2024年12月4日水曜日

シリア東部での米国の空爆をめぐり情報が錯綜(The War Zone)―A-10が対地攻撃に投入された模様。シリア含む同地域の複雑な様相に関心を日本も向けるべき。ISISはまだ残っている脅威だ

 


A U.S. official said U.S. forces backed an SDF raid on ISIS troops in eastern Syria.  

Senior Airman Rachel Pakenas



米国は、反アサド攻撃と無関係の対ISIS作戦を支援したと主張しているが、それと異なる報道も出ている



リア北西部でアサド政権に対し反体制派が攻勢を始め6日目に、米軍は同国東部でのシリア民主軍(SDF)の攻撃作戦を支援したと、米政府当局者が本誌に火曜日朝に語った。作戦は、ユーフラテス川沿いの町、ディア・エゾールの周辺で行われた。この町は、米国が支援するクルド人主導のSDFと、さまざまなジハード・グループや民兵との間の戦闘の中心地となっている。米政府高官は、この作戦はISISに対するものだと語ったが、アサド軍をねらったものだとの報告もある。

 「SDFの作戦が始まり支援を要請してきたので、我々は彼らを支援した」と、高官は作戦の詳細を語るために匿名を条件に語った。

 同高官は、米国がどのように支援したかについては明言を避けたが、「シリア北西部の出来事とは関係ない」と強調した。

 「これはわれわれの通常任務の範囲外ではない」と同高官は付け加えた。「任務に変更はない。われわれは依然としてISISを倒すためにそこにいるのであり、その使命に変わりはない」。

 米国はシリアで約900人の部隊を展開している。

 ネット上では、デイル・エゾール地域での米軍による空爆と、移動するSDF地上部隊を映した動画が公開された。

 米政府高官がA-10ウォートホグがこの地域で活動していることを否定した翌日、A-10がSDFの活動を支援しているとする動画がネット上に現れた。今日話を聞いた米政府高官は、ウォートホグがこの作戦に関与していることをすぐには確認できなかった。

 A-10は12月1日にも、イランの代理民兵グループに対し空爆を行ったと報じられている。

 SDFはウェブサイトに掲載した声明の中で、デイル・エゾール近郊の「7つの村」として知られる地域を、この地域でまだ活動しているISIS残党から防衛していると述べた。SDFによれば、懸念は、反アサド戦闘員がハマに向かって南下を続ける中、ISISが約150マイル西で起きている混乱を利用しようとしていることだ。

 「シリア西部、特にバディア地域の最近の情勢から生じる深刻な治安状況と、特にデイル・エゾールの北部と東部において、地理的に無防備な地域を支配するためにISISの大規模なテロリスト細胞が差し迫った動きを見せていることに関連する深刻な脅威の存在に鑑み、われわれの部隊がデイル・エゾールの東部の田舎にあるサルヒヤ、タビア、ハトラ、ケシャム、マラット、マズルーム、フセイニヤの村々の住民を保護する責任を負うことになったことを確認する」とSDFは説明している。「これらの村々へのわが軍の派遣は、ISISが同国西部での出来事を悪用する可能性が高まっていることを受け、地元住民から訴えに応えたものである」。

 米政府高官は、今回支援している作戦はアサド政権に対する反乱とは無関係だと主張したが、攻撃はイラン支援を受けた民兵かアサド軍に対するものだという主張もある。

 ロイターは火曜日、「米国が支援するクルド人主導の連合部隊が火曜日未明、シリア北東部でシリア政府軍と戦闘した。空爆はまた、戦略的に重要な地域でシリア政府軍を支援するイランに支援された民兵グループも標的にしており、シリア東部の安全保障の情報源となっている」。

 ヒズボラ系のメディア『アル・マヤディーン』は火曜日、この攻撃は反政府勢力の攻勢に関連したもので、SDF傘下のデイル・エゾール軍事評議会に代わって行われたものだと報じた。

 アル・マヤディーンの特派員は、米占領軍がデイル・エゾール軍事評議会の武装勢力に対して、デイル・エゾール地方の7つの村のシリア軍陣地への攻撃を指示したことを確認した。「デイル・エゾール軍事評議会の武装勢力とシリア軍との激しい衝突が、デイル・エゾール北部のアル・サリヒヤ、マラット、アル・タビヤの町はずれで報告された。デイル・エゾール北部のアル・サリヒヤ戦線では、武装勢力とシリア軍との激しい衝突も報告された。

 アル・マヤディーンは、SDFはこの作戦で何の地盤も得られなかったと書いている。

 ロンドンを拠点とする監視団体「シリア人権監視団(SOHR)」は、「『7つの村』地域上空を連合軍機が頻繁に飛行する中、米国主導の反ISIS国際連合軍の航空機が、この地域のイランに支援された民兵の拠点を集中的に空爆した」と述べた。

 月曜日、国防総省の最高報道官は、SDFが「コノコ油田近くのアル・アサド政権が支配する7つの村で作戦を開始する準備をしているのか」と質問された。

 パトリック・ライダー空軍少将は記者団に対し、「ISISを撲滅するための重要なパートナーであるSDFとは連絡を取り合っている。ISISの脅威と、彼らがシリア全土やイラクに復活することができないようにすることに関し、引き続き緊密に連携していく。ただそれだけだ」。

 ライダーは、アメリカは反体制派の攻撃には関与していないと強調しながらも、アメリカ軍は最近、デイル・エゾール地域で銃撃を受け、防衛行動で対応したと付け加えた。

 「シリアにある我々の施設に対してロケット弾攻撃があった。米軍兵士に負傷者はなく、インフラにも被害はなかった。これとは別に29日には、MSSユーフラテスの近くで自衛攻撃があった。米軍は同施設に対する潜在的脅威を実質的に【排除】した。シリア北西部で進行中の事態とはまったく無関係だ」。

 HTS(正式にはアル・ヌスラ戦線として知られるアルカイダ関連グループだが、その後スンニ派ジハード組織との関係を断ち切った)が率いる連合軍が、アレッポからハマへと南下を続ける中で、こうした事態が起きている。

 首都ダマスカスと反体制派が支配するアレッポを結ぶ重要なルートから政府軍を切り離そうと、シリア反乱軍は「中央部のハマ県で攻撃を開始した」と『ガーディアン』紙は火曜日に報じた。シリア国営通信『サナ』は、「軍はハマで武装グループと激しく対立している 」と報じた。

 反体制派は、「国内第4の都市であるハマ市から約6マイルに位置し、彼らの軍は市のすぐ北にあるマールディスとソランの町を占領した 」と述べた。


 米国は反体制派による攻撃とは無関係だと主張しているが、それはアサド政権の支配地域の外側で起こっていることであり、そこでは政権軍、イランの支援を受けた民兵、ISIS、そして米国の支援を受けた軍を含む多数のグループが、複雑に絡み合ったまま戦いを繰り広げている。


更新:東部時間午後3時2分

MSSユーフラテスが攻撃された後、アメリカはシリア東部で防衛攻撃を行ったと、ライダー少将は火曜日午後、本誌含む記者団に語った。少将はすぐに、反体制派の攻撃や政権軍とは何の関係もないと指摘した。

 「今朝、米中央軍の部隊は、シリアの軍事支援施設ユーフラテスの近辺で、米軍と連合軍に明白かつ差し迫った脅威を与える、トラック搭載型多連装ロケットランチャー3基、T-64戦車、迫撃砲を含む複数の兵器システムの破壊に成功した」とライダーは説明した。「移動式多連装ロケットランチャーがロケット弾を発射し、MSSユーフラテスの近辺に着弾した後、米軍に向けて迫撃砲が発射された。

 米国は「誰がこれらの兵器を操作しているのか評価中だ」とライダーは続けた。「しかし、この地域にはイランの支援を受けた民兵組織があり、過去にMSSユーフラテスを攻撃したことがある。この地域にはシリア軍も活動している。はっきりさせておくが、これらの自衛行動は米軍兵士に対する差し迫った脅威を排除することに成功したものであり、シリア北西部における他のグループによる広範な活動とは無関係である」。

 本誌はライダー少将に、シリア東部でのISISに対するSDFの活動を米国が支援したかどうか具体的に尋ねた。

 ライダーは以前のコメントに言及し、次のように述べた:「米軍が脅威にさらされたので、米軍はその脅威を排除し、我々の部隊を守るために行動を起こした」

 ライダーはまた、11月29日に同地域で行われた防衛攻撃について、敵の目標に対してA-10が使用されたことを認めながら、若干の補足説明を行った。

 「11月29日、米中央軍もまた、MSSユーフラテスで米軍および連合軍に脅威を与えていた敵対的目標(ロケット砲を準備している者が目撃された)に対し、A-10機を使用して攻撃を行い、成功を収めました。同様に、MSSユーフラテスにおける自衛行動により、我々の人員に対する脅威も排除されましたが、この行動もまた、アレッポやシリア北西部での進行中の作戦とは一切関係がありません」。■


Claims Swirl Around U.S. Strikes In Eastern Syria (Updated)

The U.S. insists that it supported an operation against ISIS that had no connection with anti-Assad offensive, reports state otherwise.

Howard Altman


https://www.twz.com/news-features/claims-swirl-around-u-s-strikes-in-eastern-syria


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