー警告受信機から操縦者に脅威の接近が知らされたはずだ。だがミサイルを振り切ることは不可能なままALR-89レーダー妨害装置を作動させていたのではないか。
対策をとっていても結果を不可避だった。サヤード-2Cミサイルの弾頭から破片が機体を貫通し、100百万ドルの同機はホルムズ海峡に墜落した。
イランはその後同機残骸を海上で回収したと述べてる。機体の調査結果はロシアや中国と共有されそうだ。
以上は米、イラン双方の情報をまとめたものだ。
ただし、一点が熱い議論の的となっている。イランは同機が「ステルスモード」になっていたと主張し、信号を発信させずにイラン領空に侵入しゴルクGhorukから35マイルのコーエモバラクKoh-e-Mobarak近郊で被弾したと述べている。
これに対して中央軍司令部は同機はイラン海岸線から21マイル地点のホルムズ海峡上空を飛行していたと主張しており食い違う。
グローバルホークはステルス機ではなくRQ-170ステルス機のように敵国領空に侵入することができない。RQ-170は2011年12月に操縦を乗っ取られイラン国内に墜落しているが、同機の標準任務は安全な距離から敵国を監視することに有る。
ポイントは米国無人機がイラン領空を侵害していない点ではなくそもそもRQ-4Nのような脆弱性の有る機材を領空に侵入させるはずがない点だ。
イランにはロシア、米国が原設計の防空装備を供用中
イラン革命防衛隊の航空宇宙防衛軍は各種地対空ミサイル装備を供用しており、おもに3つの種類に大別される。ロシアS-300、米ホーク、英レイピアの様な輸入装備。国内で輸入装備をリバースエンジニアリングで発展させたもの。そしてリバーシエンジニアリングした中国製品をイランでリバースエンジニアリングした装備だ。
イランのラード(「雷』)防空ミサイルはロシアのブク中距離地対空ミサイルのコピーでブクは2012年の軍事パレードで初めてその存在が知られたが、2014年のマレーシア航空MH117便を撃墜し298名の生命を奪ったことで知られる。この際はロシア陸軍の第53防空旅団がひそかにウクライナ東方に同ミサイルを持ち込んでいた。
イランがブクを輸入した事実は確認されていないが、ラードはブク-M2EK(NATOコードネームSA-17グリズリ)輸出型と類似しているように見える。
ラアドのタエルミサイルはブク-M-1-2の9M317ミサイルにほぼ同じで、有効高度は82千フィート、有効射程は31マイル、最高速度はマッハ4だ、
イランのメディアではラアド防空装備の各種型式を紹介しており、一般人には理解の混乱を招いている。最高性能を有すると言われるのはホルダド-3で名称は1982年にイラクから奪還したホラムシャール港に由来している。
ホルダド-3で発射可能なのがタエル-2Bミサイルだが別タイプのミサイルのサヤド-2Cは実は米国装備を原型としている。
1979年イラン革命の寸前に当時のイラン政府はRIM-66 SM-1海軍用対空ミサイルを輸入していた。
発射風景の写真ではSM-1から派生のサヤド-2Cの特徴の中間部分の延長が見られる。これは9M317が原型のタエル-2と大きく異なる。.
サヤド2Cはレイル発射指揮で射程46マイル、有効高度は100千フィートでRQ-4に充分対応できるが報道では同機はミサイル発射時点で高度をさげていた。
そうなるとイランはロシアが原設計のミサイル発射装置で米国でもともと開発したミサイルを発射してRQ-4Nを撃墜したことになる。
無人機攻撃は開戦を正当化できない
RQ-4N撃墜はイラン革命防衛隊によるペルシア湾での軍事活動の最新事例となりテヘランが米国による経済制裁の強化に忍耐を失いつつある状況の印だ。トランプ政権はイラン核合意から2018年に一方的に脱退している。
ただし中東では今回以外も米無人機の撃墜が相次いでいることに要注意だ。ロシアのパンツィール防空装備のメーカーからは2017年に米海軍のRQ-21ブラックジャック無人機をシリア・タルタス近郊で撃墜したと述べている。もっと最近ではイラン軍がMQ-9リーパーを携帯対空ミサイルで撃墜しようとしたし、イエメンのフーシ反乱勢力が2K12カブ(SA-6)で別のMQ-9を撃墜している。
偵察中の無人機の撃破しても開戦は正当化されない。この曖昧さを逆手に取ってテヘランは重要な米軍事装備を国際空域上空で撃墜したのか。
イランによる挑発行為は綿密に計算されていた可能性があるが、軍事衝突にエスカレートしかねないものだ。ブルームバーグは米軍が撃墜当日にミサイル発射地点の攻撃実施寸前まで言っていたと伝えており、タカ派の安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンが攻撃を進言したというが、実施寸前で命令が取り消されたという。■

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

2019年6月20日木曜日

2019年6月20日、イランが米グローバルホークをミサイルで撃墜

US: Iran Shoots Down Global Hawk; Second Drone Down This Month イランがグローバルホークを撃墜。今月に入り無人機撃墜は二機目

The Global Hawk was downed after two earlier shots at US drones in the region, and attacks on commercial shipping.

グローバルホーク撃墜に先立ち2機への攻撃は失敗していた。民間船舶への攻撃を監視していた。
By   PAUL MCLEARY
on June 20, 2019 at 8:07 AM
Global Hawk reconnaissance drone

6月19日夜、RQ-4Aグローバルホーク偵察無人機がホルムズ海峡上空でイラン軍に撃墜されたと米政府関係者が認めた。同地区で米イラン感で緊張が高まる中一連の事件が発生しているが最新かつ最大規模の事態となった。
同機は「国際空域でイラン軍地対空ミサイルに撃墜された」渡米中央軍報道官ビル・アーバン海軍大佐が声明文を発表した。
イランのイスラム革命防衛隊も同日早く声明文を発表しており、同機はイラン領空に侵入したためコウエモバラク地方近隣の空軍部隊が撃墜したとしている。
「イラン報道に同機がイラン上空に侵入したとあるが虚偽報道である」とアーバン大佐は説明。「国際空域を飛行中の米偵察機材への一方的攻撃だ」
RQ-4は最高性能の高高度無人偵察機であり、その任務は長距離ミッションで広範囲の偵察を行い、国際空域から対象国内部を監視するのが役目だ。
同機がイラン領空内に侵入したのか、公海上空を飛行していたのか別視点からの確認できない。
イランのマシュレグ通信は革命防衛隊に近いことで知られ、無人機はホルダドミサイルで撃墜したと報道している。2014年にその存在が判明した同ミサイルは射程95マイルで有効射程は30マイル程度といわれる。
今回の撃墜の前にペンタゴンはイランが支援するフーシ反乱勢力がMQ-4リーパーを撃墜したと認めており、これとは別にイランが地対空ミサイルを別のリーパーに発射舌がこれは失敗したとしていた。
フーシによる撃墜事案ではロシア製SA-6地対空ミサイルが発射されており、CENTCOMは「これまでのフーシの軍事力から一歩前進しているのがわかる」と述べていた。
6月13日の撃墜未遂ではイラン製SA-7ミサイルが発射された。今回の撃墜に使われたミサイルの種類は不明だが一つ確実なことがある。イランが発射したミサイルで130百万ドルのグローバルホークを喪失したことだ。■

2019年6月19日水曜日

1940年代末に米空軍はロボット爆撃機でソ連への核攻撃を想定していた




U.S. Air Force Considered Building Robot B-47 Bombers for One Reason 米空軍は無人B-47爆撃機でソ連攻撃を想定していた

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June 16, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-47Hydrogen BombsNuclear BombsNuclear Bomber


1949年末、米空軍はプロジェクト・ブラスリングを立ち上げB-47ストラトジェット爆撃機を遠隔操縦核兵器運搬手段に変えようとした。

空軍が無人核爆撃機の取得をめざした経緯はA History of the Air Force Atomic Energy Program: 1943–1953として空軍が当時検討していたた内容が機密解除で入手できる。結局、同構想は途中で中止されたが。


日本への原爆投下で第二次大戦が終了すると米国はより強力な水素爆弾の開発を開始しソ連を標的に想定した。

原子力エナジー委員会は核兵器開発を担当し水爆開発に走ったが。核兵器を運ぶのは空軍の役目なのに空軍は全く関与しなかった。

その結果、空軍は新型兵器の外寸や効果を教えてもらえず推測で運搬手段を整備することとなった。

当時は核兵器の効果を理解するものは皆無で、空軍のブラスリングに関する記録では立案者は水素爆弾は「森林を20マイルに渡り焼き尽くす地獄を作り出す」効果があり「小規模ハリケーンを呼び起こす」と想定していた。

空軍はパイロットが今後登場する爆弾を運べるのか、爆発後に生存できるのか疑い始めた。
空軍は大きな課題に直面した。10千ポンド兵器を4千カイリ先に運び、目標地点からニマイル以内で爆発させる任務を二年半以内に実現するのだ。

空軍はミサイル開発はデッドライン前に実現できるとは考えす、既存の爆撃機を無人機に改装する、いわば窮余の策を思いつく。

無人機にB-47を選んだのは比較的低コストで、頑丈で利用できるからだった。ブラスリングでは無人B-47の運用は三通り想定していた。

一つは完全無人機化して地上基地から制御する案で、もうひとつは乗員が離陸させてコースに乗せてから友好国上空で機外脱出するものだった。

最後がDB-47A制御機でMB-47B無人機を遠隔操縦する案だ。

標的地点で無人ストラトジェットは降下して自爆、あるいは爆弾を投下してから自爆するはずだった。

どこかで聞いた話だった。プロジェクト・ブラスリングには無人爆撃機攻撃の前例があったのだ。

第二次大戦中の米陸軍航空軍は無人爆撃機をアフロダイト作戦として運用を試みていた。極秘プランでは使い古したB-17やB-24に爆発物を満載しサーボモーターと無線制御装置を搭載しそばを飛ぶ母機から操縦し地上目標に突っ込ませる計画だった。

爆弾搭載機を離陸時はパイロットが操縦し、最初のウェイポイントで機体脱出しその後の操縦は母機に任せる構想だった。

1944年8月12日に悲劇が起こった。ジョセフ・P・ケネディJR(ジョン・F・ケネディ大統領の兄)がアフロダイトミッションで死亡した。

ケネディとウィルフォード・ウイリー注意はPB4Y爆撃機をRAFウィンファーティング基地のあるイングランド南部から離陸させ最初のウェイポイントを目指すはずだったが、離陸直後に爆発し両名とも死亡した。

だが爆撃機を十分信頼できる形で運用するのはアフロダイト作戦で難関だった。それから数年してブラスリングになったが空軍は調達部門がいつも経験する頭の痛い問題に直面した。

機体製造と改修を担当するボーイングと航法装置を担当するスペリーが対立し、お互いに情報を開示しなくなった。別の問題も発生した。既成品の自動航法装置で4千マイルの行程の制御は困難と判明した。またロボット機は妨害に弱いこともわかった。

空軍技術陣は後者については指向性アンテナ採用で緩和できると見た。

そして要求内容の変化がやはり発生した。1951年6月になるとロスアラモスの科学陣がH爆弾の寸法見積もりを変更してきた。

重量10千ポンドの想定が50千ポンドになり、全長は20フィート、直径6フィートになった。B-47はこの大きさも対応できるし4千マイルの飛行も可能だがそれは空中給油を受けて低空飛行した場合に限られる。最終的に別の技術開発によりブラスリングの課題は不要となった。

「核兵器の外寸が急速に小型化されたことと運搬手段の改良で爆発後の衝撃効果を回避する問題が解決された」とB-47の運用記録に詳しいシグマンド・アレクサンダー退役大佐が書いている。

オペレーションアイヴィー核実験が1952年に行われ原子力科学者には有人爆撃機で最新の核兵器を投下しても爆発前に安全な距離に退避することが可能と判明した。
プロジェクト・ブラスリングは幕引きとなった。空軍は1953年に同事業を終了し、実施していても効果の保証はなく当てにならない核兵器運搬方法になると見ていた。

無人B-47構想は放棄され、空軍は有人核爆撃機B-36の運用を続けた。

ライトパターソン空軍基地のライト航空開発センターがブラスリングの中心となっていたが無人飛行と航法の研究には戦略爆撃任務以上の意義があると確信しその後も研究を続けようとした。にもかかわらず空軍は研究活動を終了させた。

ごく最近までだ。今日の空軍は新型長距離打撃爆撃機の無人運用を模索している。同機は「任意有人機」と基本が無人機になるといわれ60年前にブラスリングで想定したB-47を思い起こす。■

This article by Adam Rawnsley originally appeared at War is Boring in 2014.