2025年11月25日火曜日

退役間近の海兵隊ハリアーがカリブ海に展開中でヴェネズエラを睨んでいる(Task & Purpose)

 

退役間近の海兵隊ハリアーがカリブ海に展開中(Task & Purpose)

「任務遂行に必要なF-35Bが不足しているなら、最後のハリアーまで投入するしかない」と専門家は語った。

ジェフ・ショゴール

2025年11月21日 午後2時54分 EST 公開

A Marine Corps AV-8B Harrier II with Marine Medium Tiltrotor Squadron (VMM) 263 (Reinforced) on the flight deck of the Wasp-class amphibious assault ship USS Iwo Jima in the Caribbean Sean, Sept. 7, 2025.2025年9月7日、カリブ海でワスプ級強襲揚陸艦「イオージマ」の飛行甲板に展開する海兵隊中型ティルトローター飛行隊(VMM)263(増強)所属のAV-8B ハリアーII。撮影:海兵隊軍曹タナー・バーナット

兵隊の伝説の機体AV-8BハリアーIIの終焉説は誇張だ。今週公開された米南方軍司令部発表の映像が証明している。映像では、強襲揚陸艦イオージマから発進したハリアーがカリブ海で実弾射撃訓練を実施している。

イオージマ含む海軍艦艇は、同地域における米軍の大規模な軍事増強の一環で、ヴェネズエラ国内の標的に対する作戦の前兆となる可能性がある。この増強には、近代的な航空部隊を擁する空母ジェラルド・R・フォードも含まれる。しかし映像からは、ハリアーも待機状態にあることが明らかだ。

2025年を通じ多数のハリアーが退役・除籍された後、今回の増強にハリアーが参加している事実は一部を驚かせたかもしれない。最後のハリアー飛行隊がチェリーポイント海兵隊航空基地で5月に最終任務を終えた際、ノースカロライナ州の海岸線に最後の轟音を響かせていた。

9月には、海軍航空兵器基地チャイナレイクでハリアーの飛行試験プログラムが終了した。そして今週、チェリーポイント最後のハリアー機の一機が博物館展示のためコロラド州デンバーに到着した。

ハリアーの時代は終わりを迎えつつある。しかし今週公開された動画が示す通り、AV-8Bが『リーサル・ウェポン』シリーズのダニー・グローバー並みに引退間近とはいえ、この手の任務には十分通用する。

パイロットの大半より年長

ハリアーが初めて実戦投入されたのは1982年のフォークランド諸島侵攻作戦で、英国軍が運用した。この時アルゼンチン軍パイロットは本機を「ラ・ムエルタ・ネグラ(黒死病)」と揶揄した。海兵隊が米国版AV-8Bの運用を開始したのは1985年1月である。

海兵隊広報官によれば、海兵隊のハリアーは1991年の湾岸戦争、イラク・アフガニスタン戦争、そして米国主導のイスラム国(ISIS)掃討作戦でも実戦投入された。

この機体は短距離離陸と垂直着陸を可能とする設計で、水陸両用強襲揚陸艦に最適だ。海兵隊が先進的なF-35 ジョイント・ライトニングII(短距離離陸・垂直着陸機であるF-35Bを含む)へ移行した現在でも、ハリアーは海兵隊航空地上任務部隊の重要な一翼を担い続けている。

「ハリアーはシンプルな航空機だ。その役割を非常に良く果たし、水陸両用艦からの運用も容易である」と、ハリアー運用に豊富な経験を持つ元国防当局者は述べた。「F-35に比べ、後方支援も簡素だ。F-35ほどの能力はないが、概ね十分にこなす」。

退役した同当局者は、ハリアーは攻撃任務に最も適しており、目標に極めて近い位置にある水陸両用艦から離陸できると述べた。

AV-8Bは依然として有用な航空機だが、カリブ海のような脅威の低い環境での使用が望ましいと同当局者は付け加えた。

「ヴェネズエラには防空システムはあるものの、ロシア製やイラン製の防空システムではない」と同当局者は語った。「能力は劣るため、実際にはハリアーのようなプラットフォームが活動するには理想的な環境だ。世界で効果的に運用できる数少ない場所の一つだろう」と述べた。

海兵隊がカリブ海にハリアーを派遣した別の理由は単純だ。航空宇宙産業向けコンサルティング会社AeroDynamic Advisoryのリチャード・アブラフィア常務取締役は「利用可能だからだ」と説明した。

「任務を遂行するのに十分なF-35Bがなければ、結局は最後のハリアーに頼るしかない」とアブラフィアは本誌に語った。

同氏はさらに、短距離滑走路からの離陸と垂直着陸能力により高い展開性を有する点で、ハリアーとF-35Bの双方が「現代航空技術の奇跡」だと付け加えた。

結局のところ、カリブ海におけるハリアーの任務は、その長いキャリアの集大成となる見込みだ。海兵隊広報官のジェイコブ・サッグ大尉によれば、海兵隊最後のハリアー飛行隊は2026年9月30日に終了する本会計年度中に解散する。

「第22海兵遠征部隊への最終配備を含むAV-8Bの継続的な作戦有効性は、同機が戦闘指揮官に抑止力と戦闘作戦で柔軟な選択肢を提供できる能力を体現している」とサッグは本誌に語った。「海兵隊の象徴としてAV-8Bハリアーは、40年以上にわたり遠征作戦において比類なき機動性と殺傷力を提供し、過酷環境や水陸両用強襲揚陸艦からの迅速展開を可能にしてきた」。■

ジェフ・ショゴール

上級国防総省記者

ジェフ・ショゴールは『Task & Purpose』の上級国防総省記者である。20年近く軍事分野を取材している。連絡先はschogol@taskandpurpose.com、Twitterでは@JSchogol73030へダイレクトメッセージを送ること


Marine Harriers are in the Caribbean just ahead of retirement

“If they don’t have enough F-35Bs to do the job, then, well, it’s up to the last of the Harriers," an expert said.

Jeff Schogol

Published Nov 21, 2025 2:54 PM EST

https://taskandpurpose.com/news/marines-harriers-caribbean-buildup-venezuela/


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