米海軍が開発中止し数年が経過したが、日本は海軍用レイルガンの開発を継続しており史上初の試験を実行した
ATLA
日本の防衛装備庁(ATLA)は、今年初めに試験艦「あすか」に搭載された電磁レイルガンの試作機の試験に関する新たな写真を公開した。ATLAはまた、艦載型レイルガンによる目標艦への射撃成功は世界で初めてだと主張している。日本がレイルガン開発を推進する一方、米海軍は2020年代初頭に開発を中止した。有望視されていたものの、重大な技術的障壁が原因だった。
海上自衛隊(JMSDF)所属の6,200トン級専用実験艦「あすか」は、4月に艦尾飛行甲板に設置された砲塔にレイルガンを搭載した姿が初めて確認された。その後、この同艦の追加画像が公開された。
ATLAが昨日公開した、今年初めに「あすか」艦上飛行甲板に設置された砲塔型レイルガンの写真。艦尾飛行甲板に搭載された兵器に関連する白い輸送コンテナが確認できる。@HNlEHupY4Nr6hRM
「ATLAは本年6月から7月上旬にかけ、海上自衛隊の支援のもと艦載型レイルガン射撃試験を実施した」とATLAは公式Instagramページに昨日投稿した。「実艦を標的とした艦載型レイルガンの初成功事例となった」。
ATLAのInstagram投稿に添付された写真(本記事冒頭参照)は、同機関の他のSNSアカウントでも共有されており、レイルガンの発射シーンを捉えている。別の砲塔にはレーダーアレイと電光・赤外線カメラシステムと思われる装置も確認できる。
新型レイルガン試射時の新写真に写る、レーダーアレイと電光・赤外線カメラシステムを備えた砲塔と思われる部分のクローズアップ。ATLA
別の写真(下)では、曳船のような船体が照準システムの照準線上に捉えられている。この曳船の追加写真も公開され、煙突の左舷側と右舷側に設置された標的板、および船尾を向いた標的板が明確に確認できる。
ATLA
現時点でATLAは、あすかの艦載レイルガンから発射された弾頭が標的艦艇に実際に命中する映像は公開していない。同機関は11月に開催予定の防衛技術シンポジウムで詳細を公表すると述べている。
2023年、ATLAは船舶からのレイルガン初の実射成功を発表したが、試験に使用した艦艇名は明らかにしなかった。
ATLAは2010年代半ばからレイルガン開発に着手し、陸上施設でも試験射撃を実施している。同機関と海上自衛隊は、艦艇への搭載が可能な実戦配備兵器の開発を明確に視野に入れている。
ATLAは過去に、将来の13DDX駆逐艦や既存のまや級駆逐艦(27DDG級とも呼ばれる)へのレイルガン搭載構想図を公開している。防衛省も、あすか艦上で試験されたものよりはるかに流線型の砲塔を備えたレイルガンの模型を公に展示した。
ATLAが昨年公開した下記動画では、地上配備型のトラック搭載レイルガンも描かれている。
今年初めのDSEI Japan 2025展示会パネルディスカッションでATLA装備政策部長の伊藤和美は、日本のレイルガン開発が「進展している」と述べつつも「様々な課題」を認めたと、National Defense Magazine誌が報じている。
レイルガンは化学推進剤の代わりに電磁石を用いて、弾頭を極めて高速で発射する。レイルガンは膨大な発電能力と冷却能力を必要とし、その結果、物理的に非常に大型化せざるを得なかった。本誌が以前指摘したように、実験用レイルガン砲塔をあすかの飛行甲板に搭載したのは、その広大な空きスペースを考慮すれば理にかなっていた。実戦艦への従来型設置では、各種構成部品を収容する十分なスペース(特に甲板下)を確保する必要があり、多大な費用と時間を要する大規模な改造が求められる可能性がある。
超高速での持続的な発射による摩耗もレイルガンの課題だ。砲身の急速な消耗は射程・精度の低下を招き、致命的な故障リスクを高める。
ATLAはこれまでの試験で、5メガジュール(MJ)=500万ジュール(J)の装薬エネルギーを使用しながら、約4,988マイル/時(2,230メートル/秒、マッハ6.5)の初速で弾丸を発射する能力を実証したと報じられている。同機関は少なくとも過去に、初速4,473マイル/時(2,000メートル/秒)以上と120発の砲身寿命を達成することを試験目標として掲げていたと、Naval Newsが伝えていた。別の報道では、ATLAが兵器の電力要求削減にも取り組んでいるとされている。
2023年、海上試験中に発射される日本のレイルガン試作機。ATLA
一方で、実戦配備可能な実用レイルガン開発の潜在的な見返りは大きい。海上・陸上目標への応用に加え、この兵器は長年対空戦力としての可能性を秘めてきた。本誌が過去に指摘したように:
「実用的な電磁レイルガンは、原則として、海上・陸上・空中の多様な標的を長距離で迅速に捕捉可能な、高性能かつ柔軟な兵器システムを提供する。日本はこれまでに、特に極超音速脅威への防御を目的として、この能力への関心を明示的に表明している。個々の弾丸が小型で単価が低いため、従来の地対空・地対地ミサイルと比較して、弾薬庫容量とコスト面でも利点をもたらすだろう。
「特に艦船においては物理的スペースが限られ、海上でのミサイル再装填の選択肢が極めて限定的である場合、大規模な弾薬庫から低コスト弾薬を発射し、広範な目標群を攻撃可能な兵器システムは明らかな利点となる」。
こうした潜在能力を背景に、レイルガンの開発、特に海軍用途での追求は日本だけではない。米海軍は2005年から2022年にかけてこの分野で顕著な活動を展開したが、一時は有望な進展を見せたものの、持続的な技術的問題に直面し、最終的に開発を中止した。その時点で、海上試験計画は延期されていた。米陸軍もほぼ同時期に地上配備型レイルガンの実験を実施した。陸軍は現在、海軍の失敗に終わったレイルガン計画から得た弾薬技術を活用し、対空兵器として使用する移動式155mm榴弾砲を開発する新プログラムを進めている。
ATLAは米海軍当局者と会談し、過去のレイルガン研究の活用について協議したほか、将来的な協力拡大の可能性を提起した。
2018年には、中国人民解放軍海軍(PLAN)所属の艦艇に砲塔式レイルガンが搭載された。この設計やその他の中国製レイルガン開発の現状は不明である。中国は少なくとも1980年代からこの技術を実験している。
2018年に登場した中国海軍のレイルガン。中国インターネット
トルコにおけるレイルガン開発(海軍用途の可能性を含む)も近年注目を集めている。昨年、日本当局はフランス当局とレイルガン開発協力に関する協定を締結した。
ATLAは11月に、実艦標的への試験射撃を含むレイルガン計画の進捗詳細を公表する予定であり、それまでにさらなる情報が明らかになる可能性がある。■
Japanese Warship Fires Railgun At Target Vessel For The First Time
Japan says the test is the first of its kind ever as it continues to pursue naval railguns years after the U.S. Navy halted work on its own program.
Published Sep 11, 2025 12:13 PM EDT
https://www.twz.com/sea/japanese-warship-fires-railgun-at-target-vessel-for-the-first-time
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