ラベル 黒海、NATO の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 黒海、NATO の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年6月22日火曜日

ここまでやるのか。黒海でロシアがAIS情報を改ざんし、英蘭艦艇による主権侵害を訴えようとしていた。


 

USNI News Illustration

 

NATO艦艇の航路データが捏造され、黒海のロシア海軍基地付近にあるとされたが、本当は180マイル離れた場所を航行していたことをUSNI Newsがつかんだ。

 

英海軍の45型ダーリング級駆逐艦HMSディフェンダーはオランダ海軍のデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲートHNLMSエヴァーツェンと6月18日ウクライナのオデッサアに寄港したが、ロシア艦艇が両艦を黒海で監視していたことが米海軍が公表した6月17日付の写真でわかる。

 

自動識別システム(AIS)は各船舶の信号発進で海上交通の安全を図る目的で使用されるが、英蘭海軍の二隻はオデッサを6月18日真夜中前に出港した。データではそのままセヴァストポリへ直行しており、港湾入り口から2カイリ地点へ移動したことになっている。同港はロシア黒海艦隊の母港であり、戦略的な場所だ。

 

AIS情報があるものの、実は二隻はオデッサを離れていなかった明白な証拠がある。ライブウェブカメラの映像では両艦はオデッサを出港していない。このことは地元メディアも認めている。オデッサで両艦がその時間に出港する姿を見たものは皆無だ。ウェブカメラはYouTubeのOdessa Onlineで見ることができる。天気サイトのWindy.comのスクリーンショットでも二隻がオデッサに同日夜は停泊したままだったとわかる。

 

NATO艦艇二隻をロシア海軍の主要基地の湾口にいるようにみせかけて、挑発行為とし、主権侵害と主張したかったのだろう。だが国際社会は英米両国に加えオランダもクリミアをロシア領土と認めていない。

 

英海軍駆逐艦HMSディフェンダー、米駆逐艦USSラブーン、オランダのフリゲート艦HNLMSエヴァーツェンの三隻がが黒海を航行する中、ロシア艦艇が遠方で監視しているのがわかる。(写真後方) June 17, 2021. US Navy Photo

 

 

このような偽装工作を行った理由は不明だが、オープンソース情報の信ぴょう性へ疑いが生まれている。AISもその一種であり、軍のみならず報道機関も多用している。今回はAISによる航路追跡データが操作された証拠がある。NATOにコメントを求めたが応答はなく、航路データそのものはオランダの海軍関係ニュースサイトMarineschepen.nlが偽物であると確認している。

 

AIS情報を収集するMarineTraffic.comもオデッサ付近の受信局チョルモモルスクでAISに情報と同じ内容を得ている。その他のAIS受信局も同様にフェイクの位置情報を示した。HMSディフェンダーはIMO 4907878の識別番号で示され、HNLMSエヴァーツェンはMMSI 244942000オランダ海軍艦艇とされている。そもそも虚偽のAISデータが提示された方法は不明だ。

 

ディフェンダー、エヴァーツェンはともにHMSクイーンエリザベス(R08)を中心とするCSG21空母打撃群の一部で、CSG21の本体は地中海に残り、この二隻が一時的に黒海へ送られ、航行の自由作戦とともに同盟国との演習を展開した。両艦はトルコ、ウクライナ両国を訪問し、演習はルーマニア、ジョージアと展開した。米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦USSラブーン(DDG-58)も両艦に加わった。■

 


この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。


 

 

Positions of Two NATO Ships Were Falsified Near Russian Black Sea Naval Base - USNI News


By: H I Sutton

June 21, 2021 2:36 PM

 

2015年6月17日水曜日

ロシア>西側への苛立ち? 空中、海上での事故未遂事件が増える


ロシアによる示威的な行動がエスカレートしてきましたが、いつか本当に衝突事故にならないか心配です。ロシアという国は極めて外国からの攻撃を恐れる国ですので、ロシア人の中には説明の付かない恐怖心があるのかもしれませんが、一方で西側を排除したい妄想も強まっているようですね。

Russian Su-27 Fighters Intercept US RC-135 Intelligence Aircraft

by RICHARD SISK on JUNE 12, 2015

FILE PHOTO -- The RC-135U Combat Sent, located at Offutt Air Force Base, Neb., provides strategic electronic reconnaissance information to the president, secretary of defense, Department of Defense leaders and theater commanders.  (U.S. Air Force photo)

5月30日に黒海上空でロシアのSu-27フランカー戦闘機が米情報収集機に危険なほど接近したとペンタゴンが6月12日に発表した。
  1. 主任報道官スティーブ・ウォーレン陸軍大佐はロシア機がRC-135の上空を二回通過飛行していると発表した。一機目は国際空域において両国が普段から行う「プロとしての」迎撃パターンだったという。ただし二機目のフランカーは「プロらしからぬかつ不適当な」通過飛行を行ったという。
  2. 2機目のフランカーは背後から近づき、危険なまで接近してRC-135の下部をすり抜けた。「この接近飛行の意図は不明だ」とウォーレン大佐は論評した。
  3. 5月30日の出来事は米ロ海軍関係者が恒例のナボリにおける「1972年公海海上及び上空での危険事態回避合意事項」の見直し(INCSEA)を行う中で発生している.
  4. 国防関係者によれば「会合では最近の迎撃行為や空中接近事例並びに海上での事例を取り上げ、INCSEAで合意済み原則の見直しを行った」とのことだが、5月30日の事案が討議の内容だったかは不明だという。
  5. 会合は米ロの航空機・艦船の衝突あるいは事故の予防方法を検討するのが目的で、開催は前回2013年11月のサントペテルスブルグ以来となった
  6. ロシアによる空のいやがらせが増えているのは米国とNATO軍が大規模な演習を黒海で展開していることにも関連がある。演習はBaltops 15と呼ばれ、B-52三機が米本土から英国に展開され、演習に参加した。
  7. 今回のRC-135機への接近飛行は別のSu-24がクリミア半島近くで駆逐艦USSロスにつきまとったのとほぼ同時間に発生した。
  8. 米海軍は6月1日にビデオ画像を発表し、ロシア機が低空水平飛行で同艦上空を2回通過している様子を公開した。.
  9. ロシア国営通信からは同艦が不遜な行動をとったため黒海から駆逐したとの誤った報道が出ている。しかし米海軍はこの報道を否定し、画像を公開した。
  10. 5月30日のRC-135とSu-27の事件はロシアが黒海上空で米偵察機を力ずくで脅かそうする二回目の事例となった。
  11. 4月7日にSu-27一機が危バルト海上空を飛行中のRC-135に険なほどの距離で接近し、ペンタゴンは「危険かつ無鉄砲」と非難している。.米政府は同事案を外交ルートで非難している。このSu-27はRC-135から20フィートの地点を飛行した。
  12. 米国はロシア軍部隊の情報集活動も強化しており、ロシアのバルト海飛び地領土のカリニングラードが情報活動の主要対象だと言われる。ロシア報道ではイスカンダル短距離核兵器運用可能ミサイルをカリニングラードに搬送済みとしている。
  13. 危険な空での接近飛行や駆逐艦への嫌がらせに加え、ロシアの長距離核運用可能爆撃機がヨーロッパや北アメリカでの飛行回数を増やしており、軍事関係者は露による核示威行動と見ている。.
  14. ヨーロッパリーダーシップネットワークによる報道では「2014年のロシア対西側の危険な瀬戸際軍事接近行動」でロシア戦闘機が米国やNATOの偵察機に対する嫌がらせをする事案が増えており、艦艇上空通過飛行は「爆撃ミッションの模擬演習」だという。.
  15. 記事では「相当の範囲に及ぶ各地で領空侵犯、緊急スクランブル、かろうじて回避出来た空中接近、海上での接近、模擬攻撃その他危険な行為が日常的に発生している」と評している。■

2014年10月12日日曜日

黒海に派遣された米駆逐艦USSコール


USSコールといえば、アルカイダのテロ攻撃で横腹に大穴を開けられた駆逐艦です。その後本国へ送還され、無事復帰していたのですね。そういえば真珠湾で大破した戦艦群も修理され戦列に復帰していましたね。いずれもやられても黙ってはいないアメリカの精神を具現化していますね。黒海は米ロ対立の現場になっているようです

USS Cole to Enter Black Sea On Friday

By: Sam LaGrone
Published: October 9, 2014 5:15 PM
Updated: October 9, 2014 5:15 PM
USS Cole (DDG 67) makes preparations for getting underway after a scheduled port visit to Haifa, Israel on Sept. 18, 2014. US Navy Photo
USS コール(DDG 67) がハイファ(イスラエル)から出港準備している 2014年9月18日撮影 US Navy Photo

10月10日に誘導ミサイル駆逐艦USSコール Cole (DDG-67)が黒海に派遣され、3月にロシアがクリミア半島を占拠してから継続している示威任務に合流する。
  1. 米第六艦隊から「合衆国は集団安全保障の責任を果たすべくNATO加盟国および関係国に対し地域内の平和と安定に貢献していく。ロシアによるウクライナ干渉がその念頭にある」との声明文がでた。
  2. コールはNATO海軍演習Sea Breaze 2014の終了後に初めて黒海入りする米艦となる。USSロスRoss (DDG -71) が9月12日に黒海から退去してから米艦はいなかった。
  3. クリミア併合が起こってからNATO艦船が黒海にとどまる頻度が増しており、これまでにない事態となっている。特にフランスと合衆国が継続して艦船を派遣しており示威行動を維持してきた。
  4. フランス情報収集艦デピュイ・ド・ロームDupuy de Lôme (A759)は黒海に出入りを繰り返しており、その他フランスはフリゲート艦2隻を順番に黒海へ派遣していいる。
  5. 黒海沿岸に領土を有さない各国は1936年のモントルー条約で黒海に21日以上軍艦を派遣できない。■
.

2014年9月4日木曜日

黒海で増強されつつあるNATO艦船の動き



ウクライナでロシアが真っ先に狙ったのがクリミヤ半島です。黒海を裏庭と考えるロシアにはNATO艦船の動きは神経をいらだたせていることでしょう。国内では黒海の動きは報道されていないと思いますので、今後も動静をフォローしていきます。




Four NATO Ships Due in Black Sea Ahead of Maritime Exercise

By: Sam LaGrone
Published: September 3, 2014 3:24 PM
Updated: September 3, 2014 3:26 PM
Sailors assigned to the Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Ross (DDG 71) conduct small boat operations in a rigid-hull inflatable boat on Aug. 3, 2014. US Navy Photo
アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USS ロスRoss (DDG 71) 乗組員が小舟艇の訓練を8月3日に行っている様子 US Navy Photo

NATO艦船4隻が黒海に数日以内に移動し、ウクライナ含む国際演習に臨むことが米海軍発表から判明した。今回の4隻を加え、NATO艦船は黒海に9隻、過去最大規模になる。

  1. 誘導ミサイル駆逐艦USSロス Ross (DDG-71) がボスポラス海峡を通過したと米第六艦隊から発表あり、フランス海軍フリゲート、コマンダン・ビロCommandant Birot(F796)も通過するという。

  1. ロスの派遣はNATO加盟国ならびに域内提携国の集団的安全保障への米国の真剣さを示す目的があると第六艦隊は発表している。

  1. カナダ海軍のハリファックス級フリゲートHMCSトロント Toronto (FFH-333) 、スペイン海軍誘導ミサイルフリゲート艦アルミランテ・フアン・ド・ボルボーンAlmirante Juan de Borbón (F-102) も9月7日までに黒海に移動するとロシア通信社イタル-タスが報道している。

  1. 各艦は演習シー・ブリーズが9月8日から10日にかけ実施されるため派遣されたとペンタゴン報道官スティーブ・ウェーレン大佐が報道陣に3日発表している。演習では海上阻止行動、防御、航法、人道災難救援humanitarian and disaster relief (HADR) を実施する。7月には機雷対応を主眼とした海軍演習が行われている。

  1. フランス海軍の情報収集艦デュピュイドローム Dupuy de Lôme (A759)は依然として黒海にあると言われ、ロシアに対する示威ミッションにあたっている。

  1. 黒海内に自国領土を有さない各国の艦船はいわゆる1936年のモントルー条約で21日を超えて黒海に艦船を派遣することができない。■