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2024年6月27日木曜日

ウクライナへ韓国製武器が供与されることの意義をプーチンはわかっている---南北朝鮮がそれぞれ武器弾薬を供給する展開になるのか

 


南北朝鮮がそれぞれウクライナ戦に武器弾薬を供給する事態になりそうです。プーチンが韓国からの供給を警戒し、韓国を恫喝するのであれば、西側はなぜ北朝鮮のような不良国家が好き放題にロシアへ武器弾薬を輸出しているのを止めないのか不思議です。そういえば、国連も安保理事国にロシアが座ったままのため信用がなくなり機能低下していますね。国連に変わる仕組みが必要となっているのではないでしょうか。


A South Korean K1E1 tank participates in a joint river-crossing exercise in Yeoncheon, Gyeonggi province on March 20, 2024. Russian’s President Putin has warned South Korea that it would be making “a big mistake” if it decided to supply weapons to Ukraine. While Seoul has so far condemned Moscow for its full-scale invasion of Ukraine and provided Kyiv with economic and humanitarian, it has stopped short of sending arms.  

PHOTO BY JEON HEON-KYUN/POOL/AFP VIA GETTY IMAGES





ロシア・北朝鮮の接近を見て韓国がウクライナへの武器供与禁止を覆す可能性が出てきた


国はウクライナに武器を供給しないとの決定を再評価し、ロシアのプーチン大統領は、方針を変更するなら「大きな間違い」を犯すことになると警告している。ソウルはこれまで、ウクライナへの全面的な侵攻を行ったモスクワを非難し、キーウに経済・人道支援を行ってきたが、武器の供与には踏みとどまった。金正恩委員長と相互防衛協定に署名し北朝鮮から帰国したプーチンの怒りの反応は驚くことではない。結局のところ、韓国の急成長する防衛産業へのアクセスは、ウクライナにとって大きな取引であり、先進装備を提供し、大量提供することで、戦争で引き裂かれたウクライナにとって最後の未開発の武器資源の1つを開くことになる。

 「韓国は何も心配することはない。なぜなら、我々が締結した条約に基づく我々の軍事援助は、署名国の一つに対して侵略が行われた場合にのみ発生するからだ」とプーチンは記者団に語った。「私の知る限り、韓国は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮の正式名称)に対する侵略を計画していない」。

 本日ベトナムで行われた記者会見で、プーチンはこう付け加えた。「ウクライナの紛争地帯に殺傷能力のある武器を供給することは、非常に大きな間違いだ。

「このようなことが起こらないよう願っている。もしそうなれば、我々は適切な決断を下すだろうが、韓国の現指導部を喜ばせることはないだろう」とプーチンは語った。


 ソウルがキーウに致命的な軍事援助を送ることを検討しているというニュースが、韓国の聯合ニュースの報道で明らかになった。

 同通信は、韓国のチャン・ホジン国家安全保障顧問を引用し、プーチンとキムの間で締結された相互防衛協定が政策見直しの背景にあることを示唆した。

 ソウルの大統領府が本日発表した公式声明も、モスクワと平壌間の協定を批判し、北朝鮮向け制裁に反するとの見解を示した:

 「政府は、北朝鮮の軍事力増強を直接的、間接的に助けるいかなる協力も国連安保理決議違反であり、国際社会による監視と制裁の対象であることを明確に強調する」と声明は述べている。

 興味深いことに、2023年4月にソウルがキーウへの武器供給に関する立場を再考する兆しもあった。



 その時点で韓国の尹錫烈大統領は、ウクライナ民間人に対する新たな大規模攻撃が発生した場合、ウクライナへの武器供給を検討すると発言していた。そのパラメータは明示されなかったが、それ以来、ウクライナ住民は、無人機やミサイルによる度重なる攻撃を受けており、都市だけでなく重要インフラも標的になっている。

 これに対し、プーチンの盟友ドミトリー・メドベージェフ前大統領は、ロシアの兵器がますます進化して北に届く可能性を示唆し、韓国を脅した。

 「この国(韓国)の住民が、最も近い隣人である朝鮮民主主義人民共和国のパートナーの手に最新の設計のロシア製兵器が渡るのを見たら、何と言うだろう?」とメドベージェフはテレグラムに投稿した。

 平壌とモスクワのいずれかが攻撃された場合に軍事支援を提供することに合意した新しい協定がなくても、プーチンの最近の北朝鮮訪問は、両国間の緊密な関係をさらに強固なものにした。


2015年9月19日、ロシア、オレンブルクのドングスキー山脈で行われた大規模なセンター2015軍事演習に参加する北朝鮮軍将校たち。写真:Sasha Mordovets/Getty Images サーシャ・モルドベッツ


 ウクライナ戦争に関して言えば、北朝鮮がモスクワの重要な同盟国として浮上したことで、ロシア軍は数百万発とも言われる大砲弾や弾道ミサイルなど、必要とされる弾薬を確実に手に入れた。

 一方、モスクワと平壌との間で急成長している軍事関係では、弾道ミサイルや核兵器、さらにその他兵器や技術の開発に役立つロシアの専門知識を北朝鮮に提供しているのではないかとの懸念も以前からあった。

 この方程式の反対側では、韓国がウクライナに重要な兵器を提供し始め、これまで未開拓の汎用性の高い供給源となる可能性が出てきている。

 近年、韓国は武器輸出国として頭角を現しており、武器メーカーは、戦闘機やヘリコプターから弾道ミサイルや防空システム、戦車や装甲戦闘車両、大砲に至るまで、驚くほど幅広い技術を有している。


2023年9月15日、昌原のハンファ・エアロスペース工場でK9自走榴弾砲の製作に携わる韓国の技術者たち。写真:JUNG YEON-JE/AFP via Getty Images JUNG YEON-JE


 尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領はすでに、米国、ロシア、フランスに次ぐ世界4大兵器供給国になるとの野心を打ち出している。この目標はまったく非現実的なものではなく、韓国はすでに2018年から22年にかけて世界第9位の武器輸出国としてリストアップされており、2013年から17年にかけての武器売却額は75%増加している。

 ウクライナは、西側諸国からの武器を確保するのに時間がかかることに何度も不満を抱いてきた。第一に、政治的な承認を得ること、第二に、それらの武器を実際に製造するために必要な産業能力を待つことである。

 韓国は、ハンファ、現代ロテム、LIGネクス1、現代重工業、韓国航空宇宙産業(KAI)などの積極的な生産ラインによって、この問題を解決している。これらは主に国内からの安定した受注に対応しているが、輸出顧客の需要にも対応できる拡張性と柔軟性を実証している。


South Korea's K-2 tanks fire during a South Korea-US joint military drill at Seungjin Fire Training Field in Pocheon on June 15, 2023. (Photo by JUNG YEON-JE / POOL / AFP) (Photo by JUNG YEON-JE/POOL/AFP via Getty Images)South Korean K2 tanks fire during a South Korea-U.S. joint military drill at Seungjin Fire Training Field in Pocheon on June 15, 2023. Photo by JUNG YEON-JE/POOL/AFP via Getty Images JUNG YEON-JE


 同時に、韓国の防衛関連企業は、外国に組立てラインを設置するなど、輸出先と緊密に協力する意欲を見せている。例えば、ハンファ・エアロスペースは、オーストラリア、エジプト、ポーランドにK9自走榴弾砲の組立ラインを設置する任務を負っている。

 ウクライナは既存の防衛産業を活用すると同時に、ソ連時代の在庫を置き換えるため近代装備を導入しようとしている。

 一時期、韓国の防衛輸出はヨーロッパではほとんど成功しなかったが、ウクライナの緊密な同盟国でもあるポーランドのおかげで、近年は大きく変化している。

 2022年、韓国はポーランドにK2戦車180両、FA-50軽戦闘機48機、K9自走砲670門(145億ドル相当)を売却した。このパッケージの驚くべき点は、実現までのスピードだ。


Polish Army soldiers stand next to tanks in the port after the arrival of the first K2 tanks and K9 howitzers for Poland on December 6, 2022 at the Baltic Container Terminal in Gdynia. - The Polish Army is strengthening its potential with the use of South Korean defense technologies. In July 2022 an agreement was concluded with Hyundai Rotem for the acquisition of a total of 1,000 K2 tanks with accompanying vehicles. Poland has massively stepped up weapons purchases since Russia invaded Ukraine, as well as sending military aid to Kyiv and taking in millions of Ukrainian refugees. (Photo by MATEUSZ SLODKOWSKI / AFP) (Photo by MATEUSZ SLODKOWSKI/AFP via Getty Images)Polish soldiers stand next to K2 tanks at the Baltic Container Terminal in Gdynia after the first K2s and K9 howitzers for Poland arrived there on December 6, 2022. Photo by MATEUSZ SLODKOWSKI/AFP via Getty Images MATEUSZ SLODKOWSKI


 例えば、最初の10両のK2戦車と24両のK9がポーランドの港に荷揚げされたのは契約締結からわずか4カ月後であり、最初のFA-50航空機は契約締結から10カ月以内にポーランドへ引き渡された。

 このようなペースに匹敵する欧米の防衛企業はほとんどなく、このような迅速な受注へのコミットメントは、ウクライナもきっとその恩恵を受けたいと思っているはずだ。

 ポーランドも加盟するNATOにとっては、韓国の装備品が一般的にNATO規格に準拠しておらず、西側のシステムとの統合が難しいという事実から生じる問題がある。一方、ポーランドは、より早く、より多くの兵器を手に入れることが重要だと判断したようだ。ウクライナにとっては、NATOやソ連時代、その他の兵器システムが混在しているため、標準化の欠如はほとんど問題にならない。

 上記のような大口商品は別として、韓国はウクライナで危険なほど不足している大砲弾薬の供給源としても非常に役立つ可能性がある。その一方で、特に155mm弾を世界中から調達し、ウクライナ軍の手に渡そうと、複雑な構想が複数立ち上げられている。

 韓国は大砲の主要開発国のひとつであると同時に、これらのシステムの弾薬の生産能力も高い。ウクライナでの戦争はすでに韓国の弾薬生産を後押ししており、ソウルは米国向けに弾薬を生産している。

 こうしてソウルは、ウクライナに直接致命的な援助を届けることなく、弾薬がウクライナに届くのを助けることができている。韓国の政策が変われば、このような措置は回避され、キーウに直接弾薬を提供できるようになる。同時に、ポーランドのような国も、韓国の防衛装備品の他の輸入国と同様に、生産ラインの拡大から利益を得ることになる。

 韓国の防衛産業が台頭しつつあり、その技術的ノウハウ、柔軟なワークシェアリング、迅速な納品スケジュールの組み合わせによって、韓国の輸出受注が確保され続けることに疑いの余地はない。ウクライナがこれに当てはまるかどうか、またどのように当てはまるかはまだ分からないが、キーウから様々な種類の兵器に対する需要があることは明らかであり、韓国はそれを満たす手助けができる可能性がある。韓国からウクライナへの武器輸出が再び議題に上った今、その結果は非常に重要なものになるかもしれない。■


South Korean Arms For Ukraine Would Be A Huge Deal And Putin Knows It

There are signs that South Korea might overturn its ban on weapons deliveries to Ukraine, which has prompted a dark warning from Putin.

THOMAS NEWDICK

POSTED ON JUN 20, 2024 6:50 PM EDT


2023年7月8日土曜日

ウクライナはAIでロシアに勝とうとしている。西側水準を超えるAIによる戦闘能力を安価に実現。ウクライナ戦はAIの実験場になっている。

ウクライナは独自の人工知能(AI)プラットフォームで西側水準を超える戦力を実現した


「ウクライナはとんでもないことをやっている」と、ウクライナに駐在するFox News寄稿者、ブレット・ヴェリコヴィッチはFox News Digitalで語った。「戦場での技術革新は、いまやこの世のものとは思えないレベルだ。正直なところ、米政府も西側諸国政府も、このような革新が起こっていることを知らない。

「追いつけない。ウクライナの動きは速すぎる」。


ウクライナがロシアという、より大きく、一見強そうな相手に対してこれほどまでにうまく立ち回る上で、AIが重要な役割を静かに果たしている。


ナショナル・ディフェンス誌は、ウクライナ戦争を「前例のないAIの実験場」と呼び、「両陣営によるドローンや浮遊弾薬の使用」や 「飛行、照準、発射におけるAIによる自律能力の強化」を挙げている。


ウクライナのデジタルトランスフォーメーション担当副大臣であるジョージ・ドゥビンスキーは、同国が独自のAIプラットフォームの構築を決定し、エンジニアが特定用途に合わせAIをカスタマイズできるようになったことが鍵だとFox News Digitalに語った。


同省は、10種類のAIプラットフォームを検討した結果、独自のAIプラットフォームがより有益であると判断し、2022年半ば頃に開始し、年末までに配備した。ドゥビンスキーは、同省が常に改良と開発に取り組んでいることを明らかにした。オリジナルのプラットフォームでウクライナは必要なデータを、営利企業に間違った情報を送ることなく利用することを可能にした。


「マックス」と名乗り、ドゥビンスキーと並び話をしたウクライナのエンジニア専門家は、軍がコンピューター・ビジョンを広範囲に使用することを可能にした、閉回路テレビカメラやその他監視インフラの膨大なネットワークについて語った。


AIに関する報道は、GoogleのBardやOpenAIのChatGPTのような大規模な言語モデルや生成AIプラットフォームが主な焦点だったが、AIプラットフォームを通じ視覚データの解釈と分析に焦点を当てたコンピュータビジョンは、幅広い産業やタスクに大きな利点を示している。


自然保護活動家は密猟者を追跡し、絶滅危惧種を保護するためコンピューター・ビジョン技術を利用してきた。一方、自動運転車メーカーは、トラックや自動車、そしていつの日か貨物船などの性能を向上させるためこの技術に注目している。


ウクライナでは、無人航空機(UAV)やドローンを多用することで、ロシアの侵攻や部隊移動の際に戦争犯罪の疑いがある人物を追跡するのに役立っている。撮影した映像から、AIは個々の要素を特定し、分類することができる。


「グーグルマップや占領地のレジスタンス部隊のスクリーンショット、メッセージの量は本当に膨大だ」とマックスは説明する。「この自動化が必要だと考えたのです」とマックスは説明した。


「名前と認識とオブジェクト文字認識(OCR)を使用しています」と彼は付け加えた。「GPS座標、場所、日付......我々はさまざまなソースから多くのデータを持っている。シャヘド無人機と他の一般的な認識を識別する最良の方法を理解した」。


この技術は、ウクライナ軍が神風ドローンとして知られるイラン製のシャヘド136ドローンと標準的なミサイルを区別するのに役立った。AIはまた、誘導レーザー爆弾の照準と有効性の向上にも役立った。


ウクライナがAI開発で成し遂げた最大の偉業は、エンジニアたちがアメリカ企業の数分の一の予算ですべてを成し遂げた事実だ。


「彼らは数百ドル単位でやっている......ガレージでやっているんだ」とヴェリコヴィッチは主張する。「グレムリン・ガレージと呼ぶ小さなガレージだ」。


「彼らはフィードバックを得て、キットを作り上げ、iPhoneのカメラを取り外し、ラズベリーパイと呼ぶデバイスに取り付けるだけで、ターゲットシステムを作成でき、何が必要かを知っている」。


これらの工場は、開栓後にウクライナが組織した「IT軍団」約25万人の助けで発展した。


ドゥビンスキーとマックスは、「常に砲撃を受けている」ため、「非常に、非常に速く」学ぶ必要があると説明した。


「ウクライナのエンジニアは攻撃を受けており、この戦争に勝つため最善を尽くしている。彼らはこの戦争に巻き込まれるのを避けようとしているのだと思う」とマックスは言った。「今になって、ロシアのテレグラム・チャンネルで、彼らがデータを収集していることがわかった」。


ウクライナが自国プラットフォームの訓練や能力向上に役立てるために、ロシアのデータセットに何らかの形でアクセスしているかとの質問に対し、副大臣とマックスは、「こちらはうまく仕事をしているとだけ言っておこう 」と答えただけだった。


ウクライナは「大企業やプロジェクト」と常に連絡を取っているが、副大臣は企業名は明言せず、システムの「特定の」要素を開発するためEUやインドの企業と話をしているとだけ述べた。「我々は一般的な情報や見解を交換できる。...大手ハイテク企業の協力と、オープンコードソリューションのいくつかの要素に感謝している」。■


Ukraine gained advantage in war against Putin with custom-built AI: 'unprecedented testing ground' | Fox News

By Peter Aitken | Fox News


2023年1月15日日曜日

ウクライナに米陸軍のストライカー戦闘車両を投入したらどうなる?イラン、アフガニスタンで鍛えられた今日のストライカーは威力を増しているが、本領を発揮できるだろうか

 


This Is What Stryker Armored Vehicles Could Bring To The Fight In Ukraine

(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)

 

ストライカーは、限界があるものの、他部隊と組み合わせれば、ウクライナで切実に必要とされる多くの能力を提供できる

 

 

2011年夏、ブラッド・デュプレシス陸軍大尉(当時)は、ストライカー大隊および旅団幹部として、イラクで部隊を率いて戦闘に参加していた。大尉は、ストライカーが爆発性貫通弾、即席爆発装置、RKGロケット推進対戦車手榴弾などの攻撃を受けながらも、生き残るのを目の当たりにした。

 10年以上経った今、アメリカはストライカーをウクライナに送る検討をしていると、国防総省高官が月曜日にThe War Zoneに話し、Politicoが最初に報じた話を確認した。ストライカーは、イラクやアフガニスタンで発生した致命的な事件から学んだ教訓をもとに、大幅改良され、生存性を高めた車両になった。

 2021年に大佐で退役し、カリフォーニア州アーウィン基地の国家訓練センターでストライカーの実戦訓練を監督していたデュプレシスは、ストライカーを手に入れることはウクライナの「勝利」になるだろう、と語った。

 「ウクライナと一対一で比較するのはためらわれる」とデュプレシスは水曜日にThe War Zoneに語った。「しかし、ストライカーはウクライナで見られる高強度紛争で、軽戦力と重戦力間のギャップを埋めるため作られた。ストライカーは、イラクで我が部隊が直面したように、ウクライナ軍が直面する脅威から機動性と保護を提供できるだろう」。

 

ストライカーはウクライナをどのように助けられるか

米国がウクライナに提供するストライカーの型式はまだ不明だが、米国が提供ずみのの高機動多目的車(HMMWV)またはハンビー1300両、M113装甲兵員輸送車300両、対人対車両(MRAP)527両から大きなアップグレードになると、元デュプレシスは述べた。

 「戦車より静かだし、特に都市部では戦車やブラッドレーが入れない場所でもストライカーなら入れる」と、The War Zoneに語った。今月初め、ジョー・バイデン大統領は、M2A2-ODSブラッドレー戦闘車50両をウクライナに移送することを承認した。

 ストライカーはまた、これまで米国が供給してきた3種類の車両のいずれよりも、優れた通信と状況認識システムを備え安全な機動性を提供すると、デュプレシスは言う。

 「すべてのデジタル・システムを使用できます。車内にいながら、光学系を使い50口径やMK19を発射できます。M113やMRAP、HUMVEEではできないことです。ブラッドレー戦闘車やエイブラムス戦車でなければできないことです」。

 

 

Troops dismount from a Stryker. (US Army)

ストライカーから降り立つ隊員たち。(米陸軍)

 

 デュプレシスは、ストライカーの限界も指摘する。

「戦車とは戦えません。戦車の火力はない。ブラッドレーの防御力もない。しかし、ストライカーがどのような役割を担っているのかを見なければならないのです」。

 ストライカーは、「歩兵部隊を視野に生産され、中心となっている」と言う。歩兵部隊を目標地点から1キロ、あるいは地形的に離れた場所に送り届ける設計されている」。

 また、「都市のような制限された環境で機動性を可能にします。歩兵の保護を可能にし、最後には歩兵分隊を車両に乗せたり、リーダーや装備や武器を搭載できます」。

 M1126 Infantry Carrier Vehicle(ICV)は、20種類近くあるバージョンの1つで、「ストライカーの基本形」とデュプレシスは言う。

 このほか、指揮官車(CV)、迫撃砲運搬車(MCV)、工兵隊車(ESV)、医療搬送車(MEV)などは、「陣形の歩兵を可能にする」。

 指揮統制、MCVの120mm迫撃砲による火力支援、機動性支援、そして医療搬送を提供するという。

 「この最後の役割で、MEVは、米国が提供するM113よりも保護された医療避難車両となります」。このような役割は、ウクライナが直面するロシアとの戦いにおいて、間違いなく大砲が戦場での最大の脅威となるため、非常に重要だ。ストライカーの速力、機動性、火砲からの保護は、ウクライナ軍にとって大きな資産となり得る。

 105mm砲を搭載した機動砲システム(MGS)型と、チューブ発射型光学追跡ワイヤー誘導ミサイル(TOW)を装備した対戦車誘導ミサイル(ATGM)型は、「どちらもロシアの戦車を撃破する能力がある」とデュプレッシは言う。

 しかし、ストライカーにはできないことがある、と言う。

 「ストライカーは迅速な部隊行動を可能にするが、大規模な作戦の一部で使用するのがベストです。ストライカー旅団を単独で都市環境に投入することはお勧めしませんが、......装甲車との複合戦力の一部として投入することは可能です」。ジャベリンのような対装甲システム。スナイパー 迫撃砲も戦車殺傷型も同様だという。

 「これは単体で使うより、連合部隊の一部で使うのがベストです。どちらのシステムもエイブラムス主力戦車の性能には及びません」。

 

105mm弾を発射するストライカー機動砲システム。 (Mark Miranda/U.S. Army)

 

 

ウクライナに送られる各システム同様に、ストライカーの整備保守にも懸念がある。

 デュプレシスによれば、ウクライナにはすでにジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)のスーパーバイソンという同様の車両があり、昨年の夏にはカナダから三十数台が提供されていたという。

 スーパーバイソンはストライカーと「ほとんど同じシステム」だ。「そのため、シャーシと部品が共通で、運用中の装備を提供することは、非常に理にかなっていると思います」。

 米国のストライカーが配備される際には、GDLSの技術専門家が数名同行し、整備を支援する。ウクライナでは、そのようなことはありえない。アメリカは、制服組であれ何であれ、地上には軍隊を置きたくないと繰り返し言っている。

 スーパーバイソンとストライカーの互換性、スーパーバイソンの技術者がウクライナ国内と国外のどちらで任務を遂行するのか、GDLSに照会中なので回答を得次第記事を追加する。

 ウクライナは「保守整備の熟練度を高めている」と、ローラ・クーパーLaura Cooper国防副次官補(ロシア・ウクライナ・ユーラシア担当)は先週の記者会見で、The War Zoneを含む記者団に語った。

 これには、「ウクライナ国内での作業と、同盟国協力国と共に構築した新しいシステムを利用し、遠隔保守を行う」ことが含まれると、クーパーは述べた。「この時点で、ウクライナは、このシステムで訓練を受ければ、成功する設定です」。

 デュプレシスは、「重要なのは、一般的なスペアパーツの備蓄を維持し、車両の状態や必要な部品を状況に応じて認識できるシステムを開発すること」と述べた。

 最大の課題は、車両そのものではなく、車が搭載するデジタルシステムの整備かもしれない、とデュプレシスは言う。また、武器庫の部品も頻繁に壊れる。

 「デジタル・コンポーネントとリモート・ウェポン・ステーションは、このシステムを操作したことがない人には、敷居が高い課題でしょう」と彼は言う。

 ストライカーは機動性を高める設計だ温が氷点下前後で変動し続けるウクライナのラスプーチッツァと呼ばれる泥濘地では、苦戦を強いられるかもしれない。

 「ストライカーは機動性を高めていますが、それは車輪付き車両である点では事実です。オフロードのぬかるみでは、それほどうまくはいきませんし、スタックする可能性もあります。凍った砂利道や地面、ひどい道などでは。まったく問題ないと思います。ただ、トラックがないので、例えばブラッドレーや戦車と違い泥濘地でうまくいかないでしょう」。

 過去には極寒がストライカーで問題だった。北極圏の環境には不向きなため、アラスカの米軍兵士は同車両をほとんど信用しておらず、戦場での操作よりも修理にはるかに多くの時間を費やした。ストライカーは極寒地ではしばしば凍結する。兵士たちはアラスカでのストライカーの性能に不満を持つようになった。

 しかしデュプレシスは、ウクライナで寒さが問題になるとは考えていない。最も激しい戦闘が行われているドネツクとルハンスクの1月の平均最低気温は、それぞれ華氏20度、18度である。これに対し、ストライカーが駐屯していたウェインライト基地のあるアラスカ州フェアバンクスの1月の平均最低気温は、華氏13度だ。

 

2022年3月22日、太平洋合同多国籍軍即応センター22-02で、ドネリー訓練場の雪道を移動する第21歩兵連隊第3大隊のストライカー車輌。(John Pennell/U.S. Army)

 

 デュプレシスは、ナショナル・トレーニング・センター(NTC)での経験からストライカーについて学んだ最大の教訓の1つは、同車両が何のために設計されたかを理解し、それに沿ってミッションを調整することだと語った。

 「これはいくら強調してもしきれません」と言う。ストライカーは、歩兵部隊の機動性、保護、通信、状況認識、50口径やMk-19による火力支援プラットフォームとして設計されています」。

 NTCで「非常にうまくいった」部隊は、「限界を認識し、敵との接触がない有利な位置に部隊を移動させ、彼らの条件で接触させるのに使用できた」部隊であった。「ストライカーを装甲部隊の前に大規模交戦に参加させなかったのです」。

 

2011年8月24日、カリフォルニア州フォート・アーウィンのナショナルトレーニングセンターでパトロールする、ワシントン州フォートルイスの第3-2ストライカー旅団戦闘チーム、第1-14騎兵医療班の米軍兵士たち。兵士たちは配備前の準備として、この訓練に参加している。 (U.S. Army photo by Spc. Hanson Mendiola)

 

ストライカーが実際にウクライナに送られるかはまだ発表されていないが、送られた場合、ウクライナ軍は国防総省がドイツに新設した機動戦訓練プログラムで訓練を受ける可能性が最も高い。国防総省の最高報道官パット・ライダー空軍准将が木曜日に記者団に語ったところによると、ブラッドレーの運用部隊は来週から同地で訓練を行う予定であるとのことだ。

 また、ブラッドレーが到着した場合、ウクライナ側がどのように配備するかは未知数だ。デュプレシスは、複数集団に分散させるのではなく、同車両を中心にした部隊を作ることを勧めている。

 ウクライナは各種武器で戦っており、「提供される車両や装備にかかわらず、ウクライナの指導者が繰り返し見せてきた軍事的有効性の重要な要素は、見事な戦場適応力と意思決定です」と言う。「とはいえ、ウクライナ軍は全部のストライカーを必要としているわけではなく、CV、RV、ICV、MCV、FSV、ATGMに備わる指揮統制、偵察、射撃支援、歩兵、対装甲能力を最大限に活用できる車両を必要としていると言えます」。

 特筆すべきは、「RVの長距離先進スカウト監視システム(LRAS3)のFLIRにより、約6マイル先の目標位置座標を確認できることです」という。

 

ストライカー偵察車。 (US Army)

 

 

さらに、将来はさらなるメリットが生まれるかもしれない。IFATDSは、戦場の多様なソースから入る情報をつなぎ合わせる安全な通信システムを提供し、HIMARSの殺傷力を高め、より優れた共通運用画像と状況認識を可能にする。

 デュプレシスによれば、このシステムにより、FSVストライカーは「ウクライナ軍の火力支援システムにリンクでき、火力ミッションの探知から目標への弾丸の投下までを迅速に処理できる」。さらに、音声またはデータで火力ミッションを処理し、変化する火力支援制御手段や優先順位を把握できるため、ウクライナの指揮官が機動支援のために火力を同調させるのに役立ちます」と述べている。

 

 

 

 

2013年2月27日、アフガニスタン・ヘルマンド州のバスティオン前方作戦基地内の練習場でストライカーを運転するチームを見る米陸軍兵士たち。 (U.S. Army photo by Sgt. Richard W. Jones Jr.)

 

 

ストライカーには利点と欠点があるが、ウクライナ軍の部隊移動能力を向上させるはずだ。ストライカー ファミリーには、最前線でロシア軍を相手にするのに役立つ可能性を秘めた型式があり、これはクリミアなどさらなる領土を解放しようとする試みには欠かせない要件となるだろう。

 

ストライカーの紹介

ストライカーは、カナダのLAV III (Light Armored Vehicle III) をベースにジェネラル・ダイナミクス・ランドシステムズが製造した8輪の全輪駆動装甲戦闘車 (ACV) で、2000年代に実戦投入された。

 ストライカーは、冷戦後の陸軍の暫定装甲車計画から生まれた。これは、重戦力の戦闘力と防御力に欠ける軽戦力と、展開に時間がかかり戦場での動きが鈍い重戦力の間の能力差を埋めるため、迅速展開できる新しい戦力を作ることに焦点を当てた取り組みだった。より機敏で柔軟な機械化構想で、当時は賛否両論があった。その結果、ストライカーが最初に就役したのは2002年で、ちょうど米国が世界的な対テロ戦争に身を投じることになった時期であった。

 ストライカーは、ブラッドレー戦闘車両やM-1エイブラムス主力戦車より軽量で高速であり、C-130含む空軍の主要貨物機3機種に搭載できる。

 ベトナム戦争での行動により授与されたSPCロバート・F・ストライカーと、第二次世界大戦での行動により授与されたPFCスチュアート・S・ストライカーという、戦死した名誉勲章受賞者2名に敬意を表し命名された。

 ストライカーは単体の車両ではなく、ファミリー構成だ。

当初のストライカー・ファミリー. (DoD)

現在運用中のストライカーのバリエーション。DOT&E

 

ストライカーには、ICV(Infantry Combat Vehicle)とMGS(Mobile Gun System)という2種類のシャシーがあるが、いわゆる「ダブルV」ハルの追加を考慮すれば、全部で18種類のストライカーが存在する。ダブルVは、アフガニスタンやイラクで地雷や簡易爆弾の爆発による被害を軽減するため設計された。

米陸軍によると、「ICV、MGS、偵察車(RV)、迫撃砲運搬車(MCV)、司令官車(CV)、射撃支援車(FSV)、工兵部隊車(ESV)、医療避難車(MEV)、対戦車誘導弾(ATGM)、車両、核生物化学偵察車(NBCRV)を含む10通りの平底タイプがある」。ICV、CV、MEV、MC、ATGM、FSV、ESVの7種類のダブルVハル(DVH)型、および30mm砲を搭載したICVプラットフォームの改良型だ。

 ロジスティックスとサステナビリティを簡素化するため、23トン車両の各型は、6気筒、350馬力のキャタピラー社製ディーゼルエンジン含む主要コンポーネントを共有し、最高時速60マイル以上を実現する。この高速性がストライカーの重要な特徴だ。

 

 

ストライカーのキャタピラー社製6気筒ディーゼルエンジンは、最高速度60mph以上を実現 (U.S. Army photo)

 

 

ICV、CV、ESV、NBCRVといった遠隔兵器システムを搭載する各バリエーションには、車内の射撃統制システムに統合されたSTORM-LRFレーザー距離計が搭載されていると、元ストライカー士官のデュプレシスは説明してくれた。このレーザー距離計は、交戦時の弾道を計算し、ス移動中に安定した射撃を行うことを可能にしてくれる。

 各型の乗組員は、近くの部隊や後続部隊に報告するため、あるいは機動するため、あるいは砲撃を要請するため、範囲内の脅威を識別できる。

 「この能力は、M113や暗視装置の光学系を大幅に改善したものです」と述べています。

 陸軍によると、ストライカーはまた、インターネットベースのコマンド、制御、通信、コンピュータ、インテリジェンス、監視および偵察(C4ISR)機能を備えたデジタルコマンドおよび制御システムを備えている。

 C-5ギャラクシーで7両、C-17グローブマスターIIなら4両I、C-130ハーキュリーズ貨物機で1両を輸送できる。

 

 

C-17グローブマスターIIIは最大4台のストライカーを搭載できる (Photo by Sgt. David Nunn)

 

 

 最も一般的なICVは、M2 .50 cal機関銃またはMK 19 40mm グレネードランチャーを装備する。後部のルーフハッチと前部のコマンダーズハッチで、搭乗したまま武器を発射できる。

 乗員は指揮官と運転手の2名で、9名の兵員を収容できる。

 MGS型は105mmライフル銃、12.7mmと7.62mm機関銃、ATGM型はTOW戦車破壊ミサイル用二筒式ランチャーと7.62mm機関銃を装備している。

 陸軍は昨年、MGSの105mm砲のオートローダーに長年の問題があったことと、ダブルV車体への近代化が行われていなかったことから、MGSのフリートを切り離した。

 しかし、一部戦車を破壊する設計のMGSは、戦車のような能力を求めているウクライナにとって非常に魅力的である可能性がある。MGSは現在は退役しており、最近ではウクライナに送られるだけでなく、残存車両はスペアパーツ供給源として利用される可能性もある。

 国防総省のDOT&Eは、MGSの任務を次のように記している。

 「ストライカー旅団戦闘チームはMGSで、壁に穴を開け、バンカーや機関銃の巣を破壊し、狙撃位置や軽装甲の脅威を撃退する。主要な武器システムは、T-62戦車までの脅威に有効な設計となっている」。

 ストライカーシステムは、長年にわたりアップグレードされてきた。

 先に述べたように、デュプレシスがイラクで旧型運用していた頃、陸軍はダブルV車体設計を取り入れた再設計を開始していた。2012年までに673台が生産され、うち450台以上がアフガニスタンに配備された。

 

TOWミサイルを発射するストライカー。(Raytheon)

 

 

2017年には、ICVの50口径機関銃より重い武器を装備したロシア装甲車に対抗するため必要な、はるかに高い火力と交戦範囲を持たせる2年間の取り組みを経て、ストライカーの新型2種が実戦投入された。

 第2騎兵連隊と同じ「ドラグーン」と呼ばれる新型は、30mmブッシュマスターキャノンを装備している。また、このデザインには、待ち伏せや地雷に強いストライカーの「ダブルV」のサスペンションや成熟した戦闘システム部品など、他のストライカーモデルの最新技術が使用されている。

 

ストライカーの更新型ドラグーンは、30mmブッシュマスター・キャノンを搭載する。 (U.S. Army photo)

 

 

2021年4月、陸軍は移動式短距離防空(M-SHORAD)搭載型を実戦配備した。2021年10月、GDLSはエピルスEpirusと、高出力マイクロ波兵器(HPM)レオニダスLeonidasを車両に統合する、ドローンザッピング・ストライカーバリアントに関する正式パートナーシップ契約を発表した。

 エピルスによると、ストライカー・レオニダスと名付けられた車両は、2022年10月に重要テストに合格し、ドローンとドローンの群れを無効化した。

 

実戦記録

イラク戦の最盛期、ストライカーは「EFPやRPGの前に非常に脆弱だった」と、2008年のサドルシティでの戦闘で車両がどのように機能したかを調べた、ウエストポイントのThe Modern War Instituteによる2019年報告書は述べている。

 ダン・バーネット中佐が指揮する第2ストライカー騎兵連隊第1中隊(1-2SCR)は「6日間で6台のストライカーを失った」と報告書に記されている。「車両が生存できないだけでなく、その車幅(特にRPGケージを装着した場合)のため幹線道路の走行が制限され、潜在的な位置が予測でき待ち伏せされやすくなっていた」。

 その結果、装甲小隊にパトロールを先導させるなど、戦術を変更した。「ストライカー車両の前に、戦車を攻撃の矢面に立たせた」のである。これは、都市環境でストライカーを効果的に使用する方法に関して、デュプレシスの発言を反映している。

 

第2歩兵師団第3旅団第5大隊-20歩兵(ストライカー旅団戦闘チーム)の兵士は2003年12月15日、イラクのサマラの安定に貢献するルート偵察、存在パトロール、民生評価、戦闘作戦を実施する。第2歩兵師団第3旅団(ストライカー旅団戦闘チーム)は、第4歩兵師団の作戦統制下にある。(Stryker Brigade Combat Team) is under the operational control of the 4th Infantry Division. (U.S. Army photo by Spc. Clinton Tarzia, Released)

 

戦車や歩兵戦闘車両は「貴重な存在だと証明したが、ストライカー車両はこの環境では物足りないのがわかった」と報告されている。「ストライカーが有用でないわけではない。ストライカーはその他地上戦闘車両と異なり、速度、機動性、輸送オプションの組み合わせが可能である。しかし、この環境における車両の「鉄の三角形」考慮事項(積載量、性能、保護)において、EFPからの保護を提供せず、都市部の地形の大部分で車幅が広すぎた」。

 Combat Studies Institute Pressによる2014年レポートでは、2009年に第17歩兵連隊第1大隊とアフガニスタンに進出したストライカーの初期段階は比較的成功したと示されている。同報告書によると、「バッファロー」のニックネームを持つ同部隊の展開初期の作戦行動テンポは、旅団のアフガニスタン派遣を正当化する以上のものであった。「アルガンダブ川流域の時間と空間を、これまでの部隊では夢だった方法で縮小させ、1-17中隊は作戦地域を一掃し敵の効果を著しく低下させたが、当初の予想よりはるかに高いコストが生まれた」。

 代償は、兵員や車両の損失として時間をかけて積み重なり、ほとんどが路側爆弾の結果であった。

 

2011年6月17日、アフガニスタンのカンダハル州で、道路脇の爆弾で負傷し、避難する際に部隊のメンバーに親指を立てる、アラスカ州フォートウェインライトに拠点を置く第25歩兵師団第1ストライカー旅団戦闘チームのショーン・ウイリアムズ兵曹(米軍)。(Photo by U.S. Navy Lt.j.g. Haraz N. Ghanbari/U.S. Navy via Getty Images)

 

しかし、先に述べたように、2011年には、装甲を強化した新型ストライカーのダブルVハル型が、爆発の衝撃から車内の兵士を遠ざけることができ、必要な仕事をこなせることが証明され始めた。

 ストライカー部隊が駐屯するルイス・マックコード統合基地を含む選挙区のワシントン州選出の有力下院議員も、この意見に同意している。

 下院軍事委員会の上級委員であるタコマ選挙区選出のアダム・スミス議員は当時、「犠牲者は大幅に減少し、これは軍や地元の軍人、ジェネラル・ダイナミクスやその従業員が非常に誇りに思うことのできる重要な成果だ」と述べてた。

 同車両に関する陸軍報告書によると、「新型ストライカーは7月、ルイスマッコードが拠点だったストライカー旅団の第25歩兵師団第1旅団アラスカ兵グループへの攻撃で、最初の主要テストに合格した。兵士たちは、過去に深刻な死傷者を出した路傍爆弾から生き延びた」。

 ストライカーは、2つの戦場で学んだ厳しい教訓の代償で、改良多数が施され、戦闘実績がある。同戦闘車両が、ウクライナの広大な平原や村や町で、その戦記に新たな章を書き加えるのを見ることになるかもしれない。

 ストライカー戦闘車両は、ロシアに直面することになっても、エイブラムスやブラッドレーと異なり、ロシアと対戦に対応する設計ではない。

 米陸軍の戦闘訓練センターでは、ロシアなどの潜在的な敵対勢力の能力を再現しているが、訓練環境以外で大規模な非反乱戦へのストライカー投入は今回が初とデュプレシスは指摘している。■


This Is What Stryker Armored Vehicles Could Bring To The Fight In Ukraine

 

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JAN 13, 2023 2:36 PM

THE WAR ZONE