ラベル 大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年2月10日月曜日

VH-92ペイトリオットが当初計画より10年遅れマリーンワン任務を完全に引き継ぐ(The War Zone)

 


The U.S. Marine Corps transition to the VH-92A Patriot as its only helicopter for use in the "Marine One" role shuttling the president, the vice president, their families, and their closest advisors around at home and abroad, is still underway and now we know it won't be done till 2030, at the earliest.  

USMC



大幅に遅れたものの、VH-92はマリーンワンの役割を完全に引き継ぐことになったが、実現は計画より7年遅れることになった

海兵隊は、大統領、副大統領、その家族、そして最も親しいアドバイザーたちを国内外に送り届ける「マリーン・ワン」用ヘリコプターとして、VH-92Aペイトリオットへの移行を進めている。これは、同機の投入開始を目指した最終計画より7年遅い。

 現在使われている老朽化したVH-3Dは、来年には完全退役することになっている。VH-60Nは高温・高高度環境での運用に適しているため、少なくとも2030年までは飛行し続ける。2021年に公表された既存の計画では、海兵隊は2023年までにVH-3DとVH-60Nをすべて廃棄すると宣言していた。

 今日発表された海兵隊の新しい航空計画では、海兵隊第1ヘリコプター飛行隊(HMX-1)に配属されている大統領専用ヘリコプターの新情報が含まれている。


HMX-1に配属されたVH-3D。 USMC


2025年度航空計画には、VH-3DやVH-60Nが現在何機就役しているかは書かれていない。米海兵隊が最後の航空計画を公表した2022年時点では、HMX-1には11機のVH-3Dと8機のVH-60Nが配備されていた。米海軍は海兵隊と協力し、2024年8月に23機目となる最後のVH-92の引き渡しを受け入れた。ジョー・バイデン前大統領は同月、アメリカの国家元首として初めてペイトリオットに搭乗した。

 同上の2025年航空計画によると、海兵隊は2021年12月にVH-92Aの初期運用能力を宣言し、HMX-1はホワイトハウスでの試運転イベントを経て、2022年に運用任務への導入を開始していた。

 「HMX-1には現在10機のVH-92Aが配備されており、任務をサポートしている」。

 23機のVH-92Aのうち2機は試験専用機として知られている。HMX-1が最終的に16機しか運用しないのであれば、残りの5機がどうなるかは不明である。 本誌は海兵隊に問い合わせている。

 とはいえ、「HMX-1はVH-3DとVH-60Nのレガシー機材からVH-92Aへの順次移行を進めている。「VH-3DとVH-60Nの)両機は耐用年数延長プログラムを経ており、VH-92Aへの完全移行まで任務をサポートするのに十分な飛行時間がある。既存機体は、機体稼働時間の限界に達し、VH-92Aが任務を担うようになるに従い退役していく。VH-3Dは2026年まで使用される。VH-60Nは、高温環境下でのユニークな能力により、2030年まで使用されて完全に退役する予定である」。


駐機中のVH-60Nと背後を飛行するVH-92A。 USMC


 一般にヘリコプターは、高温や高高度にで性能が低下する。そのため、特に高温・高高度性能に優れたタイプは、そうでないタイプに比べて、明確な優位性を発揮する。VH-60Nは長年にわたり、アフガニスタン、ソマリア、さらにはスイス・アルプスなど、関連地域への大統領の訪問をサポートする姿が定期的に目撃されている。

 VH-60Nの少なくとも一部が2030年まで保有されるのは、特にそのホット&ハイ性能のためであるが、新型ヘリコプターが現在その必要性を十分に満たせない場合、VH-92がその必要性を十分に満たせるかどうかについては疑問が残る。

 「VH-3DもVH-60Nも、現在のところ大きなアップグレードは予定されていない。「しかし、飛行隊がVH-92Aに完全移行するまでは、残存するレガシー機の運用性を確保するため、通信システムの小規模なアップグレードが必要になるかもしれない」。

 通信システムの問題は、VH-92Aが運用開始までの長い道のりで乗り越えたハードルのひとつだった。シコースキーは2014年、VH-3DとVH-60Nの後継機として再競争を勝ち抜いた。その後、ロッキード・マーチンのVH-71ケストレル(英アグスタ・ウェストランド社(その後レオナルド社に吸収)のAW101の派生型)が、遅延とコスト増のために中止された。ロッキード・マーチンはその後、シコースキーを買収した。

 VH-92Aの運用には、マリーンワンのミッションに不可欠な、極めて信頼性の高い安全な通信以外にも問題があった。特に、ヘリコプターの排気システムがホワイトハウスの芝生を焦がす問題があった。この特別な問題を修正または軽減するために排気システムに変更が加えられたかどうかは不明である。

 先週金曜日に発表された国防総省の運用試験評価局長室(DOT&E)によるVH-92プログラムに関する最新の年次報告書によると、24年度に実施されたVCD(欠陥是正の検証)運用試験では、30点の未解決の欠陥が適切に是正され、1つは標準運用手順の変更によって緩和され、1つはシステム設計に関するWHMO(ホワイトハウス軍事事務所)の方針変更により該当しなくなっていることが判明した。DOT&Eは、対処された欠陥についての具体的な詳細は明らかにしていない。

 そうなるとVH-92Aがマリーンワンの後を継ぐ道はますます明確になってきたようだ。同時に、VH-3Dが来年退役する予定であるのに対し、VH-60Nはホット・アンド・ハイ能力によりあと数年は使える。■


VH-92 Patriot Fully Taking Over Marine One Duties Has Slipped To End Of Decade

After major delays, the VH-92 is stepping into the Marine One role more fully, but total transition will come seven years later than planned.

Joseph Trevithick

https://www.twz.com/air/vh-92-patriot-taking-over-marine-one-duties-full-has-slipped-till-end-of-decade


2023年3月19日日曜日

新型大統領専用ヘリVH-92がラスベガス遊説のバックアップ機材として展開した。機種交代がいよいよ近づいてきた

 航空宇宙ビジネス短信T2

次期大統領専用ヘリVH-92がラスベガスへ展開。現行VH-3D、VH-60Nの供用期間で終わりが見えてきた


New VH-92 Presidential Helicopter Deploys To Las Vegas

AP Photo/Manuel Balce Ceneta

国海兵隊は、ジョー・バイデン大統領のラスベガス訪問に先立ち、新型大統領専用ヘリコプターVH-92Aを1機派遣したた。しかし、VH-92Aは大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」としての使用は未承認だ。そのため、ラスベガス展開は、あくまで「待機」的な位置づけだ。

海兵隊はVH-92Aを合計23機(うち2機は試験用に確保される)受領する。

「海兵隊ヘリコプター飛行隊1(HMX-1)は最近、予備機材としてVH-92Aを1機ラスベガスに配備した」と海兵隊航空広報担当のジェイ・ヘルナンデスはThe War Zoneに語った。「VH-92Aは、機種転換まで、正式なプラットフォームとして使用されることはない」。

「海兵隊は、ホワイトハウス軍事事務所、(海軍航空システム司令部の)大統領ヘリコプター・プログラム・オフィス(PMA-274)、および海兵ヘリコプター飛行隊1(HMX-1)と協力し、VH-3DおよびVH-60からVH-92Aへの移行の条件を整えている」とヘルナンデスは述べた。

HMX-1は、海兵隊の「ホワイトトップ」大統領専用ヘリコプターを運用し、供用中のVH-3DとVH-60NでVH-92が後継機となる。ヘリコプターは、大統領と家族、最側近の国内外移動時に使用され、一般的にマリンワンと呼ばれる。しかし、このコールサインは、厳密には大統領が搭乗時のみに使用される。

HMX-1の象徴的存在だが老朽化が隠せないVH-3D。同隊のVH-60Nとともに、VH-92Aに置き換わる。USN

海兵隊は2022年4月に同型機が初期運用能力に達したと公式宣言したが、重要な注意事項があった。VH-92Aのミッション・コミュニケーション・システム(MCS)の継続的な問題は、同機がマリンワンとして使用されるのを妨げる大きな要因となっている。また、エンジンの排気ガスがホワイトハウスの芝生を焦がす問題が完全に解決されたか不明だが、ラスベガスなど他の場所に配備される場合は問題にはならないだろう。

バイデン大統領は今日、ラスベガスに滞在する予定です。今夜は民主党全国委員会(DNC)の資金集めに出席し、明日はイベントで処方箋薬のコストを下げる計画を話すと伝えられる。

VH-92A含む米軍や他の機関から提供される各種サポートアセットは、事前に配置される。HMX-1の大統領専用ヘリコプターは、通常、使用予定の有無にかかわらず、大統領が旅する先々へ少なくとも2機同行し、空軍のC-17グローブマスターIII貨物機で目的地に空輸される。ヘリコプター1機に対しC-17が1機というのが一般的だ。ヘリコプターは、主要な輸送計画に含まれていない場合、大統領が近くにいるときの不測の事態に備えて、警戒態勢をとって保管されることが多い。そうなると、今回のラスベガス展開でVH-92Aはマリーンワンヘリコプターのバックアップとして機能している可能性がある。

また、VH-92Aは、通常の大統領専用ヘリコプターのペアに加え、ホワイトハウス軍事事務所(WHMO)の承認を得て、緊急事態の追加支援を行うために配備された可能性もある。VH-92とそのクルーが、そう遠くない将来にVH-3DとVH-60Nから主要任務を引き継ぐ準備として、こうした旅に同行することは重要なことかもしれません。

VH-92Aは、より一般的な輸送任務に使用される可能性があり、必要であれば、米国シークレットサービスの即応部隊(Counter Assault TeamまたはCAT)を危機時に搬送できる。しかし、同機は高度に専門的仕様になっておいr、完全装備の武装人員多数の移動用の構成になっていないため、その可能性はかなり低い。HMX-1は、大統領外遊でこのような支援を行うこともあるが、その場合は、大統領以外の空輸部隊、いわゆる「グリーントップ」に所属するMV-22オスプレイ(ティルトローター)を中心に、より適した航空機やヘリを使用する。

VH-92A部隊がいつ最終的にマリン・ワンとして使用が承認されるかも、まだ不明だ。2018年当時、海兵隊は2022年末までにVH-3DとVH-60Nをすべて退役させる想定だった。しかし、少なくとも2022年5月時点では、ヘリコプターの通信装備で修正プログラムがいつ準備され、インストールされるのか、確固たるスケジュールはなかった。当時、海軍関係者は、そもそもこの作業に十分な予算が確保されているのかでも懸念を示していた。昨日発表された海軍の2024年度最新予算案にで、これまで入手できた情報では、VH-92関連の追加資金の必要性が強調されていない。

VH-92に最先端の安全な通信システムを確保することは、マリンワンの任務を日常的に遂行する上で絶対に欠かせない。最重要なのは、大統領と最高顧問が搭乗中に国家司令部と途切れることなくリンクし、それを通じて抑止力を発動できるようにするために、通信機能が必要であるということだ。

いずれにせよ、VH-92Aのラスベガス配備は、海兵隊が新型ヘリコプターを通常の大統領支援活動に組み込むことを進めていることを明らかに示している。■

New VH-92 Presidential Helicopter Deploys To Las Vegas | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED MAR 14, 2023 9:24 PM

THE WAR ZONE


©航空宇宙ビジネス短信


2021年1月21日木曜日

原設計が1950年代の大統領専用ヘリコプターも今年中に新型機に交代。海兵隊が全力で整備し運用しています。

 今回の大統領の交代でトランプ大統領をホワイトハウスから移動させたマリーンワンの姿を見た方も多いのではないでしょうか。基本的に旧型の同機は海兵隊整備部門の献身的な仕事で長い供用を支えているのですね。しかし、今年中に新型機に交代するということです。VC-25もそのうちに交代となりますが、民間でも見かけなくなった747-200をどんなコストをかけても整備支援する姿に国家の威信が見えてきますね。

Photo by Tech. Sgt. Robert Cloys

 

VH-3大統領専用ヘリコプターはマリーンワンとして長年共用されてきたが、退役が近づいてきたと米海軍航空システムズ本部が発表した。

 

1月15日発表によれば海軍航空システムズ本部は東部機材整備センター*FRCE)でT58-GE-400B大統領専用ヘリコプター用エンジンの最終整備を完了し、第一海兵隊ヘリコプター飛行隊 (HMX-1) による大統領、副大統領、閣僚、海外賓客の輸送任務に投入する。

 

FRCEが整備を担当する大統領専用ヘリコプターのVH-3Dシーキングは新型VH-92Aに2021年中に交代する。

 

整備修理拠点は海兵隊チェリーポイント航空基地(ノースカロライナ)にあり、大統領専用ヘリコプター事業、ゴールドプレイトプログラムに50年にわたり関与している。

 

FRCEの仕事ぶりには定評があり、VH-92A運用の支援体制の準備がすでにはじまっている。

 

「当センターの大統領専用ヘリコプター事業支援の長い歴史を誇りに思う」とセンター司令マーク・E・ニエト大佐が述べている。「FRCEの人員は誇りを持って、特別の支援をこの重要ミッションに提供してきました。新型機支援にも同様に臨みます」

 

FRCEが大統領専用ヘリコプター業務を開始したのは1967年のことで、当時は海軍航空機材再整備施設(NARF)と呼ばれていた。ジェネラルエレクトリックT58-GE-8CエンジンでVH-3A型を運用していた。VH-3AはシコースキーH-3シーキング対潜ヘリコプターを改装し大統領の短距離移動手段となった。

 

その後、エンジンは二回の換装を経て、T-58-GE-400Bが1985年に採用され、今日に至っている。

 

ゴールドプレイト事業で航空機整備に関与した専門職には誇りと任務達成感を強調する向きが多い。

 

「整備員としてテストを経て点検に合格した対象が実際に飛行するのを見れば達成感があるものです」「大統領が乗るヘリコプターに関係していると誇らしく感じます」(2005年から従事する油圧系統整備員チャールズ・モーガン)

 

「歴代の大統領5名に仕えてきました」と語るダン・スミスは1983年に同センターへ配属され、1990年代から大統領専用ヘリコプター事業に携わった。2016年にいったん退役したが2018年に復職を求められた。「ゴールドプレイトプログラムに復帰でき名誉に思います。一緒に働く仲間には以前の同僚の子息もいますよ」■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Legendary VH-3 Sea King is one step closer to retire

NEWS

AVIATION

MARITIME SECURITY

ByDylan Malyasov

Jan 9, 2021

Modified date: Jan 9, 2021

 

About this Author

Dylan Malyasov

U.S. defense journalist and commentator. Aviation photographer. Dylan leads Defence Blog's coverage of global military news, focusing on engineering and technology across the U.S. defense industry.