空軍はボーイングKC-46ペガサスを「最も手頃な要求基準として」使用する計画だ
2022年11月7日、キーンソード23演習の支援で、横田基地に着陸するカンザス州マコーネル空軍基地第22航空給油団所属のKC-46ペガサス。
近未来的なステルス・タンカーを開発するという新たなタンカー戦略を発表してわずか2年で空軍は空中給油機隊の方針を再び転換し、ボーイングのKC-46ペガサスを有利にする可能性のある、タンカー生産を延長するプログラムを視野に入れている。
国防総省が最近発表した2026会計年度予算案で明らかにされたタンカー計画は、来年から開始される「タンカー生産延長」プログラムを要求している。資料によると、空軍はこの取り組みに2380万ドルを要求しており、26年度第3四半期までに提案依頼書作成を終える必要がある。
空軍が新しい生産延長プログラムについて最終的にめざしているのかは明らかではない。ひとつの道筋としては、エアバスやエンブラエルのような、以前からタンカーのニーズに興味を示していた業界プレイヤーが、KC-46に対しライバル入札を行う可能性がある。この新たな延長プログラムに最終的に選ばれたものは、ボーイングが現在のKC-46契約で納入を完了した後に生産を開始することになる。
しかし、空軍がコンペの結果、あるいは単独調達として、単純にKC-46の追加購入を決定する可能性もある。注目すべきは、予算書によると、空軍はペガサスの能力生産文書を生産延長のための「最も手頃な要求基準として」使用するとしていることである。
この新しい生産延長計画は、KC-135タンカー再整備プログラムと呼ばれる以前の戦略に取って代わるもので、2023年の政府関係者は、次世代空中給油システム(NGAS)と呼ばれる未来型タンカーが実戦配備されるまで、老朽化したKC-135の代替を継続すると説明している。
NGASのプラットフォーム自体は、以前は民間機から派生した現在のプラットフォームよりも生存性が高く、低視認性の機能を組み込んだクリーンシート設計と説明されていたが、トランプ政権の予算では、代替案の分析作業を継続し、タンカーの自己防護を強化するために新しいミッションシステムを組み込む方法を検討するために、FY26に約1300万ドルを要求している。
空軍の広報担当者は6月26日、約1300万ドルの資金提供ラインは「クロスプラットフォームのHVAA(High Value Airborne Assets)接続性と生存性イニシアチブの研究開発を維持する」とし、NGASは「空軍がレガシーと将来のタンカーフリートの生存性全般に対処しようとしているため、分析が進行中である」と本誌に述べた。
新しいタンカー戦略はまた、以前の給油機への期待に戻るという空軍の決定を反映している可能性もある。タンカー再整備プログラムとNGAS計画が発表された時点で空軍の当時の調達トップは、空軍はKC-135の置き換えを継続するための短期的なソリューションとしてKC-46調達に傾いていると述べた。
この新戦略は、空軍の進化し続けるタンカー・サーガの最新の展開であり、業界側でも独自の変化が見られる。 例えばロッキード・マーチンは、エアバスのA330マルチロール・タンカー輸送機を使ったタンカー契約でエアバスと提携する予定だったが、ロッキードは最終的に2023年後半に提携を解消した。エアバスはその後、タンカー計画について空軍との関与を継続すると述べた。一方、エンブラエルは、KC-390が採用されれば米国内での製造を約束するとともに、米空軍にKC-390を採用させるべく積極的なキャンペーンを開始した。
一方、空軍はKC-46プラットフォームに多額の投資を行っており、数カ月間の納入中断を経て最近納入が再開されたばかりだ。予算書によると、空軍はKC-46のアップグレードのために、FY26でおよそ8120万ドルを要求しており、空軍の広報担当者はペガサス調達を、ボーイングとの現在の契約で利用可能な最大値である188機に増やすことも期待していると本誌に語った。
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ペガサスでのブロックIIアップグレードプログラムのための「リスク削減研究」もFY26に開始されると、文書にある。KC-46に最新の安全な通信機能を装備する現在のブロックIの取り組みは、FY28の第2四半期に完了する予定と、同文書は述べている。
なお、ボーイングは、空軍と合意した固定価格契約のため、ペガサス・プログラムで数十億ドルの損失を被っている。■
Air Force again changes course on tankers, plans new ‘production extension’ program
The Air Force plans to use the Boeing KC-46 Pegasus’s Capability Production Document “as the most affordable requirements basis” for the new program, potentially giving the embattled aerospace manufacturer a leg up in a competition.
on July 01, 2025 at 4:18 PM
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