2020年11月20日金曜日

2020年11月17日、イスラエル軍がシリア国内で広範囲空爆を展開し、シリア国内のイラン軍を標的にした。

 IAF photo

ウヴダ航空基地から離陸するイスラエル軍のF-35I。

スラエルがここ数年で最大規模の空爆をシリアに加えた。国際原子力エナジー機関がイランで核物質貯蔵量が急増していると発表した直後のこととでイランの濃縮ウラニウムは2015年核合意時の12倍になっている。

イスラエル軍は滑空爆弾他「その他兵器」でゴラン高原からダマスカスにわたる標的8か所を撃破し、ダマスカス国際空港付近のイラン軍施設もそのひとつだった。ここはイラン軍高官の宿舎さらにシリア陸軍第七師団の指令所にもなっており、高性能地対空ミサイル発射陣地にもなっている。

イスラエル筋によればモスクワへのホットラインを使いロシア側に「空爆数秒前に」警告を伝えたという。

「IDF機はイランのクッズ部隊、シリア陸軍の軍事標的数か所を攻撃した。攻撃により倉庫、指令所、軍事施設、地対空ミサイル陣地に損害を与えた」とイスラエル国防軍は声明文を発表した。

今回のイスラエル軍の行動の理由について、消息筋はイスラエルとイラン間の緊張が高まり、さらにウラニウム濃縮を急ぐイランが「核爆弾製造にあとわずか」になったためだと説明している。

シリアの国営SANA通信社はシリア防空部隊が「イスラエルの侵略」を同国南部で食い止め、ミサイル数発を撃破したと発表。イスラエル筋によればシリアにはパンツィール防空システムがあるが、イスラエル空軍のスタンドオフミサイルを迎撃できなかった。

IDFで情報研究部門を統率していたエイモス・ギリードはシリアが自国内でイランに活動を許しており、イスラエルはイランの勢力拡大はこれ以上認められず、あらゆる手段をとる必要に迫られており、シリアが真意を理解しないと今後も同様の攻撃が続くと解説している。

イスラエル軍は今回の空襲への反撃はないとみているが、アイアンドーム対ミサイルシステムが同国北部に展開中で、地上部隊も警戒態勢を強めている。

はたしてこれはエスカレーションのスタートになのか。イスラエル筋によればイランが核合意に違反したためイスラエルの大規模作戦が「現実のもの」となったのだという。■


この記事は以下を再構成したものです。

Israel Kills 10 Iranians In Large Air Strike Against Targets In Syria

By   ARIE EGOZI

on November 18, 2020 at 11:09 AM


2 件のコメント:

  1. 写真奥に見える機体がF-16でなくタイフーンに見えますね。なぜイスラエルの基地に?
    イスラエルやトルコにとってはロシア製防空兵器はもはや敵ではないように見えますが、中国の防空兵器も多くをロシアから学んでいるはず。壊し方を教えてもらえない物でしょうか

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    1. >なぜイスラエルの基地に?
      この写真の初出は『ブルーフラッグ2019演習』の記事ですね。当時、イスラエルのウブダ空軍基地で、イスラエル、米国、ドイツ、イタリア、ギリシャの戦闘機が演習を行いました。
      件のtypoonは、方向舵の市松模様から伊空軍の「第18要撃戦闘機グループ」と推定され、この塗装は同飛行隊がF-104を装備していた時代のデザインを踏襲したもののようです。

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