2025年6月18日水曜日

フォート・ベニングの射撃場は米陸軍の新型狙撃銃に十分でなくなった(Task & Purpose) ― MK22スナイバーライフルが米陸軍に登場



MK22精密狙撃ライフルは1500メートル先の標的に命中させることができる


U.S. Army Sgt. Garrett Grasser with 1st Battalion, 4th Infantry Regiment chambers a new round into his MK22 Advanced Sniper Rifle during weapons familiarization at the Danish International Sniper Competition, Borris, Denmark, June 24, 2024. 32 teams from 14 nations compete and enhance teamwork with Allies and partner nations. (U.S. Army photo by Markus Rauchenberger)

2024年6月24日、デンマークで開催された国際スナイパー大会で、MK22スナイパーライフルに新弾を装填する第4歩兵連隊第1大隊のギャレット・グラッサー軍曹。米陸軍写真:Markus Rauchenberger。


陸軍は1マイル近く離れた標的を正確に狙撃できる最新の狙撃銃に対応させるためジョージア州フォートベニングにある狙撃訓練場をに更新しようとしている。

 陸軍で新兵器開発を担当するプログラム・エグゼクティブ・オフィス・ソルジャーによると、MK22精密狙撃ライフルは、現行のM2010、M110、M107ライフルを置き換えるために設計された多口径ボルトアクション狙撃銃だ。

 陸軍の現世代の狙撃銃の「有効射程距離」はほぼ1,000メートルだが、新型MK22は1,500メートルから1,800メートル先の目標に届く、とフォートベニングの射撃場計画担当シェーン・ダンカンソンは陸軍のリリースで述べている。 その結果、この狙撃銃は "まったく異なる射程設計を必要とする"と彼は言う。射撃場のアップグレードにより、兵士はMK22を最大限に使用できるようになり、弾道の計算、距離の推定、実際に標的に命中させるといった、狙撃兵特有の技能訓練に役立つという。

 「武器システムの最大有効射程距離で目標を撃つには、狙撃兵は弾道計算を絶対的に正確に行い、大気の状態(主に風速と気温)に対応する必要があるんです。また、スナイパーには絶対的な射程距離推定能力が要求されます。さらに、狙撃兵は標的を探知し、標的を認識する能力も要求されます。これを成功させたスナイパーは、武器システムの使用に経験と自信を得られます」。

 MK22ライフルは、3種類の銃身を交換して3種類の弾薬を使用することができる。一般的な7.62mmと、2種類の新しい口径、.300と.338ノルマ・マグナム弾で、任務の種類に応じて交換することができる。

 このうち最も短い銃身では、標準的な7.62mm弾を1000メートル先まで使用できる。陸軍のファクトシートによれば、2本の長い銃身は、.300NMの通常弾と.338NMの徹甲弾を1500メートルまでの射撃に使用できる。

 ある最大規模の基地の陸軍射撃教官が本誌に語ったところによると、新型MK22を持つ兵士の中には、.300NMと.338NMの弾薬をまだ受け取っていない者もいるという。 陸軍が他の兵器で何十年も使用してきた7.62弾とは異なり、新しい狙撃用弾薬はいずれもこの小銃専用に開発されたものである。 陸軍は2022年6月、.300NMと.338NM弾薬を製造するため、シグ・ザウアー社と1億5700万ドルの契約を結んだ。 シグ・ザウアーは本誌に、陸軍から受注した弾薬はすべて納入済みと述べている。

 陸軍は2021年にMK22を特殊作戦兵に実戦配備した。 PEOソルジャー関係者によると、スナイパーライフルは、歩兵大隊など、スナイパー訓練を受けた兵士が配属されている通常部隊に配布される。関係者は、これまでにどの部隊がMK22を受領したか、あるいは近々受領する可能性のある部隊の詳細については明言を避けた。

 この狙撃銃は海兵隊でも採用されており、海兵隊は2024年11月、すべての歩兵部隊と偵察部隊、訓練学校に配備されたと発表した。新ライフルは、主要な訓練センターに射撃場を新設するなど、海兵隊全体で射撃訓練を全面的に見直す中で登場した。

 フォートベニングで最大の射撃場であるバロウズ射撃場は1976年に完成し、当初は装甲標的と射手から800メートルの距離にある移動標的レールシステムを備えた重装備の狙撃訓練用に設計されていた。

 MK22を設置するスペースを確保するため、この射撃場は当初、兵士が800メートルから1,100メートルの距離の標的で練習できるように改修される。さらに、数年後に1,200メートルまで拡大する。

 しかし、射撃場改修の一環として、陸軍は225メートルの堤防とトラックを撤去する予定であり、これにより兵士は遠くの標的への視線を確保し、新しいトラックレス・ムービングターゲットを設置するためのエリアを確保することになる。■


Ranges on Fort Benning aren’t long enough for Army’s new sniper rifle

With the MK22 Precision Sniper Rifle, soldiers are expected to hit targets up to 1,500 meters away — 500 meters farther than they could with the previous rifle.

Patty Nieberg

Published Jun 12, 2025 5:00 PM EDT

https://taskandpurpose.com/news/fort-benning-sniper-range-new-rifle/

パティ・ニーバーグ

シニアスタッフライター

Task & Purposeのシニアスタッフライター。 ハリケーンの中、州兵部隊に潜入したり、アルカイダ司令官のグアンタナモ湾での法的手続きを取材したりと、5年間軍隊を取材してきた。



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