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2026年7月2日木曜日

注目の機体 MQ-28ゴーストバットは太平洋での作戦を意識した大型UAS―日本も密かに注目している模様

 

U.S. Air Force photo by Senior Airman Adrien Tran 


「MQ-28 ゴーストバット」が太平洋での大規模合同演習に初参加中

人戦闘機(CCA)「MQ-28 ゴーストバット」が、日本、グアム、ハワイ、オーストラリアを結ぶ広大な海域で今週始まった米軍主導の大規模合同演習「ヴァリアント・シールド2026(Valiant Shield 26)」に参加している。

MQ-28が多国籍による大規模な実戦演習に投入されるのは、これが初のケースとみられる。これに先立ち、開発元のボーイング社はカリフォーニア州南部沖で自律飛行や迅速展開の検証を目的とした試験飛行を実施したばかりであった。今回演習に投入されたMQ-28(製造番号:ATS-008)は、カリフォーニア州ポイント・ムグーでの試験飛行に使われたものと同一である

今回の演習において、オーストラリア国防軍(ADF)のオブザーバーが米軍主導のMQ-28運用チームに同行している。これにより、同無人機が複雑な複合ドメイン環境下でどう機能するかを、直接検証する機会が得られた。

米インド太平洋軍が統括する「ヴァリアント・シールド2026」は、6月22日に開幕し、7月1日まで実施される。米太平洋艦隊司令官の米海軍大将は、「同盟国との高度な多次元能力の練成は、自由で開かれたインド太平洋への関与を示すものであり、共に対処する能力を強化する」とコメントした。

米空軍が公開した写真によると、MQ-28は6月21日に北マリアナ諸島のロタ島で地上滑走試験などを行った。同機は、有人戦闘機と協調して飛行する「有人・無人機チーム(MUM-T)」の概念を進展させるために使用される。

米空軍は、脅威度の高い環境下で有人機の能力や生存性を高める「戦力倍増戦力」としての効果を分析する方針で、演習に投入された機体の機首には、赤外線捜索追尾(IRST)センサーシステムが搭載されている。

MQ-28は、有人戦闘機や早期警戒管制機(AWACS)などと連携し、センサー範囲の拡大、兵器プラットフォームとしての役割、パイロットのリスク軽減といった任務を担う。

今回の演習にはアメリカ、オーストラリア、日本、カナダ、ニュージーランドが参加しており、広大な地理的環境下で複合的な脅威を検知・追跡・迎撃する現実的なシナリオが用意されている。

将来のインド太平洋における紛争では、同盟国間の有人機と高度な自律システムのシームレスな統合が不可欠であり、今回の演習はオーストラリア空軍(RAAF)が2028年の実戦配備(世界初の運用可能なCCAとなる見込み)を目指す上で重要なステップとなる。

防衛関連の報道によると、今回の展開には米空軍が主導する厳しい環境下の飛行場における「アジャイル戦闘展開(ACE:Agile Combat Employment)」コンセプトでの運用も含まれている。これは将来の中国との衝突を想定した生存戦略として極めて重要視されている。

今回のヴァリアント・シールドには、米海軍の航空母艦「ジョージ・ワシントン」を中心とする空母打撃群や、ミサイル巡洋艦「ロバート・スモールズ」、駆逐艦「ベンフォールド」「シャープ」なども参加している。

さらに、日本国内(鹿屋や奄美大島周辺海域)では、コンテナ型の「タイフォン」ミサイルシステムや高機動ロケット砲システム(HIMARS)を用いた統合対艦戦闘訓練も計画されている(実弾射撃は予定されていない)。

オーストラリア空軍は初期型の「ブロック1」を8機受領しており、これまでにE-7Aウェッジテイル早期警戒管制機やF/A-18Fスーパーホーネットとのチーム編隊などの試験を行ってきた。

ボーイングは、兵器内蔵ベイ(ウェポンベイ)を備え、AIM-120空対空ミサイルや小直径爆弾(SDB)を搭載可能となる、大型で長航続距離の「ブロック3」へ繋ぐ暫定型「ブロック2」を製造中である。

今回の演習への参加は、将来的な輸出入のビジネス展開(海外売却)においても重要な意味を持つ。参加国である日本、カナダ、ニュージーランドに対してその能力を直接アピールする機会となり、ボーイングはすでに日本を有望な潜在顧客として名指ししている。無人戦闘機が実験段階から実戦配備へと移行する中で、この太平洋最大級の演習での成果は、今後の地域防衛のあり方を占う上で世界中から注目されている。■


この記事は以下を再構成したものです

MQ-28 Ghost Bat Drone Debuts In Large-Force Combat Exercise In The Pacific

  • TWZ 

  • Thomas Newdick

  • 2026年6月24日 12:45 PM EDT


2026年6月30日火曜日

米空軍T-7レッドホーク開発の苦悩① ボーイングも把握できていない予想外に多い問題で自社損失が拡大中 ― 同機は日本の次期練習機候補にあがっているのですが。

 

T-7レッドホーク練習機。(グラフィック:Breaking Defense、オリジナル写真:DVIDS/Getty)

米空軍T-7レッドホーク開発の苦悩① 

EXCLUSIVE: Inside the secret struggles of the Air Force’s T-7 Red Hawk

From a weather restriction to a "serious" airworthiness risk, the Air Force's newest training jet faces far more issues than previously reported, an investigation by Breaking Defense found.

本誌調査によると、気象条件による運用制限から「深刻な」耐空性リスクに至るまで、空軍の最新練習機はこれまで報じられていたよりはるかに多くの問題に直面していることが判明した。

https://breakingdefense.com/2026/06/t7-red-hawk-air-force-trainer-secret-struggles-investigation/

ワシントン発――米空軍は、2028年までにT-7レッドホークが新米パイロットを乗せて飛行を開始し、訓練の新時代を告げられると見込んでいる。

しかし、本誌が入手した2025年8月付の空軍内部資料によると、導入後数年間は、機体に「深刻な」耐空性リスクが伴うとされている。原因は、同資料が「不適合」と表現する、請負業者ボーイングによる訓練用ジェット機に関する必要情報の提供不足にある。

本誌調査によると、これはレッドホークの運用開始に向け、空軍当局者が容認してきた、これまで報じられていない問題の一つである。

情報筋や現職・元空軍当局者、アナリストへのインタビューに加え、内部文書の精査も行った今回の調査は、T-7プログラムのつまずき、航空機メーカーであるボーイングとの緊張関係、さらに空軍が事態を立て直す計画について、これまでで最も詳細な全体像を明らかにしている。

本調査で判明した点は以下の通りである:

  • 最初の82機は、「深刻な」耐空性リスクを抱えた状態で飛行すると予測されている。

  • 詳しい情報筋は、T-7の配備を早めようとする試みが、若手パイロットへのリスクを高めると懸念している。

  • 空軍は、同機の維持管理を「高リスク」と評価している。

  • 空軍内部文書によると、ボーイングが同機に関する特定データを提供しなかったことは、同社による「不遵守」に相当するという。

  • 同機は雨天時の飛行が不可能で、地上型シミュレーター導入でも苦戦中。

  • 空軍とボーイング幹部は、政府による同機エンジンの調達方法の変更案を検討中。これには納税者に最大15億ドルの「追加」費用がかかる見込みだが、見返りとして、ボーイングが自社の747-8iに関する技術データを提供する可能性がある。

本誌の取材に応じた2人の情報筋は、レッドホークには将来性があり、当局者も安全確保に尽力していると述べた。しかし、同機の開発スピードについて懸念を示し、政府は契約で定められた条件をボーイングに遵守させることに失敗していると主張した。その根拠として、遅延や、納税者が負担せざるを得なくなる可能性のある数百万ドル規模の追加費用を挙げた。

「契約の履行状況が不十分であるために、政府は能力を実現できないのではないかと懸念している」と、T-7プログラムに直接関与する情報筋(他の関係者と同様、本記事では匿名を条件に取材に応じた)は本誌に語った。

これは、T-7レッドホークを取り上げる3回シリーズの第1回である。第2回と第3回は近日中に公開される。

問題の多くは、最終的に2018年に空軍がボーイングに発注した最初のT-7契約に起因している。固定価格契約のため、同社は数十億ドルの損失を被り、ボーイングが提供すべき内容について双方間で紛争が生じてきた。新型練習機の導入が急務であることから、空軍当局者はプログラムを前進させるため回避策や新たな取り組みを模索してきた。

インタビューおよび書面による質問への回答の中で、空軍当局者はT-7が直面している問題を確認しつつも、レッドホークがパイロットに引き渡される際には安全かつ有効なものになると強調している。

このプログラムは技術的な課題や契約上の紛争に悩まされてきたが、当局者は、T-7がまだ開発途上であるとしても、新たな「アクティブ・マネジメント」戦略の下で実施される緩和措置で、懸念を十分に和らげ、争点を解決できると考えている。さらに当局者は、T-7が置き換えることを目的としている旧式練習機である老朽化したT-38タロンの運用延長も課題を伴うと主張している。

「空軍は、就役から60年が経過したT-38の置き換えの緊急性を認識しており、T-7の開発に伴うスケジュール上のリスクと、T-38の運用延長に伴う重大な運用上のリスクのバランスを慎重に取っている。目標は、戦闘員に可能な限り迅速かつ安全に能力を提供することであり、当プログラムは新型機の安全性に自信を持っている」と、空軍教育訓練司令部(AETC)の計画・プログラム・要件・国際担当局長マシュー・リアード准将は本誌に語った。

詳細な質問リストに対し、ボーイングは本誌に対し、「この能力を戦闘員にできるだけ迅速に提供できるよう取り組んでいるが、安全性や品質を犠牲にすることはない。安全性はボーイングおよびT-7Aプログラムで最優先事項である」と述べた。

「契約締結後、ボーイングT-7Aレッドホークプログラムは、350回以上の試験飛行を通じて344時間以上の飛行試験時間を安全に積み重ねてきた」と同社は付け加えた。「米空軍との協力を継続する中で、T-7プログラムの積極的な管理アプローチにより、少量初期生産に先立ち、量産対応済みの構成を空軍に提供することが可能となり、将来のリスクをさらに低減し、この重要な能力の提供に向けた道を加速させることができます。」

「迅速な推進」

空軍は、次世代航空機の操縦に備えるためのより近代的な機能や、特に女性パイロットを含め、より幅広い体格に対応できる射出装置など、多くの理由からT-7の導入を迅速に進める必要があるとしている。しかし、これまでのところ、このプログラムは遅延に悩まされてきた。

ボーイング社は2018年に92億ドルのT-7契約を獲得したが、様々な課題により、この練習機のスケジュールは2年以上遅れをとっている。正式な生産は5月に承認され、現在の計画では、空軍が2027年秋に、パイロット訓練用の14機からなる初期作戦能力(IOC)を宣言することになっている。

空軍の教官たちは今年、量産機と同等の機体を用いたいわゆる「タイプ1訓練」を開始する予定だが、最初の新任パイロットが同機で飛行を開始するのは2028年春以降と見込まれている

その間、空軍はT-38の運用を継続せざるを得ない。リアード氏によれば、T-38の旧式な機体構造はすでにパイロット養成のパイプラインを逼迫させているという。(5月12日に発生したT-38の墜落事故の原因は現在も調査中だが、空軍は1週間、全機を飛行停止せざるを得なかった。)

しかし、新米パイロットがT-7の飛行を開始したとしても、まだ実施すべき試験は残っている。「レッドホーク」は飛行性能の全範囲が解明されてない――つまり、空軍は同機の運用範囲全体を完全に評価しきれていない。現在の計画では、同機は安全に飛行できるよう設計されているが、パイロットが遵守するべき制限が設けられることになる。

兵器システムの開発段階と生産段階が重なる「高い並行性」を伴う状態で、航空機やその他の兵器システムを配備することは珍しいことではない。情報筋によると、T-7の場合、経験豊富なパイロットの直感や経験を持たない、訓練の比較的初期段階にあるパイロットが操縦することが異なるという。後部座席に教官が同乗するとはいえ、空の上では事態が瞬く間に展開する。

このプログラムに精通した情報筋は、空軍が「飛行性能範囲が完全に確立されていない状態で、新米パイロットに過密な任務を課している」と述べた。「怖い」

T-7プログラムに詳しい政府関係者は本誌に対し、当局は安全に配慮していると考えていると述べたが、これまでの遅延のため、残りの開発を迅速に進める必要があり、予期せぬ結果を招く可能性があると指摘した。

「未知の要素があるが彼らは急いでいる」と、この記事のために匿名を条件に話したその人物は語った。「急げば、物事は台無しになるものだ。」

2028年のスケジュールについて、同氏は「すべての条件が完璧に揃えば、2028年は現実的な目標だ」と述べた。「そうなるよう願っているが、そうはならないかもしれない。ギリギリまで迫るだろうが、その期限には間に合わないだろう」

リアードは、同機が運用開始宣言される時点では安全であることを強調した。同機の就役スケジュールに関する「リスクについて言えば」、「さらなる遅延による運用上のリスクを軽減するため、並行開発に伴うプログラム上のリスクをより多く受け入れる方向にシフトしたと言える」。

空軍の訓練担当プログラム執行官ロドニー・スティーブンスは以前、本誌に対し、新米パイロットがT-7の操縦を開始する際、当初は「飛行科学の観点から、T-38と同等か、あるいはわずかに優れている」基準が求められると語っていた。その後、レッドホークはさらなる開発を通じて改良されていくことになる。

リアードによると、およそ1年前、「我々はアプローチを転換し、『T-38にはない機能のためT-7の導入を遅らせるのはやめよう。試験を継続しつつ、現時点でT-38と同等の機体を採用しよう』と決めた。そうすれば、試験が完了した時点で、初期の指導要員を育成済みとなり、プログラムの初期運用試験・評価(IOT&E)段階に備えることができる」という。

「納税者の一人として、私はこれを非常に肯定的に受け止めている」と政府関係者は述べ、T-38と同等の性能しか持たない航空機を受け入れる決定について、「契約を交付するため議会に売り込まれた次世代練習機にはならない」と指摘した。

「リスク・バーンダウン計画」

空軍は、「耐空性」基準を用いて航空機の飛行安全性を評価しており、これには3段階のリスクで測定されるマトリックスが含まれている。T-7は、2番目に高いレベルである「深刻」なリスクと定義された状態で飛行しなければならない。また、レッドホークの場合、当局は問題の原因となっている根本的な問題を回避するための制限を適用することができない。

その理由は、2025年8月のプレゼンテーション資料によると、航空機の「重要安全項目」、すなわち「その故障により人命の喪失、永続的な障害または重傷、システムの喪失、あるいは重大な機器損傷を引き起こす可能性のある部品、アセンブリ、または支援装備」に関する重要なデータがボーイングにないためである。

具体的には、同プレゼンテーション資料では、ボーイングがサプライヤー契約に、これらの重要安全項目に関する「重要特性」と呼ばれるデータを盛り込むことを確実にしていなかったと主張している。平たく言えば、このデータの欠如により、当局は重要な安全項目が仕様を満たしているかどうか、またなぜ故障する可能性があるのか、あるいはいつ点検が必要になるのかなどを確実に把握できない。そして、これらの項目のいずれかが誤作動したり破損したりした場合、定義上、航空機、さらにはパイロットの命さえも危険にさらされる可能性がある。

このプレゼンテーションでは、現在から2031年までに生産が予定されている82機のT-7が影響を受けると予測されている。

スティーブンスは、重要な安全部品のデータ不足に伴う耐空性リスクを認めたものの、同様の問題は兵器システム全体においては「珍しくない」ものであり、空軍によって「日常的に」管理されていると説明した。とはいえ、同氏は、今回のケースでは、欠落しているデータの代わりに「運用上の制限」を適用することはできないと述べた。

「影響を受ける部品を供給する各メーカーを個別に評価し、部品が[重要安全部品]の基準レベルに従って製造されていることを確認しなければならない」とスティーブンスは述べた。「そうしなければ、その航空機にはリスクが引き継がれることになる。その管理については、AETCと緊密に連携して取り組んでいく。」

「情報が得られ、CSIリストに掲載されている部品に関する不確実性を解消し始めれば、耐空性リスクを低減できるかどうかを再評価する」と同氏は述べた。

さらに同氏は、重要安全項目に関するボーイング社との協力について、「これはT-7プログラムのより広範なリスク低減計画の一環であり、実戦配備後の最初の数年間でシステムの安全リスクを低減することを目的としている」と述べた。

ティール・グループのアナリスト、JJ・ガートラーは本誌に対し、深刻な耐空性リスクは「前例がないわけではない」と述べたものの、各軍は根本的な問題について十分な情報を有しているので、「特定の安全領域に悪影響が及ばないよう」運用制限を課すことができると指摘した。

T-7の重要な安全項目に関しては、データが不足しているため、空軍は同様の制限を課すことができない。「これが民間企業の世界ならば、損害賠償を専門とする弁護士たちが列をなし、刃を研いでいるだろう」とガートラーは述べた。

しかし、リアードは、重要な安全項目データの欠如によって引き起こされる耐空性問題は、データから懸念の理由が示されている他の飛行リスクとは異なると述べた。例えば、同機の射出装置は以前の試験で問題が見られたが、当局者は設計の微調整で懸念が解消されたと考えている。リアードは、これらの問題と、同機の重要安全項目に関するデータ不足とを対比させた。重要安全項目には、海軍のF/A-18ホーネットに搭載されているGEエアロスペース製F404エンジンなど、に信頼性が実証済みのシステムも含まれている。

「エンジンに関連する重要安全項目の問題について、我々の見解はこうだ。これは実績のあるエンジンであり、新しいエンジンではない」と彼は述べた。「こうしたCSI部品の多くについて、我々がリスクを負っているのは、既知の情報に基づいてリスクが高いと判断されているからではありません。一部部品に関するデータが不足しているからです。これは重要な違いだと考えています……運用リスクの観点から言えば、我々はこれを、以前脱出システムに関連して負っていたリスクとは大きく異なるものと捉えています。」

この「深刻な」耐空性リスクとは技術的には事故発生の可能性が高まることを意味する。しかし、本誌の取材に応じた情報筋2名は、データ不足に起因して問題が発生した場合、その結末として、航空機の運航停止が必要になる等影響が生じる可能性が高いと指摘した。

スティーブンスは、空軍が機体の運航停止の必要性を「想定していない」と述べた一方で、「当然ながら、将来は予測することはできない。最終的には、機体の運航停止の決定はAETC司令官が行うことになるだろう」と認めた。

空軍がボーイングがサプライヤーに「伝達しなかった」と主張する要件の中には、構成状況管理に関するものも含まれている。2025年8月のプレゼンテーション資料によると、これは「航空機の構成およびその経時的な変化に関する詳細な監査証跡を提供する」ものである。

同文書によると、構成状況管理の問題による「現在生じている影響」は、航空機の構成が不明確になることから、部品発注の誤りや非効率的な整備に至るまで多岐にわたる。プレゼンテーションによれば、長期的には、この問題が「維持費の暴走」、「耐空性の低下」、「大規模な運用混乱」といった一連の課題を引き起こすという。

スティーブンスは、重要な安全項目と同様に、構成状況管理の確立が、昨年開始されたボーイングとの新たな能動的管理戦略の重点課題であると述べた。同戦略は、「長期的な維持、運用可能性、および耐空性を確保するための適切なプロセスを整備することで、リスクを軽減するよう特別に設計された」ものである。

航空機の引き渡しに伴いデータを収集し、空軍のデータベースに入力する必要がある。「これにより、現在配備されている戦闘員向けの安定した、かつ支援可能な機体群が確保され、最初の数ロットの航空機引き渡しを通じてその信頼性が継続的に向上していくことになる」と同氏は述べた。

飛行試験の「阻害要因」

データの問題に加え、T-7プログラムにおけるボーイングのパフォーマンス上の課題も公に報告されており、これまでのプログラムの遅延や開発上の課題により、同社は32億ドルの損失を被っている。本誌の取材に応じた情報筋は、これらの問題が多岐にわたると詳述した。

政府関係者は、主要な問題の一つとして、複雑な現代の航空機のサプライチェーンを構成する広範なサプライヤー網や数千もの部品に関する情報が不十分であるため、ボーイングが「自社が何を製造したのか把握できていない」ことを挙げた。同情報筋によると、レッドホークに関するこの知識の欠如が、開発時の比較的軽微なトラブルをより重大な後退へ発展させてしまったという。

「新たな問題が『発見』された際、どう対処すべきかを把握するのに、同社では膨大な時間がかかっている」と同関係者は語った。

人員配置も懸念事項となっている。同社は、いわゆる「運用前支援(POS)」を主導し、プログラムの現段階において物流および技術リソースを提供している。本誌が入手した2026年3月のボーイングと空軍間のプレゼンテーション資料には、「POSの人員数は改善されたものの、文書化が未熟・不完全である」ことに加え、「経験レベルや細部への配慮が課題となっている」と記されている。

同プレゼンテーションで説明されたその他の主要な「飛行試験の阻害要因」としては、試験ポイントの不足(これ自体は、人員制限によって悪化した分析の滞りが原因である)や、部品不足が挙げられている。部品不足により、一部の機体から部品を取り外し他の機体の飛行を維持しなければならない状況が生じている。

デジタル設計などのツールも計画通りに完全に機能しておらず、2025年の政府監査院(GAO)レビューでは、ボーイングが必要なデータを提供していなかった。

「空軍にはT-7に関するデジタルシステムが何一つない」と、プログラムに精通した情報筋は述べた。「彼らはデータを管理できていない。…現在のプロセスに対する改善点ですらない。T-7は旧態依然とした調達案件だ。」

もっとも、この人物は責任は双方にあると指摘している。「空軍は依然としてデジタル関連の課題に苦戦していると思う。責任はボーイングと空軍の両方に少しある」と語った。(スティーブンスは、デジタルツールが設計作業を加速させ、予測価値をもたらしたほか、生産を迅速化する「実物大決定組立(full-size determinant assembly)」と呼ばれる近代的な製造手法を促進したと述べた。)

その他の課題はもっとありふれたものだ。例えば、現在この機体は雨天時に飛行できない。外部アクセスパネルの密閉が不十分で、水が浸入し機体のサブシステムを損傷する恐れがあるためだ。この根本的な問題により、空軍は気候試験中に機体にテープを貼らざるを得なかったと、情報筋2名が本誌に語った。

「呆気にとられた」と政府関係者は語った。「『一体ここで何をしているんだ?』と思ったよ」

この設計問題にもかかわらず、空軍当局者は、同機を受け入れ、気象上の制限付きで飛行させる決定を擁護している。雨を避けることは、「訓練を開始するために、短期的には受け入れられる運用上の制限だ」とリアードは述べた。同氏は、今夏に評価される見込みの修正策を待つことは、プログラムのスケジュールを遅らせ、タイプ1訓練のパイロット認定を遅らせることになるだろうと説明した。

「 今降っている雨の中でも隔日に飛行させるために、2~4名のパイロットの認定を犠牲にするべきか? いいえ、これは正しい決断だったと思う」と彼は語った。

機体そのものとは別に、同機の地上訓練システム(GBTS)も独自の課題を抱えている。このシミュレーターは、新人パイロットが実際のコックピットに入る前に機体の感覚をつかみ、操縦方法を学ぶのを助け、また飛行の合間に技能を維持するのにも役立つ。

本誌が検証した2025年11月付の空軍運用試験評価センター(AETC)報告書によると、GBTSは主要な評価基準で合格率が30%未満にもかかわらず、実際には配備されていた。「こうした低い合格率にもかかわらず」、当局者は「APT(上級パイロット訓練)システムをできるだけ早く導入するというAETC(空軍教育訓練司令部)の強い要望を受け、納入を決定した」と報告書は述べている。

本誌が入手した、2026年3月付けの別の空軍プレゼンテーション資料では、GBTSの性能評価を「中程度の信頼性/中程度のリスク」としている。情報筋は、シミュレーターの準備が整っていなければ、その後の訓練が遅れる可能性があると指摘していた。

しかし、リアード氏は地上システムの性能を擁護し、それがスケジュール上のリスクになることを懸念していなかった。

「GBTSは初期幹部候補生の訓練に不可欠であり、現在、素晴らしい訓練を提供しているだけでなく、今後もさらに改善され続けると確信している」と彼は述べた。■

本記事は、T-7レッドホークを取り上げる3回シリーズの第1回。


2026年6月26日金曜日

ボーイングのオルトバーグCEOの最新インタビューより:防衛部門での大幅欠損を反省し、契約形態の見直しを検討。T-7とMQ-25のマイルストーンC移行に自信。(T1共通記事)

 


ボーイングCEOケリー・オルトバーグ(Kelly Ortberg)へのAviation Weekの

インタビュー記事を要約しました。

CEOに就任して22ヶ月が経過するなか、品質最優先への文化改革、各機種の進捗、そして次世代機開発のタイムラインについてオルトバーグが語った。

1. 次世代ナローボディ開発は「右にシフト(延期)」

新型機の投入時期(2030年代が目標)について、技術面で成熟は進んでいるものの、市場(エアライン顧客)の準備が遅れていると指摘。

  • 顧客は新機材より、「現行エンジンの性能や耐久性の向上」を強く求めている。

  • 結果として、新型機の登場は「右にシフト( スケジュール延期)」する。

  • 競合エアバスの動向に慌てず、戦略的かつ慎重に決定する方針。

2. 民生機部門の増産と認証の進捗

「スケジュールより品質」を徹底したことで、顧客から「過去最高の品質」との評価を得ており、生産は安定しつつある。

  • 737 MAX: 月産47機への引き上げを承認された(最終目標63機)。派生型「-7」と「-10」は飛行試験の90%を終え、年内の認証と引き渡し開始を目指す。

  • 777X (777-9): 重要な飛行試験(TIA-4B)をクリア。年内の認証完了に向け手続きを進めており、2027年の引き渡し開始スケジュールに遅れはない見込み。

  • 787: 現在の月産8機から10機へ引き上げるには、GEエンジンの供給改善(この夏が正念場)が条件。

  • 中国市場: 5月訪中で200機を受注。約10年ぶりのナローボディ機受注であり、市場の再開拓に手応えを感じている。

3. 防衛・宇宙部門(BDS)とサプライチェーンの立て直し

過去に固定価格契約の 開発と生産の同時進行で損失を出した反省から、契約構造のリスク管理を厳格化している。

  • 防衛プログラム: 練習機「T-7」や無人給油機「MQ-25」が低率初期生産(マイルストーンC)に移行するなど進捗が見られる。

  • Starliner(宇宙船): スラスター(姿勢制御推力器)の問題について徹底的な原因究明を完了。今年は無人・有人の計2回の打ち上げを視野に、NASAとスケジュールを調整中。

  • Spirit AeroSystemsの再買収: 買収に伴い、投資に飢えていた同社に3年間で10億ドルを投資し、従業員のトレーニングと設備刷新を行う。

4. ボーイングの「企業文化」の劇的な変化

オルトバーグCEOはヴァージニア州のHQ(本社)ではなく、現場が見えるシアトルのデリバリーセンターにオフィスを構え、改革を主導してきた。

  • 最新の社内調査では、同業他社と比較した全項目で大幅な改善が見られた。

  • 組織の壁を越えた透明性の向上、現場の意見に耳を傾ける評価システムへの移行が、当初周囲が予想していたよりも遥かに早いペースで浸透していると自信を示してる


Interview: Why Boeing’s CEO Sees The Next Narrowbody 'Moving To The Right'

Joe Anselmo Guy Norris June 25, 2026

https://aviationweek.com/aerospace/manufacturing-supply-chain/interview-why-boeings-ceo-sees-next-narrowbody-moving-right


2026年6月11日木曜日

ベルリン航空ショー ボーイングMQ-28ゴーストバットは進化を続け、AMRAAMを機内搭載することで各国にアピール: 割と発展の余地がある大型のCCAなのでしょう。日本にも売り込みがあっておかしくないですね

 

ボーイングの新型ゴーストバットはAIM-120 AMRAAMを機内搭載可能に

Boeing’s New Larger Ghost Bat Can Carry AIM-120 AMRAAMs Internally


ステルス機「ゴースト・バット」は第3世代へ進化し、より大きな主翼、より高い出力、そして機内兵器ベイを備える

https://www.twz.com/air/boeings-new-larger-ghost-bat-can-carry-aim-120-amraams-internally

Boeing MQ-28 Ghost Bat Block 3.ボーイング

ーイングは、共同戦闘機(CCA)であるMQ-28 ゴースト・バットの最新型に関する詳細を明らかにした。ゴースト・バットは今あるCCAの中で最も完成度の高い機体であったが、その改良型「ブロック3」には様々な新機能が搭載される。主翼の大型化と2基の内部兵器ベイがその一部で、これにより低可視性を損なわず弾薬を搭載することが可能となる。

MQ-28ブロック3は、ドイツの首都ベルリンで開催中のILAベルリン航空ショーで本日公開された。公開式には、ボーイング・オーストラリアおよびドイツのラインメタルの関係者が出席した。ラインメタルはボーイングと提携し、ドイツ軍へのドローン供給に加え、極めて収益性の高い欧州CCA市場への参入を目指している。

「これが我々がドイツに提案している機体です」と、MQ-28グローバル・プログラム・ディレクター、グレン・ファーガソンが公開式典で述べた。「3代目となる設計であり、来年最初の[Block 3]機の製造は予定通り進んでいます。」

以前のBlock 1およびBlock 2は、オーストラリアと米国で150回以上の試験飛行を完了している。

オーストラリアは試作機で構成のブロック1仕様MQ-28を8機導入している。

現在生産中の最初の9機のブロック2ドローンは、運用能力への道筋と見なされており、その能力はブロック3で完全に実現される。

ブロック3は、翼面積が25%拡大され、推力も10,000ポンドから12,000ポンドに向上した。この推力向上がどのように達成されるかは現時点では明らかではないが、翼面積の拡大と相まり、搭載能力の向上をもたらす。これにより、燃料、装備、任務用ペイロードを合計で2,000ポンド追加できるようになる。

「この追加容量により、運用者は、長距離作戦のための追加燃料の搭載、武器搭載量の増加、あるいはその両方の組み合わせなど、その時の任務に合わせて、搭載量と航続時間のバランスが自由に調整可能になります」(ファーガソン)。

このドローンの最新型には、視界外(BLOS)制御機能も追加される。BLOS通信リンクの導入により、MQ-28は地上管制所、艦船、あるいは有人機からのいずれの場合でも、距離制限なく運用可能となる。2,000海里を超える航続距離を持つ本ドローンにBLOS機能を追加することで、有人機による管制下になくとも自律的な作戦遂行が可能となる。これは、当初から「ゴースト・バット」の潜在的な役割として想定されていた。また、SATCOM(衛星通信)オプションの搭載により、電子戦環境下における制御の耐障害性も向上する。

「BLOS機能などの搭載は、CCA(無人戦闘機)の役割や統合部隊作戦への組み込みについて空軍が理解を深める中で得られたフィードバックと、これまでの知見を直接反映したものです」(ファーガソン)。

重要な内部兵器ベイについては、ボーイングが公開した動画に示されている通り、胴体両側に追加されている。

兵器ベイが1つ開いてSDB(小型直径爆弾)が確認できる、Block 3ドローンのCGモデルを映したボーイングの動画のスクリーンショット。ボーイング提供のスクリーンショット

各ベイには、AIM-120 先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を1発、または小型直径爆弾(SDB)という精密誘導弾を2発搭載可能だ。これらは、GBU-39/B SDB I、あるいはストームブレイカーとしても知られるGBU-53 SDB IIのいずれかで構成される。ゴースト・バットは、AIM-120を内部搭載可能な初のCCA(戦闘機型無人機)となり、それ自体が重要な進展となる。内部搭載の選択肢は現時点でも極めて重要で、ボーイングは最近、同機のレーダー断面積(RCS)の検証を完了し、このCCAが探知されにくく、敵対的な環境下での運用能力に優れていることを実証した。

「高性能なプラットフォーム、ステルス機能、そして高度な自律性の組み合わせにより、空軍は任務の有効性と作戦の柔軟性を飛躍的に高めることが可能になります」と、RCS試験完了後にファントム・ワークス・オーストラリアのディレクター、ブラッド・トンプソンは述べた

このドローンには、3つの外部兵器搭載ステーションも備わる。うち少なくとも1つは、AMRAAMによって標的ドローンが撃墜されたエンドツーエンドの交戦試験において、すでに検証済みである。このドローンは、戦闘機との連携に加え、空中早期警戒機や給油機などを防衛する部隊防護資産としても想定されているため、空対空任務は特に重要である。推力の向上と主翼の大型化と相まり、外部パイロンの採用により、最大5発、少なくとも4発のAMRAAMを搭載し飛行する可能性が開かれると見られるほか、空対空兵器と空対地兵器を混載することも可能となる。

南オーストラリア州ウーメラ空軍基地で行われた「トライアル・カリーラ」において、MQ-28AゴーストバットがAIM-120を発射した。オーストラリア国防省

ブロック3については、ボーイングが3~4種類の代替センサーペイロードの開発を進めていることも知られている。機首全体を交換可能で、各種ペイロードに対応したこれらの統合は容易に行えるだろう。

MQ-28の4機がそろった。中央の2機は機首上部にIRSTセンサーを搭載している。Boeing

MQ-28ブロック3をオーストラリアからベルリンへ持ち込んだのは、ボーイング・オーストラリアとラインメタルの関係、そしてドイツ空軍(ルフトヴァッフェ)がCCA(近距離戦闘機)の要件について提案を受けているという事実を反映している。

「現時点ではドイツ政府との交渉が続いているが、2029年までに同機を導入したいのであれば、遅くとも来年までには契約交渉の最終段階に入らなければならないと予想している」と、ラインメタルのアルミン・パッパーガーCEOは『Breaking Defense』に語った

ドイツのCCA要件を見据え、ILAベルリン航空ショーでは戦闘用ドローンが多数展示された。

エアバスのU760「レイヴンストーム」の実物大モデルも初公開された。これは、空中戦、攻撃任務、電子戦で戦闘機と連携して運用されることを想定した戦闘用ドローンである。この新型無人機は、同社が刷新したドローン製品群の一環であり、詳細についてはこちらを参照されたい。

U760「レイヴンストーム」のレンダリング画像。エアバス

レイヴンストームに加え、エアバスはステルス機XQ-58Aヴァルキリー欧州仕様のバージョンも提供している。これは低コスト機の位置付けで、滑走路を必要としない運用オプションも備えているようだ。

米国からは、ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズがギャンビット・ファミリーのドローンの実物大モデルを展示した。同社はまた、ドイツのCCA(戦闘支援機)要件に関して協議を行っていることも明らかにした。

一方、ドイツのヘルシングは、CA-1 ユーロパ無人機の新型バージョンを公開した。これはゴースト・バットと驚くほど似ている。CA-1EA(電子攻撃型)はCA-1KA(機動攻撃型)に続くモデルであり、ドイツが今後導入予定のユーロファイター EK電子戦機やその他の戦闘機を支援するCCAの必要性を極めて重要視していることを反映している。

ヘルシングによると、CA-1KAは来年早々に飛行試験を開始する。欧州空域でのこのクラスのドローンの試験に関する問題を回避するため、最初の飛行試作機には安全パイロット用のコックピットが装備される。

たとえMQ-28ゴースト・バットがドイツでの激しい競争に敗れたとしても、Block 3バージョンはすでにオーストラリアの支持を得ており、同国も旧型機を同水準にアップグレードすることを望んでいる。

「オーストラリア空軍との提携で開発されたこれらの機能は、段階的なアップグレードを通じて機体群に順次導入され、関心を持つ同盟国にも提供される予定です」とファーガソンは述べた。

ボーイング社の幹部はさらに、MQ-28が2028年にオーストラリア空軍で運用開始される予定であり、同機が「世界初の運用可能なCCA(戦闘航空機)となることはほぼ確実だ」と付け加えた。

今年3月にボーイングとラインメタルが戦略的提携を発表した際、両社はMQ-28が2029年までにドイツ連邦軍に提供される可能性があると述べていた。

また、ボーイングが現在、カリフォーニア州ポイント・ムグにある米海軍基地から「ゴースト・バット」の試験飛行を実施中である点にも注目すべきだ。同社は、この試験の主な目的として設計の成熟度を実証することと輸出販売の促進を挙げているが、これらの試験は米軍の関心の可能性を示唆している可能性もある。

状況は大きく変わる可能性があり、ドイツのCCA(協働戦闘機)要件がどの程度具体化されているかも不透明である。また、いかなる調達においても、政府内の意思決定者との調整が必要となるだろう。

その間も、MQ-28ゴーストバットは進化を続ける。本日公開されたブロック3は、協働戦闘機市場がいかに急速に成熟しつつあるかを物語っている。■

注目の機体 ボーイングMQ-28ゴーストバットが太平洋上空で試験飛行中。ポイント・ムグ海軍基地からの運用で米国への売り込みを図る。

 

Boeing is now conducting test flights of its MQ-28 Ghost Bat drone out over the Pacific from the U.S. Navy's base in Point Mugu, California.米海軍

MQ-28ゴーストバットが米海軍基地から太平洋上空を飛行中

MQ-28 Ghost Bat Now Flying Over The Pacific From U.S. Navy Base


ボーイングによると、カリフォーニア沖での試験飛行は、オーストラリア発のMQ-28の完成度を示すとともに、米国防総省への販売をねらっている

https://www.twz.com/air/mq-28-ghost-bat-now-flying-over-the-pacific-from-u-s-navy-base


ーイングは現在、カリフォーニア州のポイント・ムグにある米海軍基地を拠点に、MQ-28ゴーストバット無人機の試験飛行を太平洋上空で実施している。同社によると、主な目的は、オーストラリア向けに開発された設計の完成度を実証することと、輸出販売を促進することにあるという。また、海軍が現在も進化中の空母搭載型「連携戦闘機材(CCA)」計画にボーイングが関与していることを考慮すると、試験場所の選定も注目に値する。

ボーイングのプレスリリースによると、MQ-28は南カリフォーニア沖のポイント・ムグ海上射爆場内で少なくとも3回の飛行を実施した。広大な同射爆場は、訓練に加え、多岐にわたる研究開発や試験・評価活動に日常的に利用されている。ベンチュラ郡海軍基地の一部であるポイント・ムグ海軍航空基地は海岸沿いに位置し、農地に囲まれているため、射爆場へ直接アクセスが可能で、傍観者へのリスクも最小限に抑えられている。その立地は無人航空機運用に極めて適しており、すでにMQ-4Cトライトンや標的ドローンの運用管理において重要な役割を担っている。

「今回の試験は、MQ-28が同盟国の施設からシームレスに運用できる能力を示すものであり、ボーイングがオーストラリア以外の海外顧客に対し、同機の完成度と潜在的な輸出機会を実証するのに役立つ」と、ボーイングのプレスリリースは述べている。「ポイント・ムグでの試験は、必要な空域、射程安全、規制当局の承認を遵守しつつ、自律システムを検証するものである。」

ボーイングはこれを「MQ-28の同盟国空域における初の国際運用」とも説明しているが、ポイント・ムグからの初出撃がいつ行われたかは不明である。

12月、米国防総省はピート・ヘグセス長官がポイント・ムグ海軍航空基地を訪問した際の動画を公開したが、背景にはMQ-28がはっきり映っていた。しかし、映像に映っていた機体は、視認性の高いオレンジ色トリムを施した初期型の塗装仕様だった。ボーイングがポイント・ムグ海上射場での飛行試験の発表とともに公開した写真や動画には、ツートンカラーのグレー塗装を施したゴースト・バットが映っている。また、機首には赤外線探知追尾(IRST)センサーシステムが搭載されているが、これはヘグセス長官の動画に映っていた機体には見られなかったものだ。MQ-28は高度にモジュール化された設計を採用しており、機首部は容易に交換できるよう設計されている。

ポイント・ムグでのヘグセス長官の動画(上)に映るMQ-28と、ボーイングが飛行試験の発表の一環として公開した動画に映るゴースト・バットとの比較。米軍/米海軍

また、過去には米国でのゴースト・バットの飛行試験が行われた兆候も見受けられる。米空軍は以前、少なくとも1機のMQ-28を活用し、先進的な無人航空機および自律技術の開発を支援したと述べていた。

ボーイング自身も、2023年にミズーリ州セントルイス郊外のミッドアメリカ空港で、やはり初期塗装を施されIRSTを搭載していないMQ-28の写真を公開している。その際、「ゴースト・バット」は、同社が海軍向けのMQ-25スティングレイ給油ドローンの開発支援に使用していた実証機と共に展示されていた。

現在、米国にゴースト・バットが何機存在するかは不明だ。本誌は詳細についてボーイングに問い合わせ中だ。

MQ-28は、設計が初めて公開されてから2年後の2021年より、オーストラリアで飛行試験を行っている。ボーイングのオーストラリア子会社は、それ以前からオーストラリア空軍(RAAF)の「エアパワー・ティーミング・システム(ATS)」プログラムの下で、この設計に取り組んでいた。現在までに、RAAFは試作段階のBlock 1仕様ゴースト・バットを8機受領している。

ボーイングは現在、9機からなるBlock 2ドローンのロットの最初の1機の製造に取り組んでおり、これらは運用段階のBlock 3バージョンへの中間的なステップと見なされている。Block 3は、大幅に大型化し、航続距離も延長される見込みだ。また、内部兵器ベイを備え、AIM-120 先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)1発、GBU-39/B 小径爆弾(SDB)2発、あるいは同等のサイズの兵装を搭載可能となる。

ボーイングとRAAFは、すでにブロック1型ゴースト・バットからAIM-120の実射発射を少なくとも1回実施しており、ミサイルはドローンの胴体下部の外部パイロンに搭載されていた。

Uncrewed MQ-28 Ghost Bat showcases its combat capability thumbnail

無人MQ-28ゴースト・バットが戦闘能力を披露

これまでの試験において、ブロック1型MQ-28はその他の重要な能力のデモンストレーションにも使用されてきた。これには、RAAFのE-7Aウェッジテイル空中早期警戒管制機やF/A-18Fスーパーホーネット戦闘機との有人・無人機連携も含まれる。ボーイング社がポイント・ムグでの出撃で実証したと述べる、同盟国の施設からの運用能力は、将来の連合作戦においてオーストラリアにとって極めて価値あるものとなる可能性がある。

MQ-28、ウェッジテイル、スーパーホーネット:ドローン迎撃の舞台裏

ボーイングは、オーストラリア以外でのMQ-28販売推進への関心についても公に表明している。同社は日本を潜在的な顧客として公に挙げ、インド太平洋地域の未公表のその他国との潜在的な機会も模索していると述べている。3月、ボーイング・オーストラリアはドイツのラインメタルとの提携を発表し、同国軍に向けて「ゴースト・バット」の提案を行った。また、テールフックを備えた空母搭載型は、過去に英国へも提案されている。

この点こそが、ポイント・ムグからのMQ-28飛行試験に関するボーイングの発表において、大きく欠落している要素、すなわち米海軍の存在へと我々を導く。

2025年9月、海軍は、ボーイングに加え、アンドゥリル、ジェネラル・アトミックス、ノースロップ・グラマンに対し、「概念的な」空母搭載型CCAドローンの設計開発契約を授与したことを確認した。当時、海軍はまた、ロッキード・マーティンが、これに伴う共通制御アーキテクチャの開発業務について契約を結んでいることも発表した。

2025年4月、海軍研究・開発・調達(RDA)担当次官補室の広報担当官ロン・フランダース海軍大佐は、また本誌に対し直接、「米国は、将来の空中戦闘作戦においてMQ-28のAI駆動型自律機能とモジュール式設計の活用に強い関心を示している」と語っていた。

前述の通り、ボーイングはMQ-25も開発しており、その量産仕様機は4月に初飛行を完了したばかりである。スティングレイが海軍の空母航空団にもたらす重要な空中給油やその他の能力に加え、海軍はこれを将来の無人航空能力への「先駆者」として常々位置付けている。

MQ-25A スティングレイの初飛行

とはいえ、海軍のCCA(戦闘機代替機)計画は大きく進化している最中だ。海軍自身が認める通り、CCA型ドローンの開発において、同軍は米空軍米海兵隊後れを取っている

ポイント・ムグでの飛行試験は、MQ-28プログラム全体にとって間違いなく重要な進展で、ボーイングは「ゴースト・バット」に新たな機会をもたらすことを期待している。米海軍のさらなる関与がそこに含まれるかどうかは、まだ不明である。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。