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2025年6月13日金曜日

ジェネラル・アトミクスが東アジアでUAV拡販を模索中(Naval News) ― MQ-9のSTOL型が焦点で、海自、海保での実績を基に同社はさらに営業をかける姿勢です

 


DSEIジャパン2025で、GA-ASIは日本の空母JSいずもから運航するMQ-9B STOL無人航空機の画像を大きく展示していた。写真:Gordon Arthur


本、韓国、台湾含む東アジアは、ジェネラル・アトミクスエイビエーションシステムズ(GA-ASI)にとって、重要な市場だ。同社の無人航空機の短距離離着陸バージョンは、大型ヘリ空母を運用する日本と韓国に適していると考えている。

 5月21日から23日まで千葉で開催されたDSEIジャパンで、GA-ASI関係者は本誌取材に応じ、日本がMQ-9Bシーガーディアン中高度・長時間耐久型無人航空機(UAV)の保有数を拡大していることから、日本市場の重要性に触れた。

 2022年10月に初飛行を行った海上保安庁は、MQ-9Bをリースしている。同機は本州北部の海上自衛隊八戸航空基地で運用されているGA-ASIは同機の操縦や整備を含む完全なリースサービスを海上保安庁に提供している。

 2024年8月、海上保安庁は2機のMQ-9Bを購入することが発表され、うちの1機はリース機体となる。 GA-ASIは、予算が確保されれば同庁よりさらに多くの機体発注を見込んでいる。

 海上保安庁はまた、同機を北九州に移転する予定だ。 さらに、海上保安庁は、GA-ASI社員が引き続き航空機を操縦するものの、任務計画や整備など、より多くの責任を負うようになる。

 海上自衛隊については、2023年5月9日に飛行運用試験を開始したシーガーディアン1機をリース中だ。 この機体も八戸で運用されている。重要なのは、海上自衛隊が現在23機のシーガーディアンを購入し、2032年度までに全機が引き渡されることだ。

 以前のリースは期限切れとなり、最初の新機材の引き渡しは2028年度となるため、GA-ASIと防衛省は暫定リースで能力ギャップを埋める可能性を協議している。海上保安庁と海上自衛隊の例の唯一の違いは、後者が対潜水艦戦能力を持つことである。日本のシーガーディアンはソノブイを投下することはできないが、ソノブイのデータを処理することはできる。

 GA-ASIは、そのUAVは、人員と採用の問題に苦しんでいる日本軍にとって理想的であると述べた。日本は世界第6位の規模のEEZを有しており、シーガーディアンは捜索救助、災害対応、海域認識、漁業監視に使用されている。

 DSEIジャパン2025でGA-ASIは、MQ-9B STOL UAVを搭載したいずも級ヘリコプター空母のCG画像を展示した。これはMQ-9Bの短距離離着陸バージョンで、よりずんぐりした翼と改良された尾翼を持つ。 同社は、海上自衛隊の大型フラットトップ艦が、ヘリコプターやF-35Bと一緒にSTOLバージョンを運用できると期待している。

 MQ-9Bはまだ製造されていないが、新しい翼と尾翼を備えたキットとして設計されている。つまり、MQ-9Bの従来型は、すぐにSTOL型に変形できるということだ。同社の広報担当は、STOL型は顧客から大きな注目を集めていると述べた。

 韓国も同社のSTOL UAVの潜在的な顧客である。 しかし、大韓民国海軍(ROKN)は現在、MQ-1Cグレイ・イーグルSTOL(別名モハーベ)に関心を寄せており、2024年11月12日にROKSドクトから発艦するデモンストレーションが行われた。

 このデモンストレーションはハンファ・エアロスペースと共同で行われ、グレイ・イーグルはその後浦項に着陸した。GA-ASIは当時、"韓国軍とのテストは、航空機の能力と汎用性をさらに検証するものである "と述べていた。

 GA-ASIのリンデン・ブルー最高経営責任者(CEO)は、次のようにコメントしている。「当社は、GE STOLのユニークな能力をその艦隊のために検討した韓国海軍の先見性に拍手を送ります。今回のデモンストレーションは、GE STOLが多くの種類の航空機搭載可能な艦船で安全に運用できることを示すものであり、同盟国がこのUASを使用して多領域にわたる海軍作戦を支援する新しい方法を無数に開くものです」。

 韓国海軍がF-35Bを搭載したCVX軽空母の計画を断念したと宣言したことで、グレイ・イーグルSTOLの適用可能性はさらに鋭く焦点となっている。代わりに、韓国海軍は多目的の有人・無人戦力指揮艦を望んでいる。 この新しい艦船はUAVを搭載する予定で、そのコンセプト・デザインはHD現代重工業が担当する。


韓国でのデモンストレーションで、2024年11月にドクトから発艦したグレイ・イーグルSTOL(別名モハーベ)。 GA-ASI。


2025年4月8日、GA-ASIはハンファと共同投資と新たなUAV事業機会の追求に関する意向書に署名した。 ハンファはGray Eagle STOLおよびUAVエンジンの開発・生産設備に2億350万米ドル以上を投資する。

 ROKNの関心に加え、GA-ASIは、台湾陸軍もGray Eagle STOLの潜在的な顧客だと考えている。

 台湾はMQ-9Bのもう一つの東アジア市場で、台湾は4機を発注している。2機のスカイガーディアンの最初の契約は2023年5月1日に締結され、2機目のブレスは2024年3月11日に発注された。 これらは2026年から27年にかけて納入される予定だ。

 この地域以外では、インドが8年間にわたる長期にわたる交渉の末、2024年10月中旬にMQ-9Bシーガーディアン15機とスカイガーディアン16機を38億米ドルで発注した。これらはインドの3軍で使用される。 この契約により、インドは世界最大のMQ-9Bユーザーとなる。

 最後に、ニュージーランドが最近発表した防衛能力計画では、海上領域認識のための無人システムが強調されており、GA-ASIはニュージーランドとの可能性を熱心に議論している。■


General Atomics targets East Asia – and its helicopter carriers – with its UAVs


ゴードン・アーサー

スコットランド出身のゴードン・アーサーは、アジア太平洋地域の取材を専門とするフリーランスの防衛フォトジャーナリスト。香港に20年住んだ後、現在はニュージーランドを拠点に活動している。これまでに国際的な防衛専門誌や雑誌60以上に作品が掲載されている。



2023年10月8日日曜日

米空軍、鹿屋基地のリーパー飛行隊を嘉手納基地に南下させる。 尖閣諸島など日中のホット・ゾーンの偵察観測に投入か。

 An MQ-9 Reaper of the 319th Expeditionary Reconnaissance Squadron taxis before a demonstration flight at Kanoya Air Base, Japan, on Nov. 5, 2022.


An MQ-9 Reaper of the 319th Expeditionary Reconnaissance Squadron taxis before a demonstration flight at Kanoya Air Base, Japan, on Nov. 5, 2022. (Christopher Broome/U.S. Air Force)



京西部にある横田基地の広報担当によると、米空軍のMQ-9リーパー無人偵察機の飛行中隊が九州から沖縄に移動中だ。

新たに編成された第319遠征偵察飛行隊のリーパー8機と150人以上の隊員は、九州の南端に近い海上自衛隊鹿屋航空基地への1年間の配備を終えた。

「米太平洋空軍は、海上自衛隊鹿屋航空基地から嘉手納基地へMQ-9と米軍要員を移動させる」と、第374空輸航空団のスポークスマン、ダニー・ランジェル中尉は金曜日夕方、電子メールで述べた。

沖縄の嘉手納基地へ向かう航空機は、日本の防衛省と連携して空中偵察を行う、と彼は言った。

安全上の理由から、空軍は人員と航空機の移動日を公表していない、とランジェル中尉は述べた。「この配備に関して日本政府と緊密に調整を続ける」。

防衛省のスポークスマンは金曜日に、来週、移転に関する質問に答えることができると述べた。中国の軍備増強と台湾侵攻の脅威を懸念する日本は、南の島嶼部における防衛力を強化している。

日中両国の沿岸警備隊は、沖縄の西280マイルにある5つの無人島と3つの岩からなる尖閣諸島で頻繁に衝突している。尖閣諸島は日本が管轄しているが、台湾と中国は釣魚島と呼んでいる。

元海兵隊大佐で、日本戦略研究フォーラムの上級研究員グラント・ニューシャムによれば、通常、軍事力は作戦地域に近い場所に拠点を置く方が良い。リーパーは日本のはるか南で活動できると、彼は金曜日にEメールで語った。

「沖縄で活動することには政治的なメリットがある」とニューシャム。この動きは、日本政府が沖縄の反米グループの批判を吸収することを望んでいることを示唆している、と彼は言った。

「反対派は東京が沖縄の "負担 "を増やし、沖縄をさらに標的にし、さらに軍事化すると非難するでしょう」とニューシャムは言う。

太平洋空軍は、リーパーを中高度・長時間滞空可能の遠隔操縦機と説明している。空軍によれば、同機は主に偵察用だが、ヘルファイアミサイルやペーブウェイ・レーザー誘導爆弾などの武器を搭載することができる。

鹿屋市のウェブサイトに掲載の防衛省文書によると、同無人機は「監視用に設定されており、武器を装備することはできない」とある。

リーパーはサンディエゴのジェネラル・アトミクス製で、兵装3,000ポンドを搭載できる。2007年に初めてアフガニスタンで戦闘を行い、翌年にはイラクで戦闘を行った。アメリカは中東とアフリカ全域でのミッション多数に同機を使用してきた。

空軍は2014年にRQ-4グローバルホーク偵察機を北日本の三沢基地に配備し始め、近年は横田基地から飛行させている。海軍は昨年、三沢にMQ-4Cトライトン海上偵察機を配備し、昨年は広島の南にある海兵隊岩国航空基地に配備している。■

Air Force moving Reaper squadron in Japan south to Okinawa | Stars and Stripes

By SETH ROBSON

STARS AND STRIPES • October 6, 2023


2022年7月21日木曜日

ルーマニア事故で見つかったリーパー用ポッドが関心を呼んでいる。無人機用に極秘で各種ポッドが開発されている。対ロシアISRに関連

  Mysterious Pod Carried By Air Force Reaper Drone That Crashed In Romania

via Twitter. screen capture via Twitter


 

ルーマニアで墜落したMQ-9で、シリアで墜落したリーパーが搭載していたのと同様のポッドが見つかった。

 

週ルーマニアで墜落した米空軍の無人機MQ-9リーパーは、2年前にシリアで墜落した別の無人機の主翼下にあったものと類似していると思われるポッドを搭載していた。このポッドは今も謎のままだ。

 問題のMQ-9は7月14日、ルーマニア空軍の第71航空基地(Campia Turzii)から南約3キロの畑に激突した。空軍は同事故を確認し、調査中と述べているが、原因や経緯は依然明らかではない。

 その後、MQ-9の残骸を回収し、撤去する作業を撮影した海外メディア画像がソーシャルメディアに登場し、リーパーがパイロンにやや箱型のポッドを搭載していたことが明らかになりった。Twitterのオープンソース情報愛好家たちは、ルーマニア墜落事故のポッドと2020年のシリア墜落事故のポッドの類似性にすぐ気づいた。後者では、リーパー2機が空中衝突後に墜落したと伝えられている。

 近年、MQ-9用ポッドシステムの開発がさかんで、製造元ジェネラル・アトミックス含む各社が、将来のハイエンド紛争における無人機の有効性を確保する努力を展開しているが、今回のポッドは識別できない。

 

 

ジェネラル・アトミックスがリーパー用オプションで提供するポッド型システム、または同無人機への統合を進めるポッド型システムの一部。General Atomics

 

L3HarrisScalable Open Architecture Reconnaissance(SOAR)ポッドやSledgehammer電子戦ポッドなど、パイロン搭載型のリーパー向けポッドシステムが多数公表されている。また、スペインのSENERグループによる、情報、監視、偵察(ISR)センサーペイロードを搭載するよう構成可能なモジュール設計のNATOポッドもある。

 

 

左から、SOARポッド、スレッジハンマーポッドのレンダリング、NATOポッド。L3Harris/General Atomics/SENER Group

 

今回のポッドは、過去にアメリカ空軍と契約してポーランド基地から飛行していたジェネラル・アトミックスの社有リーパーが搭載したSOARポッドと形状がやや似ている。しかし、SOAR、スレッジハンマー、NATOポッドはいずれもルーマニアやシリアの墜落事故の残骸に見られたポッドと比較すると前端が短いように見える。

 また、ルーマニア事件で回収されたポッドのフロントエンドでは上部に3本の明確なパネル線が見える。SOARにその構造がなく左右に非常に特徴的なパネルがあるが、今回のポッドにはないようだ。

 

 

7月14日にルーマニアで墜落した死神に搭載されていたポッドの前端をクローズアップ screen capture via Twitter

 

 

SOARポッド前面のクローズアップ。 L3Harris

 

今回のポッドは、米空軍のモジュール式多目的設計であるAgilePodまたはUltra Groupの Rosetta Echo Advanced Payloads(REAP)ポッドのバリエーションである可能性が指摘されているが、これら2つのシステムでは統合パイロンを特徴としていない。同じことは、アジャイル・コンドル製の人工知能駆動型照準ポッドにも当てはまるが、これも今回見られるものより著しく小さい。さらに、ルーマニアやシリアの墜落事故の残骸に見られるポッドと、パネルラインが異なっている。

 

 

An AgilePod. AdamWorks, Inc.

 

 

REAP ポッドがMQ-9に搭載されている. General Atomics

 

もちろん、未知のパイロン一体型のAgilePodやREAP、あるいは同様のデザインのバージョンが存在する可能性はある。また、MQ-9やその前身MQ-1プレデターには、空軍や中央情報局(CIA)など、アメリカ政府機関が採用した機密ポッドシステムが数多くある。ネバダ州のユッカドライ湖の秘密滑走路は、エナジー省のネバダ国家安全保障サイトのエリア6内にあり、CIAと協力し、長年にわたりリーパーと同サイズの無人機に独自センサーやその他のペイロードを搭載する改造テストを展開している。

 これらの機密ポッドの多くは、見通し外通信(BLOS)中継およびデータ共有機能を提供すると知られており、無人機は、長距離の任務中に、画像他の情報を指揮統制センターに直接提供できる。また、無線や携帯電話などの通信を検知して位置特定し、テロリストや過激派への標的攻撃を支援する目的で設計されたものもある。

 ポッド型通信とデータ共有、ジオロケーション機能は、2020年のシリア墜落では確かに意味があった。墜落事故が起きたシリア西端での米MQ-9は、アルカイダ関連団体のメンバーやその他テロリスト集団への標的攻撃の監視と実施に関連していた。ポッドには、信号情報システム、合成開口撮影機能付き小型レーダーなど、センサーシステムが搭載されていた可能性もある。

 ルーマニアで墜落したリーパーについての情報は限られており、やや矛盾しているため、今回の事件からポッドについて手がかりを得ることは困難だ。地元テレビ局ニュースネットワークDigi24によると、7月14日の無人が墜落の後、ルーマニアのヴァシレ・ディンク国防相が訓練に参加していたとある。しかし、同地域の米空軍最高司令部である在ヨーロッパ米空軍(USAFE)はOvert Defenseに対し、「同地域での作戦を支援する通常任務を遂行していた」とだけ述べている。

 またOvert Defenseによると、USAFEはMQ-9はイタリアのアヴィアノ基地にある第31戦闘航空団の所属で、2021年1月にルーマニアの第71航空基地に立ち上がった第31遠征作戦群第1分隊の所属と述べている。空軍はその2カ月後に、同基地に第31遠征作戦群隷下の第731遠征攻撃飛行隊を設置したため、このこと自体が注目される。

 「ISR能力を発揮することに加え、MQ-9はアジャイル戦闘コンセプトを支援し、機動部隊の自由を守り、地域の共同および連合軍と統合する」と、空軍は第1分隊にこの地域で期待される任務について述べている。「また、MQ-9は同盟国やパートナー国との相互運用性を確保するための演習に参加することができる。新たに活動する飛行隊はMQ-9機と飛行士を含み、その他米空軍資産と協力しながら支配的で持続的な攻撃と偵察能力を提供する責任を負う」と、第731遠征攻撃飛行隊について、その部隊を立ち上げたときに述べている。

 先週ルーマニアで墜落したMQ-9は、演習か訓練に参加していた可能性が高い。ロシアが2月にウクライナ全面侵攻を開始する前から、米軍はNATO加盟国である同国でプレゼンス強化に着手していた。ロシアのさらなる侵略を抑止するために、同盟全体の戦力態勢は強固になった。その結果、加盟国軍間の訓練も増えている。

 同時に、米国はじめNATOのISR機材は、有人・無人を問わず、ロシアとの国境付近や黒海周辺を定期的に飛行している。米空軍MQ-9がどの程度貢献しているかは不明だが、関与しているのは事実だ。1月には、イタリアのシゴネラ海軍航空基地から黒海を飛行中のリーパーがオンラインで追跡されていた。

 さらに、米国政府がウクライナ側に対して、各種情報を提供していることはよく知られている。4月に起きたロシア海軍巡洋艦モスクワの撃破の一因となった黒海でのロシア艦船の動きも含まれているという。

 ルーマニアに墜落したMQ-9が当時何をしていたのか、搭載していたポッドの正確な目的は何だったのか、すべてにおいて確実なことは不明だ。しかし、シリア上空で標的攻撃作戦に使用されていたと思われる極秘システムを搭載したリーパーが、ロシアとNATOの緊張が非常に高まるこの時期に黒海地域を飛行するのを目撃されたのは、興味深い。■

 

Mysterious Pod Carried By Air Force Reaper Drone That Crashed In Romania

BYJOSEPH TREVITHICKJUL 20, 2022 12:36 PM

THE WAR ZONE


2020年3月2日月曜日

米空軍がMQ-9リーパー調達を終了する背景

米空軍がMQ-9リーパー調達を突如終了し、新型無人機調達に切り替えか
これまでジェネラルアトミックスが米無人機生産の中心だったが、戦術面の現実の前にこれも変わりそうだ。

第432航空団所属のMQ-9 リーパーと運行に当たる隊員がネヴァダの夕日の中に立つ。432ND WING PUBLIC AFFAIRS—PUBLIC DOMAIN


空軍の2021年度予算要求でMQ-9リーパー無人機の最終購入24機が盛り込まれている。これまで生産はまだ5年は続くと見られており、363機のMQ-9調達になると予想されていた。突然の変更には深い意味がある。まず、メーカーのジェネラルアトミックスには急な話でありとても歓迎できない話だ。二番目に空軍もやっと無人戦闘航空機の残存性に優先順位を認めたということだ。超大国間の戦闘で無人機にも大きな役割を期待される。 

MQ-9の生産継続に黄色信号がついたのをAir Force Magazineが2020年2月26日に伝えており、ジェネラルアトミックス副社長クリス・パーソンが同社の状況に触れていた。

「突然の生産ライン閉鎖ですが次への展望がないまま、情報偵察部門にも混乱が生まれます。この影響はゆくゆく戦闘の第一線に現れますよ。この機体は訓練用じゃないんです....当社は納入の22ヶ月前からリードタイムの長い部品を手当してるんです....衛星受信機やエンジンとか....政府にも最適価格を提供してきたんです」

サプライチェーンに投資する中で突然はしごを外された格好...生産画境中止になればすぐ影響が出ますよ。雇用にも。解雇やレイオフとなれば新機種を生産しようとしても必要な技能職がすぐ見つからなくなります」

ジェネラルアトミクスにはとても郎報といえない。同社にはリーパー派生型のスカイガーディアン事業もあり、通常の航空交通の中を飛び、40時間連続飛行や高度50千フィートまでの運用性能がある。だが、リーパー生産ラインが閉鎖されれば空軍の遠隔操縦機調達での同社の独壇場も終わりを告げることになる。MQ-9は空軍の戦闘用無人機部隊で中心的存在だ。


GENERAL ATOMICS
スカイガーディアン


また同社はエル・ミラージュに巨大な新設備を完工したばかりだ。新施設には120千平方フィートの大格納庫があり、スカイガーディアン事業のために建設したといわれるが、それだけでは大きすぎる規模だ。


GOOGLE EARTH
ジェネラルアトミックスのエルミラージュ施設。2018年撮影。巨大施設が同社事業所の東端に建設された。
PHOTO © 2020 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION


スカイガーディアンを現時点で発注しているのは英国空軍とベルギーで、オーストラリア空軍も導入の意向ありといわれ、その他数カ国も関心を示している。
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MQ-9では米海軍が2020年度予算で海兵隊向けに2機調達したのがめだち、2021年度にも3機を導入する予定だった。

同時に空軍は委託業者によるオービット、つまり無人機による常時上空飛行の回数も減らす。無人機4機と運用チームによるオービットは現行の70が60に減らされる。


USAF
ジェネラルアトミックス保有の MQ-9が米空軍向け委託事業でポーランドのミロスラヴィエック 航空基地滑走路をタキシー中。2019年3月撮影。

米陸軍向けMQ-1Cグレイイーグルもプレデター・リーパーファミリーの一部で同じく生産が終わりに向かっている。陸軍の調達は2020年度でわずか9機、2021年度はゼロだ。

MQ-9は米国税関国境防備隊も使っており、ジェネラルアトミックスが同機につけたプレデターBの名称をそのまま使っている。NASAでは科学調査用途に二機を運用している。Air Force Magazineでは同社は小口需要にはスカイガーディアンに変更してもらい、1機種の生産に集中することで性能、価格面で効果が生まれると希望しているとのことだ。

今回の米空軍の動きの背景には互角の戦力を有する相手との戦いで機材には十分な残存性が必要と判断していることがある。MQ-9は高性能無人機で兵器「トラック」になるが、低速で、敵防空体制の前に脆弱と指摘されてきた。非国家勢力が相手の場合でも同様だ。

MQ-9に残存性をもっと与えようと空対空ミサイル、電子戦装備、対地攻撃手段まで搭載する案が検討されてきたが、これらを搭載したところで、大国同士の戦闘では同機の性能に限定がつく。 


読者の皆さんはもうご存知だろうが、空軍は自律性能に優れ、高速飛行しながら探知されにくい戦闘無人航空機(UCAVs)の調達を2000年代初期からめざしている。だがステルスUCAVの構想そのものが最初からなかったようにも見える。

構想が極秘のうちに結果を生んでいるのか、中途放棄されたのかは不明だが、いずれにせよ未だに姿を見せていないのは米国の安全保障に大きな影響が出ていることを意味する。


BOEING
ボーイングX-45Cが当初大いに期待されながら採用されなかったのは、別の極秘機の性能がさらに先を行っているため、あるいは空軍がそもそも開発を取り消したためか。

米国の敵陣営も技術開発を続けている。地政学の要因と戦闘の様相が変化していることから空軍もついに残存性が高い戦闘無人機の開発に乗り出すことにしたようだ。ジェネラルアトミックスもこの変化に気づいており、次世代機の開発に乗り出しているようだ。

「MQ-9が現時点の機材なら、次世代機はもっと厳しい空域でも生き残れる機体にないrますよ。まだ正式要求はでていませんが、当然でてくると予測して手をうつことになります」とパーソンも語る。

Air Force Magazineによればパーソンは新型機構想があるのか明白に述べていないが、同社のQ-11つまりプレデターC別名アベンジャーより新しい構想になると述べている。


GENERAL ATOMICS
プレデターA、B、Cの各型。それぞれ、プレデター、リーパー、アヴェンジャーの名称もつく。 

アヴェンジャーは2009年初飛行しており、機体サイズが大型化しながら低視認性(ステルス)も兼ねそなているが、大口顧客の関心を集めていない。数機がアフガニスタンやシリアに投入されている。その際の評価は不明だが、残存性の高さが有効に活用された作戦があったようだ。

Q-11の運用面は極秘情報扱いだ。一部機材が中央情報局関連で運用されているようだ。アヴェンジャーの性能でも優秀な装備を運用する互角戦力を持った超大国相手では不足するので、ジェネラルアトミックスはアヴェンジャーを大幅に超えた新型機を登場させるようだ。

他方で消耗品扱いを覚悟すれば安価に調達できそうだ。低価格には魅力があるが、それでもある程度残存性があるのなら有人機との共同作戦に投入できそうだ。有人機を高高度高速飛行可能で長距離をカバーする兵装とセンサーの「トラック」にする。同社が次回に提示する新型機がこのすきま解決手段となるかもしれない。



USAF
重武装したMQ-9 が海外で運用されている。

ジェネラルアトミックスは海軍向けのMQ-25空母運用空中給油機(CBARS) の受注を逃したが、これまでの主力製品の調達をDoDが中止すれば、再度この分野の事業を立て直す必要がが出てくる。遠隔操縦機による戦闘作戦は同社が作ったと言っても過言ではない。このまま競合他社を前にしながら同社が姿を消すとはとても思えない。ロッキード・マーティンクレイトス他はこの機会を逃さないだろう。そこで同社が建設したエル・ミラージュ施設で機密性の高い事業が展開されるのではないか。

空軍がリーパー調達を打ち切りたいとしても議会承認が必要な点が重要だ。MQ-9各機は今後数十年にわたり重要な任務につく。

いずれにせよ、空軍の遠隔操縦機の重要な機種で生産が終わるというのはステルス無人航空機ほか残存性が高い機材の調達に空軍が本腰となったことを意味するのだろう。


この記事は以下から再構成したものです。
Abrupt End Of Air Force MQ-9 Reaper Buys Points To New Focus On Survivable Drones
General Atomics has supplied the backbone of America's drone force for decades. Now that may be ending due to stark tactical realities. 
BY TYLER ROGOWAYFEBRUARY 27, 2020
THE WAR ZONE

2017年5月14日日曜日

★★北朝鮮対策で日本に必要な装備品はこれだ



今朝もミサイル発射がありましたが、北朝鮮との「冷戦」は長引きそうで、その間に以下推奨されている装備も順次導入されそうです。そこまで抑止力を整備されて困るのは中国なので、北京も北朝鮮による事態の進展を快く思わないのは当然でしょう。

The National Interest

5 Weapons Japan Desperately Needs to Fight North Korea 

日本が北朝鮮に対抗するためどうしても必要な装備品5種類


May 13, 2017


平和主義を目指し、国家政策実現の手段としての戦争を放棄した日本にとって北朝鮮は全く異質の国だ。不幸にも両国は336マイルの海で隔てられているだけだ。北朝鮮は旧宗主国を攻撃すると何度も脅かしている。核兵器、弾道ミサイル両面で技術開発を躊躇せず進める北朝鮮の脅威は今や日本にとって現実のもので、核攻撃を再び受ける可能性が出てきた。

韓国情報機関によれば北はノドン中距離弾道ミサイルへの核弾頭装着を実用化済みで、日本も射程に入る。日本にはイージス戦闘システムとペイトリオット迎撃ミサイルという二重の弾道ミサイル防衛体制があるものの、三番目の防衛策を追加する必要を感じているようだ。北朝鮮ミサイル脅威に対抗する日本に必要な装備品は以下の5種類だ。

1. イージスアショア
イージス戦闘システムの陸上版で、日本にはイージス搭載駆逐艦が4隻しかなく陸上に恒久施設を置き毎日24時間稼働させれば駆逐艦を本来任務に解放できる。また陸上装備を整備するほうが駆逐艦建造より安上がりだ。
イージスアショアのなかでもベイスライン9版でSM-3ブロックIB迎撃ミサイルを運用すれば北朝鮮の短距離、中距離ミサイルに有効だ。また中国によるミサイル大量発射の事態にも対応可能だ。

2. グローバルホーク
日本はすでにRQ-4無人機を3機導入する予定で北朝鮮を意識しているのは間違いない。だがこれでは不十分だ。有事の際には北朝鮮ロケット軍は探知を逃れるため各地に分散するだろう。ミサイルの移動先は予測可能で北朝鮮には舗装道路は500マイルしかないが、新型の北極星2中距離弾道ミサイルは軌道付き搬送車でオフロード走行も可能だ。そうなると北朝鮮国内各所で移動式ミサイルを探る必要が増える。
北朝鮮ミサイルへの対抗策としてグローバルホークを同時に複数投入する必要がある。RQ-4の追加購入があれば航空自衛隊は同時並行で探知追跡と攻撃効果の評価を北朝鮮各地で展開できる。追加調達分は予備機材にもなり他地区での緊急事態にも対応可能とする。

3. KC-46ペガサス空中給油機
日本にはKC-767J空中給油機が4機あるが弾道ミサイル対抗作戦の長期間支援用にはあまりにも数が少なすぎる。KC-46A給油機の調達決定を2015年にしたが、有事には日本海上空の戦闘哨戒で本土からなるべく遠い地点で敵機を迎撃する必要があるのだ。
さらにF-35A共用打撃戦闘機で防空網制圧ならびに攻撃ミッションを北朝鮮で展開する際に給油機支援は必須だ。常時カバーするためKC-46Aが十数機は必要だろう。

4. MQ-9リーパー無人機
ISR機材で北朝鮮の移動式ミサイル発射装置が探知できれば、日本は迅速に破壊に出る必要がある。ミサイル対抗作戦では迅速性が肝要となれば、北朝鮮防空体制を制圧する前に実施となり、攻撃ミッションのリスクは高い。そこでMQ-9リーパー中距離長時間飛行可能無人機にミッションを実施させればよい。燃料と弾薬を搭載して日本国内から出撃し、北朝鮮上空を長時間パトロールできる。
リーパー長距離型では主翼に燃料タンクを追加し、日本海を横断させ北朝鮮全土を「キルボックス」区画で分け一機以上を割り当てる。ヘルファイヤーミサイル、GBU-12爆弾(500ポンド)、GBU-38共用直接攻撃弾を搭載すればリーパーは迅速かつ正確に北朝鮮ミサイル車両を破壊できる。

5. トマホーク巡航ミサイル
北朝鮮を先制攻撃する決断に日本が動けば「ドアを蹴破る」装備が必要となる。つまり、防空レーダー、地対空ミサイル陣地、発射準備中ミサイルの攻撃だ。低空飛行で侵入するトマホークミサイルは北朝鮮の旧式防空網を突破し、1,000ポンド高性能爆破物弾頭で目標を破壊できる。日本のF-35A部隊がその後で攻撃に駆け付け北朝鮮のレーダー防空体制をさらに弱体化するシナリオだ。

日本は最小限の防衛能力に限定してきたことを誇りにしてきた。日本の防衛予算はGDP1%相当でNATO加盟国に求められる比率の半分だ。また日本は攻撃兵器の調達を避け、純然たる防衛姿勢につとめてきた。だが北朝鮮が核攻撃の脅しをかけているためこれまでの政策が方向転換を迫られるかもしれない。
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.