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2023年11月15日水曜日

次世代原子力潜水艦のデザイン。コロンビア級SSBN、ヴァージニア級SSNでそれぞれ後継艦の仕様を検討中の米海軍だが、産業基盤の足腰の強化も必要だ

 米潜水艦の建造整備能力の低迷ぶりは過日お伝えしましたが、建造中のコロンビア級の次の大型艦に加え、ヴァージニア級の後継艦の構想も出てきました。潜水艦戦力が重視されているわけですが、産業基盤の強化も待ったなしですね。USNI Newsの記事からです。

Ohio-class guided missile submarine USS Michigan (SSGN-727) heads out to sea in 2012. US Navy Photo


抑止力のため新型核弾道ミサイル潜水艦12隻を引き渡した後も、米海軍は大直径船体の潜水艦を生産し続ける可能性があると、海軍水中戦責任者(N97)が水曜日に述べた。

 マーク・ベーニング海軍少将Rear Adm. Mark Behningは、核弾道ミサイルの海上パトロールでの米戦略軍の要求を満たすため、海軍はコロンビア級SSBNを12隻建造する必要があると述べた。

 「コロンビア級は、当初、現行オハイオ級14隻を12隻に置き換える想定されていた。中期の核燃料注入オーバーホールを省略することで、それが可能になる」と、海軍潜水艦連盟2023年次シンポジウムでのプレゼンテーションで語った。

 USSルイジアナ(SSBN-783)の後継となるSSBN-838が2040年代予定のコロンビア級最後の引渡しとなるが、海軍はその後も各種任務のために大口径潜水艦を建造し続けたいと考えている。

 海軍の長期造船計画では、2049年に最初の大型潜水艦の引き渡しを受ける予定だが、その要件はまだ決まっていない。海軍は、1860億ドルのコロンビア計画以降、大型潜水艦の建造が一服するのを避けようとしており、1990年代後半のオハイオ級建造の終了後に経験したような労働力の散逸を回避したいとしている。コロンビア級後の将来の潜水艦の船体間隔については、まだ決定していない。

 「しかし、(ラインを)オープンにしておく」とベーニングは言った。


オハイオ級の供用期間延長


USSペンシルバニア(SSBN 735)は5月11日、ピュージェット・サウンド海軍造船所・中間整備施設に拡張改装期間として入渠した。米海軍写真

 また、コロンビア級が遅延した場合に安全マージンを提供するため、オハイオ級SSBN最大5隻の寿命延長を計画している。

 コロンビア級では水曜日時点で、1番艦District of Columbia(SSBN-826)は40%完成している。今後数週間で、HIIのニューポート・ニューズ造船は、船尾部分をヴァージニア州の造船所からコネチカット州のジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボートへ移動させる。ニューポート・ニューズはコロンビア級の艦首と艦尾を建造し、EBが残りの艦体を建造する。

 現在、コロンビア級建造はスケジュール通りに進んでいるが、海軍はオハイオ級潜水艦をコロンビア級と1隻ずつ入れ替える必要があるため、余裕はほとんどない。

 海軍はオハイオ級で5隻について、耐用年数の延長を計画している。整備期間はそれぞれ18ヶ月で、耐用年数は3年延長される。

 USSアラスカ(SSBN-732)を皮切りにオハイオ級5隻の耐用年数延長は、2025会計年度予算と15年間の潜水艦メンテナンス計画双方に含まれていると、戦略潜水艦のプログラム執行官スコット・パッパーノ少将Rear Adm. Scott Pappanoが記者団に火曜日語った。

 パッパーノ少将は、国防総省の5年間の予算見通しについて、「多くは、現在(将来防衛計画)の外にある」と述べた。

「アラスカ以外の艦については流動的なので、憶測で述べたくはない。海軍は2029年度までにアラスカを延長するかどうかを決めなければならない」とパッパーノは言った。

 米戦略軍は、核有事の際に弾道ミサイル潜水艦10隻を増強できるよう、潜水艦部隊に要求している。現在のSSBNの在庫は14隻だが、オハイオ級で耐用年数延長がなければ、最新の長期造船設計図によれば、その数は2027年度には13隻、2029年度には12隻に減少する。さらに2030年度から2032年度にかけて11隻に減少する。

 数隻のオハイオの船体の寿命を延ばすことは、海軍に10隻の潜水艦の急増の要求を満たすためのバッファーを与えることになる、とパッパーノは述べた。


SSN(X)


氷上演習(ICEX)2018に参加し、氷の中を浮上するシーウルフ級高速攻撃型潜水艦USSコネチカット(SSN22)。米海軍撮影。


次世代攻撃型潜水艦について、海軍は来年にも重武装攻撃型潜水艦の最終的な代替案分析AoAを終えるとベーニングは述べた。

 SSN(X)のAoAは2024会計年度に最終決定され、2030年の着工、2042年に初号艦の引き渡しが予想される。

 「我々は、初期能力文書の完成に近づいており、計画通りである。それは海軍をクリアし、24年に能力代替案の分析を開始することを意図して、統合参謀本部を介して動作している」とベーニングは述べた。

 海軍はSSN(X)を、現在のヴァージニア級よりも大きく、速く、重武装の攻撃型潜水艦として設計する。シーウルフ級攻撃型潜水艦に近い特性になるとUSNIニュースは以前報じた。

 要求プロセスでは、海軍がこのプログラムをどの程度手頃な価格で実現できるかということと、能力のバランスに磨きをかけることになる。

 CBOの最新造船計画の分析によると、海軍は攻撃型潜水艦の単価を67億ドルから70億ドルと見積もっているが、議会予算委員会は最大10億ドル上乗せする可能性があると見積もっている。■


Navy Mulling Large Diameter Sub Hulls After 12 Columbias, SSN(X) Requirements Due Next Year - USNI News


By: Sam LaGrone and Mallory Shelbourne

November 8, 2023 6:53 PM • Updated: November 9, 2023 8:58 PM


2023年7月19日水曜日

核抑止力を担うSSBNの最新動向について。中国の普級(JL3ミサイル搭載)、米国のコロンビア級(トライデントIID5ミサイル搭載)。

 

094型SSBN

中国の核武装型弾道ミサイル潜水艦は、技術や性能の詳細が不明で謎に包まれたままだ

2022年8月の "The Mirror"によると、人民解放軍・海軍(PLAN)は、最新の攻撃型潜水艦を台湾周辺に配備して軍事演習を行っており、直近ではナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問した際に実施したとある。

中国の新型潜水艦「Type-039C元級」については、ほとんど情報がないが、近年の国防総省の報告によると、中国が米海軍の海底の優位性に挑戦しようと激しく取り組んでいることは明らかだ。

2021年、ペンタゴンの年次中国軍事報告書は、当時、中国はJL-2ミサイルで武装した6隻の普級SSBN(核武装弾道ミサイル潜水艦)を運用していたが、人民解放軍ははるかに威力があり長距離の核武装弾道ミサイル変種JL-3の製造準備を進めていると述べた。

国防総省の2021年版「中華人民共和国の軍事・安全保障動向に関する報告書」には、「中国がJL-3含む新型で、より高性能、より長距離のSLBMを配備すれば、PLANは沿岸海域から米国本土を狙う能力を獲得することになり、したがって、海上抑止力の生存能力を高めるため要塞作戦を検討するかもしれない」とある。

JL-2では射程が限定されるが、開発中のJL-3は、5,600マイルもの射程で運用されると報告されている。つまり、普級潜水艦は、アメリカ大陸を危険にさらすため米本土に近い場所で活動する必要がなくなるということだ。

国防総省の報告書は、「JL-2の現在の射程距離の限界は、PRCが米国の東海岸をターゲットにする場合、普級がハワイの北と東の地域で活動することを要求する」と述べている。JL-3はこれを大幅に変更する。

中国は現在普級SSBN6隻を運用しており、最大12発のJL-2ミサイルを搭載できるが、射程距離のため、米国の高価値目標を危険にさらそうとする場合、作戦範囲が制限または限定される。中国の指揮官は地理的な柔軟性が低く、探知される可能性が高い状態で作戦を行わざるを得ない。

射程距離の拡大

JL-3の射程延長が非常に重要で、5,600マイルという数字が正確ならば、中国の新型潜水艦発射核ミサイルは、最大4,000マイルで作動すると報告されている米国のトライデントII D5を上回る可能性がある。地図を見ると、中国本土の内陸部は、カリフォルニアの海岸からおよそ1万キロほど離れている。単純計算すると、JL-3ミサイルは、中国の核武装潜水艦が太平洋上のほとんどどこからでもカリフォルニアや米国の他の地域を攻撃する能力をもたらす可能性が高い。

中国の潜水艦が発射する核武装弾道ミサイルは、米国の装備品を上回るのか。国防総省の延命計画でトライデントII D5のアップグレードが信頼性と性能を向上させていることを考えると、未解決の問題のままかもしれない。さらに、米国は核ミサイルを搭載した新型コロンビア級潜水艦12隻を運用する計画だ。これにより、主要な高関心目標を危険にさらすために、活動できる場所の地理的範囲は明らかに拡大する。

普級とコロンビア級の比較

中国の普級SSBNの正確な技術的構成についてはほとんど知られていないが、米国の新型コロンビア級潜水艦には匹敵しないかもしれない。開発中の新型コロンビア級は、これまでで最も静かな潜水艦であるかもしれない。静かで効率的な電気駆動装置や、X字型船尾などの技術が採用されている。

普級について分かっていることは、2020年5月の議会調査局による報告書「China Naval Modernization」で、極めて致命的な、射程5,600マイルの核武装弾道ミサイルJL-3で武装するとあり、中国海軍の近代化は、米国海軍の能力への影響が無視できない。さらに、2018年のCSIS報告書には、中国はすでに同兵器の試射を終えており、アメリカ大陸を大きな危険にさらすとある。

コロンビア級は、他国海軍の潜水艦で使用されている機械駆動の推進と対照的に、電気駆動推進を装備する。現行のオハイオ級では、原子炉プラントの熱で蒸気を作り、蒸気がタービンを回し発電し、艦を前進させる。この推進力は、タービンからの高速エネルギーを艦のプロペラを動かすのに必要なシャフト回転に変換する「減速機」で達成される。「電気駆動システムは、機械駆動システムよりも静か(すなわち、ステルス)であることが期待される」と、昨年のコロンビア級潜水艦に関する議会調査局報告書は述べている。

コロンビア級潜水艦は全長560フィートで、長さ44フィートのミサイル発射管から発射する16発のトライデントII D5ミサイルを搭載する。

X字型の船尾は、潜水艦の操縦性を向上させる。潜水艦が、プロペラの使用から静粛性を高める推進器に切り替わるにつれ、潜水艦は操縦性を低下させたと海軍関係者は説明している。

海軍の開発部門は、電気駆動推進技術は原子炉で熱を発生し、タービンを動かす蒸気を作り出す点で変更はないと説明している。しかし、発電された電気は、減速機でなく、電気モーターに伝達されプロペラを回転させる。

潜水艦の推進力として電気駆動装置が評価されていた頃のMITのエッセイによれば、電気モーターの使用は他の利点ももたらす。

『潜水艦用電気推進モーターの評価と比較』というエッセイによると、電気モーターを使用することで、機械駆動に比べ原子炉の電力を最適に使用でき、他用途に使える艦内電力が増える。著者ジョエル・ハーバーは、機械駆動の潜水艦では、原子炉の総出力の80パーセントが推進に使用されると述べている。

「電気駆動潜水艦では、潜水艦の原子炉出力はまず電力に変換され、次に電気推進モーターに供給されます。推進に使われていない電力は他の用途に簡単に利用することができます」。

コロンビア級潜水艦の研究、科学技術作業、ミサイル発射管製造は、数年前から進められてきた。チューブ&ハルフォージングと呼ばれる重要な演習では、溶接や建設方法を評価するため4パックのミサイルチューブを製造する。これらの構造物は艦のモジュールに搭載されることを想定している。

コロンビア級には、コンピューター駆動のジョイスティック・ナビゲーション・システム、フライバイワイヤ技術、光ファイバーペリスコープ技術など、ブロックIIIバージニア級攻撃型潜水艦で開発された技術も数多く組み込まれる。自動航行により、潜水艦は深度と速度を自動設定でき、一方、オペレーターは指揮・制御の役割を果たす。

トライデントII D5

潜水艦から発射される核武装弾道ミサイル「トライデントII D5」は、2040年代まで信頼性と使用を確保するため「ライフエクステンションプログラム」を国防総省が最終決定しているため、生き続ける。

「W76-1LEPは予算内で予定より早く完了し、弾頭の耐用年数を20年から60年に延長することで国家の安全と安心を強化した」と、エネルギー省の国家核安全保障局2021年備蓄管理計画は述べている。

海軍とロッキードによると、数十年にわたり使用され、しばしばテストされ、繰り返しアップグレードされた3段式トライデントII D5弾道ミサイルは、公称距離4,000海里を飛翔し、独立した標的再突入体複数のを搭載できる。

近年、海軍はロッキードと共同で、核兵器の近代化と維持のための重要な技術的アップグレードを数多く行っている。海軍関係者がThe National Interestに語ったところによると、一部は現在も進行中であり、また他のものは十分な進展を見せ、次の段階の持続的努力の基礎を築いた。核兵器の電子モジュールや、ミサイルのMk-6誘導システムの改良がここに含まれる。

アメリカ科学者連盟の核情報プロジェクトのハンス・クリステンセンは、数年前に本誌に、D5LEはナビゲーションに1つではなく、2つの星を使うことで精度とターゲティングを高めると語っています。「潜水艦の正確な位置に関する柔軟性を高めます」。

今後数十年に、トライデントII D5を新しい兵器に置き換える必要があるが、現行ミサイルの耐用年数延長が、開発者に時間と開発軌道の確保を与えるだろう。トライデントを搭載した米海軍の弾道ミサイル潜水艦は、海底の暗い深部を静かに密かに巡回して潜在的な敵対者を危険にさらし、脅威が高い目標の潜在的な攻撃範囲内で活動し、核攻撃時には大規模な破壊的反応を保証する。■

Undersea Threat: China Accelerates Type-039C Yuan Attack Submarines & Longer-Range Sub-Launched Nuclear Missiles - Warrior Maven: Center for Military Modernization

Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University


2022年11月3日木曜日

SSBNコロンビア級投入までのつなぎにオハイオ級の耐用年数延長が始まる

  

2021年6月28日、ジブラルタル港に到着したUSSアラスカ(SSBN-732)。US Navy Photo

古参の潜水艦5隻が3年の寿命延長の候補だと、米海軍当局が発表した。

修理期間18ヶ月で、海軍が戦略核の不測の事態に備えミサイル原潜10隻の増加をサポートするため、オハイオ級核弾道ミサイル潜水艦SSBN5隻を対象にすると、戦略潜水艦プログラムを統括するスコット・パパーノ少将Rear Adm. Scott Pappanoは、海軍潜水艦連盟の年次シンポジウムで述べた。

この計画は、2030年10月に最初のパトロールを開始する予定の次期SSBNコロンビア級の初号艦USS District of Columbia (SSBN-826)以下コロンビア級の就役までのつなぎとなる。

パパーノ少将は、「コロンビア級が稼働し、オハイオ級が退役する2030年代が、リスクが最も高い時期になる」と述べた。

今後のSSBNは、初期問題が発生する可能性のある新造艦と、部品故障のリスクが高い最古参オハイオ級が並立すると、パパーノ少将は述べた。

事態を複雑にしている要素としてパパーノ少将は、次期戦略兵器トライデントII D5 Life Extension IIミサイルのテストプログラムがあり、これはSSBN各級でテストする必要がある、と述べている。

新ミサイルはコロンビア級9号艦から搭載され、12号艦まで継続されるが、同級の以前の8隻の潜水艦は後日装備を受けるとパパーノ少将は述べた。このプログラムでは、ミサイルの老朽部品を交換し、2060年代まで寿命を延ばす設計とする。

不活性化前制限使用(PIRA)を受ける初号艦は、USSアラスカ(SSBN-732)で、早ければ2029会計年度に始まる可能性があると、パパーノ少将は述べた。海軍は、確立ずみプロセスに基づき、調達に時間がかかる材料を確保するため、2025年または2026年までにPIRAを進めるかを決定すると、海軍作戦本部(OPNAV N97)の潜水艦戦担当ディレクターダグ・ペリー少将Rear.Adm. Doug Perryが述べた。

「潜水艦の寿命延長の評価プロセスは、高度なまで標準化されたプロセスだ」。「すべての潜水艦は、引退時期が近づくと、艦の物理的な状態の見直しを指示されデータを収集します。艦のすべての部品、長年にわたるメンテナンスの履歴データをすべて見ます。それをデータベースに取り込み検討します」(ペリー少将)。

オハイオ級SSBNの耐用年数を延ばすという今後の作業の鍵を握るのは、同級で最も古い原子力誘導ミサイル潜水艦(SSGN)4隻だ。

海軍は同級を当初の30年の耐用年数から42年に延長している。うち最初の2隻、USSオハイオ(SSGN-726)とUSSフロリダ(SSGN-728)は2026年度に退役する予定で、その後、核弾頭付きトライデントミサイルではなく、トマホーク対地攻撃ミサイル搭載用に改造された残りの3隻が続く。

パパーノ少将は、SSGN4隻が退役を始めると、海軍は艦の破壊試験を行い、他のオハイオ艦がどこまでの寿命を得られるか、退役艦から剥ぎ取れる部品を確認すると述べた。

コロンビア級計画に関しては、建設はほぼ予定通りに進んでおり、ミスは許されないとパパーノ少将は記者団に語った。

COVID-19の遅れと、General Dynamics Electric BoatとNewport Newsが潜水艦建造に使用するデジタル設計システムの初期不調が重なり、海軍が建設予定スケジュールに組み込んだ6ヶ月のバッファは、1ヶ月に減ったとパパーノ少将は明らかにした。

海軍と造船企業は、コロンビア艦12隻の建造だけでなく、バージニア級攻撃型潜水艦を年に2隻納入する需要に対応するため、今後10年間にわたり造船所労働者を毎年約1万人確保する必要がある。

パパーノ少将は、新型潜水艦建造のスケジュールを達成で唯一最大の障壁に、労働力を今年初めに取り上げていた。

「訓練は請負業者に任せてきた。そんな贅沢はもう言っていられない」と8月に語っている。■

Navy Could Extend Life of Five Ohio-class Ballistic Missile Boats to Hedge Against Columbia Program Delays - USNI News

By: Sam LaGrone

November 1, 2022 6:12 PM

   Report to Congress on Columbia-class Nuclear Ballistic Missile Submarine Program

Sam LaGrone is the editor of USNI News. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services since 2009 and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.

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2022年8月17日水曜日

この画期的なロシア戦略ミサイル潜水艦は本当に建造されるのか、それとも絵に書いた餅におわるのか。「アークトゥルス」構想を見る

 


ロシアの有名な船舶設計局ルビンが最新の先進潜水艦のコンセプト「アークトゥルス」を公開した。NavalNews.comのため、公式モデルの分析に基づきオリジナルのイラストを作成した

 

NATOのウクライナ介入へのロシアの究極の保険が核兵器だ。その重要性が強調される中、野心的な新型弾道ミサイル潜水艦構想が公開された。欧米の最新思想を取り入れたデザインは、ボレイ級に続く次世代の象徴だ



シアの潜水艦設計局ルビンは、2022防衛エキスポで弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の最新設計案を公開した。北半球で最も明るい星にちなんで「アークトゥルス」(Арктур)と名付けられた新型艦は、先鋭的なデザインとなっている。

 最も目を引くのは、傾斜した側面と調和したラインのデザインだ。側面に沿って一貫してチャインが走り、現代の低視認性航空機に似ている。

 潜水艦はもともとステルス性を持つ。しかし、アークトゥルスでは、さらに推し進め、外板に角度をつけた。これは、他国のアクティブソナーを偏向させるアイデアと同じだ。ドイツのType-212CDを彷彿とさせる。そして、イギリスのドレッドノート級弾道ミサイル潜水艦も同様だ。

 アクティブソナーに対抗する角度をつけた外板は、パッシブソナーにもステルス効果を発揮する。機械類を筏に載せ、騒音源を遮断するものである。また、船体外壁には無響室が設けられる。ロシアの無響室は複雑で、潜水艦に広く使用されている。

 潜水艦には12基のミサイルサイロがある。核弾道ミサイルに十分な大きさで、これが主任務と思われる。しかし、うち1基には、中型のAUV(自律型水中ロボット)用の発射・回収機構が展示されている。マルチロール能力を示したいのだろう。

 12基の発射管は現行SSBNより少ないが、他の潜水艦メーカーも同じ方向に向かっている。ミサイルが強力になれば敵に許容できない損失を与えるために必要数は少なくてすむ。さらに、ミサイルは製造と維持に非常にコストがかかる。


特殊水中無人装備。サロガットV

新しい特徴として、2機(おそらく3機)の特殊なAUVが搭載される。艦尾にはサロガットSurrogat-V (Сурогат-В) AUV用の3つの大型自由浸水式格納庫が見られる。これらのAUVは、アークトゥルス潜水艦と連動する設計だ。

 サロガットの名称を使用してきたルビンのこれまでのAUVは、デコイや訓練装置用だった。しかし、サロガット-Vは対潜戦装備のようだ。大型コンフォーマル・ソナー・アレイと、ポンプ・ジェット推進器を備え、高速性を示唆している。



Surrogat-V (Сурогат-В) AUV、via Michael Jerdev (Twitter)


 非音響式潜水艦探知システム「SOKS(System Obnarujenia Kilvaternovo Sleda)」も搭載する。これは、潜水艦の航跡に残る化学物質や放射線を「嗅ぐ」ことで、潜水艦を追跡する装備。ロシアとイギリスで同様のシステムを導入している。SOKが搭載されていることから、対潜水艦戦を想定したAUVだとうかがえる。

 もうひとつの新型は、E-アムール(Е-Амур)の作品だ。これは、伝統的なセイルがなく、Xラダーを持つ非常に小さな潜水艦だ。側面ソナーアレイは外側に接ぎ木されており、既存のラダ/アムール級設計と同様の単胴構造であることを示唆している。魚雷発射管は4本搭載されている。


アークトゥルス潜水艦の展望

ルビンは、潜水艦建造で長い伝統がある。今でも史上最大の潜水艦であるタイフーン級を設計した。そして、旧式弾道ミサイル潜水艦(SSBN)をすべて置き換えるボレイ級も同じだ。だから、同社の設計コンセプトが野心的で、最先端の考えを示すものであるには驚くことではない。

 しかし、「アークトゥルス」が建造される可能性は低い。同艦は、認可ずみプロジェクトではなく、会社提案で、そうでなければプロジェクトナンバーがあるはずだ。また、現在のロシアの経済状況や、潜水艦建造の大幅な遅れなど、良い兆候は皆無だ。

 しかし、このデザインには興味深いものがある。そして、ロシアの潜水艦設計思想の方向性を示している。将来、実際に実現する設計のヒントかもしれない。ロシアの潜水艦設計者は、紙の上では欧米に追いつくためにベストを尽くしている。■




Russia Reveals Radical New Stealth Missile Submarine - Naval News


H I Sutton  16 Aug 2022

AUTHORS

 

H I Sutton writes about the secretive and under-reported submarines, seeking out unusual and interesting vessels and technologies involved in fighting beneath the waves. Submarines, capabilities, naval special forces underwater vehicles and the changing world of underwater warfare and seabed warfare. To do this he combines the latest Open Source Intelligence (OSINT) with the traditional art and science of defense analysis. He occasionally writes non-fiction books on these topics and draws analysis-based illustrations to bring the subject to life. In addition, H I Sutton is a naval history buff and data geek. His personal website about these topics is Covert Shores (www.hisutton.com)


2021年2月25日木曜日

フランスが第3世代SSBN建造に乗り出した。水中核抑止力をなんとしても維持する姿勢。完成すれば2090年までの供用をめざす。

 


Naval Group Image

 

ランス国防相フローレンス・パルリがSNLE 3G計画が正式開発段階に入ったと2月19日発表し、フランスは第3世代の原子力弾道ミサイル潜水艦 (SSBNs)を建造する。

 

式典はノルマンディのヴァル=ド=ルイユで開かれた。ここにフランスで装備調達にあたるDGAが流体力学試験施設を運営している。

 

パルリ国防相は「第3世代SSBNはル・トリオンファン級よりわずかに長く、排水量も微増する。聴音能力を改良し、防御力が向上する。静粛度も高まる。海中の環境音の中と一体化し、運用上の優越性を実現する」と演説した。

 

フランスの2019-2025年の軍事計画法では四隻あるル・トリオンファン級SSBNsの代替艦として第三世代 SSBNs (SNLE 3G)に2035年から交代させるとある。フランスは常時一隻のSSBNを展開し、海洋配備抑止力を引き続き維持する。

 

フランス軍およびDGA (Direction Générale de l’Armement, フランス政府国防装備保調達技術開発庁)がSNLE 3G事業を統括する。産業界とは新型SSBNs4隻の開発、建造の大枠合意をめざす。このうちナバルグループが主契約企業となり、テクニカトムが原子力ボイラーを製造する。

 

第一段階契約は2021年中に交付し、開発研究を2025年までに完了する。

 

フランスの国防産業界200社以上がナバルグループと協同し、艦設計を完成させる。工期30年、100百万時間相当の作業量となり、設計に15百万時間、建造に80百万時間を想定する。

 

ナバルグループの潜水艦建造部門はシェルブールにあり、300名超が設計部門に従事し、建造部門で2千名が働く。シェルブールで艦体を建造し、各システムを搭載し、潜水艦として完成させる。

 

 SNLE 3Gの一部としてDGAはタレスとソナー開発で合意書を締結しており、各種ソナーとともに処理装置の開発を目指す。

 

タレスは新世代艦側部・艦尾曳航式ソナーを完成させる。これは光学技術をもとにした直線的アレイ(ALRO)で、その他として聴音アレイ、反響探知装置、水中通話を実現する。

 

センサー情報の処理に用いるALICIAは分析、探知、識別、分類、統合、警告の略で入手済みデータを活用し、操作員の負担を軽減しながら指揮命令を支援するのが狙いだ。

 

新型ソナーは段階的に性能を向上させ、最初の基本技術ブロックは第2二世代 SSBNs (SNLE 2G)に2025年から搭載される。第3世代 (SNLE 3G) 艦には2035年以降搭載となる。

 

テクニカトムは原子炉の設計、製造、搭載を受け持つ。同社によれば第3世代SSBNの原子炉には50年に及ぶ小型原子炉のノウハウを盛り込み、安全性を担保しながら軍用に必要なエナジーを実現する。SNLE 3G用の原子炉はバラクーダ級原潜の低出力原子炉と今後登場する次期空母 PANGとの中間の位置づけだ。K22と呼ばれる原子炉は高出力を実現する。設計研究は2020年12月8日のエマニュエル・マクロン大統領の決定を受け始まった。

 

SNLE 3Gの艦体設計はSNLE 2G(ル・トリオンファン級)の正常進化形となるようだ。先に登場したル・トリオンフォン級同様に見えるが、流体力学性能は向上し、艦体上を海流がなめらかに流れる。またポンプジェット推進方式を採用する。潜舵をX字形にしシュフラン級SSNとの共通性もあるが、曳航式アレイのため中央部にフィンをつける。想像図を見るとSNLE 3Gの艦体はすべて無音響タイルで覆うようだ。現在供用中のフランスSSBNでも同様のタイルが導入されているが、重要部分のみに装着している。無音響タイルはゴムあるいは合成ポリマー製でアクティブソナーの音波を吸収し、艦から出る音を低減する効果がある。

 

潜水艦に詳しいH.I.サットンによれば、艦首すべてをソナードームにするのは極めて大型の半球ソナーを搭載するためだと言う。魚雷発射管四門はソナードーム後方に配置する。発射管は外側に向け角度をつけているはずで、魚雷発射時に潜航速度に制限がつく。

 

式典会場でフランス海軍の SNLE 3G事業担当者は次期SSBNsは2035年以降の脅威に対抗する想定で、なかでもソナー探知を最も重視しているとNaval Newsに語ってくれた。

 

Naval Group Image

 

数字で見るSNLE 3G 

 

全長: 約150 メートル

排水量 15,000トン (潜航時)

乗組員: 100名程度

兵装:

  • 16x M51 SLBM(名称は M51.4か)

  • 4x 魚雷発射管、 F21大型魚雷および次期巡航対艦ミサイルFCASW を運用か

建造開始 : 2023年

初号艦の海軍引き渡し: 2035年

退役(級全体): 2090年

 

この記事は以下を再構成し、人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmail.comへご連絡ください

 

French Start Next-Generation Ballistic Nuclear Missile Submarine Program - USNI News


By: Xavier Vavasseur

February 22, 2021 4:35 PM