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2017年12月20日水曜日

ボーイングが12月19日に発表したのはMQ-25海軍向け無人給油機だった

Boeing Unveils Prototype For The Navy's MQ-25 Drone Tanker

Competition ボーイングが海軍MQ-25無人給油機競合への自社提案を発表

After teasing the reveal on social media, we finally get our first peak at the

company's clean-sheet, aircraft carrier-borne, unmanned tanker design.ソーシャルメディアでのもったいぶった発表は完全新型空母搭載無人給油機と判明


BOEING

めいたツイッター投稿で好奇心を刺激してくれたボーイングの謎の機体の正体は米海軍向けMQ-25スティングレイ無人給油機案と判明した。同社はジェネラルアトミックスに次いで同事業参画をめざす二番目の企業となった。
 2017年12月19日、ボーイングが新型無人機をファントムワークス作品として発表した。ファントムワークスは極秘機材の担当部門でロッキード・マーティンのスカンクワークスに相当する。同社はこの機体の社内呼称等を発表していない。これでMQ-25参入を表明しながら機体発表していないのはロッキード・マーティンだけとなった。MQ-25はCBARS(空母搭載空中給油システム)としても知られるが当初はUCLASS(無人空母運用空中監視攻撃機事業)だったが経緯があり変更されたもの。
 ボーイングのファントムワークスで給油機をまとめるドン・ギャディスDon Gaddisは「ボーイングは空母搭載機を海軍に90年にわたり納入しています」と述べ、「技術製造開発契約を交付いただければフライトテストを実施できる状態です」と声明文を発表した。
View image on Twitter
Revealed and ready! #BoeingMQ25 #UAS future @USNavy tanker will extend the range of combat aircraft from the flight deck to the fight!
 ボーイングによれば同機は機能状態にあるが飛行していない。地上エンジンテストに次いで艦上公試を2018年早々に行いたいという。米海軍は競合各社の作品の提示期限を2018年1月3日に定めている。
 今回公開の機体には同社が以前発表の構想図と共通点が少ない。降着装置は空母運用を想定してると分かり、ステルス性能の要求はないが、機体形状は低視認性の特徴が見られるもののステルス特化ではないようだ。また今回発表の試作機には下のUCLASS想像図と同じ絵図が使われていることに注目だ。
 ボーイング公開の写真に見られる空気取り入れ口は小さく謎が残る。視覚上の錯覚なのか意図的に小さいのか、あるいは大きな取り入れ口が別にあるのだろう
BOEING

 総合するとボーイングのMQ-25提案はジェネラルアトミックスのシーアヴェンジャー構想と類似している。後者はプレデターC/アヴェンジャー無人機を原型とする。両社案はV字型尾翼をつけ、機体背部に空気取り入れ口があることで共通している。
GENERAL ATOMICS

 ジェネラルアトミックス提案のシーアヴェンジャーは原型のプレデターC/アヴェンジャーを燃料搭載トラックに改装している。ロッキードの構想は不明だがおそらく相当の内容になるだろう。

 ボーイング機に今後のミッション追加を想定した拡張余地があるか不明で、センサー搭載機や通信中継機、少量兵装を搭載する機体などが想定される。このためには機体内部に格納スペースや開口部が必要となる。米海軍はレーダー搭載スペースは少なくとも必要としているようだ。

 その点で機首降着装置のすぐ後ろに見える腹部ベイが比較的大きいように見える。ただし大型のアクセスパネルなのかペイロード搭載用の空間になるのか判断できない。
BOEING
 主降着装置の背後にもアクセス部分またはベイがあるようだ。この空間にミッション装備を搭載できるか、兵装庫に転用できるのか不明だ。

ボーイングに詳細情報や写真の提示を求めたが、同社からは来年まではこれ以上公開する内容はないと言ってきた。ボーイングには高性能無人航空システムで過小評価された過去がある。

 同社はすでに15年以上前に半自律的かつネットワーク化された無人戦闘航空機(UCAV)を誕生させた(少なくとも公表されている範囲で)実績があり自社費用でこれを発展させていたがUSAFはまるでこの画期的な性能が存在しないかのごとくふるまっていた。MQ-25契約自体は当初こそ多大な利益をもたらさないが、受注すれば未来の航空戦闘に大きな足場を確保できる。

 だが極秘の世界で飛ぶ機体については不明のままになっていることに注目すべきだ。ロッキード・マーティンのスカンクワークスがこれまでの高性能無人機技術を応用した機体を提示してジェネラルアトミックス、ボーイングともに驚愕する事態も考えられる。 

 ボーイングのMQ-25提案やCBARS事業の進展では今後も随時お知らせする。海軍初の高性能空母搭載無人機は要求内容が引き下げられ空母航空戦力の無人機化が減速されてしまったが、今後の戦略戦術両面で大きな意味を有することは事実である。■

Contact the authors: jtrevithickpr@gmail.com and tyler@thedrive.com

2017年5月7日日曜日

★★トランプ政権になり戦闘機ビジネスで強気になったボーイングディフェンス



オーバーステアな会社ですね。悲観論から楽観論へすぐ変わりました。PCAとも呼ばれる空軍向けかF/A-XX海軍版の次期主力戦闘機のいずれかあるいは双方でボーイングが受注できるかが今後の注目点でしょう。スーパーホーネット、イーグル共にSLEPしながらあるいは追加型を投入して今後も供用が続くのではないでしょうか。

Super Hornet Block III: Boeing
Aerospace Daily & Defense Report

In Trump Era, Boeing Defense CEO Bullish On Fighters

トランプ大統領の登場で戦闘機ビジネスに強気姿勢のボーイングディフェンスCEO
May 2, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


ARLINGTON, Virginia—ドナルド・トランプ大統領による新しい状況の下でボーイング防衛部門トップが同社戦闘機に明るい将来を期待している。
  1. ボーイング防衛宇宙安全保障(BDS)の社長兼CEOリーアン・キャレットは昨年はAviation Weekに戦闘機は六つある同社主要事業ではないと語っていたが、今は戦闘機事業に大いに期待しているようだ。
  2. 「戦闘機は今後も中核事業です」とキャレットは5月2日にAviation Week編集陣にBDS本社で語った。「業界でトップに立ちたい六大事業が別にありますが、だからと言って戦闘機ビジネス撤退はありえません」
  3. 昨年6月にキャレットはボーイングが戦闘機事業を縮小する含みで発言し、本人のCEO指名は「ボーイング・ディフェンス新出発の証」と言っていた。
  4. 「戦闘機ビジネスで当社がトップを目指すと言ったら頭がおかしいといわれそうですね。現実を見つめましょう。当社はJSFで負けたのです」
  5. ボーイングの戦闘機事業は昨年は今と大違いだった。F-15、F/A-18ともに受注が見えず、セントルイスの戦闘機組立てラインは2020年までに閉鎖の見込みだった。
  6. 今や両機種とも最低でも2020年代末まで生産のめどがつき、性能改修案もあり、国際販売もクウェート、カタールで成約し、米国の新規発注も大いに可能性が見えてきた。
  7. 何が違いを生んだのか。過去11か月で世界の政治環境の変化が大きいとキャレットは説明する。従来と違う脅威の様相があらわれ、過去と違う軍装備が必要になっている。脅威内容は今後も変化していくと新政権主要関係者が認識を共有している。
  8. そこに大統領自身も含まれる。トランプは新型「ブロックIII」仕様スーパーホーネット大量発注を検討中と今年初めに述べた。「軍を大幅再建する。F-18スーパーホーネットを使い続けても問題はない」とトランプはボーイングのサウスカロライナ事業所で演説した。「大量発注を真剣に検討中だ」
  9. 一方で上下両院予算委員会は2017年の国防支出1.2兆ドルにスーパーホーネット12機の追加調達979百万ドルを認めている。
  10. キャレットは「ブロックIII」スーパーホーネット後年度調達で何をトランプ政権との協議で詳細はほとんど明かさなかったが、「適正な性能を持った適正な製品が顧客のニーズに合うのはよいこと」と述べている。「心の底では海軍がF/A-18運用を断念するとは思えません。世界情勢が変化する中で同機が必要な時が必ず来ます」
  11. キャレットはスーパーホーネットとロッキード・マーティンF-35の競合は重要視していない。当選直後のトランプがF-35中止をほのめかし、「同等の性能を有する」F/A-18調達を主張したが、キャレットは「『どちらか』の問題ではなく『ともに』供用すべき問題でしょう」とし、F/A-18とF-15が「補完的効果を」F-35に与えると強調している。
  12. 当面のボーイングは既存機種の保持、近代化に力を入れつつ、新技術に投資し次世代戦闘機開発に取り組むとキャレットは述べた。ただ米空軍が狙う次期主力戦闘機の侵攻制空戦闘機構想で同社が投入を狙う技術の詳細については言及を避けた。■