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2025年9月23日火曜日

いずも級空母の艦種記号がDDHからCVMとなった意味(The National Interest) ― ただし、ここまで来ても防衛当局は空母であると認めたくないようです



海上自衛隊

同艦が航空母艦である事実を東京は軽視しようとしてきた。おそらく政治的な配慮によるものだろう

上自衛隊(JMSDF)は、2隻の「いずも」級ヘリコプター駆逐艦を、事実上の空母へと改造を進めてきた。これにより、海上自衛隊の「いずも」および「かが」は、ロッキード・マーティンF-35B ライトニング II(ジョイントストライクファイターの短距離離陸・垂直着陸型)の運用が可能となった。この2隻の平甲板艦は、第二次世界大戦以来、固定翼機の運航を行う初の日本艦艇となる。

この2隻の転換は、東京が日本の戦後の平和主義憲法である第9条の再解釈を行う必要があったこともあり、メディアの注目を集めている。同条は、日本による宣戦布告を名目上禁止しているが、同盟国に代わって「集団的自衛」の名の下での軍事行動への参加は認めている。中国との将来的な対立や北朝鮮の潜在的な侵略を懸念する日本政府は、第5世代多用途戦闘機F-35Bの共同運用能力を含む海上自衛隊の能力強化を進めてきた。

日本向けF-35Bの初の機体は先月日本に到着し、宮崎県の新田原飛行場で垂直離着陸訓練が進行中だ。この訓練は騒音問題をめぐり地元当局者から批判や抗議行動を受けている。特に航空自衛隊が月間最大100回の垂直着陸(夜間40回以上含む)を実施すると発表したことが問題視されている

当初は無人島・馬毛島での訓練が計画されていたが、滑走路などの航空インフラ整備が未完了である。工事完了時期は未定だが、2029年または2030年初頭までは見込まれておらず、宮崎県民は当面の間、騒音に直面せざるを得ない状況だ。

新たな艦種記号

「いずも」と「かが」の構造変更が未完了であるにもかかわらず、両艦には新たな艦種記号が与えられた。この変更はほとんど注目されていなかったが、今月になって初めて『Naval News』が報じたところによると、防衛省は昨年10月付けで艦種分類を改定していた。

従来DDH-183、DDH-184とされていた艦艇は、新たに艦番号CVM-183、CVM-184を付与された。DDHは「ヘリコプター駆逐艦」の艦体分類記号だったが、昨年防衛省は「CVM」という新分類を追加した。

「一見すると[CVM]は米海軍の命名法に類似しており、『多目的航空母艦』と解釈される可能性がある」とNaval Newsは報じた——CVMと米海軍の空母記号CVNの類似性を指摘しつつ。「しかし海上自衛隊広報部によれば、この略称は『多目的巡洋艦(Cruiser Voler Multipurpose)』を意味する」という。

いずも級艦は海上自衛隊で就役中の最大級水上戦闘艦であるため、両艦を巡洋艦に再分類することが決定された。ただし米海軍と同様に、「V」はフランス語の「voler(飛ぶ)」に由来し、1世紀以上にわたり空母艦体の分類に用いられている。

日本政府は明らかに、自国の空母が航空母艦である事実を控えめに表現しようとしている。第二次世界大戦以降、日本が空母を運用してこなかったという政治的配慮が背景にある可能性がある。防衛省はまた、今世紀後半に就役予定の海上自衛隊の将来の「イージスシステム搭載艦」に適用される「巡洋艦(ミサイル)」(CG)という艦種記号を初めて導入した。米海軍の巡洋艦も同様の呼称を使用している。

空母であれ巡洋艦であれ、呼称は重要ではない。80年ぶりに、日本は固定翼戦闘機を運用可能な空母を保有したのだ——呼称などどうでもいい!■


Japan’s Izumo-Class Flattops Have Received a New Designation

September 22, 2025

By: Peter Suciu

https://nationalinterest.org/blog/buzz/japans-izumo-class-flattops-received-new-designation-ps-092225

著者について:ピーター・スシウ

ピーター・スシウ寄稿した記事は3,200本以上に上り、30年にわたるジャーナリストとしてのキャリアの中で40以上の雑誌やウェブサイトに掲載されてきた。軍事装備、銃器の歴史、サイバーセキュリティ、政治、国際情勢について定期的に執筆している。ピーターはまた、寄稿ライターとしてフォーブス クリアランス・ジョブズにも記事を寄せている。ミシガン州在住。Twitterでは @PeterSuciuをフォローできる。著者へのメールは Editor@nationalinterest.org まで。

2025年1月23日木曜日

日本の「ミニ空母」が太平洋におけるF-35の「防空壁」の形成に貢献する(Warrior Maven)―機材納入が遅れているのですが、今後順調に戦力化を進めてもらいたいものです。




F-35Bを搭載した日本のミニ空母は、太平洋連合国の航空優勢の維持にとって極めて重要な存在となる


日本のF-35Bを搭載したミニ空母は、この地域全体の制空権を維持し、広大な海域で力を誇示しようとする太平洋諸国連合にとって極めて重要な存在となる可能性がある。アメリカ、韓国、日本のF-35のネットワーク能力は、事実上、朝鮮半島の南からフィリピン、日本まで伸びる第5世代の空中「境界線」を形成する。

 日本の小型空母は、F-35を搭載するために再設計されたヘリコプター搭載の水陸両用強襲揚陸艦を写した海上自衛隊の写真で初めて登場した。第5世代の航空戦力を投射できる一方で、ミニ空母は部隊の輸送、ヘリコプター、より小型で機動性の高い空母のような機能も果たす。

  JSかがとJZいずもの日本のミニキャリアは、満載時排水量27,000トン、全長814フィートの飛行甲板で運用される。

 両艦の構成は、特に日本が数十億ドルを投じF-35Bを購入し、イージス戦闘システムやSM-3ブロックIIAのような主要兵器の開発で米国と長年にわたる技術提携を結んでいることを考えると、多くの重要な理由で理にかなったものだ。日本と米海兵隊はここ数カ月、互いの軍艦からF-35Bを発着させる共同訓練を行った。ワスプ級揚陸郷愁感は日本のF-35Bと相互運用でき、日本のミニ空母は米海兵隊のF-35Bを収容できる。

 日本は近年、中国の脅威の増大と問題を理由に、軍事予算と防衛態勢を大幅に強化してきた。日本の防衛省は2023年に529億ドルの防衛費を要求しており、日本は現在、数十億ドル規模の大規模なF-35購入に数年を費やしている。

 このような「ミニ空母」を配備することは、日本にとって戦略的・戦術的に非常に理にかなっている。F-35Bを配備できる小型のプラットフォームはもちろん小型で、中国の対艦ミサイルの標的としては命中しにくくなる。また、F-35Bは高速で機動性が高く、米海軍と緊密に連携して運用され、潜在的な紛争において第5世代の航空戦力を投射することができるだろう。


日本の小型空母が持つ優位性

米国と太平洋同盟国は、空では決定的な第5世代の優位性を持って活動しているため、これは非常に重要である。中国はJ-20を運用しているが、同機は陸上運用機材であり、海上からの戦力投射は不可能だ。J-20はまた、センサーの範囲や忠実度、武器システムの範囲や精度によっては、F-35やF-22に脆弱かもしれない。いずれにせよ、アメリカとその同盟国は、空から中国に対抗したり、中国を封じ込めたりするために、F-35の大部隊の運用が近づいている。このような戦術的思考が、日本の防衛省がF-35を取得し、"ミニ空母 "を建造している大きな理由だろう。


中国への対抗

日本が防衛予算を増やし、大規模な軍拡と兵器開発を進めているのは、中国からの脅威の増大と大きく関係している。防衛省は近年、イージス艦レーダー、SM-3ブロックIIA、進化型シースパロー・ミサイル・ブロック2といったシステムに関する米国との共同兵器開発でも大きな進展を遂げてきた。したがって、中国に対する日本の懸念は、防衛省の 防衛白書が示しているように、近年大きく加速している。

 防衛白書は、2023年1月に本誌が興味深い分析で説明したように、ロシアと中国の両方からの脅威が増大しえちる重要な分野を具体的にいくつか挙げている。本文は、中国によるAIやネットワーク戦争の利用拡大、尖閣諸島に関する挑発行為、ロシアとの協力関係の拡大、民軍融合の強化を挙げている。

 「中国の軍事動向は、同国の国防政策や軍事情勢に関する透明性の欠如と相まって、日本を含む地域や国際社会にとって重大な懸念事項となっており、こうした傾向は近年ますます強まっている」とあった。

 中国のAI利用は、日本の報告書では「インテリジェント化された戦争」と呼ばれている。つまり、兵器システム、監視資産、データ処理のスピードと能力すべてが大幅に向上しているのだ。

 中国が「インテリジェント化された戦争」を追求していることは、日本の報告書が指摘しているし、中国の脅威の増大に関する国防総省報告書でもたびたび引用されている。そのコンセプトは、マルチドメイン、統合サービスによるシームレスなネットワーキングと部隊全体でのデータ共有を複製またはコピーすることである。   この取り組みは、ペンタゴンが現在実施しているジョイント・オール・ドメイン・コマンド・アンド・コントロール(JADC2)の取り組みとよく似ているように見える。

 2023年の本誌分析では、「インテリジェント化された戦争」は、兵器システムや技術プログラムの広い範囲に影響を与えることができるものであり、特に予算や技術交換に関しては、文民と軍部の間に隔たりがない中国においては重要であるとしている。例えば、衛星データは迅速に処理され、送信される。軍艦、ロケット、核兵器でさえも、改良された標的情報を受信し、整理することができる。

 中国共産党がこのような取り組みをどこまで進めているかは、完全には明らかではないが、中国の明確な意図は、日米双方の防衛関連出版物に数多く記されている。中国がこの能力を進化させることになれば、戦闘領域全体における複数領域のターゲット・データ共有、共同作戦、センサーからシューターまでの所要時間の改善に関して、PLAは米軍とより緊密な関係を築くことになるだろう。


日本とF-35B

この脅威のシナリオを考えれば、海上自衛隊がF-35Bを急速に取得するのは理にかなっている。F-35Bは、F-35を運用するすべての国をネットワークで結ぶことができるマルチファンクション・アドバンスト・データリンク(MADL)と呼ばれる安全で高速なデータリンクで運用されるからだ。これにより、アメリカ海軍、韓国、さらにはオーストラリアやシンガポールを含む、多国籍で大規模な、半円形のF-35の編隊が実現する。 フィリピンに追加される基地は、アメリカとその同盟国がF-35をそこに追加し、日本とオーストラリアとシンガポールの間の半円のギャップを「埋める」機会にもなるかもしれない。■


Kris Osborn is the Military Technology Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a highly qualified expert in the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


Japan’s “Mini-Carriers” Help Form F-35 Deterrence “Air Wall” in Pacific

Japan’s F-35B-armed mini-carriers could prove pivotal to an allied Pacific coalition of nations looking to preserve air superiority

Kris Osborn · January 15, 2025


https://warriormaven.com/china/japans-mini-carriers-help-form-f-35-defensive-wall-in-pacific



2024年6月23日日曜日

主張 米海軍は中型空母に投資すべきで、日本のいずも級空母が参考となる:スーパー空母はかつての戦艦と同じ陳腐化してしまった装備品なのだろうか


定期的に出てくる中型空母待望論が再びThe National Interestに掲載されました。SSKとならび、中型空母はかつての大艦巨砲主義にとらわれていた価値観と同じ程度に原子力潜水艦、超大型原子力空母を祭り上げている現在の米海軍の姿勢に警鐘を鳴らしています。今回はいずも級というベンチマークが出てきたことです。またもや国防トップや防衛産業のように現状で利益を享受している層からは無視されるのでしょうか。



Ford-Class Aircraft Carrier U.S. Navy


The U.S. Navy's heavy reliance on large aircraft carriers may need reassessment due to modern anti-access/area-denial (A2/AD) defenses from rivals like China and Russia. Instead of abandoning carriers, a compromise could involve shifting towards medium-sized carriers.

 

Summary and Key Points: The U.S. Navy's heavy reliance on large aircraft carriers may need reassessment due to modern anti-access/area-denial (A2/AD) defenses from rivals like China and Russia. Instead of abandoning carriers, a compromise could involve shifting towards medium-sized carriers.

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Aircraft Carrier

 

-Historical precedent exists with the Navy's 1970s interest in cost-effective CVVs.

-Today, medium-sized carriers, like Japan's Izumo-class, offer a versatile and affordable alternative, capable of deploying F-35B Lightning II stealth fighters. Such carriers could maintain power projection without the vulnerability and expense of larger carriers, ensuring the Navy remains effective in contested environments.

Reassessing Aircraft Carriers: Why Medium-Sized Vessels Could Be the Future

Because the United States Navy has invested so much of its resources into its aircraft carrier program, letting go of the flat top as a key element of its fleet will be difficult to do. So, rather than totally abandoning the carrier program in the age of the contested battlespace, it might be best to compromise. 

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Aircraft carriers certainly allow for immense power projection (so long as the area these warships are being deployed to can be penetrated by naval airpower without significant risk to the expensive carrier). As it stands now, however, China, Russia, and some other American rivals have robust anti-access/area-denial (A2/AD) defenses in their respective regions of the world that would likely negate the power projection advantages that the US Navy’s aircraft carriers provide. What’s more, the Nimitz-class and new Ford-class aircraft carriers are so large that they might provide an easy target for those A2/AD systems.

The Navy might want to invest instead in building up its medium-sized aircraft carriers. Or, look at the Japanese helicopter carrier concept. The US military has previously explored the concept of medium-sized carriers (designated “CVV”). Back in the 1970s, the Navy was interested in building a fleet of these medium-sized carriers as opposed to the costlier, more complex Nimitz-class carriers. 

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Yet, the Reagan era defense buildup of the 1980s allowed for the Navy to sink these plans for more cost-effective, less complicated medium-sized carriers, and continue to build the monstrosities that it (and the defense contracting community) prefers.

Navy Costs are Unsustainable

Today, just as with the 1970s, the United States cannot afford to lavish its tax dollars on the defense department—or any government program, really—the way that it has done for the last 30 years. Interestingly, it is precisely because Congress and successive presidents from both parties have lavished gobs of tax dollars on the Department of Defense that we are now at risk of losing a major war. 

These expensive weapons systems, such as the aircraft carriers the Navy relies upon, have become so complex and costly that we lack the means to replace them or even repair them in a timely, affordable manner if they are lost or damaged in combat. If these systems are taken out of the fight, as America’s rivals plan to do early in any conflict, then America would risk losing a war, as there are few other offensive systems that could project power the way that US flat tops can.

America’s rivals understand that the sophisticated and expensive systems, such as the aircraft carriers, are now at least as much of a liability for the US Navy in the face of their robust A2/AD capabilities as these systems are an advantage for the US military looking to project power. 

Therefore, building less sophisticated, smaller, and harder-to-destroy systems will be key for the United States. Because, right now, the aircraft carriers that once played such an important role for maintaining America’s deterrence against its foes are no longer performing that function. Rival states, notably China, do not fear the American aircraft carrier as they did during the 1996 Taiwan Strait Crisis.

Navy Should Look to Japan's Izumo-Class for Inspiration

According to Stavros Altamazoglou, “The Navy is exploring ‘Lightning Carriers’ that can operate the F-35B Lightning II stealth fighters, offering a versatile and risk-mitigated approach to maintain operational capability in contested regions like the South China Sea and near Taiwan.” 

Again, this is precisely the concept underlying Japan’s investment in helicopter carriers (from where vertical-takeoff warplanes, like the F-35, can be deployed). Japan’s Izumo-class “helicopter-destroyer” cost around $1.2 billion to build and is widely considered the most advanced indigenously built and operated warship in Asia today. 

Compare that to the $13 billion-a-pop Ford-class aircraft carriers (which, again, might not even be deployable in a contested environment, like the South China Sea or the Taiwan Strait).

Aircraft Carrier

The Navy is steadfast in its commitment to the concept of aircraft carriers. If they won’t abandon this cultish obsession with a weapons system that could easily be proven to be too valuable to fight, at least they could invest in cheaper, more maneuverable, harder-to-hit medium-sized carriers, like the Japanese Maritime Self-Defense Force has been doing.



米海軍には中型空母が必要だ


中国やロシアのようなライバル国からの対アクセス/領域拒否(A2/AD)防衛のため米海軍の超大型空母重視には見直しが必要かもしれない。空母を放棄するのではなく、妥協案として中型空母へのシフトも考えられる。


要約と要点 


-1970年代に海軍が費用対効果の高いCVVに関心を示していた。

-「いずも」級中型空母は、F-35BライトニングIIステルス戦闘機を配備でき多用途で手頃な代替案を提供している。このような中型空母は、大型空母の脆弱性や出費を伴わず戦力投射を維持することができ、海軍が競合環境において効果的であり続けることを保証する。

-空母の再評価で 中型艦が未来になりうる

-米海軍は空母計画に資源を重点投入してきたため、艦隊でフラットトップを手放すことは難しいだろう。このため空母計画を完全に放棄するのではなく、妥協するのが最善かもしれない。


母は確かに、巨大な戦力投射を可能にする(高価な空母に大きなリスクを負わせることなく、空母航空戦力が突破できる限りにおいて)。しかし、現状では、中国、ロシア、その他アメリカのライバル国は、それぞれの地域に強固な対アクセス/領域拒否(A2/AD)防衛を敷いており、アメリカ海軍の空母による戦力投射の優位性は否定されるだろう。しかも、ニミッツ級や新型のフォード級空母は非常に大きいため、A2/ADシステムの格好の標的になってしまうかもしれない。

 米海軍はその代わりに、中型空母の増強に投資した方がいいかもしれない。あるいは、日本のヘリコプター空母のコンセプトを見てみよう。 米軍は以前、中型空母(「CVV」と命名)のコンセプトを検討したことがある。1970年代当時、海軍は、コストが高く、より複雑なニミッツ級空母とは対照的に、こうした中型空母の艦隊を建造することに関心を持っていた。

 しかし、1980年代のレーガン時代の国防増強によって、海軍は、より費用対効果が高く、複雑でない中型空母のこれらの計画を沈め、海軍(および国防契約企業群)が好む巨大空母を建造し続けた。


超大型空母のコストは持続不可能


今日、1970年代同様に、米国は国防部門に過去30年間と同じく税金を惜しみなく投入する余裕はない。興味深いことに、議会と両党の歴代大統領が国防総省に多額の税金をつぎ込んできたからこそ、大規模な戦争に負ける危険性が生まれている。

 海軍が頼りにする空母のような高価な兵器システムは、非常に複雑で高価になっており、戦闘で喪失あるいは損傷すれば、タイムリーかつ手頃な価格で交換したり修理する手段がない。アメリカのライバルが紛争初期に計画しているように、これらのシステムが戦闘から排除されれば、アメリカは戦争に負けるリスクを負うことになる。

 アメリカのライバルたちは、空母のような洗練された高価なシステムは、強力なA2/AD能力の前に、戦力投射をねらうアメリカ軍にとって有利であるのと同時に足かせになることを理解している。

 したがって、そこまで洗練されておらず、小型で、破壊されにくいシステムを構築することが、アメリカにとって鍵となる。というのも、かつてはアメリカの敵国に対する抑止力を維持するために重要な役割を担っていた空母は、今やその機能を果たしていないからだ。ライバル国、特に中国は、1996年の台湾海峡危機の時と同じ程度にはアメリカの空母を恐れていない。


米海軍には日本のいずも級が参考になる


スタブロス・アルタマゾグルーによれば、「海軍は、F-35BライトニングIIステルス戦闘機を運用できる『ライトニング空母』を模索している」という。

 これは日本のヘリコプター空母(F-35のような垂直離陸戦闘機を配備できる)への投資の根底にあるコンセプトだ。日本のいずも級「ヘリコプター駆逐艦」の建造費は約12億ドルで、現在アジアで最も先進的な自国建造・運用の軍艦だと広く考えられている。

フォード級空母(南シナ海や台湾海峡のような紛争環境では配備すら難しいかもしれない)と比べてみてほしい。

 海軍は、空母の概念に固執しているが、戦闘に投入するにはあまりにも貴重だと簡単に証明される兵器システムに対するこのカルト的な執着を捨てれば、海上自衛隊が行っている安価で、より機動的で、より命中しにくい中型空母に投資できるだろう。■


The U.S. Navy Needs Medium Aircraft Carriers to Save the Aircraft Carrier | The National Interest

by Brandon J. Weichert

June 22, 2024  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: U.S. NavyNavyMilitaryDefenseAircraft CarrierMedium Aircraft CarrierCVV


About the Author 

Brandon J. Weichert is a former Congressional staffer and geopolitical 

analyst who is a contributor at The Washington Times, as well as at American Greatness and the Asia Times. He is the author of Winning Space: How America Remains a Superpower (Republic Book Publishers), Biohacked: China’s Race to Control Life, and The Shadow War: Iran’s Quest for Supremacy. Weichert can be followed via Twitter @WeTheBrandon.




2023年11月15日水曜日

2024年いずも級は米東海岸沖合でF-35B運用テストを展開する

「いずも」か「かが」のどちらかが24年に米東海岸へ展開し、F-35Bの運用テストを行うことになったというUSNI Newsの記事をご紹介します。


いずも級が来年米東海岸でF-35Bのテスト運用へ 

本最大の軍艦の1隻が来年、F-35BライトニングII共用打撃戦闘機の一連の運用試験を実施するため、米東海岸に向かうことが分かった。

英海軍の空母HMSプリンス・オブ・ウェールズ(R09)が東海岸沖でF-35Bの一連の試験の第3段階を終えるのに合わせて、海上自衛隊(JMSDF)のいずも級の計画が持ち上がった。海上自衛隊は1年後、同じ海域で同様の試験を行う予定だ。

水曜日の英国海軍発表によると、プリンス・オブ・ウェールズでのDT-3(開発試験、フェーズ3)試験は、海兵隊のMV-22オスプレイ、CH-53Eスーパースタリオン、AH-1Zバイパーガンシップ、空母補給ドローンの運用試験と並行して、4週間にわたり実施された。DT-3は2機の特別装備のF-35Bを使用し、海兵隊テストパイロット3名と180人のサポートチームがパタクセントリバー海軍航空基地、F-35統合テストフォース(PAX ITF)から参加した。F-35統合テストフォースは、米海軍と海兵隊、英空軍、ロッキード・マーチン、英エアロスペース、ノースロップ・グラマン、米政府の民間人から構成され、すべての洋上F-35のテストを担当している。

DT-3は、2018年にHMSクイーン・エリザベス(R08)で実施されたDT-1とDT-2の試験に続くものである。国防総省の木曜日発表によると、10月から11月初旬にかけて、150回近い短距離離陸(STO)、約80回の垂直着陸(VL)、60回の艦載ローリング垂直着陸(SRVL)が実施され、PAX ITFの飛行試験エンジニアがデータを収集し、モデルと比較し、初期分析した。

「F-35Bプログラムの約150のテストポイントを実現するための我々のチームの統合は、英国がF-35を運用する方法を増やす可能性がある。「SRVL、夜間SRVL、重負荷(爆弾)テストポイントでは、より重い離着陸、より多くの出撃のためにジェット機をより速く運用するためのF-35Bのクリアランスへ向けた将来の決定に役立つデータが得られた。SRVLの間、F-35Bは通常のデッキ着陸を行う。これは、ホバリング着陸を行う場合とは対照的に、航空機が燃料を捨てたり、未使用の武器を捨てたりすることなく着陸することを可能にする。

イギリス海軍の10月20日発表によると、F-35Bで最大22,000ポンドの爆弾を搭載する試験も実施され、PAX ITFのF-35Bに不活性500ポンドのペーブウェイIVレーザー誘導爆弾と不活性1,000ポンドのペーブウェイが搭載された。

11月1日の英国海軍の発表によると、海上自衛隊代表団は、「12ヶ月後に同じ海域で行われる試験への道筋をつけるため」、試験の一部を視察したという。日本代表団は、「いずも」級特殊改造計画責任者の海上自衛隊佐藤剛一佐を団長に、海上自衛隊と航空自衛隊の将校5名で構成された。

海上自衛隊には戦闘機部門がなく、日本のF-35Bはおそらく航空自衛隊の飛行隊が運用することになる。日本はF-35Bを合計42機発注し2024年にうち6機受領し、同年に暫定F35B飛行隊が設立される。日本は2021年10月にJSいずも(DDH-183)で海兵隊F-35Bによる初期試験を行ったが、それ以上の試験は行っていない。■

Japanese Izumo-class Warship Headed to East Coast for F-35B Trials - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

November 13, 2023 3:06 PM