ラベル JSM の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル JSM の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年6月4日火曜日

米空軍F-35へのJSM統合打撃巡航ミサイル搭載が正式に始まった。海上スタンドオフ攻撃の能力は海軍にも訴求力あり、JSMは日本も導入するノルウェー製だ

 


F-35AでJSM巡航ミサイルの運用を米空軍が開始する段階に入りました。同ミサイルのねらいは対艦スタンドオフ攻撃で、日本も導入を早々に決めています。The War Zone記事からのご紹介です。


A U.S. F-35A releases a Joint Strike Missile (JSM) during a test. <em>Norwegian Defense Material Agency</em>

A U.S. F-35A releases a Joint Strike Missile (JSM) during a test. Norwegian Defense Material Agency


空軍のF-35Aに海上スタンドオフ攻撃という選択肢が加わる

空軍は、統合打撃ミサイル(JSM)巡航ミサイルの最初の契約を結んだ。ノルウェー製の同ミサイルは、表向きには、F-35A戦闘機がより大型のAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)を手に入れるまで暫定的にスタンドオフ対艦能力を持たせるのが目的だ。しかし、JSMは陸上標的も攻撃することができ、F-35Aの機内に収めることができる。

国防総省は、ノルウェーのコングスバーグ・ディフェンスとの固定価格契約でJSM製造ロット1契約を空軍に授与したと発表した。

国防総省の毎日の契約発表によると、「契約は、統合打撃ミサイルのすべてのアップラウンド、コンテナ、およびテスト機器を提供する。「作業はノルウェーのコングスベルグで行われ、2026年8月31日までに完了する予定だ」とある。


The US Air Force has awarded its first contract for the purchase of production Joint Strike Missiles which are set to give its F-35A Joint Strike Fighters a new and capable stand-off strike option against targets on land and at sea.

Kongsberg

空軍が契約によって何発のミサイルを受け取るのかは不明だ。同軍は過去に、ロット1で48基のJSMを購入する予定であり、合計で最大268基を取得する可能性があると述べている。

JSMは、海上・地上発射型のネイバルストライク・ミサイル(NSM)を航空発射型に大型化したもので、米軍を含め着実に普及が進んでいる。コングスベルグが米国の防衛請負会社レイセオンと共同開発したJSMは最大射程が約350マイルと公表されている。これは、ミサイルが低高度貫通モードで使用される場合、およそ半分に短縮される。

A briefing slide from 2014 with various details about the Joint Strike Missile's (JSM) capabilities. <em>Kongsberg </em>

A briefing slide from 2014 with various details about the Joint Strike Missile's (JSM) capabilities. Kongsberg

A general size comparison between the NSM, at top, and the JSM, below. <em>Kongsberg </em>

A general size comparison between the NSM, at top, and the JSM, below. Kongsberg

260ポンド弾頭のJSMは、GPS、INS、または地形マッピングを使用して、指定のターゲットエリアへの経路をナビゲートできる。地形マッピング・コンポーネントは、GPSが使えない環境でもミサイルを目的地に到達する貴重な追加手段となる。

敏捷なJSMは、低シグネチャー(ステルス)機能を備えているが、画像化赤外線シーカーを搭載し、飛行の最終段階で非常に正確な照準能力を発揮する。シーカーはパッシブに動作するため、電波妨害や探知を受けない。双方向データリンクにより、JSMは飛行中盤に追加の照準情報を受信し、タスクを変更できる。

すでに述べたように、JSMはF-35A統合打撃戦闘機の機内兵装庫に収まるサイズである。その結果、米海軍と海兵隊が運用する、より大型の空母搭載型F-35Cにも搭載できる。海兵隊も運用するF-35Bの内部ベイは、A型C型よりも小さいため、JSMを搭載できない。

コングスバーグはまた、F-16バイパー、F/A-18E/Fスーパーホーネット、F-15Eストライクイーグル、F-35A、B、CがJSMを外付けできることを実証するフィットチェックを行った。F-35の場合、これはステルス性に悪影響を及ぼす。

空軍にとってJSMの最大のメリットは、ミサイル自体が開発済みであり、ノルウェー空軍がF-35Aへの統合に資金提供していることだろう。空軍はすでに、ノルウェーのパートナーのサポートとして、開発と統合作業を支援している。

「空軍のJSM(プログラム)は、ノルウェー空軍のテストと統合の取り組みを活用する」と、空軍の2025会計年度予算要求には記されている。「さらに、JSMはアメリカ空軍特有の試験と統合、回帰、資格認定活動を行う。

ノルウェーに加えて日本とフィンランドがF-35Aにこのミサイルを搭載する計画を発表しており、米空軍はJSMパーティーにやや遅れている。

空軍がF-35AにJSMを搭載して初期運用能力を達成するのはいつになるのか、現時点では明らかではない。この武器の完全な統合が、大幅に遅れている共用打撃戦闘機のブロック4アップグレードパッケージとまったく関係がないのかも不明だ。ブロック4の改良は、F-35に各種新兵器を追加することを可能にする鍵であると過去に説明されてきた。

空軍はまた、JSMの購入は、将来計画されている大型のAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)のF-35Aへの統合への「橋渡し」であるとも以前述べていた。しかし、LRASMはF-35のどの機種にも搭載できるわけでなく、JSMは大型ミサイルに欠けている陸上攻撃能力も提供する。LRASMの派生型であるAGM-158統合空対地スタンドオフ・ミサイル(JASSM)陸上攻撃巡航ミサイルのバージョンも、将来的に米国のF-35に搭載されることになっている。既存の、そして現在計画されているJASSMの亜種もF-35の内部兵装庫に収まらず、艦船と交戦することはできない。


A rendering of an F-35 variant with a pair of AGM-158C LRASM missiles under its wings. <em>Lockheed Martin</em>

A rendering of an F-35 variant with a pair of AGM-158C LRASM missiles under its wings. Lockheed Martin

空軍にはF-35A以外の航空機にJSMを統合する可能性もあるかもしれない。JSMのF-16への搭載テストは実施済み、ミサイルが比較的小型であることから、他の統合の可能性が広がるかもしれない。ジェネラル・アトミックスは独自に、MQ-9リーパー・シリーズの武装オプションの可能性としてJSMを提示しており、将来のハイエンドな紛争において、ステルス性を持たないドローンの関連性を確保するのに役立つ方法を提供する可能性がある。

現在、米軍内では空軍のみの取り組みだが、JSMは海軍や海兵隊にとっても魅力的であり、F-35やF/A-18E/Fにも採用される可能性がある。

JSMの将来がどうなるにせよ、米空軍は現在、F-35Aでの使用を想定してこの兵器の購入を開始した。■


USAF F-35s Are Officially Getting Joint Strike Cruise Missiles That Fit In Their Bays

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAY 31, 2024 8:29 PM EDT

AIRSEA



2019年3月14日木曜日

JSM導入で大きく変わる日本の戦略戦術地図

JSM導入のニュースは昨日にお伝えしていますが、相当の関心を集めています。さらに詳しい分析が出ましたので追加でご紹介します。この通りならすごい装備品で大いに楽しみですが「平和主義」の皆さんが騒ぎ立てそうです。必要な情報は開示して「左巻き」の人でさえ文句が言えない形にしてスムーズな導入になるよう祈るばかりです


Japan Buying Joint Strike Missiles For Its F-35As Is A Much Bigger Deal Than It Sounds 日本が導入する共用打撃ミサイルのF-35A運用にはもっと大きな意味がある


It's the first land attack capable cruise missile Japan has bought, opening the door to a whole new set of tactical and strategic possibilities.

日本初の対地攻撃巡航ミサイルで全く新しい戦術戦略面の可能性を開く

BY TYLER ROGOWAYMARCH 13, 2019

U.S. AIR FORCE PHOTO BY CHRISTOP—U.S. AIR FORCE

ルウェイのコングスバーグ・ディフェンス&エアロスペースと日本防衛省が共用打撃ミサイル(JSM)の大量導入につながる契約を調印したと発表があった。巡航ミサイルJSMはF-35A機内に収まり、同時に対艦ミサイルを超えた軍事力を実現し、日本の軍事戦略の変貌の象徴にもなる。
JSMは海軍打撃ミサイル(NSM)が原型でレイセオンと共同開発したものだ。JSMは最大350マイルの射程で低高度の飛翔でその半分の射程を突破できる。500lb弾頭を搭載しGPS、INS、地形マッピング含む誘導装置を駆使し、GPSを遮断する環境も想定する。
JSMには画像化赤外線(IIR)シーカーがつき、高度に精密な最終ホーミング機能を備える。コングスバーグ・ディフェンスでは目標捕捉と最終ホーミング機能は次のように作動すると述べている。
「JSMには高度な目標捕捉のため自律型目標認識Autonomous Target Recognition (ATR) で赤外線画像シーカーを使用する。高性能の認識アルゴリズムにより標的艦船を識別し、非対象艦船の攻撃は回避できる。「白」と「赤」標的の識別は100パーセント可能だ。JSMのミッション計画システムには国家データベースを使い、標的対象のデータベースを備える。標的ライブラリのサブセットをJSMにダウンロードし発射する。データベース内の各標的には命中点に対応する弾頭信管特徴も準備する他、ミサイルの最終進入戦術といった識別上の特徴を整備する。発射に先立ち、最終戦術や命中点を点検あるいは修正も機内で可能だ。コングスバーグは利用国向けにソフトウェア一式を提供し標的ライブラリの整備方法を訓練する。」
RAYTHEON
JSMをF-35A機内に装着するとこうなる。

双方向データリンクでやりとりを終始行い、発射後は機体から進捗状況が把握でき、途中でミッション放棄したり別標的へ再照準も可能だ。
JSMは柔軟制御を念頭に開発され複雑地形でも飛翔経路を調整して途中での迎撃を避ける設計だ。F-35兵装庫での運用以外に他の戦術機材でも運用できる。
つまり柔軟性豊かで夢のような兵器が実現するわけだ。だが同ミサイルが対艦巡航ミサイルだけでなく陸上標的攻撃にも利用できることにもっと興味を引かれる。
言い方を変えよう。日本は高性能対地巡航ミサイルを最新鋭高性能機材から発射できるようになる。
USAF
エドワーズAFBのF-16CがJSMを主翼下に搭載している

日本は対地攻撃巡航ミサイルを配備してこなかった。憲法第九条違反と真剣に主張する向きがある。だが第九条解釈は日本国内で急速に変化している。これまでの受け身で内向きかつ自衛中心の姿勢から外に目を開き、対外的に積極な見方が強くなってきた。
その最大の象徴がいずも級空母を空母として運用する防衛省の姿勢で、もはや「ヘリコプター搭載駆逐艦」でなく、F-35B42機を飛行運用する。第二次大戦後の日本は固定翼機搭載の空母は就役させてこなかった。
RAYTHEON

日本にとって島しょ部防衛が一貫して懸念事項だった。対応策のひとつにスタンドオフミサイル攻撃で敵の水上部隊を狙うことがあり、一貫して高い優先順位がついてきた。だがこれまで巡航ミサイルの運用は海に限れれてきた。北朝鮮、中国、さらにロシアの脅威に対してスタンドオフ攻撃による陸上標的攻撃能力の必要性が痛感されているのは、接近阻止領域拒否として長距離防空体制の整備が進んできたためでもある。
JSMは発射機となるF-35Aと防空体制を突破する。日本が導入予定のF-35A105機でJSMと組合せて1,000マイル先の目標を空中給油無しで攻撃する能力がうまれ、うち750マイルをJSMはステルス低空突破する。2つの装備の組み合わせは理論上は日本領土から北京、香港、北朝鮮全土の攻撃が可能となるが、正確に言えば機体の戦闘行動半径600マイル以内で沿岸から150マイル以内の地点が標的になる。
JSMが最大効果を発揮するのが難易度が最高地点にある標的への攻撃で、「ブラウンウォーター」とも呼ばれる海と陸が交じる複雑な沿海地方がこれにあたる。ただし対艦攻撃だけに限ればF-35Aからのミサイル発射は相当有利になる。敵部隊まで探知されずに突破しピンポイントで艦船を攻撃すべく、高性能センサーやデータリンクで外部情報を利用する。そこでJSMを発射し艦船を撃破し、防空能力の高い駆逐艦巡洋艦さらに空母搭載機材も攻撃対象になる。
JSMは日本が導入するF-35Bにも搭載され、いずも級空母で供用される予定だ。そF-35Bでは機内兵装搭載力が限られるため外部搭載される。ただしF-35Bでも戦闘行動半径が450マイルあり、A型同様のセンサー融合機能がある。JSMによりB型の生存性が高まり、いずも級空母とF-35Bの組合せで全く異質の対艦攻撃能力とスタンドオフ対地攻撃能力が自衛隊部隊に生まれる。特にピンポイント攻撃で内陸部のレーダー施設を攻撃することが想定される。
同ミサイルは日本が運用中の他機種にも搭載されるはずで、とくに対艦攻撃ミッションが主な任務の三菱F-2がその最右翼だ。日本はASM-3対艦ミサイルを開発中だがJSMが最適の組み合わせになろう。
View image on TwitterView image on TwitterView image on TwitterView image on Twitter
F-2がなんやら重そうなまま帰ってきたり

超音速対艦ミサイルASM-3開発は後半にさしかかっており、F-2搭載を想定する。JSMより射程は短いがJSMのステルス亜音速性能とシナジー効果が期待される。
HUNINI/WIKICOMMONS
ASM-3.

また四発機のP-1哨戒機はAGM-84ハープーンが搭載されているが同機もJSM運用の候補になる。長距離飛行が得意の同機に複雑な地理環境の目標攻撃能力を付与し、同時に港湾内の艦船や陸上標的の攻撃能力も追加される。
RONNIE MACDONALD/WIKICOMMONS
P-1.

F-15JもJSM搭載で候補だ。日本がF-15へのスタンドオフ対地攻撃ミサイル導入に前向きであると前にも指摘したが、JSMで運用に柔軟性が生まれ、装備も共有化できる。F-15ではさらに長距離射程の兵装も使え、F-15の攻撃能力を高める効果も期待できる。
しかしなんと言っても日本が対地巡航ミサイル調達に踏み切るとのニュースは同国の戦略姿勢の変化を如実に示す象徴であり、今後の変化を占う材料だ。このあとにもっと航続距離の長いミサイルを導入するのか、空中発射式JASSM-ERが来るのか。多任務可能なブロックIVの戦術トマホーク・ミサイルをMK41垂直発射管を搭載した駆逐艦からあるいはイージス・アショアミサイル防衛施設で運用するのかで調達内容も変わってくる。VLS運用可能なJSMもある。日本が国産で対地巡航ミサイルを開発中という記事もあった
JSM導入を決断した日本ではこれらの実現可能性が以前より高まっている。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

2019年3月13日水曜日

★F-35用に日本がJSMミサイルを世界に先駆けて採用

慎重な日本がまっさきに採用したのはJSMが唯一のF-35機内搭載可能な対艦対地ミサイルであるからでしょう。それだけF-35による抑止力の整備がまったなしということですか。日本が量産開始前の装備品を導入するのは異例かもしれません。

KONGSBERG awarded JSM Joint Strike Missile contract with Japan

コングスバーグがJSM共用打撃ミサイルを日本から受注

11.03.2019




ングスバーグディフェンス&エアロスペースASは日本政府よりJSM(共用打撃ミサイル)を同国F-35の装備として受注した。


JSMは2008年に開発開始し実証段階を経て2018年に完成した。


「今回の受注は国際市場への突破口として重要で、ノルウェイ国防研究機関および国内産業含むノルウェイ関係機関間の協力の重要性をあらため示した」と同社CEOGeir Håøyが述べた。
JSMはF-35機内搭載可能な唯一の長距離対艦、対地ミサイルである。

「F-35運用国からJSMへの関心が高まる中でコングスバーグがこの度日本から選定されたのは非常に誇らしい。JSM事業で大きな一歩となり、量産段階に入る」とコングスバーグディフェンス&スペースAS社長 Eirik Lieが述べている。

コングスバーグ、日本政府共に今回の契約金額、調達量を明らかにしていない。■

2018年6月11日月曜日

★日本がスタンドオフ巡航ミサイルを配備する日がやってくる

巡航ミサイル導入は関連装備の導入規模も大きく、米国として貿易赤字対策の切り札になるのでしょうね。その前に日本側は野党のセンティメント(政治首長ではありません)を封じ込める必要に迫られるでしょう。実戦化は早くて5年、あるいは10年かかるかも知れません



Japan Wants Cruise Missiles (And that Should Terrify China or North Korea) 巡航ミサイル導入を目指す日本に中国や北朝鮮は恐れをなすはず



June 9, 2018

朝鮮の核兵器開発で東アジアに不安定度がましているが、その影響は世界全体にまで及んでいる。その中で日本は核攻撃を受けた唯一の国として再び攻撃を受ける可能性に直面している。これに対して日本は第二次大戦終結後初めて攻撃兵器の導入を検討している。その狙いは核ミサイルが発射される前に発射台もろとも破壊することにある。


日本か国権の発揚として戦争を放棄し攻撃兵器の保有を自ら禁じてきた。空母、弾道ミサイル、爆撃機、上陸部隊はすべて攻撃兵器として保有していない。だが海兵部隊など以前は保有してこなかった装備の再評価が進み防衛的あるいは敵の攻撃前に先んじて投入することは可能とされるようになっている。


日本は弾道ミサイル防衛で優秀な体制を整備してきたが、攻撃回避で最良の方法は検討してこなかった。すなわち先制攻撃だ。一番よくみられるシナリオは日本の衛星が北朝鮮の液体燃料核ミサイルが発射台にあり燃料注入が進み攻撃準備に入る様子を探知することだ。発射が近づく中、他国なら絶好の機会としてミサイルや戦術機で攻撃を加え、ミサイルを発射台もろとも粉砕するだろう。だが日本にこの能力がなく、ただ見守りミサイル防衛体制が期待通り作動するのを祈るしかない。


北朝鮮が原爆さらに水爆兵器まで保有していることがわかり、ミサイル搭載を進める中で日本のリスクは高まっている。日本政府は巡航ミサイル二型式の導入に前向きな姿勢を明らかにした。米国製共用空対地スタンドオフミサイル射程拡大型 (JASSM-ER)およびノルウェー・米国共同開発の共用打撃ミサイル(JSM)である。ともに日本に北朝鮮ミサイル発射台あるいは指揮命令発令所の破壊能力を実現する手段となる。政治面でいえばこうしたミサイルは「防御攻撃」用として先制攻撃に投入できるがあくまでも明確な脅威となる標的が対象だ。


JASSM-ERはシリア化学兵器製造工場攻撃に投入されたJASSMミサイルの改良型で、B-1、F-16、F-15から発射され射程距離は575マイル(925キロ)だ。日本のF-15JやF-2で日本海から発射すれば北朝鮮全土の標的を攻撃できる。1,000ポンド(450キロ)弾頭の精度は3ヤード(2.7メートル)以内で地下施設への貫徹攻撃も可能だ。


もともと日本関係者からトマホーク対地攻撃ミサイル購入案が出ていたが、米当局者は核弾頭運用を想定する同ミサイル売却に及び腰だった。これに対してJASSM-ERは通常兵器専用のミサイルで現政権としても主要同盟国への同装備売却に異論はないだろう。


その次に日本が導入を検討中なのがJSMだ。これはコングスバーグ海軍打撃ミサイルの発展形で米海軍が水平緯線越えの対艦ミサイルとして沿海域戦闘艦に搭載することを決めたものだ。JSMはF-35の兵装庫内に収まる設計で日本もF-35を42機導入する。JSMはMk.41垂直発射管からの運用も可能で海上自衛隊の誘導ミサイル駆逐艦が発射できる。


ただし北朝鮮あるいは中国の巡航ミサイル・弾道ミサイルを相手にした複雑な海空作戦の実施能力を日本が確立するまでに時間がかかる。こうした作戦の実施には今以上の情報収集監視偵察装備が必要となり、無人機、空中給油機、早期警戒指揮統制機の拡充が求められる。さらに攻撃兵器導入は重大な政策上の変更となる。北朝鮮により日本が破壊される脅威により日本の軍事力が刷新されさらに増強されれば北朝鮮、中国ともに望まない結果になるだろう。
Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch.

Image: F-15J at Chitose Air Base. Wikimedia Commons