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2025年5月22日木曜日

もがみ級フリゲート7番艦「によど」就役(Naval News) — VLSを建造時から搭載した初の艦となりました。その他海外向け販売の可能性についてもご紹介

 


Japan Commissions Seventh Mogami-class Frigate Niyodo 

MHI picture




三菱重工業(MHI)が建造した「もがみ」級FFMの7番艦「によど」は引き渡し式と自衛艦旗授与式を2025年5月21日終えた。これにより同艦が、海上自衛隊に正式に就役した。

 「によど」は、広島県の呉基地に司令部を置く第12護衛隊に編入された。 もがみ級フリゲート艦の呉への配備はこれが初めて。

 最も注目すべきは、「によど」がMk41垂直発射システム(VLS)を搭載した最初の「もがみ」級フリゲートとなったことだ。同クラスの最初の6隻には、後日VLSが装備される。

 防衛省は2021年度補正予算で、「もがみ」クラスの8番艦であるJS「によど」とJS「ゆうべつ」に装備される最初の2基のVLSの取得に84億円(5800万ドル)を計上した。

 防衛省はまた、2023年度予算で、もがみクラスの残り10隻のためのMk 41 VLSとその他の装備品の取得のために、787億円(5億4400万ドル)を確保している。この10基のVLSのうち、3基が2025年度、4基が2027年度、3基が2028年度に防衛省に引き渡される予定であることが、Naval Newsが入手した防衛省の文書からわかった。

 海上自衛隊の広報担当者はNaval Newsに対し、7番艦と8番艦以降のFFMはすべて、すでに兵器システムが搭載された状態で就役することを確認した。

 日本の南西部、四国地方に位置する仁淀川にちなんで名付けられた「によど」は、2023年9月26日に三菱重工が長崎で進水させた。

 当初は、2025年3月31日に終了する2024年度に稼働する予定だった。 しかし、海上自衛隊の広報担当者によると、「によど号」の就役は、コロナウィルスのパンデミックと半導体の納入の遅れのために延期されたという。

 FFM(別名30FFM、旧称30DX)は、海上自衛隊のために設計された次世代マルチミッションフリゲートである。海上自衛隊向けには合計12隻のフリゲート艦が調達される予定である。

 このクラスの建造を担当する造船所は、長崎にある三菱重工と、岡山にある子会社の三菱重工海上システムズの2社である。

 海上自衛隊とMHIによると、コンパクトでステルス性の高い船型を備えたJS「によど」は、2022年3月に発注された契約に基づき、約474億円(3億2700万ドル)で建造された。 他のクラスと同様、3,900トン級の同船は乗組員数約90人、幅16.3メートル、船体吃水9メートル。

 2基のMAN 12V28/33D STCディーゼルエンジンと1基のロールス・ロイス製MT30ガスタービンを搭載したディーゼル・ガス複合(CODAG)推進システムにより、「もがみ」クラスの最高速力は30ノットを超える。 もがみ級は、海上自衛隊の艦船に初めてCODAGシステムが搭載されたことを意味する。

 FFMには以下のような様々な武器やシステムが搭載される:

  • BAEシステムズ社製5インチ(127mm)62口径Mk45 Mod4艦砲システム×1基

  • 日本製鋼所製12.7mm遠隔兵器システム×2基

  • Mk.41 VLS(16セル)

  • レイセオン製シーラム×1

  • 三菱重工17式地対艦誘導弾(SSM-2)4連装発射管×2基

  • 三菱電機OPY-2多機能レーダー

  • 三菱電機OAX-3EO/IRセンサー

  • 日立OQQ-11対機雷ソナー

  • NEC OQQ-25 対潜ソナー(VDS/TASS)

  • 機雷対策用UUV(三菱重工製OZZ-5)およびUSV(JMUディフェンスシステムズ製

  • 水雷戦用の爆雷


新しいFFM計画

海上自衛隊は、2024年から2028年までに12隻の新型FFMを取得する計画である。 これらの新型FFMの最初の1隻は2028年度に就役する予定であり、建造が順調に進めば、2032年度末までに12隻すべてが就役することになる。

 新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。 

 画期的な動きとして、オーストラリア政府は、オーストラリア海軍(RAN)の将来の汎用フリゲート艦を建造するため、スペインや韓国の候補者を抑えて、日本の三菱重工とドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)を最終候補に挙げた。 三菱重工はアルバニア政府に新型FFM(もがみ級改良型フリゲート)を売り込み、TKMSはMEKO A-200の設計を提案している。

 さらに、昨年11月、日本とインドは、現在「もがみ」級に使用されている先進的な統合ステルス・アンテナ・システムをインドに輸出する計画に関する実施覚書(MOI)に調印した。■


Japan Commissions Seventh Mogami-class Frigate ‘Niyodo’ 「によど」


高橋幸助

日本在住の防衛ライター。 Janes Defence Weekly、Jane's Navy International、Monch Publishingなどで執筆。 ハフポスト日本版の元編集長で、朝日新聞とブルームバーグの元スタッフライター。 1993年慶應義塾大学経済学部卒業。 朝日新聞社、ダウ・ジョーンズを経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共問題大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム修士号および国際問題修士号を取得。 1993年に朝日新聞に記者として入社する以前は、ボルチモア経済開発公社で川崎市の姉妹都市プログラムへの交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題を調査した。 1988年にはその功績によりボルチモア名誉市民権を授与された。



2025年4月16日水曜日

Mk41VLSを搭載した「もがみ」級FFMの1号艦が姿を現した(Naval News)

 



First Mogami-class FFM fitted with Mk 41 VLS

「によど」(FFM-7)で初めて搭載された16セルMk 41 VLSのクローズアップ写真。 写真提供:たもたん/Twitterユーザー @tamotaro


本は、海上自衛隊(JMSDF)が計画する「もがみ」級マルチロール・フリゲート(FFM)12隻でMk 41垂直発射システム(VLS)の搭載を開始した。

 地元の写真家でシップスポッターのたもたん(@Tamotaro)がNaval Newsに提供した新しい画像によると、三菱重工業(MHI)は、長崎造船所で、「もがみ」クラスの7番艦であるJSによど(FFM-7)に最初の16セルMk 41 VLSを搭載した。当初の予定通り艦橋前板に設置された。

 防衛省は2021年度補正予算で、「もがみ」級の8番艦であるJSによろどとJSゆうべつに搭載するVLS2基の取得に84億円を計上した。

 海上自衛隊の広報担当者が本誌に確認したところによると、7番艦と8番艦以降のFFMはすべてVLSが搭載されて就役することになる。

 これら2つのVLSセットは、2025年3月31日に終了した昨年2024年度中に防衛省に引き渡された。


First Mogami-class FFM fitted with Mk 41 VLS

長崎造船所(長崎県)での「によど」フィッティングアウト。写真提供:たもたん/Twitterユーザー @tamotaro


 「によど」は2023年9月進水し、2024年度に就役する予定だったが、スケジュールは延期され、現在は2025年度の前半に試運転が行われる予定だ。 試運転の遅れで、「によど」がVLSを試運転時に装備できるようになったのか、それともVLSを装備する必要があるために試運転が遅れているのかは定かではない。

 海上自衛隊呉地方総監部は3月7日、Mk41VLSを含む「によど」の各種機能を検証する試験を実施する民間企業を公募した。

 海上自衛隊の「もがみ」級の説明資料によると、三菱重工は当初、「もがみ」級の9番艦「JSなとり」以降のすべてのフリゲート艦に、VLSを後から搭載するのではなく、すでに搭載した状態で就役させる計画だった。しかし今回、7番艦「によど」の就役に合わせてVLS搭載を開始した。

 「なとり」は2024年6月に進水しており、2025年度中の就役を予定している。

 合計12隻の「もがみ」型FFMが建造される。また、防衛省は2023年度予算で、「もがみ」級残り10隻のMk41 VLSなどの取得に787億円を確保している。これら10基のVLSのうち、3基が2025年度、4基が2027年度、3基が2028年度に防衛省に引き渡される予定であることが、本誌が入手した防衛省文書で明らかになっている。

 三菱重工は、ロッキード・マーチンと直接商業販売契約を結び、米国政府の承認の下、Mk 41 VLSのライセンス生産と試験を行っている唯一の日本企業である。

 もがみ級フリゲート艦は、東シナ海を含む日本列島周辺海域での偵察任務を目的とした、海上自衛隊のステルス・マルチ・ミッション・フリゲートである。 海上自衛隊によると、このフリゲート艦は、これまで海上自衛隊の外洋掃海艇が行ってきた対機雷戦活動を行う能力を含む、強化されたマルチロール能力を備えている。 標準排水量3,900トン、満載排水量約5,500トン。

 もがみ級は、ヘリコプター1機と無人潜水艇(UUV)を搭載できるほか、VLSと無人水上バイク(USV)を装備する。

 海上自衛隊は当初、海軍力強化の取り組みを強化する中、合計22隻の「もがみ」型フリゲート艦を建造する計画だった。しかし、2023年度までは合計12隻にとどめ、2024年度以降に12隻の新型フリゲート艦を建造する。新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。

新型FFM計画

New FFM

新型FFM(上)と就役中のもがみ級(下)。三菱重工のビデオからのスクリーンショット。


 国防省は2024年度から2028年度にかけて、12隻の新型FFMを取得する予算配分を開始した。新型FFMの1番艦は2028年度に就役する予定で、建造が順調に進めば5年後の2032年度に12隻が就役する。

 新型フリゲート艦は基本的に、三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級の改良型となる。

 画期的な動きとして、オーストラリア政府は、オーストラリア海軍(RAN)のSEA 3000要件の一環としての将来の汎用フリゲート艦の建造について、スペインや韓国の候補者を抑え、日本の三菱重工とドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)を最終候補に挙げた。三菱重工は「新型FFM」、すなわち「もがみ」級フリゲートの改良型をオーストラリア政府に売り込んでおり、一方TKMSは「MEKO A-200」設計を提案している。

 日本には、コンパクトでスピードがあり、マルチ・ミッションをこなすステルス・フリゲートがこれまで以上に必要となっている。中国が海軍の規模と能力を拡大する中、日本は日本沿岸海域での監視任務を増やすことで、鹿児島から沖縄まで約1,200kmに及び、台湾に向かい南西に伸びる南西諸島を防衛する必要がある。また日本が支配しているが中国と台湾も領有権を主張している尖閣諸島と釣魚島が含まれている。さらにロシアは、中国が日本海やその他の場所で行う演習に海軍や空軍を派遣することが増えている。■


First Mogami-class FFM fitted with Mk 41 VLS emerges in Japan

  • Published on 11/04/2025

  • By Kosuke Takahashi


https://www.navalnews.com/naval-news/2025/04/first-mogami-class-ffm-fitted-with-mk-41-vls-emerges-in-japan/


高橋 幸助

日本在住の防衛ライター。 Janes Defence Weekly、Jane's Navy International、Monch Publishingなどで執筆。 ハフポスト日本版の元編集長で、朝日新聞とブルームバーグの元スタッフライター。1993年慶應義塾大学経済学部卒業。 朝日新聞社、ダウ・ジョーンズを経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共問題大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム修士号および国際問題修士号を取得。 1993年に朝日新聞に記者として入社する以前は、ボルチモア経済開発公社で川崎市の姉妹都市プログラムへの交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題を調査した。1988年にはその功績によりボルチモア名誉市民権を授与された。