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2023年7月23日日曜日

ホームズ教授:日本の先進SSK建造技術をの利用で米海軍も通常型攻撃潜水艦を整備し、日米連合潜水艦部隊を前方配備すべきだ

 .



のところ海軍関連ニュースは玉石混交の感がある。



 米海軍は今週、未就役艦を除き381隻の艦艇保有を目指する機密の造船計画を議会に提出した。これは現在就役中の299隻を上回るもので、米国の法律で義務づけられている355隻体制を26隻上回ることになる。

 これは良いニュースだ。あるいは、造船部門が余分な負荷を処理できるのであれば、良いニュースだ。そして、そのような船団を建造し、運用し、維持するのに十分な税金を議会が徴収するのであれば。

 議員たちが実行に移すかは、まだ難しい問題だ。355隻建造を義務付けて7年が経とうとしている。中国の造船所がソーセージのように新型の水上戦闘艦を大量生産し、人民解放軍(PLA)海軍の500隻体制を目指しているにもかかわらずだ。

 潜水艦のメンテナンス問題もニュースになっている。海軍首脳は、原子力攻撃型潜水艦(SSN)の整備・オーバーホールの目標割合を艦隊の20%と定めている。

 しかし現在、攻撃型潜水艦の40%近くが休止状態にある。その中には、シーウルフ級潜水艦の3隻の1隻USSコネティカットや、2015年以来放置されたままロサンゼルス級USSボイジーも含まれている。7つの海にまたがる米国の海底コミットメントをカバーするには、わずか31隻しか残らない。

 また、潜水艦関連のニュースでは、海軍が海上での超大型無人潜水艇(XLUUV)「オルカ」の最初の画像を公開した。当初、全長80フィートのオルカは機雷掃海用に使用されるが、防衛メーカーと海軍は、オルカの作戦レパートリーに新たな任務を追加することに取り組んでいる。

 米海軍は、戦闘力を大型で高価なマルチミッション艦艇に集中させるのではなく、より分散させる計画を実行しようとしており、オルカは有望な技術だ。誘導ミサイル巡洋艦や駆逐艦を撃沈したり、行動不能にしたりすると、弾道ミサイル防衛に加え、対水上戦、対潜水艦戦、対空戦など、複数のミッションにまたがる艦隊の総合的な戦闘力を大きく削ぐことになる。これと対照的に、火力、センサー、指揮統制機能を分散させることで、弾力性が付与される。個々のユニットを失っても、艦隊は戦い続ける。そして、逆境に直面しても戦い続けることこそが、戦闘のすべてなのだ。

 この最新ニュースのまとめは、通常動力型攻撃型潜水艦(SSK)取得で説得力のある概要になる。艦隊の規模は停滞しており、昨年の造船計画によれば、潜水艦には少なくともあと17隻が必要であり、80フィートのXLUUVがどんなに高性能でも、数千トンの有人潜水艦に取って代わるとは誰も思っていない。

 もし海軍が安価で素早く船を必要とするなら、なぜディーゼル電気SSKを大量調達しないのか?

 そうすべきだ。SSK部隊に付随する利点について考えてみよう:


ミッションに合致する

米海軍、海兵隊、そして統合軍による将来の海上戦構想では、SSKを地上軍や航空軍と連携して使用し、侵略者が重要な海域や空(特にアジアの島々の周辺や島々の間)にアクセスするのを阻止することを想定している。

 潜水艦はこの計画の主要部分を占める。第一列島線を封鎖すれば、中国商船隊は言うに及ばず、PLA海軍と空軍を近海に封じ込め、機動スペースを奪える。哨戒任務はかなり静的な任務で、ディーゼル潜水艦に適した任務だ。SSKに頼る海上自衛隊や韓国海軍のような潜水艦部隊は、長い間それを得意としてきた。米海軍もそれに倣うことができるし、そうすべきだ。


実績のある設計と建造者がすでにある

日本の「そうりゅう」級と「たいげい」級潜水艦は、世界で最も優れた大型通常型攻撃潜水艦と評価されている。

 もし米国の造船部門が深刻な緊張状態にあるとすれば、長年の忠実な同盟国である造船大国に目を向けるのは理にかなう。

 中国は世界最大の造船国かもしれないが、それに次ぐのは日本と韓国だ。両者を合わせると、中国の造船能力をわずかだが上回る。例えば、「そうりゅう」を建造し、「たいげい」を建造している三菱重工業は、米海軍のためにキールを敷設するというアイデアを受け入れるだろうと想像できる。

 建造は日本の造船所で行われるか、北米で製造する何らかの取り決めの下で行われる可能性がある。少なくとも、関心を探るために問い合わせてみる価値はあるだろう。


SSKはSSNより安い

日本の国会は、海上自衛隊の「たいげい」級の最新型艦艇に6億230万ドルの予算を計上したと報告されている。これと対照的なのが、ヴァージニア級SSNの次の "ブロック "で米海軍が負担するであろう、1隻あたり34億5000万ドルという途方もない金額だ。

 筆者の計算では、SSN1隻の値段で5隻以上のSSKが買える。現在の艦隊と海軍の願望との間の潜水艦の不足17隻を補うには、17隻のブロックVヴァージニアに586億5000万ドルという禁断の値札をつけるのとは対照的に、約102億4000万ドルの税金を投入することになる。この数字は、議会の倹約的な予算担当者を喜ばせるはずだ。


SSK購入はAUKUSを強化する

AUKUS協定では、米国はオーストラリア海軍にヴァージニア級SSNを3〜5隻供与し、オーストラリア造船メーカーがインフラを整備し、国産SSNを建造する専門知識を蓄積するまでの間、オーストラリア海軍を引き留めることになると伝えられている。米国の造船業界が、オーストラリアに原子力船を供給することはおろか、現在の米潜水艦艦隊を維持することも、それを拡大することも困難な状況なら、米国のサイレント・サービスの数を増やすため他国に目を向けることは極めて理にかなっている。そうすることで、海軍のニーズを満たすと同時に、アメリカは間違いなく最も近い同盟国との信頼関係を維持することができる。


おわりに

そして最後に、日本から購入することは日米同盟を強化し、中共指導者に強力な抑止力のシグナルを放つことになる。米海軍がSSK部隊を西太平洋に恒久的に前方配備すれば、艦艇は第一列島線に沿う潜在的な戦場の近くを拠点とするだけでなく、艦艇の整備や艤装が可能な施設近くを拠点とすることになる。もしワシントンが、米国のSSKを真の日米連合部隊の指揮下に置くことに同意し、東京にSSKの行動に関する発言権を与えれば、中国と日本にとって、米国が共同防衛のゲームに参加していることが明白になるだろう。北京がどんなに大げさなことを言おうとも、中国人民解放軍がいじめをしようとも、日米同盟は緩んだり壊れたりしないだろう。米国の乗員は危険にさらされることになり、その結果、いざというときには米軍がそこにいることになる。それを知っているからこそ、地政学的に不利な状況に臆することなく、共産党の酋長は侵略を控えるべきだ。

 私はSSNだけで構成された潜水艦部隊を望むだろうか?

 もちろん、完璧な世界ならそうだろう。

しかし、それは我々が住む世界ではない。そのような艦隊は、作戦上適切な時間枠の中で海に出ることはないだろうし、議員たちはその建造費用に難色を示すに違いない。ただ、豊富な戦力として数は必要だし、速さも必要だ。SSK調達は、有能で手頃な価格のプラットフォームというだけでなく、外交的な恩恵も約束してくれるだろう。一体化した同盟関係は、熱い戦争と同様に、平時の戦略的競争を乗り切る最良のチャンスとなる。

 だから、太平洋の深海に飛び込もう......通常型潜水艦で。■


The U.S. Navy Needs Diesel-Electric Submarines Now

By

James Holmes


Author Expertise 

Dr. James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and a Distinguished Fellow at the Brute Krulak Center for Innovation & Future Warfare, Marine Corps University. The views voiced here are his alone. Dr. Holmes is also a Contributing Editor to 19FortyFive. 


2019年3月17日日曜日

主張 米海軍は日本とSSK部隊を共同運用すべきだ。日本から調達してもよい

ホームズ教授のいう第二次大戦式の大量建造は夢にすぎませんが、平時から戦力を着実に増強することには賛成です。16隻だった潜水艦部隊を今後日本は増やして20隻超にもっていきますが、同数の米通常型潜水艦が加わり30隻-40隻になればその三分の一程度つまり10隻強が日本近海のどこかにあるわけで相当の抑止力になります。日米合同潜水艦運用体制の整備には軽く20年かかりますから実施するなら早いほうがいいですね。空母、原子力潜水艦共に米海軍で確立された価値観なのでこれを打破するのは大変な負担になります。

Pay Attention: These Are the Submarines the U.S. Navy Needs

この潜水艦が米海軍に必要だ
Go silent, go diesel.
March 15, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldSSKSSNChinaJapan
March 15, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldSSKSSNChinaJapan

海軍がディーゼル電気推進潜水艦部隊を導入すべき理由は十分すぎるほどある。まずSSK部隊は西太平洋で抑止力になる。抑止力は艦の性能とともに明確な決意から生まれる。さらに大国として残ることになる。相手能力を打ち負かすのが困難とわかれば戦火を開いて敵は青ざめる。端的に言えば弾性を有する側が抑止力を発揮する。開戦となれば巧みに配置したディーゼル潜水艦が米国並びに同盟国、特に日本の立場を有利にするはずだ。
通常動力潜水艦の調達を再開すべきだ:SSK部隊は連合軍部隊の中核となる。艦体を海上自衛隊(JMSDF)と共通化し合同潜水艦部隊を編成し、問題海域に常駐させれば同盟国の防衛に米国がリスクを恐れていないと日本へ示せる。日本は常駐潜水艦部隊で米国への信頼を高め同盟関係が強化される。
言い方を変えれば米国が日本部隊と共同展開することで日本は孤立する恐れを抱かなり、太平洋で不穏な事態があっても米国が常にそばにいてくれるとわかるはずだ。同盟国友邦国を信頼する意味は米国にとって大きい。米国はアジアに領土がなく、戦略的足場がない。米海軍部隊の一部を多国籍部隊に編入すれば団結を強める効果が生まれ、米海軍は関係国の港湾アクセスが保証される。
戦略状況に適した潜水艦になる。各国の海軍戦略は中国やロシアの艦船活動を第一列島線内で抑えることが目的だ。原子力潜水艦推進派はディーゼル艦は海峡封鎖や狭い海域専用だとし、SSNの優位性を列挙してくるだろう。たとえば無制限の潜行や高速巡航性能だ。はい、証明終わりというわけだ。
だが実は違う。SSKでSSNと同じ性能を発揮する必要はなく、仕事を着実にこなし調達価格が安ければ良い。原子力潜水艦推進派にはディーゼル潜水艦が長く果たしてきた効果を低く見る傾向がある。米海軍太平洋艦隊の潜水艦部隊が第二次大戦中に日本帝国海軍を大いに苦しめたのがまさしく第一列島線が舞台だった。JMSDFも同様の戦術をソ連、中国相手に冷戦中に展開した。両国の海軍は列島線戦略で高い効果を上げ、しかも当時のディーゼル潜水艦は現在よりずっと初歩的な艦だった。史実を否定したSSK反対論には説得力がない。
連合軍潜水艦部隊にSSNの高速性能、無期限潜行能力は列島線防衛で不要だ。SSNが優れた性能を発揮するのは外洋での戦闘だが防御任務では過剰性能となり運用経費が高くつく。米日合同戦隊の潜水艦は水上艦と協調し封鎖線を引く。島しょ部にはミサイル装備の陸上部隊、上空は航空機が飛び、機雷敷設も計画的に行う。哨戒潜水艦はその中で静かに潜み、列島線沿いに姿を探知されずに攻撃の機会を待つ。
ディーゼル艦で上記全部がこなせる。連合軍に十分な数の哨戒艦があれば定期ローテーションで常時警戒待機できる。哨戒中の喪失艦の補充用に予備艦も必要だろう。米日合同部隊の潜水艦部隊に琉球諸島まで定期的配備できる隻数が必要だ。JMSDFは19隻に拡充する予定だが、本当はもっとほしいところだ。さらに十数隻の米国艦を加え合同布陣をしけば予備艦も含め十分な規模の潜水艦部隊が生まれ攻勢に転じても運用でき黄海や東シナ海、オホーツク海での水上艦攻撃を想定する。
当面はこれが整備できれば適正規模であり、SSNと比べてはるかに安価に整備できる。単価の違いは隻数が増えれば高くなる。日本が建造した最大規模のディーセル艦そうりゅう級の単価はは米海軍の最新鋭ヴァージニア級SSNの五分の一、すなわち6.31億ドル対32億ドルである。ただし米海軍が議会と建艦にからむと価格の差は1対4になるだろう。つまり米海軍はヴァージニア級3隻分の予算で12隻のディーゼル艦部隊が整備できる。
あるいはSSKの建造でSSNを削るより沿海域戦闘艦がSSK相手に意味のある攻撃力を発揮できないので一対一で取替てもよい。最新のLCSは単価6.46億ドルでそうりゅうの6.31億ドルに近い。LCSを断念しても(今年の国防予算要求では3隻を計上している)海軍に悪い話にならないはずだ。
ディーゼル艦配備には同盟国との政治、戦略地図、予算執行での効果も期待できる。戦闘では戦闘力の迅速回復が戦勝につながる可能性が最も高い。海洋戦略の師アルフレッド・セイヤー・マハンやJ・C・ワイリーも同じ意見だ。両名は米国が大国間戦闘の開戦時に甚大な被害を受けてもその後逆転すると予言した。これはトランプ時代のペンタゴンが想定する戦闘の推移と同じだ。
その結果どうなるか。軍と国防産業部門は開戦直後の中国やロシアの猛烈な第一撃を乗り切れる量の装備を準備する必要がある。ノックアウトされては元も子もない。その後戦力を再整備し、しかも迅速に進める必要がある。これで米軍は反抗を展開できる。では米海軍の潜水艦部隊が緒戦で損耗したら補充できるのか。米海軍が潜水艦戦闘力を確保するには潜水艦の大量建造が必要だ。
ただし原子炉や格納用の船体は短期建造できず経費も高い。ヴァージニア級を年間二隻建造するだけで造船所に負担となっているのは旧式オハイオ級弾道ミサイル原潜の建造も進行中のためだ。その結果、SSNの隻数は増えず戦時喪失分の補充など期待できない。平時に建造規模の維持に精一杯ならSSNの戦時喪失が現実のものとなった場合、建造能力に余裕はない。
このため通常動力SSKにも外洋での戦闘任務を与える可能性がある。米海軍も新造通常動力潜水艦を短期間かつ大量配備する方法を模索せざるを得なくなる。米国内ではディーゼル艦建造は1950年代以降行っていない。したがって海軍当局は日本との交渉でが同国で建造した艦の調達を検討すべきで、そうりゅう級で完成の域に達した艦設計、熟練した建造施設を活用すべきだ。米国内でディーゼル艦を日本企業の参画で建造する選択肢もある。あるいは両方実施しても良い。米国第一を主張する大統領と議会を言いくるめ従来と違う方向にもっていくにはすぐれた交渉術が必要だ。説得を始めよう。
抑止力と切迫する情勢からも必要だ。米海軍および政治指導部は必要な戦力整備を継続ししかも迅速に進める必要がある。戦闘力整備を遅々としたペースで展開すると敗北は必至となる。第二次大戦時の教訓が役立つ。枢軸国打倒に必要な物量のため米海軍艦艇の設計はあらゆる点で最高性能を求めなかった。米国には普通の戦力でも大量かつ迅速に艦艇が必要だった。
つまり適度な性能で設計は簡素であればよく、多彩な業者を生産に巻き込んだ。デトロイトの自動車工場がB-24爆撃機を毎時間一機完成させていた。米海軍も戦時喪失分を早く補うことを最優先し、一部に目をつぶった。当時の議会とフランクリン・ロウズベルト政権の指導力に助けられ、新造艦艇や航空機生産が真珠湾攻撃前から始まっていた。1940年の両洋艦隊法案が後押しした。
事前に戦力補充分の整備を進めることを今後の米海軍で合言葉にすべきだ。これにより予備戦力整備が生まれるのが利点で、艦隊指揮官は開戦の諸端から兵力を積極投入できる。損耗を心配して中途半端な運用をしなくてもよい。補充艦艇や機材がやってくるとわかれば指揮官はリスクをいとわなくなる。チェスター・ニミッツ大将が真珠湾攻撃の残余艦で1942年に空母強襲作戦を展開したのは1943年になれば新造艦が来るとわかっていたからだ。予備戦力があれば今ある装備を活用して勝利をおさめる確率が高くなる。
ということでディーゼル潜水艦の調達が既存原子力艦部隊の補強になることが外交、戦略、予算、作戦、戦術面からおわかりになったはずだ。是非実現しようではないか。■
James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and coauthor of Red Star over the Pacific .