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2025年7月26日土曜日

英海軍の冷戦時代最後の原子力攻撃潜水艦が退役へ(TWZ)



40年にわたる任務を終え、英海軍の攻撃型原潜トラファルガー級がこのたび全隻退役した


Image of HMS TIRELESS at sea. HMS Tireless is over 25 years old but still playing a vital role in the front-line Fleet. HMS Tireless is the third of the seven Trafalgar-class submarines built at Barrow by Vickers. She was launched on 17 March 1984, so she has been plying her trade in the Royal Navy for more than a quarter of a century, but a lengthy overhaul of her propulsion, weapons systems and sensors put her in good shape for the gruelling programme of training and trials which followed.

クラウン・コピーライト


英国海軍は、トラファルガー級原子力攻撃型潜水艦で最後に残ったHMSトライアンフを正式退役させた。これで「Tボート」として知られる7隻のハンター・キラーはアスチュート級に完全に交代された。

ギリス海軍は本日、最後のTボートを退役させたと発表した。イギリス・プリマスのデボンポート海軍基地で、HMSトライアンフの任務終了式が行われた。


2024年12月:HMSトライアンフは、HM海軍クライド基地を去り、プリマスのデボンポートへ向かう。 クラウン・コピーライト


 パレードには、トライアンフとHMSタレントの潜水艦乗組員も参加した。 後者は3年前に退役したが、複雑な退役プロセスの一環としてまだ乗組員がいる。

 従来のスイフトスール級の後継として開発されたTボートは、イギリスのバロー・イン・ファーネスにあるヴィッカース造船エンジニアリングが建造し、一号艦HMSトラファルガーは1983年に完成した。その後、タービュレント、タイヤレス、トーベイ、トレンチャント、タレントと続き、最後に1991年にトライアンフが完成した。


氷上演習18で北極海の氷を突き破るHMSトレンチャント。 クラウン・コピーライト


各艦は全長280フィート、潜水時排水量は5,300トン。 ロールス・ロイス製の加圧水型原子炉を搭載したTボートは、ポンプジェット推進システムによって少なくとも32ノットの潜航速度に達することができた。

武装は、最大30本のスピアフィッシュ重魚雷用の5本の21インチ魚雷発射管で構成され、後に射程1,200マイル以上のUGM-109トマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)が追加された。

 Tボートの冷戦当初の主要任務は、英国の戦略的核抑止力を保護することであり、トライデントを装備した「爆撃機」(英国ではこう呼ばれる)がソ連の対潜資産、特にハンターキラー潜水艦を回避できるようにすることであった。情報収集も冷戦時代の非常に重要な任務だった。


2009年12月、スコットランドのカイル・オブ・ロハーシュで訓練を行うHMSタレント。 クラウン・コピーライト PO PHOT GAZ ARMES


しかし、超大国の睨み合いが終わると、Tボートは新たな役割を担うようになり、ついに戦争に突入した。

 トライアンフの活躍のハイライトは、1993年のオーストラリアへの航海で、潜航したまま41,000マイルを移動した。

 トラファルガー級潜水艦は、アフガニスタン、イラク、リビアでの連続作戦でTLAMを発射した。HMSトラファルガーは2001年、アフガニスタンのアルカイダとタリバン勢力に対する攻撃に参加した際、同クラスの潜水艦で初めてトマホーク巡航ミサイルを戦闘中に発射した。その後、トライアンフもこの作戦に参加した。


2000年、イギリス海軍潜水艦から発射されるトマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)。 クラウン・コピーライト


 2003年、HMSタービュレントは、イラク侵攻に英国が貢献したテリック作戦に参加し、30発のTLAMを発射し、ジョリー・ロジャー旗を翻しながら基地に帰還した。

 HMSトライアンフは2011年、リビアへのTLAM攻撃に参加し、主に防空目標を攻撃した。同艦もジョリー・ロジャーを掲げ、6発のトマホーク・ミサイル発射を示す6つのマークを付けてデボンポートに帰還した。

2011年4月2日、6発のトマホーク巡航ミサイルを発射し、リビアでの作戦に参加した後、ダベンポートに帰港するHMSトライアンフのジョリー・ロジャー旗を掲げる英国海軍のロブ・ダン中佐。 AP


 4隻が2076型ソナーを装備した。同ソナーは近代的なアスチュート級にも採用されている。

 他にも新しいセンサーが追加された。具体的には、セール両側にある奇妙な突起が特徴的な、見かけの航跡探知システムの2つのバージョンが含まれる。2019年に初めて同艦に搭載されたこのシステムは、ソナーを使わずに敵対的な潜水艦を探知する設計だった。

2019年5月8日、ジブラルタル湾でのHMSタレント。船体前部の上部に、見かけ上の非音響センサーシステムが見える。 DMパロディ


 冷戦後のTボートはコマンド襲撃のための秘密プラットフォームとしての役割も担うようになった。

 冷戦時代と同じく、Tボートの任務は極秘扱いのままであった。

 「何か面白い話はありますかだって?いいえ、話せない任務もたくさんありました」と、トレンチャントとトーベイに所属していた元核技術者のクレイグ・スペイシーは言う。

 しかし、時が経つにつれて、Tボートは老朽化が目立ち始めた。Tボートは合わせて200年以上活躍し、なかでもトライアンフは34年という長いキャリアを誇った。

 2009年にアスチュート級潜水艦の1番艦が就役すると、トラファルガー級は徐々に廃止されていった。

バローで完成間近のHMSアガメムノンはHMSタレントの後任となり、トライアンフの任務は最終的にアストゥート級最終艇HMSアキレスに引き継がれる。


 イギリスは2030年代後半から、より大規模なSSN戦力の増強を検討しており、オーストラリアやアメリカと共同でSSN-AUKUSプログラムの下で開発される新設計の12隻もの実戦配備を計画している。

 Tボートの運命には、現在、スクラップも含まれている。 これは、イギリスが最近になって退役した原子力潜水艦のため始めたプロセスであり、HMSスイフトゥアーが解体作業の最初の艦となった。

 トラファルガー級は歴史に名を残すことになったが、その多用途性、安全保障状況の変化への適応、そして40年以上にわたってイギリス海軍の潜水艦隊の主力として活躍したことは記憶に残る。

 タレントとトライアンフ両艦で副長のデイブ・バレル少佐は、ロシアとの水面下の対立が続いていることについて、「彼らは冷戦時代の最後の戦士だ。「私たちは危険なゲームを続けた」と彼は振り返った。2003年に初めてHMSタイヤレスに乗艦したときのことを、バレルはこう振り返った: 「驚異的な艦で、乗員は刺激的で、任務は挑戦的だった。

 英国海軍の最上級潜水艦乗組員に、トラファルガー級をどう表現すべきか尋ねたところ、即座にこう言われた「まったく素晴らしい潜水艦だ」。■



Royal Navy’s Last Nuclear Attack Submarine Of The Cold War-Era Heads Into Retirement

After a four-decade period of service, the UK has called time on the Trafalgar class, as it looks to an expanded future force of hunter-killers.

Thomas Newdick

Jul 21, 2025 1:56 PM EDT

https://www.twz.com/air/royal-navys-last-nuclear-attack-submarine-of-the-cold-war-era-heads-into-retirement

トーマス・ニューディック

スタッフ・ライター

トーマスは防衛ライター兼編集者で、軍事航空宇宙のトピックや紛争について20年以上の取材経験がある。これまでに数多くの著書を執筆、編集し、世界有数の航空専門誌にも寄稿している。 2020年にThe War Zoneに加わる前は、AirForces Monthlyの編集者だった。


2025年2月8日土曜日

英国の新型ドレッドノート級弾道ミサイル潜水艦のデザインで詳細な情報が入ってきた(The War Zone)―核保有国の誇りで英国はSSBN新規建造に乗り出すのでしょうか。もっと意味のある国防予算の使い道が別にあるとも思うのですが

 A detail model has provided what’s likely our best idea of how the U.K. Royal Navy’s new Dreadnought class nuclear ballistic submarine, or SSBN will appear. The four Dreadnought ‘bombers’ represent one of the most important U.K. defense programs for many years and it’s notable to see how many advanced features the design includes, as the Royal Navy seeks to find the optimum balance between speed, stealth, and firepower. The four new SSBNs will replace the Vanguard class that entered service in the 1990s.  

Rolls-Royce/LinkedIn



流線型の船体、X字型の艦尾、ポンプジェット推進、コンフォーマルミサイルキャリッジが英国海軍が間もなく就役させるドレッドノート級戦略原子力潜水艦の特徴となる


国海軍の新型ドレッドノート級原子力弾道潜水艦(SSBN)の外観で、詳細なモデルからこれまででもっとも鮮明なアイデアが得られた。 4隻のドレッドノート級潜水艦は、英国にとって最重要国防計画であり、英国海軍が速度、ステルス性、そして強力な破壊力という最適なバランスを追求する中で、設計に数多くの先進的な機能が盛り込まれていることは注目に値する。4隻の新型SSBN(英国では「ボマー」と呼ばれている)は、1990年代に就役したヴァンガード級に交代する。

 新型ドレッドノートがどのような外観になるかを示す素晴らしい模型が、英国下院で最近公開された。これは、政府の「議会における核週間」におけるロールス・ロイスの核ポートフォリオ展示として行われたものである。イベントの模型の写真が、その後、同社によりLinkedInに掲載され、この記事のトップに掲載した。ロールス・ロイスは、ドレッドノート級原子力潜水艦の加圧水型原子炉3(PWR3)原子力推進プラントの設計と供給を担当している。



An artist's impression of the Dreadnought-class submarine.

以前発表されていたドレッドノート級原子力潜水艦のイメージ。BAEシステムズ


過去には、英国海軍と潜水艦の製造元であるBAEシステムズが、上の図のようなSSBNのアーティストによるコンセプトを公開していたが、ここまで詳細なものではなかった。しかし、英国海軍はすでに、排水量17,200トン(18,600トン)、全長153.6メートル(504フィート)など、限定的ながら仕様を公開している。

 非常に流線型の艦体形状に加え、SSBNは目立って目立たない傾斜したセールを備えている。これは、現代の潜水艦の設計でますます一般的になっているものだ。一部の設計ではさらに踏み込んで、2019年に登場した中国の小型潜水艦に見られるように、セールを小さなフェアリングに置き換えている。一方で米海軍は、将来の原子力攻撃潜水艦に、必要に応じて上昇するが、それ以外は潜水艦の速度、機動性、音響ステルス性を維持するため隠されている、非伝統的なセールを装備する可能性を検討している。ドレッドノート級のセールは、より穏健なアプローチだが、小型セールへの移行を明確に反映している。模型では、セール上部に少なくとも3点の潜望鏡とセンサー用マストが設置されている。


未来のドレッドノート級戦略原潜のインフォグラフィック。BAEシステムズ 比較的小型潜航舵が、側面に設置されている


 セールの前、船体上部にポストのような構造物が見えるが、英国の原子力攻撃型潜水艦にも同様の位置に装備されている迎撃ソナーである可能性が高い。

 この新型潜水艦は、5層の構造で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)がどのように構成されるかを視覚的に示している。

 また、ドレッドノート級は、従来のSSBNと比較して、セール後方にあるミサイル格納庫の低さが際立っている。以前のSSBでは箱型に突き出ているのに対し、この部分は実際には船体にやや沈み込んでいるように見える。ミサイル格納庫は実際には3つの独立したミサイル格納庫に分かれ、それぞれに4本のミサイル発射管(「クアッドパック」と呼ばれる)が備えられ、合計12本の発射管がある。

 ヴァンガード級のSSBNは16基のミサイル発射管を備えていたが、実際には条約の規定に従い、パトロール時に8基が搭載されている。


作戦海域訓練を終え、HMNBクライドに戻ってきたHMSヴェンジェンス。同艦は、英国海軍のヴァンガード級潜水艦4隻の最終艦だ。Crown Copyright POA(Phot) Tam McDonald


英国国防省は過去にも、ドレッドノート級の各艦に搭載された12基のミサイル発射管のうち、実際に運用されるのは8基のみであり、残りの4基は艦の安定性を確保するためにバラストが充填されると述べていた。

 ミサイル発射管の総数が削減された理由については、完全には明らかになっていないが、米国における同様の傾向を反映している。米海軍の新型コロンビア級戦略原潜では、オハイオ級戦略原潜の24基から16基に減少している。しかし、オハイオ級のミサイル発射管4基は、ロシアとの軍備管理協定の結果で非活性化されている。

 ドレッドノート級は、後継となるヴァンガード級戦略原潜と同様にトライデント2D5ミサイルを発射する。

 現行のイギリス海軍のSSBNは抑止力パトロール中に最大40個の弾頭を搭載し、トライデントミサイルはそれぞれ複数の弾頭、またはMIRV(多弾頭再突入体)を搭載できる。理論的にはトライデント1基につき14個のMIRVを搭載できるが、弾頭の種類によって異なり、1回のパトロールで40個の弾頭を搭載すると、ミサイル1基あたり5個となる。

 現在、ヴァンガード級戦略原潜は、米国のW76弾頭(1970年代に開発され、現地ではMk 4/Aとして知られている)を搭載したトライデントを搭載して出航している。英国は新型のA21核弾頭を開発中だ。A21は以前は単に「後継弾頭プログラム」として知られていましたが、現在は「アストレア」とも呼ばれている。

 アストレアは、2030年代に就役開始が予定されている米国のW93と並行して開発中で、前者は後者の派生型である可能性が高い。

 ドレッドノート級潜水艦のその他の兵装として艦前部の533mm魚雷発射管4基から発射されるスピアフィッシュ重型中距離魚雷が含まれる。


Submariners check a Spearfish torpedo in the 'bomb shop' aboard the Royal Navy nuclear submarine HMS Tireless after arriving in Southampton for a five day visit. (Photo by Chris Ison/PA Images via Getty Images)

潜水艦乗組員が、英国海軍の原子力潜水艦HMSタイヤレスの「爆弾庫」でスピアフィッシュ魚雷をチェックしている。写真:クリス・アイソン/PA Images via Getty Images クリス・アイソン – PA Images


 SSBNの後部には、ポンプジェット推進システムや、英国の潜水艦に初めて搭載されたXラダーなどの詳細が確認できる。

 ポンプジェット推進器は、特に高速での潜水艦の騒音を低減するように設計されている。英国海軍によると、ドレッドノート級は同海軍の潜水艦の中で最も静粛性に優れ、少なくとも20ノットの最大速度を達成できるという。潜水艦の性能は一般的に機密事項であるため、実際の最高速度はこれより高いことはほぼ確実だ。

 一般的に、ポンプジェットはプロペラよりも多くの利点があり、とりわけ騒音を伴うキャビテーションなしで高速航行が可能である利点がある。つまり、より長距離をよりステルス性を保ったまま航行できるということだ。また、ポンプジェットは潜水艦の性能のほとんどの領域で効率を発揮し、浅瀬での航行に特に優れている。その一方で、プロペラより重量が増え、コストも高く、構造も複雑となる。


英国海軍の「アスチュート」級もポンプジェットを装備している。クラウン著作権

 推進器のすぐ前方にX型舵がある。 英国海軍によると、「従来の潜水艦は、速度と作戦深度の関係から従来型の舵を使用してきましたが、制御性と安全性の向上でX型舵の使用が可能になりました」とある。

 X字型の船尾構造は操縦性、効率性、安全性を向上させ、また、従来の十字型と比較して、潜水艦の作動範囲の大部分において音響特性を低減させるのに役立つ。X型船尾構造は人気が高まっており、現在では米国海軍の新型戦略原子力潜水艦コロンビア級をはじめ、世界中のさまざまな潜水艦設計に採用されている。しかし、米国艦ではフィンが千鳥状に配置され、上部の2つのフィンは前方にややずらして取り付けられているが、ドレッドノート級のフィンは、模型に見るると、すべて同じ位置に取り付けられている。

 模型ではわかりにくいが、ドレッドノート級は、3人のシェフと1人の医師を含む130人の乗組員を収容する。また、英国海軍の潜水艦では初めて、女性乗組員用の個室、トイレ、洗濯設備が個別に設けられる。

 ドレッドノート級は2030年代初頭に就役する予定で、総事業費は約430億ドルと推定されており、これは英国の防衛プログラムで単独では最も高額な費用となる。この数字には、トライデントミサイルの弾頭の交換費用は含まれていない。

 ドレッドノート級は英国の軍事能力を強力に表現するもので、核保有国のエリートグループの一員となる。

 また、このプログラムは、英国海軍が新型の26型フリゲート艦や31型フリゲート艦、アスチュート級攻撃型潜水艦、新型のフリート・ソリッド・サポート艦や多目的支援艦(MRSS)など、28隻の軍艦や潜水艦を受け取る艦艇建造計画の中心でもある。

 これは、2030年までに国防費を国内総生産の2.5%に増やす公約を含む、新たな軍事戦略の一環だ。

 ドレッドノート級の建造は、7隻からなるアステュート級建造が完了次第、イングランド北東部のバロー・イン・ファーネスにあるBAEシステムズの複合施設で行われる。BAE施設には、数億ドルを投じたアップグレードが予定されており、ドレッドノート級の建造を可能にするための拡張も含まれている。昨年10月には、当時も報告したとおり、バローインファーネスにあるデボンシャー・ドック・ホール(DDH)で「重大な」火災が発生しましたが、ドレッドノート級の建造スケジュールに影響が出るという報告はない。


BAEシステムズのデボンシャー・ドック・ホール(英国カンブリア州バローインファーネス)で建造中のアスチュート級潜水艦。BAEシステムズ


ドレッドノート級の初号艦がバーウィン・イン・ファーネスで姿を現すまでには、まだ待たねばならないが、ロールス・ロイスが発表した最新モデルは、英国海軍の次世代原子力弾道潜水艦の外観について、これまでで最も有益な情報を提供していると思われる。■



Our Best Look Yet At Britain’s New Dreadnought Class Ballistic Missile Submarine Design

A highly streamlined hull, x-shaped stern, pumpjet propulsion, and conformal missile carriage are all features of the Royal Navy’s forthcoming Dreadnought class SSBN.

Thomas Newdick

https://www.twz.com/sea/our-best-look-yet-at-britains-new-dreadnought-class-ballistic-missile-submarine-design


2016年4月10日日曜日

F-35受入態勢を整備する英国で基地整備工事が今月開始



UK announces F-35 infrastructure contracts

Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
07 April 2016

RAFマーハム基地内に新設される設備の想像図。2018年に完工し、英国用機材の到着に間に合わせる。
Source: BAE Systems
英国防省はロッキード・マーティンへ142百万ポンド(200百万ドル)で英軍向け共用打撃戦闘機の本拠となる基地で設備を新設する契約を交付した。
  1. 4月7日に発表されたもので、ノーフォーク州マーハムの英空軍基地で英海軍が導入する短距離離陸垂直着陸型F-35B向け支援用施設を三棟建設する。
  2. ロッキード・マーティンは118百万ポンドでBAEシステムズに建設の監理を再委託し、建設はバルフォアビーティ Balfour Beatty社が行う。対象は兵站業務センター、統合訓練センター、保守点検最終仕上げ棟の三つだ。建設は今月末から始まり、2018に完工する。この時期に第617「ダムバスター」飛行隊とF-35Bの初号機が同基地に到着する。
  3. BAEシステムズの生産施設(ランカシャー州サムルズベリ)で第10号機の機体部分が完成しており、テキサス州フォートワースのF-35最終組立て工場へ搬送される。
  4. BAEシステムズは2015年12月にサムルズベリ工場を拡張し増産に備えると発表していた。同社は機体後部、垂直・水平尾翼部分と空母運用型の専用翼端部分を製造する。同社は燃料系統、乗員緊急脱出システム、生命維持装置、機体状態の診断管理装備、英海軍空母での運用に向けた調整も同時に担当している。
  5. 英国はJSFのレベル(ティア)1協力国として唯一の存在でおよそ15%の製造を受け持つ。英国の観点からすれば総額1.5丁億ドルのF-35各国向け調達は国内総生産では300億ポンドの経済効果を2009年から2036年にかけてもたらし、25千名にのぼる国内雇用を生むことになり、航空宇宙産業基盤の相当部分を占める存在だ。■