2022年12月31日土曜日

米海軍の原子力潜水艦部隊は水中戦など軽視してきた分野で実力をふたたび涵養できるか

 

 

米海軍は、原子力潜水艦の運用と安全性で卓越した能力を手に入れたが、水中戦と航海術を犠牲にしてきた

 

米海軍の原子力潜水艦は、深刻な紛争になればディーゼル電気潜水艦と対戦する可能性があり、両形式の戦闘能力を比較することが不可欠だと思われる。潜水艦の技術的な優位性(ハード面)を比較することは有効だが、乗組員の相対的な能力(ソフト面)は無視できない。 

 米海軍潜水艦の士官は全員、原子力推進システムエンジニアとして訓練される。海軍原子力推進学校で6カ月、その後、稼働中の原子力炉で6カ月と米国で最も厳しい学習プログラムとして広く知られている。

 原子力訓練が終了すると、士官は12週間の潜水艦士官基礎課程に入り、潜水艦の運用、航海、水中戦の訓練を受ける。 

 潜水艦に残るためには、原子力推進主任技師の資格を取得し、原子力推進技師と戦闘員の両方の能力を維持する必要がある。この結果、士官は原子力推進システムの訓練(操作と負傷者対応)に時間の半分(あるいはそれ以上)を費やし、乗組員体は艦上演習の半分(おそらくそれ以上)を推進システム損傷対応訓練に費やすことになる。米海軍は原子力システムの安全性を非常に重視している。

 しかし、このような原子力運用と安全に関する訓練が航海や戦闘の訓練時間を奪ってしまう。海底環境での作業は、科学と同じくらい芸術的だ。海洋の塩分、水温、海底の輪郭、音の伝搬、ソナー操作、武器設定、戦闘情報システムなどを理解するには、非常に高いスキルが必要で、それ自体がフルタイムの仕事となる。このような環境での活動に不備があれば、平時の作戦でも深刻な結果を招き、戦時だとはるかに悪い結果を招く。

 原子力工学と潜水艦戦の戦術と航法の両方の能力を維持するには、どうすればよいのか。実際の戦時シナリオ米海軍は原子力の運用と安全性において卓越した能力を手に入れたが、水中戦と航海術の能力を犠牲にしていると申し上げたい。

 これは、すべての米軍潜水艦将校にとってフラストレーションのたまるジレンマであり、潜水艦部隊の保持問題に大きく関与している。米国が潜水艦艦隊を拡大しようとするなら、訓練済み人材の離脱を減らす必要がある。

 プロフェッショナルたるもの、1)自分のスキルに見合った十分な報酬を得たい、2)自分の仕事をうまくやり遂げたい、と思うものだ。海軍は、年次ボーナスで前者の問題に絶えず取り組んでいるが、後者は無視している。自分は優れた原子力技術者かつ優れた戦争遂行者だ

と語る潜水艦将校は稀だ。選択肢があれば、どちらかに特化したいと思うのが大部分だろう。また、(ほとんどの工学分野で必要とされる)微分方程式を解く能力がないため、機会を与えられていない優秀な潜水艦戦技官候補生もたくさんいる。

 工学と水中戦のスキルは、明らかに異なる。

 原子力推進に邪魔されないディーゼル潜水艦の乗組員は、航法や海中戦の戦術で、2倍の訓練を受けられる。合同演習で、原子力潜水艦は、ディーゼル電気潜水艦に対しあまり良い結果を残していない。

 これは重要な問題であり、容易に対処できるはずだ。米潜水艦部隊は、このような形で運用されている数少ない海軍の戦力組織である。英国とフランスの原子力潜水艦部隊は、原子力空母含む他のほとんどの米軍戦闘艦と同様に、工学と戦争の専門分野を別々としている。技術者は艦の推進システムなどを担当し、戦闘担当者は戦闘専門だ。

 米潜水艦の下士官乗組員は、技術系と戦争系に分かれている(主にダメージ管理のため、広範囲なクロストレーニングが行われている)。しかし、それに関連する問題がある。工学専門分野の優れた二等下士官(E-5、下士官)は、下士官の最上級当直である工学当直監理官(EWS)の資格を得られる。これは通常、4~6年勤務した後、つまりキャリアの初期段階だ。勤続8年目になると、限定勤務職員(LDO)プログラムに応募できるが、選ばれた場合は、潜水艦を去らねばならない。原子力LDO要員は潜水艦に配属されることはない。したがって、高度訓練を受け、やる気のある人が潜水艦に残りたい場合、技術分野での更なるチャンスはない。このことが、核兵器採用要員の定着問題の一因となっている。

 米潜水艦部隊の戦力はもっと良くなるはずだ。乗組員の仕事満足度ももっと高くできる。

 上記の問題はいずれも、極めて貴重な人材の損失と、米潜水艦部隊の戦争遂行能力の大幅低下の原因となっています。そして、潜水士官工学と戦争専門を分離し、潜水士官資格を持つLDOに、機関長までの潜水士官工学士官を認めれば、どちらも解消できるのである。

 こうした提言の実施は比較的容易だろう。原子力LDO は、すでに原子力空母の部門長を務めている。幹部候補生と司令官候補生に、原子力推進システムの運用と安全性を訓練するプログラムが既に実施されている。潜水艦の艦長候補(原子力訓練を受けていない戦闘士官)も、原子力潜水艦に配属前に同じプログラムに参加できる。これは、オーストラリアで開発されているAUKUS潜水艦計画の一部と推測される。工学と戦争の専門分野を別々に移行することで、米潜水艦部隊は英豪軍(および米艦隊の他の部隊)と整合性を保てる。

 最も重要なことは、これら提言により、技術部門と戦務部門の両方において、優れた訓練を受けた人材を確保できることだ。米潜水艦の乗組員は、実際の紛争でディーゼル電気潜水艦との遭遇を生き延びるため、より優れた戦士でなければならないのである。■

 

Navy Submariners Can Become Better Warfighters | The National Interest


by Joseph Payne

November 11, 2022  Topic: Submarines  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: U.S. 

 

Joseph Payne, P.E. is a retired U.S. Navy captain and Naval War College graduate. While serving aboard submarines, he served as Main Propulsion Assistant, Chemistry & Radiological Controls Assistant, Electrical Assistant, and Assistant Strategic Weapons Officer. He qualified as Naval Nuclear Propulsion Engineer and Trident Strategic Weapons Officer. After leaving active duty, he served as an Engineering Duty Officer (EDO) in the Naval Reserves and spent 25 years designing marine electrical systems.


2023年の展望① 次の大規模紛争の発生地点はどこか

 

(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Justin McTaggart)

 

2022年、世界は大国間戦争へ冷戦終結後でもっとも近づいた。

 

ロシアはウクライナへ本格侵攻を開始し、即座に制裁とキーウへの軍事支援の組み合わせを生んだ。春までに、米国と同盟国は、ロシア兵士の死、ロシアの軍事設備の破壊、ロシア経済の長期的な悪化を招く政策を進めていた。この戦争は世界にも波及し、これまで静かにくすぶっていた紛争の利害関係を劇的に増大させた。

 以下、「第三次世界大戦」が発生する危険性が最も高い5地点だ。 

 

ウクライナ

ウクライナ戦争が膠着状態に陥ったことで、ロシアが低迷する戦況を立て直すため核兵器を使用する懸念は夏よりは減少したように思われる。しかし、エスカレートの懸念は依然残っている。ロシアが進展しないことで、プーチン政権の安定が脅かされ、モスクワが危険な選択を考えるようになる可能性がある。長期的な継戦能力への懸念のため、キーウに膠着状態を打破するため危険な手段を取らせるかもしれない。

 

NATOへの戦争拡大はありえないが可能性はある。ロシアの核兵器使用は考えられないが、まったく不可能というわけでもない。

 バイデン政権とヨーロッパ同盟国はエスカレーションのリスクに細心の注意を払っているものの、ワシントンがすべてのカードを握っているわけではない。キーウとモスクワのいずれかが、より広範な紛争、すなわち第三次世界大戦に発展しかねない紛争のリスクを受け入れるかもしれない。

 

台湾

台湾と中国の間で戦争が直ちに起こる懸念は、中国の壊滅的な伝染病の影響で、ここ数ヶ月わずかながら薄れてきている。しかし、両岸の緊張が依然大きいことに疑いの余地はない。バイデン政権が台湾防衛で危険な修辞的立場を取るのを厭わないのは、ワシントンが中国の攻撃の見通しに対し真の懸念を抱いていることを示している。同時に、こうした発言(およびナンシー・ペロシ下院議長の台北訪問のような賢明でない演出)は、中国のエスカレーションを誘発する危険性がある。

 中国の紛争準備は誰の目にも明らかであるため、戦争の警告を受けると信じるに足る理由がある。しかし、最終的に米国や日本も巻き込んだ大国間戦争になる可能性が高い。

 

ギリシャ-トルコ

ロシアのウクライナ侵攻を受けたNATOの活性化に関する議論に紛れて、NATOの南側で危機的状況が生じている。この1年間、ギリシャとトルコ間の緊張は、トルコの積極的な外交政策への転換とエルドアン政権の脆弱性により、大幅に高まっている。エーゲ海のエネルギー開発をめぐる両国の争いが、現在の緊張を後押ししているが、議論の根底にある領土問題の不一致は数十年前から存在したままだ。

 NATO同盟国が他のNATOの同盟国を公然と攻撃することはないと思われるものの、過去の紛争では、同盟の約束にかかわらず、両国は戦争寸前まで(時にはそれをわずかに超えて)いったことがある。トルコとギリシャの争いは直ちにNATOを巻き込み、間違いなくロシアによる日和見的介入を招くだろう。 

 

朝鮮半島

ここ数ヶ月間、ソウルと平壌の間の緊張は着実に高まっており、北朝鮮の挑発行為(多くの場合、国際環境に関する金政権の特異で不可解な評価により引き起こされる)は、南側からの攻撃的なレトリックの反応を引き起こしている。北側は壮大な核兵器を持っているにもかかわらず、世界からまともに相手にされないという焦り、南側は重要な国家が無能で進歩のない兄弟に重荷を負わされているという焦りが、2国間の力学を動かしているようだ。

 こうした緊張関係は今に始まったことではないが、歴史的には冷戦と冷戦後の自由主義的な国際秩序で制約を受けてきた。前者は終わり、後者はほころびつつある。平壌は今がチャンスと感じ、ソウルは隣国の横暴を許容する忍耐力を示すのに苦労するかもしれない。戦争が勃発すれば、通常兵器と核兵器が双方に恐ろしい犠牲を強いることになり、ロシア・ウクライナ戦争より早く破壊的なものに進展する可能性がある。

 

中国-インド

中国とインドによる散発的な戦闘が「世界の屋根」で続いている。ほとんど人が住めない山間部のわずかな領土を支配することへの真の利害は依然不明だが、中国もインドもこの紛争から手を引いてはいない。戦闘は今のところ極めて限定的だが、国家の威信を守る欲求で、最も賢明で賢明な指導者でさえ、急速に毒される可能性がある。

 モディや習近平が当てはまるかは別として、それぞれが率いる政府は紛争の解決方法を見いだしていない。インドと中国のどちらかが、ある時点でエスカレーションで問題を解決しようとする誘惑に駆られるかもしれない。

 

第三次世界大戦が起きないことを祈る

ウクライナ紛争はすでに大国間戦争の様相を呈しているが、グローバル紛争に発展する可能性は依然低いままだ。ロシアのウクライナ侵攻は、国際社会の最善の努力にもかかわらず、大戦争が起こりうると証明している。平和の維持には慎重な政治的手腕が必要で、戦争へのエスカレーションの管理には並外れた技術が必要だ。■

 

5 Places World War III Could Start in 2023 - 19FortyFive

ByRobert FarleyPublished16 seconds ago

 



2022年12月30日金曜日

日本が建造を目指す次期イージス艦ASEVsは主に北朝鮮を視野に日本海で展開する構想。米国から注目が集まる

 

Japan Ministry of Defense

イージス・アショア陸上施設2箇所の建造を中止した日本はミサイル防衛専用艦を建造し、レーダーと迎撃能力を強化し配備する

 

衛省は12月23日、2023年度予算で概算要求を発表し、弾道ミサイル防衛(BMD)艦関連で新しい内容が含まれている。日本政府は、特に好戦的な北朝鮮の弾道ミサイルへ効果の高い防御手段として、中止されたイージス・アショアBMD施設の代わりとなる専用艦2隻を建造する。発表には、新級艦船に求める内容を示す、公式コンセプトアートが含まれている。

Naval NewsとUSNI NewsのSam LaGroneがまっさきに報告しているが、防衛省(MoD)は予算要求で、現在の多任務イージス搭載駆逐艦を別任務に活用できるようイージスシステム搭載艦 Aegis system-equipped vessels(ASEV)2隻の建造の必要性を強調している。また、弾道ミサイルに加え、極超音速兵器の脅威にも対応可能な実用性と能力を備えた艦艇の開発を優先すると強調している。

2022年11月18日、ソウル駅で、北朝鮮のミサイル発射実験のニュースを見る男性。Credit: ANTHONY WALLACE/AFP via Getty ImagesCredit: ANTHONY WALLACE/AFP via Getty Images

日本の陸上イージス・アショア構想は、施設2箇所で、弾道ミサイルから包括的に防衛する構想だったが、予算、技術、レーダー照射の健康への影響への国民の反発で、2020年に正式に中止とされた。ASEVは日本のミサイル防衛の懸念に、その大体としてより柔軟で間違いなく生存可能な解決策として導入される。

将来のASEVの仕様の詳細はまだ不明で、MoD報告書は具体的な数値を含んでいない。しかし、The War Zoneは過去に、艦の最終的な大きさの一般的なアイデアを伝えた日本の地元ニュースアウトレットを引用して伝えている。日本経済新聞は、ASEVは全長約690フィート、幅約130フィートになる見込みと報じている。

他の報道では、ASEVは日本のまや級のイージス駆逐艦にもっと近いものになると示唆されている。日本経済新聞のASEVに関するデータと比較すれば、まや級より全長が100フィート以上大きく、幅は57フィート拡大するとわかる。

また、最初の公式レンダリング(本記事のリード画像)は、LPD-17サンアントニオ級水陸両用輸送ドックをベースにした米海軍のBMD艦構想と著しい類似性を持っていることも特筆すべき点だ。以前から浮上している指標も、駆逐艦よりそれに近い設計に合致している。BMD艦は、大量の武器と非常に強力なレーダーで武装し、近づく脅威を座ってスキャンするのが基本任務なので、これは理にかなっている。速度は優先されないが、長い耐久性、通信と指揮統制能力、海上維持能力、武器庫の容量と適応性、信頼性が優先されよう。

LPD-17を原級とする米ミサイル防衛艦の構想図。. Credit: MDA

とはいえ、ASEVは開発の初期段階で、要件や運用上のニーズは未定義か、少なくとも検討の最中と思われる。ASEVの寸法は、開発プロセス中に変更される可能性が非常に高い。

現在、海上自衛隊のイージス艦は、まや級2隻、あたご級2隻、こんごう級4隻の計8隻で構成されているが、このうち、まや級は、あたご級の亜種で、米海軍のアーレイ・バーク級から派生したこんごう級の進化系の最新鋭艦だ。

日本のあたご級護衛艦「あしがら」。Credit: USN

Naval News によれば、各艦を別作戦に解放し、防衛省の予算要求で示された目標を実現するため、日本はASEV2隻に「レイセオンの SM-6ミサイル、12級地対艦ミサイルの艦船発射級派生級、その他未公表の能力」を搭載する設計にする予定とある。しかし、これでは意味がない。まず、SM-3は日本と米海軍の主要BMD兵器だ。日本はSM-3ブロックIIAプログラムで、米国と直接パートナーシップを結んでいる。新規建造艦は、特にSM-3を中心に構築されるはずだ。

さらにSM-6は、対空・対艦能力以外に、終末弾道ミサイル防衛能力も持つため、理にかなっている。これは、ASEVへの対艦弾道ミサイル攻撃に対抗する、あるいはSM-3を通り抜けた弾道ミサイル攻撃を打ち落とすため重要だ。また、SM-6は、限定範囲とはいえ、一部極超音速兵器を迎撃可能な唯一の兵器でもある。極超音速兵器対応については、MoD文書では、開発中の極超音速迎撃ミサイルに利用できる艦船を開発すべきと主張している。

つまり、SM-3はシステムの重要な構成要素で、日本は高い投資をもう始めている。同艦は垂直発射システム(VLS)セルから発射可能なスタンドオフ攻撃兵器を搭載可能となる。

構想図では、VLSセル合計64個が搭載されている。前甲板には8個のVLSセルが6セット、ヘリコプター格納庫の上にも8個のVLSセルが4セット見える。これは単なる基本的な表現であり、具体的な要件ではない可能性があるが、同艦が大級弾倉を備えていることは明らかだ。これは、日本の既存イージス駆逐艦が、幅広い任務をカバーするため多種多様な武器を搭載しているのとは対照的に、ASEVの弾倉のすべてをBMDと極超音速ミサイル防衛に充てる利点を実現する。

日本のBMD対応駆逐艦は、有事やASEVがオフライン時に追加のBMDカバレッジを支援し、連合作戦の一部で他地域にも投入されると想像できるが、ASEVが稼働開始すれば、日常的に非常に重要な本土BMD任務から既存艦を解放する。

2014年、同艦のイージス兵器システムの実射試験中にSM-6ミサイルを発射するアーレイ・バーク級誘導弾駆逐艦USSジョン・ポール・ジョーンズ(DDG53)。Photo: U.S. Navy

稼働中の日米両国のイージス艦同様に、今後建造されるASE2隻もイージス戦闘システム(ACS)をベースに構築される。しかし、防衛省文書では、日本のASEVは、イージス・アショアのため調達が予定されていたロッキード・マーチンのAN/SPY-7アクティブ電子走査式航空捜索レーダーを組み込むとある。

Naval Newsによれば、ロッキード・マーチンはSPY-7をASEVに搭載する統合プロセス全体をJ7.Bと呼んでいる。この言葉は、日本のイージス艦に現在搭載されている最新のソフトウェJ7にSPY-7を組み込む構想を示す。J7.Bは、今年9月に海上自衛隊、ミサイル防衛庁(MDA)、米海軍と共同で、SPY-7を活用したASEVのBMD火器管制ループで弾道ミサイルにどう機能するかを実証する試験を実施したばかりだ。

MDA長官ジョン・ヒル海軍中将Vice Admiral Jon Hillは以下述べている。「MDA は、イージス・ベースライン J7.B のハードウェアとソフトウェアで SPY-7(V)1 レーダーを指揮・制御できることを確認し、日本の ASEV が求める BMD 能力をすべて実証しました。「開発と統合での重要なマイルストーンです。ASEV J7.B 版のSPY-7の全体的な取り組みは、コスト、スケジュール、性能の基準を満たすべく順調に進展中。同プログラムは、最新のBMD能力を日本に提供し、増大する地域のミサイル脅威の中で日本防衛に貢献することは間違いありません」。

J7.Bの能力を十分に発揮させるため必要な時間は、ASEV2隻の海上公試までの年月の大部分となると予想される。防衛省文書によると、日本は2027年度までに2隻を建造するようを望んでいる。

USNIニュースは、日本の予算要求では、ASEVは主に朝鮮半島沖の日本海で活動する想定と報じている。北朝鮮が弾道ミサイル活動を活発化させ、ロシアや中国との緊張が高まる中、日本と同盟国にとって、同地域はますます重要になってきている。

以上あわせると、日本は、イージス搭載の新級艦の建造まであと一歩の段階に来ており、防衛省が提供した追加情報では新級艦が日本の将来の弾道ミサイル防衛で柔軟かつ貴重な資産になることを示唆している。■

 

First Rendering Of Japan’s Ballistic Missile Defense Ship Concept Released

BYEMMA HELFRICH, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED DEC 29, 2022 4:20 PM

THE WAR ZONE

https://www.thedrive.com/the-war-zone/first-rendering-of-japans-ballistic-missile-defense-ship-concept-released


2022年12月29日木曜日

2022年、米海軍の一年

アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSスプルーアンス(DDG-111)の乗組員が、2022年6月4日ミッドウェー海戦への敬意を表す式典で、電子攻撃飛行隊(VAQ)133の「ウィザード」所属のEA-18Gグローラー2機がフライバイする中、国歌斉唱し国旗へ敬礼した。US Navy Photo

この記事は、2022年の米海軍トップストーリーを振り返るシリーズの一部。

年の米海軍はインド太平洋地域でのプレゼンス重視と、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、欧州での継続的な抑止任務の必要性とのバランスを取ろうとした。

ロシアがウクライナ侵攻を続ける中、米第6艦隊の安定したプレゼンスにより、海軍艦艇は今年、域内全体でNATOや他のヨーロッパ同盟国と演習や作戦行動を行った。

また、今年は戦争の影響もあり、中東での空母運用と一線を画す年となった。

新型空母USSジェラルド・R・フォード Gerald R. Ford(CVN-78)は、初の運用ストレステストに出港し、搭載する新システムを駆使し大西洋全域の同盟国やパートナーと訓練を行い、初めて海外寄港した。

整備面では、海軍は依然として潜水艦整備の滞りに苦労しており、ヴァージニア州ニューポートニューズ造船所ではUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)の供用期間中燃料補給とオーバーホールは予定より19ヶ月近く遅れている。

ニミッツ級空母USSカール・ヴィンソン(CVN-70)とUSSニミッツ(CVN-68)が2022年2月13日に太平洋を航行した。米海軍写真

インド太平洋

海軍は今年もインド太平洋地域で空母プレゼンスを維持した。

2021年初め、USSカール・ヴィンソン(CVN-70)は西太平洋で活動していた。同空母は、海軍向けF-35CライトニングII共用打撃戦闘機とCMV-22Bオスプレイを搭載した第5世代空母航空団として、インド太平洋へ展開した。

1月下旬に南シナ海での作戦行動中、ヴィンソン搭載の航空団のF-35Cがランプストライクで甲板端に乗り上げた。パイロットは無事脱出し、その後、海軍の引き揚げ作業員が南シナ海でF-35Cを回収した。

「事故が起こったとき、我々は着陸する必要のある航空機を追加空輸していた。そのため、訓練が再開できた。ワイヤー4本をすべて交換しなければならず、飛行甲板の全員(航空団員も含めて)が緊急事態に対応するのを見て、畏敬の念を覚えた。4本のワイヤーをすべて交換しなければならなかったからだ。私たちは、着陸区域の異物除去のために、飛行甲板から物を拾い上げなければなりませんでした」と当時国防関係者がUSNI Newsに述べていた。

一方、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)は1月上旬、米海兵隊F-35Cと海軍CMV-22Bオスプレイ航空隊とインド太平洋に展開した。約1カ月間、米海軍は2個空母打撃群を米第7艦隊で活動させた。

リンカンは派遣期間中、主に第7艦隊で活動し、日本やフィリピンと演習した。また、7月にはハワイ沖で2年に1度の環太平洋合同演習に参加した。

海軍の前方展開空母、USSロナルド・レーガン(CVN-76)も、5月から8月にかけ春のパトロールと今秋のパトロールでインド太平洋で活動した。

ナンシー・ペロシ下院議長が台湾訪問し、中国が非難を浴びせた際、レーガンは台湾近海に展開していた。当時は、USSトリポリTripoli(LHA-7)も台湾付近で活動していた

USSトリポリ(LHA-7)は、2022年4月7日、カリフォルニア州ノースアイランド海軍航空基地を出発した。 US Navy Photo

トリポリは5月に初出発し、F-35BライトニングII共用攻撃戦闘機を搭載した「ライトニング空母」または「強襲揚陸艦空母」コンセプトをテストした。

「ある日はF-35Bを飛行甲板に、ある日はMV-22を、またある日は海兵隊を上陸させることができます」。米第7艦隊司令官カール・トーマス中将 Vice Adm. Karl Thomasは10月、強襲揚陸艦の試験コンセプトについて、「汎用性が非常に高い装備で、第5世代戦闘機を14機搭載している。各機は信じられないほど高性能なセンサーだ」と述べた。「まだ実験段階だが強襲揚陸艦をフルサイズ空母とどう統合するのか、試してみたかった」と述べた。

トリポリは、マキンアイランド水陸両用準備集団が米第7艦隊で活動を開始した11月末に7ヶ月の派遣から帰還した。12月中旬にはニミッツ空母打撃群が責任範囲に展開した。

また、台湾海峡通過や南シナ海で航行の自由作戦を継続し、中国から批判を受けた。

2022年3月25日、ニミッツ級航空母艦USSハリー・S・トルーマン(CVN-75)の飛行甲板でレンジファインダーを覗く、 US Navy Photo

ヨーロッパ 

2021年末、ロイド・オースティン国防長官は、ロシアがウクライナ国境沿いに部隊を集結させたため、USSハリー・S・トルーマン空母打撃群に米中央軍ではなく、地中海にとどまるよう命じた。それ以来、米海軍は米第6艦隊に一貫して空母を配備している。

トルーマン(CVN-75)は8カ月間、地中海全域で運用された。USNI Newsによると、トルーマンは、米欧州軍司令部での米空母の連続運用で過去20年の最長となった。

ロシアが2月末にウクライナへの侵攻を開始した際も、同空母は駐留を継続した。トルーマン空母航空団は展開中、NATOとの任務のため、1日に80~90回出撃することもあった。

8月、ジョージ・H・W・ブッシュ空母打撃群は、トルーマン CSGが帰投できるよう、米第 6 艦隊担当水域に移動した。それ以来、ブッシュ (CVN-77)は、同地域で活動している。

2022 年、トルーマン は 2 回、ブッシュ は 1 回、NATO 指揮下に入った。1月にトルーマンが初めてNATOの指揮下に入り、冷戦後初めてNATOが米空母の指揮を執った。

地中海での一貫した空母のプレゼンスに加え、キアサージ水陸両用待機群は2022年の大半、米第6艦隊全域でも活動した。

USSキアサージ Kearsarge(LHD-3)とUSSガンストン・ホール Gunston Hall(LSD-44)は、6月にバルト海でBALTOPS 2022に参加し、NATO諸国やその他協力国に加わった。一方、USSアーリントン Arlington(LPD-24)は、4月にギリシャ海軍と訓練し、6月には米アフリカ司令部のアフリカンライオン2022演習に参加した。

USSジェラルド・R・フォード(CVN78)は、ジェラルド・R・フォード空母打撃群の一員として、ルイス・クラーク級ドライ貨物船USNSメドガー・エヴァーズ(T-AKE-13)と洋上補給した(2022年11月2日)。米海軍写真US Navy Photo

大西洋

今年はUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の新しいシステムと技術を運用面で強調する最初のチャンスとなった。

フォードは10月初旬にバージニア州ノーフォーク海軍基地を出発し、シェイクダウンクルーズを行い、ハリファックス(ノバスコシア州)とポーツマス(イギリス)に初めて海外寄港した。

第12空母打撃群司令官グレゴリー・ハフマン少将Rear Adm. Gregory Huffmanは、10月にフォードに乗艦し、USNI News取材に応じ、「これは、ほぼ全機体制の航空団が打撃群と一緒に働くチャンスだ」と語った。

「同盟国協力国と、フォードが新しい能力でどのように各艦船と相互作用できるのか、そして全体的な観点からどのように戦術が変わるのかについて、理解することができます。そのため、新技術を探求し、そこからどのような作戦を展開できるかを見極めたい」。

フォードは秋に東部大西洋でカナダ、デンマーク、ドイツ、スペイン、フランス、オランダ艦船と一緒にシルバーウォルバイン演習に参加した。

2019年9月27日、乾ドックを離れるUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)。HII Photo

艦艇整備

海軍は、空母と潜水艦の両方でメンテナンス作業の遅れを取り戻そうとした。

2023年度予算案では、USSジョージ・ワシントン(CVN-73)の中間核燃料補給と複合オーバーホールを2023年3月まで延長するとある。現在、HIIのニューポートニューズ造船で行われているこのオーバーホールは、当初は2021年8月に終了の予定だった。

同空母は2017年8月に初めてRCOHに入った。RCOH遅延のニュースに続き、乗組員の自殺が発生した。海軍によると、2019年以降、ジョージ・ワシントン乗組員6名が自殺しており、当局は7人目の乗組員の死を自殺と断定している。

一方、海軍当局は潜水艦整備の滞りを嘆いている。

海軍海洋システムズ本部NAVSEAによると、過去10年間、海軍の攻撃型潜水艦で予定通りに保守点検を終えたのは3分の1以下のみだという。

NAVSEAのビル・ガリニス中将Vice Adm. Bill Galinisは9月の会議で、「潜水艦の稼働率、特にヴァージニア級で工数が大幅に増えている」と述べた。「理由を理解するために深掘りしている。継続的なプロセスだ」。

11月、攻撃型潜水艦プログラムのエグゼクティブオフィサー、ジョナサン・ラッカー少将Rear Adm. Jonathan Ruckeは攻撃型潜水艦50隻のうち18隻がメンテナンス中あるいはヤードに入るのを待っていると述べた。

2000年当時、米海軍は攻撃型潜水艦の保守を年間12隻分(平均 200日間)開始していた。現在では、450日から700日程度のメンテナンスが年間5回程度行われている。

「作戦サイクルが長くなったのは良い。しかし、艦艇が入港すると、より緊張した状態になり、準備が十分ではありません」と、ラッカー少将は年次海軍潜水艦連盟シンポジウムで述べている。

ラッカー少将によれば、攻撃型潜水艦のメンテナンス期間中に行われる作業の約30%は予定外のもので、これが滞留を助長しているという。また、海軍が資材を十分に事前購入していないことも問題だ。

ラッカー少将によると、2026年までに、海軍は整備期間が始まるまでに資材90〜95%のを事前確保したいとしている。だが実際は約40〜50パーセントの資材を揃えている。

海軍は2019年度に平均1,500~1,600日の整備遅延が発生し、2022年度に約1,100日にまで引き下げたと、ラッカー少将は述べている。海軍は、2026年度に700日にまで減少すると予想している。■

Top Stories 2022: U.S. Navy Operations - USNI News

By: Mallory Shelbourne

December 21, 2022 5:12 PM

2022年12月28日水曜日

歴史に残る機体(35)EA-6プラウラーはグラマン艦載機最後を飾り、文字通り縁の下の力持ちとなった電子支援機材として重宝された。

 歴史に残る機材32


The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

グラマンA-6イントルーダーの系譜は、60年にわたる供用を経て終焉を迎えた

EA-6Bプラウラーは、同型機の最後の運用者となった海兵隊が正式に退役させた。米海軍が同機を2015年7月に退役させて、終焉の日はじわじわと近づいていた。プラウラーの退場は、グラマンのA-6イントルーダー・ファミリーの60年にわたる信じられないほど成功した実績の終わりを意味する。

すべてはYA2F-1に始まり、推力ベクトルノズルと、設計時(1950年代)には高度なコンピュータシステムを備えた、非常に野心的な空母艦載攻撃機だった。同機は1960年に初飛行し、その後A-6イントルーダーへ改良された。同機は、非常に大量の爆弾を搭載し、悪天候や夜間でも超低空飛行で敵地深くまで侵攻する、信じられないほどの攻撃力と正確さを備えた核搭載可能攻撃機であった。A-6は1963年に就役し、10年間ベトナムで戦い、その後、リビア、イラクなどで活躍した

グラマンと海軍は、このイントルーダーから、敵防空レーダーを妨害するイントルーダーの電子戦型EA-6Aを短期間で誕生させた。この機体はわずか28機しか製造されず、1963年に初飛行した。しかし、コンセプトは成功し、ベトナムの危険な空で苦労して学んだ教訓も手伝い、4人乗りEA-6Bイントルーダーの再設計につながった。1968年に初飛行、1971年に就役した空母搭載可能な電子戦専用ジェット機である

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EA-6A prototype., USN

EA-6Bは海軍と米海兵隊で48年間にわたり活躍し、その性能と必要性は増す一方だった。1998年に米空軍のEF-111レイヴンが退役すると、EA-6Bはアメリカの空軍力での電子戦支援で唯一の機体となり、同機以外には空軍のEC-130Hコンパス・コールが限られた能力を提供するだけだった。 

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EA-6A and EA-6B side by side. , USN

時代が進むにつれて、プラウラーの技はより多くなっていった。プラウラーはAGM-88高速対レーダーミサイル(HARM)を発射し防空体制制圧を支援し、ALQ-99ジャミングポッドで電子妨害支援も可能になった。EA-6Bの電子戦装備は、通信システムの妨害にも使用され、プラウラー・コミュニティは、イラクとアフガニスタンのアメリカ軍と同盟軍の地上部隊に恐怖をもたらした遠隔起爆型即席爆発装置(IED)を破壊する機能で、空中からの支援能力を高めた。

海兵隊の最終的なICAPIII機は、非常に高性能な機体となった。このアップグレードにより、プラウラーの状況認識、通信能力、妨害効果、ヒューマンマシンインターフェースが飛躍的に向上した。EA-18Gグラウラーの電子戦システム開発のベースとなったが、一部情報筋によると、ICAPIIIプラウラーは、グローラーよりさらに優れているという。

ここ数年、ほんの一握りの海兵隊プラウラーがLITENINGターゲット・ポッドを搭載し飛行し、従来とは異なるオーバーウォッチと監視の役割を果たしながら、必要に応じ妨害任務も同時にこなしてきた。

プラウラーは著しく時代遅れの航空機であったにもかかわらず、そのキャリアの黄昏時に真のマルチロール・プラットフォームとなった。

海兵隊航空基地チェリーポイントを拠点とする米海兵隊の最後のプラウラー飛行隊、Marine Tactical Electronic Warfare Squadron 2、通称VMAQ-2「Death Jesters」も2019年3月8日金曜日、基地での式典で同機に別れを告げた。

USMCは、EA-18Gグラウラーなど電子戦専用機の購入していない。その代わりに、同軍はボルトオンのIntrepid TigerポッドとMQ-21 Blackjackドローンを使用し、飛行部隊全体に電子戦能力を分散させる方針だ。しかし、はっきり言って、これらのシステムは、それなりに能力はあるものの、EA-6BやEA-18Gが提供する広範囲の敵の防空システムに対するハイエンド電子攻撃能力は提供しない。

アメリカ海兵隊が購入するF-35BとCは、強力な電子戦機能を持つが、大規模な戦力保護やプラウラーやグㇻウラーが提供する広域妨害ではなく、自己防衛に重点を置いている。

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DoD

2016-2025 Naval Aviation Vision文書では、米海兵隊の中央集権的な電子戦戦略の脱却について次のように述べている。

EA-6B Prowlerの2019年度退役後の電子戦(EW)要件に対処するための海兵隊の包括的計画は、海兵隊空地任務部隊(MAGTF)EWで、最新技術を使用し航空プラットフォーム(無人、固定翼、回転翼の資産)、ペイロード、地上EWノード、サイバー効果を統合し指揮官に有機的かつ持続的EW能力を提供する。MAGTF EW構想は、海兵隊がこれまで低密度・高需要のEWに集中していたのを、分散型・ネットワーク型・プラットフォーム非依存型のアプローチに移行させる。MAGTFのEWは、地上部隊や高度な統合防空システムに対抗する第5世代航空機を支援するため統合EW資産を補完する」。

EA-6Bは、国防総省が保有する高速ジェット機の仲間に比べれば比較的小さな機体だが、総飛行時間は26万時間を超え、現役時代はほぼすべての主要な米軍作戦に参加していた。EA-6Bのレーダー・スクランブル機能によって、どれだけのパイロットと航空機が救われたかは、数えることができない。

message-editor%2F1552091840163-aasddavv.jpg一番手前の機体の左翼についたライティングポッドに注目。

USMC

この数字は本当に驚くべきことだ。プラウラーが電子トリックを駆使して1機救うごとに、他の多くの飛行機とサービスマンが、墜落機を救出するため敵地に飛び込む作戦が不要になったことを意味することを忘れてならない。つまり、EA-6Bはアメリカの戦闘機の生存率に累積的な影響を与えたのだ。

また、F-117が初めて出撃して以来、プラウラーはアメリカのステルス航空機の静かな担い手として、ステルス技術の「カクテル」にほぼ不可欠な存在として働いてきた。F-117が唯一戦闘で失われたのは、アライド・フォース作戦時で、ステルス機が敵領空に深く入ったが電子攻撃の傘としていのEA-6Bが不在の夜だったことは注目に値する。

地上の兵士にも同じことが言える。電子戦の天使が頭上を周回していたために、命も手足も無事で脱出できたことを知らない人がどれだけいるか。今や、電子戦は戦闘の主要領域となりつつある。電子攻撃関連の技術は、かつてないほど重要かつ効果的であり、はるかに大きな能力が生まれつつある。数十年にわたるEA-6Bの運用は、EA-18Gグラウラーの開発のみならず、今後数十年にわたり戦闘に勝利するための電子戦戦略や技術に影響を与えてきた。

グラマンを象徴する同機はもう使用されていないが、EA-6Bと、その頑丈な機体に精力的に取り組んだ人々、それに搭乗した人々、その他設計や長年にわたるプラウラーの維持に携わった全員が残したのは素晴らしい遺産だ。それは、地球上のどの飛行機にも真似できない、信じられないような、しかししばしば誤解される記録だ。EA-6Bは本当に、一般人がほとんど何も知らないまま最も重要な戦闘機だった。

「グラマン鉄工所」の戦術機の系譜で最後の機体に最後の別れを告げたが、私たちはプラウラーをこれほど壮大で長続きする成功に導いてくれたすべての人に感謝の言葉を述べるしかない。■

 

The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

BYTYLER ROGOWAY|UPDATED DEC 1, 2019 6:46 AM

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