2023年1月30日月曜日

次期大統領専用機材747-8の改修作業はどこまで進んでいるのか。さらに遅延しそう。

 



Photo: w_p_o | Shutterstock


VC-25A2機の退役が、数年先送りになる可能性がある。

1990年1月26日エアフォース・ワンのボーイング747が納入されて、33年目だ。その日以来、空軍ではVC-25Aの制式名で2機の747-200Bが現在も使用されている。しかし、機体は老朽化が進み、現役747の中で最古の機体トップ20にランクされている。ボーイングは現在、未納入の747-8型機2機で改修を進めている。それでは、新型エアフォース・ワンの最新情報を見てみよう。


次期エアフォース・ワン

 VC-25Aは非常に優秀な航空機だが、技術が進歩し変化する世界において、米国政府はVC-25Aをより新しく高度な機材に置き換えるのが適切と判断している。後継機は、最新世代のボーイング747-8で空軍はVC-25Bと命名し、現行機材と共通点を多く持つ。新型機の仕様と性能は、当然ながら機密事項だが、先代機と同様、公にされている特徴も一部ながらある。

 新型機の防衛システムは、最新技術に更新され、より正確で信頼性の高いものになる。また、通信システムも強化され、迅速かつ安全な通信が保証される。747の最新モデルは、200型よりもはるかに効率的で、航続距離を伸ばすと同時に運用コストを削減する。さらに、従来のモデルにはなかった安全性と能力を高めるために、機密事項が追加される。


新型エアフォースワンにないもの

 指摘されている欠点として、空中給油機能が搭載されないことがある。VC-25Aの現行機には搭載されているが、これまで必要とされたことはない。この機能は、機首に給油口を設けるだけではなく、はるかに複雑だ。ボーイングは、燃料ポートを燃料システムに接続し、関連する認証規格に適合させる必要がある。そのためには、機体各部をさらに大きく調整し、機体重量やバランス、性能数値を調整しなければならない。

 給油システムの大幅変更は予定されていないが、新型エアフォース・オンには、ボーイング747用のインフラがない空港で大統領が貨物デッキから乗り降りできるように、エアストッパーが内蔵される。この階段は機体の左側、大統領紋章のすぐ後ろに配置される。

Photo: Chris Loh | Simple Flying


新造機ではない

 ボーイングはVC-25Aをアメリカ空軍専用に製造した。一方で最新型は生産済みの2機の747を大統領専用機に改修する。新型の747-8は、今は亡きロシアの航空会社トランサエロのために製造された機体は引き渡されることなく、砂漠で買い手がない機体として保管されていた。不要機体を再利用することで、2機の専用機をゼロから作るよりはるかに安くつく。

 機体のカラーリングが議論されてきた。現在のVC25-Aは、1960年代にさかのぼるカラーリングを採用している。トランプ大統領は在任中、同機がアメリカ国旗の色を基調とした、抜本的に新しいデザインを身に着けると決定した。この決定への反応はさまざまだった。バイデン大統領は政権発足当初はこの問題に触れたがらなかったが、その後、新スキームに伴うコスト増を理由に、元のカラーリングに戻すことが明らかになった。

 両機の改修費用は推定39億ドル(約5,000億円)でボーイングはこのプロジェクトに数年前から取り組んでおり、最短で2025年半ばに完成する可能性があると表明している。パンデミックや請負業者のトラブルなど様々な遅延が発生し、当初の目標であった2024年から完成時期が大幅に後ろ倒しになった。2025年1月20日に次期大統領の就任が予定されているため、後継者がいたとしても、塗装を再び変更するには遅すぎることになるかもしれない。


現代のエアフォース・ワン

 1943年、フランクリン・D・ローズベルト大統領は、在任中に飛行機を利用した最初の大統領となった。最初の大統領飛行は、ローズベルトが専用機を持っていなかったため、今日の大統領飛行に比べれば少し華やかさに欠けた。ローズベルトはボーイング314クリッパーで大西洋横断し、カサブランカへ飛んだ。年月が経ち、航空移動が大統領の標準の移動手段となるにつれ、エアフォース・ワンという呼称が定着していった。

 エアフォース・ワンは、専用機そのものではなく、大統領を輸送する航空機に割り当てられる無線コールサインだ。ローズベルト大統領の初飛行以来、さまざまな飛行機が大統領輸送に使われ、エアフォース・ワンというコールサインを獲得してきた。しかし、現在では、エアフォース・ワンといえば、巨大なボーイング747を連想する方が多い。過去33年間、このコールサインを掲げた主な航空機が同機である。

 現在供用中2機の747は、尾翼番号が28000と29000だ。さまざまな攻撃に耐えうるよう高度に改良され、必要なら数日間は空中にとどまることができる。航空機の防衛システムの正確な仕様と能力は機密扱いだ。しかし、高度な対ミサイル・システムなど、一般的な防衛能力の一部は公開されている。

 これらのシステムは、軍用機の照明弾と、空対空および地対空ミサイルをリダイレクトできるシステムで構成されている。また、ミサイルと航空機の接続を破壊するミサイル追跡信号を妨害するシステムも備えている。

 さらに、航空機の電子機器を破壊する電磁波の被害から航空機を保護している。この種の損傷は、核爆発から発生する電磁パルス(EMP)でもたらされる。つまり、エアフォース・ワンは、他のすべてが暗闇に包まれても、空中を飛び続けることができる。VC-25Aは、空飛ぶホワイトハウスとして機能することができる。

 機内では、大統領は暗号化された安全回線で世界中の誰とでも通信できる。また、機内には2〜3日分の食料が積まれている。VC-25A自体は15時間分の燃料しか積まないが、空中給油も可能だ(ただし、エアフォース・ワンで行われたことはない)。■


Air Force One: What's The Latest With The New Boeing 747-8s

BY

RILEY PICKETT


2023年1月29日日曜日

次はF-16を希望。ウクライナ空軍が飛行施設改修を先に進めている。その他ウクライナ戦の最新状況(現地時間1月27日現在)

 


2011年7月20日、ウクライナのミルゴロド空軍基地から離陸するウクライナのSU-27型機と、その手前で休む空軍州兵のF-16Cファイティング・ファルコン2機。(U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Charles Vaughn/Released)


まだ約束もないのにウクライナ空軍は西側戦闘機用に飛行場の改良作業を進めている



西側戦車と異なり、ウクライナは米国、フランス、オランダ、デンマークなど同盟国から戦闘機供与の申し出をまだ受けていない。しかし、米国製F-16ファイティング・ファルコンやフランスのミラージュ、ラファールといったマルチロール・ジェット機の納入を見込み、国内の飛行場を整備している。

ウクライナ空軍にこうした戦闘機を導入するには、パイロットや整備士の訓練が必要なだけでなく、戦闘機が安全に運用できる場所の確保が必要だからだ。

 ウクライナ空軍の報道官ユーリ・イグナート大佐Col. Yuri Ignatは、金曜日のウクライナでの記者会見で、「パイロットが安全に着陸できるよう、飛行場のインフラ整備が必要だ」と述べた。「飛行基地ネットワーク構築のため、インフラストラクチャー省、国防省、その他の政府機関の支援を受け、ウクライナ各地で作業が進行中」と述べた。


ウクライナの空軍基地。(Oleg V. Belyakov/wikicommons)


ミサイルやドローンの散発的な攻撃が続く中、イグナート大佐は、新戦闘機用の飛行場ネットワーク整備作業が、「平時と同じには進められない」ことを認めている。

 イグナート大佐は、どこに、何箇所の飛行場があるのか、どのような作業が必要なのか、詳細は明かさなかった。

 しかし、滑走路延長が含まれているようだ。ウクライナのソ連製戦術ジェット機は、西側戦闘機と比較すると、かなり厳しい条件下で運用できる設計だ。基地もそれを反映している。運用中の機体は、より頑丈なランディングギア、機首の車輪の泥よけ、タキシング中のデブリ吸い込み防止のインテークドアまで装備している。欧米戦闘機のほとんどは、小さな破片さえも丹念に取り除き、まっさらな滑走路で運用される設計だ。このため、ウクライナが西側戦闘機を望むなら、運用に見合ったインフラが必要なのだ。

 イグナート大佐の発言は、全面戦争が長引く中、F-16など最新戦闘機を確保しようとする努力の一環だ。

 イグナートは金曜日、F-16の必要性を繰り返し訴え、近接航空支援から防空まで、巡航ミサイルやドローンの排除を含む複数の役割を果たすことができると述べた。

「F-16は世界中で一番人気の機種で、空軍の基本的な固定翼多目的機として最良の候補だ」。

 近代的な戦闘機を提供するよう議員に働きかけるためウクライナ空軍パイロットが今年初めに訪米したと、イグナート大佐は金曜日に語った。

 「上院議員や下院議員に連絡した。祖国の占領からの解放のため勝利への道のりで大いに役立つ戦闘機の必要性を訴えた」。

 イグナート大佐は「フランスの...ラファール多目的ジェット機に関する提案」にも言及したが、フランスとの交渉が「かなり長期間にわたって進行している」とも述べた。

 戦闘機を求める長年の動きでは一部の米国議員も支持してきた。しかし、ほとんどの提案は米国製F-16戦闘機に集中している。主な理由として、パイロット訓練、機体調達、迅速かつ効率的な運用が容易と考えられていることがある。また、長期的な維持管理も他機種より容易だ。

 F-16が提供された場合の訓練対象のパイロットリストは以前から準備されていたと、イグナート大佐は語った。先週のメディアブリーフィングで、大佐は、パイロット訓練に1億ドルが計上ずみと語っていたが、誰が費用を負担するかは明言しなかった。また、ウクライナが受け取る機種は決定済みと語ったが、具体的な機種は明言しなかった。




 空軍長官付報道官のレイチェル・サルピエトラ少佐は、金曜日の午後、The War Zoneに、T-6Aのパイロット訓練を行う米空軍航空リーダーシッププログラムに、現在1人のウクライナ人学生が参加中と語った。

 「ウクライナは過去12年間、同プログラムに参加してきた」と少佐は付け加えた。「ウクライナの整備士やエンジニアは、米空軍での訓練に過去数年間、参加していません」。

 今週、ウクライナへの戦車提供をめぐる長い板挟みが解消され、アメリカと同盟国はついにM1A2エイブラムス31台とドイツ製のレオパード2戦車数台を送ることで同意した。



今週初め、アメリカはウクライナに31台のM1A2エイブラムス戦車を送ることに合意した。次は戦闘機か? (U.S. Army photo by Spc. Andrew McNeil / 22nd Mobile Public Affairs Detachment)


 戦車と同様、米国と同盟国の間では、訓練やメンテナンス、維持管理への懸念や、紛争を拡大させる可能性から、ウクライナへの最新鋭戦闘機の派遣に消極的だった。


次は戦闘機か?

ジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、金曜日の記者会見で、それが差し迫っているとは示唆していなかった。

 「ウクライナ側が特にF-16を要求しているのは驚くことではないが、戦闘機全般を要求している」とThe War Zoneを含む記者団に語った。「新規の要求ではありません。そして、彼らを責めることはできない。彼らは明らかに可能な限り多くの能力を求めています。

「我々はウクライナとほぼ毎日、彼らの能力ニーズについて話し合っており、会話をしています。しかし、戦闘機はともかく、殺傷能力に関して何も発表することはない」。


最新情報

ウクライナ軍のアドバイザーが金曜日にThe War Zoneに語ったところによると、ロシア軍はドネツクとルハンスクだけでなく、南東部のザポリジャーでも戦力を増強し、攻勢をかけようとしているようだという。



ザポリジャー州で軍事活動が活発化している。(Google Earth image)



 「ロシア軍の増加を探知しており、彼らは(ドネツクの)バフムートBakhmuとブグレダルVugledar、(ルハンスクの)クレミンナKreminna、ザポリジヤのオリヒフ Orikhivで犯罪を行おうとしている」と彼は言った。

 同アドバイザーはまた、金曜日にガーディアン紙に掲載された、ヴェリカ・ノヴォシルカ周辺のザポリジャー戦線とドネツク戦線の間のヒンジ部分にロシア軍が押し寄せる可能性があるとの報告にも同調している。

 ジュリアン・ボルジャー記者による同記事は、血なまぐさい、ほとんど静的な戦いになっている戦争に、迫り来る勃発を指摘している。

 ザポリジャー州のフリアイポールという町で戦線を維持しているビタリーというウクライナ兵は、「大きな戦いはこの春か、あるいはその前にやってくる」と語った。「この春には、750マイルに及ぶ戦線のどこかに嵐が吹き荒れ、これまでの戦争で最も激しい局面を迎えることになるだろう」。

 以下は、Institute for the Study of Warの最新評価から得られた重要ポイント。


  • ロシア情報筋は、ウクライナ軍がクレミンナ付近で反攻作戦を再開したと主張

  • ロシア軍は、ドネツク市西部の郊外にあるバフムート周辺とヴフレダル地域で地上攻撃を継続中

  • ウクライナ当局によると、ザポリージャ州のロシア軍は、本格攻勢に必要な規模がなく攻勢作戦を実施していない

  • ロシア軍ブロガーは、ロシア軍がザポリージア州で限定的かつ局地的な地上攻撃を続けていると主張

  • ワグネルグループは過去数カ月間、ウクライナ東部での消耗戦的な攻撃作戦で大損失を経験した可能性が高い


 ロシアがザポリジャー州で兵力を増強する中、ウクライナ軍は膨張式デコイ戦車の出現数が増えていると認めた。戦いの最中や作戦前の重要な計画で混乱を引き起こす可能性があり、来るべき事態の前触れと言える。

 ロシア軍がベラルーシからキーウに侵攻して約1年、ウクライナ首都では防御壁建設が続いている。ウクライナの情報当局によると、今のところ北の好戦的な隣国からの攻撃は差し迫っていないようだが、これは事実である。

 ウクライナ当局がベラルーシからの攻撃の脅威を今のところ軽視する一方で、ロシアが訓練と戦力再編のため部隊を送り続けていると、英国国防情報局を通じフォーリンポリシーが伝えている。

 ウクライナのアンドリー・イェルマク Andrii Yermak大統領府長官は、金曜日に自身のテレグラムチャンネルで、「ポーランドは、先に発表の14台のレオパルド2戦車に加えて、60台のPT-91トワーディ戦車をウクライナに送る」と報告した。「同盟国に感謝する。敵を粉砕しよう」。

 ベルギーのHLN通信によると、ベルギーのアレクサンダー・デ・クルーAlexander De Croo首相は、ウクライナに新たに1億ドルの支援策を発表した。パッケージに戦車は含まれない。

 「我が国は、手榴弾、弾薬、対空ミサイル、対戦車砲をウクライナに送る。また、軽装甲車など車両も送られる」とデ・クルー首相は述べた。「一部はベルギー国防省の在庫から、一部はベルギー兵器産業から購入し、直接ウクライナに送られる。防衛省は燃料も供給し、ウクライナ兵の訓練も行う」。

 Ukraine Weapons Tracker OSINT groupは、ウクライナ東部でベルギー製M113A1B装甲兵員輸送車が目撃され、英国がベルギーの民間企業から購入したようだと報告した。

 ウクライナの通信社Censor.netによると、エストニアはウクライナに155ミリ砲弾を提供すると決定した、とエストニア国防相ハンノ・ペブクルHanno Pevkurは述べた。「エストニアとウクライナの軍隊間の合意の詳細、特に弾薬の数や範囲について話す必要はないと考えている。ウクライナにクラスター弾を提供しても、双方がウクライナの領土でそのような弾薬を既に使用しているので、何の問題もないと考えている」。

 ロシアはハルキウ州のオスキル川付近でS-300PS防空システムを破壊するためクラスター弾を使用したようだ。

 カナダのアニータ・アナンドAnita Anand国防相は2日、同国がカナダ軍(CAF)の在庫からレオパード2主力戦車4両をウクライナに供給すると発表した。 同大臣はまた、カナダが弾薬と予備部品を提供し、カナダ軍兵士が第三国でこの戦車の使い方を訓練すると発表した。

 武器の寄贈とさらなる寄贈の約束がウクライナに流れ込む一方で、キーウは独自の武器生産を展開している。

 オレクシー・レズニコフ国防相は26日、ウクライナの新しい国産155mm自走榴弾砲「ボーダナ」を公開し、すでに実戦テストを行ったと「ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ」は報じている。

 1月26日のFacebook投稿で、レズニコフ大臣は榴弾砲の写真を示し、同省は2022年を通じウクライナの防衛請負業者に発注を続け、「新しい場所で組み立てラインを開設し、増産を促進する」と述べた。



自走砲システム「ボーダン」のハンドルを握るレズニコフ大臣(Photo:Oleksii Reznikov / Facebook)


 ウクライナが兵器調達していない相手先にイスラエルがある。バイデン政権によるホーク地対空ミサイルの要請は、イスラエル政府に拒否されたと、アクシオスが水曜日に報じた。

 イスラエル国防省はアクシオスの声明で、「(ウクライナへの軍事援助に関する)イスラエル安全保障機構の立場は変わっていない」と繰り返し、すべての要請はケースバイケースで検討していると述べた。

 ウクライナは、米国を含む同盟国多数からホーク防空システムとミサイルを受け取っている。

 一方、ウクライナに流入する各種兵器にロシアは不満だ。

ロシア外務省は金曜日、戦車などの装甲車、榴弾砲、防空システムなどの流入は、「西側が紛争を長引かせ、犠牲者を増やす計画のあらわれである」と苦言を呈したツイートをした。

 ウクライナと指導部は西側に完全に依存していると、ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長が木曜日に述べたと、ロシアの公式通信TASSが伝えた。

戦場に姿を現す旧式兵器が増えている

 Pansarvärnspjäs 1110(PV-1110)は、ボフォース社開発の無反動砲で、1959年から2000年代初頭までスウェーデン軍が使用したと、Armourer's Benchのウェブサイトは伝えている。

「ウクライナで使用中の無反動砲はカール・グスタフやSPG-9だけではなく、90mm滑腔砲のPV-1110はおそらく最も希少である」と、Armourer's Benchは述べた。

 古い、あるいは改修された武器を持っているのはウクライナだけではない。

 ロシアもT-72B 戦車のように、最近 1PN-96MT-02 サーマルサイトと爆発反応装甲 (ERA) のようなアップグレードずみ装備品を運用している。

 戦争は恐ろしいが、ウクライナの対ドローン防空作戦のような鮮明な画像も出ている。

 ウクライナの電力システムが攻撃を受け、ウクライナ国民多数が安定した電力供給を受けられない中、国営エネルギー貿易会社JSC Energy Company of UkraineがトルコのKarpowershipと覚書を締結したと、The Maritime Executiveが木曜日に報じた。両社は、ウクライナの送電網への電力供給の追加を検討する。

 「両社は、国や国際機関と共に、エネルギー船から500MWの電力を供給し、立ち上げるプロジェクトを開発する」とThe Maritime Executiveは報じている。「両社は、Karpowershipの技術で、新規発電能力を比較的早く展開できると考えている。Karpowershipは現在エネルギー船を36隻保有し、13カ国で操業している。同社によると、天然ガス/LNG、低硫黄液体燃料のマルチ燃料で運航する船舶は、30日以内で既存インフラに直接接続できるという。

 ロイター通信は水曜日、ウクライナ南部の都市ケルソン港で、トルコ所有の一般貨物船がミサイルに撃たれ、火災が発生したと、現場のビデオ映像や海運関係者の話を引用して報じた。

 「海上警備会社アンブレイによると、火曜日にトゥズラという船のブリッジにミサイルが命中し、火災が発生した」。

 ロイターは、ビデオに映っている船や建物から場所を確認し、その地域のファイルや衛星画像と照合したが、ビデオ撮影の日付を独自に確認することはできなかった。

 ロシア連邦安全保障理事会のドミトリー・メドベージェフ副議長は、ウクライナは間もなく海へアクセスできなくなると主張している。

 2014年以来占領中のクリミア半島とロシアを結ぶ、ウラジーミル・プーチン自慢の40億ドルの架橋ケルチ橋で補修作業が続いている。同橋は10月8日の攻撃で大きな被害を受けた。

 アメリカのアフガニスタン戦争では、肩載せ発射式のPG-7弾頭が、アメリカの装甲車両に大打撃を与えた。今、ウクライナはロシア軍装甲車両を破壊するために、弾頭の1つをドローンにマックガイバー式に取り付けたようだ。BMP-1歩兵戦闘車両に発射される様子のビデオが出ている。

 ロシアもまた、アメリカの最長の戦争となったアフガニスタンを思い起こさせる攻撃で、この場合はアメリカが寄贈したM1224 MaxxPro MRAPを破壊している。

 ジャベリンはウクライナでも威力を発揮し、今回はT-80戦車2両を含むロシア軍装甲車数両を撃破したと報告が入った。

 ドネツク州の塩鉱山の町ソレダルは戦場のままで、ロシア軍はウクライナ軍の砲撃を受けている。

 そして最後に、戦時下でも電車運行を続けるウクライナは、大量輸送機関で米国を凌駕している。■


Ukraine Situation Report: Kyiv Improving Airfields Anticipating Western Fighters



BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JAN 27, 2023 10:35 PM

THE WAR ZONE



イスラエルがF-15EX(イーグルII)導入へ。米国に正式要請を発出。

 


F-15EXがイスラエル空軍で使用された場合のイメージ図。(写真:ボーイング)


スラエル国防省は、イーグルIIを25機取得したいとする要請書(LoR)を米国政府に送ったと報じられている。

 長年の遅延の後、イスラエルはついに最新型F-15EXイーグルIIを手に入れるかもしれない。業界関係者の話を引用したBreaking DefenseとThe Jerusalem Postによると、イスラエル国防省はアメリカ政府に公式要請書を送り、対外軍事売却(FMS)の承認に向けたプロセスを開始したとある。

 イスラエル政府は、F-35とF-15の増強が最優先課題とされた2020年に、F-15EXに関心を示していた。しかし、政情不安と予算問題でF-15の契約は遅れ、F-35の増産契約だけ確定していた。LoRでは25機のF-15EXが記述されており、イスラエルではF-15IA(Israel Advanced)と呼ばれることになるが、最大50機がFMSで要求される可能性があるとされている。

 イスラエルは新造機とともに、F-15Eストライクイーグルのイスラエル仕様機F-15Iラーム25機をF-15EXと同様のエイビオニクス構成に改修することも要求している。イスラエル空軍はF-15A/B/C/Dを50機保有しているが、アップグレードには含まれない。Breaking Defenseによると、F-15IAの最短納品は2028年、F-15Iのアップグレードのスケジュールは不明だ。

 2020年以降、イスラエル空軍は、イランの核施設など強化目標の破壊のために、大量の兵装を運搬できるF-15で増強が急務だと表明していた。実際、F-35とF-15の必要性は、将来の戦闘シナリオと、目標が高度な防空システムに守られているイランを攻撃する潜在的な必要性に基づいたものだ。そのようなシナリオでは、防空システムを無力化するためF-35を何波も投入し、核施設攻撃にF-15を投入することになるだろう。

 イランがロシアとの関係を強化し、イランがより新しく、より高度な装備を手に入れる可能性があるため、イスラエルは新型戦闘機の必要性を緊急に考慮するかもしれない。イランは近いうちに新型戦闘機Su-35SフランカーEをはじめ、未指定の防空システム、ミサイルシステム、ヘリコプターを受け取るかもしれない。地対空ミサイルシステム「S-400 Triumf」の売却も長い間噂されているが、今のところ未確認だ。■


Israel Requests F-15EX Sale And F-15I Upgrade

January 25, 2023 Military Aviation

STEFANO D'URSO

https://theaviationist.com/2023/01/25/israel-requests-f-15ex-sale-and-f-15i-upgrade


2023年1月28日土曜日

ボーイングのBWBコンセプトがステルス性を重視し進化。将来の対中戦を睨んだ輸送機、空中給油機になるのか。

 

Boeing


ボーイングの新型ステルス機コンセプトは、貨物輸送機やタンカーにも生存性向上を求める声の高まりの反映だ

ーイングは、ステルス性を備えた戦術的貨物機の新コンセプトを発表した。同社はこれまで社内プロジェクトとしてきたが、フランク・ケンドール空軍長官が、近い将来の中国とのハイエンド紛争では、生存性の高い輸送機と空中給油タンカーが重要だと述べた約2週間後に、今回の発表が出た。

ボーイングはワシントンD.C.郊外で開幕した2023年AIAAサイテック・フォーラムで新型BWBコンセプトの模型を展示した。

ボーイング社が今週、年次AIAAサイテック・フォーラム展示会で発表した新しいステルスBWB貨物機コンセプトの模型。 Joseph Trevithick

The War Zoneがボーイングから入手した声明によると、同社はBWBの主な特徴を共有する良い時期だとし、「当社は、軍用輸送機設計の最先端を進むため、BWBコンセプトの研究活動を政府と続けています」とある。

ボーイングには、BWB設計に関連する長い歴史がある。2000年代後半から2010年代前半にかけNASAとの契約で、乗員なしのサブスケールX-48の開発と実際の飛行テストをした。

BWBは、全翼機のような機体形状で、B-2やB-21ステルス爆撃機の高ステルス性を連想させるが、BWBの利点は、空力的効率の向上と、燃費と全体的な航続距離の増大だ。また、内部容積が増えることもプラスに働く。

しかし、The War ZoneがAIAAサイテックイベント会場で話したボーイング担当者は、新しく発表された輸送機コンセプトは、同社のこれまでのBWB開発からの「実質的な逸脱」だと述べている。今回のコンセプトは、胴体の縁を一部削り、機首をくちばし形状にするなどのステルスデザインや、完全内蔵型ジェットエンジンが特徴で、尾翼形状も特徴的だ。

ボーイングの新型ステルス「BWB」コンセプトの小型モデルを正面から見た。 Boeing

X-48を含む、ボーイングのこれまでのBWBデザインは、胴体と機首がより広く丸みを帯び、エンジンは後部胴体中央上部のポッドに搭載されているものが中心だった。しかし、同社は10年以上前にも、空軍主導の「スピード・アジャイル」プログラムの一環で、今回明らかになったコンセプトに近いものを製作していたが、完全なBLBデザインではなかった。

初期のボーイングBWB、非ステルス型の空中給油タンカーのイメージ図。Boeing

ボーイングがスピードアジャイルプログラムで開発し風洞実験モデル。 NASA

新型BWB機は、エンジンインレットに部分的にサーペンタインダクトを組み込んでいる。これはタービンブレードを隠すのに役立つ。ファン・フェイスバッフルと組み合わせれば、レーダー断面積を大幅に減少でき、真正面からのステルス効果も大きい。

排気口と尾翼の構成は、下方からの排気口への直接視線を遮り、機体の赤外線シグネチャを減らすようだ。これで、側面のレーダー信号も減らすことができ、ステルス黎明期までさかのぼる低視認性航空機の設計特性に一致する。

デザインコンセプト、エンジンの排気配置に注意。Boeing

モデルではコックピット窓の配置も特徴的だ。イベントでボーイング担当者は、少なくとも現時点では、窓の配置は他の設計上の考慮事項を反映していない、と述べていた。とはいえ、上部窓は空中給油で有益ぶばry可能性がある。

窓の構成をクローズアップしたもの。 Boeing

ボーイングが、BWBプランフォームのメリットを享受することを望まないはずがない。設計コンセプトは、従来型貨物機と同等の積載量で、約30%の燃費向上が期待できるとWar Zoneは伝えた。C-130ハーキュリーズとほぼ同等の積載量の設計だ。空軍によれば、標準的なC-130J型機の最大積載量は約42,000ポンド。

とはいえ、「カーゴ・ボックス」だけでなく、顧客の要求に応じ将来的に拡大・縮小したり、形状を変更したりできる設計だと同社は述べている。今回の設計や派生型は、将来的には空中給油など、他のミッションに適応できる可能性がある。また、将来的に無人運行、あるいは任意で有人操縦できるバリエーションが生まれる可能性を排除していない。

Joseph Trevithick

今回の設計は、初期のコンセプト段階だ。ボーイングは、デジタルエンジニアリングと、伝統的手法を駆使し開発に取り組んでいる。新しいBWBデザインは、大きな腹部インレットを通る空気の流れなど、各種要素が高度なモデリングでさらに分析される。

冒頭で述べたが、ボーイングはこの作業に社内の研究開発費をあててきたが、この設計、あるいはその派生型を各顧客に売り込もうとしているのは明らかだ。これには米軍、特に空軍が含まれ、高ステルスのBWB輸送機やタンカーを想定する。

The War Zoneで は、10 年以上前から空軍にステルスタンカーが必要な理由を詳細に説明してきたが、生存性の高いタンカーや輸送機への要求と、その根底にある問題は、大きくなるばかりだ。

「脅威の変化により機動性が必要となります」。今月初め、ワシントンD.C.のシンクタンク、外交問題評議会(CFR)主催のオンライン講演で、フランク・ケンドール空軍長官は、「脅威が長距離に手を伸ばし我々の航空機と交戦するようになってきたことが、その要因だ」と述べた。「従来は、民間航空機の派生型をタンカーや輸送機にすればよかった。しかし、こうした機材は、生存率や回復力に対する高い要件を満たす設計でない」。

「脅威が(設計の)自由を奪っている」とケンドールは続けた。「結果を出すには時期尚早だが、次世代の能力を検討中です。また、ブレンド・ウィング・ボディはきわめて有力な候補の1つだ」。

「民間航空の世界にまだ存在しません。いずれそうなるかもしれませんが、今はまだありません。我々は、初期の設計作業を行っており、DODプログラムとしてプロトタイプに移行する可能性があります」。

ケンドール長官が何を指していたのか、正確には不明だ。しかし、昨年、国防総省の防衛革新ユニット(DIU)は、「ボーイング767やエアバスA330系列の民間・軍用機より空気力学的効率が最低30%高い」先進型BWB航空機の「デジタル設計コンセプト」を民間企業に求め、情報提供を要請した。発表では、2026年までに飛行実証機を飛ばす可能性があるとある。DIUは、新しい商業技術を米軍が活用できるようにすることが主な任務だ。

空軍がステルスBWBやその他の関連設計を次世代空輸機や空中給油タンカーとして検討したのは今回が初めてではなく、ケンドール長官がCFRとのチャットで挙げたのと同じ一般的な理由がある。「次世代戦術機動機」のコンセプト開発に重点を置いたスピード・アジャイル・プログラムが典型的な例だ。

空軍はKC-Zと呼ぶ次世代ステルスタンカーの要件もここ数年検討してきた。昨年、空軍は、2024年に想定した選択肢の分析を開始したいと述べていた。ボーイングやロッキード・マーチンは、KC-Zについて空軍と協議に参加している、BWBに似たタンカー・コンセプトが多数発表されてきた。

ハイブリッド主翼胴体一体型とも呼ぶBWBデザインを採用したロッキード・マーチンの先進タンカー・コンセプトの模型。Joseph Trevithick Joseph Trevithick

米空軍は、「C-17グローブマスターIII」(2015年で生産終了)の後継機に求める要件を策定中だ。2022年10月の講演で、ケンドール長官は、「今年中に次世代エアリフターの開発プログラムの開始を検討中」と述べていた。

「将来型モビリティコンセプトは、伝統的な機体と大きく異なるかもしれません」。Aviation Weekによると、ケンドール長官このように述べていた。「長距離空対空ミサイルの脅威にも耐える能力が必要だ。モビリティ資産を争奪戦環境に投入できるようにしなければならない」。

太平洋地域の広大な各地で中国軍と大規模戦闘を行う際に米軍の懸念は、長航続距離の支援機の必要性だ。そもそも太平洋地域では米軍基地の選択肢が限られ、敵のスタンドオフ攻撃の前に非常に脆弱となる可能性がある。そのため、あらゆるタイプの空中給油タンカーへ極めて高い需要が生まれる。だが米軍が短距離の戦闘機を中心とした戦術戦闘機部隊に大規模な投資を行っていることもあり、給油機が格好の標的となる。

また、レーダーなどシグネチャを低減した先進輸送機は、敵地奥深くまで侵入できるステルス性を備えなくても価値があることは言うまでもない。ステルス機能を制限した設計でも、タンカーが活動する必要がある距離では、ステルス性と生存性の高い戦闘機に十分な生存性を提供できる。バランスの取れたアプローチは、航空機の調達と維持のあらゆる側面に影響を与え、深部侵入任務が可能なハイエンドのステルス設計に比べ、開発および飛行運用がより手頃なものになる。

ロッキード・マーティン社による、同様のステルスタンカー・コンセプトのレンダリング画像。Lockheed Martin

ステルスタンカーは、低高度飛行と組み合わせることで、遠距離の敵の防衛体制から身を隠すのに役立つ水平マスキングを利用し、既存型機では立入できない高脅威地域付近で活動できるようになる。こうした戦術はタンカーや輸送機ですでに使用されているが、ステルス設計で脆弱性が解消し、敵防空網に接近し作戦実行できる。高度な紛争において、前方のハブアンドスポーク・ロジスティクスと燃料補給、その他任務を支援する上で重要となる可能性がある。

ステルス戦術輸送機に関しては、特に米国の特殊作戦コミュニティが数十年にわたり斬新なコンセプトを各種模索してきた。

米空軍が2000年代後半から2010年代前半にかけて、プロジェクトIX(プロジェクト9)と呼ばれる取り組みの一環で検討した、想定される先進ステルス輸送機コンセプトを含む将来の作戦を描いた、いわゆる「作戦図」(OV)。 (Project 9). USAF via FOIA



BWB設計でステルス機能を備えていようとなかろうと、次世代輸送機や空中給油タンカーがいつ米空軍あるいは他の誰かに就役するかは未知数だ。「BWBタイプは、今後10年から15年内に、軍用亜音速輸送機として開発される可能性があります」と、ボーイングは声明で述べている。

 ステルス性を備えた高度な軍用貨物機やタンカーに新たなニーズが生まれつつあり、需要がますます高まることは明らかだ。米空軍はじめ各方面の要求が具体化する中で、ボーイングの新しいBWBコンセプトがどう進化していくのか、興味深いところだ。■


Stealthy Tanker-Transport Aircraft Concept Unveiled By Boeing

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED JAN 26, 2023 1:13 PM

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