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2018年5月1日火曜日

★シリアでEC-130への電子攻撃に成功したロシアの戦力整備に危惧を深める米側

内容が内容なだけに開示できない情報が多いのですが、ロシアが着実にEW能力を高めているのは確かなようです。今回はEC-130が相手でしたが、もっと大事な装備も今後対EW対策に力を配分する必要があり、もっとこわいのはEW能力がISISなど非正規戦闘員レベルまで拡散することです。シリアが各国の戦闘モデルの試験場になっていることはあきらかですね。



Russia Widens EW War, ‘Disabling’ EC-130s In Syria ロシアがEW戦能力を拡充し、シリアで米軍EC-130の「機能不全」を発生させている



EC-130コンパスコール電子戦機
By COLIN CLARKon April 24, 2018 at 6:39 PM


EC-130コンパスコースは米軍の電子戦装備の主力の一つだが、シリア付近を飛行した同機が逆に電子攻撃を受け「最も過酷なEW環境で」作動できなくなる事態が発生していたことが空軍特殊作戦軍団司令官の口から明らかになった。
「目下のところシリアでは最も過酷なEW環境になっており、敵の活動が目立つ。敵はこちらを毎日のように試しており、通信を妨害したりEC-130の機能を止めている」とレイモンド・トーマス大将が2千名を超える情報関連専門家を前に語った。
言うまでもない理由でEC-130に向けられた攻撃の内容は不明だが、ロシアがEW手段でシリア内戦でこちらの専門家も「すごい」と言うだけの結果を生んでいることはわかっている。またシリア軍が用いる装備の大部分もロシアが供与している。
「ロシア側はEW機材をこの20年で一新した」と退役陸軍大佐ロリ・モー・バックアウトがEW専門家として開設している。ロシアはジョージア攻撃の後でEW能力不足を痛感し強化を図ったのだという。「ロシアはジョージア侵攻後に巨額の予算を投入しました。その結果、攻撃能力、各種周波数でのジャミングが遠距離からも可能となりました」
今回のEC-130へのEW攻撃ではロシアのEW攻撃で可能性があるのは機内の位置航法計時(PNT)機能や通信機器を妨害することで操縦を困難にさせ、乗員は地図参照しながら目視他での操縦を迫られたのだろう。
「EC-130の問題はジャミングを行う間に乗員はほかの仕事をほとんど行えないことです」と指摘し、攻撃に脆弱だというのだ。「ロシアはPNTや通信を狙ってきたのでしょう」としロシアは「こちらの弱い点を熟知している」のだという。

米軍には解決を迫られる課題が他にもあると著名国防コンサルタントのローレン・トンプソンが指摘する。「南西アジアの敵相手に時間をたくさん使いましたが、相手は技術的には遅れており、その間にこちらは戦術電子戦の進歩に乗り遅れてしまったのです」という。バックアウトもトンプソンの指摘にはもっともな点があると認める。■

2017年12月1日金曜日

米空軍が次期電子戦機材と戦術の検討を開始


Air Force Eyes Next-Gen Electronic Warfare 次世代電子戦機の検討に入った米空軍


An EC-130H Compass Call taxis Dec. 5, 2016 at an undisclosed location in Southwest Asia. The Compass Call employs a crew of roughly a dozen Airmen working together to jam Da’esh communications. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Andrew Park)EC-130Hコンパスコールが非公表の南西アジア基地でタキシ―中。コンパスコールはISISの通信妨害などに投入されている。 (U.S. Air Force photo/Senior Airman Andrew Park)
POSTED BY: ORIANA PAWLYK NOVEMBER 28, 2017

空軍は電子戦で優勢を確保できる作戦構想の検討を始める。空軍将官が11月28日に述べた。
  1. 「次代の能力協同チームenterprise capability collaboration teamによる作業を開始しており、これをECCTと呼んでいる」と空軍参謀次長スティーブン・ウィルソン大将 Gen. Stephen Wilson が述べた。
  2. ウィルソン対象によればECCTがまず手掛けたのが航空優勢2030構想で二番目が多面的指揮統制機能だという。
  3. 「三番目に電子戦に目を向ける」とし、ワシントンDCで開催されたAssociation of Old Crows年次総会で電子戦部隊関係者の拍手を浴びた。
  4. ECCTチームは物的・非物的両面で解決策を模索し、将来の戦闘における能力不足を理解したうえで解決策を模索すべく技術面を強化する。
  5. 「この課題は長い間先送りされており、一年から15か月でチームに作業させる」(ウィルソン)
  6. ウィルソン大将の発表に先立ち航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将Gen. Mike HolmesがEWでECCT方式を活用すると先週発言していた。
  7. 空軍は電子戦能力とともに電子攻撃機材の更新を目指している。
  8. 今年9月、空軍はL3に現行のコンパスコールEC-130H機材の更新契約を更新している。
  9. 「社内解析と空軍との協議を経て、L3はガルフストリーム550空中早期警戒機を機材に使うことにした」と空軍広報アン・ステファネックAnn Stefanek は「新コンパスコールはEC-Xと呼んでいます」と述べている。
  10. EC-XはC-130改造機の後継機となる。L3テクノロジーズ(旧L3コミュニケーションズ)が単独で機体の改造並びに整備を行い、BAEシステムズがミッション装備を搭載する。
  11. ハードウェアが改良されたとしても新型EC-Xは厳しい空域で残存可能なのだろうか。ウィルソン大将は空軍が将来を見越した広範な検討をしているとしながら詳細は述べなかった。
  12. 「将来を見越して万全の機能がほしい」と航空優勢が確保できている、できていない双方の環境に言及した。
  13. 新規装備を迅速に導入して脅威に十分対応するのが空軍の課題だろう。
  14. 「古くて新しい課題である。よりよく効率的に進める点では変わらない。だが新しい課題は多方面での実効性をもとめることだ」
  15. ECCTの検討でサイバーが重要になるのかについては「まだ決まっていない」とだけウィルソンは言う。■