2019年5月26日日曜日

B-52Hの「墓場」から再生2機目作業が進行中

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A B-52H Nicknamed "Wise Guy" Becomes The Second To Ever Come Back From The Bone Yard

B-52H「ワイズガイ」が機体墓場からの再生二機目になった

The Air Force needed a replacement for another one of the bombers that crashed in Guam nearly three years ago.

空軍は三年前にグアムで墜落した機材の交替用に同機を再生する



USAF

空軍の歴史でも二例目となった。B-52Hストラトフォートレス爆撃機がデイヴィス-モンタン空軍基地(アリゾナ)の機体墓場から再生され実戦部隊に配属された。同機シリアル番号60-0034、愛称ワイズガイはルイジアナのバークスデイル空軍基地に着陸し、307爆撃航空団に編入された。同部隊は唯一の空軍予備役爆撃隊だ。ワイズガイの三年前に先例があり、グアムのアンダーセン空軍基地で炎上破損したB-52Hが復帰している。ワイズガイの復帰で同型機は76機のロシアとの軍備管理乗客で定めた上限になった。
ロバート・バージェス大佐(307爆撃航空団307運用グループ司令)がワイズガイをアリゾナからルイジアナまで2019年5月14日に空輸した。同機は尾翼にノースダコタのミノー空軍基地の固有コード「MT」をつけたままで、同機が2008年に墓場へ運ばれるまでの第五爆撃航空団のものだ。同機には今秋にもオクラホマのティンカー空軍基地で新しい塗装が施され完全整備される。

USAF
307爆撃航空団307運用グループ司令ロバート・バージェス大佐がワイズガイを2019年5月14日にバークスデイル基地に無事着陸させた

「当航空団でこの機体を再稼働できることに興奮を感じ得ない」とバージェス大佐はバークスデイル基地着陸後に報道陣に語った。「復帰できるのは空軍隊員の機体再生能力のあらわれです」
空軍は2019年4月にワイズガイは「再生中」とだけ発表したが、作業の正確な開始時期は不明だ。309航空宇宙整備再生集団 (AMARG)が墓場の管理をしており、同様の作業は前回70日で完了している。その対象B-52Hシリアル番号61-0007愛称ゴーストライダーは第二爆撃航空団に2015年2月に復帰し前年に整備中に電気系統の火災で破損した機体と交代した。

USAF
ゴーストライダー、2015年2月

新戦略軍備縮小条約(New START)でロシアに対し米国は核兵器の運用数で上限がある。米国は核三本柱の一環でB-52H76機を運用できる。ただしB-52をこれ以上運用すると別の装備を犠牲にする必要がある。
ただし軍備管理条約では非配備装備の保存が可能でワイズガイのように損失補充に使える。2019年4月15日現在で空軍はB-52H十数機をタイプ1000保存機としており、非現役機材だが早期に復帰できる状態にある。
だがタイプ1000保存機でも飛行可能にするには一定の作業が必要だ。ゴーストライダーの例では墓場でGPS受信機や航法装置がすでに他機に使われていたので別の装備を搭載する必要があった。
ゴーストライダーでは基本設定の最新版に合わせ整備作業が必要で保存中に改修作業が数回分実施されていた。ワイズガイは10年以上も保存場にあり同様の作業を受けるはずだ。
USAF
ワイズガイの機首アートには「MT」のテールコードが残り、ミノー空軍基地時代を示していた。

第五爆撃団がワイズガイを墓場に送ったのは2008年のことで同航空団の人員も同機はまだ仕事ができると感じていたのだろう。機内パネルにこんな走り書きがあった。
「AMERGへ。この冷戦の戦士60-034はアメリカの防人としてテロリストへのグローバル戦に酷使されてきた。面倒を見てやってほしい...再会の日まで」
USAF
The note on the panel inside Wise Guy.

興味を惹かれるのはワイズガイのシリアル番号にある「60」で空軍が購入した年度のことだ。B-52Hの最終号機は1962年に生産ラインを離れた。空軍は同型機の運用を2050年までは続ける意向で更に伸びる可能性もある。その一環の大幅改修としてエンジンやレーダーの換装が予定されている。
ワイズガイはそのまま消え去ることを拒み現役に復帰し今後数十年にわたり供用されそうだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com
乾燥した広い土地があっていいですね。航空自衛隊のB-747は民間払い下げで部品取りに解体されるようですが墓場に送ればいつか再生されていたかも知れませんね

次期空軍長官候補のバレット氏の人物像について

Former Aerospace CEO Tapped as Next Air Force Secretary

Former U.S. Ambassador to Finland Barbara Barrett speaking with attendees at the 2018 Heritage Dinner hosted by the Arizona Chamber of Commerce & Industry at the Phoenician Resort in Scottsdale, Arizona.
MAY 21, 2019

軍長官の指名を受けたバーバラ・バレットBarbara Barrettは事業家、パイロット、元外交官、宇宙飛行士にあと一歩のところまで行った人物だ。F/A-18ホーネットを空母に着艦させたこともある。

ホワイトハウスは5月20日にトランプ大統領によるバレットの人事案を発表した。バレットはAerospace Corporationの会長職を2017年に退いている。同社は連邦予算で宇宙分野専門に研究を行う唯一の組織だ。
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バレットは1980年代末にFAA副長官、国連総会の上級顧問を2006年に、在フィンランド米国大使を2008年から2009年にかけ務めた。弁護士資格ももち Valley Bank of Arizonaを共同設立し、サンダーバードグローバル・マネジメントスクールの暫定理事長、全米経営協会のCEOも経験している。現在はRANDコーポレーションの役員で夫のクレイグ・バレットはインテル会長兼CEOだ。

2009年にバレットはロシアで交替用宇宙飛行士訓練を受けた。
ソユーズロケットにより国際宇宙ステーションへのミッションの準備をしていた。「予期できない事態が発生した場合は私が代わりを務めることになっていた」と本人は当時語っていた。

国防長官及び統合参謀本部議長の顧問として民間人資格でF/A-18ホーネットでUSSニミッツに着艦したこともある。

任命人事が承認されれば現空軍長官ヘザー・ウィルソンの後任となる。ウィルソンは5月末日辞任し、エルパソでテキサス大総長に就任する。バレットで女性長官が三代連続する。ウィルソンの前任はデボラ・リー・ジェイムズだった。空軍次官マット・ドノヴァンがバレット就任まで長官代行を務める。ドノヴァンは退役空軍大佐でF-15イーグルのパイロットだった。■

2019年5月25日土曜日

F-15EX引き渡しは2020年開始可能と自信を示すボーイング

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F-15EX could be delivered as early as 2020: Boeing


15 MAY, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: GARRETT REIM
 ST LOUIS
https://www.flightglobal.com/news/articles/f-15ex-could-be-delivered-as-early-as-2020-boeing-458168

ーイングはF-15EX2機を早ければ2020年に技術生産開発業務(EMD)用に米空軍へ納入する準備に入っている。

同機はカタール、サウジアラビア向け高性能型F-15と類似点が多く、早期に完成機材を届けられると同社は説明。下院歳出委員会の国防小委員会は2020会計年度予算原案に986百万ドルを計上しF-15EXを8機導入しF-15C/Dと交代させる構想だ。

F-15EXは高性能型F-15に若干手を入れた型式でありUSAFはアドバンスト・イーグルは導入しなかったがF-15EXの時間あたり運行経費29千ドルがロッキード・マーティンF-35より相当低い点に関心を示し、さらに供用中のF-15と7割の部品で共通性があり機材転換が迅速に進められる点にも魅力を感じた。
Asset Image

F-15EX の想像図 Boeing
ボーイング・ディフェンス・スペース&セキュリティはアドバンスト・イーグルをセントルイスで年産12機のペースで製造中だ。同社のサウジアラビア向け生産は2019年で終了し、その後カタール発注分の生産に移る。現在の受注残でF-15の生産はあと三年続く。
ただしセントルイスのF-15生産ラインは年間36機までの製造能力がああるとボーイングは述べている。

「継続中案件もありさらに規模が増えそうだ。受注不足に落ちいることはない」とボーイング副社長プラット・クマール(F-15事業総括)は述べる。「多数国がF-15にあらためて関心を寄せている」

カタール向けは72機までの購入をペンタゴンが承認しており、イスラエルは25機導入を検討中でさらにUSAF分の80機が加わり、その他にも関心を示す国があるとクマールは述べた。

コメント コストパフォーマンスを考えるとF-15EXは相当の魅力があるのでしょう。70年代の原設計ですが今製造中の最新型はもはや別の機体といってもいいのでは。あらためて米国機材の設計に充分な発展の余地が最初から確保されていることを思い起こさせてくれます。

2019年5月24日金曜日

アパッチの進化型ブロック2はAH-56シャイアンのようだ



Boeing’s new Apache looks a lot like a 1960’s helicopter

ボーイング発表の新型アパッチは1960年代のヘリコプターを思わせる
Defense Blog



ーイングから高速飛行性能を強化したアパッチ攻撃ヘリコプターのコンセプト画像が発表された。
コンセプトは高性能版AH-64ブロック2複合ヘリとし米陸軍の次世代垂直飛行機(FVL)で採用を目指すがどこかで見た姿だ。
同社はハイテク性能と呼ぶが、ロッキードAH-56シャイアンが1967年に実用化していた内容だ。当時、陸軍が進めていた高性能航空火力支援装備構想でわずか10機が製造され終わった機体だ。シャイアンは当時としては先を狙いすぎた機体で当時の技術制約を受けていた。
AH-64アパッチにもシャイアン技術が一部採用されているが、結局一周りしてもとに戻った観がある。エンジンと制御系が変更されているが、兵装搭載用の「主翼」と30mmチェーンガンはそのままだ。
後部に推進用のプロペラ、大型垂直フィン、新設計エンジン排気口を導入したブロック2複合ヘリには未来のヘリコプターをうかがわせるものがある。
Defence Blogはアパッチを「未来のマルチドメイン戦場で2060年まで」供用可能にするとのボーイングの姿勢を伝えている。

ブロックII複合ヘリは速力が185ノット、ペイロードは5,900ポンド、航続距離が460カイリに増える。■

2019年5月23日木曜日

B-1Bに新しい任務を想定する米空軍

Aviation Week & Space Technology

USAF Upgrade, Service Life Programs Point To New Roles For B-1Bs

May 14, 2019Steve Trimble | Aviation Week & Space Technology
As Retirement Nears, USAF B-1Bs Gain New Roles
退役近づくB-1BにUSAFが新使命を与えた

来の想定とかけ離れ18年もわたり近接航空支援に投入されてきた米空軍のB-1B爆撃機がつけを払う時期が来た。
飛行中エンジン火災が1件、全機飛行停止措置が一年で二回発生し、運用部隊や機材に黄色信号が出た。
そこに国家防衛戦略が登場しB-1Bの方向性が変わる。核攻撃用に構想された大型爆撃機は今や通常兵器しか搭載できない。
ペンタゴンの長期戦略が強力な軍事力を有する敵勢力相手に切り替わった今、空軍は二十年酷使してきたB-1Bの機体やエンジンの疲労摩耗に手をうつ必要に迫られている。専門家には2036年退役予定の同機がハイエンド戦の場合に真価を発揮できるか再評価すべきとの声もある。.
とはいえ今の関心事は修理だ。2018会計年度から空軍は同機のGEエイビエーション製F101エンジン289基の耐用年数延長に乗り出しており、作業は2040年までかかる。
また構造強度の調査も開始した。一機で耐久性調査したところ今後20年にわたり滞空性を維持するには相当の修理作業が必要と判明した。「主胴体、主力付け根部分、可変翼機構、昇降舵」とジョン・エドワーズ大佐(28爆撃団司令、サウスダコタ州エルスワースAFB)が述べている。耐用年数延長プログラム(SLEP)は今年末までに開始されるという。

改修を受けたB-1Bは戦闘機部隊とリアルタイムで協同作戦の実施が可能となった。 Credit: U.S. Air Force


B-1B生産は1988年に終了しており、機体構造とエンジンの改修はこれまでで最大規模の作業となる。
統合戦闘システム(IBS)搭載のB-1B部隊が昨年戦闘に投入され米中央軍によるシリア国内のイスラム国勢力攻撃を支援した。
1980年代に空軍はB-1BにNASAのスペースシャトルと同様のロックウェル・インターナショナル(現ボーイング)製ミッションコンピュータを搭載し時代の変化に追随しようとした。
1993年に空軍はB-1Bの核兵器運用能力の撤去を决定。2006年までかかった改修で各種誘導兵器運用に必要なエイビオニクスを搭載した。オリジナルのミッションコンピュータ6基は1960年代のソフトウェア言語Jovialを使っていたが新型プロセッサー4基に交替しソフトウェアもADAコードに代わった。



IBS改修は900百万ドル近くになったがB-1Bのエイビオニクスは一新されLink 16が完全利用できるようになり機内ディスプレイもカラー表示となった。これによりB-1Bが攻撃部隊ではじめて主力の座につき、センサーや標的のデータを空軍の僚機に提供できるようになった。ここ20年ほどで空軍パイロットが当たり前に使っている機能だが空軍保有の最大の規模の機材にも導入されたわけだ。
B-1Bの投入用途が変わる中で空軍は同機の将来性の検討をせまられた。B-1B部隊は2015年以来核兵器運用を任務とするグローバル打撃軍団に配属されているが、空軍で攻撃用機材の不足が痛感される中、空軍協会のミッチェル研究所はB-1Bは通常型爆撃機ではなく戦術兵器多数を搭載した「トラック」として長距離任務に投入すべきと主張している。

「B-1は大型F-15Eにできる」とミッチェル研究所専務理事ダグ・バーキーが言う。「小規模SLEPだけ実施してB-1を引退させるのは理に合わない。まだまだ長く供用できるはずだ」■

2019年5月22日水曜日

米空軍向けT-Xの現況、2,600機の最大需要を皮算用するボーイングの考え方がわからない


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Boeing Sees Market for 2,600 T-X, Derivative Aircraft

5/15/2019
​––JOHN A. TIRPAK


T-X 高性能練習機、2019年5月14日、ボーイングのセントルイス施設にて。Staff photo by John A. Tirpak.


ーイングはT-X高性能練習機の需要規模を最大2,600機と見ており、練習機にとどまらず軽攻撃機、軽戦闘機にも転用できると同社でT-X事業を統括するウィリアム・トーガソンが述べている。


内訳には「空軍がT-X競作時に求めていた最大475機があり、練習機仕様以外の米空軍用は含んでいません。60年も供用中T-38の分だけです」(トーガソン)
トーガソンはメディア向けにボーイングでT-Xを生産するセントルイス施設のツアーで説明し、参加メディアの旅費宿泊費は同社が負担している。
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ボーイングは空軍向けのT-X年間48機生産を準備中だが空軍が前倒し調達を求めてくれば、あるいは海外販売が成立すれば60機まで増産できるとトーガソンは説明。


具体的な導入国が出現すればボーイングあるいはSaabが対応すると説明し、Saabが同社のJAS-39グリペン戦闘機を運用中の諸国の発注に対応すると示唆した。SaabからはT-Xの部品製造をインディアナ州ウェストラファイエットで行うとの発表が先週あったばかりだ。生産分担で具体的な説明はなかったが、トーガソンはSaabがコックピットより後部の機体を製造し、ボーイングは主翼、尾翼、機体前方を担当すると概略説明をしていた。


トーガソンはT-Xの海外販売への期待に触れ、「他に競争相手がない」とし空軍がボーイング提案に対して「100億ドルの節約効果を産んだ」とコメントしたことを紹介。


ボーイングがT-Xコンペ用に製造した2機で空軍は飛行性能データを集めたが、2機は試作機ではないとする。そもそも試作機の仕様はなかったという。例として2機には空中給油装備はついていない。ただし搭載用のスペースは残してある。トーガソンは2機は技術生産開発用すなわち飛行可能でデータを提供しソフトウェア機能を実証しつつ空軍、ボーイングで共同でT-Xの性能を定義していく機材だという。一号機は競作で71回のフライトをこなし二号機は15回飛んだという。信頼性の証明として一日で四回飛んだこともあり、「空軍の使用条件を再現した」とトーガソンは説明。


ボーイングは初号機をランドルフ共用基地(テキサス)で2023年に運用し初期作戦能力獲得を2024年に想定している。空軍と機体は「お互いに学習いている」とし、つまり空軍はT-Xの潜在力を最大限活用する方策を探っているのだ。


T-Xはアルミ製の機体で複合材は機首に使っているだけだ。金属性機体は製造が簡単で修理も容易だが軽量素材の活用は要求内容に入っておらず設計段階から「考慮の必要はなかった」とし第一線戦闘機材の想定ではないことがわかる。それでもT-Xは8G以上に耐えられるという。


ボーイングは機体と並行して訓練用ソフトウェアも開発中だ。新型機の導入で飛行形態も変わる際にシミュレーターで発生する潜在問題をいかに排除するかが開発の狙いだ。機体搭載と同じソフトウェアがシミュレーターにも導入される。ボーイングは最小でもシミュレーター46式を製造し、空軍は120式までの導入を想定する。またデスクトップコンピューターと操縦装置でパイロットはT-Xのスイッチ操作と飛行を学ぶ「アプリ」もあるという。


実際にT-Xデスクトップシステムを児童に使わせてみたところ「iPhone同様に」直感的に制御できたという。「アプリ」方式だとオープンシステムアーキテクチャーの機材に機能を簡単に追加できる利点がある。T-Xで訓練を受けるパイロットはこの方式を自然に体得するはずとトーガソンは述べた。


T-Xでは整備性も設計で考慮した。高翼構造で容易に機体まわりを移動できるし、アクセスパネル開閉に特殊工具は不要だという。コリンズが製造する降着装置はF-16と共通で機首部分が前方に格納される点のみ異なる。


T-Xでは機内酸素供給系統を新規設計し他機種で見つかった問題の再発を予防するという。■


いつまでたってもT-Xというのは変だなと思っていましたが、採用したボーイング案を煮詰めて最終仕様の機体にするという作戦なのですね。その時点で制式名が発表になるのでしょう。それにしても破格の価格で空軍に売り込んだボーイングは海外向けや派生型で充分利益を確保するという魂胆なのでしょう。さすがですね。それにしてもどうやって2,600機になるのか内訳を聞きたいものです。

2019年5月21日火曜日

F-35Aで初のアグレッサー隊が誕生。



Air Force Will Use Old F-35s To Train for Battle Against Russian and Chinese Stealth Jets 米空軍は初期型F-35でロシア、中国のステルス機対応訓練をめざす

A smart ideas considering what the USAF will face in the future. USAFが将来直面する想定を考えるとなかなか賢い選択ではないか

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May 10, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: RussiaChinaMilitaryTechnologyWorldF-35J-20Su-57

空軍は休止状態の飛行隊の再活性化を検討中だ。この飛行隊は2014年までF-15で敵国空軍役を演じ演習を現実味あるものにしていた。
第65アグレッサー飛行隊は初期生産型のF-35Aでロシアや中国のステルス戦闘機Su-57やJ-20の戦術を真似ることになりそうだ。
同隊はネリス空軍基地(ネヴァダ)を拠点にし、毎年恒例の空軍のレッドフラッグ演習に参加するはずだが運用開始時期は未定だ。65アグレッサー飛行隊は5年前に経費節約策で活動を停止していた。
War Zone記者 Tyler Rogowayが2019年5月9日に同隊復活を最初に報じた。『ネリス空軍基地は65アグレッサー隊をF-35Aで再編成することに期待している』との同基地報道官の発言を引用した。『現在以上に敵機役機能が充実すれば米軍ならびに提携国空軍部隊に有益な訓練演習のシナリオが実現する』
ロゴウェイは「F-35は今までの敵機役機材をいずれもうわまわる」と報じた。
F-35Aは各種脅威対象を今までにないほど現実的に再現できる。筆者はこの件を以前も関係筋と話したことがあり、F-35のソフトウェアで敵機のセンサー性能、センサー融合機能、電子戦や通信装備を再現できることを皆認めていた。
.これはF-35の各種機能を制限することになる一方、想定する相手機材の性能を反映することにもなり、レーダー反射板を取り付け敵機のレーダー反射特徴を模擬したり、ステルス性を消すこともできるはずだ。
65アグレッサー部隊が立ち上がれば、空軍には「レッドエア」専用隊が3つ揃うことになる。64アグレッサー隊はF-16をネリスで運用している。18アグレッサー隊はアラスカにありF-16を装備している。
米海軍海兵隊も独自の敵機役飛行隊がありF-16、F/A-18、F-5を飛ばしている。空軍、海軍、海兵隊では民間企業を契約先としレッドエア役を演じさせてもいる。
空軍は65アグレッサー隊の編成まで待っているつもりはない。2019年4月末から388戦闘航空団のF-35Aと予備部隊の419戦闘航空団がヒル空軍基地での演習に敵機役で参加し訓練生のF-16とともに民間企業ドラケンインターナショナルの機体も動員された。
F-35、F-16とドラケンの所有機が敵機役を演じた。「F-35Aで100ミッションを22機でこなし、F-16も56ミッション実施した」と388戦闘航空団はソーシャルメディアで発表。
「青軍」F-16が数で「赤軍」のF-35、F-16等を圧倒した。「不利な状況でした」と388戦闘航空団兵器担当将校トーマス・メイヤー少佐が述べている。「数では5対1で劣勢でこちらには防衛対象のリストがあり8時間守り通す必要がありました。機材はアラート体制を維持し敵機の出現に備えていました」
「こちらはF-35の操縦になれており、敵機として相手を追い込み若手パイロットのエラーを誘いましたよ」とF-16教官パイロットのベンジャミン・ウォルターズ少佐が語る。「だからといっていつも勝てるわけではない。戦闘に勝つ要素はある程度までコックピット内のパイロットの腕です」
65アグレッサー飛行隊が年間通じて悪役を演じることになれば、もっと多くの空軍パイロットが同じアメリカ人パイロットの知見から学ぶことになり、ロシアや中国のステルス機との戦闘に備えることができる。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

2019年5月20日月曜日

F-35での最新の問題の状況....解決の行方は?


つぎからつぎと問題が出てくるF-35はいつになったら所期の性能を発揮できるのでしょう。三菱重工で組立てた機体は本来なら米国製の機体と同じはずなのですがなにか工程内に致命的な不良があった(ある?)のでしょうか。これはこれで気になるのですが。いろいろ考えさせられる事態が進行中のようです。F-35に過大な期待はできないのでしょうか。

The Real F-35 Problem That Needs Fixing 解決を求められるF-35の問題点とは

And it might not be so easy.一筋縄ではいかないようだ
May 11, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35AF-35 Lightning IIStealthSpare PartsCrash LandingALIS

月9日、日本で完成したF-35Aライトニング一号機が訓練飛行中に太平洋上空で行方不明となった。パイロットはF-35でも60時間操縦のベテランでにミッションを中止するとの連絡を入れたあと姿を消した。
日米両国が艦艇、調査潜水艇で一ヶ月に渡り捜索しロシア、中国より先に発見しようとした。米海軍だけでも駆逐艦1隻、P-8哨戒機2機さらにU-2スパイ機も動員した。その結果機体の破片とフライトレコーダーは発見したが後者は「メモリー破損」状態という。5月に入り米海軍は捜索を終了したが海上自衛隊艦艇はパイロット遺体の回収をあきらめず捜索している。
事故原因は謎のままだが事故後に日本で供用中のF-35A13機中5機でが計7回も緊急着陸していたと判明した。うち一回はパイロットの判断ミスだったが岩屋毅防衛相はその他の事例は「燃料、油圧、その他のシステム関連」が原因と述べ、即座に改修作業を行ったと発表。
事故機でも冷却系統、航法装置の異常が見つかっていた。三菱重工のF-35生産ラインにシステム不良があった可能性も否定できない。
別の可能性にF-35の過去トラブルがある。機内酸素発生装置(OBOGS)の原因でパイロットが低酸素症で気を失い飛行制御できなくなった事例が発生した。OBOGではF-22で2010年に墜落事故が1件あったがF-35では2018年までに少なくとも29件の低酸素症事故が報告されている。
ライトニングの機体全損事故が2018年9月28日にあり、海兵隊のF-35Bがサウスカロライナで墜落した。パイロットは射出脱出した。その二週間後に各国向けF-35が数週間にわたり飛行停止措置となった。F135エンジンの燃料チューブに欠陥がみつかったためだ。ほぼ半数の機体で交換された。
墜落事例二件から高い目標水準の新型ステルス機であらたに故障の可能性が見つかるたびに部品交換や補修が必要となっていることがわかる。
だが作業を妨げているのは補修部品数千点の不足だ。政府検査院(GAO)もを新しい報告書でこの点指摘している。このためF-35の半数しか戦闘任務に投入できず、運用部隊でも部品の共食いをしつつ部品到着を待っている。
ペンタゴンも部品不足の解消をめざしてきたがGAO報告によれば根本解決でなく一方で機体は次々と生産されている。
不思議の国のALIS
この問題に関係するとみられるのがF-35で導入した自動化補給活動情報システム(ALIS)で本来はF-35整備の予定を組み部品要求を補給処に送る機能だが、問題の原因と見られたまま数年が経過している。
GAO報告書ではF-35運用部隊は「時間を食う手動対応で部品管理を迫られている」と指摘し年間45千時間相当の追加作業が発生しているという。「補修部品の電子データの消失や破損」が生まれ、「ALISでの相互連絡がないままの整備補給作業」になっているという。
ペンタゴンが戦車やジェット機等の目に見える装備調達を優先し予算支出で融通が効かないこと、ソフトウェアのコード一行の変更でさえ内部手続きが必要なためALISの修正は長時間作業になっている。
ソフトウェア改修は世界規模で同時並行の作業となり既存予算の流用では全く足りない。このため国防総省の調達担当次官補は議会に対しソフトウェア予算の扱いを別方式にして「アジャイル開発方式」の実行とし、スピードと結果を重視し、コードの行数などの定量的評価指標より優先するよう求めている。
影響はグローバルに
部品の補給体制では別問題がある。F-35用部品はヨーロッパ、アジアのメーカーが製造し、全て一度米国に集積する形としており、各地域のハブに直送できない。この非効率的な方法のため海外のF-35運用部隊は部品入手に平均10日待たされており、28パーセントの部品では30日以上となっている。
このため部品の取り合いとなり海外で不満のたねだ。運用上の優先順位より発注順を重視する「ビジネス原則」に疑問が持たれている。
最終的に部品供給拠点拡大すれば現在のストレスも減少するはずだが、各補給処に必要な部品ストックを常備する目標から3ないし5年遅れているという。
さらにGAO報告書ではペンタゴンがF-35部品補給に2016年以降20億ドルを費やしたにもかかわらず予算の支出内容が説明がつかない、調達部品数も不明、さらに部品の所在も説明できないとある。部品管理の係官は一名しかおらず、2018年12月時点で部品データーペースにデータがまったくはいっていなかったという。
民間契約企業とペンタゴンはこの問題を前から認識しているものの増大する一方のF-35生産に対策が追いついていない。国防総省の対応策は契約企業の対策と一貫性がなく、対応方針が調整できていないことを示している。
GAO報告書はサプライチェーンのトラブルにペンタゴンがもっと直接関与することを示唆している。
F-35のサプライチェーンの悩みは時間をかければ解決可能であり、よく調整した戦略があれば必要部品の備蓄が各地に実現しそうだ。ハブを各地に確立した配送ネットワークを実現し、アジャイルでソフトウェア改修し、初期生産のF-35機材が段階的に消えればの話だ。ただし、このためには機材を多数完成させるのを最優先するのではなくむしろ納入済み機材が半分しか稼働できない状況の改善に努力すべきだろう。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.