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2024年8月18日日曜日

米空軍がE-7Aウェッジテールの先行調達契約を交付、稼働率が低下してきたE-3の後継機として期待される―日本もE-767の次の機体としてゆくゆく導入することになる?(Simple Flying)

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Graphic: Boeing


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Graphic: Northrop Grumman

  • 20240718raaf8165233_0007 - Mission Aircrew from the United States Air Force, embed into No. 2 Squadron, monitor the airspace aboard the E-7A Wedgetail during Exercise Pitch Black 24.

  • 20240723raaf8668083_0262 - A Royal Australian Air Force E-7A Wedgetail leads a formation of aircraft during Exercise Pitch Black 2024.

  • 20240717raaf8165233_0063 - An E-7A Wedgetail taxis out for its next mission during Exercise Pitch Black 24.

  • 20160809raaf8540620_0194 - An E-7A Wedgetail Airborne Early Warning and Control aircraft flies over RAAF Base Tindal during Exercise Pitch Black 2016.

  • 20240715raaf8683332_0043 - Royal Australian Air Force E-7A Wedgetail A30-002 parked on the flightline during Exercise Pitch Black 24, RAAF Base Darwin.


概要 

  • ボーイングE-7Aウェッジテールは、老朽化したE-3セントリーの後継機として、強化された能力を米空軍に提供する。 

  • 同機は、制空権に不可欠な空中移動目標指示能力を提供する。 

  • オーストラリア空軍含む同盟空軍との相互運用性も同機の重要な利点である。 


ーイングは8月9日に、米空軍(USAF)からE-7A AEW&C ウェッジテール試作機2機を25億6000万ドルで受注したと発表した。E-7AはE-3 AWACSの後継機で、米国の同盟数カ国で使用されている。 米空軍初のE-7Aウェッジテイル2機に正式に予算がついた。


E-3セントリーが毎日飛ぶには「奇跡が必要」 

 Air & Spaces Magazineによると、1977年に稼働開始したE-3セントリーについて、9月に開催された空軍協会のAir, Space & Cyberカンファレンスで、航空戦闘司令部のマーク・D・ケリー大将が「世界中で707を飛ばす校区会社がゼロなのには理由がある。1950年代の設計に基づく機体は、メンテナンスが難しい」と述べた。

 さらに、Air & Spaces Magazineによれば、E-7Aウェッジテイルは米空軍に空中移動目標表示能力を提供する。ScienceDirectによれば、これはドップラー周波数計算を利用したパルスレーダーで、地上クラッターから移動目標を識別する。米空軍にとって、信頼できる機体に搭載された最もシャープな飛行レーダーを持つことは必須条件である。  

 そのため、米空軍は新たな飛行レーダー・プラットフォームを求めてきた。ボーイングE-7Aウェッジテイル(ボーイング737-700ベースの機体)は、現在、航空警戒業務用に製造されている唯一の米国製航空機である。737-700の機体を使用しているため、就航している9,000機以上の737と類似している。さらに、ボーイングによれば、世界中にある280以上のサービスセンターと修理施設を利用できる。

 金曜日に、ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティのモビリティ、監視、爆撃機部門の副社長兼ゼネラル・マネージャー・ダン・ギリアンは、「顧客は、統合された戦域認識と戦闘管理を緊急に必要としている。E-7Aは、空を継続的にスキャンし、戦場を指揮・管理し、全領域のデータを統合して脅威に対して決定的な優位性を提供するための空域の要です。オープン・システム・アーキテクチャーのアプローチにより、脅威の進化に合わせ機能を迅速に追加することができます」と述べた。

 緊急に必要なのは、現在の米空軍の空中早期警戒管制プラットフォームである707ベースのE-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)が老朽化しているためである。さらにウェッジテイルには、空と海の両方をスキャンするノースロップ・グラマンのマルチロール電子スキャン・アレイ(MESA)レーダーが搭載される。ノースロップ・グラマンによれば、MESAは、脅威が疑われる方向に電子的にスキャンすることで、センサー範囲を拡大できる。ウェッジテイルのMESAはまた、強化された敵味方識別(IFF)装置、妨害電波に対する優れた耐性、複数のチャンネルと独立した受信機を備えている。

 ウェッジテイルへの移行を開始することで、米空軍はこれらの能力を獲得し、同盟空軍との相互運用性を高めることができる。その同盟空軍のひとつが、オーストラリア空軍(RAAF)だ。 前述したように、E-7Aウェッジテイルは、RAAFのようなアメリカ空軍のパートナーによって運用されている。この夏、ピッチブラック演習で、RAAFのは米空軍隊員を同乗させた。

 さらに、米空軍太平洋空軍の発表によると、ウェッジテイル・レーダーを操作し、演習参加者とデータを共有する組み込み空戦管理者オリバー・ンガヤン少佐は、「我々にとって、この目的は本当に、長い間E-7Aウェッジテイルを操作してきたオーストラリアからE-7Aウェッジテイルに慣れ親しませてもらうことです」と述べた。

 最終的に、米空軍はRAAF、トルコ空軍、韓国空軍で運用実績のある機体を手に入れることになる。さらに、英国王立空軍(RAF)はウェッジテイルを発注しており、NATOはウェッジテイルを欧州軍事同盟の将来のAWE&Cプラットフォームとすると決定している。 


ボトムライン 

 新CEOの就任、再設計を必要となった737 MAXのドアプラグ、国際宇宙ステーションで立ち往生した最初のCST-100スターライナーなど、ボーイングが最近公表した波乱のニュースに対し、この1週間はボーイング防衛部門にとって成功の連続であった。さらに、同社はMH-139Aグレイウルフ・マルチミッション・ヘリコプターの最初の生産機を納入した。


Boeing Awarded $2.56 Billion US Air Force Contract For E-7A Wedgetail Aircraft

By 

Joe Kunzler



https://simpleflying.com/boeing-us-air-force-contract-e-7a-wedgetail/


2023年11月17日金曜日

NATOがE-3AWACSの後継機にボーイングE-7ウェッジテイルAEW&Cの導入を決定

 老朽化したE-3の後継機としてNATOが選んだE-7ウェッジテイル・レーダー機

Concept artwork of the NATO E-7A Wedgetail AEW&C aircraft in flight.

NATO


NATOは米空軍に続き、老朽化したE-3AWACSの後継機としてE-7A Wedgetail AEW&C機を選択した


NATOの次期空中早期警戒管制(AEW&C)プラットフォームは、ボーイングE-7Aウェッジテールとなる。同機で、E-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)の老朽化に対応する。米空軍もE-7を調達しており、E-3フリートを交替する。


NATO支援調達機関(NSPA)(同盟の多国間取得、支援、維持を担当)は本日、E-7Aの6機を「取得に向けた措置を講じる」計画を発表した。これはiAFSC(Initial Alliance Future Surveillance and Control)として知られる取り組みの最初となる。NATOは米国の対外軍事販売(FMS)を通じてウェッジテイルを購入する。


ボーイング737を改造した機体をベースにしたE-7の主な任務センサーは、機体上部の大型フェアリングに搭載されるノースロップ・グラマンのマルチロール電子スキャン・アレイ(MESA)レーダーである。このレーダーには空と海の捜索モードがあり、広範な通信とデータ共有機能も装備されているため、空だけでなく海や地上の他の友好的な資産と関連情報を共有できる。


E-7のようなAEW&Cプラットフォームは、現代の空戦作戦を支援する重要なアセットで、複数の脅威を探知・追跡でき、空戦空間の特定エリアを監視することもできる。また、海上目標を追跡することもできる。さらに、E-7Aは重要な指揮統制および戦闘管理プラットフォームとして機能し、空中および下方の他の資産へのデータの流れを確保する。


E-7Aを取得する決定は、NSPAが同盟の支援パートナーシップ国とともに行った: ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、米国である。厳密な評価プロセス」の一環として、情報提供要請(RFI)と価格と入手可能性(P&A)が評価され、オーストラリア、韓国、トルコ、英国、米国の過去のE-7取得プログラムも調査された。


E-7はすでにオーストラリア、韓国、トルコで運用されている。E-7はイギリスとアメリカからも発注されているが、イギリスの調達プログラムは遅延とコスト超過に悩まされている。


この納期は、NATOの現在のE-3フリートの2035年前後の退役計画と、E-7Aの2031年の初期運用能力(IOC)達成の願望に基づく。


NSPAによると、ウェッジテイルが最有力候補と判断された理由として、"軍事用既製プラットフォームの多国間取得から派生するスケールメリット、共通性、相互運用性"がある。このような共通性の高さと他のE-7フリートとの相互運用性の見込みは、他の唯一の現実的な候補であった、ボンバルディア・グローバル6000/6500長距離ビズジェット機フレームをベースとするサーブのグローバルアイに対し、ボーイング製品が優位に立ったことは明らかである。


興味深いことに、iAFSCの取り組みは「空中監視制御能力ギャップのリスクを軽減するための初期要素」を提供すると説明されているが、ウェッジテイルは「アライアンス全体の未来監視制御(AFSC)システム能力への貢献要素のひとつ(...)」に過ぎない。


NATOはiAFSCでわずか6機のE-7Aを発注するが、より広範なAFSC構想の一環として、ウェッジテールの追加発注が行われる可能性は十分にあると思われる。結局のところ、ドイツのガイレンキルヒェン空軍基地を本拠地とするNATO空中早期警戒管制部隊(NAEW&CF)は現在16機のE-3Aを運用している。


一方、AFSCを「システム・オブ・システム」能力と表現しているのは、最終的な規模がどうであれ、E-7Aフリートをセンサーの統合ネットワークの一部として運用するという野心を指している。


NATOが本日発表したグラフィックでは、iAFSC(またはE-7A)は多面的なAFSC事業の一部として描かれており、これには搭乗員のいない空中偵察(NATOのRQ-4D Phoenix高高度長期耐久ドローンが描かれている)、宇宙ベースのISR(情報、監視、偵察)、海上ベースのISR、陸上ベースのレーダー、MILSATCOMも含まれる。またデジタル・バックボーン、コンバット・クラウドも取り上げられているが、最後のセグメントは空白のままであり、後日他のプラットフォームや能力が追加される可能性を示唆している。


宇宙ベースのアセットでさえ不死身とは言い難いが、米軍はより弾力的で脆弱性の少ない将来の分散型宇宙ベースのネットワークの可能性と、破壊されるなどして運用不能になった衛星を迅速に交換する方法をますます検討していることに注目することは重要である。


米空軍と同様、E-3やE-7タイプの航空機と同様の機能を提供できるレーダー搭載衛星の開発について、NATOがどの程度進んでいるかは不明だが、機密プログラム以外では、複数の国や民間企業が、主に撮像目的ではあるが、さまざまな宇宙ベースのレーダーを公的に運用していることに変わりはない。


興味深いことに、NATOはE-7Aを最初の6機以上購入することはもちろん、別の機種を追加することについても今のところ何も言っていないが、欧州のAEW&Cの文脈ではサーブにまだ希望があるかもしれない。


NATOがロシアに近接していること、ロシアの軍用機やドローン、ミサイルの動きを監視する必要があることを念頭に置くと、欧州作戦地域特有の要求から、ウェッジテイルのようなAEW&Cアセットが特に貴重なものとなっている。これは近年、より大きな問題となっているが、ヨーロッパにおける日常的な空域監視のニーズは冷戦時代から存在している。■



E-7 Wedgetail Radar Jet Chosen By NATO To Replace Aging E-3

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED NOV 15, 2023 1:08 PM EST


2023年3月2日木曜日

E-3後継機としてE-7の製造契約を米空軍がボーイングに交付。就役は2027年予定。

 


U.S. Air Force


米空軍は、E-7Aウェッジテイル・レーダー機でまず2機の製造をボーイングと契約した



ーイングは、米空軍の次期空中早期警戒管制機(AEW&C)の開発に着手し、E-7ウェッジテイル・レーダー機の派生型を開発する契約を締結する。空軍は、31機ある707ベースのE-3 Sentry Airborne Warning And Control System (AWACS)の一部をE-7で置き換える予定だ。E-3各機は作戦準備のレベルを反映する空軍の指標である任務遂行率の低迷に悩まされている。

 ボーイングによると、12億ドルを超えない契約のもと、「E-7 空中早期警戒管制機(AEW&C)の米国向け新型機2機種の開発を開始する」そうだ。ここでは2つ異なるバージョンが開発されているような表現だが、実際には、米空軍標準のE-7を同じ仕様で製造した最初の2機が、運用に入る前に「生産代表試作機」として使用されることを指す。



アメリカ空軍塗装のE-7Aウェッジテールのコンセプトアートワーク。U.S. Air Force



「ラピッドプロトタイピングプログラムは、DAF(空軍省)の要求を満たすため、米国ベースのミッションシステムを機体に統合すると同時に、E-7Aを運用中の連合国や同盟国のとの相互運用性を確保する」と、空軍は声明で述べている。

 ボーイングはメディアリリースで、E-7は「最も困難な作戦環境でマルチドメイン認識を実現する、完全統合され、戦闘実績のある、柔軟なコマンド・コントロール・ノードを提供する」と述べている。E-7は、「オープンシステムアーキテクチャとアジャイルソフトウェア設計により、航空機の能力を進化させ、将来の脅威を先取りできます」と述べてる。

 ボーイングのE-7プログラム副社長兼ゼネラル・マネージャーのステュー・ボボリルは、「E-7は実績あるプラットフォーム」と述べている。「E-7は、米空軍の空中早期警戒管制の要件を短期間で満たすことができる唯一の先進的な航空機で、統合作戦の実施を可能にするものです」。


2022年1月20日、レッドフラッグ22-1のためにネリス空軍基地(ネバダ州)に着陸するオーストラリア空軍のE-7Aウェッジテイル。U.S. Air Force/William R. Lewis



今回の契約は、空軍がE-7を「老朽化してきたE-3の代替に必要な期間内に、国防省の戦術的戦闘管理、指揮統制、移動目標指示能力の要件を満たすことができる唯一のプラットフォーム」と判断して、期待されていたものだった。これは、空軍関係者を含め、ウェッジテール購入でさかんに議論されていたのをうけてのことだ。

 2022年4月のウェッジテイル調達決定は、その前の2月に空軍がE-3一部の後継機を探していることを正式発表した後だった。E-7の唯一の競合機はサーブのビズジェット機「グローバルアイ」で不採用となった。

 E-7の目玉は、ノースロップ・グラマンMESA(Multi-Role Electronically Scanned Array)センサーで、空中と海上の脅威を同時に360度カバーできる。E-3が採用している機械走査式レーダーより、少なくとも1世代進んだ電子走査式技術だ。

 空軍の2023年度予算要求によると、MESAの利点は「最新の電子スキャンアレイセンサーを有人プラットフォームに統合することによるキルチェーン効果の向上、信頼性/可用性の向上、運用コストの削減」という。電子スキャンアレイは、レーダービームのステアリング、セクターステアリング、ターゲット再訪問速度の高速化が可能で、E-3AWACSの機械スキャンレーダーでは不可能な、より強固な電子保護と現代の脅威の検出・追跡を可能にするとある。

 E-7は、長距離で各種目標を探知・追跡するだけでなく、先進的な戦闘管理システム(ABMS)機能を提供する。これは、中国など敵対国との将来の紛争において、より効果的な長距離「キルチェーン」を提供するペンタゴンの野心に欠かせない機能です。

 E-7はまた、確立ずみサプライチェーンの恩恵を受け、空軍は、E-3と比較して、メンテナンスおよびロジスティクス費用を大幅削減し、より健全な任務遂行能力が確保できると期待している。E-7は737-700 Next Generation(NG)をベースにしており、ボーイングは737 NGの商業生産を2020年に終了したものの、E-7や米海軍のP-8ポセイドンなど軍事派生機の顧客向けに生産を続けている。

 E-7はすでにオーストラリア、韓国、トルコの3カ国が運航しているため、認証プロセスが簡素化され、一部の主要同盟国との相互運用性も確保されることになる。また、E-7はイギリスも発注しており、作業は現在順調に進んでいる。

 アメリカ空軍向けの新型E-7については、2025年に生産を開始し、2027年までに最初の機体が運用を開始する予定と発表が出ている。空軍は、契約の対象となる最初の2機と同様に、2032年までにさらに24機のE-7を購入する計画だが、合計数は今後数年間の資金調達次第で決まる。

 E-7が就役するまで、現在のE-3フリートは継続的なアップグレードプログラムで生き延びなければならないが、一部であっても機体の代替は非常に歓迎される。

 Defense Newsによると、空軍のE-3の40%から45%が、最新の数字である2021年には飛行不能状態だった。最新のE-3Gの任務遂行率は、2020年の70.7%から2021年には60.7%へと10ポイント低下している。一方、E-3Bの任務遂行可能率は同期間に65.8%から55.8%に低下している。



2022年3月22日、アラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地で、牽引されるE-3 AWACSを監視する第962航空整備隊所属の米空軍兵。 U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Andrew Britten



 1970年代後半に最初のバージョンが就役したE-3セントリーでは、生産終了して長いTF33エンジンを搭載したボーイング707の機体を使用しており、このことも稼働率低下の一因となっている。

 E-7が必要なのは、E-3後継機としてだけでなく、空軍と国防総省の監視・戦闘管理能力を抜本的に見直すためであることは明らかだ。実際、空軍は次期E-7を「すべての空中活動を探知、識別、追跡し、統合軍司令官に報告する主要な空中センサー」として機能させると述べている。

 しかし、長期的には、空軍は、空中監視と地上移動目標指示(GMTI)任務の両方に宇宙ベース資産を使用する考えを受け入れつつある。一方、E-7は、アメリカ空軍の空中早期警戒管制部隊の基幹となるべく、良いポジションについているようだ。■


Air Force Orders First E-7 Jets To Replace Aging E-3 Sentry

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED MAR 1, 2023 3:02 PM

THE WAR ZONE

https://www.thedrive.com/the-war-zone/air-force-orders-first-e-7-jets-to-replace-aging-e-3-sentry