2025年11月27日木曜日

米空軍は中国との激しい戦闘を想定し、分散孤立基地からの作戦展開を訓練中(Defemse News)

 米空軍は中国との激しい戦闘を想定し、分散孤立基地からの作戦展開を訓練中(Defemse News)―開戦直後に中国の攻撃により既存の基地が使用不可になる想定で米軍は基準以下の施設を利用できるよう事前に訓練しているわけですが、当然日本国内の主要基地や空港も利用できなくなる事態を想定しておくべきで、こう考えると存続危機を巡る論戦がいかに空虚なのかよくわかりますね

スティーブン・ロージー

2025年11月25日 午前6時04分

2025年11月17日、ジョージア州ムーディ空軍基地での演習「モザイク・タイガー26-1」でA-10CサンダーボルトIIが整備された。この演習は、限られた資源で争奪環境下における航空機運用を維持する整備要員の訓練を通じ、アジャイル戦闘展開能力を強化する。(空軍上級兵曹イアン・スタンレー撮影)

国やその他先進的な敵国との将来戦では、空軍部隊は数日、数週間、あるいはそれ以上にわたり、増援や補給、通信が断たれた状態で作戦を継続せざるを得ないかもしれない。

そこで今月、ジョージア州ムーディ空軍基地の第23航空団は、自力で戦闘出撃を継続し、航空機を維持する訓練を展開した。

11月12日から21日にかけてフロリダ州とジョージア州各地で実施された「モザイク・タイガー26-1」演習は、将来の主要敵国とのハイエンド戦において第23航空団が戦闘作戦を遂行する能力を実証することを目的としていたと空軍は発表した。

ムーディ基地が11月16日に発表した声明によれば、演習の基盤となった空軍の「アジャイル戦闘運用(ACE)」戦略は、中央基地から切り離された分散型・簡素な飛行場から作戦を展開せざるを得ない状況下でも、航空団が戦闘航空戦力作戦を維持・指揮できることを保証することを目的としている。

ACEは中国との潜在的な戦争に備えるため設計された。中国は大型の集中型航空基地を、巡航ミサイルや航空機の離陸を阻止する兵器で攻撃してくる可能性が高い。この概念は、空軍部隊が既存基地より劣悪な小規模かつ分散した基地からの運用を求める。これにより、補給や増援が直ちに得られなくても、争奪戦が繰り広げられる戦域で空軍が作戦を維持できる。

この演習には攻撃部隊、救難部隊、支援部隊など多様な航空要員と部隊が参加し、将来の紛争が展開される可能性のある争奪環境を模擬した条件下でテストされた。

航空要員は前方作戦拠点を設置し、航空機の迅速な再武装・再給油(統合戦闘ターンと呼ばれる技術)を実施し、これらの緊急拠点から作戦を維持することで、分散配置された拠点でも適応し運用できることを示さねばならなかった。

2025年11月17日、ジョージア州ムーディ空軍基地で行われた演習「モザイク・タイガー26-1」で米空軍兵士がA-10CサンダーボルトIIの診断作業を実施した。即席の修理は、信頼性の高い航空戦力を確保し、航空機が安全かつ時間通りに発進するため不可欠である。(撮影:イアン・スタンレー上級空軍兵/空軍)

同基地によれば、演習の最初かつ最重要要素の一つは、同航空団所属の第23戦闘航空基地中隊の活動開始であった。同中隊は前方作戦拠点の設置と、新基地の防衛・兵站・通信能力の構築を担当した。

多能工概念の一環として、航空兵は航空機の整備、通信の確立、基地周辺の警備など、自身の専門分野外の業務を遂行しなければならない場合がある。孤立した基地では、通常の拠点にある資源や人員が確保できないためだ。

「中隊の航空兵全員が、通常は担当範囲外の任務に取り組んでいる」と、中隊指揮官のジャスティン・メイ中佐は述べた。

ムーディ基地の第74戦闘機整備中隊と第75戦闘機整備中隊の整備要員は分散配置され、それぞれ異なる状況下で複数の拠点に派遣された。各拠点では、補給時期が不透明な中、一定期間航空機の飛行能力をどう維持するかという課題に直面した。

「要員が携行した物資は、次回の補給まで慎重に使用する必要がある」と空軍は11月19日に発表した。

予備部品や潤滑油などの装備・物資を節約して使用することを強いられた整備士たちは、A-10ウォートホグなどを戦場に留めるため、創意工夫を凝らし、変化する環境に適応せざるを得なかったと空軍は説明した。部品を再利用して寿命を延ばす方法を見つける必要もあった。

「現地にある物資の責任を負うことは、結局のところ、説明責任を果たし、利用可能なすべての資源を活用することにつながる」と、第75航空団のクルーチーフであるウィリアム・フローレス曹長は11月19日の声明で述べた。「例えば燃料だ。消費量が多すぎる場合、供給量を超える使用を避けるため機材を入れ替える必要がある。これで航空作戦を維持できる」。

ムーディ中佐は11月21日の声明で、上層部との通信が制限されたり完全に途絶えた場合でも、戦闘出撃を継続する方法を空軍兵士が訓練したと述べた。

第74航空団作戦部長ネイサン・フレイ中佐によれば、航空兵は今後3日間の行動指針を明記した航空任務命令書を受け取る。しかし通信障害が3日以上に継続した場合、部隊は任務に関する大まかな指針に切り替え、近隣部隊と直接連携する。

基地によれば、これは部隊が指揮官の最終確認された意図に沿って行動すること、および事前ブリーフィング済みのタイムラインに基づく行動を意味する。

「通信障害が72時間を超え継続した場合は軍事的な命令形態に移行する。これは大まかな意図を示し、詳細な統合なしに隣接部隊との調整を可能にするものだ」と第74任務生成部隊要素の指揮官、デイビッド・プール中佐は述べた。「その段階で航空団が介入し、隣接部隊間の連絡調整を支援して、実行前の詳細な作戦計画立案を行う」と述べた。■

スティーブン・ロージーについて

スティーブン・ロージーはディフェンス・ニュースの航空戦担当記者である。以前はエアフォース・タイムズで指導部・人事問題を、ミリタリー・ドットコムで国防総省・特殊作戦・航空戦を担当した。米空軍作戦を取材するため中東にも赴いている。

Air Force practices operating from cut-off bases in fierce future war

By Stephen Losey

 Nov 25, 2025, 06:04 AM

https://www.defensenews.com/air/2025/11/24/air-force-practices-operating-from-cut-off-bases-in-fierce-future-war


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