ラベル 英空軍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 英空軍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年7月5日日曜日

英国の国防投資計画で示された英軍の将来像を詳しく見る:無人装備を重視する野心的な計画だが、技術成熟度以上に財務負担能力が今後問われそうだ

 

英軍はドローンへの大規模投資の代わりに新型駆逐艦を断念

UK Sacrifices Its Future Destroyer As Part Of Massive Bet On Drones Across Its Forces


野心的な改革で陸・海・空における将来の英国軍の作戦の中核に無人プラットフォームが位置づけられる

66億ドルを超える規模で、将来の英国軍では無人システムが中心装備となる。このイニシアチブは、陸・海・空3軍すべてと、戦闘様式の変革を目指すものだ。最も劇的なのは、この新たな防衛計画により、英海軍の将来の駆逐艦が「ハイブリッド」かつ分散コンセプト実現のため犠牲にされ、海軍は自律艦艇と有人艦艇を組み合わせることになる点だ。しかし、英国陸軍と王立空軍(RAF)を無人・自律能力を中心に再構築するのとあわせ広範囲の措置も予定されているものの、一部は開発が¥進行中、あるいは初期段階にあるため、非常に高いリスクを伴うものもある。

本日の演説で、英国のキア・スターマー首相は、政府の防衛投資計画明らかにした。政府によれば、この計画の目的は「今後長年にわたり国の安全を守る」ことに他ならない。そのために、英軍は自律システムに大きく依存することになる。少なくとも現時点で我々が知る限り、これらのシステムのほとんどは実体として存在していない。同時に、この取り組みでは能力の迅速な実戦配備が強調されている。これは、この計画がいかに野心的であり、かつリスクが高いかを如実に示している。

「防衛投資計画」では、ドローンおよび関連能力だけで、4年間で50億ポンド(66億ドル)以上の予算が計上されている。これは、同期間に2,980億ポンド(3,950億ドル)に上る、はるかに大規模な防衛総支出の一部である。この金額には、昨年の「支出見直し(Spending Review)」に加えて150億ポンド(200億ドル)の追加支出も含まれている。

スターマー首相は、20年代の終わりまでに、英国のGDPに占める防衛費の割合は過去30年間で最高水準に達し、GDPの3.5%という水準を目指すNATOの目標に沿ったものになると主張した。

政府は、「ドローンによる変革」の必要性を裏付ける証拠として、特にウクライナとイランでの紛争を挙げている。

「ドローンは戦争の様相を急速に変えつつあり、安価なシステムが高価値な標的を破壊し、イノベーションのサイクルは年単位ではなく週単位で測定されるようになっている」と、政府は計画を発表する際に述べた。「ウクライナは、ロシアの野蛮な侵攻から身を守るために、月に約20万機のドローンを使用している。一方、イラン紛争の最盛期には、1日あたり700機の攻撃用ドローンが発射されていた」と付け加えている。

イギリス海軍

予測される変化ではイギリス海軍が最も注目を集めている。

いわゆる「ハイブリッド海軍」を創設するという以前発表された計画の一環として、同海軍は、有人軍艦や航空機と連携して運用される4種類の新型無人艦艇を導入する予定だ。

これらの新型艦艇のうち、タイプ91は無人のミサイルプラットフォームとなり、艦隊全体の火力を増強するための「浮遊弾薬庫」の役割を果たす。防空、長距離対地攻撃、対艦ミサイル能力を組み合わせたものになると見られるが、武装構成は容易に変更可能で、高度にモジュール化されるだろう。紅海での紛争で得られた教訓は、激しい航空戦環境下において、ミサイル弾薬類がいかに急速に枯渇し得るかを劇的に示した。

同じく無人のタイプ92艦は「センシング・プラットフォーム」と称され、主たる任務として対潜戦(ASW)を担う。これにより、英海軍のセンサーの探知範囲が北大西洋のさらに奥深くまで拡大されることになり、同海域においてタイプ92は以前に発注されたフリゲート艦を支援し、ロシア潜水艦の捜索にあたることになる。

タイプ93は超大型の無人潜水艇と定義されており、有人ハンター・キラー型潜水艦の補助として運用されることを意図している。同型艇は、敵潜水艦の捜索・撃破を支援するため、センサーと兵器(おそらく魚雷)の両方を搭載する。これは、運用可能な艦艇数が限られているため、高速攻撃型潜水艦部隊に著しい不足が生じており、英国海軍が特に苦戦している分野である。

最後に、タイプ94も無人偵察プラットフォームだが、防空任務に特化し最適化されている。この艦は、艦隊に代わって、また国土防衛任務を支援するために、センサーを用いて空からの脅威を捜索する。

タイプ91とタイプ94は、最終的には少なくとも6隻の「共通戦闘艦(Common Combat Vessels)」による連携・ネットワーク化された海上防空システムを構成することになる。2030年代に就役する有人「共通戦闘艦」は、このアーキテクチャの「頭脳」としての役割を果たし、システム全体としては、現在タイプ45駆逐艦が担っている防空任務を最終的に引き継ぐことになる。

この海上防空システムと、概ねフリゲート級の艦艇と見られている「共通戦闘艦」は、新型タイプ83駆逐艦に関する以前の計画に取って代わるものである。83型駆逐艦は当初、2030年代後半にタイプ45駆逐艦の後継となる予定だったが、ここしばらくの間、海軍本部がタイプ91のような「アーセナルシップ」構想への関心を強めていることから、その将来は危ぶまれていた。

英国防省は、前回の戦略防衛見直しにおいて、「ハイブリッド空母航空団」を次のように紹介した:

「王立海軍は、自律性とデジタル統合を活用する装備および兵器の『ハイ・ロー』ミックスを開発し、強力でありながら低コストかつシンプルな艦隊へと引き続き移行していく。空母打撃群はすでにNATOの能力において最先端に位置しているが、『ハイブリッド』空母航空団への進化においては、はるかに迅速な進展が求められる。そこでは、有人戦闘機(F-35B)が、空中の自律型協調プラットフォームや、消耗型の使い捨てドローンに補完される。ハイブリッド空母航空団の計画には、空母甲板から発射可能な長距離精密誘導ミサイルも含まれるべきである。」

現時点では甲板発射型長距離精密ミサイルについてこれ以上の言及はないが、防衛投資計画では、「プロジェクト・パンテオン」がハイブリッド空母航空団の開発プロジェクトとして機能し、F-35Bと並行して、名称未公表のジェット推進型ドローンの試験も含まれることが明記されている。

具体的に言及はされていないものの、英国海軍はすでに、英国の空母における「キャット・アンド・トラップ」方式のドローン運用に向けた構想を明らかにしており、これは「プロジェクト・アーク・ロイヤル」として知られている。

この計画が実現すれば、2隻のクイーン・エリザベス空母は、多様な任務を遂行できるドローン運用を開始し、その後、より大型で、複雑で、高性能なドローンの運用へと段階的に移行していくことになる。将来的には、過去に検討した通り、完全なカタパルト補助離陸・トラップ着艦(CATOBAR)能力により、有人固定翼機も追加される可能性がある。

大型の固定翼ドローンの導入は、英国海軍がすでに「プロジェクト・ヴィクセン」の下で取り組んでいる目標であり、詳細はこちらでご覧いただける。

過去に論じた通り、英国海軍が空母対応ドローンの導入を目指す上で、多くの技術的課題が待ち受けている。発進・回収システムに加え、例えばドローンを空母航空団に安全かつ効果的に統合するためには、管制ステーション、データリンク、独自の運用手順など、さらに多くのものを開発する必要がある。有人固定翼ジェット機やヘリコプターとドローンを組み合わせた際の、甲板上の取り扱いや運用フローの統合といった複雑な課題を解決するだけでも、相当な労力を要するだろう。

「プロジェクト・パンテオン」は、これらすべてを前進させるものとなるだろうが、このプログラムで採用されるジェット推進型ドローンのサイズについては明らかにされていない点に留意すべきである。すでに英国海軍は、より小型のジェット推進型ドローンを用いた試験を実施しており、2021年には、標的ドローンとして最もよく知られるQinetiQ社の「バンシー・ジェット80+」がHMSプリンス・オブ・ウェールズから発進した。「バンシー」でさえ、迅速に投入可能なデコイや片道攻撃用弾薬の適切なプラットフォームとなり得る。

HMSプリンス・オブ・ウェールズの飛行甲板上の「バンシー・ジェット80+」ドローン。Crown Copyright

英国海軍のエリート水陸両用・特殊作戦対応軽歩兵部隊である「コマンド部隊」に対しても、「新型高速艇や最新のドローン・自律技術」を含むさらなる投資が予定されている。

それほど驚きではなかったのは、英国の核抑止力を強化するという政府の公約である。これには、今後4年間で630億ポンド(830億ドル)以上を割り当て、4隻のドレッドノート弾道ミサイル潜水艦とSSN-AUKUS原子力攻撃型潜水艦、および英国のトライデント潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用の新型弾頭の資金を賄うことが含まれている。

英国陸軍

次に英国陸軍だが、同軍は「低コストの消耗型自律システムおよびロータリング弾薬」への投資拡大の恩恵を受けることになる。これには、今後12ヶ月間にわたり陸軍の「ラップストーン(Rapstone)」プログラムに約6,600万ドルの追加資金が投入されることが含まれており、これによりファーストパーソンビュー(FPV)および迎撃ドローンの追加導入費用が賄われる。

Pictured: PUMA AE 2 Drone, a Fixed Wing UAV is launched during a tactical training exercise by a 32 REGT Gunner, while another soldier fly’s the device with a laptop and controller. The Puma is just over 4½ft long, with a wingspan of 9ft, and is designed to fly for up to two hours carrying out reconnaissance and intelligence gathering missions over sea or land. The drone can monitor an area larger than the size of Greater Manchester during its flights, feeding back real-time footage to help soldiers make accurate tactical decisions. Personnel from the Royal Artillery, test a suite of cutting-edge equipment at Sennybridge training area, including a digital communications hub that allows observation posts, HQs and joint fires cell to receive and see the same information feeds simultaneously and talk directly to strike assets including heavy artillery, rockets, mortars and aircraft. Interactive on-screen graphics with integrated ISTAR functionality at all levels allows for agile offensive and defensive manoeuvres. The live data feed can include outputs from sonic and radar artillery monitors such as Mamba, LCMR and ASP as well as video, stills and infra-red images from drones.

戦術訓練演習中に、英国陸軍の「プーマAE 2」ドローンが打ち上げられる一方、別の兵士がノートパソコンとコントローラーで同機を操縦している。Crown Copyright Graeme Main

英国陸軍は、名称未定の新型無人地上車両(UGV)プログラムを開始し、英国の産業界を通じて、無人車両および関連する任務システムを迅速に開発・生産する。

空中戦においては、「プロジェクト・ニクス」により、英国陸軍に最大24機の自律型武装ドローンが配備される。これらは、同軍が最近アップグレードしたアパッチ攻撃ヘリコプターと、有人・無人チーム編成で運用される。2030年までの運用開始が計画されているこれらのドローンは、偵察、精密攻撃、電子戦に対応する装備が施される。

最後に、「プロジェクト・コルバス」の下で、最大24機の監視ドローンが、英国陸軍のトラブルの絶えなかった「ウォッチキーパー」ドローンシステムに取って代わり、情報・監視・目標捕捉・偵察(ISTAR)任務を遂行する予定だ。

王立空軍

王立空軍に関する注目すべき発表は他の軍種に比べて少ないが、同空軍は今後4年間でグローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)に約106億ドルの予算を確保している。これにより、日本やイタリアと連携して、王立空軍向けの次世代ステルス戦闘機開発に向けた取り組みが推進されることになるだろう。

さらに国防投資計画では「新たな国家レベルの『協働戦闘航空(Collaborative Combat Air)』プログラム」に言及があり、これはこれまでの様々な「忠実なるウィングマン」型プログラムに取って代わるものと思われる。この協働戦闘航空プログラムは、「有人戦闘機と並んで飛行する新しい自律型戦闘機」の開発を目的としており、実証機は遅くとも2030年までに飛行を開始する見込みである。

核抑止力予算の一環で、英空軍は、米国が保有するB61-12戦術核爆弾を装備したF-35Aを12機受け取り、NATO核任務に参加できるようになる。

最後に、「ストーム・シュラウド(Storm Shroud)」システムにより、英国空軍は今年運用を開始する新型無人電子戦ドローンを導入する。「ストーム・シュラウド」はすでに演習で試験運用されており、レオナルド製の「ブライトストーム(BriteStorm)」スタンドイン・ジャマーを搭載している。

ACP Drone event MoD Boscombe Down

国防省ボスコム・ダウンでの試験中の「ストーム・シュラウド」ドローン。Crown Copyright AS1 リア・ジョーンズ

陸海空3軍すべてが、弾薬および兵器の備蓄増強に向けた取り組みの恩恵を受けることになる。これは、ウクライナへの供与や中東での紛争による備蓄の減少によって浮き彫りになった、軍全体にとって高まる懸念事項である。

英国は、長距離攻撃兵器、低コストの巡航ミサイル、ワンウェイ・エフェクターなどを含め、国内備蓄を増やすために110億ポンド(145億ドル)を投じる。おそらく、こうした取り組みの多くは、もともとウクライナに英国製兵器を供給するために開始された個別のプロジェクトによって推進されることになるだろう。2030年までに、国内の弾薬生産能力を全体的に増強する一環として、少なくとも6つの新しい火薬工場を建設する計画がある。

あまり注目されていないのは、英国軍が一部分野で直面することになる削減である。

政府は、ストーム・シャドウ空対地巡航ミサイルを段階的に廃止すると表明しており、多くはすでにウクライナへ移管されている。計画書には「次世代の低コスト巡航ミサイルへと軸足を移している」と記されているが、詳細については明かされていない。

また、30機以上のワイルドキャットおよび最古型(Mk 6A型)のチヌークヘリコプター、さらに衛星通信システムのアップグレード計画も削減対象となっている。

ドローンを軸とした防衛計画

ドローンを最前線に据えることで、スターマー国防相の長期にわたって延期されていた「防衛投資計画」は確かに目を引くものだ。しかし、まだ実証されていない多くの概念が含まれており、開発には莫大なリスクが伴う。

多くの懸念材料が存在しており、とりわけ陸海空の三軍の上級将校らからの追加資金要求が挙げられる。

「防衛投資計画」をめぐる緊張は、すでに国防省と財務省の間で激しい議論を引き起こしている。こうした対立は、今月初めにジョン・ヒーリー国防相が辞任して頂点に達した。

批判を和らげるため、スターマー首相はヒーリー辞任後、国防予算にさらに10億ポンド(13億ドル)上乗せした。しかし、報道によると、ヒーリーは財務省に対し、総額で180億ポンド(238億ドル)に近い増額を強く求めていたという。

また、政府は、新たな脅威や変化する安全保障上の要請への対応が遅すぎるとの批判にも応答している。

「国防相[ダン・ジャービス]は、過去2週間にわたり、軍関係者に最新の装備を優先的に提供できるよう、『国防投資計画』の方向性を再調整してきた」と国防省は述べた

というわけで、これが現状だ。英国政府は、英軍を「攻撃用ドローンが陸軍ヘリコプターと並んで飛行し、新しいドローンによって敵の探知から見えなくなるようにされた空軍(RAF)のジェット機、そして有人艦艇と無人艦艇で構成されるハイブリッドな王立海軍」を備えた「柔軟で統合された軍隊」へ再構築することを目指す防衛計画に、66億ドルを投入する。

これは大胆なビジョンで、コストや技術的なハードルだけでなく、従来の有人プラットフォーム――そしてその他のあらゆる軍事要件――への資金が十分に確保されているのかと依然として疑問を抱く上級将校たちからも、さらなる課題に直面することになるだろう。

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、とりわけヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸全域およびそれ以上の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てている。

2025年11月19日水曜日

T-7レッドホークジェット訓練機の英国向け提案には現地組立が含まれる(TWZ)―ボーイング、サーブにBAEシステムズが加わったものの、T-7はボーイングの例に漏れず遅延に苦しんでいるのですが


英空軍はレッドアローズ曲技飛行チームが使用中のホークT1と、上級訓練用のホークT2の双方で代替機を必要としている

Boeing, Saab, and BAE Systems have teamed up to offer the T-7A Red Hawk advanced jet trainer to the United Kingdom’s Royal Air Force. With a plan to build the jets in the United Kingdom, the partnership aims to deliver a successor to the Royal Air Force’s current fleet of BAE Systems Hawks from 2030.

サーブ

ーイング、サーブ、BAEシステムズは共同で、英王立空軍に対しT-7Aレッドホーク高度ジェット訓練機を提案している。英国国内での製造を計画する事業提携は、2030年までに王立空軍の現行機BAEシステムズ製ホークの後継機を納入することを目指す。サーブはボーイングの当初からのパートナーとして、既にT-7A開発に深く関与していた。

本日、3社は英国の新型高度ジェット訓練機要求仕様への共同対応に関する意向書に署名したと。提案内容は、米空軍向けに開発されたT-7Aを中核に実機飛行と並行して合成訓練を運用する訓練システムを構築するものだ。

The first T-7A Red Hawk arrives at Edwards Air Force Base, California, Nov. 8. The aircraft’s test campaign is being executed by the T-7A Integrated Test Force, part of the Airpower Foundations Combined Test Force in association with the 416th Flight Test Squadron. The Integrated Test Force is a partnership between the USAF and T-7A manufacturer, The Boeing Company. (Air Force photo by Todd Schannuth)

2023年11月8日、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地に到着したT-7Aレッドホーク。米空軍写真:トッド・シャヌース Todd Schannuth

合成訓練は飛行訓練で重要度を上げており、最新の訓練システムでは実機、仮想、構築(LVC)の各要素を融合させている。この手法はコスト削減を実現すると同時に実機環境のみでは不可能な戦術や能力の訓練を可能にする。

この提案は、第4世代戦闘機である英国空軍のタイフーン、第5世代戦闘機であるF-35、そして開発中の第6世代戦闘機であるテンペストに対応するパイロット育成を目的とした訓練システムを売り込んでいる。

「ボーイングとサーブの強力なパートナーシップにより、T-7は将来のパイロット訓練における世界最高のソリューションとして開発された」と、サーブの航空事業部門責任者ラース・トスマンは述べた。「BAE システムズとの協力により、英国は、ホーク後継機としてふさわしい機体として今後数十年にわたりパイロットに最適な選択肢を獲得できるとサーブは確信している」と述べた。

Pictured: Wednesday, September 17th The Red Arrows provided a spectacular flypast over Windsor Castle to mark the President of the United States of America’s State Visit to the United Kingdom. Their Majesties The King and Queen were alongside President Donald J. Trump and First Lady Mrs Melania Trump as nine jets from the Royal Air Force Aerobatic Team flew overhead this afternoon. The flypast – complete with red, white and blue smoke trails – was part of an unprecedented ceremonial state welcome, for an ally that has long been the UK’s principal defence and security partner. Our forces are deliberately designed to operate seamlessly with the US military, ensuring our Armed Forces can train and fight together when needed. In June this year, it was announced the Royal Air Force will be equipped with 12 new F-35A aircraft as part of the Security and Defence Review. This will increase the interoperability of our two air forces and bring them even closer together. Nine Hawk jets from the Red Arrows - flying just feet apart in a precision formation - took part in the Windsor flypast. The Red Arrows are the public face of the Royal Air Force and represent the speed, agility and precision of the Service. They assist in recruiting to the Armed Forces, act as ambassadors for the UK and promote the best of British in our national interest. The team has visited the US on five occasions since its first display season in 1965. Over the years, the Red Arrows have performed in 57 countries around the globe.

2025年9月17日、ドナルド・トランプ大統領の英国公式訪問を記念して、レッドアローズのホークT1がウィンザー城上空を飛行した。Crown Copyright AS1 Iwan Lewis RAF

T-7Aが英国空軍の次期ジェット訓練機に選定された場合、2040年までに退役予定のホークT2に取って代わる。また、レッドアローズの曲技飛行チームで引き続き使用され、2030年頃に退役する予定の、老朽化したホークT1の代替機としても最有力候補となるのは確実だ。

このパートナーシップは、「将来の国際的なパイロット訓練の機会を支援する」ためにも同じアプローチを採用しようとしており、これまで実現が難しかったT-7Aの輸出受注の確保につながる可能性がある。

BAEシステムズ航空部門のサイモン・バーンズグループマネージングディレクターは次のように述べた。「ボーイングおよびサーブ両社との新たな協業により、訓練システムにおける最新技術革新と世界最高水準のジェット訓練機を組み合わせ、英国空軍および世界中の顧客に魅力的な提案が可能となる。我々は、このソリューションが英国の戦闘航空戦力整備を支援し経済的利益をもたらしながら、国家にとって最善の総合的成果を提供することを確約します」。

新型高等ジェット訓練機の必要性は、英国の2025年戦略防衛見直しで明記されている。

2024年7月5日、RAFバレー基地所属のホークT2機3機編隊。英国政府著作権 AS1アレックス・ノーガルティ

この文書は、ホークT1およびホークT2を「費用対効果の高い高速ジェット訓練機で代替すべき」と指摘。高速ジェット機の現行飛行訓練体制は、能力最適化のため緊急に改訂されねばならない。これには請負業者の最大限の活用と海外学生の訓練受け入れ体制の整備が含まれる」とある。

英軍での飛行訓練は三段階で実施される。第一段階は初期募集・選抜及び基礎軍事訓練であり、各軍司令部内で実施される。第二段階は軍事飛行訓練システム(MFTS)と呼ばれ、一部は民間請負業者アセント・フライト・トレーニング・マネジメントが監督する。この段階ではパイロットは導入訓練から専門分野(高速ジェット機や回転翼機など)へ進級する。最終的に第三段階では、作戦転換訓練部隊(OCU)においてタイフーンやF-35などの特定前線機での訓練が行われる。

第二段階の一環として、英空軍はウェールズのRAFバレー基地で28機のホークT2ジェット機を運用している。ここで英国空軍と英国海軍の高速ジェットパイロットを訓練した後、OCUへ進む。

「第 2 世代」のホーク T2 は 2009 年に就役したばかりだが、現在はレッドアローズが独占的に使用しているホーク T1 は、1976 年に就役した、古い機種である。

英国空軍のホーク後継機の候補としては、ロッキード・マーティンが提供する、韓国航空宇宙産業 T-50 の派生型である TF-50 もある。今年 9 月にロンドンで開催された防衛・セキュリティ機器国際展示会 (DSEI) で、ロッキード・マーティンはレッドアローズのカラーリングを施した TF-50 の模型を展示した

LONDON, ENGLAND - SEPTEMBER 09: A model of a Lockheed Martin TF-50 advanced trainer and light attack fighter is displayed during the Security Equipment International (DSEI) at London Excel on September 09, 2025 in London, England. The Defence and Security Equipment International (DSEI) hosts defence equipment manufacturers from around the world at a 4-day exhibition in London. Anti-war protesters gather outside in the hope of preventing the event from going ahead. (Photo by John Keeble/Getty Images)

2025 年 9 月、ロンドンで開催された防衛・セキュリティ機器国際展示会 (DSEI) で、レッドアローズのカラーリングを施したロッキード・マーティン TF-50 先進ジェット訓練機の模型が展示された。写真:ジョン・キーブル/ゲッティイメージズ ジョン・キーブル

また、レオナルド M-346 トルコ航空宇宙 Hürjet も競合相手となる可能性が高い。一時は、英国の先進ジェット訓練機入札において、レオナルドのパートナー候補としてBAEシステムズが想定されていた。

一方、英国の航空宇宙スタートアップ企業エアラリスは、スコットランドでの製造を計画する新規設計のモジュラージェット訓練機を提案している。同社は現時点で製品受注実績はないが、英国空軍(RAF)の迅速能力開発局から資金提供を受けている。RAFの空軍参謀総長も過去に、同社のアプローチはRAFが「非常に興味を持っている」ものだと発言している。

ホークT2の代替機が必要であることは以前から明らかだった。比較的新しい機体群にもかかわらず、稼働率の問題に既に悩まされており、訓練計画に悪影響を及ぼしている。

2022年にはホークT2のアドゥールエンジンに不具合が報告され、各エンジンの設計寿命が4,000時間から1,700時間に短縮された。これにより2022~2023会計年度を通じて、稼働可能な航空機は1日平均わずか8機しか確保できなかった。

2023年には、滑走路でのエンジン関連事故を受け、ホークT2が一時的に全機飛行停止となった。

こうした問題の結果、不足分を補うため英国のパイロットを海外で訓練する必要が生じ、多大な費用がかかっている。これにはイタリアやカタールでの訓練枠購入、米国におけるユーロ・NATO共同ジェットパイロット訓練プログラム(ENJJPT)への参加が含まれる。

一方、T-7Aの進捗状況については、アラブ首長国連邦での2025年ドバイ航空ショーに先立ち、本誌も参加した事前メディア懇談会で、ボーイング防衛・宇宙・セキュリティ部門の社長兼CEOスティーブ・パーカーが説明した。

パーカーはT-7Aについて「今年は非常に良好な実績」と評価し、来月テキサス州ランドルフ空軍基地に米空軍向け初号機が納入される見通しを示した。さらに「地上訓練用シミュレーターは既に基地に配備され稼働中だ。飛行試験も順調で、着実な進展が見られる」と述べた。

エドワーズ空軍基地での試験項目の約78%を完了しており、順調に進んでいる」とパーカーは付け加え、高迎角試験を開始したことも明かした。「米空軍からのフィードバックは素晴らしい。試験担当者だけでなく、実際に操縦した空軍関係者からもだ。これはゲームチェンジャーになると考えている。主要ユーザーによる実機飛行が始まれば、その価値は自ずと証明されるだろう」。

ただし、完全な就役は2027年以降の予定で、4年以上の遅延が生じている。今年前半には、T-7Aの緊急脱出装置に重大かつ潜在的に危険な欠陥があるとの情報が報じられた。これは機体環境試験に続く新たな問題の発見であった。より広範には、米空軍はボーイングと協力し、T-7Aの多数の問題を修正または軽減する作業を進めてきた。遅延に加え、この状況がプログラム全体の計画見直しを促した。

T-7Aの輸出見通しについて問われた際、ボーイング防衛・宇宙・セキュリティ部門の事業開発・戦略担当副社長であるベルント・ピーターズは、現時点では米空軍向け発注済みの351機の納入に注力していると確認した。ただし「世界中の顧客がこのプログラムとその潜在能力を注視している。特に中東地域を考慮している」と付言した。

ピーターズは、ボーイングが中東の潜在的なT-7A顧客と「良好に協議中」だと述べ、この訓練機には「F-15、F-16、F-35を運用する世界中のほぼ全ての航空機運用者にとって」大きな潜在的可能性があると指摘した。

「特に米国空軍向け納入が本格化するにつれ、他国が訓練機隊の更新計画やパイロット不足解消策を検討し始める段階で、大きな機会が生まれると考えている」とピーターズは付け加えた。

その他の輸出先としては、T-7Aを基にした軽戦闘機の開発が挙げられる。以前、米空軍はレッドホークを基にした「F-7」軽戦闘機の派生型を、F-16C/D部隊の少なくとも一部を代替する選択肢として検討していた。T-7Aの任務特化型あるいは軽戦闘機バージョンは、輸出提案においてより有利に働く可能性がある。

展示会前のメディア懇談会でボーイング、サーブ、BAEシステムズの提携詳細は明かされなかったが、ピーターズは特に2030年から2035年にかけて欧州がT-7A販売の重点地域と位置づけられているとも述べた。「欧州は我々にとって大きな機会がある地域だ。既存のホークだけでなく、他の機材にも対応できる」とピーターズは語った。

ボーイングの生産能力が米空軍と輸出顧客双方の需要を賄えるかという問いに対し、パーカーは楽観的な見解を示した。

同社のフルサイズ決定組立(FSDA)手法は、部品製造工程で穴あけ作業を行うことで製造時間を短縮し、管理性と効率性を高めるものだ。パーカーはT-7Aについて「大量生産へスケールアップ可能」と述べた。

「年間100機を大きく上回る生産が可能だ。必要ならさらに増産できる」とパーカーは語った。「現時点では、追加投資なしで2030年代初頭まで米空軍や他顧客の需要を満たす十分な生産能力がある」。

T-7の派生型は米海軍の初級ジェット訓練システム(UJTS)競争にも参加している。これは老朽化したT-45ゴショーク(これもBAEシステムズ・ホークを基に開発された機種)の後継機選定を目的としている。

もちろん、英国が自国のホーク後継機としてT-7Aを選定すれば、最終組立ラインを追加すれば生産量をさらに拡大でき、輸出注文の増加にも対応可能となる。

しかし現時点で英国政府は新型高度ジェット訓練機への予算を計上しておらず、レッドアローズのホーク機が2030年までに後継機を必要とする状況下では、決断の時間は急速に迫っている。■

トーマス・ニュードック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者であり、軍事航空宇宙分野や紛争に関する取材歴は20年以上である。数多くの書籍を執筆し、さらに多くの書籍を編集した経験を持ち、世界の主要航空出版物に多数寄稿している。2020年に『The War Zone』に参加する前は、『AirForces Monthly』の編集長を務めていた。


T-7 Red Hawk Jet Trainer Offer To United Kingdom Includes Local Assembly

The Royal Air Force needs a replacement for its Hawk T1s, flown by the Red Arrows aerobatic team, and its Hawks T2s, used for advanced training.

Thomas Newdick

Published Nov 18, 2025 12:27 PM EST

https://www.twz.com/air/t-7-red-hawk-jet-trainer-offer-to-united-kingdom-includes-local-assembly