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2025年5月12日月曜日

中国沿岸警備隊の新型海上巡視船が進水(Naval News) —西側の沿岸警備隊の艦艇とは違うコンセプトで建造されており、軍用仕様の流用もあることが要注意です。数年後に尖閣水域に登場しそうです。

 New OPV for Chinese Coast Guard

進水後のコルベットサイズの新型CCG OPV。 中国のソーシャルメディア経由の画像。


新型OPVは、中国の沿岸警備隊にとって、ブルーウォーターに対応する小型艦の新シリーズの第1号となる可能性がある。最新型レーダーと大口径主砲を装備している


中国南部の広東省広州市に本社を置く中国の造船メーカー黄浦Huangpuはこのほど、中国沿岸警備隊(CCG)向けの新デザインの海上巡視船(OPV)を発表した。ソーシャルメディアや「X」に掲載された画像には、同社のバースに停泊している新造船が写っていた。


バースに停泊中のCCG向け黄浦型OPVの別の画像。メインマストのAESAが回転している。 中国のソーシャルメディア経由の画像。


コルベットサイズの新型OPVは、全長約100メートル、推定排水量1,500~2,000トンのようだ。 艦首にH/PJ-26 76mm主砲が搭載されている。艦橋上部のメインマストには回転式AESAレーダーが搭載されている。このデザインは、黄浦が属する造船コングロマリットCSSCが推進するSR-2402c Mod 2小型AESA航空・水上捜索レーダーに似ている。 船尾にヘリコプターの発着場があるようだが航空格納庫はないようだ。


上:建造中の新造船の画像。 下: CSSCが推進するSR-2402c Mod 2 AESA。


 さらなる仕様は未確認のままだが同船はディーゼルエンジンで動く可能性が高い。中国のコメンテーターは、推進はウォータージェットベースかもしれないと推測しているが、これは未確認だ。 ウォータージェット推進という言及は、2018年頃に黄浦が建造したウォータージェット推進を備えたものの放棄されたOPV設計のHai Kuai 1と新しい設計を結びつけるかもしれない。 Hai Kuaiは、新デザインと大きさは似ているが、構成はやや異なっており、黄浦で過去7年間休眠状態だった。

 黄浦と上海の滬東中華造船Hudongは近年、CCG建造に力を入れている。両造船所は中国海軍(PLAN)にもフリゲート艦やコルベットを供給しており、沿岸警備隊用のフリゲート艦やコルベットの設計も手がけている。これには、054A型誘導ミサイルフリゲート艦シリーズや056型コルベット(PLAN用語で「軽フリゲート」)が含まれる。



上:ハイ・クアイ1。 中央: 054A型由来のCCG艦。 下: 056型由来のCCG艦。 中国のソーシャルメディア経由。


 滬東中華造船は最近、長興島のドライドックで新しいコルベットサイズの建造にも着手した。この船体が黄浦の中国沿岸警備隊向け新型OPVとどう比較されるかは、まだわからない。海軍アナリストで元潜水艦艦長のトム・シュガートは、Hudongデザインの全長を約108メートルと測定している。

 大型CCG設計の伝統的なサプライヤーである黄浦と滬東は、最近、同じく長興島を拠点とする海軍造船所江南との競争も経験している。江南は2024年後半、052D型誘導ミサイル駆逐艦をベースにした大型CCG船体を発表した。052D型と異なり、CCG設計にはミサイル武装がなく、全長も著しく短い。 しかし、PLANの054A型FFGやその他の艦艇と同様に、382型平面アレイレーダーを搭載している。


江南の052D型CCGの船体。 メインマストの382型レーダー、H/PJ-26主砲、大型の航空格納庫に注目。 画像は中国のソーシャルメディア。


 中国の造船会社はCCGに近代的でより能力の高い海上パトロール船を次々と引き渡し続けている。これらの艦艇は、PLAN向けの海軍戦闘艦と同じように、コルベットから駆逐艦サイズの艦艇まで、さまざまな種類がある。CCGにより近代的な艦隊を装備させるだけでなく、さらなる効果として、この建造計画によって造船所は中国海軍の軍事近代化以外の政府契約でも忙しくなる。■


New Offshore Patrol Vessel launched for China Coast Guard

  • Published on 03/05/2025

  • By Alex Luck

  • In News


https://www.navalnews.com/naval-news/2025/05/new-opv-for-chinese-coast-guard-launched-at-huangpu/


2012年11月19日月曜日

ノースロップ・グラマンのファイヤーバードとはどんな機体なのか

Northrop Grumman Reveals Bigger Firebird

By Guy Norris guy_norris@aviationweek.com
aviationweek.com November 13, 2012

ノースロップ・グラマンが秘密裡に開発したファイヤーバード Firebird 中高度飛行有人操縦選択型機 optionally piloted vehicle (OPV) 実証機の複座型が非公開の発注で完成しテスト飛行を開始した。
  1. .ノースロップ社テストパイロット二名が操縦した同機はカリフォーニア州モハーヴェで11月12日に初飛行に成功。動力はライカミングTEO-540E ピストンエンジン一基で高度3,880 ftまで上昇し、最高速度100 kt.を六分間の飛行で記録した。
  2. 2011 年に発表されたファイヤーバード実証機より30%大きい機体の、生産を前提とした同機は全長35.5 ft. 全幅 72.2 ft. だ。二人目のパイロット席が発注者の要望で追加され、特定の目的で設計されたUAVにオプションで有人操縦できる形になっている。
  3. 原型の単座型は民間航空路を通常型機として飛行する構想だった。ノースロップによると複座化で副パイロットあるいはセンサーシステムの運用用としても選択肢が広がるという。ただしもともとの目的である低コスト長時間監視能力は変更ない。
  4. 無 人機とした場合は地上局から見通し線 line-of-sight (LOS)  無人モードあるいは見通し線外モードで運行する。「さらに先に飛行するの出ればキャノピーを外してガーミンのパイロット用システムの代わりにL3の衛星通 信アンテナが入ります」(ファイヤーバード計画責任者ジェリー・マディガンFirebird Program Manager Jerry Madigan)
  5. .機体単価10百万ドルにはエイビオニクス、基本センサーを含み、生産型のファイヤーバードは現在運行中で老朽化が進む特殊用途航空機各型の交替には最適だと同社は言う。
  6. 同 機への関心を一気に高めたのは2011年のエンパイヤ・チャレンジ演習での各軍相互運用、情報共有展示でのこと。同演習は米国統合軍司令部U.S. Joint Forces Commandの解体により同年の実施が最後になったが、同機は12通りのペイロードを搭載し飛行したことで注目を一気に集めた。ペイロードには電子光学 赤外線、レーダーや通信中継装備があったという。
  7. 同 演習でのファイヤーバードの登場には米陸軍が後援していたが、そのほかに考えられる同機の利用者には米特殊作戦司令部 U.S. Special Operations Command (Socom) がある。ノースロップは以前にもSocomが同機に関心を示していると発表しているが、「公表できない依頼主向けに競作し、当社が選定されたが、依頼主か ら複座型量産型などの具体的な要望が出ている」とのみ今回発言があった。
  8. .初回の生産契約では年2機を5ヵ年継続することが盛り込まれている。■