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2021年8月26日木曜日

米軍アフガニスタン撤収の混乱ぶりを見て、北朝鮮が南への工作強化を画策している。朝鮮半島からの米軍撤収が実現すれば北の思うつぼなのに、南朝鮮国民が感情に身を任せているのは工作活動の効果か。

 国はアフガニスタン撤収で拙速かつ十分な計画なしで展開するさまを世界に見せつけてしまった。同盟各国には今後の米国との関係に危惧を覚える動きも出ている。大韓民国(南朝鮮)も例外ではない。同国メディアは連日のように同盟関係を懐疑的にとらえており、北朝鮮への妥協こそ半島統一の道を信じる政治家とて変わりはない。


ピョンヤンの金正恩の視点はどうか。米韓同盟分断戦略が効を奏してきた。今回のアフガニスタン撤収は南朝鮮を対米同盟に懐疑的にさせる、あるいは妨害させる絶好の機会だ。米韓両国が半島の平和を維持すべく平和交渉で北朝鮮が新条件を飲む可能性は大きく減じている。


金正恩は朝鮮労働党(KWP)の政治局、中央軍事委員会を招集し状況を分析し、朝鮮半島への影響を検討しているはずだ。さらに党の宣伝工作部(PAD)、統一戦線部(UFD)、人民軍 (KPA)、政治総局(GPB)他を動員し、南朝鮮が韓米同盟に懐疑的になっている状況をどう利用するか作戦立案しているはずだ。


北朝鮮の宣伝工作、政治工作、情報操作、情報かく乱、特定対象工作の第一線を担うのがKWPのPADである。PADは情報工作多数を担当し、情報操作を行い、南朝鮮の世論工作も行う。特に南朝鮮一般社会を標的とする。この工作を統括するのがPAD海外宣伝局である。PADの下部祖域では防諜宣伝工作を展開し、北朝鮮国民を対象とする。国家保安省(MSS)がこうした国内工作を支援する。


UFDはサイバー部門を擁し、偽情報を南朝鮮国民に流し社会政治面の混乱を巻き起こしている。対象は南朝鮮国民以外に同国政府、政界にまで及ぶ。サイバー部門は南への心理戦も展開し、19か国のサーバーから140に及ぶウェブサイトを運営している。ウェブサイトの目的はサイバー戦で「南朝鮮国内の革命」を巻き起こし米軍撤収を実現させることにある。PADとも連携し南朝鮮を標的とするのは第101連絡センター、第26連絡センターの二部局だ。


第101連絡センターはピョンヤン中区のピョンヤン医大の正面にあり、情報操作を担当する。別の言い方をすれば偽情報であり、金日成、金正日、金正恩の三大最高指導者を扱う。第101連絡センターには南朝鮮の社会文化に通暁した専門家30名が在籍する。小説、詩歌を出版し、北朝鮮最高指導部の栄光を賛美し、KPA偵察総局(RGB)の第225情報部隊に配布させている。


第26連絡センターは最高指導者を賛美する映像作品を作り、最高指導者こそ半島統一の中心であると強調する。第26センターの作品は特に南朝鮮の大学生向けに反政府活動を支える意図がある。また救国の声放送が南朝鮮一般市民を対象としている。こうした手段を行使して米国へ疑惑を生じさせるのは実に簡単なことだ。第26センターは第225センターと共同で工作を進めることもある。第225は金日成大学の隣に本拠がある。


PADはRGBと共同で南朝鮮国内に反政府、反米の宣伝工作を浸透させている。RGBの第225情報隊は北朝鮮最精鋭の侵入部隊で南朝鮮のみならず他の国も狙う。各連絡センターと連携し、第101及び第26の成果物を南朝鮮に持ち込んでいる。米韓同盟にひびを入れるのが第225の潜入工作員の目的だ。


GPBはKPA内でのあらゆる政治活動を担当する。それだけでなく敵国工作部別名563部隊も統括する。KWPのUFDが平時には563部隊を指揮し、秘密工作活動を南朝鮮軍隊員向けに展開するほか、拉致工作、DMZ沿いでの宣伝放送、印刷物の配布を行っている。有事にはKPAの占領地国民が対象の工作でKPAへの支持者を掘り起こす。563部隊は危機が発生するたびに肥大する。


そして最も重要なのが金正恩がKPA参謀本部の作戦立案部門へ各活動を軍事作戦と統合し、南朝鮮の同盟関係への疑念を増大させるよう命じたことだ。こうした工作ですでに春夏の韓米図上演習へ反対機運が南朝鮮で拡大している。


米国のアフガニスタン撤収の混乱ぶりを見て、こうした動きに拍車がかかっている。中国が米国の台湾支援を妨害すべく台湾国民の対米信頼度を低下させる工作をしているが、北朝鮮も中国共産党、人民解放軍をまねた作戦を展開するのは疑う余地がない。


米韓同盟の弱体化を狙う金正恩体制は今後も戦術を展開し続け、アフガニスタン撤収で米国が見せる不手際を逐一注視していくはずだ。もっと重要なのはこの機会を利用して金正恩のほうが米大統領より指導者としての資質が上だとの宣伝工作が今後展開することだ。■


このような邪悪な組織を活用する北朝鮮の活動を看過できません。地上から消えてほしい政体の一つが北朝鮮です。反日活動も北朝鮮の息がかかっていないとは断言できないでしょう。防波堤としての韓国の意義が減じ、台湾の安全も危うくなっている今、日本がこのまま安閑としていられないのは事実です。

US Withdrawal from Afghanistan: The View From Pyongyang

Mon, 08/23/2021 - 11:42am

Robert Collins


2017年4月25日火曜日

★北朝鮮諜報機関も要注意



このところ平壌からの乱数放送が続いているのは日本国内の潜伏工作員への連絡なのでしょう。公安警察も目を光らせているとは言え、想定外の事態が日本でも発生しないとは限りません。長年に渡りこのような恐ろしい国を放置してきたつけを国民の生命と自由で支払うことにならなければいいのですが。一方でちゃんと精算すべき時なのでしょうか。韓国国内の騒々しい世論にも北の息がかかっているのは当然でしょうね。心ある韓国国民が来る大統領選挙で正しい候補に一票を入れることを祈るばかりです。

The National Interest

North Korea's Spy Agencies Should Not Be Underestimated 北朝鮮スパイ組織を軽視するな


April 23, 2017

北朝鮮には大規模な情報収集・保安措置の仕組みがあり、民主主義人民共和国との国名とは裏腹の専制国家体制だ。
  1. 平壌には2つ課題がある。まず海外での情報収集と秘密工作であり、つぎに防諜活動だ。韓国内に潜入する任務のため専門機関が2つある。「北朝鮮情報保安部門は政治、軍事、経済、技術の各情報を公開情報、人的情報活動、サイバー、通信傍受の各方法で行っている」とペンタゴンが議会に提出した北朝鮮評価レポート2015年版にある。「北朝鮮の主要な情報収集対象は韓国、米国、日本である」
  2. 北朝鮮の主要対外情報機関は偵察総局Reconnaissance General Bureauでソ連のGRU軍事情報機関をモデルにしているようだ。「偵察総局RGBとは北朝鮮の主要対外情報機関であり情報収集と秘密工作を担当する」とペンタゴン報告書はまとめている。「RGBは6つの局を有しそれぞれ秘密工作、偵察、技術、サイバー、海外情報、南北朝鮮関連、業務支援に分かれている。
  3. 国家保安省が北朝鮮の主要国内情報機関で一部対外活動も担当している。意図的にソ連時代の国家保安省(ロシア語でMGB)と同じにしている。北朝鮮はソ連の関連機関をモデルにした。
  4. 「国家保安省 Ministry of State Security (MSS)が北朝鮮の主要防諜機関で、金正恩直轄の独立組織だ」とペンタゴンはまとめている。「MSSの任務には北朝鮮国内収容所の運営以外に国内諜報活動の取締り、脱北者の国内連れ戻し、海外防諜活動がある」
  5. 北朝鮮には他に2つの組織が韓国国内への潜入の任務を担当している。内1つは公然と活動している。「統一戦線部United Front Department(UFD)の任務は韓国国内に親北勢力を作ることで、韓国アジア太平洋委員会Korean Asia-Pacific Committeeや民族和解協議会Ethnic Reconciliation Councilがその例」とあり、「UFDは南北対話や韓国向けに北朝鮮政策を説明する役目もある」
  6. UFDには秘密工作部もあり、侵入工作員向け訓練を実施し、韓国世論の分断や社会混乱を引き起こすのが目的だ。「第225局が侵入工作員を訓練し、地下政治集団を組織し社会騒乱や革命を引き起こすのが目的」とペンタゴン報告書は述べている。
  7. 情報機関は北朝鮮の強みのひとつだ。平壌の保安部隊は母国から遠く離れた地点でも実力を発揮しており、最近では金正男暗殺をマレーシアで実施した。無慈悲かつ効果的に任務を遂行する金正恩の情報機関は朝鮮半島で武力衝突が発生した場合でも効果を示すだろう。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.