長興島造船基地で建造中の076型揚陸艦。 CSIS/China Power/CNES 2024
中国の新型揚陸艦は巨大で、異様であり、謎に包まれている
中国海軍にとって注目すべき追加であり、各種目的や任務を遂行できる可能性がある
076型で最も興味深い特徴は、固定翼機を発進させる可能性があるカタパルトシステムだ
中国の造船業界は、新型強襲揚陸艦の一号艦を驚くほど迅速なペースで建造している。
しかし、大型で先進的な076型の役割については、謎に包まれたままだ。同艦については、依然として不明な点が多い。
ビジネス・インサイダーに提供された戦略国際問題研究所(CSIS)の衛星画像は、上海の長興島造船基地で建造中の076型(別名:楡林型Yulan-class)揚陸強襲艦の進捗状況を示している。7月4日付けの画像には、艦船のさまざまな詳細が捉えられている。
前身の075型(Yushen級)と比較すると、顕著な違いがあるように見える。最も明らかなのはその大きさだ。076型は075型よりもはるかに長く大型であり、完成すれば、米国や日本の同型艦をはるかに凌ぐ世界最大の揚陸艦となる。これは、この新型艦に関するCSISの分析に基づくものだ。
衛星画像は、076型のトップデッキを示している。CSIS/China Power/CNES 2024
大型艦の利点には、より多くの航空機を搭載できる可能性、乗船するさまざまな人員のためのより広いスペース、その他の資産を収納する内部スペースなどが挙げられる。
しかし、076型で最も際立っているのは、固定翼機のカタパルト発射システムを備えているように見える点だ。この技術は、中国の新型空母「CNS福建」にも採用されており、同空母は、米国の最新空母「フォード級」と同様の電磁式航空機発射システムを搭載している。
「これは今までに見たことのないものです」と、CSISの中国パワープロジェクトの上級研究員マシュー・フナイオールは本誌に語った。「LHAにカタパルトシステムを搭載している国は他にありません」と、彼は揚陸ヘリコプター強襲艦について言及した。この能力により、同艦は従来の強襲艦と空母の中間的な存在となるだろう。
076型へのカタパルト発射システムの追加は、中国が空母福建で同技術を導入したばかりにもかかわらず、技術に自信を持っているあらわれだと、フナイオールは付け加えた。しかし、中国が076型からどのような戦闘機を発進させるのか、また、搭乗員が搭乗するのか機材なのかは依然として不明である。
中国は、福建で、従来の空母で使用されていたスキージャンプ式航空機発射システムから、蒸気式カタパルトを完全にスキップして、先進的な電磁カタパルトへと技術的に飛躍した。
専門家や中国ウォッチャーが指摘しているように、中国はカタパルトシステムを無人機の発艦に利用する可能性がある。しかし、運用面や技術面での制約があるにもかかわらず、76型は一種のハイブリッド型、小型空母となり、特殊な役割を果たすことになるだろう。カタパルト、広い飛行甲板、滑走路の存在がそれを支えることになるが、容易なことではない。
ハドソン研究所の国防専門家である元米海軍士官ブライアン・クラークは、長時間飛行可能な無人航空機を発進させるのに、新型カタパルトは、「創造的な」方法であると述べた。
中国軍は、攻撃用および偵察用に無人機各種を運用しており、CSISが分析で指摘しているように、カタパルトのテストコースで無人機らしきものが写った写真が公開された。また、長興の施設では、無人機の模型らしきものがテスト施設で目撃されているが、その目的や意図は不明である。
フナイオールによると、、中国がUAVを海軍作戦にどのように活用するかという点において、076型がより優れた統合を実現するというのが最も可能性の高い役割である。
しかし、その能力と同じくらい重要なのは、076型がどれほど迅速に建造されたていることだ。
「中国の艦船建造能力がいかに驚異的であるかを強調することは、同様に重要である、いや、それ以上に重要であるとさえ言える」とフナイオールは述べた。建造の正確なスケジュールは不明だが、中国は076型を優先的に建造し、新しい乾ドックを完成させつつ建造を開始した。
これは中国の造船能力の規模と能力を示す一例に過ぎない。クラークは、076型建造の大きな成果は、中国の「生産ラインが非常に効率的であること」と「商業造船能力を軍艦建造に実質的に活用できること」を示していることだと述べた。
建造中の076型を示す衛星画像。CSIS/China Power/CNES 2024
076型が非常に特殊な艦艇であるにもかかわらず、米国も確かにこのような艦艇を建造することが可能であるとフナイオールは述べた。
しかし、米国は「当然ながら、スーパー空母に傾注してきた」とフナイオールは述べた。スーパー空母は本質的に多用途であり、さまざまな航空機を搭載でき、多様な任務を遂行できる。
また、米国にはアメリカ級とワスプ級の強襲揚陸艦があり、他のタイプの任務にも対応できる。フナイオールは、「米海軍には必ずしもこのようなプラットフォームが必要というわけではない」とも付け加えた。
076型が紛争シナリオで果たす役割については疑問が残る。例えば、台湾への侵攻や封鎖作戦の一端を担ったり、無人機やヘリコプターによる監視、対潜水艦戦、その他の偵察活動を支援したりする可能性もある。
しかし、クラークによると、076型は、自国の沿岸から遠く離れた場所への軍事力投射能力を持つ「外洋海軍」を目指す中国の目標に合致している可能性が高い。おそらく、その柔軟性こそが中国が望むものであり、各種任務を遂行でき、拡大する海軍力で重要な追加戦力となる艦船なのである。■
China is rapidly building an unusual assault ship with an apparent catapult system for launching aircraft, but its purpose is still a mystery
Chris Panella Aug 17, 2024, 8:47 PM JST
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